本実施例においては、当否抽選の当り確率が通常確率状態より高められる確率変動状態(以下、「確変」ないし「確変状態」という)への移行を伴う大当りの発生頻度が高い遊技機を想定する。特別遊技においては、大入賞口が開放して10球以上の入球で閉鎖する単位遊技を2回繰り返すだけであるため、特別遊技における獲得賞球総数、いわゆる出玉は比較的少ない。ただし、確変状態に伴い始動入賞口への入球が容易となる状態が続きやすいので大当りの連続により累積的に多くの出玉が獲得できる。その上で、確変状態が維持されたまま発生する当りの連続回数が、あらかじめ定められた連続上限回数(以下、「確変連続上限回数」という)に達した場合は、その当りを強制的に確変を伴わない当りにする。確変連続上限回数は、例えば20回である。
ここで、確変状態が維持されたまま発生する当りの連続回数が確変連続上限回数に達した場合、その特別遊技の終了後から普通図柄が1回変動し終わるまでの特殊期間において、特別図柄の変動表示時間が短縮される変動時間短縮状態(以下、「時短」ともいう)となる。このとき、始動入賞口(以下、「始動口」ともいう)への入球容易性の高さが異なる複数の開閉態様からいずれかが特別図柄の停止図柄に応じて決定され、入球容易性が高い開閉態様に決定されれば始動口へ入球させて再び当りを引き戻す可能性が高くなる。この場合、再び確変状態による連チャンを最初から開始させることができ、実質的に連チャンの数珠繋ぎ的な繰り返しが実現される。このように、確変連続上限回数を設けることで一方的に連チャンを終了させるのではなく、確変終了直後の抽選で入球容易性が高い開閉態様が選ばれれば確変状態を復活できるという救済の途が設けられる。これにより、遊技者の遊技意欲を減退させることなく、むしろ数珠繋ぎ的な連チャンも可能となるような遊技性を実現することができ、遊技者の遊技意欲向上を図ることができる。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。以下、弾球遊技機として従来にいういわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に説明する。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、後述する演出を制御する手段によって遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、始動入賞口62、センター飾り64、大入賞口66、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
始動口62は、遊技球の入球が当否抽選を実行する契機となる入球口であって、遊技球の入球を検出するための始動入賞検出装置74と、始動口62に設けられた拡開機構63(いわゆる電動チューリップ)を拡開させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。拡開機構63が拡開された場合、始動口62への開口幅が拡がることとなり入球容易性が向上する。逆に、拡開機構63が拡開されない限り始動口62へ入球が困難となるよう、拡開機構63の閉鎖状態での開口部上方が遮蔽されていてもよい。または、拡開機構63の閉鎖状態での開口部上方に遊技球の入球を困難とするための2本の釘である、いわゆる命釘が設けられていてもよい。この場合、通常状態においては始動口62への入球は実質的に期待できない状態となる。当否抽選は、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する抽選であり、始動口62へ入球があるたびに実行される。始動入賞検出装置74は、始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す始動入賞情報を生成する。
一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、大入賞口66を拡開させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、大入賞口66への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。大入賞口66は、特別図柄192が所定の態様にて停止したときに開始される特別遊技において「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口66は、例えばアウト口58の上方等の位置に設けられる。大入賞口66の設置個数としては、一つだけ設置する構成に限らず、複数個の大入賞口66を設置してそれぞれを遊技状態等に応じて使い分ける構成としてもよい。大入賞口66の入賞検出装置78は、遊技球の通過を検出するセンサを備えて構成される。
遊技領域52の左方に設けられた特別図柄表示装置61は、その画面に特別図柄192の変動を表示する。遊技領域52の右方に設けられた普通図柄表示装置59は、普通図柄の変動を表示する。遊技領域52の略中央に設けられた演出表示装置60は、その画面に装飾図柄190を含む演出画像の変動を表示する。以下、それらの表示を「図柄変動」または「変動表示」等という。
特別図柄表示装置61は、例えば7セグメントLEDで構成される表示装置である。特別図柄192は、始動口62への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に対応した図柄である。特別図柄192の変動表示が停止したときの図柄態様が、あらかじめ当りと定められた図柄であった場合に、その停止図柄が表示されたタイミングが大当り発生タイミングとなる。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。本実施例における特別図柄192は、当りの図柄態様である「0」〜「9」のいずれかの数字や記号、または外れの図柄態様である「−」の記号で表される。これらの数字または記号が高速で次々に入れ替わって特別図柄表示装置61へ表示されることにより、特別図柄192の図柄変動表示が実現される。なお、特別図柄192の態様は上記の数字または記号に限られず、英字などの文字であってもよいし、7セグメントLEDを構成する各セグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号であってもよい。また、7セグメントLEDは、「8の字」を形成する7個のセグメントおよび「ドット」を表す1個のセグメントからなる8個のセグメントで構成されてもよい。この場合、8個のセグメントを組み合わせることにより8ビット分の数値を表現できる。さらに、特別図柄表示装置61を7セグメントLEDではないLEDドットアレーを用いて、その点灯パターンや点灯色の組合せで複数種類の特別図柄192を表現してもよい。
作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は拡開機構63を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、開放抽選の結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。したがって、開放抽選は「普通図柄抽選」とも呼ぶ。本実施例における普通図柄表示装置59は、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらのうちいずれのランプが点灯しているかによって普通図柄の表示状態が表現される。例えば、第1のランプの点灯が外れを示し、第2のランプが当りを示すとき、それらが交互に点灯と消灯を繰り返すことによって普通図柄の変動表示が表現され、最終的にいずれかの点灯状態にて停止されることで普通図柄の停止図柄が表現される。変動開始から所定時間の経過後に、普通図柄の変動表示が停止する。
普通図柄の変動時間は、通常状態では例えば1分程度の長時間であるが、確変状態における入球容易状態では2秒程度の短時間となる。また、通常状態では約1/256の低確率にて普通図柄が当りの図柄で停止するが、確変状態では約1/1の高確率にて普通図柄が当りの図柄で停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、拡開機構63が所定の開閉態様にて拡開される。拡開機構63の開閉態様とは、拡開機構63の開放時間と開放回数の組合せである。拡開機構63の開閉態様は、通常状態では5.5秒間を1回開放する態様であるが、確変状態では6秒間を1回開放する態様となる。ただし、確変状態のまま当りの連続回数が確変連続上限回数に達したときは、その特別遊技終了後の特殊期間において拡開機構63の開閉態様が複数の態様から選ばれる。この特殊期間は、特別遊技終了後から普通図柄が1回変動表示し終わるまでの期間である。
このように、普通図柄の変動時間が短くなれば一定時間あたりの開放抽選回数は増加するので、拡開機構63の開放頻度も高まり、始動口62の入球容易性が高まる。また、開放抽選が当りとなって普通図柄が当り図柄で停止する確率が高くなれば、拡開機構63の開放頻度も高まり、始動口62の入球容易性が高まる。さらに、拡開機構63の開放時間が長くなり開放回数が多くなれば、始動口62の入球容易性が高まる。ただし、拡開機構63の開放時間が極端に短ければ、たとえ開放回数が多くなっても実質的に入球が困難となる。
演出表示装置60は、普通図柄の変動表示と連動する形で装飾図柄190を変動表示する液晶ディスプレイで構成される表示装置である。装飾図柄190は、普通図柄で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を画面の中央領域に表示する。本実施例においては、「0」〜「9」の数字で構成される図柄を3列に表示して変動させ、最終的に停止表示される3個の図柄組合せによって当りまたは外れを示す。装飾図柄190を構成する複数の図柄のそれぞれは、色彩や模様の装飾が施された数字、文字、または記号で構成されるが、これら数字、文字、記号に対して全図柄に共通する絵柄または図柄ごとに異なる絵柄を加えて一体化させる形で構成されてもよい。この絵柄は、ぱちんこ遊技機10の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連するモチーフが描かれた絵柄であり、例えば人物や動物のキャラクターが描かれた絵柄であってもよい。装飾図柄190は、絵柄が一体的に含まれる図柄が変動表示される場合と、絵柄が分離して数字、文字、記号の部分のみが変動表示される場合とが、演出の展開に沿って切り替えられる構成であってもよい。装飾図柄190の変動表示の背景には、ぱちんこ遊技機10の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連する演出的効果を有する動画像が図柄変動と連動して表示される。
演出表示装置60は、本実施例では液晶ディスプレイなどの高精細なドットマトリクス型表示装置で構成されるが、ドラム回転式などの機械的表示手段やLEDマトリクス式などの表示手段で構成されてもよい。なお、普通図柄は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の右下方の普通図柄表示装置59にて目立たない大きさで表示させる。ただし、普通図柄自体に演出的な役割をもたせることで装飾図柄を用いずに表現する手法を採用する場合には、普通図柄を二つのランプではなく液晶ディスプレイに表示させる構成としてもよい。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。遊技領域52の左下部には、特別図柄保留表示装置20が設けられ、その対称的な位置である遊技領域52の右下部には、普通図柄表示装置59の下に普通図柄保留表示装置22が設けられている。
特別図柄保留表示装置20は、4個のランプからなり、その点灯個数によって当否抽選の保留数を表示する。当否抽選の保留数は、図柄変動中または特別遊技中に始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。当否抽選の保留数が3個になると、遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が通常より短縮される(以下、「短縮変動」ともいう)。同様に、当否抽選の保留数が4個になると、さらに遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が上記3個の場合よりもさらに短縮される(以下、「超短縮変動」ともいう)。
普通図柄保留表示装置22もまた4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。
演出表示装置60の上方および下方には、それぞれ遊技効果ランプ90が設けられている。操作ボタン82は、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力するために操作する操作入力手段であり、その操作入力の内容に応じて演出内容等に変化が加えられる。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。本実施例における操作ボタン82は一つのボタンで構成されるが、複数のボタンや十字キーなどの方向指示ボタンで構成されてもよい。可動役物140は、演出に連動して動作が制御される可動物であり、その動作によって演出的役割を果たす。例えば可動役物140は、遊技者による操作ボタン82を介した操作入力に応じて動作する。
以上のような構成においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当りながらその当り方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や始動口62、大入賞口66の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が始動口62に落入すると、特別図柄表示装置61において特別図柄192が変動表示される。特別図柄192の変動表示は、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止される。特別図柄192は、その変動開始から停止までの変動表示時間が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。遊技球が作動口68を通過すると、普通図柄表示装置59において普通図柄が変動表示され、これと連動するように演出表示装置60において装飾図柄190が変動表示される。普通図柄は、遊技状態に応じた変動表示時間にて変動表示される。装飾図柄190は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターン、変動表示時間、および変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。普通図柄が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄190が変動表示される。普通図柄の変動表示時間の経過時に普通図柄および装飾図柄190の変動が停止される。
停止時の特別図柄192が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口66の開閉動作が開始される。普通図柄が当りを示す停止態様となった場合、拡開機構63が拡開される。装飾図柄190の変動表示としては、まず変動開始とともにスロットマシンのリール回転のように3列とも図柄を変動させ、変動終了タイミングへ近づいたときに一列ずつ停止させることで最終的な停止態様としての図柄組合せを表示する。普通図柄が当りであった場合、その当りを示す装飾図柄190の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する組合せの態様となる。
変動演出パターンには、通常の外れの図柄組合せを表示するときの通常外れ演出パターンと、あと一つ図柄が揃えば当りとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときのリーチ外れ演出パターンと、リーチ状態を経て当りの図柄組合せを表示するときのリーチ当り演出パターンが含まれる。
特別遊技は、大入賞口66が開放され、その開放が約30秒間続いた後、または10球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口66の開放から閉鎖までが、基本的には単位遊技と呼ばれるが、1回の単位遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す場合があってもよい。大入賞口66の開閉ないし単位遊技が所定回数、例えば2回繰り返されて特別遊技が終了される。
特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確変が開始される。確変中は、通常の確率状態より当りの確率が高い当否抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生し得る。確変は次の当りが発生するまで継続されるが、次の当りもまた確変を伴う当りであれば確変状態が連続することとなり、いわゆる連チャンの状態として実質的に確変状態が継続ないし維持されることとなる。本実施例においては、当り図柄のうち約97%が確変を伴う当り図柄となるため、連続的な確変付き当たりが発生しやすい。ただし、確変状態が維持されたまま発生し得る連続的な当り回数には上限が設定される。その確変連続上限回数は20回であり、確変連続上限回数に達する当りは強制的に確変を伴わない当りとされる。確変が開始されるときに同時に時短も開始される。なお、変形例として時短の開始を伴わない確変が実行される場合がある仕様としてもよい。
時短においては、特別図柄192の変動時間が通常状態よりも短縮される。本実施例では、確変状態が続く間、時短も実行され、確変状態が終了すると確変に伴う時短も終了し、特別図柄192の変動時間は元の変動時間に戻される。時短において特別図柄192の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。確変連続上限回数に達する当りの場合、確変状態には移行しないが、特殊期間として確変とは別に時短状態へ移行する。
時短中は、始動口62の入球容易性が高められる入球容易状態となる。入球容易状態では、上述の通り普通図柄および特別図柄192の変動時間を通常状態より短縮するとともに、拡開機構63の開放時間と開放回数の組合せを通常状態よりも向上させる、いわゆる開放延長を実行し、さらに開放抽選の当り確率が通常状態より高められる。時短中は始動口62への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさずに遊技し続けられるだけでなく、その賞球により持ち玉を増やすことが可能となる。ただし、確変連続上限回数に達する当りの場合に移行する時短状態では、拡開機構63の開閉態様が複数の態様から選択される。
なお、上述の通り入球容易状態においては、普通図柄の当り確率の変動、拡開機構63の開放時間と開放回数の組合せの向上、普通図柄の変動時間の短縮の3つの機能を用いて始動口62への入球容易性を高める構成を本実施例では採用する。ただし、変形例としては、これら3つの機能のうち、1つまたは2つの機能を用いて始動口62への入球容易性を高める構成としてもよい。このように3つの機能のうち一部だけを用いても始動口62への入球容易性を高めることは可能である。また、本実施例の確変状態は時短をさらに実施する仕様とするが、変形例では確変状態において特別図柄の時短を実施しない仕様としてもよい。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口62へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容や複数の可動役物140の動作、遊技効果ランプ90の点灯を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させ、その演出の進行に沿って可動役物140や遊技効果ランプ90の点灯を作動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。セット基板39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、始動口62、大入賞口66、一般入賞口72、作動口68、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90、可動役物140のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や可動役物140、電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102と、図柄の演出等を制御するサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、当否抽選手段112、開放抽選手段113、図柄決定手段114、変動パターン決定手段115、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉態様決定手段123、開閉制御手段124、特定判定手段126を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、図柄態様決定手段131、演出決定手段132、演出表示制御手段134、役物制御手段136を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
ただし、メイン基板102とサブ基板104の間におけるデータの送受信はメイン基板102からサブ基板104への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板102とサブ基板104に配置される。このようにメイン基板102からサブ基板104へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板104に含まれる構成からメイン基板102に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板102で生成された情報は、メイン基板102がサブ基板104へ一方的に送信しない限りサブ基板104から参照することはできない。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口62に入賞したと判断し、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口66に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
当否抽選手段112は、始動口62への入球を契機に、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための乱数の値を当否抽選値として取得する。たとえば、当否抽選値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。当否抽選手段112が当否抽選値として取得する値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、所定の保留上限数を超えない範囲で当否抽選値が保留される。
当否抽選手段112は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、当りまたは外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。当否抽選手段112は、通常時には通常確率による当否判定のための通常当否テーブルを参照し、確率変動時には通常確率より当りの確率が高くなる確変当否テーブルを参照する。当否抽選手段112は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当りであるか否かを判定する。
図4は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。図示する通り、当否テーブルには、大当りおよび外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率が定まる。当否抽選手段112は、始動口62への入球を契機とした当否抽選において本図の当否テーブルを参照する。当否抽選手段112による当否抽選においては、通常状態では当否抽選値が0〜64224の範囲に該当したときに大当りとなる。したがって通常時の大当り確率は約1/1.02である。当否抽選値が64225〜65535の範囲に該当したときは外れとなる。確変状態では大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜64224の範囲に該当する場合だけでなく、64225〜64879の範囲に該当する場合にも大当りとなる。したがって確変時の大当り確率は約1/1.01である。当否抽選値が64880〜65535の範囲に該当したときは外れとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。なお、本図では単一の当否テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよい。
図3に戻り、当否抽選手段112による判定結果は、特別図柄表示装置61において特別図柄の形で変動表示される。
特定判定手段126は、当否抽選の結果が当りである場合にその当りが確変を伴う当りおよび確変を伴わない当りのいずれに該当したかを、後述する特別図柄の停止図柄に応じて判定する。特定判定手段126は、確変状態が継続したまま発生し得る当りの連続回数に関してあらかじめ定められた確変連続上限回数に達するまでは確変を伴う当りおよび確変を伴わない当りのいずれにも該当し得るよう判定する。一方、確変連続上限回数に達する当りに関しては強制的に確変を伴わない当りに該当したと判定する。
図柄決定手段114は、特別図柄表示装置61に表示させる特別図柄の停止図柄を、当否抽選手段112による抽選の結果に応じて決定する。図柄決定手段114は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。図柄決定手段114は、特別図柄を決定するための図柄決定抽選値を取得し、当否抽選手段112による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて特別図柄の停止図柄を決定する。
図5は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図柄決定手段114は、当否抽選が当りであった場合に、特別図柄の決定処理において図5(a)の図柄判定テーブルを参照する。図5(a)の図柄判定テーブルには、「1」「3」「5」〜「9」の数字で表される特別図柄と図柄抽選値との対応関係が定められている。各特別図柄には、確変を伴うか否かが定められている。図柄決定手段114は、図柄抽選値がいずれの範囲に含まれるかに応じて特別図柄「1」「3」「5」〜「9」のうちいずれかを選択する。特定判定手段126は、奇数の数字である特別図柄「1」「3」「5」「7」「9」が選択された場合に確変を伴なう当りと判定し、偶数の数字である特別図柄「6」「8」が選択された場合に確変を伴わない当りと判定する。図柄抽選値のうち「150〜153」「204〜206」の7個のみが確変を伴わない当りに対応付けられ、残りの249個の図柄抽選値が確変を伴う当りに対応付けられている。すなわち、当りのうち約97%の確率で確変を伴う当りに該当する。
確変状態が維持されたまま連続して発生した当りの回数が確変連続上限回数に到達した場合、図柄決定手段114は図5(a)の図柄判定テーブルに代わり図5(b)の図柄判定テーブルを参照する。図5(b)の図柄判定テーブルには、特別図柄として「0」「2」「4」が図柄抽選値と対応付けられている。図柄抽選値「0〜4」は特別図柄「0」に対応付けられ、図柄抽選値「5〜54」は特別図柄「2」に対応付けられ、図柄抽選値「55〜255」は特別図柄「4」に対応付けられている。特別図柄「0」「2」「4」はいずれも確変を伴わない当りと判定される図柄である点で共通するが、どの図柄に決定されたかが、後述する拡開機構63の開閉態様の決定時に参照される。これにより、連続当り回数が確変連続上限回数に達した場合は必ず確変を伴わない当りとなるとともに、どの図柄に決定されたかにより拡開機構63の開閉態様が定まる。特別図柄「0」に決定される確率は5/256であり、特別図柄「2」に決定される確率は50/256であり、特別図柄「4」に決定される確率は201/256である。
当否抽選が外れの場合、図柄決定手段114は図5(c)の図柄判定テーブルを参照する。図5(c)の図柄判定テーブルには、外れの特別図柄として特別図柄「−」のみが全範囲の図柄抽選値に割り当てられるとともに、当然ながら確変も伴わない。
図3に戻り、開放抽選手段113は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を抽選により決定する。開放抽選手段113は、遊技球が作動口68を通過した場合に、普通図柄の停止図柄を決定するための開放抽選として抽選値を取得する。開放抽選手段113は、開放抽選の結果を普通図柄の形で普通図柄表示装置59に変動表示させるために、取得した抽選値に応じて普通図柄の停止図柄を決定する。開放抽選手段113は、抽選値と普通図柄の対応関係が定められた図柄判定テーブルを保持し、その図柄判定テーブルを参照して抽選値に対応する普通図柄の停止図柄を決定する。決定された停止図柄が所定の当り図柄となった場合に開放抽選が当りに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄の変動表示が停止された後に開閉制御手段124が始動口62の拡開機構63を所定時間拡開する。開放抽選手段113は、通常状態では約1/256の確率で当りと判定し、入球容易状態である確変状態では約1/1の確率で当りと判定する。普通図柄の抽選値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。開放抽選手段113は、決定した停止図柄を示すデータをメイン表示制御手段118、図柄態様決定手段131、演出決定手段132へ送出する。
変動パターン決定手段115は、特別変動パターン決定手段150および普通変動パターン決定手段152を含む。特別変動パターン決定手段150は、当否抽選の結果に応じ、変動表示時間の異なる複数種の変動パターンからいずれかの変動パターンを選択する。特別変動パターン決定手段150は、変動パターンを決定するための決定基準が定められた特別変動決定基準としてパターン選択テーブルを保持し、そのパターン選択テーブルを参照していずれかの変動パターンを選択する。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。
パターン選択テーブルは、通常確率状態において参照する通常パターン選択テーブルと、確変状態ないし時短状態において参照する短縮パターン選択テーブルと、を含む。短縮パターン選択テーブルは、長さの異なる複数の変動表示時間をもつ複数の変動パターンのうち相対的に短い変動時間が、通常パターン選択テーブルを参照するときより選択されやすくなるよう定められている。特別変動パターン決定手段150は、決定した変動パターンを示すデータをメイン表示制御手段118へ送出する。特別変動パターン決定手段150は、複数種の変動パターンを記憶する。
普通変動パターン決定手段152は、普通図柄の変動に関して長さの異なる複数の変動表示時間のうちいずれかを選択する。普通変動パターン決定手段152は、普通図柄の変動表示時間を決定するための決定基準が定められた普通変動決定基準を保持し、その基準を参照していずれかの変動表示時間を選択する。長さの異なる複数の変動表示時間は、その変動表示時間にて複数の図柄で構成される装飾図柄による図柄変動も実行されることを前提として規定される。普通変動決定基準は、通常状態において参照する通常普通変動決定基準と、確変状態において参照する短縮普通変動決定基準と、を含む。短縮普通変動決定基準は、長さの異なる複数の変動表示時間のうち相対的に短い変動表示時間が、通常普通変動決定基準を参照するときより選択されやすくなるよう定められている。普通変動パターン決定手段152は、確変状態において、短縮普通変動決定基準を参照して普通図柄の変動表示時間を決定する。本実施例においては、通常普通変動決定基準を参照するときは1分間の変動表示時間に決定し、短縮普通変動決定基準を参照するときは2秒間の変動表示時間に決定する。普通変動パターン決定手段152は、決定した変動表示時間を示すデータをメイン表示制御手段118、図柄態様決定手段131、演出決定手段132へ送出する。
保留制御手段116は、始動口62へ新たな入球があって新たに当否抽選が実行されるときにそれ以前の入球ないし抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな入球に基づく当否抽選の結果をその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。本実施例では当否抽選の結果として4個を上限として当否抽選値を保留球として保持する。保留制御手段116はさらに、開放抽選手段113により取得された普図抽選値を保留球として保持する。これらの保留数がそれぞれ特別図柄保留表示装置20、普通図柄保留表示装置22の点灯数または点滅数により表される。
メイン表示制御手段118は、特別図柄表示制御手段154および普通図柄表示制御手段156を含む。特別図柄表示制御手段154は、当否抽選手段112による抽選の結果を、特別変動パターン決定手段150により決定された変動パターンにしたがって特別図柄192の変動表示として特別図柄表示装置61に表示させる。特別図柄表示制御手段154は、それ以前になされた当否抽選に対応する特別図柄192の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
普通図柄表示制御手段156は、作動口68へ入球した場合に、開放抽選の結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置59に表示させる。通常状態における普通図柄表示制御手段156は、普通変動パターン決定手段152により通常普通変動決定基準にしたがって選択された変動表示時間にて普通図柄を変動表示させる。通常普通変動決定基準にしたがって選択される変動表示時間は1分間である。入球容易状態における普通図柄表示制御手段156は、普通変動パターン決定手段152により短縮普通変動決定基準にしたがって選択された変動表示時間にて普通図柄を変動表示させる。短縮普通変動決定基準にしたがって選択される変動表示時間は2秒間である。普通図柄表示制御手段156は、普通図柄の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、開放抽選の結果、普通図柄の停止図柄、変動表示時間のそれぞれを示す値を変動開始コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。これにより、普通図柄表示制御手段156および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。
特別遊技制御手段120は、当否抽選手段112による当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、特別図柄192が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口66を開放させることにより特別遊技を実行する。特別遊技は、大入賞口66の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした複数回の単位遊技で構成される。本実施例における特別遊技は、単位遊技を2回繰り返す2R大当りである。2R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口66を原則として約30秒間開放させるが、その経過前であっても大入賞口66へ10球以上の入球があった時点で閉鎖される。特別遊技制御手段120は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。
特定遊技実行手段122は、当否抽選の当りが確変を伴う当りに該当した場合、その特別遊技の終了を契機に確変状態へ遊技状態を移行させる。具体的には、当否抽選手段112が参照すべき当否テーブルとして確変用の当否テーブルを設定するとともに、特別変動パターン決定手段150が参照すべき変動パターンテーブルとして時短用の変動パターンテーブルを設定する。また、確変連続上限回数に達する当りであった場合の特殊期間においても、特別変動パターン決定手段150が参照すべき変動パターンテーブルとして時短用の変動パターンテーブルを設定する。また、本実施例の確変状態においては、当否抽選の当り確率を高めるだけでなく、始動口62への入球容易性を高める入球容易状態へ移行する。特定遊技実行手段122は、確変状態および特殊期間において、普通変動決定基準として短縮普通変動決定基準を設定し、開放抽選の当り確率を通常より高い確率に設定し、拡開機構63の開閉態様として後述の開閉態様決定手段123が決定する開閉態様を設定する。
開閉制御手段124は、始動口62の拡開機構63や大入賞口66の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の図柄で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、始動口62の拡開機構63を開放させる。その開閉態様は、通常状態において5.5秒間を1回、入球容易状態である確変状態において6秒間を1回である。ただし、確変状態のまま当りの連続回数が確変連続上限回数に達した場合はその特別遊技の終了後に1回だけ開閉態様決定手段123が決定した開閉態様にて開放させてから、5.5秒間を1回開放する開閉態様へ戻る。また、開閉制御手段124は、特別遊技中、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、大入賞口66を開放させる。
開閉態様決定手段123は、確変状態のまま当りの連続回数が確変連続上限回数に達した場合、特別遊技の終了後からの特殊期間における拡開機構63の開閉に関して入球容易性が異なる複数の開閉態様からいずれかを特別図柄の停止図柄に応じて決定する。本実施例における特殊期間は、特別遊技の終了後から普通図柄が変動開始して1回変動し終わるまでの期間である。
図6は、特別図柄と開閉態様の対応関係が定められた開閉態様テーブルを模式的に示す図である。確変状態のまま当りの連続回数が確変連続上限回数に達した場合における拡開機構63の開閉態様は、パターンA、B、Cの3通りである。このうち、パターンAが最も入球容易性が高く、パターンCが最も入球容易性が低い。パターンAは、拡開機構63を6秒間にわたり1回開放する開閉態様であり、1回の開放において複数の入球が十分に期待できる長さの開放時間である。パターンBは、拡開機構63を1秒間だけ1回開放する開閉態様であり、1回の開放において入球可能ではあるものの、入球確実性がパターンAより低い開放時間である。パターンCは、拡開機構63を0.1秒間ずつ10回開放する開閉態様であり、のべ開放時間は1秒間であっても1回の開放時間が極端に短いために実際には入球困難な開閉態様である。
確変状態のまま当りの連続回数が確変連続上限回数に達した場合、図示する通り、特別図柄が「0」のときにパターンAが選択され、特別図柄が「2」のときにパターンBが選択され、特別図柄が「4」のときにパターンCが選択される。したがって、パターンAの選択確率は5/256となり、パターンBの選択確率は50/256となり、パターンCの選択確率は201/256となる。実際に始動口62への入球が期待できる開閉態様はパターンAとBであり、これらのパターンが選択される確率はあわせて55/256である。1回の開放抽選でパターンAまたはBの開閉態様による拡開機構63の開放がなされれば、比較的高い確率で始動口62へ入球させることが可能となる。
本実施例における当否抽選の当り確率は、通常確率でも1/1.02であり、100%に近い確率である。したがって、開閉態様としてパターンAが選択されて始動口62へ1球以上の入球があれば、その入球のいずれかが当りとなる確率は非常に高い。すなわち、パターンAはほぼ当りが約束された開閉態様ということができる。しかも、当りのうち97%が確変を伴う当りであるため、パターンAはほぼ確変を伴う当りが約束された開閉態様ということもできる。パターンBもまた、入球の確実性はパターンAほどではないものの、入球さえすれば高い確率で確変を伴う当りを獲得できる。これにより、確変状態のまま当りの連続回数が確変連続上限回数に達して確変状態が終了してしまっても、その直後にパターンAまたはBの開閉態様にて拡開機構63が開放されれば再び確変を伴う当りを引き戻すことが十分可能となり、連チャンの実質的な再開が実現される。
図3に戻り、パターン記憶手段130は、装飾図柄190の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄190の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンやその他の演出的に表示させる表示パターンが含まれる。
演出決定手段132は、開放抽選手段113から受け取る開放抽選の結果に応じて、演出表示制御手段134によって演出表示装置60へ表示させる演出内容を決定する。演出決定手段132は、開放抽選の結果と普通図柄の変動表示時間に対応する複数の変動演出パターンデータの中からいずれかを選択してパターン記憶手段130から読み出し、その変動演出パターンの情報を演出表示制御手段134へ送る。演出決定手段132は、変動演出パターンを選択するために参照すべきパターンテーブルを保持する。
各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、普通図柄の変動表示時間に応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
図柄態様決定手段131は、装飾図柄190の停止図柄の組合せとその配置を、開放抽選手段113による開放抽選の結果、普通図柄の変動表示時間、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段131は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出表示制御手段134へ送信する。図柄態様決定手段131は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄190の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば開放抽選手段113による開放抽選の結果が当りの場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。開放抽選の結果が外れの場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せが選択される。リーチ付きの外れを示す変動演出パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
演出表示制御手段134は、開放抽選手段113による開放抽選の結果として、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄を含む演出画像を変動表示させる。演出表示制御手段134は、装飾図柄190の変動開始コマンドを受け取ったときに新たな図柄変動を開始させる。演出表示制御手段134は、確変状態の開始時、期間中、および終了時のうち少なくともいずれかについてその旨を遊技者に報知する演出を実行する。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
役物制御手段136は、演出表示制御手段134から受け取る指示にしたがい、演出表示装置60における演出内容や遊技効果ランプ90の点滅過程に沿って、可動役物140を演出的に動作させる。
図7は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が始動口62、一般入賞口72、大入賞口66などへ入球した場合の処理を実行し(S10)、特別遊技中でなければ(S12のN)、当否抽選や開放抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、特別遊技中であれば(S12のY)、特別遊技の制御処理を実行して(S16)、S14をスキップする。最後に、S10の入賞処理においてセットされた賞球数にて各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図8は、図7におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。通常遊技制御処理において、特別図柄の当否抽選値の保留がなされている場合であって(S30のY)、特別図柄が変動表示中でなければ(S32のN)、当否抽選手段112が当否判定処理を実行する(S34)。その判定結果に応じてメイン表示制御手段118が特別図柄の変動表示を開始する(S36)。S30において当否抽選値が保留されていなかった場合は(S30のN)、S32からS36までの処理がスキップされ、S32において特別図柄が変動表示中であった場合は(S32のY)、S34およびS36の処理がスキップされる。続いて、特別図柄の変動表示がすでに開始されていれば(S38のY)、特別図柄の変動表示処理を実行し(S40)、特別図柄の変動表示を終了させるべきタイミングに達していれば(S42のY)、特別図柄の変動停止処理を実行する(S44)。S38において、特別図柄の変動表示が開始されていなければ、S40からS44までの処理をスキップし(S38のN)、S42において、特別図柄の変動終了タイミングに達していない場合は(S42のN)、S44の処理をスキップする。最後に、開放抽選制御処理を実行する(S50)。
図9は、図8におけるS34の当否判定処理を詳細に示すフローチャートである。まず、当否抽選手段112が当否抽選値を読み出して(S100)、その当否抽選値に基づいて当否を判定し(S102)、当否抽選の結果が当りであれば確変連続上限回数に達する当りか否かを特定判定手段126が判定し(S104)、図柄決定手段114が当否判定結果に基づいて特別図柄の停止図柄を決定する(S106)。当否抽選の結果が当りの場合(S108のY)、確変連続上限回数に達する当りであれば(S109のY)、特別遊技後に特殊期間へ移行する旨を設定し(S116)、確変連続上限回数に達する当りではなく(S109のN)、決定した特別図柄の停止図柄が確変を伴う当り図柄であれば(S110のY)、特別遊技後に確変状態へ移行する旨を設定し(S112)、確変を伴う当り図柄でなければ(S110のN)、S112をスキップする。当否抽選の結果が外れであった場合は、S109からS112までの処理をスキップする(S108のN)。その後、特別変動パターン決定手段150は、特別図柄の変動パターンを選択する(S120)。
図10は、図8におけるS50の開放抽選制御処理を詳細に示すフローチャートである。開放抽選の抽選値が保留されている場合であって(S130のY)、普通図柄が変動表示中でなければ(S131のN)、開放抽選手段113が開放抽選を実行し(S132)、その抽選結果に応じて普通図柄表示制御手段156が普通図柄の変動表示を開始するとともに、演出表示制御手段134が装飾図柄の変動表示を開始する(S136)。S130において開放抽選の抽選値が保留されていなかった場合は(S130のN)、S131からS136までの処理がスキップされ、S131において普通図柄が変動表示中であった場合は(S131のY)、S132とS136の処理がスキップされる。続いて、普通図柄および装飾図柄の変動表示がすでに開始されていれば(S138のY)、普通図柄表示制御手段156が普通図柄の変動表示処理を実行するとともに演出表示制御手段134が装飾図柄の変動表示処理を実行し(S140)、普通図柄および装飾図柄の変動表示を終了させるべきタイミングに達していれば(S142のY)、普通図柄および装飾図柄の変動停止処理を実行する(S144)。このとき、開放抽選が当りであれば(S146のY)、始動口62の拡開機構63を開放させ(S148)、当りでなければS148をスキップする(S146のN)。S138において、普通図柄および装飾図柄の変動表示が開始されていなければ、S140からS148までの処理をスキップし(S138のN)、S142において、普通図柄および装飾図柄の変動終了タイミングに達していない場合は(S142のN)、S144からS148までの処理をスキップする。また、始動口62の拡開機構63が開放中の場合であって(S150のY)、その閉鎖タイミングに到達していれば(S152のY)、開閉制御手段124は拡開機構63を閉鎖する(S154)。閉鎖タイミングに達していなければ(S152のN)、S154をスキップし、拡開機構63が開放されていないときは(S150のN)、S152およびS154をスキップする。
図11は、図10におけるS132の開放抽選処理の詳細を示すフローチャートである。開放抽選手段113が普通図柄を決定し(S160)、普通図柄の変動時間を設定し(S162)、遊技状態に応じた開閉態様を設定する(S164)。このとき、特殊期間であれば抽選で開閉態様を設定する。演出決定手段132は装飾図柄を決定し(S166)、装飾図柄の変動演出パターンを設定する(S168)。
図12は、図10におけるS144の変動停止表示処理を詳細に示すフローチャートである。普通図柄および装飾図柄の変動表示を停止し(S170)、当りの連続回数が確変連続上限回数に達したときの特別遊技終了後における特殊期間であった場合(S172のY)、1回の普通図柄変動が終了したため通常状態の開閉態様に戻す設定をして特殊期間を終了させる(S174)。特殊期間でなければS174をスキップする(S172のN)。
図13は、図7におけるS16の特別遊技を詳細に示すフローチャートである。まず、大入賞口66がまだ開放済でない場合(S80のN)、演出表示制御手段134が特別遊技の演出処理を開始して、開閉制御手段124が大入賞口66を開放し(S82)、大入賞口66が開放済であればS82をスキップする(S80のY)。大入賞口66が開放されてから、所定の開放時間が経過した場合(S84のY)、または、開放時間が経過していないものの(S84のN)、大入賞口66への入球数が10球以上に達した場合(S86のY)、開閉制御手段124が大入賞口66を閉鎖させる(S88)。開放時間が経過しておらず(S84のN)、大入賞口66への入球数も10球以上に達していない場合は(S86のN)、S88以降の処理をスキップしてS16のフローを終了する。
S88における大入賞口66の閉鎖後、単位遊技が最終ラウンドである2回目のラウンドであった場合(S90のY)、演出表示制御手段134は特別遊技の演出処理を終了させて、特別遊技制御手段120が特別遊技を終了させる(S92)。このとき、確変状態へ移行する旨の設定がなされていない場合(S93のN)、通常遊技において通常確率状態を開始し(S94)、さらに特殊期間へ移行する旨の設定がなされていた場合(S95のY)、特殊期間を開始する(S96)。特殊期間を開始する旨の設定がなされていない場合は(S95のN)、S96をスキップする。確変状態へ移行する旨の設定がなされていた場合(S93のY)、通常遊技において確変状態を開始し(S97)、S94からS96の処理をスキップする。S90において単位遊技が最終ラウンドに達していなければ(S90のN)、ラウンド数に1を加算してS16のフローを終了する(S98)。
(実施例2)
本実施例のぱちんこ遊技機10は、主に確変状態のまま当りの連続回数が確変連続上限回数に達した場合に、その特別遊技終了後の所定回数にわたって普通図柄の変動表示時間を通常と異なる基準で決定する点で実施例1と異なる。その他の構成や遊技方法は基本的に実施例1と共通するため、相違点を中心に説明し、共通点の説明は省略する。
確変状態のまま当りの連続回数が確変連続上限回数に達した場合であって、特別図柄の停止図柄が所定の図柄であった場合、普通変動パターン決定手段152は、特別遊技の終了後からの限定期間において限定普通変動決定基準を参照して普通図柄の変動表示時間を決定する。この限定期間は、特別遊技の終了後から所定回数の普通図柄変動がなされる期間であり、本実施例においては、特別遊技終了後から普通図柄が1回変動されるまでの期間とする。限定普通変動決定基準は、相対的に長い変動時間が通常の普通変動決定基準と比べて選択されやすくなるように定められた普通変動決定基準である。図9のS116において、特殊期間へ移行する旨だけでなく限定期間へ移行する旨も設定する。図10のS140における変動停止時に、限定期間の終了に該当すれば通常の普通変動決定基準の参照に戻す設定をする。図13のS96においては特殊期間だけでなく限定期間も開始する。
本実施例における特殊期間、すなわち拡開機構63の開閉態様が複数の態様から選ばれる期間は、確変状態のまま当りの連続回数が確変連続上限回数に達したときの特別遊技終了後から普通図柄が2回変動されるまでの期間である。したがって、限定期間が終了しても普通図柄があと1回変動するまで特殊期間が続くこととなる。
本実施例においては、普通図柄の変動時間として、特別遊技終了後の特殊期間においては原則として相対的に短い変動時間が選択されるが、所定の停止図柄の場合に開始される限定期間においては、特殊期間内ではあっても通常確率状態と同様に相対的に長い変動時間が選択される。その場合、限定期間における普通図柄の変動表示は外観上は特殊期間ではないように見える。これにより、所定の停止図柄であった場合に特殊期間には移行しなかったように遊技者に思わせておきながら、限定期間終了後に特殊期間が残存するために、後から特殊期間であったことを認識させる意外性を遊技者に与える遊技性を実現できる。
なお、変形例としては、確変連続上限回数に達する当りの場合だけでなく、特別遊技が終了するたびに限定期間が開始される構成であってもよい。または、確変連続上限回数に達する当りであれば特別図柄の停止図柄がどの図柄であっても特別遊技終了後に限定期間が開始される構成であってもよい。
(実施例3)
本実施例のぱちんこ遊技機10は、主に当否抽選の結果が当りとなる確率や、確変状態のまま当りの連続回数が確変連続上限回数に達した場合に選択される拡開機構63の開閉態様が実施例1,2と異なる。その他の構成や遊技方法は基本的に実施例1と共通するため、相違点を中心に説明し、共通点の説明は省略する。
実施例1においては、通常状態および確変状態において当否抽選が100%に近い確率で当りとなる構成であったが、本実施例では約50%の確率で当りとなる。また、確変連続上限回数に達する当りとなった場合の特殊期間は、特別遊技終了後から特別図柄が1回変動し終わるまでの期間である。一方、確変連続上限回数に達する当りとなった場合に、6秒間を1回開放するパターンAの開閉態様と、1秒間を1回開放するパターンBの開閉態様の2つの開閉態様からいずれかを選択する。確変連続上限回数に達する当りの停止図柄に応じてパターンAが選択されれば始動口62には複数の入球が期待できるため、たとえ当り確率が50%程度であっても1回の開放における入球により当りを引き戻せる確率も高い。しかし、パターンBが選択されると、始動口62には入球したとしても1球である可能性が高く、当り確率が50%程度であれば当りを引き戻せる確率も50%程度となる。この態様においては、入球困難な開閉態様が選択肢に含まれていない代わりに、始動口62へ入球してもほぼ確実に当りが得られるわけではない構成となっており、結果として当りを容易に引き戻せる状態と当りを容易には引き戻せない状態とを創り出すことができる。
(実施例4)
本実施例のぱちんこ遊技機10は、主に当りの連続回数が確変連続上限回数に達した場合にその特別遊技終了後に移行する入球容易状態の終了、すなわち特殊期間の終了契機がいわゆる転落抽選の結果に左右される点が実施例1〜3と異なる。その他の構成や遊技方法は基本的に実施例1〜3と共通するため、相違点を中心に説明し、共通点の説明は省略する。
本実施例における特殊期間の終了は、作動口68への入球時に実行される転落抽選の結果に左右される。本実施例の特殊期間は、普通図柄の変動回数が100回に達するまで原則として継続し得るが、その途中で作動口68へ入球したときの転落抽選によって入球容易状態から通常入球状態に転落し得る。すなわち、転落抽選の結果が入球容易状態から通常入球状態へ転落する旨を示す結果に該当した場合、普通図柄の変動回数が100回に達する前であっても特殊期間は終了する。転落抽選で転落する旨の結果に該当する確率は、例えば約1/2であり、転落抽選は特定遊技実行手段122により実行される。本実施例では、確変連続上限回数に達する当りとなったときにその当り図柄に応じて特殊期間における拡開機構63の開閉態様を決定するとともに、その特別遊技終了後の特殊期間に入球容易状態へ移行する。そして、入球容易状態において普通図柄の抽選で約1/1の確率で当りに該当した場合は、特別図柄の当り図柄に応じてあらかじめ決定してあった開閉態様にて開放制御する。このとき、始動口62へ入球があれば容易に次の当りおよび確変状態を取り戻せる。しかし、作動口68へ入球があったときに実行される転落抽選の結果が転落すべき旨の結果に該当してしまった場合、開放抽選の当り確率は1/256へ転落してしまうため、開放抽選が当りとなって拡開機構63が開放される可能性は途端に低くなる。通常入球状態へ転落してしまうと、拡開機構63の開放機会は大きく減り、再び入球容易状態へ戻すまで始動口62に入球させることは困難となる。
図5(b)において、確変連続上限回数に達する当りに対応する特別図柄のうちいずれに該当するかによって異なる基準で開閉態様を決定する。例えば、「0」「2」に該当すればパターンAの開閉態様が選択されやすい基準を参照して開閉態様を決定し、「4」に該当すればパターンAの開閉態様が選択されにくい基準を参照して開閉態様を決定する。具体的には、「0」「2」の場合、さらに実行される抽選により10%の確率でパターンAが選択され、90%の確率でパターンBが選択される基準を参照する。「4」の場合、さらに実行される抽選により1%の確率でパターンAが選択され、9%の確率でパターンBが選択され、90%の確率でパターンCが選択される基準を参照する。これにより、特定の図柄で当りとなれば始動口62への入球が容易となる開閉態様が決定されやすくなり、逆に特定の図柄以外の図柄で当りとなれば始動口62への入球が容易となる開閉態様が決定されにくくなる。上述の通り特殊期間が転落によっていつ終了してもおかしくない不安定な状態といえるため、できるだけ早く始動口62へ入球させて次の当りおよび確変状態を取り戻すことが望ましい遊技性が実現される。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
上記の各実施例においては、図6に示す通りパターンAからCのいずれか、またはパターンAとBのいずれかを拡開機構63の開閉態様として選択する構成を説明した。変形例においては、これらの選択肢に加えて、拡開機構63の開閉および入球容易状態への移行をしない旨が定められたパターンDの選択肢を設けてもよい。パターンA〜Cはいずれも入球容易状態への移行を伴う選択肢であったが、パターンDは入球容易状態への移行そのものを実行せず、拡開機構63の開閉もしない態様である。これにより、当り図柄に応じて入球容易状態の付与の有無をあわせて決定することができる構成を実現できる。