JPH10322158A - 圧電体基板とその製法及びそれを用いた弾性表面波機能素子 - Google Patents

圧電体基板とその製法及びそれを用いた弾性表面波機能素子

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JPH10322158A
JPH10322158A JP9129987A JP12998797A JPH10322158A JP H10322158 A JPH10322158 A JP H10322158A JP 9129987 A JP9129987 A JP 9129987A JP 12998797 A JP12998797 A JP 12998797A JP H10322158 A JPH10322158 A JP H10322158A
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surface acoustic
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JP9129987A
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Yoshihiko Shibata
佳彦 柴田
Naohiro Kuze
直洋 久世
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気機械結合定数が大きく、弾性表面波速度
も大きい圧電体基板を提供する。 【解決手段】 (012)サファイア基板上に(10
0)LiNbO3 薄膜があり、該サファイア基板のC軸
の投影線方向とLiNbO3 膜のC軸方向が互いに平行
である事を特徴とする圧電体基板を用い、弾性表面波の
伝搬方向を制御することにより、大きな弾性表面波速度
と電気機械結合定数を有する弾性表面波の使用を可能に
した弾性表面波機能素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電体基板および
それを用いた機能素子、特に弾性表面波機能素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、移動体通信の使用周波数の高周波
化に伴い、高周波デバイス作成用の圧電体基板のニーズ
が高まっている。弾性表面波(SAW)フィルターなど
のSAWデバイスでは、高周波化のみならず、ローミン
グや、データーレートの高い情報のやりとりのため、広
帯域化のニーズも大きい。高周波の広帯域SAWフィル
ターを作成する際には、弾性表面波の速度(V)、及
び、電気機械結合定数(K 2 )が大きく、かつ、伝搬損
失の無い波を用いることが好ましい。市販の単結晶材料
では、伝搬損失の無いレーリー波でV=4000m/
s、K2 =0.055が128YLiNbO3 で、伝搬
損失が比較的小さなリーキー波でV=4212m/s、
2 =0.076が36YLiTaO3 で達成されてい
る。
【0003】SAWフィルターの使用にあたって、弾性
表面波速度をV、弾性表面波の波長をλとすると、使用
周波数fはf=V/λで示される。よって、SAWフィ
ルターを高周波帯域で用いる場合、弾性表面波の速度が
遅いとλが小さくなる。櫛形電極の幅は通常λ/4以下
であり、λが小さくなるとリソグラフィーによる電極形
成プロセスが困難となる。電極形成が可能としても、電
極幅が細いとストレスマイグレーションの影響を受けや
すく、デバイスの耐久性に問題が生じやすい。よって、
より大きなVを有する材料が必要となる。2GHz前後
の使用を考えた場合、既存材料の4200m/s前後で
は不十分で、より大きなVを有する材料が望まれてい
る。また、弾性表面波機能素子として利用する周波数帯
域が広い場合、電気機械結合定数ができるだけ大きい事
が必要である。この時、比帯域幅が4〜5%以上の広帯
域の弾性表面波機能素子を形成する場合、既存材料の電
気機械結合定数が0.08弱では不十分と思われ、少な
くとも0.09以上のK2 が好ましく、より、低損失化
をはかるためには0.2前後のK2 が望ましい。
【0004】V、及び、K2 の改善には、K2 の大きな
LiNbO3 を、Vの大きなサファイア基板上に薄膜化
することが検討されてきた。以前、我々は、レーザーア
ブレーション法を用いて、圧電性のあるLiNbO3
の形成に成功しており、5000m/s以上の大きなV
を達成している。しかし、そのK2 は理論的に0.08
以下であった(Shibata et al, J.A
ppl.Phys.,77(1995)1498−15
03)。また、理論計算のみではあるが、(110)サ
ファイア基板上の(110)LiNbO3 膜((11
0)LiNbO3/(110)サファイア)、及び、
(012)サファイア基板上の(100)LiNbO3
膜((100)LiNbO3 /(012)サファイア)
でK2 ≧0.2が期待できるという報告もある。
【0005】しかしながら、通常、(110)サファイ
ア基板上には(001)LiNbO 3 膜が成長しやすい
ために(Shibata et al, Jpn.J.
Appl.Phys.,32(1993)p745−p
747)、世の中で十分な圧電性のある(110)Li
NbO3 /(110)サファイアの合成の成功例は無
く、大きなK2 は達成できていない。また、(100)
LiNbO3 /(012)サファイアの理論計算結果に
関しては、弾性表面波の伝搬方向が面内に無く実現不可
能である。(Furushima et al, 19
93 IEEE Ultrasonics Sympo
sium p263−p266)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明における課題
は、サファイア基板上のLiNbO3 膜で、伝搬損失の
無い波で、大きなV(4200m/s程度以上)のみな
らず、大きなK2 (0.09程度以上)を達成すること
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、発明者らが鋭意検討を行った結果、(012)サフ
ァイア基板上の成膜を検討した結果、該サファイア基板
上に(100)LiNbO3 膜を形成すると、従来、前
記サファイア基板の結晶軸のC軸の投影線方向と、前記
LiNbO3 膜の結晶軸のC軸方向が互いに垂直であっ
たのに対して、互いに平行である圧電体基板が圧電体基
板材料として有効であることを見出した。即ち、本発明
は(012)サファイア基板上に(100)LiNbO
3 膜があり、該サファイア基板のC軸の投影線方向とL
iNbO3 膜のC軸方向が互いに平行である事を特徴と
する圧電体基板、及び、その製造方法、そして、該圧電
体基板を用いることを特徴とする弾性表面波機能素子に
関する。
【0008】つまり、請求項1にかかる圧電体基板は、
(012)サファイア基板上に(100)LiNbO3
膜を有し、前記サファイア基板の結晶軸のC軸の投影線
方向と、前記LiNbO3 膜の結晶軸のC軸方向が互い
に平行であることを特徴とするものである。また、請求
項2にかかる圧電体基板は、請求項1記載の圧電体基板
において、前記サファイア基板上に金属、または、金属
の酸化物からなる中間層があり、その上に前記LiNb
3 膜があることを特徴とするものである。また、請求
項3にかかる圧電体基板は、請求項2記載の圧電体基板
において、前記中間層の厚さが0.1nm以上10nm
以下であることを特徴とするものである。
【0009】また、請求項4にかかる圧電体基板は、請
求項2または請求項3記載の圧電体基板において、前記
中間層が少なくともニオブ、タンタル、アルミニウム、
あるいは、これらの酸化物のいずれかを有することを特
徴とするものである。また、請求項5にかかる弾性表面
波機能素子は、(012)サファイア基板上に(10
0)LiNbO3 膜を有し、前記サファイア基板の結晶
軸のC軸の投影線方向と、前記LiNbO3 膜の結晶軸
のC軸方向が互いに平行である圧電体基板を用いること
を特徴とするものである。また、請求項6にかかる弾性
表面波機能素子は、請求項5記載の弾性表面波機能素子
において、前記サファイア基板上に金属、または、金属
の酸化物からなる中間層があり、その上に前記LiNb
3 膜があることを特徴とするものである。
【0010】また、請求項7にかかる弾性表面波機能素
子は、請求項5または請求項6記載の弾性表面波機能素
子において、弾性表面波の伝搬方向が前記サファイア基
板の結晶軸のC軸投影線方向を中心に±35度以内であ
ることを特徴とするものである。また、請求項8にかか
る弾性表面波機能素子は、請求項5から請求項7記載の
弾性表面波機能素子において、前記圧電体基板における
圧電性薄膜の膜厚をh、励振される弾性表面波の波長を
λとしたとき、h/λが0.01以上2以下の範囲であ
ることを特徴とするものである。
【0011】また、請求項9にかかる圧電体基板の製造
方法は、(012)サファイア基板上に金属または金属
の酸化物からなる中間層を形成し、該中間層上に(10
0)LiNbO3 膜を形成させ、前記サファイア基板の
結晶軸のC軸の投影線方向と前記LiNbO3 膜の結晶
軸のC軸方向が互いに平行になるように形成させること
を特徴とするものである。また、請求項10にかかる圧
電体基板の製造方法は、請求項9に記載の圧電体基板の
製造方法において、前記中間層の厚さが0.1nm以上
10nm以下であることを特徴とするものである。また
請求項11にかかる圧電体基板の製造方法は、請求項9
または請求項10記載の圧電体基板の製造方法におい
て、前記中間層が少なくともニオブ、タンタル、アルミ
ニウム、あるいは、これらの酸化物のいずれかを有する
ことを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の(100)LiNbO3
/(012)サファイアは、サファイア基板のC軸の投
影線方向とLiNbO3 薄膜のC軸方向が互いに平行で
ある新規な圧電体基板である。従来は(100)LiN
bO3 /(012)サファイアにおいて、サファイア基
板のC軸の投影線方向とLiNbO3 薄膜のC軸方向が
互いに垂直なものしか得られていない。互いに平行な状
態は、極めて不安定であると理論的に予測されており、
実現不可能とみなされていた(Fujimura et
al, J.Appl.Phys.,75(1994)
2169−2176)。本発明において、理論的に不安
定なものが得られた理由は定かではないが、成膜初期に
おいて、中間層が、何らかの安定性増加に寄与したと思
われる。本発明における中間層の役割は、(100)L
iNbO3 成膜初期に、上記の特殊なエピタキシャル関
係の安定化に寄与する事と考えられ、その後は、中間層
はLiNbO3 膜にほぼ完全に吸収されてしまう。中間
層の厚さは、0.1nm以上10nm以下であることが
必要で、好ましくは、0.1nm以上6nm以下であ
り、さらに好ましくは、0.15nm以上3nm未満で
ある。
【0013】中間層、及びLiNbO3 膜の成膜法に特
に制限は無いが、レーザーアブレーション法は好ましい
例である。例えば、中間層形成のためのターゲットとし
てNb2 5 、Nb金属、Ta2 5 、Ta金属、Al
2 3 、Al金属などを用い、高真空中で中間層を成膜
後、基板温度を上げ、酸化ガスを導入し、次いで、Li
NbO3 膜を形成すればよい。LiNbO3 膜を成膜す
る寸前の中間層は酸化されている事が多く、例えば、タ
ーゲットとしてNb2 5 を用いた場合、LiNbO3
膜を成膜する寸前のNbは完全に5価である。
【0014】中間層の役割は、まだ完全には解明できて
いないが、成膜寸前の基板の表面状態を均質にする役割
もあると予測される。よって、中間層を形成する代わり
に、サファイア基板の前処理を行い、基板の表面化学状
態を均質にすることにより、同様な効果を上げることも
期待できる。また、本発明の中間層は、配向制御効果も
ある。通常、(012)サファイア基板上に直接LiN
bO3 膜を形成した場合、(012)LiNbO3 膜が
優先配向しやすく、配向制御が困難であったが、本中間
層を用いれば、(012)LiNbO3 の成長を抑制で
き、完全な(100)LiNbO3 膜を得ることが可能
となる。
【0015】前記記載の本発明の新規な圧電体基板を用
い、弾性表面波機能素子を形成することにより、大きな
弾性表面波速度(4200m/s以上)で、かつ、大き
な電気機械結合定数(0.08以上)の表面波の発現が
可能となった。基板と圧電体膜の2層構造では、基板に
おける縦波の速度が、圧電体膜材料のバルク単結晶にお
ける縦波の速度より速いとき、弾性表面波の速度が著し
く大きいセザワ波やラブ波、及びそれらの高次モードの
波が現れる事が知られている(Y.Shibata e
t al、Jpn.J.Appl.Phys.,34
(1995)249−253、T.Mitsuyu e
t al、J.Appl.Phys.,51(198
0)2464−2470等)。これらのモードの波は、
伝搬損失が無く、デバイス形成に有利である。本発明に
おいて発現した大きな弾性表面波速度を持ち、かつ、大
きな電気機械結合定数の波はラブ波である。
【0016】上記の新規な圧電体基板を用いて弾性表面
波機能素子を作成する場合、弾性表面波の伝搬方向はサ
ファイア基板のC軸の投影線方向に垂直な軸([2−1
−1]軸)を中心に±35度の範囲内である事が好まし
く、さらに好ましくはサファイア基板のC軸の投影線方
向に垂直な軸([2−1−1]軸)を中心に±20度の
範囲内であり、より好ましくは、サファイア基板のC軸
の投影線方向に垂直な軸([2−1−1]軸)を中心に
±10度の範囲内である。LiNbO3 の膜厚をh、弾
性表面波の波長をλとした時に、h/λは通常0.01
以上、2以下であり、好ましくは、0.1以上1以下で
あり、さらに好ましくは、0.16以上0.8以下であ
り、より好ましくは、0.25以上0.37以下であ
る。なお、h/λが0.16未満で弾性表面波機能素子
を形成する際には、表面波は伝搬損失を有するリーキー
波となるため、伝搬長を短くするなどの配慮が必要とな
る。
【0017】弾性表面波の伝搬方向をサファイア基板の
C軸の投影線方向に垂直な軸方向として、h/λを0.
16から0.8とすることにより、K2 =0.165〜
0.25、V=5800〜4650m/s前後の達成が
可能となり、既存材料の特性を大幅に越える事ができ
る。本発明の弾性表面波機能素子は、上記特定の圧電体
基板を用い、電気機械結合定数と弾性表面波の速度の改
善を図るものであり、それ以外の構成に関しては、従来
より公知の弾性表面波を利用した弾性表面波機能素子の
構造を適宜採用できる。例えば、櫛形電極の形状、材質
などについても限定されるものではない。
【0018】
【実施例1】次に、実施例によって本発明をさらに詳し
く説明する。中間層、及びLiNbO3 膜の合成にはレ
ーザーアブレーション法を用いた。合成条件は以下に示
す。サファイア基板は市販品を購入後、有機溶剤で脱脂
後、乾燥したものをそのまま無処理で用いた。中間層の
厚さは1nmとし、その上に種々の膜厚のLiNbO3
膜を計5枚形成した。膜の構造をX線回折で評価した結
果、5枚ともすべてのサンプルで(100)LiNbO
3 /(012)サファイアが得られていることが確認で
きた。次いで、文献(Hirai et al,Ja
n.J.Appl.Phys.,35(1996)51
50−5153)と同じ方法でX線極点図測定を行い、
エピタキシャル関係を調べた結果、すべてのサンプルに
おいて、サファイア基板のC軸の投影線方向とLiNb
3 膜のC軸方向が互いに平行である事が確認できた。
その結果を図1に示す。
【0019】構造評価後に、膜表面にAl製の入出力用
すだれ状電極をリソグラフィープロセスによって形成し
た。電極はピッチが0.7μm、0.9μm、1.5μ
m、の正規型電極とした(弾性表面波の波長はそれぞれ
2.8μm、3.6μm、6μm)。伝搬長は、400
μmとした。弾性表面波の伝搬方向はサファイア基板の
C軸の投影線方向に垂直な軸([2−1−1]軸)方向
とした。電気機械結合定数、弾性表面波速度は、ネット
ワークアナライザー(Yokogawa Hewlet
to Packard、 8510B)で、公知の方法
で求めた(弾性表面波工学、PP124−128、社団
法人 電子情報通信学会)。弾性表面波速度の結果を図
3に、電気機械結合定数結果は、図4に示す。なお、横
軸のh/λはhはLiNbO3 膜の膜厚、λは弾性表面
波の波長である。弾性表面波速度4630m/s以上で
大きな電気機械結合定数(約0.25)が達成されてい
る事が確認できる。
【0020】<中間層の合成条件> 基板温度 加熱せず ターゲットと基板の距離 4cm 反応圧力 10-8Torr ターゲット Nb2 5 レーザー波長 193nm(ArFエキシマ
レーザー) レーザー出力 300mJ レーザー周波数 5Hz <LiNbO3 膜の合成条件> 基板温度 720℃ 導入ガス 酸素+オゾン(オゾン8%) ターゲットと基板の距離 4cm 反応圧力 0.5mTorr ターゲット Li/Nb=2.0 レーザー波長 193nm(ArFエキシマ
レーザー) レーザー出力 300mJ レーザー周波数 15Hz
【0021】
【実施例2】他の実施例を以下に示す。中間層の合成条
件を以下のように変え、後は実施例1と同様に合成を行
った。なお、中間層の厚さは、3nmとした。膜の構造
をX線回折で評価した結果、すべての膜において(10
0)LiNbO3 /(012)サファイアが得られてい
ることが確認できた。次いで、実施例1と同様にX線極
点図測定により、エピタキシャル関係を調べた結果、す
べての膜においてサファイア基板のC軸の投影線方向と
LiNbO3 薄膜のC軸方向が互いに平行である事が確
認できた。構造評価後に、膜表面にAl製の入出力用す
だれ状電極をリソグラフィープロセスによって形成し
た。電極ピッチ、及び、弾性表面波の伝搬長は、実施例
1と同じにした。弾性表面波の伝搬方向はサファイア基
板のC軸の投影線方向に垂直な軸([2−1−1]軸)
から10度傾けた方向とした。その様子を図2に示す。
【0022】実施例1と同様な方法で、弾性表面波速
度、電気機械結合定数を求めた。結果を図5、6に示
す。既存材料より、大きな、VとK2 が達成できている
ことがわかる。 <中間層の合成条件> 基板温度 加熱せず ターゲットと基板の距離 4cm 反応圧力 10-8Torr ターゲット Nb レーザー波長 193nm(ArFエキシマ
レーザー) レーザー出力 300mJ レーザー周波数 5Hz
【0023】
【実施例3】さらに、他の実施例を以下に示す。中間層
の合成条件を以下のように変え、後は実施例1と同様に
合成を行った。なお、中間層の厚さは、0.15nmと
した。膜の構造をX線回折で評価した結果、すべての膜
において(100)LiNbO3 /(012)サファイ
アが得られていることが確認できた。次いで、実施例1
と同様にX線極点図測定により、エピタキシャル関係を
調べた結果、すべての膜においてサファイア基板のC軸
の投影線方向とLiNbO3 膜のC軸方向が互いに平行
である事が確認できた。構造評価後に、膜表面にAl製
の入出力用すだれ状電極をリソグラフィープロセスによ
って形成した。電極ピッチ、及び、弾性表面波の伝搬長
は、実施例1と同じとした。弾性表面波の伝搬方向はサ
ファイア基板のC軸の投影線方向に垂直な軸([2−1
−1]軸)から15度傾けた方向とした。実施例1と同
様な方法で、弾性表面波速度、電気機械結合定数を求め
た。結果を図7、8に示す。既存材料より、大きな、V
とK2 が達成できていることがわかる。
【0024】<中間層の合成条件> 基板温度 加熱せず ターゲットと基板の距離 4cm 反応圧力 10-8Torr ターゲット Al23 レーザー波長 193nm(ArFエキシマ
レーザー) レーザー出力 300mJ レーザー周波数 5Hz
【0025】
【実施例4】他の実施例を以下に示す。中間層の合成条
件を以下のように変え、後は実施例1と同様に合成を行
った。なお、中間層の厚さは、0.15mとし、高周波
マグネトロンスパッタ法で形成した。膜の構造をX線回
折で評価した結果、すべての膜において(100)Li
NbO3 /(012)サファイアが得られていることが
確認できた。次いで、実施例1と同様にX線極点図測定
により、エピタキシャル関係を調べた結果、すべての膜
においてサファイア基板のC軸の投影線方向とLiNb
3 膜のC軸方向が互いに平行である事が確認できた。
構造評価後に、膜表面にAl製の入出力用すだれ状電極
をリソグラフィープロセスによって形成した。電極ピッ
チ、及び、弾性表面波の伝搬長は、実施例1と同じとし
た。弾性表面波の伝搬方向はサファイア基板のC軸の投
影線方向に垂直な軸([2−1−1]軸)から20度傾
けた方向とした。実施例1と同様な方法で、弾性表面波
速度、電気機械結合定数を求めた。結果を図9、10に
示す。既存材料より、大きな、VとK2 が達成できてい
ることがわかる。
【0026】<中間層の合成条件> 基板温度 加熱せず ターゲットと基板の距離 5cm 反応圧力 5×10-3Torr ターゲット Ta25 ガス組成 Ar、O2 (各50vol
%)
【0027】
【比較例1】中間層を用いずに、実施例1と同じ条件
で、LiNbO3 膜を5枚形成した。X線回折法で評価
した結果(100)LiNbO3 と(012)LiNb
3 の混合配向膜であることが確認できた。再現性も今
一つで、(100)LiNbO 3 と(012)LiNb
3 のX線回折ピークの強度比は、おおむね0.1から
10の範囲であった。実施例1と同様に弾性表面波速
度、電気機械結合定数を求めたところ、h/λ=0.2
において、V=4300m/s、K2 =0.001以下
と低いレベルであった。
【0028】
【発明の効果】本発明によって、弾性表面波速度、及
び、電気機械結合定数が既存材料より遥かに優れてい
て、かつ、伝搬損失の無い波を用いた弾性表面波機能素
子の作成が可能となり、2GHz前後の高周波帯で容易
に量産可能な電極ピッチで、広帯域の弾性表面波機能素
子の製造が可能となり、これらデバイスの実用化に多大
な効果をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧電体基板の結晶方位関係を示す図。
【図2】本発明の弾性表面波機能素子の弾性表面波伝搬
方向と結晶軸C軸との角度を示す図。
【図3】本発明の弾性表面波機能素子の弾性表面波速度
を示す図。
【図4】本発明の弾性表面波機能素子の電気機械結合定
数を示す図。
【図5】本発明の弾性表面波機能素子の弾性表面波速度
を示す図。
【図6】本発明の弾性表面波機能素子の電気機械結合定
数を示す図。
【図7】本発明の弾性表面波機能素子の弾性表面波速度
を示す図。
【図8】本発明の弾性表面波機能素子の電気機械結合定
数を示す図。
【図9】本発明の弾性表面波機能素子の弾性表面波速度
を示す図。
【図10】本発明の弾性表面波機能素子の電気機械結合
定数を示す図。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (012)サファイア基板上に(10
    0)LiNbO3 膜を有し、前記サファイア基板の結晶
    軸のC軸の投影線方向と、前記LiNbO3 膜の結晶軸
    のC軸方向が互いに平行であることを特徴とする圧電体
    基板。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の圧電体基板において、前
    記サファイア基板上に金属、または、金属の酸化物から
    なる中間層があり、その上に前記LiNbO 3 膜がある
    ことを特徴とする圧電体基板。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の圧電体基板において、前
    記中間層の厚さが0.1nm以上10nm以下であるこ
    とを特徴とする圧電体基板。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項3記載の圧電体基
    板において、前記中間層が少なくともニオブ、タンタ
    ル、アルミニウム、あるいは、これらの酸化物のいずれ
    かを有することを特徴とする圧電体基板。
  5. 【請求項5】 (012)サファイア基板上に(10
    0)LiNbO3 膜を有し、前記サファイア基板の結晶
    軸のC軸の投影線方向と、前記LiNbO3 膜の結晶軸
    のC軸方向が互いに平行である圧電体基板を用いること
    を特徴とする弾性表面波機能素子。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の弾性表面波機能素子にお
    いて、前記サファイア基板上に金属、または、金属の酸
    化物からなる中間層があり、その上に前記LiNbO3
    膜があることを特徴とする弾性表面波機能素子。
  7. 【請求項7】 請求項5または請求項6記載の弾性表面
    波機能素子において、弾性表面波の伝搬方向が前記サフ
    ァイア基板の結晶軸のC軸投影線方向を中心に±35度
    以内であることを特徴とする弾性表面波機能素子。
  8. 【請求項8】 請求項5から請求項7記載の弾性表面波
    機能素子において、前記圧電体基板における圧電性薄膜
    の膜厚をh、励振される弾性表面波の波長をλとしたと
    き、h/λが0.01以上2以下の範囲であることを特
    徴とする弾性表面波機能素子。
  9. 【請求項9】 (012)サファイア基板上に金属また
    は金属の酸化物からなる中間層を形成し、該中間層上に
    (100)LiNbO3 膜を形成させ、前記サファイア
    基板の結晶軸のC軸の投影線方向と前記LiNbO3
    の結晶軸のC軸方向が互いに平行になるように形成させ
    ることを特徴とする圧電体基板の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の圧電体基板の製造方
    法において、前記中間層の厚さが0.1nm以上10n
    m以下であることを特徴とする圧電体基板の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項9または請求項10記載の圧電
    体基板の製造方法において、前記中間層が少なくともニ
    オブ、タンタル、アルミニウム、あるいは、これらの酸
    化物のいずれかを有することを特徴とする圧電体基板の
    製造方法。
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