JP5351566B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

この発明は、スロットマシンなどの遊技機に関し、特に、遊技機を管理するホールコンピュータへ信号を伝送するための集中端子板を備えるものに関する。
パチンコホール等の遊技場では、島設備と称される遊技機の集合用設備によって、複数の遊技機が整列して効率よく収容されている。遊技場に設置される遊技機には、パチンコ機(弾球遊技機)と、スロットマシン(回胴式遊技機)が知られている。遊技場のフロアは複数の島設備によって区画され、来場者及び従業員が歩行でき、遊技者が遊技を行うのに十分な空間が確保される。島設備には、遊技機に隣接して球貸機又はメダル貸機等の関連機器が設けられ、遊技者の便宜を図っている。島設備に整列された遊技機は、遊技の配当の払い出しと特定の遊技状態を監視するホールコンピュータにそれぞれ接続されている。ホールコンピュータは、遊技機から払い出された配当や特定の遊技状態となった回数を島設備ごとに集計する。これにより、島設備に設置された遊技機がどのような遊技状態に推移しているかを概ね把握でき、遊技機に異常が発生していないかどうかがわかる。
遊技機から払い出された配当や特定の遊技状態となった回数、遊技機の異常信号をホールコンピュータへ送信するために、各遊技機又は島設備は集中端子板を備えている。集中端子板は公知のものであり、例えば日本電動遊技機工業協同組合が販売する外部集中端子板がよく知られている。集中端子板は、標準品でありどのメーカーの遊技機又は島設備でもほぼ同じものを備えている。
集中端子板は、遊技機のCPU(メイン基板)からデジタル信号を受け、当該デジタル信号で駆動されるリレーを備える。当該リレーの接点信号がホールコンピュータへ送られる。集中端子板は、例えば、7つのリレーを備えるので、最大7種類の信号を中継して遊技機からホールコンピュータへ送ることができる。前記リレーはデジタル信号のL/Hに応じてオン/オフするという単純な動作を行うのみであり、パルス信号のような複雑な(つまり情報量の大きい)信号を扱うものではなかった。遊技機からホールコンピュータへ送る信号の種類が少なく、しかも当該信号は頻繁にL/H(オン/オフ)を繰り返すものではないので、リレーが用いられている。
集中端子板は、例えば、遊技機にメダルが投入されたときの投入信号(投入信号又はIN信号と呼ばれる)、入賞時メダルが払い出す際に払出信号(払出信号又はOUT信号と呼ばれる)や、ボーナス状態の信号(ビッグボーナス信号又はBB信号と呼ばれる)を出力する。
特開2001−46706号公報 特開2007−82570号公報
集中端子板からホールコンピュータへ投入枚数の信号(IN信号)及び払出枚数の信号(OUT信号)を送信することで、ホールコンピュータでメダル(遊技媒体)に関する管理を行うことができる。ところで、今回遊技で払い出しが行われているが、その途中で次回遊技が開始されてしまうと、集中端子板は、今回遊技におけるOUT信号を送信している途中で、次回遊技のIN信号を出力することになる。これでは今回遊技と次回遊技の信号が混同されてしまい、ホールコンピュータは、遊技ごとに投入枚数及び払出枚数を正しく把握することができなくなってしまう。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、外部へ出力する信号の混同を防止することのできる遊技機を提供することを目的とする。
この発明に係る遊技機は、
外周面に複数種類の図柄が配列されている複数のリールと、
遊技媒体の投入を受け付けるセレクタのセンサの出力に基づき予め定められた規定投入数に相当する遊技媒体が投入されたことを検知したこと、または、ベットスイッチを操作することで遊技機にクレジットされた遊技媒体が前記規定投入数だけ投入状態に設定されたことに基づいて前記複数のリールの回転開始操作を許可し、前記回転開始操作に応じて、遊技毎に取得される乱数値及びボーナス、小役およびリプレイを含む複数種類の役の中から抽選対象となる役と乱数値との対応関係が設定された抽選テーブルに基づいて役の当否を決定する内部抽選を行うとともに、前記複数のリールを回転させ、停止操作を契機として前記複数のリールを前記内部抽選の結果に応じて停止させる制御を行い、前記複数のリールが停止した状態で、役毎に予め定められた入賞形態を示す図柄組合せが入賞判定ライン上に表示されたときに役が入賞したと判定し、前記役が入賞したことを契機として遊技媒体の払い出しに関する制御を行うメイン基板と、
少なくとも、前記メイン基板により制御されて前記遊技媒体の払い出し枚数の信号を送出する第1リレーを含む集中端子板と、を備えた遊技機であって、
前記メイン基板は、
前記役が入賞した後に前記遊技媒体の払い出しを行うとともに、予め定められた待機処理を行い、
前記役が入賞した後に前記集中端子板の前記第1リレーを駆動して前記遊技媒体の払い出し枚数に対応する数のパルス信号を送信させ、
前記パルス信号の送信を終了したとき、前記待機処理を終了して、次遊技へ移行する、ものである。
前記メイン基板は、前記待機処理の実行中において、前記セレクタによる遊技媒体の受け付けを行わないとともに、前記ベットスイッチの操作を受け付けず、
前記待機処理を終了した後において、前記セレクタによる前記遊技媒体の投入の受け付けを許可するとともに、前記ベットスイッチの操作を受け付ける、ようにしてもよい。
前記内部抽選で当否が決定される前記複数種類の役は、少なくとも、ボーナスを含み、
前記メイン基板は、初期状態に相当する遊技状態である通常状態及び前記ボーナスの遊技中であるボーナス状態を含む複数種類の遊技状態の間で遊技状態を移行させる制御を行い、
前記集中端子板は、さらに、前記メイン基板により制御されて前記ボーナス状態の信号を送出するための第2リレーを含み、
前記メイン基板は、
前記ボーナス状態になった場合に、前記集中端子板の第2リレーを駆動して、外部へ前記ボーナス状態の信号の出力を開始し、前記ボーナス状態でなくなったときに、前記第1リレーにより前記パルス信号を送信中であることを示すフラグを調べ、当該フラグがセットされているとき、前記ボーナス状態の信号の出力を維持し、前記フラグがセットされていないとき、前記ボーナス状態の信号の出力を終了し、
前記役に入賞して遊技媒体を払い出す場合に、前記集中端子板の第1リレーを駆動して、外部へ前記パルス信号の送信を開始するとともに前記フラグをセットし、予め定められた枚数に相当する前記パルス信号の送信の終了まで前記フラグを維持し、前記パルス信号の送信を終了したとき、前記フラグをリセットする、ようにしてもよい。
この発明によれば、遊技媒体の払い出しを行う際に、予め定められた待機処理を行い、集中端子板のリレーを駆動して遊技媒体の払い出し枚数に対応する数のパルス信号を送信させ、前記パルス信号の送信を終了したとき、前記待機処理を終了して、次回遊技へ移行するので、今回遊技と次回遊技の信号が混同されることがなくなり、集中端子板からホールコンピュータへの情報の伝達を確実に行うことができる。この結果、ホールコンピュータは、遊技機における遊技媒体の払い出し枚数を正しく把握できる。
前扉を閉めた状態を示すスロットマシンの正面図である。 前扉を180度開いた状態を示すスロットマシンの正面図である。 スロットマシンのブロック図である。 発明の実施の形態に係る遊技処理を示すフローチャートである。 集中端子板のブロック図である。 発明の実施の形態に係る払出信号(OUT信号)の出力処理フローチャートである。 発明の実施の形態に係る払出信号(OUT信号)のタイミングチャートである。 発明の実施の形態に係る払出信号(OUT信号)の他の出力処理フローチャートである。 発明の実施の形態に係る払出信号(OUT信号)の他のタイミングチャートである。
図1は前扉を閉めた状態を示すスロットマシンの正面図、図2は前扉を180度開いた状態を示すスロットマシンの正面図を示す。
図1及び図2中、100はスロットマシンを示すもので、このスロットマシン100は、図1に示すように、スロットマシン本体120と、このスロットマシン本体120の前面片側にヒンジ等により開閉可能に取り付けられた前扉130とを備えている。前記前扉130の前面には、図1に示すように、ほぼ中央にゲーム表示部131を設け、ゲーム表示部131の右下隅部に、遊技者がメダルを投入するためのメダル投入口132を設け、メダル投入口132の下側には、メダル投入口132から投入され、詰まってしまったメダルをスロットマシン100外に強制的に排出するためのリジェクトボタン133が設けられている。
また、前記ゲーム表示部131の左下方には、ゲームを開始するためのスタートスイッチ134を設けてあり、3つのリールのそれぞれに対応して3つのストップスイッチ140を設けてある。前扉の下端部中央には、メダルの払出し口135を設けてある。前記ゲーム表示部131の右側には、液晶表示装置LCDが設けてある。
スロットマシン本体120の内部には、図2に示すように、その内底面に固定され、内部に複数のメダルを貯留して、貯留したメダルを前扉130の前面に設けた払出し口135に1枚ずつ払い出すためのホッパ装置121が設置されている。このホッパ装置121の上部には、上方に向けて開口し、内部に複数のメダルを貯留するホッパタンク122を備えている。スロットマシン本体120の内部には、前扉130を閉めたときにゲーム表示部131が来る位置に三個のリールからなるリールユニット203が設置されている。リールユニット203は、外周面に複数種類の図柄が配列されている3つのリール(第1リール〜第3リール)を備えている。ゲーム表示部131には開口部が設けられていて、それを通して遊技者が前記リールユニット203の各回転リールの図柄を見ることができるようになっている。ホッパ装置121の上側のリールユニット203との間には電源部205が設けられている。
前記前扉130の裏面には、図2に示すように、メダル(コイン)セレクタ1が、前扉130の前面に設けられたメダル投入口132の裏側に取り付けられている。このメダルセレクタ1は、メダル投入口132から投入されたメダルの通過を検出しながら、当該メダルをホッパ装置121に向かって転動させ、外径が所定寸法と違う異径メダルや、鉄又は鉄合金で作製された不正メダルを選別して排除するとともに、1ゲームあたりに投入可能な所定枚数以上のメダルを選別して排除するための装置である。
また、メダルセレクタ1の下側には、図2に示すように、その下部側を覆って前扉130の払出し口135に連通する導出路136が設けられている。メダルセレクタ1により振り分けられたメダルは、この導出路136を介して払出し口135から遊技者に返却される。
図3は発明の実施の形態に係るスロットマシン100の機能ブロック図を示す。
この図において電源系統についての表示は省略されている。スロットマシン100は、その主要な処理装置としてメイン基板(処理部)10とこれからコマンドを受けて動作するサブ基板20とを備える。なお、少なくともメイン基板10は、外部から接触不能となるようにケース内部に収容され、これら基板を取り外す際に痕跡が残るように封印処理が施されている。
メイン基板10は、遊技者の操作を受けて内部抽選を行ったり、リールの回転・停止やメダルの払い出しなどの処理を行うためのものである。メイン基板10は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。
メイン基板10は、後述の集中端子板30を介して図示しないホールコンピュータへ投入信号(IN信号)、払い出し信号(OUT信号)、ビッグボーナス信号(BB信号)などを送信する。
サブ基板20は、メイン基板10からコマンド信号を受けて内部抽選の結果を報知したり各種演出を行うためのものである。サブ基板20は、前記コマンド信号に応じた予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。コマンドの流れはメイン基板10からサブ基板20への一方のみであり、逆にサブ基板20からメイン基板10へコマンド等が出されることはない。
メイン基板10にはスタートスイッチ134,ストップボタン140,リールユニット(リール駆動装置を含む)203,リール位置検出回路71、ホッパ駆動部80、ホッパ81及びホッパ81から払い出されたメダルの枚数を数えるためのメダル検出部82(これらは前述のホッパ装置121を構成する)が接続されている。サブ基板20には液晶表示装置の制御用の液晶制御基板200、スピーカ基板201、LED基板202などの周辺基板(ローカル基板)が接続されている。
メイン基板10には、さらに、メダルセレクタ1のメダルセンサS1及びS2が接続されている。
メダルセレクタ1には、メダルを計数するためのメダルセンサS1及びS2が設けられている。メダルセンサS1及びS2は、メダルセレクタ1に設けられた図示しないメダル通路の下流側(出口近傍)に設けられている(メダル通路の上流側はメダル投入口132に連通している)。2つのメダルセンサS1とS2は、メダルの進行方向に沿って所定間隔を空けて並べて設けられている。メダルセンサS1、S2は、例えば、互いに対向した発光部と受光部とを有して断面コ字状に形成され、その検出光軸をメダル通路内に上方から臨ませて位置するフォトインタラプタである。各フォトインタラプタにより、途中で阻止されずに送られてきたメダルの通過が検出される。なお、フォトインタラプタを2つ隣接させたのは、メダル枚数を検出するだけでなく、メダルの通過が正常か否かを監視するためである。すなわち、フォトインタラプタを2つ隣接させて設けることにより、メダルの通過速度や通過方向を検出することができ、これによりメダル枚数だけでなく、逆方向に移動する不正行為を感知することができる。
ホッパ駆動部80は、ホッパ81を回転駆動して、メイン基板10によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。遊技機は、メダルを1枚払い出す毎に作動するメダル検出部82を備えており、メイン基板10は、メダル検出部82からの入力信号に基づいてホッパ81から実際に払い出されたメダルの数を管理することができる。
メイン基板10は、メダルセレクタ1のメダルセンサS1とS2の出力を受け、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートスイッチ134に対する第1リール〜第3リールの回転開始操作を許可する処理を行う(投入受付機能)。なお、スタートスイッチ134の押下操作が、第1リール〜第3リールの回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。また、遊技状態に応じて規定投入数を設定し、通常状態およびボーナス成立状態では規定投入数を3枚に設定し、ボーナス状態では規定投入数を1枚に設定する。
メダルが投入されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。あるいは、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットスイッチBETが押下されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。メダルの投入を受け付けるかどうかは、メイン基板10が制御する。メダルの投入を受け付ける状態になっていないときは(許可されていないときは)、メダルを投入してもメダルセンサS1、S2でカウントされず、そのまま返却される。同様に、メイン基板10はベットスイッチBETの有効/無効を制御する。ベットスイッチBETが有効になっていないときは(許可されていないときは)、ベットスイッチBETを押下しても、それは無視される。
メイン基板10は、乱数発生手段を内蔵する(図示せず)。乱数発生手段は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
メイン基板10は、遊技者がスタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う(内部抽選機能)。すなわち、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理などを行う。
抽選テーブル選択処理では、図示しない記憶手段(ROM)に格納されている複数の抽選テーブル(図示せず)のうち、いずれの抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役(ベル、チェリー)、レギュラーボーナス(RB:ボーナス)、およびビッグボーナス(BB:ボーナス)などの各種の役が対応づけられている。また、遊技状態として、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態が設定可能とされ、さらにリプレイの抽選状態として、リプレイ無抽選状態、リプレイ低確率状態、リプレイ高確率状態が設定可能とされる。
乱数判定処理では、スタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、遊技毎に前記乱数発生手段(図示せず)から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について前記抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役の抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。抽選フラグの設定情報は、記憶手段(RAM)に格納される。
入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されていることがある。この場合、前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、レギュラーボーナス(RB)およびビッグボーナス(BB)があり、それ以外の役(例えば、小役、リプレイ)は後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、内部抽選でレギュラーボーナスに当選すると、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態を、レギュラーボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行い、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このときメイン基板10は、内部抽選機能により、レギュラーボーナスやビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、レギュラーボーナスおよびビッグボーナス以外の役(小役およびリプレイ)についての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているレギュラーボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定し、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
メイン基板10は、所定条件下で内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる制御を行うことがある(リプレイ確率変動機能)。リプレイの抽選状態として、リプレイが内部抽選の対象から除外されるリプレイ無抽選状態、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定されるリプレイ低確率状態、およびリプレイの当選確率が約1/6に設定されるリプレイ高確率状態という複数種類の抽選状態を設定可能とされている。リプレイの抽選状態を変化させることにより、内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる。
メイン基板10は、遊技者がスタートスイッチ134の押下操作(回転開始操作)によるスタート信号に基づいて、第1リール〜第3リールをステッピングモータにより回転駆動して、第1リール〜第3リールの回転速度が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)に達した状態において回転中のリールにそれぞれ対応する3つのストップボタン140の押下操作(停止操作)を許可する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リール〜第3リールを抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じて停止させる制御を行う(リール制御機能)。
メイン基板10は、3つのストップボタン140に対する押下操作(停止操作)が許可(有効化)された状態において、遊技者が3つのストップボタン140を押下することにより、そのリール停止信号に基づいて、リールユニット203のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リール〜第3リールの各リールを停止させる制御を行う。
すなわち、メイン基板10は、3つのストップボタン140の各ボタンが押下される毎に、第1リール〜第3リールのうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている停止制御テーブル(図示せず)を参照して3つのストップボタンの押下タイミングや押下順序等(停止操作の態様)に応じた第1リール〜第3リールの停止位置を決定し、決定された停止位置で第1リール〜第3リールを停止させる制御を行う。
ここで停止制御テーブルでは、ストップボタン140の作動時点における第1リール〜第3リールの位置(押下検出位置)と、第1リール〜第3リールの実際の停止位置(または押下検出位置からの滑りコマ数)との対応関係が設定されている。抽選フラグの設定状態に応じて、第1リール〜第3リールの停止位置を定めるための停止制御テーブルが用意されることもある。
遊技機では、リールユニット203がフォトセンサからなるリールインデックス(図示せず)を備えており、メイン基板10は、リールが1回転する毎にリールインデックスで検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置(リールインデックスによって検出されるコマ)からの回転角度(ステップモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。すなわち、メイン基板10は、ストップスイッチ140の作動時におけるリールの位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
メイン基板10は、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールを停止させる制御として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止するように(当選した役を入賞させることができるように)リールを停止させる制御処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止しないように(当選していない役を入賞させることができないように)リールを停止させる制御処理である。すなわち本実施形態の遊技機では、上記引き込み処理及び蹴飛ばし処理を実現させるべく、抽選フラグの設定状態、ストップボタン140の押下タイミング、押下順序、既に停止しているリールの停止位置(表示図柄の種類)などに応じて各リールの停止位置が変化するように停止制御テーブルが設定されている。このように、メイン基板10は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないように第1リール〜第3リールを停止させる制御を行っている。
本実施形態の遊技機では、第1リール〜第3リールが、ストップボタン140が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御状態に設定されている。すなわち回転している各リールの停止位置を決めるための停止制御テーブルでは、ストップボタン140の押下時点から各リールが停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で設定されている。
メイン基板10は、第1リール〜第3リールの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リール〜第3リールの全てが停止した時点で入賞判定ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する(入賞判定機能)。
メイン基板10は、入賞判定機能による判定結果に基づいて、入賞時処理を実行する。入賞時処理としては、例えば、小役が入賞した場合にはホッパ81を駆動してメダルの払出制御処理が行われるか、あるいはクレジットの増加され(規定の最大枚数例えば50枚まで増加され、それを超えた分だけ実際にメダル払い出される)、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理が行われ、ビッグボーナスやレギュラーボーナスが入賞した場合には遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
メイン基板10は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う(払出制御機能)。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパ駆動部80でホッパ81を駆動して払い出させる。
メダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、ホッパ81によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段(RAM)のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
メイン基板10は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う(リプレイ処理機能)。リプレイが入賞した場合には、遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに前回の遊技と同じ規定投入数のメダルが自動的に投入状態に設定される自動投入処理が行われ、遊技機が前回の遊技と同じ入賞判定ラインを有効化した状態で次回の遊技における回転開始操作(遊技者によるスタートスイッチ134の押下操作)を待機する状態に設定される。
メイン基板10は、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態の間で遊技状態を移行させる制御を行うことがある(遊技状態移行制御機能)。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を他の遊技状態へ移行させることができる。
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。ボーナス成立状態は、内部抽選でビッグボーナスあるいはレギュラーボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、通常状態における内部抽選でビッグボーナスが当選した場合、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、通常状態における内部抽選でレギュラーボーナスが当選した場合、レギュラーボーナスが入賞するまでレギュラーボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持される。ボーナス状態では、ボーナス遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、入賞したボーナスの種類に応じて予め定められた払出上限数を超えるメダルが払い出されると、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる。
次に、遊技機における遊技処理について図4を参照して説明を加える。
一般的に、遊技機において、メダルの投入(クレジットの投入)に始まり、払い出しが終了するまで(又はクレジット数の増加が終了するまで)が一遊技である。一遊技が終了するまでは次回の遊技に進めないという決まりがある。
先ず、規定枚数のメダルが投入されることでスタートスイッチ134が有効になり、図4の処理が開始される。
ステップS1において、スタートスイッチ134が操作されることにより、スタートスイッチ134がONとなる。そして、次のステップS2に進む。
ステップS2において、メイン基板10により抽選処理が行われる。そして、次のステップS3に進む。
ステップS3において、第1リール〜第3リールの回転が開始する。そして、次のステップS4に進む。
ステップS4において、ストップボタン140が操作されることにより、ストップボタン140がONとなる。そして、次のステップS5に進む。
ステップS5において、第1リール〜第3リールのうち押下されたストップボタン140に対応するリールについて回転停止処理が行われる。そして、次のステップS6に進む。
ステップS6において、三個のリールに対応するストップボタン140の操作が行われたか否かが判定される。そして、三個のリールに対応する3つのストップボタン140すべての操作が行われたと判定された場合、次のステップS7に進む。
ステップS7において、抽選フラグ成立中に当該抽選フラグに対応する入賞図柄が有効入賞ライン上に揃ったか否か、すなわち、入賞が確定したか否かが判定される。そして、入賞が確定したと判定された場合、次のステップS8に進む。なお、入賞が確定しなかったときは、抽選フラグが成立していてもメダルの払い出しは行われない。
ステップS8において、入賞図柄に相当するメダルが払い出される。
ステップS9において、待機処理を行う。待機処理は、集中端子板30を介して図示しないホールコンピュータへ払い出し信号(OUT信号)の送信が完了するまで、次回遊技へ移行することを待つ処理である。待機処理はいわゆるウエイト処理であり、例えば、実行の時間間隔を調節するために、プログラムを一定時間何もしないで待機させる処理である。
メダルの投入からステップS8の実行完了までが、一遊技である。ステップS9は、今回の遊技を終了後、次回の遊技の開始の間に設けられた、時間調整のためのウエイト処理と言える。ステップS9の待機処理が終了すると、処理はフローチャートの最初に戻る。言い換えれば、次の遊技が可能な状態になる(次遊技へ移行する)。
図5は集中端子板30のブロック図を示す。図5は標準的な集中端子板30を示すものである。集中端子板30は、遊技機本体側より出力されるメダル投入信号(IN信号)、メダル払出信号(OUT信号)、大当たり信号(BB信号)、小当たり信号などを中継してホールコンピュータへ送るものである。集中端子板30は、統一した規格に基づき製作されることで、ホールで遊技機が入れ替えられた場合にも島設備の電気配線などに変更を加えることなく使用することができるものである。日本電動式遊技機工業協同組合が販売する外部集中端子板がよく知られている。
31は遊技制御手段100からの信号を受ける入力コネクタ、32は遊技制御手段100からの信号で駆動されるリレーコイル、33はリレーコイル32によりオンオフする接点、34はホールコンピュータへオンオフ信号を送るための出力コネクタである。リレーコイル32とその接点33がリレーを構成する。図5の集中端子板30は合計7個のリレーを含む。これらを、その符号に−1乃至−7を付すことで区別する。接点33−1乃至33−7の一方の端子は全部共通の端子(出力コネクタ34の端子6)に接続され、他方の各端子は出力コネクタ34の別々の端子に接続されている。端子6が共通端子(コモン)となり、各接点33のオンオフは、ホールコンピュータから見れば、出力コネクタ34の端子1乃至5、7及び8のいずれかと端子6との導通の有無を意味する。なお、入力コネクタには接地(グランド)端子及び電源端子も含まれるが、図5ではその表示を省略している。
例えば、遊技制御手段100から入力コネクタ31の端子1にメダル投入信号(Lレベル)を受けると、当該信号によりリレーコイル32−1が磁力を発生し、接点33−1を引き寄せることで当該接点がオンになる。したがって、出力コネクタ34の端子1と端子6が導通する。これをホールコンピュータで検出することで、メダルが投入されたと判定することができる。
なお、図5では、リレーコイル32が駆動されたときにオンになる接点33の出力がホールコンピュータへ送られているが、本発明はこれに限定されず、オフになる接点33の出力が送られるようにしてもよい。ホールコンピュータは、リレーの接点のオン又はオフ信号のどちらも受けることができる。
図5に示すように、集中端子板30はリレーを用いた構成であるために、その伝送速度は大きくない。例えば、ひとつのパルス信号(これは1枚のメダル払い出しを示すOUT信号に相当する)を送信するのに、120ms程度を要する。パルス(pulse)とは、通常はある一定値を保っているものがある決まった時間の間だけ変化すること、あるいはそのように変化する電圧値のような信号のことであり、通常、その変化の期間は考慮の対象にしている時間間隔に比較して短いものである。パルス信号とは、一般的に、パルスをひとつ又は複数含む信号のことであり、パルス列と呼ぶこともできる。ひとつのパルスで1ビットの情報を伝送することができる。
集中端子板30の各リレーは、メイン基板10から信号を受けて動作する。メイン基板10は、少なくとも、投入枚数の信号(IN信号)及び払出枚数の信号(OUT信号)を集中端子板30を通じて外部(図示しないホールコンピュータ)へ送信する(信号送信機能を果たしている)。メイン基板10は、例えば次のような処理を実行する。
メダルの投入を受けたら直ちにIN信号を送信する。メダルの投入ごとに当該処理を繰り返すので、投入枚数と同じ数のIN信号(パルス信号)が送出される。
メダルの払い出し時にOUT信号を送信する。入賞確定により払い出し枚数が決まるので、当該枚数と同じ数のOUT信号(パルス信号)が送出される。OUT信号の送信タイミングと、実際のメダルの払い出しタイミングとは、必ずしも一致しない。したがって、メダルの払い出しが終了しても、OUT信号の送信が完了していないことがある。
メダルの払い出し時とは、具体的には、表示図柄判定(図4のステップS7)の直後からホッパ81による払い出し動作の終了直後にかけての期間のことである。なお、メダルの払い出しには、実際にメダルを払い出すことのほかに、クレジットを増加させることも含む。
図6は、本実施形態の遊技機の払出信号(OUT信号)の出力処理のフローチャートである。図6の処理は、図4のステップS7で入賞が確定したときに開始される。言い換えれば、図4のステップS8と同時に、あるいはこれに前後して実行される。
ステップS−A:払出パルスの数(OUT信号のパルスの数)セットする。
図4のステップS7で入賞が確定すると同時に払い出すメダルの枚数が確定する。当該枚数を払出パルスの数として設定する。
ステップS−B:1枚の払出信号(OUT信号)を出力する。
集中端子板30のリレー32−2、33−2を駆動して、払出信号(OUT信号)を出力する。一回のリレーのオンが、1枚の払い出しを意味する。
ステップS−C:払出信号(OUT信号)が全て送信されたかどうか判定する。
払出信号(OUT信号、パルス信号)の数がメダルの払い出し枚数を意味し、当該枚数はステップS−Aでセットされている。ステップS−Bによる信号の出力回数が前記枚数に到達していなければ(S−CでNO)、ステップS−Bを繰り返す。出力回数が前記枚数に到達していれば(S−CでYES)、ステップS−Dに進む。
ステップS−D:次遊技移行処理を行う。
具体的には、図4のステップS9の待機処理を終了し、メダルの投入を受け付ける状態に移行し、メダルが投入されたらスタートスイッチ134を有効化する。
図4のステップS9の待機処理を終了するために、フラグを用いてもよい。例えば、図6のステップS−A又はS−Bにおいて、OUT信号が出力中であることを示すフラグをセットする。フラグを記憶する場所は任意であるが、メインメモリ(RAM)にセットすることができる。図6のステップS−CでYESと判定されたとき、当該フラグをリセットする。そして、図4のステップS9で当該フラグを常時監視している。このような処理により、図4の処理と図6の処理を連携させることができる。
以上説明した、図6のステップS−A〜S−Dの処理により、次遊技の開始は、OUT信号の出力の完了まで待機させられる。したがって、今回遊技と次回遊技の信号が混同されることがなくなり、ホールコンピュータは遊技機における払出枚数を正しく把握できる。
なお、メイン基板10は、遊技機にメダルが投入されたときの投入信号(IN信号)を、集中端子板30を介してホールコンピュータへ送信している。具体的には、メダルの投入を受け付けるごとに、リレー32−1,33−1を駆動してオンオフを繰り返す。その出力パルスの波形は、OUT信号とほぼ同じものである。
図7(a)は、本実施形態の遊技機のOUT信号に関するタイミングチャートである。同図は5枚のメダルが払い出される例を示し、OUT信号の送出の途中(時刻tB、3つ目のパルスと4つ目のパルスの間)で、図4のステップS8の払い出しが終了している。本実施形態によれば、OUT信号の全てが送信されるまでの間、図4のステップS9の処理により遊技機は待機状態になる。したがって、図7(a)の場合でもOUT信号の全てが送信されるまで(時刻tC、5つ目のパルスが送信されるまで)、次の遊技が開始されることはない。したがって、ホールコンピュータは遊技機における払出枚数を正しく把握できる。なお、メダルの投入が完了した時刻tDにおいて、図4の処理が開始され、ステップS1が実行される。
これに対し、図7(b)は従来のタイミングチャートを示す。この例では、tBで払い出しが終了すると、その直後から次回遊技が開始可能である。したがって、ホールコンピュータは、tB以降の4枚目、5枚目のメダルの払い出しを示すOUT信号を正しく認識することができなくなるおそれがある。
ところで、上述のように、払出信号(OUT信号)は、リレーにより信号伝送を行っているので、その速度は大きくない。そのため、払出信号(OUT信号)が遊技の進行に追いつけないことが考えられる。例えば、払出信号(OUT信号)の送出完了までにビッグボーナス信号(BB信号)が終了することが有り得る。このことで、ホールコンピュータがビッグボーナス中における払出枚数を正しく把握できなくなるおそれがある。
ボーナス中においても、ホールコンピュータが払出枚数を正しく把握できるようにするには、図8の処理を行うようにすればよい。
図8は、本実施形態の遊技機のBB信号の出力処理と払出信号(OUT信号)の出力処理のフローチャートである。
ビッグボーナスが入賞した場合には、メイン基板10の遊技状態移行制御機能によって遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われるとともに、図8のS10〜S14の処理が行われる。
S10:集中端子板30のリレーを駆動して、BB信号の出力を開始する。集中端子板30において、どのリレーがBB信号を出力するか、予め定められており、例えばリレー32−3,33−3が使用される。
S11:BB信号は、BB中の間は継続して出力される(すなわち、リレーの接点33−3がオンのまま)。
S12:BBが終了したら(S11でNO)、払出処理及びOUT信号の出力処理が完了したかどうかチェックする。具体的には、後述の払出処理及びOUT信号の出力処理においてセットされるフラグを監視する。
S13:フラグがセットされていなければ、払出処理及びOUT信号の出力処理は終了しているので、S13でNOと判定する。フラグがセットされていれば、払出処理及びOUT信号の出力処理は終了していないから、S13でYESと判定し、BB信号の出力を維持する(S14を実行しない)。
S14:S13でNOのときに、BB信号の出力を終了する。
以上の処理からわかるように、たとえBBが終了したとしても、払出処理及びOUT信号の出力処理が終了しない間は、BB信号は出力されたままである。
ビッグボーナスに限らず小役が入賞した場合には、メイン基板10によって図8のS20〜S25の処理が行われる。図8のS20とS23は、図4のS8に相当する。図8のS21とS23は、図6のS−BとS−Cに相当する。
S20:ホッパ駆動部80を駆動して払い出しを開始する。払い出しの単位はメダル1枚である。
S21:同時に、集中端子板30のリレー32−2,33−2を駆動して、OUT信号の出力を行う。
S22:払い出し及びOUT信号の出力中のフラグをセットする。例えば、図示しないメモリの特定の番地のデータを0から1に変更する。この場合、1はフラグがセットされていることを示し、0はフラグがセットされていないことを示す。フラグをリセットするとは、データを1から0に変更することである。なお、0と1の意味づけを交換してもよい(言い換えれば、正論理と負論理のどちらも採用できる)。なお、S20〜S22の順番は、図9の例に限定されない。前記フラグは、ホッパ81が払い出し中であるか、又は、OUT信号の送信中であることを示す。したがって、ホッパ81の払い出しが完了し、かつ、OUT信号の送信が完了したときに、前記フラグはリセットされる。
S23:払い出しカウントが規定数かどうか判定する。メイン基板10は、メダル検出器82に基づき何枚のメダルを払い出したか計数する。入賞の種類によって払い出すメダルの枚数が予め定められていて、当該枚数に達するまで(S23でNO)、S20〜S22を繰り返す。この間、フラグはセットされたままである。
S24:規定枚数を払い出したら(S23でYES)、払い出し及びOUT信号の出力を終了する。払い出し又はOUT信号の出力のいずれか一方が終了していないときは、S23でNOとなる。なお、ホールコンピュータにおいてBB中のメダル払い出し枚数を正しく認識するという目的を達成する点について言えば、S23においてOUT信号についてのみ判定すれば足りる(S23で払い出しの完了を確認しなくてもよい)。
S25:払い出し及びOUT信号の出力中のフラグをリセットする。
以上説明したS10〜S14及びS20〜S25の処理により、BB信号は払い出し及びOUT信号の出力の完了まで維持される。したがって、ホールコンピュータはビッグボーナス中における払出枚数を正しく把握できる。
図9(a)は、本実施形態の遊技機のBB信号とOUT信号に関するタイミングチャートである。同図は5枚のメダルが払い出される例を示し、払い出しの途中(t2)でBBが終了している。本実施形態によれば、このような場合でもBB信号はOUT信号の出力終了(t3)の後(t5)まで維持される。これは、フラグがt4までリセットされないからである。
これに対し、図9(b)は従来のタイミングチャートを示す。この例では、t2でBBが終了すると、その直後(t6)でBB信号が出力されなくなる。したがって、ホールコンピュータは、t6以降の3枚目、4枚目、5枚目のメダルの払い出しを示すOUT信号を、BBとの対応関係において正しく認識することができない。
なお、以上の説明において、遊技機からの信号をホールコンピュータで受信する場合を例に挙げていたが、本発明はこれに限定されない。受信側の装置は特に制限を受けない。要するに、集中端子板からの信号を受信できる装置であればよく、一般的なパソコンや遊技機内部の他の基板(例えばサブ基板)が前記信号を受信するようにしてもよい。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
1 メダルセレクタ
10 メイン基板
30 集中端子版
32−2,33−2 第1リレー
32−3、33−3 第2リレー
203 リールユニット
BET ベットスイッチ
S1,S2 メダルセンサ

Claims (3)

  1. 外周面に複数種類の図柄が配列されている複数のリールと、
    遊技媒体の投入を受け付けるセレクタのセンサの出力に基づき予め定められた規定投入数に相当する遊技媒体が投入されたことを検知したこと、または、ベットスイッチを操作することで遊技機にクレジットされた遊技媒体が前記規定投入数だけ投入状態に設定されたことに基づいて前記複数のリールの回転開始操作を許可し、前記回転開始操作に基づいて小役を含む複数種類の役の当否を決定する内部抽選を行うとともに、前記複数のリールを回転させ、停止操作を契機として前記複数のリールを前記内部抽選の結果に応じて停止させる制御を行い、前記複数のリールが停止した状態で、役毎に予め定められた入賞形態を示す図柄組合せが入賞判定ライン上に表示されたときに役が入賞したと判定し、前記小役が入賞したことを契機として遊技媒体の払い出しに関する制御を行うメイン基板と、
    少なくとも、前記メイン基板により制御されて前記遊技媒体の払い出し枚数の信号を出力する第1リレーを含む集中端子板と、を備えた遊技機であって、
    前記メイン基板は、
    前記小役が入賞した後に前記遊技媒体の払い出しを行うとともに、予め定められた待機処理を行い、
    前記小役が入賞した後に前記集中端子板の前記第1リレーを駆動して前記遊技媒体の払い出し枚数に対応する数のパルス信号を出力させ、
    前記パルス信号の出力を終了したことに基づいて、前記待機処理を終了して、次遊技を実行可能とする、ことを特徴とする遊技機。
  2. 前記メイン基板は、前記待機処理の実行中において、前記セレクタによる遊技媒体の受け付けを行わないとともに、前記ベットスイッチの操作を受け付けず、
    前記待機処理を終了した後において、前記セレクタによる前記遊技媒体の投入の受け付けを許可するとともに、前記ベットスイッチの操作を受け付ける、ことを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  3. 前記内部抽選で当否が決定される前記複数種類の役は、少なくとも、ボーナスを含み、
    前記メイン基板は、初期状態に相当する遊技状態である通常状態及び前記ボーナスの入賞に基づいて移行するボーナス状態を含む複数種類の遊技状態の間で遊技状態を移行させる制御を行い、
    前記集中端子板は、さらに、前記メイン基板により制御されて前記ボーナス状態の信号を出力するための第2リレーを含み、
    前記メイン基板は、
    前記ボーナス状態になった場合に、前記集中端子板の第2リレーを駆動して、外部へ前記ボーナス状態の信号の出力を開始し、前記ボーナス状態でなくなったときに、前記第1リレーにより前記パルス信号を出力中であるかどうかを調べ、出力中であるとき、前記ボーナス状態の信号の出力を維持し、出力中でないとき、前記ボーナス状態の信号の出力を終了し、
    前記小役に入賞して遊技媒体を払い出す場合に、前記集中端子板の前記第1リレーを駆動して、外部へ前記パルス信号の出力を開始し、前記遊技媒体の払い出し枚数に相当する前記パルス信号の出力の終了までの間、前記パルス信号を出力中であるとし、前記遊技媒体の払い出し枚数に相当する前記パルス信号の出力を終了したことに基づいて、前記パルス信号を出力中でないとする、ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の遊技機。
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