JP2004103754A - 面発光レーザ素子および面発光レーザモジュールおよび面発光レーザアレイおよび光伝送システム - Google Patents

面発光レーザ素子および面発光レーザモジュールおよび面発光レーザアレイおよび光伝送システム Download PDF

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Akihiro Ito
伊藤 彰浩
Shunichi Sato
佐藤 俊一
Takashi Takahashi
高橋 孝志
Naoto Jikutani
軸谷 直人
Morimasa Uenishi
上西 盛聖
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Abstract

【課題】p−DBRを用いない面発光レーザ素子において、さらに、低いしきい値電流,高いスロープ効率,低い素子抵抗を持ち、より高速な伝送特性をもち、用途にとってはより高い出力が得られる面発光レーザ素子を提供する。
【解決手段】第1のミラーと第2のミラーとの間に複数の半導体活性層が設けられ、それぞれの半導体活性層の両側に相対するようにp型またはn型の導電性のスペーサ層が設けられ、それぞれの半導体活性層を含むpn接合にそれぞれ電流を注入する電流注入手段が設けられており、前記第1のミラーおよび前記第2のミラーの一部の領域または全ての領域が、n型導電性または非導電性のものとなっている。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、面発光レーザ素子および面発光レーザモジュールおよび面発光レーザアレイおよび光伝送システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体基板表面に対し垂直に光をとりだす構造である面発光レーザは、従来の端面発光レーザと比べて、次のような利点をもっている。すなわち、面発光レーザは、活性層体積を小さくできることから、低いしきい値電流、低い消費電力で駆動できる。また、共振器のモード体積が小さいため、数十GHzの変調が可能であり、高速伝送に向く。また、出射光の広がり角が小さく光ファイバへの結合が容易である。さらに、面発光レーザは、作製にへき開を必要とせず、素子面積も小さいので、並列化及び2次元高密度アレイ化が可能である。
【0003】
これらの利点をもつため、近年、伝送する情報が高速大容量になっている光通信システム分野、及び、コンピューター間、チップ間、チップ内の高速データ伝送が可能な光インターコネクション分野において、面発光レーザはキーデバイスになると考えられている。
【0004】
一般に、面発光レーザは、半導体基板と垂直方向にレーザ共振器を構成し、光を基板と垂直に出射する構成をとる。そして、基板と素子表面とに、高反射率の半導体多層膜反射鏡(半導体DBR)や誘電体多層膜反射鏡(誘電体DBR)や金属反射鏡が設けられ、これらの反射鏡の間に活性層が設けられる。そして、活性層と2つの反射鏡の間に、スペーサ層が設けられる。さらに、活性層近傍に電流と光を閉じ込める必要があるため、また、高速変調では寄生容量を低減する必要があるため、レーザ構造としては半導体柱構造をとり、且つ、活性層近傍に電流狭窄する構造を設ける場合が一般的である。
【0005】
上記一般的な構成のうち、多くの場合は、製造工程が容易なことから、面発光レーザは、以下のような素子構成をとる。
【0006】
すなわち、面発光レーザの素子構成としては、図1に示すように、p型またはn型の導電性の半導体基板上に、基板と同じ導電性の下部ミラー層(下部半導体多層膜反射鏡(半導体DBR))、下部半導体スペーサ層、半導体活性層、上部半導体スペーサ層、下部ミラー層(下部半導体DBR)とは逆の導電性をもつ上部ミラー層(上部半導体DBR)を順次積層した膜構成をもち、さらに、この積層膜は半導体柱構造に加工されている。さらに、基板裏面には下部電極が形成され、上部ミラー層(上部半導体DBR)の上面の一部には上部電極が形成されている。また、電流狭窄部としては、上記積層膜構成にAl(Ga)As層を挿入し、この層を電流経路を除いて酸化し絶縁領域を形成する構成をとる場合や、積層膜表面からプロトンや酸素イオンを活性層近傍に注入し絶縁領域を形成する構成をとる場合がある。
【0007】
このような構成の面発光レーザは、端面発光レーザと比較して、大幅に小さい電流,消費電力で駆動でき、より高速な伝送特性が得られている。
【0008】
しかし、光通信分野,インターコネクション分野では、より高速変調できる素子が常に望まれている。また、光メモリ分野,レーザプリンタ分野では、より高速により小さい消費電力で書き込みができる発光素子が望まれている。
【0009】
よって、従来よりもさらに小さいしきい値電流で発振する、より低抵抗な、より高出力な面発光レーザの出現が期待されている。
【0010】
ところで、従来構造の面発光レーザの多くは、素子構成の一部にp−DBRが用いられている。
【0011】
しかし、p型半導体は価電子帯間吸収と価電子帯アクセプタ準位間吸収による光吸収が大きいため、光導波領域にp型半導体層を用いたレーザ素子は、しきい値電流が上昇し、外部量子効率が低下し、温度特性も悪化する(例えば文献: 伊藤良一、中村道治編「半導体レーザ[基礎と応用]」、培風館刊を参照)。
【0012】
従って、従来のレーザ特性をさらに向上させるには、p−DBRを用いない構造が望ましい。p−DBRを用いない構造の例として、次の2つの素子構成が挙げられる。
【0013】
第1の素子構成は、例えば特開2000−277853に示されているようなトンネル接合電流狭窄構造をもつ面発光レーザである。すなわち、この面発光レーザは、第1のミラーと第1のn側電極とを有し、第1のミラー上に、下部n型スペーサ層、活性層、p型スペーサ層、トンネル接合(後の熱処理工程で、このトンネル接合の電流経路部を除いた部分を非導電性にし電流狭窄部を形成する)、上部n型スペーサ層を順次積層する構成を有し、さらに、この上部n型スペーサ層の上で、レーザ光の光路部以外の領域に第2のn側電極を有し、この上部n型スペーサ層の上で、レーザ光の光路部の領域に第2のミラーを有する構成となっている。
【0014】
また、第2の素子構成は、特開平11−243257号に示されているようなイントラキャビティコンタクト(Intracavity Contacts)構造の面発光レーザである。このイントラキャビティコンタクト構造は、共振器内または共振器に接して電流を注入する機構を有する構造である。すなわち、この構造は、具体的には、例えば、少なくとも一方が誘電体DBRである2つのミラーと、これらのミラーの間に活性層を含む共振器構造とを有し、さらに、これらのミラーの間に電流ガイドと光学ガイドを有し、さらに、この共振器構造の内部に、または、この共振器構造に接した領域に、電流を注入するp側電極とn側電極を有する構造である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の面発光レーザは、p−DBRを用いない構造となっているものの、活性層は1つであり、駆動電流経路も1つであり、従って、高いレーザ特性を得るには限界があった。
【0016】
本発明は、p−DBRを用いない面発光レーザ素子において、さらに、低いしきい値電流,高いスロープ効率,低い素子抵抗を持ち、より高速な伝送特性をもち、用途にとってはより高い出力が得られる面発光レーザ素子および面発光レーザモジュールおよび面発光レーザアレイおよび光伝送システムを提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、第1のミラーと第2のミラーとの間に複数の半導体活性層が設けられ、それぞれの半導体活性層の両側に相対するようにp型またはn型の導電性のスペーサ層が設けられ、それぞれの半導体活性層を含むpn接合にそれぞれ電流を注入する電流注入手段が設けられており、前記第1のミラーおよび前記第2のミラーの一部の領域または全ての領域が、n型導電性または非導電性のものとなっていることを特徴としている。
【0018】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の面発光レーザ素子において、前記第1のミラー上に、第1のスペーサ層、第1の半導体活性層、p型導電性の中間スペーサ層、第2の半導体活性層、第2のスペーサ層、第2のミラーを積層した層構造が設けられ、それぞれのスペーサ層に電流を注入する電流注入手段が設けられていることを特徴としている。
【0019】
また、請求項3記載の発明は、請求項1記載の面発光レーザ素子において、前記第1のミラー上に、p型の第1のスペーサ層、第1の半導体活性層、n型導電性の中間スペーサ層、第2の半導体活性層、p型の第2のスペーサ層、第2のミラーを積層した層構造が設けられ、それぞれのスペーサ層に電流を注入する電流注入手段が設けられていることを特徴としている。
【0020】
また、請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の面発光レーザ素子において、前記第1のミラーまたは前記第2のミラーのいずれかまたは両方が誘電体多層膜ミラー(DBR)であり、該誘電体多層膜ミラー(DBR)と接するスペーサ層に、電流を注入する電流注入手段が設けられていることを特徴としている。
【0021】
また、請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の面発光レーザ素子において、複数の半導体活性層の利得ピーク波長が同一であることを特徴としている。
【0022】
また、請求項6記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の面発光レーザ素子において、複数の半導体活性層の利得ピーク波長が異なることを特徴としている。
【0023】
また、請求項7記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の面発光レーザ素子において、前記第1のミラー、前記第2のミラー、前記スペーサ層のいずれか、または、全ての層に、電流狭窄構造が設けられていることを特徴としている。
【0024】
また、請求項8記載の発明は、請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の面発光レーザ素子において、該面発光レーザ素子は、活性層にGaInNAs系材料からなる層を含む量子井戸構造を有していることを特徴としている。
【0025】
また、請求項9記載の発明は、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の面発光レーザ素子において、各活性層を含むpn接合のp側半導体に電流を注入するp側電極を電気的に共通としたp側共通電極が設けられ、各活性層を含むpn接合のn側半導体に電流を注入するn側電極を電気的に共通としたn側共通電極が設けられており、p側共通電極,n側共通電極は、それぞれ、駆動電流供給回路に接続されていることを特徴とする面発光レーザモジュールである。
【0026】
また、請求項10記載の発明は、請求項9記載の面発光レーザモジュールにおいて、各活性層を含むpn接合における、各p側電極とp側共通電極との間の配線、および、各n側電極とn側共通電極との間の配線の少なくとも1つ、または、全部に、各活性層に注入する電流値を調整するための電流調整手段が設けられていることを特徴とする面発光レーザモジュールである。
【0027】
また、請求項11記載の発明は、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の面発光レーザ素子において、各活性層を含むpn接合に各々駆動電流供給回路を接続することを特徴とする面発光レーザモジュールである。
【0028】
また、請求項12記載の発明は、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の面発光半導体レーザ素子、または、請求項9乃至請求項11のいずれか一項に記載の面発光レーザモジュールにおいて、面発光レーザ素子が半導体基板上にアレイ状に複数個配列されていることを特徴とする面発光レーザアレイである。
【0029】
また、請求項13記載の発明は、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の面発光半導体レーザ素子、または、請求項9乃至請求項11のいずれか一項に記載の面発光レーザモジュール、または、請求項12記載の面発光レーザアレイが用いられていることを特徴とする光伝送システムである。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0031】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態は、第1のミラーと第2のミラーとの間に複数の半導体活性層が設けられ、それぞれの半導体活性層の両側に相対するようにp型またはn型の導電性のスペーサ層が設けられ、それぞれの半導体活性層を含むpn接合にそれぞれ電流を注入する電流注入手段が設けられており、前記第1のミラーおよび前記第2のミラーの一部の領域または全ての領域が、n型導電性または非導電性のものとなっていることを特徴としている。
【0032】
ここで、非導電性のミラーとは、1×1017/cm未満のキャリア濃度をもつ半導体多層膜ミラー(半導体DBR)、または、誘電体多層膜ミラー(誘電体DBR)である。
【0033】
また、p型,n型の導電性のスペーサ層とは、それぞれのキャリアの濃度が5×1016/cm以上である層である。
【0034】
また、ミラーの一部の領域とは、ミラーの厚さの2/3以上の部分の領域(ミラーの大部分の領域)とする。
【0035】
また、活性層(半導体活性層)は、単層でも良く、多層からなる多重量子井戸構造でもよい。
【0036】
また、各活性層の位置は、レーザ発振光のモード定在波の腹の部分に配置することが望ましい。
【0037】
このような構成の面発光レーザ素子を作製する場合、半導体基板上に、n型または非導電性の半導体多層膜反射鏡からなる第1のミラーを設け、さらに各スペーサ層、活性層を一括でエピタキシャル成長させることが、工程が簡便になり、積層膜を高品質にできるので望ましい。ただし、上記スペーサ層のうち1部は半導体基板からなる場合も含む。
【0038】
図2は、上述した第1の実施形態の面発光レーザ素子の第1の具体例を示す図である。なお、図2の例では、4つの活性層をもつ場合が示されている。
【0039】
すなわち、図2の例の面発光レーザ素子では、n型半導体基板上に、n型導電性の第1のミラー、n型の第1のスペーサ層、第1の活性層、p型の第2のスペーサ層、第2の活性層、n型の第3のスペーサ層、第3の活性層、p型の第4のスペーサ層、第4の活性層、n型の第5のスペーサ層、n型導電性の第2のミラーからなる積層構造が設けられている。
【0040】
これらの積層構造は、第2のスペーサ層、第3のスペーサ層、第4のスペーサ層の層中にテラスを持つ柱状構造を形成するように加工される。これらのテラス上には、p側第1中間電極、n側第2中間電極、p側第3中間電極が設けられ、それぞれのスペーサ層と接続される。
【0041】
さらに、n側の第1の電極は、半導体基板を介し第1のミラーに接続される。さらに、第2のミラーの上面には、n側の第2の電極が設けられている。光出力は、第1のミラー側から取り出される。従って、上記第1の電極は、出射するレーザ光の光路を塞がないように設けられる。
【0042】
これらの積層構造膜は、MOCVD法,MBE法等の方法で形成される。また、多段のテラスをもつ半導体柱構造は、ウェットエッチング法又はドライエッチング法により形成できる。
【0043】
また、この半導体柱構造の表面には、SiO,SiON,SiN,TiO,TiN、ポリイミドなどの材料からなる保護膜が設けられる。
【0044】
また、図3は上述した第1の実施形態の面発光レーザ素子の第2の具体例を示す図である。図3の例の面発光レーザ素子では、n型の半導体基板上に、n型の第1半導体DBR(ミラー)、n型の第1のスペーサ層、第1の活性層、p型の第2のスペーサ層、第2の活性層、n型の第3のスペーサ層、第3の活性層、p型の第4のスペーサ層、ノンドープの第2半導体DBR(ミラー)が積層され、積層構造が形成されている。
【0045】
これらの積層構造は、p型の第2のスペーサ層中に底面をもち、n型の第3のスペーサ層、p型の第4のスペーサ層の層中にテラスを持つ3段の柱状構造を形成するように加工されて、底面上にはp側中間電極が設けられ、各テラス上にはn側中間電極,p側第2電極が設けられている。また、n型の半導体基板の裏面にはn型第1電極が設けられている。そして、光出力は、第2のミラー(ノンドープの第2の半導体DBR)側から取り出されるようになっている。
【0046】
図2または図3の面発光レーザ素子では、各電極から、各活性層に両側から異なる極性のキャリアが注入されるように電流を流し、レーザ発振させることかできる。
【0047】
この第1の実施形態の面発光レーザ素子では、p−DBRを用いていないので、ミラーでの光損失が小さくなる。このため、より低い閾値が得られ、また、より高いスロープ効率が得られる。よって、駆動電流が小さくて済み、素子の消費電力が少なくなる。また、素子の発熱も少なくなることから、駆動電流を大きくでき、より高い光出力が得られる。また、高出力が得られるため、共振器中の光子密度が高くなりより、高速な変調が可能になる。
【0048】
また、図1に示した従来の1つの活性層をもつ面発光レーザと比較すると、この第1の実施形態の面発光レーザ素子は、同一の共振器中に複数の活性層があるので、大幅に高い光出力が得られる。さらに、高出力が得られるため、共振器中の光子密度が高くなり、より高速な変調が可能になる。
【0049】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態は、上述した第1の実施形態の面発光レーザ素子において、前記第1のミラー上に、第1のスペーサ層、第1の半導体活性層、p型導電性の中間スペーサ層、第2の半導体活性層、第2のスペーサ層、第2のミラーを積層した層構造が設けられ、それぞれのスペーサ層に電流を注入する電流注入手段が設けられていることを特徴としている。
【0050】
図4は第2の実施形態の面発光レーザ素子の第1の具体例を示す図である。図4の例の面発光レーザ素子では、非導電性の半導体基板上に、非導電性の第1の半導体DBR(ミラー)、n型の第1の半導体スペーサ層、第1の半導体活性層、p型導電性の第2のスペーサ層、第2の半導体活性層、n型導電性の第3のスペーサ層、非導電性の第2半導体DBR(ミラー)を順次積層して、積層構造が形成されている。
【0051】
これらの積層構造は、第1のスペーサ層中に底面が位置し、第2のスペーサ層中と第3のスペーサ層中にテラスが位置する柱状構造を形成するように加工されて、底面にはn側の第1の電極が設けられ、テラス上にはp側中間電極,n側の第2の電極が設けられている。そして、光出力は、第2のミラー(非導電性の第2の半導体DBR)側から取り出されるようになっている。
【0052】
また、図5は第2の実施形態の面発光レーザ素子の第2の具体例を示す図である。図5の例の面発光レーザ素子では、n型の半導体基板上に、n型の第1の半導体DBR(ミラー)、n型の第1の半導体スペーサ層、第1の半導体活性層、p型導電性の第2のスペーサ層、第2の半導体活性層、n型導電性の第3のスペーサ層、n型の第2の半導体DBR(ミラー)を順次積層して、積層構造が形成されている。
【0053】
これらの積層構造は、第1の半導体DBR中に底面が位置し、第2のスペーサ層中にテラスが位置する柱状構造を形成するように加工されて、p側の中間電極が第2のスペーサ層中のテラス上に設けられ、n側の第1の電極が半導体基板の裏面に設けられ、n側の第2の電極が第2の半導体DBR上の出射するレーザ光の光路を塞がない位置に設けられている。
【0054】
また、図6は第2の実施形態の面発光レーザ素子の第3の具体例を示す図である。図6の例の面発光レーザ素子では、非導電性半導体基板上に、非導電性の第1の半導体DBR(ミラー)、n型の第1のスペーサ層、第1の半導体活性層、p型導電性の第2のスペーサ層、第2の半導体活性層、n型導電性の第3の半導体スペーサ層、n型の第2の半導体DBR(ミラー)を順次積層して、積層構造が形成されている。
【0055】
これらの積層構造は、第1のスペーサ層中に底面が位置し、第2のスペーサ層中にテラスが位置する2段の柱状構造を形成するように加工されて、n側の第1の電極が第1のスペーサ層中の底面に設けられ、p側の中間電極が第2のスペーサ層上のテラス上に設けられ、n側の第2の電極が第2の半導体DBR上の出射するレーザ光の光路を塞がない位置に設けられている。
【0056】
図4,図5,図6の面発光レーザ素子では、中間電極を正極とし、第1の電極と第2の電極を負極として、素子に電流を流し、レーザ発振させることができる。
【0057】
この第2の実施形態の面発光レーザ素子では、第1の実施形態の面発光レーザ素子の構成のうち、より簡便な構成を提供しているので、製造が容易で、消費電力が少なく、高い光出力が得られる、高速変調が可能な面発光レーザを提供することができる。
【0058】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態は、上述した第1の実施形態の面発光レーザ素子において、前記第1のミラー上に、p型の第1のスペーサ層、第1の半導体活性層、n型導電性の中間スペーサ層、第2の半導体活性層、p型の第2のスペーサ層、第2のミラーを積層した層構造が設けられ、それぞれのスペーサ層に電流を注入する電流注入手段が設けられていることを特徴としている。
【0059】
図7は第3の実施形態の面発光レーザ素子の第1の具体例を示す図である。図7の例の面発光レーザ素子では、ノンドープ半導体基板上に、上部の領域がp型半導体DBRからなり、残りの部分(主体部)がノンドープの非導電性半導体DBRからなる第1のミラー(第1半導体DBR)が設けられている。そして、その上に、p型の第1のスペーサ層、第1の活性層、n型の第2のスペーサ層、第2の活性層、p型の第3のスペーサ層、ノンドープの非導電性の第2の半導体DBR(ミラー)を積層して、積層構造が形成されている。
【0060】
これらの積層構造は、p型半導体DBR中に底面をもち、第2のスペーサ層,第3のスペーサ層の層中にテラスを持つ3段の柱状構造を形成するように加工されて、底面上にp側第1電極が設けられ、各テラス上にn側中間電極,p側第2電極が設けられている。そして、光出力は、第2のミラー(第2の半導体DBR)側から取り出されるようになっている。
【0061】
図8は第3の実施形態の面発光レーザ素子の第2の具体例を示す図である。図8の例の面発光レーザ素子では、ノンドープ非導電性半導体基板上に、ノンドープの非導電性半導体DBRからなる第1のミラー(非導電性第1半導体DBR)が設けられている。そして、その上に、p型の第1のスペーサ層、第1の活性層、n型の第2のスペーサ層、第2の活性層、p型の第3のスペーサ層、ノンドープの非導電性の第2の半導体DBR(ミラー)を積層して、積層構造が形成されている。
【0062】
これらの積層構造は、p型の第1のスペーサ層中に底面をもち、n型の第2のスペーサ層,p型の第3のスペーサ層の層中にテラスを持つ3段の柱状構造を形成するように加工されて、底面上にp側第1電極が設けられ、各テラス上にn側中間電極,p側第2電極が設けられている。そして、光出力は、第2のミラー側から取り出されるようになっている。
【0063】
図7,図8の面発光レーザ素子では、中間電極を負極とし、第1の電極と第2の電極を正極として、素子に電流を流し、レーザ発振させることができる。
【0064】
この第3の実施形態の面発光レーザ素子では、第1の実施形態の面発光レーザ素子の構成のうち、より簡便な構成を提供しているので、製造が容易で、消費電力が少なく、高い光出力が得られる、高速変調が可能な面発光レーザを提供することができる。
【0065】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態は、第1乃至第3のいずれかの実施形態の面発光レーザ素子において、前記第1のミラーまたは前記第2のミラーのいずれかまたは両方が誘電体多層膜ミラー(DBR)であり、該誘電体多層膜ミラー(DBR)と接するスペーサ層に、電流を注入する電流注入手段が設けられていることを特徴としている。
【0066】
図9は第4の実施形態の面発光レーザ素子の第1の具体例を示す図である。図9の面発光レーザ素子では、ノンドープの非導電性半導体基板上に、上部の領域がp型半導体DBRからなり、残りの部分(主体部)がノンドープの非導電性半導体DBRからなる第1のミラー(第1半導体DBR)が設けられている。そして、その上に、p型の第1のスペーサ層、第1の活性層、n型の第2のスペーサ層、第2の活性層、p型の第3のスペーサ層を積層して、積層構造が形成されている。
【0067】
これらの積層構造は、p型半導体DBR(上部)中に底面をもち、第2のスペーサ層中にテラスを持つ2段の柱状構造を形成するように加工されている。
【0068】
そして、図9の面発光レーザ素子では、第3のスペーサ層の表面で、レーザ光の光軸の交叉する領域上に、SiO/ZrOからなる誘電体DBR(第2誘電体DBR(ミラー))が形成されている。このとき、第3のスペーサ層の表面の外周部には誘電体DBRを設けないようにする。
【0069】
そして、図9の面発光レーザ素子では、テラス上で、n側中間電極がn型の第2スペーサ層と接続されるように設けられ、また、p型の第3のスペーサ層表面の第2誘電体DBR(ミラー)が形成されていない領域に、p側の第2の電極が設けられている。さらに、p側の第1電極がp型半導体DBR中の底面に設けられている。そして、光出力は第2のミラー側から取り出されるようになっている。
【0070】
図9の面発光レーザ素子では、p側第1電極とp側第2電極を正極とし、n側中間電極を負極として電流を流し、レーザ発振させることができる。
【0071】
図10は第4の実施形態の面発光レーザ素子の第2の具体例を示す図である。図10の面発光レーザ素子では、n型の半導体基板上に、n型の第1の半導体DBR(ミラー)、n型の第1の半導体スペーサ層、第1の半導体活性層、p型導電性の第2のスペーサ層、第2の半導体活性層、n型導電性の第3の半導体スペーサ層を積層して、積層構造が形成さている。
【0072】
これらの積層構造は、n型半導体DBR中に底面をもち、p型の第2のスペーサ層中にテラスを持つ2段の柱状構造を形成するように加工されている。
【0073】
そして、図10の面発光レーザ素子では、n型の第3のスペーサ層の表面で、レーザ光の光軸の交叉する領域上に、SiO/MgOからなる誘電体DBR(第2誘電体DBR(ミラー))が形成されている。このとき、第3のスペーサ層の表面の外周部には誘電体DBRを設けないようにする。
【0074】
そして、図10の面発光レーザ素子では、テラス上で、p側中間電極がp型の第2スペーサ層と接続されるように設けられ、また、n型の第3のスペーサ層表面の誘電体DBR(第2のミラー)が形成されていない領域に、n側の第2の電極が設けられている。さらに、n側の第1電極がn型半導体基板の裏面に設けられている。そして、光出力は、第2のミラー側から取り出されるようになっている。
【0075】
図10の面発光レーザ素子では、n側第1電極とn側第2電極を負極とし、p側中間電極を正極として電流を流し、レーザ発振させることができる。
【0076】
この第4の実施形態の面発光レーザ素子では、半導体DBRに比べて誘電体DBRは構成膜間の屈折率差を大きくできるので、より少ない層数で高い反射率のミラーが得られる。
【0077】
また、半導体基板から最上部の第2のミラーまで半導体エピタキシャル膜で作製する場合は、多段の半導体柱を全てエッチングで作製する必要があり、加工プロセスが複雑になる。このため、最上部のスペーサ層までエピタキシャル成長膜を作製した後、より少ない段数の半導体柱をエッチング加工で作製し、しかる後、第2の電極と第2のミラーの誘電体DBRを作製する方が、安定した工程で素子が得られる。
【0078】
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態は、第1乃至第4のいずれかの実施形態の面発光レーザ素子において、複数の半導体活性層の利得ピーク波長が同一であることを特徴としている。
【0079】
図11は第5の実施形態の面発光レーザ素子の具体例を示す図である。図11の面発光レーザ素子では、MOCVD法により、n型半導体基板(n型GaAs基板)上に、n−Al0.98Ga0.02As/n−Al0.5Ga0.5As 第1DBR(第1のミラー)、ノンドープ(Al0.7Ga0.30.5In0.5P第1スペーサ層、GaInP/Al0.25Ga0.25In0. P 3重量子井戸第1活性層、p−(Al0.7Ga0.30.5In0.5P 第2スペーサ層、GaInP/Al0.25Ga0.25In0.5P 3重量子井戸第2活性層、ノンドープ(Al0.7Ga0.30.5In0.5P第3スペーサ層、n−Al0.98Ga0.02As/n−Al0.5Ga0.5As n第2DBR(第2のミラー)を積層して、積層構造が形成されている。
【0080】
ここで、各活性層の位置は、レーザ発振光のモード定在波の腹の部分に配置する。また、各活性層のウェル層とバリア層の厚さと組成は、素子の使用温度(例えば50℃)において、利得ピーク波長が同一となるように調整する。
【0081】
そして、図11の面発光レーザ素子では、次に、エッチングにより、この積層構造は、2段のテラスをもつ半導体柱状構造に形成される。このテラスの底部は、前記ノンドープ 第1スペーサ層中であり、1段目のテラスは第2のスペーサ層中に配置される。また、テラスの最上面は、第2DBRの表面である。
【0082】
そして、図11の面発光レーザ素子では、蒸着法により、第2スペーサ層のテラス上にp側AuZn/Au中間電極が形成され、また、第2DBR表面の光出射口部以外の領域にn側AuGe/Au第2電極が形成されている。また、n−GaAs基板裏面には、n側AuGe/Au第1電極が蒸着法により形成されている。そして、光出力は、第2のミラー側から取り出されるようになっている。
【0083】
そして、図11の面発光レーザ素子では、p側電極を正極とし、2つのn側電極を負極として電流を流し、レーザ発振させることができる。
【0084】
この第5の実施形態の面発光レーザ素子では、同一の共振器中に利得ピーク波長が同一の活性層を複数含むので、単一波長又は波長幅の狭い波長のレーザ光が高出力で得られる。
【0085】
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態は、第1乃至第4のいずれかの実施形態の面発光レーザ素子において、複数の半導体活性層の利得ピーク波長が異なることを特徴としている。
【0086】
一般に、レーザ素子は、温度により利得のピーク波長がシフトする。面発光レーザ素子の場合は、特に、共振器長により発振波長が規定されるので、素子の使用温度が異なると、利得幅がこの共振波長から容易に外れてしまう場合があり、使用温度範囲が制限されることがある。
【0087】
本発明では、このような問題を解決するため、素子の使用温度の範囲で、固定された共振波長において、いずれかの半導体活性層が十分大きな利得を持つように、活性層の組成又は構造を調整した複数の半導体活性層を設けている。
【0088】
図12は第6の実施形態の面発光レーザ素子の具体例を示す図である。図12の面発光レーザ素子では、MBE法により、n型半導体基板(n型GaAs基板)上に、n−AlAs/n−Al0.3Ga0.7As 第1DBR(第1のミラー)、n−Al0.3Ga0.7As 第1スペーサ層、Al0.09Ga0.91As/Al0.3Ga0.7As 3重量子井戸第1活性層、p−Al0.3Ga0.7As 第2スペーサ層、Al0.1Ga0.9As/Al0.3Ga0.7As 3重量子井戸第2活性層、n−Al0.3Ga0.7As 第3スペーサ層、Al0.11Ga0.89As/Al0.3Ga0.7As 3重量子井戸第3活性層、p−Al0.3Ga0.7As 第4スペーサ層を積層して、積層構造が形成されている。
【0089】
ここで、各活性層の位置は、レーザ発振光のモード定在波の腹の部分に配置される。また、各活性層の組成およびウェル層とバリア層の厚さは、素子の使用温度範囲(例えば、0℃〜70℃)において、いずれかの活性層が十分な利得をもつように調整される。故に、一定温度においては、各活性層の利得ピーク波長は異なることになる。
【0090】
そして、図12の面発光レーザ素子では、エッチングにより、この積層構造は、3段のテラスをもつ半導体柱状構造に形成される。このテラスの底部は、前記第1DBR中であり、1段目のテラスは第2スペーサ層中であり、2段目のテラスは第3スペーサ層中に設けられる。また、テラスの最上面は、第4スペーサ層の表面である。
【0091】
そして、図12の面発光レーザ素子では、n−GaAs第4スペーサ層表面の中央部に、電子ビーム蒸着法でSiO/ZrOの6ペアからなる第2誘電体DBR(第2のミラー)が形成されている。
【0092】
そして、図12の面発光レーザ素子では、蒸着法により、第2スペーサ層のテラス上と第4スペーサ層表面の第2誘電体DBRが設けられていない部分とに、それぞれ、p側AuZn/Au第1中間電極とp側AuZn/Au第2電極とが形成され、また、第3スペーサ層のテラス上には、n側AuGe/Au第2中間電極が形成されている。また、n型GaAs基板の裏面には、n側AuGe/Au第1電極が蒸着法により形成されている。そして、光出力は、第2のミラー側から取り出されるようになっている。
【0093】
図12の面発光レーザ素子では、2つのp側電極を正極とし、2つのn側電極を負極として電流を流し、レーザ発振させることかできる。
【0094】
この図12の面発光レーザ素子では、利得ピーク波長が異なる複数の半導体活性層が同一の共振器中に含まれているので、広い温度範囲において高い利得が得られる。よって、使用温度範囲が広い面発光レーザ素子が得られる。
【0095】
なお、特開2000−299493には、一対のミラーの間に、発光スペクトルのピーク波長が異なる複数の量子井戸からなる発光層を含む構成の面発光レーザが開示されており、使用温度範囲内において安定した光出力が得られることが示唆されている。しかし、この面発光レーザは、同一電極から複数の活性層にキャリアを注入しているので、キャリア注入が不均一になり効率が悪い。これに対し、本発明では、活性層毎に電極があるので、キャリア注入は均一となり、効率が向上する。
【0096】
(第7の実施形態)
本発明の第7の実施形態は、第1乃至第6のいずれかの実施形態の面発光レーザ素子において、第1のミラー、第2のミラー、スペーサ層のいずれか、または、全ての層に、電流狭窄構造が設けられていることを特徴としている。
【0097】
1つの活性層をもつ従来の面発光レーザは、しきい値電流を小さくするため活性層近傍で電流狭窄構造を設け電流経路を絞り発光領域を小さくすることが行われている。本発明においても、これらの電流狭窄構造を設け発光領域を微小化することは、低しきい値化に有効である。電流狭窄構造を作製する方法としては、AlAs膜を酸化して絶縁性のAl膜を形成する方法、プロトンインプランテーションや酸素イオンインプラテーションにより活性層近傍に絶縁領域を設ける方法、AlAs膜のエッチングなどにより電流経路以外の領域を除去する方法、ドーピング元素をイオンインプランテーションや熱拡散により積層膜中に注入し絶縁領域を作製する方法などがある。
【0098】
プロトンインプランテーションや酸素イオンインプラテーションにより電流狭窄構造を設ける場合は、注入されるイオンの投影飛程のバラツキが大きい。本発明の面発光レーザ素子は、複数の活性層の間に電流を注入する構成なので、絶縁化する領域に精度が要求される。よって、これらの方法は表面に近い活性層付近の狭窄構造の作製などに適している。
【0099】
また、AlAs膜のエッチングなどにより電流経路以外の領域を除去する方法は、機械的強度の確保が困難であり、使用個所が限定される。
【0100】
また、ドーピング元素をイオンインプランテーションや熱拡散により積層膜中に注入する方法も、表面に近い活性層付近の狭窄構造の作製などに適している。
【0101】
一方、Al(Ga)Asは、GaAsとの格子整合性が良く、GaAs基板の上に良好にエピタキシャル成長させることができ、GaAs基板に成長させるレーザ構成膜中の任意の位置に挿入することができる。このAl(Ga)As膜を酸中又は水蒸気中等で選択的にこの膜だけ酸化することができる。最も酸化の進行度の制御性がよい組成領域は、AlGa1−xAs層(0.8≦x≦1)である。
【0102】
また、酸化されて生成したAlxOyの屈折率は、GaAs等からなる周辺の半導体層の屈折率より小さいため、発振光を閉じ込める効果も大きく、単一モードのレーザ光が得やすくなる。
【0103】
図13は第7の実施形態の面発光レーザ素子の第1の具体例を示す図である。図13の面発光レーザ素子では、ノンドープの非導電性半導体基板上に、上部の一部の領域がp型半導体DBRからなり、残りの部分がノンドープの非導電性半導体DBRからなる第1のミラー(第1半導体DBR)が設けられている。そして、その上に、AlAs第1選択酸化層、p型の第1のスペーサ層、第1の活性層、n型の第2のスペーサ層、第2の活性層、層中にAlGaAs第2選択酸化層を含むp型の第3のスペーサ層を積層して、積層構造が形成されている。これらの積層構造は、p型半導体DBR中に底面をもち、第2のスペーサ層中にテラスを持つ2段の柱状構造を形成するように加工されている。
【0104】
また、図13の面発光レーザ素子では、HO蒸気により上記AlAs第1選択酸化層とAlGaAs第2選択酸化層を酸化して電流狭窄構造が形成されている。
【0105】
また、図13の面発光レーザ素子では、第3のスペーサ層の表面で、レーザ光の光軸の交叉する領域上に、SiO/Yからなる誘電体DBR(第2誘電体DBR(第2のミラー))が形成されている。このとき、第3のスペーサ層の表面の外周部には誘電体DBRを設けないようにする。
【0106】
そして、図13の面発光レーザ素子では、テラス上で、n側中間電極がn型の第2スペーサ層と接続されるように設けられ、また、p型の第3のスペーサ層表面の誘電体DBR(第2のミラー)を形成していない領域にp側の第2の電極が設けられている。さらに、p側の第1電極がp型半導体DBR中の底面に設けられている。そして、光出力は、第2のミラー側から取り出されるようになっている。
【0107】
図13の面発光レーザ素子では、p側の第1電極とp側第2電極を正極とし、n側中間電極を負極として電流を流し、レーザ発振させることができる。
【0108】
また、図14は第7の実施形態の面発光レーザ素子の第2の具体例を示す図である。図14の面発光レーザ素子では、n型の半導体基板上に、n型の第1の半導体DBR(第1のミラー)、n型の第1の半導体スペーサ層、第1の半導体活性層、層中に第1と第2のAlGaAs選択酸化層を含むp型の第2のスペーサ層、第2の半導体活性層、n型の第3の半導体スペーサ層、n型の第2の半導体DBR(第2のミラー)を積層して、積層構造が形成されている。
【0109】
これらの積層構造は、n型第1半導体DBR中に底面をもち、p型の第2のスペーサ層中の第1と第2のAlGaAs選択酸化層の間の位置にテラスを持つ2段の柱状構造を形成するように加工されている。そして、HO蒸気により上記第1,第2のAlGaAs選択酸化層を酸化して電流狭窄構造が形成されている。
【0110】
そして、図14の面発光レーザ素子では、テラス上で、p側中間電極がp型の第2スペーサ層と接続されるように設けられ、また、n型の第2の半導体DBR上に光出力部を開口してn側の第2電極が設けられている。さらに、n側の第1電極がn型半導体基板の裏面に設けられている。そして、光出力は、第2のミラー側から取り出されるようになっている。
【0111】
図14の面発光レーザ素子では、n側第1電極とn側第2電極を負極とし、p側中間電極を正極として電流を流し、レーザ発振させることができる。
【0112】
この第7の実施形態の面発光レーザ素子では、電流狭窄構造を設けることにより、発光領域を微小化できるので、しきい値電流を小さくでき、よって、小さい電力でレーザ発振が可能になる。
【0113】
特に、Al(Ga)As選択酸化層を用いる場合は、積層構造中の任意の複数の箇所に、深さ方向と水平方向に制御性良く電流狭窄構造を形成することができる。よって、積層構造中の複数の箇所に、電流と光の閉じ込めを良好に行うことができる電流狭窄構造を形成できる。よって、簡便な工程で制御性良く、単一モードが得やすい、より低いしきい値電流の、より高いスロープ効率の、より高出力の、より小さい消費電力の、より高速変調できる面発光レーザ素子を提供できる。
【0114】
(第8の実施形態)
本発明の第8の実施形態は、第1乃至第7のいずれかの実施形態の面発光レーザ素子において、該面発光レーザ素子は、活性層にGaInNAs系材料からなる層を含む量子井戸構造をもつことを特徴としている。
【0115】
GaInNAs系材料は、NとAsを含むIII−V族混晶半導体で構成されており、具体的には、GaAsN,GaInNAs,GaAsNSb,GaInNAsSb,GaInNAsPなどで構成される。これらのGaInNAs系材料からなる1つまたは複数の厚さ数10nm以下のウェル層と、これらのウェル層をウェル層材料よりもバンドギャップが大きいGaAs,GaInP,AlGaAsなどからなる半導体バリア層で囲んだ量子井戸構造からなる活性層を用いることができる。
【0116】
近年になり急速に開始されだした長波長帯(例えば、1.1μm以上の波長帯)のGaInNAs系材料を活性層に用いたレーザは、発振波長が長波長帯なので、石英系ファイバとの整合性が高い。
【0117】
さらに、GaAs基板上に形成できるので、スペーサ層等の活性層周りの層にワイドバンドギャップ材料を選択できるので、キャリアの閉じ込めが良好になり温度特性が良好である。このため、InP基板上に形成するGaInAsPを活性層とする従来の長波長帯レーザの場合と異なり、冷却装置を必要としない。
【0118】
さらに、この材料を活性層に用いた面発光レーザは、GaAs基板上に形成できるので、GaAs基板上に形成できる屈折率差の大きいAl(Ga)As/GaAs、より広義にはAlGa(1−x)As/AlGa(1−y)As(0≦y<x≦1)を、半導体DBRとして用いるのが好適である。よって、少ない層数の半導体DBRをもつ面発光レーザが得られる。
【0119】
このようにGaInNAs系面発光レーザは優れた特性をもつので、光通信システムや、コンピューター間、チップ間、チップ内の光インターコネクションや、光コンピューティングにおける発光素子として期待されている。
【0120】
この第8の実施形態の面発光レーザ素子では、活性層がGaInNAs系材料からなる層を含むので、石英系ファイバと整合性の良い発振波長の、温度特性が良好な、低消費電力で駆動できる、高出力な、高速変調が可能な面発光レーザ素子が得られる。
【0121】
すなわち、活性層がGaInNAs系材料からなる層を含むので、これらの活性層及びAl(Ga)As/GaAs DBRをGaAs基板上に良好にエピタキシャル成長させることができ、よって、良好な結晶品質からなる層から構成されるので、高い信頼性の面発光レーザ素子が得られる。
【0122】
(第9の実施形態)
本発明の第9の実施形態は、第1乃至第8のいずれかの実施形態の面発光レーザ素子において、各活性層を含むpn接合のp側半導体に電流を注入するp側電極を電気的に共通としたp側共通電極が設けられ、各活性層を含むpn接合のn側半導体に電流を注入するn側電極を電気的に共通としたn側共通電極が設けられており、p側共通電極,n側共通電極は、それぞれ、駆動電流供給回路に接続されていることを特徴とする面発光レーザモジュールである。
【0123】
図15には、活性層が2つの場合の構成例が示されている。
【0124】
この第9の実施形態では、図15の例からわかるように、p側電極を共通にし、n側電極を共通にした場合、並列回路をなすので、素子全体では抵抗が小さくなり、よって、高速変調が可能になる。
【0125】
(第10の実施形態)
本発明の第10の実施形態は、第9の実施形態の面発光レーザモジュールにおいて、各活性層を含むpn接合における、各p側電極とp側共通電極との間の配線、および、各n側電極とn側共通電極との間の配線の少なくとも1つ、または、全部に、各活性層に注入する電流値を調整するための電流調整手段が設けられていることを特徴とする面発光レーザモジュールである。
【0126】
図16には、活性層が2つの場合の構成例が示されている。
【0127】
ここで、各活性層に注入する電流値を調整するための電流調節手段は、抵抗からなる場合もあり、インピーダンスマッチングのためにLCR回路からなる場合もあり、その回路形式については限定されない。
【0128】
電流調節手段が純抵抗からなる場合の例を図16を用いて説明する。
【0129】
活性層Aと活性層Bを同一の共振器に含む面発光レーザ素子において、活性層Aに流れる電流を電流A、電流経路を電流経路Aとし、活性層Bに流れる電流を電流B、電流経路を電流経路Bとする。各電流経路A,Bは2つの共通電極に接続され、これらの共通電極は駆動電流供給回路に接続されている。さらに、電流経路Aと電流経路Bとには、それぞれ、電流調節手段として、抵抗Aと抵抗Bとが挿入されている。
【0130】
抵抗Aと抵抗Bを変えて得られる電流A/電流Bによる光出力の変化は、図17に示すようになる。
【0131】
例えば高い光出力を得るための設計をする必要がある場合は、最大の光出力が得られる電流A/電流Bになるように、抵抗Aと抵抗Bを決定する。必要に応じて、他のレーザ特性が良くなるようにも設計できる。
【0132】
この第10の実施形態では、各活性層に注入する電流値を調整するための電流調節手段が設けられているので、より高出力で、より高速変調が可能で、設計が容易な面発光レーザモジュールが得られる。
【0133】
(第11の実施形態)
本発明の第11の実施形態は、第1乃至第8のいずれかの実施形態の面発光レーザ素子において、各活性層を含むpn接合に各々駆動電流供給回路が接続されていることを特徴とする面発光レーザモジュールである。
【0134】
図18には、活性層が2つの場合の構成例が示されている。
【0135】
複数の活性層が設けられている本発明の面発光レーザ素子において、それぞれの活性層を別々に駆動することにより、より高いレーザ特性が得られる場合がある。
【0136】
例えば、2つの活性層をもつ面発光レーザ素子において、1つの活性層にバイアス電流を流しておき、もう一方の活性層に高速変調電流を流せば、2つの活性層を同時に駆動する場合と比較し、少ない信号電流の変化で大きな光出力の変化が得られ、素子抵抗も小さくなるので、より高速に駆動できる。
【0137】
このように、第11の実施形態では、各活性層に別々の駆動電流供給回路を接続しているので、より高いレーザ特性をもつ面発光レーザモジュールが得られる。
【0138】
(第12の実施形態)
本発明の第12の実施形態は、第1乃至第8のいずれかの実施形態の面発光半導体レーザ素子、または、第9乃至第11のいずれかの実施形態の面発光レーザモジュールにおいて、面発光レーザ素子が半導体基板上にアレイ状に複数個配列されていることを特徴とする面発光レーザアレイである。
【0139】
前述のように、面発光レーザは、1枚の基板上に多数の素子を一括で作製でき、へき開が不用なので、並列化及び2次元高密度アレイ化が容易に行える。
【0140】
この第12の実施形態では、本発明の面発光レーザ素子または面発光レーザモジュールを1次元,2次元に配列させているので、従来の素子を用いたアレイに比べて、より高速変調可能な並列伝送用アレイ光源やより高出力なアレイ光源を提供できる。
【0141】
(第13の実施形態)
本発明の第13の実施形態は、第1乃至第8のいずれかの実施形態の面発光半導体レーザ素子、または、第9乃至第11のいずれかの実施形態の面発光レーザモジュール、または、第12の実施形態の面発光レーザアレイが用いられていることを特徴とする光伝送システムである。
【0142】
図19,図20は本発明の面発光レーザ素子を光源として用いた光伝送システムの構成例を示す図である。
【0143】
ここで、図19の光伝送システムは、並列伝送方式光伝送システムであり、面発光レーザ素子からの信号を複数のファイバを用いて同時に伝送可能になっている。
【0144】
また、図20の光伝送システムは、多波長伝送方式の光伝送システムであり、複数の発振波長の異なる発光素子(本発明の面発光レーザ素子)からの光信号が、それぞれ光ファイバを介して光合波器に導入されるように構成されている。この波長の異なる複数の光信号は、合波され、1本の光ファイバ中に導入され伝送され、伝送された光信号は、伝送先の機器に接続される光分波器を通って元の波長の異なる複数の光信号に分離され、それぞれファイバを介して複数の受光素子に達するようになっている。
【0145】
この第13の実施形態では、高速変調可能な本発明の面発光レーザ素子または面発光レーザモジュールまたは面発光レーザアレイを用いて光伝送システムを構成しているので、大容量,高速でデータ伝送ができる。
【0146】
【実施例】
次に、本発明の実施例を説明する。
【0147】
(実施例1)
図21は実施例1の面発光レーザ素子を示す図である。図21の面発光レーザ素子は、MBE法により、n型GaAs(100)基板上に、n−AlGaAs/n−GaAsの28ペアからなるn−AlGaAs/n−GaAs第1DBR、n−GaAs第1スペーサ層、GaInAs/GaAs 3重量子井戸第1活性層、層中に第1,第2Al(Ga)As選択酸化層を含むp−GaAs第2スペーサ層、GaInAs/GaAs 3重量子井戸第2活性層、n−GaAs第3スペーサ層、GaInAs/GaAs 3重量子井戸第3活性層、層中にAlGaAs第3選択酸化層を含むp−GaAs第4スペーサ層、誘電体第2DBRを積層して、レーザ構成膜(積層構造)を形成する。
【0148】
ここで、各活性層は、第1ミラー(第1DBR)と第2ミラー(第2DBR)との間を共通の共振器としており、共振器長(L)は、L=N(λ/(2n))となっている。ここで、Nは4以上の整数であり、λは発振波長であり、nは共振器領域の屈折率である。
【0149】
そして、各活性層の位置は、レーザ発振光のモード定在波の腹の部分に配置されている。
【0150】
そして、フォトリソ工程でフォトレジストマスクパターンをp−GaAs第4スペーサ層上に形成し、Clガスを用いるドライエッチングを行う工程を3回繰り返し、これにより、上記レーザ構成膜(積層構造)は、3段のテラスをもつ半導体柱状構造に形成される。このテラスの底部は前記n−AlGaAs/n−GaAs第1DBR中であり、1段目のテラスはp−GaAs第2スペーサ層の第1Al(Ga)As選択酸化層中と第2Al(Ga)As選択酸化層の間に位置するようにし、2段目のテラスはn−GaAs第3スペーサ層中に位置するようにする。また、テラスの最上面は、p−GaAs第4スペーサ層表面である。
【0151】
次に、HO蒸気により400℃で、上記第1,第2,第3Al(Ga)As選択酸化層を酸化して、電流狭窄構造を形成する。
【0152】
次に、p−GaAs第4スペーサ層のテラス表面の中央部以外の試料表面をフォトレジスト膜で覆ったのち、電子ビーム蒸着法でSiO/ZrOの6ペアからなる誘電体第2DBR(第2のミラー)を形成する。このフォトレジスト膜を除去した後、感光性ポリイミド前駆体を塗布し、各テラス上のポリイミド前駆体を除去した後、キュアしポリイミド保護膜を形成する。
【0153】
続いて、フォトレジストで不要部分を一時的に覆う工程を繰り返しながら、p−GaAs第2スペーサ層のポリイミド開口部上とp−GaAs第4スペーサ層のポリイミド開口部上にp側AuZn/Au第1中間電極とp側AuZn/Au第2電極を形成し、n−GaAs第3スペーサ層のポリイミド開口部上にn側AuGe/Au第2中間電極を蒸着法により形成する。最後に、n型GaAs基板裏面にn側AuGe/Au第1電極を蒸着法により形成する。光出力は、第2のミラー側から取り出されるようになっている。
【0154】
また、実施例1では、図21の面発光レーザ素子の駆動回路において、n側第1電極を20Ωの抵抗を介し共通負極と接続し、またn側第2中間電極を共通負極と接続する。また、p側第1中間電極とp側第2中間電極を共通正極に接続する。そして、各共通電極を駆動電流供給回路に接続して、レーザ発振させることができる。
【0155】
このように、この実施例1では、面発光レーザ素子に、3つの活性層を設け、誘電体DBRを用い、Al(Ga)As選択酸化層からなる電流狭窄部を設け、電流経路の抵抗を調整し並列駆動しているので、低いしきい値電流をもち、駆動電流が小さく、消費電力が小さく、高光出力で、高速変調が可能な面発光レーザ素子が安定した工程で得られる。
【0156】
(実施例2)
図22は実施例2の面発光レーザ素子を示す図である。図22の面発光レーザ素子は、MOCVD法により、n型GaAs(100)基板上に、n−AlGaAs/n−GaAsの28ペアからなるn−AlGaAs/n−GaAs第1DBR、ノンドープGaAs第1スペーサ層、GaInNAs/GaAs 3重量子井戸第1活性層、層中にAl(Ga)As第1,第2選択酸化層を含むp−GaAs第2スペーサ層、GaInNAs/GaAs 3重量子井戸第2活性層、ノンドープGaAs第3スペーサ層、n−AlGaAs/n−GaAsの23ペアからなるn−AlGaAs/n−GaAs第2DBRを積層して、レーザ構成膜(積層構造)を形成する。
【0157】
ここで、各活性層は、第1ミラー(第1DBR)と第2ミラー(第2DBR)との間を共通の共振器としており、共振器長(L)は、L=N(λ/(2n))となっている。ここで、Nは3以上の整数であり、λは発振波長であり、nは共振器領域の屈折率である。
【0158】
そして、各活性層の位置は、レーザ発振光のモード定在波の腹の部分に配置されている。
【0159】
そして、フォトリソ工程でフォトレジストマスクパターンをn−AlGaAs/n−GaAs第2DBR上に形成し、Clガスを用いたドライエッチング法を行う工程を2回繰り返し、これにより、上記レーザ構成膜(積層構造)は、2段のテラスをもつ半導体柱状構造に形成される。このテラスの底部は前記ノンドープGaAs第1スペーサ層中であり、1段目のテラスはp−GaAs第2のスペーサ層中のAl(Ga)As第1,第2選択酸化層の間に位置するようにする。また、テラスの最上面は、n−AlGaAs/n−GaAs第2DBR表面である。
【0160】
次に、HO蒸気により400℃で、上記Al(Ga)As第1,第2選択酸化層を酸化して、電流狭窄構造を作製する。
【0161】
次に、感光性ポリイミド前駆体を塗布し、テラス上とn−AlGaAs/n−GaAs第2DBR表面のポリイミド前駆体を除去した後、キュアしポリイミド保護膜を形成する。
【0162】
続いて、フォトレジストで不要部分を一時的に覆う工程を繰り返しながら、蒸着法により、p−GaAs第2スペーサ層のテラス上のポリイミド開口部にp側AuZn/Au中間電極を形成し、n−AlGaAs/n−GaAs第2DBR表面の光出射口部以外の領域にn側AuGe/Au第2電極を形成する。最後に、n−GaAs基板裏面にn側AuGe/Au第1電極を蒸着法により形成する。光出力は第2のミラー側から取り出されるようになっている。
【0163】
また、実施例2では、図22の面発光レーザ素子の駆動回路において、n側第1電極を15Ωの抵抗を介し共通負極と接続し、また、n側第2電極を共通負極と接続する。そして、p側中間電極と共通負極を駆動電流供給回路に接続して、レーザ発振させることができる。
【0164】
このように、この実施例2では、面発光レーザ素子に、GaInNAs系材料からなる2つの活性層を設け、Al(Ga)As選択酸化層からなる電流狭窄部を設け、電流経路の抵抗を調整し並列駆動しているので、低いしきい値電流をもち、駆動電流が小さく、消費電力が小さく、高光出力で、高速変調が可能な、光伝送に適合する発振波長をもち温度特性のよい面発光レーザ素子が得られる。
【0165】
(実施例3)
図23は実施例3の面発光レーザ素子を示す図である。図23の面発光レーザ素子は、MOCVD法により、n型GaAs(100)基板上に、n−AlGaAs/n−GaAsの28ペアからなるn−AlGaAs/n−GaAs第1DBR、n−GaAs第1スペーサ層、GaInNAs/GaAs 3重量子井戸第1活性層、層中にAl(Ga)As第1、第2選択酸化層を含むp−GaAs第2スペーサ層、GaInNAs/GaAs 3重量子井戸第2活性層、n−GaAs第3スペーサ層、誘電体第2DBRを積層して、レーザ構成膜(積層構造)を形成する。
【0166】
ここで、各活性層は、第1ミラー(第1DBR)と第2ミラー(第2DBR)との間を共通の共振器としており、共振器長(L)は、L=N(λ/(2n))となっている。ここで、Nは3以上の整数であり、λは発振波長、nは共振器領域の屈折率である。
【0167】
そして、各活性層の位置は、レーザ発振光のモード定在波の腹の部分に配置されている。
【0168】
そして、フォトリソ工程でフォトレジストマスクパターンをn−GaAs第3スペーサ層上に形成し、Clガスを用いたドライエッチング法を行う工程を2回繰り返し、これにより、上記レーザ構成膜(積層構造)は、2段のテラスをもつ半導体柱状構造に形成される。このテラスの底部は前記n−AlGaAs/n−GaAs第1DBR中であり、1段目のテラスはp−GaAs第2スペーサ層中のAl(Ga)As第1,第2選択酸化層の間に位置するようにする。また、テラスの最上面は、n−GaAs第3スペーサ層表面である。
【0169】
次に、HO蒸気により400℃で、上記Al(Ga)As第1,第2選択酸化層を酸化して、電流狭窄構造を形成する。
【0170】
次に、n−GaAs第3スペーサ層表面の中央部以外の試料表面をフォトレジスト膜で覆った後、電子ビーム蒸着法でSiO/ZrOの6ペアからなる第2誘電体DBRを形成する。このフォトレジスト膜を有機溶剤で溶かし余分の誘電体膜を除去する。続いて、感光性ポリイミド前駆体を塗布し、各テラス上のポリイミド前駆体だけ除去した後、キュアしポリイミド保護膜を形成する。
【0171】
続いて、フォトレジストで不要部分を一時的に覆う工程を繰り返しながら、蒸着法により、p−GaAs第2スペーサ層のポリイミド開口部上にp側AuZn/Au中間電極を形成し、n−GaAs第3スペーサ層表面の第2誘電体DBRが設けられていないポリイミド開口部上にn側AuGe/Au第2電極を形成する。最後に、n型GaAs基板裏面にn側AuGe/Au第1電極を蒸着法により形成する。光出力は第2のミラー側から取り出されるようになっている。
【0172】
また、実施例3では、図23の面発光レーザ素子の駆動回路において、n側第1電極を15Ωの抵抗を介し共通負極と接続し、また、n側第2電極を共通負極と接続する。そして、p側中間電極と共通負極を駆動電流供給回路に接続して、レーザ発振させることができる。
【0173】
このように、この実施例3では、面発光レーザ素子に、GaInNAs系材料からなる2つの活性層を設け、誘電体DBRを設け、Al(Ga)As選択酸化層からなる電流狭窄部を設け、電流経路の抵抗を調整し並列駆動しているので、低いしきい値電流をもち、駆動電流が小さく、消費電力が小さく、高光出力で、高速変調可能な、安定した工程で作製できる、光伝送に適合する発振波長をもち温度特性のよい面発光レーザ素子が得られる。
【0174】
【発明の効果】
以上に説明したように、請求項1乃至請求項11記載の発明によれば、第1のミラーと第2のミラーとの間に複数の半導体活性層が設けられ、それぞれの半導体活性層の両側に相対するようにp型またはn型の導電性のスペーサ層が設けられ、それぞれの半導体活性層を含むpn接合にそれぞれ電流を注入する電流注入手段が設けられており、前記第1のミラーおよび前記第2のミラーの一部の領域または全ての領域が、n型導電性または非導電性のものとなっているので、消費電力が少なく、高い光出力が得られ、高速な変調が可能な面発光レーザ素子を提供することができる。
【0175】
特に、請求項2記載の発明では、請求項1記載の面発光レーザ素子において、前記第1のミラー上に、第1のスペーサ層、第1の半導体活性層、p型導電性の中間スペーサ層、第2の半導体活性層、第2のスペーサ層、第2のミラーを積層した層構造が設けられ、それぞれのスペーサ層に電流を注入する電流注入手段が設けられており、請求項1の構成のうち、より簡便な構成を提供しているので、製造が容易な、消費電力が少なく、高い光出力が得られる、高速な変調が可能な面発光レーザ素子を提供することができる。
【0176】
また、請求項3記載の発明では、請求項1記載の面発光レーザ素子において、前記第1のミラー上に、p型の第1のスペーサ層、第1の半導体活性層、n型導電性の中間スペーサ層、第2の半導体活性層、p型の第2のスペーサ層、第2のミラーを積層した層構造が設けられ、それぞれのスペーサ層に電流を注入する電流注入手段が設けられており、請求項1の構成のうち、より簡便な構成を提供しているので、製造が容易な、消費電力が少なく、高い光出力が得られる、高速な変調が可能な面発光レーザ素子を提供することができる。
【0177】
また、請求項4記載の発明では、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の面発光レーザ素子において、前記第1のミラーまたは前記第2のミラーのいずれかまたは両方が誘電体多層膜ミラー(DBR)であり、該誘電体多層膜ミラー(DBR)と接するスペーサ層に、電流を注入する電流注入手段が設けられており、誘電体DBRをミラーとして用いているので、半導体DBRに比べてより少ない層数で高い反射率のミラーが得られる。また、より安定性のある工程で面発光レーザ素子が得られる。すなわち、より簡便な構成で、より安定性のある工程で作製できる面発光レーザ素子を提供することができる。
【0178】
また、請求項5記載の発明では、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の面発光レーザ素子において、複数の半導体活性層の利得ピーク波長が同一であるので(すなわち、同一の共振器中に利得ピーク波長が同一の活性層を複数含むので)、単一波長又は波長幅の狭い波長のレーザ光が高出力で得られる。すなわち、より高出力が得られる面発光レーザ素子を提供することができる。
【0179】
また、請求項6記載の発明では、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の面発光レーザ素子において、複数の半導体活性層の利得ピーク波長が異なるので(すなわち、利得ピーク波長が異なる複数の半導体活性層を、同一の共振器中に含むので)、広い温度範囲において、高い利得が得られる。よって、使用温度範囲が広い面発光レーザ素子を提供することができる。
【0180】
また、請求項7記載の発明では、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の面発光レーザ素子において、前記第1のミラー、前記第2のミラー、前記スペーサ層のいずれか、または、全ての層に、電流狭窄構造が設けられており、電流狭窄構造を設けることにより、発光領域を微小化できるので、しきい値電流を小さくでき、よって、小さい電力でレーザ発振が可能になる。すなわち、より低いしきい値電流で、より小さい消費電力で駆動できる、より高速に変調可能な面発光レーザ素子を提供することができる。
【0181】
また、請求項8記載の発明では、請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の面発光レーザ素子において、該面発光レーザ素子は、活性層にGaInNAs系材料からなる層を含む量子井戸構造を有しているので(すなわち、活性層がGaInNAs系材料からなる層を含むので)、石英系ファイバと整合性の良い発振波長の、温度特性が良好な、低消費電力で駆動できる、高出力な、高速変調が可能な面発光レーザ素子を提供することができる。
【0182】
また、活性層がGaInNAs系材料からなる層を含むので、これらの活性層及びAl(Ga)As/GaAs DBRをGaAs基板上に良好にエピタキシャル成長させることができ、これによって、良好な結晶品質からなる層から構成される高い信頼性の面発光レーザ素子を提供することができる。
【0183】
また、請求項9記載の発明では、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の面発光レーザ素子において、各活性層を含むpn接合のp側半導体に電流を注入するp側電極を電気的に共通としたp側共通電極が設けられ、各活性層を含むpn接合のn側半導体に電流を注入するn側電極を電気的に共通としたn側共通電極が設けられており、p側共通電極,n側共通電極は、それぞれ、駆動電流供給回路に接続されているので(すなわち、p側電極を共通にし、n側電極を共通した場合、並列回路をなすので)、素子全体では抵抗が小さくなる。よって、高速変調が可能になる。このように、素子全体では抵抗が小さく、高速変調が可能な面発光レーザモジュールを提供することができる。
【0184】
また、請求項10記載の発明では、請求項9記載の面発光レーザモジュールにおいて、各活性層を含むpn接合における、各p側電極とp側共通電極との間の配線、および、各n側電極とn側共通電極との間の配線の少なくとも1つ、または、全部に、各活性層に注入する電流値を調整するための電流調整手段が設けられているので、より高出力で、より高速変調が可能で、設計が容易な面発光レーザモジュールを提供することができる。
【0185】
また、請求項11記載の発明では、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の面発光レーザ素子において、各活性層を含むpn接合に各々駆動電流供給回路を接続するので、より高いレーザ特性をもつ面発光半導体レーザモジュールを提供することができる。
【0186】
また、請求項12記載の発明では、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の面発光半導体レーザ素子、または、請求項9乃至請求項11のいずれか一項に記載の面発光レーザモジュールにおいて、面発光レーザ素子が半導体基板上にアレイ状に複数個配列されているので(すなわち、本発明の面発光レーザ素子を1次元,2次元に配列させているので)、従来の素子を用いたアレイに比べて、より高速変調可能な並列伝送用アレイ光源やより高出力なアレイ光源を提供することができる。
【0187】
また、請求項13記載の発明では、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の面発光半導体レーザ素子、または、請求項9乃至請求項11のいずれか一項に記載の面発光レーザモジュール、または、請求項12記載の面発光レーザアレイが用いられていることを特徴とする光伝送システムであるので、より大容量の情報をより高速に伝送ができる光伝送システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】面発光レーザ素子の一般的な素子構成を示す図である。
【図2】第1の実施形態の面発光レーザ素子の第1の具体例を示す図である。
【図3】第1の実施形態の面発光レーザ素子の第2の具体例を示す図である。
【図4】第2の実施形態の面発光レーザ素子の第1の具体例を示す図である。
【図5】第2の実施形態の面発光レーザ素子の第2の具体例を示す図である。
【図6】第2の実施形態の面発光レーザ素子の第3の具体例を示す図である。
【図7】第3の実施形態の面発光レーザ素子の第1の具体例を示す図である。
【図8】第3の実施形態の面発光レーザ素子の第2の具体例を示す図である。
【図9】第4の実施形態の面発光レーザ素子の第1の具体例を示す図である。
【図10】第4の実施形態の面発光レーザ素子の第2の具体例を示す図である。
【図11】第5の実施形態の面発光レーザ素子の具体例を示す図である。
【図12】第6の実施形態の面発光レーザ素子の具体例を示す図である。
【図13】第7の実施形態の面発光レーザ素子の第1の具体例を示す図である。
【図14】第7の実施形態の面発光レーザ素子の第2の具体例を示す図である。
【図15】第9の実施形態の面発光レーザ素子の構成例を示す図である。
【図16】第10の実施形態の面発光レーザ素子の構成例を示す図である。
【図17】図16の構成において、抵抗Aと抵抗Bを変えて得られる電流A/電流Bによる光出力の変化を示す図である。
【図18】第11の実施形態の面発光レーザ素子の構成例を示す図である。
【図19】本発明の面発光レーザ素子を光源として用いた光伝送システムの構成例を示す図である。
【図20】本発明の面発光レーザ素子を光源として用いた光伝送システムの構成例を示す図である。
【図21】実施例1の面発光レーザ素子を示す図である。
【図22】実施例2の面発光レーザ素子を示す図である。
【図23】実施例3の面発光レーザ素子を示す図である。

Claims (13)

  1. 第1のミラーと第2のミラーとの間に複数の半導体活性層が設けられ、それぞれの半導体活性層の両側に相対するようにp型またはn型の導電性のスペーサ層が設けられ、それぞれの半導体活性層を含むpn接合にそれぞれ電流を注入する電流注入手段が設けられており、前記第1のミラーおよび前記第2のミラーの一部の領域または全ての領域が、n型導電性または非導電性のものとなっていることを特徴とする面発光レーザ素子。
  2. 請求項1記載の面発光レーザ素子において、前記第1のミラー上に、第1のスペーサ層、第1の半導体活性層、p型導電性の中間スペーサ層、第2の半導体活性層、第2のスペーサ層、第2のミラーを積層した層構造が設けられ、それぞれのスペーサ層に電流を注入する電流注入手段が設けられていることを特徴とする面発光レーザ素子。
  3. 請求項1記載の面発光レーザ素子において、前記第1のミラー上に、p型の第1のスペーサ層、第1の半導体活性層、n型導電性の中間スペーサ層、第2の半導体活性層、p型の第2のスペーサ層、第2のミラーを積層した層構造が設けられ、それぞれのスペーサ層に電流を注入する電流注入手段が設けられていることを特徴とする面発光レーザ素子。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の面発光レーザ素子において、前記第1のミラーまたは前記第2のミラーのいずれかまたは両方が誘電体多層膜ミラー(DBR)であり、該誘電体多層膜ミラー(DBR)と接するスペーサ層に、電流を注入する電流注入手段が設けられていることを特徴とする面発光レーザ素子。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の面発光レーザ素子において、複数の半導体活性層の利得ピーク波長が同一であることを特徴とする面発光レーザ素子。
  6. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の面発光レーザ素子において、複数の半導体活性層の利得ピーク波長が異なることを特徴とする面発光レーザ素子。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の面発光レーザ素子において、前記第1のミラー、前記第2のミラー、前記スペーサ層のいずれか、または、全ての層に、電流狭窄構造が設けられていることを特徴とする面発光レーザ素子。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の面発光レーザ素子において、該面発光レーザ素子は、活性層にGaInNAs系材料からなる層を含む量子井戸構造を有していることを特徴とする面発光レーザ素子。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の面発光レーザ素子において、各活性層を含むpn接合のp側半導体に電流を注入するp側電極を電気的に共通としたp側共通電極が設けられ、各活性層を含むpn接合のn側半導体に電流を注入するn側電極を電気的に共通としたn側共通電極が設けられており、p側共通電極,n側共通電極は、それぞれ、駆動電流供給回路に接続されていることを特徴とする面発光レーザモジュール。
  10. 請求項9記載の面発光レーザモジュールにおいて、各活性層を含むpn接合における、各p側電極とp側共通電極との間の配線、および、各n側電極とn側共通電極との間の配線の少なくとも1つ、または、全部に、各活性層に注入する電流値を調整するための電流調整手段が設けられていることを特徴とする面発光レーザモジュール。
  11. 請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の面発光レーザ素子において、各活性層を含むpn接合に各々駆動電流供給回路を接続することを特徴とする面発光レーザモジュール。
  12. 請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の面発光半導体レーザ素子、または、請求項9乃至請求項11のいずれか一項に記載の面発光レーザモジュールにおいて、面発光レーザ素子が半導体基板上にアレイ状に複数個配列されていることを特徴とする面発光レーザアレイ。
  13. 請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の面発光半導体レーザ素子、または、請求項9乃至請求項11のいずれか一項に記載の面発光レーザモジュール、または、請求項12記載の面発光レーザアレイが用いられていることを特徴とする光伝送システム。
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