JP5354020B2 - 弾性表面波装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば共振子や帯域フィルタなどに用いられる弾性表面波装置に関し、より詳細には、圧電基板がLiNbO膜を有する弾性表面波装置に関する。
近年、通信機器における高周波化に伴って、弾性表面波装置においても高周波化が求められている。また、弾性表面波フィルタなどにおいては広帯域化も強く求められている。
高周波化及び広帯域化を図るには、弾性表面波の音速及び電気機械結合係数kが大きいことが求められている。
下記の特許文献1には、(012)サファイア基板上に、(100)LiNbO薄膜を形成してなる圧電基板を用いた弾性表面波装置が開示されている。(012)サファイア基板上に、(100)のLiNbO薄膜を形成することにより、電気機械結合係数の増大を図ることができるとされている。
他方、下記の特許文献2には、図62に示す弾性表面波装置が開示されている。この弾性表面波装置1001では、ダイアモンド基板1002上に、薄膜ではなく、LiNbO単結晶層1003が形成されている。このLiNbO単結晶層1003上に、IDT電極1004が形成されている。ここでは、LiNbO単結晶層1003の厚みをt(μm)、n次モードの弾性表面波の波長をλn(μm)とした場合、kh=2π(t/λn)と、LiNbO単結晶層1003のオイラー角とが特定の範囲とされている。それによって、弾性表面波の伝搬速度を大きくし、かつ電気機械結合係数kを大きくすることができるとされている。
特開平10−322158号公報 特開平9−219632号公報
特許文献1に記載の弾性表面波装置では、(012)サファイア基板上に(100)LiNbO薄膜を積層してなる圧電基板を用いているが、電気機械結合係数を高めることができるLiNbO薄膜のオイラー角範囲が狭い範囲に限られていた。
他方、特許文献2では、薄膜ではない、LiNbO単結晶層1003をダイアモンド基板1002上に積層した構造を有し、弾性表面波の音速及び電気機械結合係数の増大が図られている。しかしながら、単結晶ダイアモンドからなるダイアモンド基板1002が高価であり、コストの低減が強く求められている。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、より広範なオイラー角範囲のLiNbOを用いて弾性表面波の音速の向上及び電気機械結合係数の増大を図ることができ、しかも安価な弾性表面波装置を提供することにある。
本発明によれば、横波音速が5400m/秒以上、8660m/秒以下の高音速基板と、前記高音速基板上に形成されており、オイラー角が(0°,67°〜160°,−5°〜+5°)または(90°,51°〜133°,−5°〜+5°)のLiNbO単結晶板とからなる圧電基板と、前記圧電基板上に形成されておりかつ金属からなる電極とを備える、弾性表面波装置が提供される。
すなわち、上記特定の高音速基板上に上記特定の結晶方位のLiNbO単結晶板を積層してなる圧電基板を用いることにより、弾性表面波の音速を早めることができ、かつ電気機械結合係数kを大きくすることができる。
好ましくは、LiNbO単結晶板の厚みは、弾性表面波の波長λとしたときに0.05λ〜1.6λの範囲にあり、より好ましくは0.15λ〜1.6λの範囲とされる。この場合には、より大きな電気機械結合係数kを得ることができる。
上記高音速基板としては、特に限定されないが、例えば炭化珪素、アルミナ、窒化アルミニウム、サファイア、窒化シリコン、シリコン及び酸化マグネシウムからなる群から選択された一種の材料からなる基板が用いられる。
本発明においては、上記LiNbO単結晶板の前記オイラー角が(0°,92°〜132°,−5°〜+5°)の範囲にある。この場合には、より一層大きな電気機械結合係数を得ることができる。
本発明においては、弾性表面波として、好ましくは、弾性表面波の1次モードが用いられる。この場合には、音速を高め、かつ大きな電気機械結合係数kを得ることができる。
本発明の他の特定の局面では、前記高音速基板が、SiCからなり、前記LiNbO単結晶板のオイラー角が(0°,70°〜160°,−5°〜+5°)または(90°,54°〜133°,−5°〜+5°)の範囲にある。この場合には、音速をより一層高め、かつより大きな電気機械結合係数kを得ることができる。
本発明に係る弾性表面波装置のさらに別の特定の局面では、前記高音速基板がアルミナからなり、前記LiNbO単結晶板のオイラー角が(0°,70°〜160°,−5°〜+5°)または(90°,54°〜117°,−5°〜+5°)の範囲にある。
本発明に係る弾性表面波装置のさらに別の特定の局面では、前記高音速基板が窒化アルミニウムからなり、前記LiNbO単結晶板のオイラー角が(0°,70°〜153°,−5°〜+5°)または(90°,52°〜122°,−5°〜+5°)の範囲にある。
発明に係る弾性表面波装置のさらに別の特定の局面では、前記高音速基板がサファイアからなり、前記LiNbO単結晶板のオイラー角が(0°,67°〜147°,−5°〜+5°)または(90°,53°〜123°,−5°〜+5°)の範囲にある。
本発明に係る弾性表面波装置の別の特定の局面では、前記高音速基板が窒化シリコンからなり、前記LiNbO単結晶板のオイラー角が(0°,70°〜153°,−5°〜+5°)または(90°,54°〜120°,−5°〜+5°)の範囲にある。
本発明に係る弾性表面波装置では、好ましくは、上記高音速基板がシリコンである。この場合、シリコンはシリコン単結晶であってもよく、シリコン多結晶であってもよい。シリコンがシリコン単結晶からなる場合、好ましくは、前記LiNbO単結晶板のオイラー角が(0°,75°〜152°,−5°〜+5°)または(90°,51°〜118°,−5°〜+5°)の範囲にあることが望ましい。それによって、音速をより一層高めかつ大きな電気機械結合係数kを得ることができる。
また、シリコンがシリコン多結晶からなる場合、好ましくは、前記LiNbO単結晶板のオイラー角が(0°,75°〜148°,−5°〜+5°)または(90°,52°〜118°,−5°〜+5°)の範囲にあることが望ましい。それによって、音速をより一層高め、かつより一層大きな電気機械結合係数kを得ることかできる。
本発明に係る弾性表面波装置の他の広い局面では、横波音速が5400m/秒以上、8660m/秒以下の高音速基板と、前記高音速基板上に形成されており、弾性表面波の波長λとしたときに、前記LiNbO単結晶板の厚みが、0.4λ〜1.6λの範囲にあり、弾性表面波として、弾性表面波の2次モードが用いられ、オイラー角が(0°,50°〜120°,−5°〜+5°)の範囲にある、弾性表面波装置が提供される。この場合においても、弾性表面波の音速を効果的に高めることができる。
さらに、本発明のさらなる広い局面によれば、横波音速が5400m/秒以上、8660m/秒以下の高音速基板と、前記高音速基板上に形成されており、弾性表面波の波長λとしたときに、前記LiNbO単結晶板の厚みが、0.4λ〜1.6λの範囲にあり、弾性表面波として、弾性表面波の3次モードが用いられ、オイラー角が(0°,50°〜53°,−5°〜+5°)あるいは(0°,83°〜140°,−5°〜+5°)の範囲にある、弾性表面波装置が提供される。この場合においても、弾性表面波のより一層の高速化を図ることができる。 本発明に係る弾性表面波装置のさらに他の特定の局面では、前記LiNbO単結晶板上に形成された酸化珪素膜がさらに備えられ、前記酸化珪素膜の厚みが0.1λ〜0.4λの範囲にされる。この場合には、周波数温度係数TCFの絶対値を小さくすることができ、温度特性の安定化を図ることができる。
本発明に係る弾性表面波装置の別の特定の局面では、上記高音速基板と、上記LiNbO単結晶板との間に積層された酸化珪素膜がさらに備え、前記酸化珪素膜の厚みが0.05λ〜1.4λの範囲にされ、その場合においても、周波数温度係数TCFの絶対値を小さくすることができ、温度特性の安定化を図ることができる。この場合好ましくは、高音速基板がシリコンである場合周波数温度係数TCFの絶対値をより小さくすることができる。
また、上記LiNbO単結晶板と、高音速基板との間に酸化珪素膜が積層されている構造において、音速基板がシリコンである場合、該高音速基板は、シリコン単結晶からなるものであってもよく、シリコン多結晶からなるものであってもよい。
本発明に係る弾性表面波装置によれば、横波音速が5400m/秒以上、8660m/秒以下の高音速基板を用いているため、弾性表面波の音速を高めることができる。しかも、このような音速の高音速基板は、ダイアモンドと異なり安価である。加えて、LiNbO単結晶板が高音速基板上に形成されており、そのオイラー角が、(0°,67°〜160°,−5°〜+5°)または(90°,51°〜133°,−5°〜+5°)の範囲にあるため、高音速基板を用いて弾性表面波の音速を高め得るだけでなく、大きな電気機械結合係数kを得ることが可能となる。
また、上記本発明の他の広い上記局面により提供される、弾性表面波の2次モードを用いた弾性表面波装置においても、同様に、弾性表面波の音速を高めることができる。しかも、LiNbO単結晶板が高音速基板上に形成されており、そのオイラー角が上記特定の範囲とされているため、電気機械結合係数kを高めることができる。
同様に、本発明のさらなる広い上記局面により提供される、弾性表面波の3次モードを用いた弾性表面波装置においても、弾性表面波の音速を高めることができる。加えて、LiNbO単結晶板が高音速基板上に形成されており、そのオイラー角が上記特定の範囲にあるため、電気機械結合係数kを高めることが可能となる。
図1は、(a)は本発明の第1の実施形態の弾性表面波装置を示す断面図であり、(b),(c)は、それぞれ、第2,第3の実施形態に係る弾性表面波装置の正面断面図である。 図2は、オイラー角(0°,0°,0°)のSiC基板上にオイラー角(0°,0°,0°)のLiNbO単結晶板を積層した構造におけるLiNbO単結晶板の厚みと、弾性表面波の音速との関係を示す図である。 図3は、オイラー角(0°,0°,0°)のSiC基板上にオイラー角(0°,0°,0°)のLiNbO単結晶板を積層した構造におけるLiNbO単結晶板の厚みと、電気機械結合係数kとの関係を示す図である。 図4は、オイラー角(0°,0°,0°)のSiC基板上にオイラー角(90°,87°,0°)のLiNbO単結晶板を積層した構造におけるLiNbO単結晶板の厚みと、弾性表面波の音速との関係を示す図である。 図5は、オイラー角(0°,0°,0°)のSiC基板上にオイラー角(90°,87°,0°)のLiNbO単結晶板を積層した構造におけるLiNbO単結晶板の厚みと、電気機械結合係数kとの関係を示す図である。 図6は、オイラー角(0°,122°23′,0°)のAlすなわちR面サファイア、オイラー角(0°,90°,0°)のAlすなわちサファイア、オイラー角(90°,90°,0°)のAlすなわちサファイアの各基板上に、オイラー角(90°,87°,0°)のLiNbO単結晶板を積層した構造を用いた場合の、LiNbO単結晶板の厚みと弾性表面波の音速との関係を示す図である。 図7は、オイラー角(0°,122°23′,0°)のAlすなわちR面サファイア、オイラー角(0°,90°,0°)のAlすなわちサファイア、オイラー角(90°,90°,0°)のAlすなわちサファイアの各基板上に、オイラー角(90°,87°,0°)のLiNbO単結晶板を積層した構造を用いた場合の、LiNbO単結晶板の厚みと弾性表面波の電気機械結合係数との関係を示す図である。 図8は、オイラー角(0°,0°,0°)のSiC基板上にオイラー角(0°,90°,0°)のLiNbO単結晶板を積層した構造におけるLiNbO単結晶板の厚みと、弾性表面波の音速との関係を示す図である。 図9は、オイラー角(0°,0°,0°)のSiC基板上にオイラー角(0°,90°,0°)のLiNbO単結晶板を積層した構造におけるLiNbO単結晶板の厚みと、電気機械結合係数kとの関係を示す図である。 図10は、オイラー角(0°,0°,0°)のSiC基板上にオイラー角(0°,110°,0°)のLiNbO単結晶板を積層した構造におけるLiNbO単結晶板の厚みと、弾性表面波の音速との関係を示す図である。 図11は、オイラー角(0°,0°,0°)のSiC基板上にオイラー角(0°,110°,0°)のLiNbO単結晶板を積層した構造におけるLiNbO単結晶板の厚みと、電気機械結合係数kとの関係を示す図である。 図12は、オイラー角(0°,122°23′,0°)R面サファイア上にオイラー角(0°,110°,0°)のLiNbO単結晶板を積層した構造におけるLiNbO単結晶板の厚みと、弾性表面波の音速との関係をそれぞれ示す図である。 図13は、オイラー角(0°,122°23′,0°)R面サファイア上にオイラー角(0°,110°,0°)のLiNbO単結晶板を積層した構造におけるLiNbO単結晶板の厚みと、電気機械結合係数kとの関係をそれぞれ示す図である。 図14は、オイラー角(135°,90°,90°)のシリコン単結晶及び水晶の各基板上にオイラー角(0°,110°,0°)のLiNbO単結晶板を積層した場合のLN単結晶板の厚みと電気機械結合係数との関係を示す図である。 図15は、オイラー角(135°,90°,90°)のシリコン単結晶及び水晶の各基板上にオイラー角(0°,110°,0°)のLiNbO単結晶板を積層した場合のLN単結晶板の厚みと弾性表面波の音速との関係を示す図である。 図16は、オイラー角(0°,0°,0°)のSiC基板上にオイラー角(0°,θ,0°)の厚み0.3λのLiNbO単結晶板を積層した構造におけるオイラー角のθと、弾性表面波の音速との関係を示す図である。 図17は、オイラー角(0°,0°,0°)のSiC基板上にオイラー角(0°,θ,0°)の厚み0.3λのLiNbO単結晶板を積層した構造におけるオイラー角のθと、電気機械結合係数kとの関係を示す図である。 図18は、オイラー角(0°,122°23′,0°)のR面サファイア基板上にオイラー角(0°,θ,0°)の厚み0.3λのLiNbO単結晶板を積層した構造におけるオイラー角のθと、弾性表面波の音速との関係を示す図である。 図19は、オイラー角(0°,122°23′,0°)のR面のサファイア基板上にオイラー角(0°,θ,0°)の厚み0.3λのLiNbO単結晶板を積層した構造におけるオイラー角のθと、電気機械結合係数kとの関係を示す図である。 図20は、アルミナAl基板上にオイラー角(0°,θ,0°)の厚み0.3λのLiNbO単結晶板を積層した構造におけるオイラー角のθと、弾性表面波の音速との関係を示す図である。 図21は、アルミナAl基板上にオイラー角(0°,θ,0°)の厚み0.3λのLiNbO単結晶板を積層した構造におけるオイラー角のθと、電気機械結合係数kとの関係を示す図である。 図22は、窒化アルミニウム基板上にオイラー角(0°,θ,0°)の厚み0.3λのLiNbO単結晶板を積層した構造におけるオイラー角のθと、弾性表面波の音速との関係を示す図である。 図23は、窒化アルミニウム基板上にオイラー角(0°,θ,0°)の厚み0.3λのLiNbO単結晶板を積層した構造におけるオイラー角のθと、電気機械結合係数kとの関係を示す図である。 図24は、窒化シリコン基板上にオイラー角(0°,θ,0°)の厚み0.3λのLiNbO単結晶板を積層した構造におけるオイラー角のθと、弾性表面波の音速との関係を示す図である。 図25は、窒化シリコン基板上にオイラー角(0°,θ,0°)の厚み0.3λのLiNbO単結晶板を積層した構造におけるオイラー角のθと、電気機械結合係数kとの関係を示す図である。 図26は、オイラー角(135°,90°,90°)のシリコン単結晶及びSi(多結晶)の各基板上にオイラー角(0°,θ°,0°)のLiNbO単結晶板を積層したときのオイラー角(0°,θ,0°)のθと弾性表面波の音速との関係を示す図である。 図27は、オイラー角(135°,90°,90°)のシリコン単結晶及びSi(多結晶)の各基板上にオイラー角(0°,θ°,0°)のLiNbO単結晶板を積層したときのオイラー角(0°,θ,0°)のθと電気機械結合係数との関係を示す図である。 図28は、図1(b)に示した第2の実施形態の弾性表面波装置であって、オイラー角(0°,122°23′,0°)のR面サファイア基板上にオイラー角(0°,110°,0°)の厚み0.3λのLiNbO単結晶板及びSiO膜を積層した構造におけるSiO膜の厚みと、弾性表面波の音速との関係を示す図である。 図29は、図1(b)に示した第2の実施形態の弾性表面波装置であって、オイラー角(0°,122°23′,0°)のR面サファイア基板上にオイラー角(0°,110°,0°)の厚み0.3λのLiNbO単結晶板及びSiO膜を積層した構造におけるSiO膜の厚みと、電気機械結合係数kとの関係を示す図である。 図30は、図1(b)に示した第2の実施形態の弾性表面波装置であって、オイラー角(0°,122°23′,0°)のR面サファイア基板上にオイラー角(0°,110°,0°)の厚み0.3λのLiNbO単結晶板及びSiO膜を積層した構造におけるSiO膜の厚みと、フリーの状態の周波数温度係数TCFとの関係を示す図である。 図31は、図1(b)に示した第2の実施形態の弾性表面波装置であって、オイラー角(0°,122°23′,0°)のR面サファイア基板上にオイラー角(0°,110°,0°)の厚み0.3λのLiNbO単結晶板及びSiO膜を積層した構造におけるSiO膜の厚みと、メタライズド表面を有する構造における周波数温度係数TCFとの関係を示す図である。 図32は、図1(c)に示した第3の実施形態の弾性表面波装置であって、オイラー角(0°,122°23′,0°)のR面サファイア基板上にSiO膜及びオイラー角(0°,110°,0°)の厚み0.15λのLiNbO単結晶板を積層されている構造における、SiO膜の厚みと、弾性表面波の音速との関係を示す図である。 図33は、図1(c)に示した第3の実施形態の弾性表面波装置であって、オイラー角(0°,122°23′,0°)のR面サファイア基板上にSiO膜及びオイラー角(0°,110°,0°)の厚み0.3λのLiNbO単結晶板を積層されている構造における、SiO膜の厚みと、弾性表面波の音速との関係を示す図である。 図34は、図1(c)に示した第3の実施形態の弾性表面波装置であって、オイラー角(0°,122°23′,0°)のR面サファイア基板上にSiO膜及びオイラー角(0°,110°,0°)の種々の厚みのLiNbO単結晶板を積層されている構造における、LiNbO単結晶板の厚みと、SiO膜の厚みと、1次モード弾性表面波の電気機械結合係数kとの関係を示す図である。 図35は、図1(c)に示した第3の実施形態の弾性表面波装置であって、オイラー角(0°,122°23′,0°)のR面サファイア基板上にSiO膜及びオイラー角(0°,110°,0°)の厚み0.15λ〜0.6λのLiNbO単結晶板を積層されている構造における、SiO膜の厚みと、2次モード弾性表面波の電気機械結合係数kとの関係を示す図である。 図36は、図1(c)に示した第3の実施形態の弾性表面波装置であって、オイラー角(0°,122°23′,0°)のR面サファイア基板上にSiO膜及びオイラー角(0°,110°,0°)の種々の厚みのLiNbO単結晶板を積層されている構造における、LiNbO単結晶板の厚みと、SiO膜の厚みと、3次モード弾性表面波の電気機械結合係数kとの関係を示す図である。 図37は、図1(c)に示した第3の実施形態の弾性表面波装置であって、オイラー角(0°,122°23′,0°)のR面サファイア基板上にSiO膜及びオイラー角(0°,110°,0°)のLiNbO単結晶板を積層されている構造において、SiO膜の厚みを0.5λ、0.8λまたは1.1λとした場合及びSiO膜が形成されていない構造におけるLiNbO単結晶板の厚みと、1次モードの弾性表面波の電気機械結合係数kとの関係を示す図である。 図38は、図1(c)に示した第3の実施形態の弾性表面波装置であって、オイラー角(0°,122°23′,0°)のR面サファイア基板上にSiO膜及びオイラー角(0°,110°,0°)のLiNbO単結晶板を積層されている構造において、SiO膜の厚みを0.5λ、0.8λまたは1.1λとした構造におけるLiNbO単結晶板の厚みと、2次モードの弾性表面波の電気機械結合係数kとの関係を示す図である。 図39は、オイラー角(0°,122°23′,0°)のR面サファイア基板上にSiO膜及びオイラー角(0°,110°,0°)のLiNbO単結晶板を積層した構造において、LiNbO単結晶板の厚みを0.15λとした場合のSiO膜の厚みと、1次モードまたは2次モードの弾性表面波を利用した場合の周波数温度係数TCFとの関係を示す図である。 図40は、オイラー角(0°,122°23′,0°)のR面サファイア基板上にSiO膜及びオイラー角(0°,110°,0°)のLiNbO単結晶板を積層した構造であってLiNbO単結晶板の厚みを0.3λとしたときのSiO膜の膜厚と、1次モード、2次モードまたは3次モードの弾性表面波の周波数温度係数TCF(フリー)との関係を示す図である。 図41は、オイラー角(0°,122°23′,0°)のR面サファイア基板上にSiO膜及びオイラー角(0°,110°,0°)のLiNbO単結晶板を積層した構造であってLiNbO単結晶板の厚みを0.3λとしたときのSiO膜の膜厚と、1次モード、2次モードまたは3次モードの弾性表面波の周波数温度係数TCF(メタライズ)との関係を示す図である。 図42は、図1(c)に示した第3の実施形態の弾性表面波装置であって、Si(90°,90°,45°)のSi基板上にSiO膜及びオイラー角(0°,110°,0°)のLiNbO単結晶板が積層されている構造における、LiNbO単結晶板の厚みと、SiO膜の厚みと、1次モードの弾性表面波の音速との関係を示す図である。 図43は、図1(c)に示した第3の実施形態の弾性表面波装置であって、Si(90°,90°,45°)のSi基板上にSiO膜及びオイラー角(0°,110°,0°)のLiNbO単結晶板が積層されている構造における、LiNbO単結晶板の厚みと、SiO膜の厚みと、2次モードの弾性表面波の音速との関係を示す図である。 図44は、図1(c)に示した第3の実施形態の弾性表面波装置であって、Si(90°,90°,45°)のSi基板上にSiO膜及びオイラー角(0°,110°,0°)のLiNbO単結晶板が積層されている構造における、LiNbO単結晶板の厚みと、SiO膜の厚みと、1次モード及び2次モードの電気機械結合係数kとの関係を示す図である。 図45は、図1(c)に示した第3の実施形態の弾性表面波装置であって、Si(90°,90°,45°)のSi基板上にSiO膜及びオイラー角(0°,110°,0°)のLiNbO単結晶板が積層されている構造における、LiNbO単結晶板の厚みと、SiO膜の厚みと、1次モードの弾性表面波の周波数温度係数TCFとの関係を示す図である。 図46は、図1(c)に示した第3の実施形態の弾性表面波装置であって、オイラー角(90°,90°,45°)のSi基板上にSiO膜及びオイラー角(0°,110°,0°)のLiNbO単結晶板が積層されている構造における、LiNbO単結晶板の厚みと、SiO膜の厚みと、2次モードの弾性表面波の周波数温度係数TCFとの関係を示す図である。 図47は、図1(c)に示した第3の実施形態の弾性表面波装置であって、オイラー角(135°,90°,90°)のSi基板上にSiO膜及びオイラー角(0°,110°,0°)のLiNbO単結晶板が積層されている構造における、LiNbO単結晶板の厚みと、SiO膜の厚みと、1次モードの弾性表面波の音速との関係を示す図である。 図48は、図1(c)に示した第3の実施形態の弾性表面波装置であって、オイラー角(135°,90°,90°)のSi基板上にSiO膜及びオイラー角(0°,110°,0°)のLiNbO単結晶板が積層されている構造における、LiNbO単結晶板の厚みと、SiO膜の厚みと、1次モードの弾性表面波の電気機械結合係数kとの関係を示す図である。 図49は、図1(c)に示した第3の実施形態の弾性表面波装置であって、オイラー角(135°,90°,90°)のSi基板上にSiO膜及びオイラー角(0°,110°,0°)のLiNbO単結晶板が積層されている構造における、LiNbO単結晶板の厚みと、SiO膜の厚みと、1次モードの弾性表面波の周波数温度係数TCFとの関係を示す図である。 図50は、オイラー角(0°,90°,0°)のサファイア基板上にオイラー角(0°,110°,0°)のLiNbO単結晶板が積層されている第1の実施形態の弾性表面波装置において、0次モード、1次モード、2次モード及び3次モードの各弾性表面波の音速と、LiNbO単結晶板の厚みとの関係を示す図である。 図51は、オイラー角(0°,90°,0°)のサファイア基板上にオイラー角(0°,110°,0°)のLiNbO単結晶板が積層されている第1の実施形態の弾性表面波装置において、0次モード、1次モード、2次モード及び3次モードの電気機械結合係数kと、LiNbO単結晶板の厚みとの関係を示す図である。 図52は、オイラー角(0°,122°23′,0°)のR面サファイア基板上にオイラー角(90°,θ,0°)の厚み0.3λのLiNbOを積層してなる第1の実施形態の弾性表面波装置において、オイラー角のθと、弾性表面波の音速との関係を示す図である。 図53は、オイラー角(0°,122°23′,0°)のR面サファイア基板上にオイラー角(90°,θ,0°)の厚み0.3λのLiNbOを積層してなる第1の実施形態の弾性表面波装置において、オイラー角のθと、電気機械結合係数kとの関係を示す図である。 図54は、オイラー角(90°,90°,0°)のアルミナ基板上にオイラー角(0°,110°,0°)のLiNbOを積層してなる第1の実施形態の弾性表面波装置において、LiNbO単結晶板の厚みと、弾性表面波の音速との関係を示す図である。 図55は、オイラー角(90°,90°,0°)のアルミナ基板上にオイラー角(0°,110°,0°)のLiNbOを積層してなる第1の実施形態の弾性表面波装置において、LiNbO単結晶板の厚みと、電気機械結合係数kとの関係を示す図である。 図56は、オイラー角(0°,122°23′,0°)のR面サファイア基板上にオイラー角(0°,θ,0°)の厚み0.8λのLiNbO単結晶板を積層した構造におけるオイラー角のθと、弾性表面波の音速との関係を示す図である。 図57は、オイラー角(0°,122°23′,0°)のR面サファイア基板上にオイラー角(0°,θ,0°)の厚み0.8λのLiNbO単結晶板を積層した構造におけるオイラー角のθと、電気機械結合係数kとの関係を示す図である。 図58は、図1(c)に示した第3の実施形態の弾性表面波装置であって、多結晶のSi基板上にSiO膜及びオイラー角(0°,110°,0°)のLiNbO単結晶板が積層されている構造における、LiNbO単結晶板の厚みと、SiO膜の厚みと、1次モードの弾性表面波の音速との関係を示す図である。 図59は、図1(c)に示した第3の実施形態の弾性表面波装置であって、多結晶のSi基板上にSiO膜及びオイラー角(0°,110°,0°)のLiNbO単結晶板が積層されている構造における、LiNbO単結晶板の厚みと、SiO膜の厚みと、1次モードの電気機械結合係数kとの関係を示す図である。 図60は、第1の実施形態の弾性表面波装置において、高音速基板を(0°,0°,0°)のSiC、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化シリコン、Si((135°,90°,90°)、またはSi多結晶からなる基板を用い、LN単結晶板のオイラー角(90°,θ,0°)、厚みを0.3λとしたときの、オイラー角のθと電気機械結合係数kとの関係を示す図である。 図61は、LiNbO単結晶薄膜及びLiNbO単結晶板のX線回折(XRD)スペクトルを示す図である。 図62は、従来の弾性表面波装置を示す断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。なお、本明細書において、高音速基板及びLiNbO単結晶板の結晶方位については、オイラー角(φ,θ,ψ)で表すこととする。なお、結晶方位は、オイラー角の他、ミラー指数などでも表される。オイラー角とミラー指数との関係は以下の通りである。
オイラー角(90°,90°,0°)=ミラー指数(100)、オイラー角(0°,90°,0°)=ミラー指数(010)あるいは(0−10)。
図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係る弾性表面波装置の正面断面図である。弾性表面波装置1は、高音速基板2を有する。高音速基板2は、弾性表面波の音速が速い基板をいい、具体的には、横波音速が5400m/秒以上、8660m/秒以下の基板をいうものとする。5400m/秒以上の高音速基板2を用いることにより、弾性表面波の音速を高めることができる。なお、8660m/秒を超える高音速基板を用いた場合にも、弾性表面波の音速を高めることができるが、8660m/秒よりも高音速の基板材料は、ダイアモンドなどの非常に高価な材料となり、弾性表面波装置のコストが高くつくこととなる。
上記横波音速範囲の高音速基板材料及び横波音速を、下記の表1に示す。
Figure 0005354020
なお、本発明において、高音速基板2を構成する材料は、表1に示す材料に限定されるわけではないが、好ましくは、上記表1に示されているような、サファイア、炭化珪素、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化シリコン、シリコン及びMgOからなる群から選択される、比較的安価でありかつ音速の速い材料が好適に用いられる。
本発明においてサファイアはR面、m面及びa面サファイア単結晶の例を示したが、5400m/秒〜8660m/秒の音速を示す方位角のサファイアを用いてよい。
高音速基板2上に、LiNbO単結晶板3が積層されている。LiNbO単結晶板3は、LiNbO単結晶薄膜とは異なる。すなわち、上記LiNbO単結晶板3は、バルクのLiNbO単結晶を切削することなどにより得られるものである。LiNbO単結晶板3は、上記のようにして得られ、高音速基板2に貼り合わされる。従って、LiNbO単結晶板3とは、高音速基板上に結晶成長により形成されたLiNbO単結晶薄膜とは異なる。バルクのLiNbO単結晶から得られたLiNbO単結晶板3は、結晶成長により成膜されたLiNbO単結晶薄膜とは結晶性において異なるものである。
LiNbO単結晶板3の厚みは、特に限定されるわけではないが、0.05λ以上程度の厚みを有し、通常0.15λ〜1.6λ程度の厚みとされる。厚みが0.05λよりも薄いと、薄板の作成が困難となることがある。厚みが1.6λより厚くなると、弾性表面波装置1の厚みが大きくなり、本来のLiNbO単結晶単独の特性に近くなり高音速が得にくくなる。
また、LiNbO単結晶薄膜は、配向性を良好なものにするのが困難であるため、圧電特性のよいものを得ることが難しい。図61に、厚みがともに0.5μmのLiNbO単結晶薄膜とLiNbO単結晶板の、X線回折(XRD)による結晶性の特性(2θ/ωスキャン)を測定した結果を示す。これより明らかなように、LiNbO単結晶板におけるXRDの強度は321000、半値幅0.05°である。一方、LiNbO単結晶薄膜のXRD強度は、約1/30の10000、半値幅は約17倍の0.85°であり、単結晶板にくらべて単結晶薄膜は配向性や結晶性が著しく悪いことがわかる。これは単結晶薄膜の圧電特性(電気機械結合係数)や機械的Qが、単結晶板に比べて著しく劣っていることを意味している。すなわち、LiNbO単結晶薄膜では、単結晶板並みの配向性や結晶性を得ることは困難であり、圧電特性のよいものを得られない。これに対し、LiNbO単結晶板では、配向性や結晶性のよい、圧電特性のよい弾性表面波装置を容易に得ることができる。
上記LiNbO単結晶板の結晶方位は、オイラー角で(0°,67°〜160°,−5°〜+5°)または(90°,51°〜133°,−5°〜+5°)の範囲とされている。結晶方位がこの範囲内であるため、後述のように、電気機械結合係数kを高めることができる。
上記高音速基板2にLiNbO単結晶板3を積層し接合する方法は特に限定されず、例えば、高音速基板2上にLiNbO単結晶を貼り合わせ、加熱により拡散接合する方法、あるいは金などの共晶結合などの適宜の方法を用いることができる。
上記LiNbO単結晶板3上に、電極4が形成されている。電極4は、Al、Pt、Cu、Au、Niなどの適宜の金属もしくは合金により形成することができる。
本実施形態の弾性表面波装置1の特徴は、上記高音速基板2を用いることにより弾性表面波の音速を高めることができること、並びに上記特定のオイラー角のLiNbO単結晶板3を用いることにより、高音速化と電気機械結合係数kの増大を図り得ることにある。
前述したように、従来のLiNbO薄膜を用いた弾性表面波装置では、電気機械結合係数kを高め得るオイラー角範囲が非常に狭いという問題があった。例えば、(012)サファイア上にエピタキシャルLiNbO薄膜を積層させた構造では、(100)すなわちオイラー角で(90°,90°,0°)のLiNbO膜を用いなければならなかった。
これに対して、本発明によれば、上記のように広いオイラー角範囲のLiNbO単結晶を用いることができ、従って、弾性表面波の音速の増大と、電気機械結合係数kの増大を容易に図ることができる。
なお、上記第1の実施形態に限らず、本発明においては、図1(b)、(c)に示す第2,第3の実施形態の弾性表面波装置11,21を用いてもよい。図1(b)に示す弾性表面波装置11では、LiNbO単結晶板3上にSiO膜5が電極4を覆うように形成されている。また、図1(c)に示す弾性表面波装置21では、高音速基板2とLiNbO単結晶板3との間にSiO膜5Aが形成されている。弾性表面波装置11,21のように、SiO膜5,5Aを用いることにより、周波数温度係数TCFの絶対値を小さくすることができ、温度変化による特性の安定化を図ることができる。
上記特定のオイラー角範囲のLiNbO単結晶板3を高音速基板上に積層した構造において、弾性表面波の音速の増大及び電気機械結合係数kの増大を図ることを、以下、具体的な実験例に基づき説明する。
なお、本発明において、利用する弾性表面波は、0次すなわちレイリー波ではなく、漏洩弾性表面波である。この漏洩弾性表面波としては、1次の弾性表面波に限らず、2次、または3次モードの弾性表面波であってもよく、より高次のモードの弾性表面波を用いることにより、音速をより一層高めることができる。
なお、以下においては、LiNbOを、場合によってはLNと略すこととする。
〔炭化珪素SiCからなる高音速基板を用いた構造例〕
図2は、オイラー角(0°,0°,0°)のSiC基板上に、オイラー角が(0°,0°,0°)のLN単結晶板を積層した構造のLN単結晶板の厚みと、弾性表面波の音速との関係を示す図であり、図3は該LN単結晶板の厚みと電気機械結合係数kとの関係を示す図である。
なお、弾性表面波の音速は、通常の弾性表面波装置では、4000m/秒程度である。図2から明らかなように、0次の弾性表面波、1次モードの弾性表面波、2次モードの弾性表面波、3次モードの弾性表面波のいずれにおいても、LN単結晶板3の厚みが0〜1.0λの範囲で厚くなるにつれて遅くなっていくことがわかる。
しかしながら、1次モード、2次モード、または3次モードの弾性表面波を利用した場合、LN単結晶板3の厚みが0〜1.0λの全範囲において、4500m/秒以上と高音速であることがわかる。例えば、1次モードの弾性表面波は、LN単結晶板3の厚みが0〜1.0λの範囲で、4500m/秒〜4750m/秒の範囲であり、弾性表面波の音速を充分に高め得ることがわかる。
また、2次モードの弾性表面波または3次モードの弾性表面波を用いた場合、1次モードの弾性表面波を用いた場合よりも、弾性表面波の音速をさらに高め得ることがわかる。
他方、図3に示すように、電気機械結合係数kについては、1次モードの弾性表面波を利用した場合、LN単結晶板を厚みが0.15λ〜1.0λの範囲で、0.04以上と比較的高いが、本願の他のオイラー角のLN単結晶板の1次モードに比べると小さいことがわかる。
もっとも、2次モードまたは3次モードを用いた場合には、同様に電気機械結合係数は0.02以下と比較的低い。
従って、図2及び図3の結果から、オイラー角(0°,0°,0°)のLN単結晶板の厚みを、0.15λ〜1.0λの範囲とした場合、1次モードの弾性表面波の音速を速められるが、電気機械結合係数kをそれほど高くし得ないことがわかる。
図4及び図5は、LN(90°,87°,0°)/SiC(0°,0°,0°)の構造を用いた場合のLN単結晶板の厚みと弾性表面波の音速及び電気機械結合係数との関係をそれぞれ示す図である。
図4から明らかなように、LNの結晶方位が(90°,87°,0°)とされている場合、LN単結晶板の厚みが0.05λ〜1.6λの範囲で、1次モードの弾性表面波の音速は、4400m/秒以上と速く、2次モードや3次モードを用いた場合、より一層弾性表面波の音速を高め得ることがわかる。
他方、図5から、1次モードの弾性表面波を用いた場合には、好ましくは、LN単結晶板の厚みを0.15λ〜1.6λの範囲とした場合、電気機械結合係数kを0.115以上と効果的に高め得ることがわかる。一方、LNの厚みを0.07λ〜0.12λとすることにより、電気機械結合係数kを0.05以上に高め、かつ6500m/秒以上の高音速が得られる。また、2次モードの弾性表面波を用いた場合には、0.27λ〜1.6λの厚みとすることにより、電気機械結合係数kを0.04以上に高め得ることがわかる。
よって、オイラー角(90°,87°,0°)のLN単結晶板3を用いた場合には、上記LN単結晶板3の厚みは、1次モードを利用する場合には、0.15λ〜1.6λの範囲とすることが好ましい。それによって、弾性表面波の音速を高めることができるだけでなく、電気機械結合係数kを効果的に高めることができる。音速を4560m/秒以上及び電気機械結合係数kを0.15以上とより高めるには、LN単結晶板の厚みは、より好ましくは、0.18λ〜0.9λの範囲とすればよい。
また、2次モードの弾性表面波を用いる場合には、上記のように、LN単結晶板の厚みを0.27λ〜1.6λの範囲とすることが好ましい。それによって、弾性表面波の音速を5050m/秒以上に高めかつ電気機械結合係数kを0.04以上と大きくすることができる。より好ましくは、厚みを0.38λ〜1.23λとすることにより、5250m/秒以上の高音速と0.07以上の大きい電気機械結合係数kを得ることができる。
3次モードを用いる場合には、LN単結晶の厚み0.4λ〜1.6λの間で5100m/秒以上の音速と0.025以上の電気機械結合係数kが得られ、LN単結晶の厚み0.4λ〜0.53λ及び1.18λ〜1.6λの間で0.04以上の電気機械結合係数kが得られる。
図6及び図7は、LN(90°,87°,0°)/R面サファイア(0°,122°23′,0°)、サファイア(0°,90°,0°)、サファイア(90°,90°,0°)の構造を用いた場合のLN単結晶板の厚みと弾性表面波の音速及び電気機械結合係数との関係をそれぞれ示す図である。
図6から明らかなように、LNの結晶方位が(90°,87°,0°)とされている場合、LN単結晶板の厚みが0〜1.6λの範囲で、1次モードの弾性表面波の音速は、4450m/秒以上と速く、弾性表面波の音速を高め得ることがわかる。
他方、図7から、1次モードの弾性表面波を用いた場合には、LN単結晶板の厚みを0.15λ〜1.6λの範囲とした場合、電気機械結合係数kを0.1以上と高め得ることがわかる。
よって、オイラー角(90°,87°,0°)のLN単結晶板3を用いた場合には、上記LN単結晶板3の厚みは、1次モードを利用する場合には、0.15λ〜1.6λの範囲とすることが好ましい。それによって、弾性表面波の音速を高めることができるだけでなく、電気機械結合係数kを効果的に高めることができる。音速を4560m/秒以上及び電気機械結合係数kを0.15以上とより高めるには、LN単結晶板の厚みは、より好ましくは、0.2λ〜0.8λの範囲とすればよい。
図8及び図9は、LN(0°,90°,0°)/SiC(0°,0°,0°)の構造を用いた場合のLN単結晶板の厚みと弾性表面波の音速及び電気機械結合係数との関係をそれぞれ示す図である。
図8から明らかなように、LNの結晶方位が(0°,90°,0°)とされている場合、LN単結晶板の厚みが0〜1.4λの範囲で、1次モードの弾性表面波の音速は、4350m/秒以上と速く、2次モードや3次モードを用いた場合、よりいっそう弾性表面波の音速を高め得ることがわかる。
他方、図9から、1次モードの弾性表面波を用いた場合には、LN単結晶板の厚みを0.15λ〜1.4λの範囲とした場合、電気機械結合係数kを0.15以上と高め得ることがわかる。また、2次モードの弾性表面波を用いた場合には、0.3λ〜1.6λの厚みとすることにより、電気機械結合係数kを0.02以上に高め得ることがわかる。
よって、オイラー角(0°,90°,0°)のLN単結晶板3を用いた場合には、上記LN単結晶板3の厚みは、1次モードを利用する場合には、0.15λ〜1.6λの範囲とすることが好ましい。それによって、弾性表面波の音速を高めることができるだけでなく、電気機械結合係数kを効果的に高めることができる。電気機械結合係数kをより高めるには、LN単結晶板の厚みは、より好ましくは、0.2λ〜1.0λの範囲とすれば0.2以上の電気機械結合係数kが得られる。
また、2次モードの弾性表面波を用いる場合には、上記のように、LN単結晶板の厚みを0.2λ〜1.6λの範囲とすることにより、弾性表面波の音速を高めかつ電気機械結合係数kを大きくすることができる。また、LN単結晶板の厚みを0.37λ〜0.43λ及び0.93λ〜1.6λとすることにより、0.025以上の電気機械結合係数kが得られる。
3次モードに関しては、LN単結晶板の厚み0.4λ〜1.6λとすることにより5100m/秒以上の音速と0.025以上の電気機械結合係数kが得られ、LN単結晶の厚み0.4λ〜1.15λとすることにより5400m/秒以上の音速と0.05以上の電気機械結合係数kが得られる。
図10及び図11は、LN(0°,110°,0°)/SiC(0°,0°,0°)の構造を用いた場合のLN単結晶板の厚みと弾性表面波の音速及び電気機械結合係数との関係をそれぞれ示す図である。
図10から明らかなように、LNの結晶方位が(0°,110°,0°)とされている場合、LN単結晶板の厚みが0〜1.6λの範囲で、1次モードの弾性表面波の音速は、4750m/秒以上と速く、2次モードや3次モードを用いた場合、より一層弾性表面波の音速を高め得ることがわかる。
他方、図11から、1次モードの弾性表面波を用いた場合には、LN単結晶板の厚みを0.14λ〜1.6λの範囲とした場合、電気機械結合係数kを0.15以上と高め得ることがわかる。また、2次モードの弾性表面波を用いた場合には、0.2λ〜0.62λ及び0.97λ〜1.6λの厚みとすることにより、電気機械結合係数kを0.02以上に高め得ることがわかる。さらに、LN単結晶板の厚み0.2λ〜0.55λ及び1.05λ〜1.6λとすることにより0.025以上の電気機械結合係数kが得られる。
よって、オイラー角(0°,110°,0°)のLN単結晶板3を用いた場合には、上記LN単結晶板3の厚みは、1次モードを利用する場合には、0.14λ〜1.6λの範囲とすることが好ましい。それによって、弾性表面波の音速を高めることができるだけでなく、電気機械結合係数kを効果的に高めることができる。電気機械結合係数kをより高めるには、LN単結晶板の厚みは、より好ましくは、0.18λ〜1.17λの範囲とすれば、0.2以上の電気機械結合係数が得られる。
また、2次モードの弾性表面波を用いる場合には、上記のように、LN単結晶板の厚みを0.2λ〜0.62λ及び0.97λ〜1.6λの範囲とすることにより、弾性表面波の音速を高めかつ電気機械結合係数kを大きくすることができる。
3次モードの弾性表面波を用いる場合には、LN単結晶板の厚み0.35λ〜1.6λとすることにより5300m/秒以上の高音速と0.03以上の電気機械結合係数kが得られ、LN単結晶板の厚み0.42λ〜1.42λとすることにより0.05以上の電気機械結合係数kが得られる。
〔LN単結晶板/R面サファイア(0°,122°23′,0°)〕
図12及び図13は、LN(0°,110°,0°)/R面サファイア(0°,122°23′,0°)の構造を用いた場合のLN単結晶板の厚みと弾性表面波の音速及び電気機械結合係数との関係をそれぞれ示す図である。
図12から明らかなように、LNの結晶方位が(0°,110°,0°)とされている場合、LN単結晶板の厚みが0.05λ〜1.0λの範囲で、1次モードの弾性表面波の音速は、4400m/秒以上と速く、2次モードや3次モードを用いた場合、より一層弾性表面波の音速を高め得ることがわかる。
他方、図13から、1次モードの弾性表面波を用いた場合には、LN単結晶板の厚みを0.11λ〜1.6λの範囲とした場合、電気機械結合係数kを0.125以上と高め得ることがわかる。また、2次モードの弾性表面波を用いた場合には、0.12λ〜1.6λの厚みとすることにより、電気機械結合係数kを0.025以上に高め得ることがわかる。
よって、オイラー角(0°,110°,0°)のLN単結晶板3を用いた場合には、上記LN単結晶板3の厚みは、1次モードを利用する場合には、0.11λ〜1.6λの範囲とすることが好ましい。それによって、弾性表面波の音速を高めることができるだけでなく、電気機械結合係数kを効果的に高めることができる。電気機械結合係数kを0.2以上とより高めるには、LN単結晶板の厚みは、より好ましくは、0.17λ〜1.02λの範囲とすればよい。
また、2次モードの弾性表面波を用いる場合には、上記のように、LN単結晶板の厚みを0.2λ〜1.6λの範囲とすることにより、弾性表面波の音速を高めかつ電気機械結合係数kを大きくすることができる。また、LN単結晶板の厚み0.2λ〜0.42λ及び0.95λ〜1.6λとすることにより0.03以上の電気機械結合係数kが得られる。
3次モードの弾性表面波を用いる場合には、LN単結晶板の厚み0.4λ〜1.6λとすることにより5100m/秒以上の高音速と0.025以上の電気機械結合係数kが得られる。また、LN単結晶板の厚み0.6λ〜1.55λとすることにより0.03以上の電気機械結合係数kが得られる。
上記図5,図7,図9,図11及び図13のいずれにおいても、LiNbO単結晶板3の厚みを0.14λ〜1.6λの範囲とすることにより、電気機械結合係数kを0.02以上と大きくすることができ、特に図5,図7,図9,図11及び図13では、1次モードの電気機械結合係数kを0.115以上とよりいっそう大きくすることができる。
〔LN(0°,110°,0°)/サファイア(0°,90°,0°)〕
図50は、図1(a)に示した第1の実施形態の構造において、高音速基板2がオイラー角(0°,90°,0°)のサファイアからなり、LN単結晶板3のオイラー角が(0°,110°,0°)である構造における0次モード、1次モード、2次モード及び3次モードの各弾性表面波の音速と、LN単結晶板との厚みとの関係を示す図であり、図51はLN単結晶板の厚みと電気機械結合係数kとの関係を示す図である。
図50から明らかなように、LN単結晶板の厚みが1.6λ以下の全範囲において、1次モードの弾性表面波の音速は4400m/秒以上と高いことがわかる。また、2次モード及び3次モードの弾性表面波では、弾性表面波の音速を、LNの厚みが、それぞれ、0.4λ〜1.6λ及び0.5λ〜1.6λの範囲で、より一層速め得ることがわかる。
図51から明らかなように、1次モードの弾性表面波を利用した場合、LN単結晶板の厚みが0.27λ〜0.6λの範囲が好ましい。それによって、電気機械結合係数kを0.25以上と高くし得ることがわかる。
また、2次モードの弾性表面波を利用した場合には、LN単結晶板の厚みを0.4λ〜1.6λとすることにより、電気機械結合係数kを0.02以上とすることができ、3次モードの弾性表面波を利用した場合には、LN単結晶板の厚みを0.6λ〜1.6λとすることにより、電気機械結合係数kを0.02以上とすることができる。
〔LN(0°,110°,0°)/サファイア(90°,90°,0°)〕
図54は、図1(a)に示した実施形態の弾性表面波装置において、高音速基板2としてオイラー角が(90°,90°,0°)のサファイアを用い、LN単結晶板3のオイラー角が(0°,110°,0°)である構造の、LN単結晶板の厚みと、0次モード、1次モード、2次モード及び3次モードの弾性表面波の音速との関係を示す図であり、図55はLN単結晶板3の厚みと電気機械結合係数kとの関係を示す図である。
図54から明らかなように、この構造においては、LN単結晶板の厚みを1.6λ以下の全範囲において、1次モードの弾性表面波を利用した場合、音速は4350m/秒以上と高いことがわかる。また、2次モード弾性表面波及び3次モード弾性表面波を利用した場合、それぞれ、LN単結晶板の厚みが、0.4λ〜1.6λ及び0.6λ〜1.6λの全範囲で、弾性表面波の音速が、それぞれ、5000m/秒以上及び5250m/秒以上とさらに高くなることがわかる。
他方、図55に示すように、電気機械結合係数kは、1次モード弾性表面波を利用した場合、LN単結晶板の厚みは0.05λ〜0.1λでは電気機械結合係数kは0.05〜0.1の範囲であるが、音速が5700m/秒と高い利点がある。またLN単結晶板の厚みが0.1λ〜1.6λの範囲で、電気機械結合係数kは0.1以上と高く、2次モードの弾性表面波の場合には、LN単結晶板の厚みが0.4λ〜1.6λの範囲で、電気機械結合係数kは0.015以上となり、3次モード弾性表面波を利用した場合には、LN単結晶板の厚みが0.6λ〜1.6λの範囲で、0.05以上とし得ることがわかる。
図14及び図15は、LN(0°,110°,0°)/Si(135°,90°,90°)の構造を用いた場合のLN単結晶板の厚みと弾性表面波の音速及び電気機械結合係数との関係をそれぞれ示す図である。なお、図14及び図15において、比較のために、Si(135°,90°,90°)に代えて水晶を用いた場合の結果をあわせて示す。
15から明らかなように、LNの結晶方位が(0°,110°,0°)とされている場合、LN単結晶板の厚みが0.05λ〜1.0λの範囲で、1次モードの弾性表面波の音速は、4500m/秒以上と速く、弾性表面波の音速を高め得ることがわかる。
他方、図14から、1次モードの弾性表面波を用いたとき、Si(135°,90°,90°)上にLN単結晶板を設けた構造の場合、LN単結晶板の厚みを0.08λ〜1.0λの範囲とした場合、電気機械結合係数kを0.14以上と高め得ることがわかる。
〔オイラー角θ依存性〕
図16及び図17は、LN(0°,θ,0°)/SiC(0°,0°,0°)の構造におけるオイラー角(0°,θ,0°)のθと、弾性表面波の音速及び電気機械結合係数kとの関係を示す図である。なお、図16及び図17において、LN単結晶板3の厚みは0.3λとした。後述の図18〜図27においても、LN単結晶板の厚みは0.3λとした。
図16から明らかなように、LN単結晶板3のオイラー角のθが70°〜160°の範囲内において、1次モードの弾性表面波の音速が5100m/秒以上と高いことがわかる。
他方、図17から明らかなように、1次モードの弾性表面波の電気機械結合係数kは、LN単結晶板3のオイラー角θが70°〜160°の範囲では、電気機械結合係数kは0.18以上と大きくなり、より好ましくは、80°〜135°の範囲では、電気機械結合係数kが0.225以上と大きくなる。また、さらに好ましくは、92°〜115°では電気機械結合係数kは0.27より大きくなる。
また、2次モードの弾性表面波を利用した場合においても、オイラー角のθが94°〜170°の範囲内では、電気機械結合係数kを0.025以上と高くし得ることがわかる。
図18及び図19は、LN(0°,θ,0°)/R面サファイア(0°,122°23′,0°)の構造におけるオイラー角(0°,θ,0°)のθと、弾性表面波の音速及び電気機械結合係数kとの関係を示す図である。
図18から明らかなように、LN単結晶板3のオイラー角のθが70°〜160°の範囲内において、1次モードの弾性表面波の音速が5050m/秒以上と高いことがわかる。
他方、図19から明らかなように、LN単結晶板3のオイラー角θが67°〜147°の範囲が好ましい。この場合、1次モードの弾性表面波の電気機械結合係数kは、0.15以上と大きい。より好ましくは、θが80°〜133°の範囲では、電気機械結合係数kが0.2以上と大きくなる。また、さらに好ましくは、93°〜122°では0.24以上の電気機械結合係数kが得られる。
図20及び図21は、LN(0°,θ,0°)/アルミナAlの構造におけるオイラー角(0°,θ,0°)のθと、弾性表面波の音速及び電気機械結合係数kとの関係を示す図である。
図20から明らかなように、LN単結晶板3のオイラー角のθが70°〜160°の範囲内において、1次モードの弾性表面波の音速が4900m/秒以上と高いことがわかる。
他方、図21から明らかなように、LN単結晶板3のオイラー角θが70°〜160°の範囲が好ましい。この場合には、1次モードの弾性表面波の電気機械結合係数kは、0.11以上と大きい。より好ましくは、θは80°〜138°の範囲であり、電気機械結合係数kが0.18以上と大きくなることがわかる。さらに好ましくは、θが92°〜132°の範囲では0.2以上の電気機械結合係数kが得られる。
図22及び図23は、LN(0°,θ,0°)/窒化アルミニウムの構造におけるオイラー角(0°,θ,0°)のθと、弾性表面波の音速及び電気機械結合係数kとの関係を示す図である。
図22から明らかなように、LN単結晶板3のオイラー角のθが70°〜160°の範囲内において、1次モードの弾性表面波の音速が4800m/秒以上と高く、好ましい。
他方、図23から明らかなように、LN単結晶板3のオイラー角θが70°〜150°の範囲が好ましく、1次モードの弾性表面波の電気機械結合係数kが0.13以上と大きくなることがわかる。より好ましくは、80°〜140°では0.175以上の電気機械結合係数kが得られ、さらに好ましくは、93°〜130°では0.22以上の電気機械結合係数kが得られる。
図24及び図25は、LN(0°,θ,0°)/窒化シリコンの構造におけるオイラー角(0°,θ,0°)のθと、弾性表面波の音速及び電気機械結合係数kとの関係を示す図である。
図24から明らかなように、LN単結晶板3のオイラー角のθが70°〜160°の範囲内において、1次モードの弾性表面波の音速が4700m/秒以上と高いことがわかる。
他方、図25から明らかなように、1次モードの弾性表面波では、LN単結晶板3のオイラー角θが70°〜153°の範囲が好ましい。その場合には、電気機械結合係数kが0.12以上となる。より好ましくはθが80°〜140°の範囲では、電気機械結合係数kが0.17以上と大きくなる。またさらに好ましくは、93°〜126°の範囲では0.22以上の電気機械結合係数kが得られる。
図26及び図27は、LN(0°,θ,0°)/Si(135°,90°,90°)の構造及びLN(0°,θ,0°)/Si(多結晶)におけるオイラー角(0°,θ,0°)のθと、弾性表面波の音速及び電気機械結合係数kとの関係を示す図である。
LN(0°,θ,0°)/Si(135°,90°,90°)の構造の場合、図26から明らかなように、LN単結晶板3のオイラー角のθが70°〜160°の範囲内において、1次モードの弾性表面波の音速が4650m/秒以上と高いことがわかる。
また、LN(0°,θ,0°)/Si(135°,90°,90°)の構造の場合、他方、図27から明らかなように、1次モードの弾性表面波では、LN単結晶板3のオイラー角θが75°〜152°の範囲が好ましく、電気機械結合係数kが0.15以上と大きくなる。また、さらに好ましくは、92°〜127°では0.22以上の電気機械結合係数kが得られる。
LN(0°,θ,0°)/Si(多結晶)の構造の場合、図26から明らかなように、LN単結晶板3のオイラー角のθが70°〜160°の範囲内において、1次モードの弾性表面波の音速が4800m/秒以上と高いことがわかる。
また、LN(0°,θ,0°)/Si(多結晶)の構造の場合、他方、図27から明らかなように、1次モードの弾性表面波では、LN単結晶板3のオイラー角θが75°〜148°の範囲が好ましく、電気機械結合係数kが0.15以上と大きくなる。また、さらに好ましくは、95°〜122°では0.22以上の電気機械結合係数kが得られる。
図16〜図27においてLN単結晶板の最適なオイラー角は高音速基板の種類によらずほぼ同じである。2次及び3次モードについてはR面サファイア基板を代表としてLN厚み0.8λのときの音速と電気機械結合係数kのオイラー角依存性を図56、図57に示す。図56より2次、3次共にその音速はオイラー角のθが70°〜160°で4950m/秒以上の高音速が得られる。図57より、2次モードについては、θが50°〜120°の範囲で0.02以上の電気機械結合係数kが得られ、65°〜113°で0.025以上の電気機械結合係数kが得られ、82°〜88°で0.03以上の電気機械結合係数kが得られる。一方、3次モードの弾性表面波では、θが50°〜53°及び83°〜140°で0.02以上の電気機械結合係数kが得られ、87°〜123°で0.025以上の電気機械結合係数kが得られ、93°〜113°で0.03以上の電気機械結合係数kが得られる。
〔SiO/LN(0°,110°,0°)/R面サファイア(0°,122°23′,0°)の構造〕
図28及び図29は、図1(b)に示したSiO膜5を有する第2の実施形態に係る弾性表面波装置11において、高音速基板2がR面サファイア(0°,122°23′,0°)からなり、LN単結晶板3のオイラー角が(0°,110°,0°)である場合のSiO膜の厚みと、弾性表面波の音速及び電気機械結合係数との関係をそれぞれ示す図である。なお、LN単結晶板3の厚みは0.3λである。
図28及び図29から明らかなように、SiO膜を積層した構造においても、1次モードの弾性表面波、2次モードの弾性表面波及び3次モードの弾性表面波のいずれにおいても、弾性表面波の音速は、SiO膜の厚みが0.03λ〜0.4λの範囲で、4250m/秒以上と速いことがわかる。なお、図28から明らかなように、SiO膜の厚みが薄い程弾性表面波の音速は速くなる。従って、SiO膜の厚みが0.4λ以下の全範囲において、弾性表面波の音速を高め得ることがわかる。
図29から明らかなように、1次モードの弾性表面波の電気機械結合係数kは、SiO膜の厚みが0.03λ〜0.3λの範囲で0.1以上と高いことがわかる。
他方、2次モードの弾性表面波では、LN単結晶の厚み0.3λが2次モードの励振が始まる膜厚であるため、SiO膜の膜厚が0.25λ〜0.4λの範囲でのみ励振されて、電気機械結合係数kが0.05以上であることがわかる。
さらに、3次モードの弾性表面波を用いた場合には、SiO膜の厚みが0.3 λ〜0.4λの範囲でのみ励振されて、0.075以上と、2次モードの弾性表面波を利用した場合よりも電気機械結合係数kを高め得ることがわかる。
〔SiO/LN(0°,110°,0°)/サファイア(0°,122°23′,0°)構造における周波数温度係数TCFとSiO膜の厚み〕
図30及び図31は、SiO/LN単結晶板(0°,110°,0°)/R面サファイア(0°,122°23′,0°)構造におけるSiO膜の厚みと電極が形成されていないフリーの状態の周波数温度係数TCF及び電極が形成されているメタライズド表面を有する構造におけるTCF(メタライズ)との関係を示す図である。
図30から明らかなように、SiO膜の厚みが厚くなるにつれて、1次モード、2次モード及び3次モードの弾性表面波において、TCF(フリー)が厚みが増加するにつれて高くなっていくことがわかる。また、図31から明らかなように、電極を形成した場合のTCF(メタライズ)の値も、SiO膜の厚みが1次モード及び2次モードの場合には厚くなるにつれて高くなっていくことがわかる。なお、3次モードの弾性表面波の場合には、SiO膜の厚みが0.3λ〜0.4λの範囲で、厚みが増加するにつれて、TCF(メタライズ)は小さくなる傾向のあることがわかる。
いずれにしても、図30及び図31より、1次モードの弾性表面波を利用した場合は、SiOの厚みをフリーでは0.12λ〜0.3λ、メタライズでは0.18λ〜0.38λにすることにより、TCF(フリー)及びTCF(メタライズ)は共に−30〜+30ppm/℃となる。またSiO膜の厚みを、フリーでは0.15λ〜0.28λ、メタライズでは0.21λ〜0.33λとすることにより、TCF(フリー)及びTCF(メタライズ)を共に−20〜+20ppm/℃の範囲とすることができ、周波数温度係数TCFの絶対値を小さくし得ることがわかる。また、2次モードの弾性表面波を利用した場合には、SiO膜の膜厚を、0.25λ〜0.4λの範囲とすることにより、周波数温度係数TCF(フリー)及びTCF(メタライズ)を−20ppm/℃〜+10ppm/℃とし得ることができる。
同様に、3次モードの弾性表面波を利用した場合には、SiO膜の膜厚を、0.3λ〜0.4λの範囲とすることにより、周波数温度係数TCF(フリー)及びTCF(メタライズ)を、それぞれ、−18ppm/℃〜−8ppm/℃及び−5ppm/℃〜+5ppm/℃の範囲度し得ることがわかる。
よって、SiO膜の厚みを上記範囲とすることにより、周波数温度係数TCFの絶対値を小さくし得ることがわかる。
なお、フリーの音速は弾性表面波共振子の反共振周波数に対応し、またメタライズの音速は共振周波数に対応する。
〔LN(0°,110°,0°)/SiO/サファイア(0°122°23′,0°)〕
図32は、図1(c)に示した弾性表面波装置21における、SiO膜5Aの厚みと弾性表面波の音速との関係を示す図である。ここでは、LN単結晶板3の厚みは0.15λとし、高音速基板2はR面サファイア(0°,122°23′,0°)からなる。
図32から明らかなように、1次モードの弾性表面波の音速は、SiO膜の厚みが1.6λ以下の全範囲において、3900m/秒以上と高いことがわかる。2次モードの弾性表面波では、1.6λ以下の全範囲において、4250m/秒以上と高いことがわかる。
従って、この構造においては、SiO膜を積層したとしても弾性表面波の音速を効果的に高め得ることがわかる。
図33は、図32と同様の構造において、ただしLN単結晶板3の厚みを0.3λとした場合のSiO膜の厚みと弾性表面波の音速との関係を示す図である。LN単結晶板3の厚みを0.3λと増加させた場合においても、SiO膜の厚みが1.6λ以下の全範囲において、1次モードの弾性表面波の音速は3950m/秒以上と高いことがわかる。また、2次モード及び3次モードの弾性表面波では、SiO膜の厚みが1.6λ以下の全範囲において、より一層高い音速が得られることがわかる。
他方、図34〜図36は、上記構造において、LN単結晶板3の厚みと、SiO膜の厚みと、電気機械結合係数kとの関係を示す図であり、図34は1次モードの弾性表面波についての結果を示し、図35は2次モードの弾性表面波についての結果を示し、図36は3次モードの弾性表面波についての結果を示す。
図34から明らかなように、LN単結晶板3の厚みが、0.15λ、0.2λ、0.3λ、0.4λ、0.5λまたは0.6λのいずれにおいても、SiO膜の厚みが、0.15λを超えていくと、SiO膜の厚みが増加するにつれて、電気機械結合係数kが小さくなっていくことがわかる。もっとも、LN単結晶板3の厚みが0.15λ、0.2λ、0.3λ、0.4λ、0.5λ及び0.6λのいずれにおいても、SiO膜の厚みを0.65λ以下とすることにより、電気機械結合係数kを0.1以上と大きくし得ることがわかる。
また、LN単結晶板3の厚みが0.2λ以下の場合には、SiO膜の厚みを1.4λ以下とすることにより、電気機械結合係数kを0.07以上とすることができ、より好ましくはSiO厚み0.05λ〜1.4λの場合電気機械結合係数kは0.08以上となり、さらに好ましくは0.25λ〜1.0λの場合、電気機械結合係数kを0.13以上とすることができる。
また、図35から明らかなように、2次モードの弾性表面波を利用した場合には、LN単結晶板3の厚みを0.5λとした場合、SiO膜の厚みが、0.35λ〜0.8λの範囲では、電気機械結合係数kを0.025以上と高くし得ることがわかる。
また、図36から明らかなように、3次モードの弾性表面波を利用した場合には、LN単結晶板3の厚みが0.15λ、0.2λ、0.3λ、0.4λ、0.5λ及び0.6λのいずれの場合においても、SiO膜の厚みを0.1λ〜1.6λの範囲とすることにより、電気機械結合係数kを0.02以上と高め得ることがわかる。SiO厚み0.2λ〜1.6λにおいては0.05以上の電気機械結合係数kが得られる。
従って、3次モードの弾性表面波を用いる場合、この構造では、LN単結晶板3の厚みを0.15λ〜0.6λの範囲としたときに、SiO膜の厚みを0.1λ〜1.6λとすれば、弾性表面波の音速の向上及び電気機械結合係数kの増大を図り得ることがわかる。
図37及び図38は、上記構造において、SiO膜の厚みを0.5λ、0.8λまたは1.1λとした場合のLN単結晶板の厚みと、1次モードと2次モードの弾性表面波の電気機械結合係数kとの関係をそれぞれ示す図である。
図37から明らかなように、SiO膜の厚みが0.5λ、0.8λまたは1.1λのいずれにおいても、LN単結晶板3の厚みが0.04λ〜0.6λの範囲で0.02以上の電気機械結合係数が得られる。もっともSiOの厚みを0.8λ以下にすることにより、0.06以上の電気機械結合係数kが得られる。
図38は、SiO膜の膜厚が0.5λ、0.8λまたは1.1λの場合のLN単結晶板の厚みと、2次モードの弾性表面波の電気機械結合係数kとの関係を示す図である。図38から明らかなように、SiO膜の厚みが0.5λ、0.8λ及び1.1λのいずれにおいても、LN単結晶板3の厚みが0.04λ〜0.6λの範囲で大きな電気機械結合係数を得ることができる。特に、SiO膜の厚みが0.8λ及び1.1λの場合、LN単結晶板の厚みを0.1λ以上0.6λ以下とすることにより、電気機械結合係数kを0.1以上とすることができる。
図39は、LN(0°、110°,0°)/SiO/R面サファイア(0°,122°23′,0°)の構造において、LN単結晶板の厚みを0.15λとした場合の1次モード及び2次モードの弾性表面波を利用した場合のSiO膜の厚みと、周波数温度係数TCFとの関係を示す図である。
図39から明らかなように、1次モードの弾性表面波を用いる場合、SiO膜の厚みを0.07λ〜0.72λの範囲とすることにより、TCF(フリー)を−30ppm/℃〜+30ppm/℃の範囲、SiOの厚みを0.25λ〜1.4λとすることにより、TCF(メタライズ)を−30ppm/℃〜+30ppm/℃の範囲とすることができる。
同様に、2次モードの弾性表面波では、SiO膜の膜厚を、0.6λ〜1.4λとすることにより、TCF(フリー)を+20ppm/℃〜+33ppm/℃、TCF(メタライズ)を+33ppm/℃〜+43ppm/℃とすることができる。
他方、図40は、LN(0°,110°,0°)/SiO/R面サファイア(0°,122°23′,0°)の構造において、LN単結晶板3の厚みを0.3λとしたときの、1次モード、2次モード及び3次モードの弾性表面波のSiO膜の膜厚と、TCF(フリー)との関係を示し、図41はSiO膜の膜厚と、TCF(メタライズ)との関係を示す図である。
図40及び図41から明らかなように、1次モードの弾性表面波を利用した場合には、好ましくは、SiO膜の厚みを0.27λ〜0.7λの範囲とすることにより、TCF(フリー)を−30ppm/℃〜+30ppm/℃とすることができ、より好ましくは、SiOの厚みを0.67λ〜1.6λにすることによりTCF(メタライズ)を+30ppm/℃〜−30ppm/℃とすることができる。さらに0.37λ〜0.65λ及び0.85λ〜1.47λとすることにより、それぞれTCF(フリー)とTCF(メタライズ)を−20〜+20ppm/℃とすることができる。
同様に、2次モードの弾性表面波については、好ましくは、SiO膜の厚みを、0.3λ〜0.7λとすることにより、TCF(フリー)を−30ppm/℃〜+30ppm/℃の範囲とすることができ、TCF(メタライズ)を−33ppm/℃〜+33ppm/℃とすることができる。より好ましくは、SiO厚み0.38λ〜0.6λにすることによりTCF(フリー)を−20〜+7ppm/℃、TCF(メタライズ)を20ppm/℃〜+20ppm/℃にすることができる。
同様に、3次モードの弾性表面波については、SiO膜の厚みを、好ましくは、0.4λ〜1.35λとすることにより、TCF(フリー)を+30ppm/℃〜0ppm/℃の範囲とすることができ、TCF(メタライズ)を+12ppm/℃〜+25ppm/℃とすることができる。さらに好ましくは、SiO厚み0.4λ〜1.17λにすることによりTCF(フリー)を+20〜0ppm/℃にすることができる。
〔高音速基板がオイラー角(90°,90°,45°)のSi基板である構造〕
図42は、図1(c)に示した第3の実施形態の弾性表面波装置21において、高音速基板2がSi(90°,90°,45°)からなり、LN単結晶板のオイラー角が(0°,110°,0°)である構造において、LN単結晶板の厚みを0.1λ、0.2λ、0.3λ、0.4λまたは0.5λとしたときのフリーの構造と、メタライズされた構造における、SiO膜の厚みと、1次モードの弾性表面波の音速との関係を示す図である。
図42から明らかなように、LN単結晶板の厚みが0.1λ、0.2λ、0.3λ、0.4λまたは0.5λのいずれの場合においても、SiO膜の厚みを0.05λ〜1.4λとすることにより、弾性表面波の音速(フリー)を、3900m/秒以上と高音速化し得ることがわかる。
図43は、図1(c)に示した第3の実施形態の弾性表面波装置21において、高音速基板2がSi(90°,90°,45°)からなり、LN単結晶板のオイラー角が(0°,110°,0°)である構造において、LN単結晶板の厚みを0.1λ、0.2λ、0.3λ、0.4λまたは0.5λとしたときのフリーの構造と、メタライズされた構造における、SiO膜の厚みと、2次モードの弾性表面波の音速との関係を示す図である。
図43から明らかなように、LN単結晶板の厚みが0.1λ、0.2λ、0.3λ、0.4λまたは0.5λのいずれの場合においても、SiO膜の厚みを0.7λ〜1.4λとすることにより、弾性表面波の音速(フリー)を、4230m/秒以上と高音速化し得ることがわかる。
図44は、この構造において、1次モードの弾性表面波及び2次モードの弾性表面波を用いた場合のSiO膜の厚みと、電気機械結合係数kとの関係を示す図である。
図44から明らかなように、1次モードの弾性表面波を用いる場合、LN単結晶板の厚みを0.1λ、0.2λ、0.3λ、0.4λまたは0.5λとしたときに、SiO膜の厚みを0.05λ〜1.1λとすることにより、0.02以上の電気機械結合係数を得ることができる。2次モードの弾性表面波を用いる場合、LN単結晶板の厚みを0.1λ、0.2λ、0.3λ、0.4λまたは0.5λとしたときに、SiO膜の厚みを0.7λ〜1.4λとすることにより、0.06以上の電気機械結合係数を得ることができる。
図45は、この構造において、LN単結晶板の厚みが0.1λ、0.2λ、0.3λ、0.4λまたは0.5λとしたときの、1次モードの弾性表面波の周波数温度係数TCFと、SiO膜の厚みとの関係を示す図である。
図45から明らかなように、SiO膜の厚みを0.05λ〜0.65λの範囲とすることにより、LN単結晶板の厚みが0.1λ、0.2λ、0.3λ、0.4λ及び0.5λのいずれにおいても、TCF(フリー)を、−27ppm/℃〜+30ppm/℃とすることができ、SiOの厚み0.33λ〜1.4λにおいてTCF(メタライズ)を、−30ppm/℃〜+30ppm/℃の範囲とすることができる。TCFを−20〜+20ppm/℃の範囲にするためにはフリーのときのSiOの厚みは0.1λ〜0.4λ、メタライズのときは0.1λ〜1.4λである。
図46は、この構造において、LN単結晶板の厚みが0.1λ、0.2λ、0.3λ、0.4λまたは0.5λとしたときの、2次モードの弾性表面波の周波数温度係数TCFと、SiO膜の厚みとの関係を示す図である。
図46から明らかなように、SiO膜の厚みを0.6λ〜1.3λの範囲とすることにより、LN単結晶板の厚みが0.1λ、0.2λ、0.3λ、0.4λ及び0.5λのいずれにおいても、TCF(フリー)を、−30ppm/℃〜+30ppm/℃とすることができ、TCF(メタライズ)を、−33ppm/℃〜+48ppm/℃の範囲とすることができる。
〔LN(0°,110°,0°)/SiO/Si(135°,90°,90°)〕
図47は、図1(c)に示した第3の実施形態の構造において、高音速基板2がSi(135°,90°,90°)からなり、LN単結晶板のオイラー角が(0°,110°,0°)である構造において、LN単結晶板の厚みを0.1λ、0.2λ、0.3λ、0.4λまたは0.5λとしたときのフリーの構造と、メタライズされた構造における、SiO膜の厚みと、1次モードの弾性表面波の音速との関係を示す図である。
図47から明らかなように、LN単結晶板の厚みが0.1λ、0.2λ、0.3λ、0.4λまたは0.5λのいずれの場合においても、SiO膜の厚みを0.05λ〜1.4λとしても、弾性表面波の音速(フリー)の低下は少なく、3930m/秒以上である。
図48は、この構造において、1次モードの弾性表面波を用いた場合のSiO膜の厚みと、電気機械結合係数kとの関係を示す図である。
図48から明らかなように、1次モードの弾性表面波を用いる場合、LN単結晶板の厚みを0.1λ、0.2λ、0.3λ、0.4λまたは0.5λとしたときに、SiO膜の厚みを0.05λ〜0.83λとすることにより、0.05以上の電気機械結合係数が得られる。
図49は、この構造において、LN単結晶板の厚みが0.1λ、0.2λ、0.3λ、0.4λまたは0.5λとしたときの、1次モードの弾性表面波の周波数温度係数TCFと、SiO膜の厚みとの関係を示す図である。
図49から明らかなように、好ましくは、SiO膜の厚みを0.05λ〜0.65λの範囲とすることにより、LN単結晶板の厚みが0.1λ、0.2λ、0.3λ、0.4λ及び0.5λのいずれにおいても、TCF(フリー)を、−30ppm/℃〜+30ppm/℃とすることができ、SiO厚み0.33λ〜1.4λにおいてTCF(メタライズ)を、−30ppm/℃〜+30ppm/℃の範囲とすることができる。さらにTCFを−20〜+20ppm/℃の範囲にするためにはフリーのときのSiOの厚みは0.07λ〜0.6λ、メタライズのときは0.22λ〜1.4λである。
〔LN(0°,110°,0°)/SiO/多結晶Si〕
図58は、図1(c)に示した第3の実施形態の構造において、高音速基板2が多結晶Siからなり、LN単結晶板のオイラー角が(0°,110°,0°)である構造において、LN単結晶板の厚みを0.1λ、0.2λ、0.3λ、0.4λまたは0.5λとしたときのフリーの構造と、メタライズされた構造における、SiO膜の厚みと、1次モードの弾性表面波の音速との関係を示す図である。
図58から明らかなように、LN単結晶板の厚みが0.1λ、0.2λ、0.3λ、0.4λまたは0.5λのいずれの場合においても、SiO膜の厚みを0.05λ〜1.4λとしても、弾性表面波(フリー時)の音速の低下は少なく、3940m/秒以上である。
図59は、この構造において、1次モードの弾性表面波の弾性表面波を用いた場合のSiO膜の厚みと、電気機械結合係数kとの関係を示す図である。
図59から明らかなように、1次モードの弾性表面波を用いる場合、LN単結晶板の厚みを0.1λ、0.2λ、0.3λ、0.4λまたは0.5λとしたときに、SiO膜の厚みを0.05λ〜1.1λとすることにより、0.02以上の電気機械結合係数が得られる。
〔LN(90°,θ,0°)/R面サファイア(0°,122°23′,0°)〕
図52は、第1の実施形態の弾性表面波装置において、高音速基板2をオイラー角(0°,122°23′,0°)であるR面サファイアからなる基板とし、LN単結晶板3のオイラー角を(90°,θ,0°)、厚みを0.3λとしたときの、オイラー角のθと、弾性表面波の音速との関係を示す図である。また、図53は、この場合のオイラー角のθと電気機械結合係数kとの関係を示す図である。
図52から明らかなように、1次モードの弾性表面波の音速は、θが40°〜160°の全範囲において、4700m/秒と、レイリー波の音速に比べて非常に高いことがわかる。特に、オイラー角のθが47°〜127°の範囲で、音速は5000m/秒以上とより一層速くなることがわかる。
他方、図53から明らかなように、電気機械結合係数kは、オイラー角のθが53°〜123°の範囲において、0.1以上と高くなり、より好ましくは60°〜115°の範囲で、電気機械結合係数kは0.15以上とより高くなり、望ましいことがわかる。より好ましくは84°〜88°において0.22以上の電気機械結合係数が得られる。
図60は、第1の実施形態の弾性表面波装置において、高音速基板2をSiC(0°,0°,0°)、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化シリコン、Si(135°,90°,90°)、Si多結晶、からなる基板とし、LN単結晶板3のオイラー角を(90°,θ,0°)、厚みを0.3λとしたときの、オイラー角のθと電気機械結合係数kとの関係を示す図である。
図60から明らかなように、電気機械結合係数kは、高音速基板2がSiC(0°,0°,0°)のとき、好ましくは、オイラー角のθが54°〜133°の範囲において、0.12以上と高くなり、より好ましくは81°〜88°において0.23以上の電気機械結合係数が得られる。
高音速基板2がアルミナのとき、好ましくは、オイラー角のθが54°〜117°の範囲において、0.12以上と高くなり、より好ましくは83°〜88°において0.119以上の電気機械結合係数が得られる。また、高音速基板2が窒化アルミニウムのとき、オイラー角のθが52°〜122°の範囲において、0.12以上と高くなり、より好ましくは81°〜88°において0.21以上の電気機械結合係数が得られる。
高音速基板2が窒化シリコンのとき、好ましくは、オイラー角のθが54°〜120°の範囲において、0.12以上と高くなり、より好ましくは81°〜87°において0.215以上の電気機械結合係数が得られる。
高音速基板2がSi(135°,90°,90°)のとき、好ましくは、オイラー角のθが51°〜118°の範囲において、0.12以上と高くなり、より好ましくは80°〜88°において0.21以上の電気機械結合係数が得られる。
高音速基板2がSi多結晶のとき、好ましくは、オイラー角のθが52°〜118°の範囲において、0.12以上と高くなり、より好ましくは82°〜88°において0.185以上の電気機械結合係数が得られる。
以上のように、大きな電気機械結合係数を得ることができる。
なお、上述したLiNbOや高音速基板のオイラー角において、ψすなわち伝搬方位については、0°の場合につき示したが、伝搬方位ψは、−5°〜+5°の範囲であれば、0°の場合とほとんど変わらない挙動を示す。
1,11,21…弾性表面波装置
2…高音速基板
3…LiNbO単結晶板
4…電極
5,5A…SiO

Claims (16)

  1. 横波音速が5400m/秒以上、8660m/秒以下の高音速基板と、
    前記高音速基板上に形成されており、オイラー角が(0°,67°〜160°,−5°〜+5°)または(90°,51°〜133°,−5°〜+5°)のLiNbO単結晶板とからなる圧電基板と、
    前記圧電基板上に形成されており、金属からなる電極とを備え、前記LiNbO 単結晶板の厚みが、弾性表面波の波長λとしたときに、0.05λ〜1.6λの範囲にある、弾性表面波装置。
  2. 前記高音速基板が、炭化珪素、アルミナ、窒化アルミニウム、サファイア、窒化シリコン、シリコン及び酸化マグネシウムからなる群から選択された一種の材料からなる基板である、請求項1に記載の弾性表面波装置。
  3. 前記オイラー角が(0°,92°〜132°,−5°〜+5°)の範囲にある、請求項1または2に記載の弾性表面波装置。
  4. 前記弾性表面波として、弾性表面波の1次モードが用いられる、請求項1〜のいずれか1項に記載の弾性表面波装置。
  5. 前記高音速基板が、SiCからなり、前記LiNbO単結晶板のオイラー角が(0°,70°〜160°,−5°〜+5°)または(90°,54°〜133°,−5°〜+5°)の範囲にある、請求項1または2に記載の弾性表面波装置。
  6. 前記高音速基板がアルミナからなり、前記LiNbO単結晶板のオイラー角が(0°,70°〜160°,−5°〜+5°)または(90°,54°〜117°,−5°〜+5°)の範囲にある、請求項1または2に記載の弾性表面波装置。
  7. 前記高音速基板が窒化アルミニウムからなり、前記LiNbO単結晶板のオイラー角が(0°,70°〜153°,−5°〜+5°)または(90°,52°〜122°,−5°〜+5°)の範囲にある、請求項1または2に記載の弾性表面波装置。
  8. 前記高音速基板がサファイアからなり、前記LiNbO単結晶板のオイラー角が(0°,67°〜147°,−5°〜+5°)または(90°,53°〜123°,−5°〜+5°)の範囲にある、請求項1または2に記載の弾性表面波装置。
  9. 前記高音速基板が窒化シリコンからなり、前記LiNbO単結晶板のオイラー角が(0°,70°〜153°,−5°〜+5°)または(90°,54°〜120°,−5°〜+5°)の範囲にある、請求項1または2に記載の弾性表面波装置。
  10. 前記高音速基板がシリコンである、請求項1または2に記載の弾性表面波装置。
  11. 前記シリコンが、シリコン単結晶からなり、前記LiNbO単結晶板のオイラー角が(0°,75°〜152°,−5°〜+5°)または(90°,51°〜118°,−5°〜+5°)の範囲にある、請求項1に記載の弾性表面波装置。
  12. 前記シリコンがシリコン多結晶からなり、前記LiNbO単結晶板のオイラー角が(0°,75°〜148°,−5°〜+5°)または(90°,52°〜118°,−5°〜+5°)の範囲にある、請求項1に記載の弾性表面波装置。
  13. 横波音速が5400m/秒以上、8660m/秒以下の高音速基板と、
    前記高音速基板上に形成されたLiNbO 単結晶板とを備え、弾性表面波の波長λとしたときに、前記LiNbO単結晶板の厚みが、0.4λ〜1.6λの範囲にあり、弾性表面波として、弾性表面波の2次モードが用いられ、オイラー角が(0°,50°〜120°,−5°〜+5°)の範囲にある、弾性表面波装置。
  14. 横波音速が5400m/秒以上、8660m/秒以下の高音速基板と、
    前記高音速基板上に形成されたLiNbO 単結晶板とを備え、弾性表面波の波長λとしたときに、前記LiNbO単結晶板の厚みが、0.4λ〜1.6λの範囲にあり、弾性表面波として、弾性表面波の3次モードが用いられ、オイラー角が(0°,50°〜53°,−5°〜+5°)あるいは(0°,83°〜140°,−5°〜+5°)の範囲にある、弾性表面波装置。
  15. 前記LiNbO単結晶板上に形成された酸化珪素膜をさらに備え、前記酸化珪素膜の厚みが0.1λ〜0.4λの範囲にされる、請求項1〜1のいずれか1項に記載の弾性表面波装置。
  16. 前記高音速基板と、前記LiNbO単結晶板との間に形成された酸化珪素膜をさらに備え、前記酸化珪素膜の厚みが0.05λ〜1.4λの範囲にされる、請求項1〜1のいずれか1項に記載の弾性表面波装置。
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