以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について、図1乃至図3を参照して説明する。図1は、実施形態に係る遊技機1を示す正面図である。図2は、遊技機1を示す背面図である。図3は、払出装置30及び球誘導通路40を示す機構板20の横断面図である。遊技機1は、遊技球(パチンコ球)を使用してスロット遊技を行うタイプのものである。
図1に示すように、遊技機1は、矩形に組まれた外枠2の内側に各種の構成要素が配置されている。なお、このタイプの遊技機1は、外枠2の規格をパチンコ機のものと同様にすることで、パチンコ機用として既存する島設備への設置が容易である。このため、同一の島設備にパチンコ機とスロットマシンとを混在させたり、あるいは既存の島設備をスロットマシン向けに転用したりできるといった商用の利点がある。
遊技機1は、遊技者と相対する前面側にフロントドア3を備え、該フロントドア3は、その一側方部に取り付けられるヒンジ(図示しない)によって外枠2に開閉可能に設けられている。フロントドア3のほぼ中央部分には、横長方形状の表示窓4が形成されており、該表示窓4の裏面側には、左、中、右の図柄を個々に変動表示する変動表示部を含む図柄表示器5が設けられている。本実施形態において、図柄表示器5は、左、中、右の変動表示部を構成する3つの回転ドラム5a〜5cを備えたドラムユニットからなり、回転ドラム5a〜5cの各外周面には、その周方向に所定の間隔を置いて複数の図柄が付されている。そして、遊技者には、回転ドラム5a〜5cに付された複数の図柄のうち一部の図柄だけが表示窓4を通して視認可能となっている。なお、回転ドラム5a〜5cには、それぞれ回転位置を検出するためのドラム原点検出スイッチ27a〜27c(図6に符号のみ記載)が設けられている。また、図柄には、例えば、数字の「7」を図案化したものやベル等の縁起物を図柄化したもの、スイカ、リンゴ、チェリー等の青果類を図案化したもの、あるいは遊技機1の機種を特徴付けるキャラクターや図形、記号等を図案化したもの等が含まれ、これらの図柄の組合せには、それぞれ何らかの役(例えば、各種ボーナス、小役、リプレイ等)が割り当てられている。
また、遊技機1によるスロットマシン遊技は、後述する取込装置17による遊技球の取り込みによって実施可能となる。具体的には、1単位個数分(例えば、5個)の遊技球がスロットマシンで用いるメダル(コイン)1枚分に相当し、取込装置17によって最初に遊技球が取り込まれると、その1単位がスロットマシン遊技でいう1ベットに充てられる。あとは公知のように、取り込まれた単位数に応じてベット数が順に1から3まで増加する。
表示窓4の上方には、遊技の進行に伴う演出や各種の文字情報、画像情報等を表示するための液晶表示器6が配設されている。液晶表示器6の左右両側方には、遊技の進行に伴う効果音やBGM、音声等を出力するためのスピーカ7が配設されている。一方、表示窓4の下方には、2つのベットボタン8,9と、始動レバー10と、3つの停止ボタン11,12,13とが配設されている。ベットボタン8,9は、それぞれベット数を選択するための操作ボタンであり、このうちベットボタン8は、シングルベットと2ベットに対応し、1回の操作毎にベット数を1ずつ加算する。また、ベットボタン9は、MAXベットに対応し、1回の操作で状況に応じて最大3ベットを行う。始動レバー10は、左、中、右の図柄(回転ドラム5a〜5c)の変動表示を一斉に開始するための操作レバーである。停止ボタン11は、左図柄(回転ドラム5a)の変動表示を停止するための操作ボタンであり、停止ボタン12は、中図柄(回転ドラム5b)の変動表示を停止するための操作ボタンであり、停止ボタン13は、右図柄(回転ドラム5c)の変動表示を停止するための操作ボタンである。
また、フロントドア3には、図柄の有効ラインを明示する有効ラインランプやボーナスゲームが行われているときに点灯するボーナスランプ等の各種ランプ24(図6に符号のみ記載)と、残りのボーナスゲーム数が表示される表示7セグメントLED25(図6に符号のみ記載)と、遊技球の払い出しに応じて点灯する払出ランプ26とが設けられている。
そして、ベットがされている状態で、始動レバー10が操作されると、左、中、右の図柄(回転ドラム5a〜5c)の変動表示が一斉に開始される。その後、図柄の変動表示中に停止ボタン11,12,13が押されると、各停止ボタン11,12,13と対応した図柄の変動表示が停止して、表示窓4内に図柄が停止表示される。このとき、表示窓4内で有効化されている入賞ライン上に一定の図柄の組合せ(例えば、特定の図柄が1列に揃った状態)が表示されると「入賞」となり、このとき入賞した図柄の種類に応じて遊技者に入賞特典が付与される。入賞特典としては、例えば、賞球の払い出しや遊技特典(いわゆるビッグボーナスゲームやレギュラーボーナスゲーム、あるいはアシストタイム、チャレンジタイム等)への移行等を挙げることができ、遊技者は、特典遊技を実行することでより多くの賞球を獲得することが可能となる。
フロントドア3の下方には、遊技に使用するための遊技球を貯留する貯留皿14が設けられている。貯留皿14には、遊技機1の裏面側(具体的には、後述する払出装置30)から払い出される遊技球を受け入れるための球受入口15と、該球受入口15から受け入れた遊技球を流下する傾斜状の球通路16とが設けられている。また、球通路16の下流端部には、取込装置17が接続されており、球通路16を流下した遊技球は、取込装置17の球取込口17aに案内されるようになっている。取込装置17は、一定個数(例えば、5個)の遊技球を1単位として取り込み、遊技機1による遊技を実行可能にするものである。具体的に、取込装置17は、上面に1単位個数分の遊技球を1列に並べた状態で載せることができるフィンプレートや該フィンプレートを回動するモータ等(共に図示しない)から構成されている。なお、取込装置17に取り込まれた遊技球は、排出通路18を通って球排出口18aから遊技機1の裏面側に排出されるようになっている。
図2に示すように、遊技機1の裏面側には、機構部品等が取り付けられる機構板20が設けられている。機構板20の裏面上部には、遊技球が貯留される球タンク21と、該球タンク21の一端寄りの端部下方に接続されるタンクレール22とがそれぞれ装着されている。タンクレール22は、その一側から他側(図2の左側から右側)に向けて遊技球を背面から見て前後方向の2列に整列させながら流下する傾斜状の球送り通路として形成され、タンクレール22の下流端には、払出装置30が接続されている。払出装置30は、入賞に基づいて遊技球(賞球)を払い出したり、あるいは遊技球(貸球)の貸し出しを行うものである。払出装置30の下方には、払出装置30から排出された遊技球を賞球又は貸球として前記貯留皿14に誘導するための球誘導通路40と、払出装置30から排出された遊技球を遊技機1から抜き出す(球抜きする)ための球抜き通路23とが設けられている。
払出装置30は、タンクレール22の下流端と連通する球受入口31aが上端部分に形成された球通路31と、該球通路31の下流端となる球排出口31bから排出される遊技球を受け止めてこれを賞球又は貸球として払い出す球受回転体32と、該球受回転体32の駆動源となる払出モータ50(図6に符号のみ記載)と、球受回転体32の一方向(図2の反時計方向)への回転によって賞球又は貸球として払い出される遊技球を球誘導通路40に誘導する第1誘導通路33と、該第1誘導通路33内に設けられて払い出される遊技球の確認を行う払出検出スイッチ34と、球受回転体32の他方向(図2の時計方向)への回転によって遊技球を球抜き通路23に誘導する第2誘導通路35と、該第2誘導通路35内に設けられて球抜きされる遊技球の確認を行う球抜き検出スイッチ36とを備えている。
なお、払出検出スイッチ34及び球抜き検出スイッチ36は、それぞれ遊技球の通過検出穴を備えた磁気タイプの検出スイッチから構成されており、各検出スイッチ34,36の通過検出穴は、チャタリングを防止するために各誘導通路33,35の通路幅と同一の直径寸法に設定されている。但し、チャタリング防止の構成としては、通過検出穴の直径寸法を通路幅以上の値に設定すればよい。また、払出検出スイッチ34は、球誘導通路40内の遊技球が満タンとなり、貯留皿14への遊技球の払い出しが行えなくなった場合、第1誘導通路33内に停留された遊技球を検出することで満タン状態を検出する満タン検出スイッチとしての機能を兼ね備えている。これにより、検出スイッチ1個分の配置スペースの節約とコストダウンを招来している。具体的に、払出検出スイッチ34によって満タン状態が検出されると、払出装置30(球受回転体32)の払出モータ50の駆動を即座に停止することで、払出装置30による遊技球の払い出し動作を中断する。但し、未払い出しの遊技球は、遊技動作を制御する主制御基板102(図6に符号のみ記載)のRAM内に未払い出しデータとして記憶され、満タン状態が解消された後に、記憶された未払い出しデータに基づいて払い出される。
また、球受回転体32には、背面から見て前後方向の2列で交互に遊技球を受け止める球受凹部32a(図4参照)が形成されており、球通路31、第1誘導通路33、及び第2誘導通路35は、それぞれタンクレール22と同様に、背面から見て前後方向の2列で遊技球を誘導する球通路の形状に形成されている。これにより、球排出口31bから排出された前後2列の遊技球は、球受回転体32の前後2列の球受凹部32a上に交互に流れ、払出装置30からは、前後2列で交互に遊技球が排出されるようになっている(図3参照)。なお、前後2列の第1誘導通路33の各通路内には、それぞれ払出検出スイッチ34が設けられ、前後2列の第2誘導通路35の各通路内には、それぞれ球抜き検出スイッチ36が設けられている。即ち、払出検出スイッチ34及び球抜き検出スイッチ36は、それぞれ2個ずつ設けられており、以下の説明では、第1及び第2の各払出検出スイッチ34a,34b、第1及び第2の各球抜き検出スイッチ36a,36bともいう(図6参照)。
また、払出装置30における球排出口31bには、図4に示すように、回動自在に軸支される左右一対の可動案内部材51が設けられている。可動案内部材51は、支軸52を中心に回動自在に設けられ、その一端側の端部には、球通路31の外側に突設された円弧突起53のストッパ当接部53aと当接するストッパ部54が形成されている。一方、可動案内部材51の軸支位置と反対側の他端側には、球排出口31bから供給された球を下方に案内する案内部55と、前記円弧突起53の上方に突設されて上部を支点として横方向に弾性変形可能な板状弾性片56の被当接部56aと当接する当接部57とが形成されている。また、可動案内部材51の下側面には、球を押し下げる押下円弧面58が略湾曲状に形成されている。
また、払出装置30における球通路31の上流側には、レバー軸59に軸支された揺動レバー60と、該揺動レバー60の近傍に配置された球不足検出スイッチ61とが設けられている。揺動レバー60と球不足検出スイッチ61の関係について説明すると、球通路31内に球が整列しているときには、球の球圧によって揺動レバー60の下端が、球通路31の外側に形成されたストッパ部(図示しない)と当接した状態となっている。このため、揺動レバー60の後方に位置する球不足検出スイッチ61のアクチュエータがスイッチをOFFとしている。一方、球通路31内に球がなくなったときには、揺動レバー60が球不足検出スイッチ61のアクチュエータの付勢力によって球通路31内に侵入するように揺動し、スイッチをONとする。そして、球不足検出スイッチ61がONになると払出モータ50の回転駆動を停止(但し、払出動作中の場合には当該払出動作に係る数の球を払い出してから停止させても良い)させるようになっている。
次に、球誘導通路40について説明する。図2及び図3に示すように、球誘導通路40は、払出装置30(第1誘導通路33)の球排出口37及び貯留皿14の球受入口15と個々に連通して配置され、払出装置30から払い出された遊技球を貯留皿14に誘導する。なお、払出装置30の球排出口37と貯留皿14の球受入口15とは、遊技機1を背面から見た左右方向において鉛直中心線を境とした同一側(図2中では、鉛直中心線を境とした右側)に配置されている。また、球誘導通路40は、貯留皿14(球受入口15)から溢れた遊技球を貯留する予備貯留部41を備えている。予備貯留部41の左側内部には、球排出口37から排出された遊技球を列状に流下して球受入口15に誘導する列状通路42が設けられている。予備貯留部41の右側内部には、列状通路42を構成する後述の第1側方通路部43の球溢れ口45から溢れた遊技球を受けてこれを球受入口15に誘導する溢球通路46が設けられている。なお、予備貯留部41から構成される球誘導通路40は、図3に示すように、遊技球の直径の4倍強の奥行き寸法に形成されると共に遊技機1を背面から見て左右方向に沿って延設されている。これにより、球誘導通路40(予備貯留部41)は、払出装置30から払い出された前後2列の遊技球を延設方向(背面から見て左右方向)に沿って4〜5個程度の列状に流下するようになっている。また、球誘導通路40の後面壁は、平坦面形状をなし、その裏面側には、電源基板ボックス38と払出制御基板100ボックス39とが取り付けられている。払出制御基板100ボックス39には、後で詳述する払出制御基板100が収容され、電源基板ボックス38には、電源ユニット基板101が収容される。
列状通路42は、上下2段に設けられた第1側方通路部43及び第2側方通路部47と、底面通路部44とを備えている。第1及び第2の側方通路部43,47は、それぞれ遊技機1を背面から見て左側に下傾した棚板状の通路底面43a,47aを有しており、予備貯留部41の延設方向の側方(背面から見た左側方)に向けて遊技球を流下する。第1側方通路部43は、球排出口37から排出された遊技球を受けてこれを下流端の球落下口43bから底面通路部44上に流下する。第2側方通路部47は、溢球通路46内の遊技球を受けてこれを下流端の球落下口47bから底面通路部44上に流下する。なお、下段側の第2側方通路部47は、上段側の第1側方通路部43よりも遊技球を球受入口15寄りの底面通路部44上に誘導するようになっている。
底面通路部44は、第1側方通路部43の通路底面43aと第2側方通路部47の通路底面47aとを通路上面とすると共に予備貯留部41の底面(遊技機1を背面から見て右側に下傾した底面)を通路底面44aとして形成されており、第1及び第2の側方通路部43,47の各球落下口43b,47bから落下した遊技球を受けてこれを球受入口15に向けて流下する。
ところで、前記側方通路部43の高さ寸法Aは、遊技球の直径よりも大きく且つ遊技球の直径の2倍よりも小さい値(遊技球1個分の高さ寸法)に形成され、側方通路部43の球落下口43bの横幅寸法Bは、側方通路部43の高さ寸法Aよりも大きい値(具体的には、遊技球の直径の2倍強の値)に形成されている。これにより、列状通路42内で遊技球が停留することで側方通路部43内の下流端側の遊技球に圧力(以下、これを球圧という)がかかるような場合でも、球圧によって球詰まりが生じて球落下口43bから遊技球が落下しなくなることを防止することができる。なお、本実施形態では、第1及び第2の側方通路部43,47を遊技球1個分の高さ寸法に形成するのに対して、底面通路部44の高さ寸法を遊技球の直径の3〜4倍程度に形成しており、底面通路部44内に遊技球が3〜4段程度に積層可能となっている。
次に、球誘導通路40の予備貯留部41による遊技球の貯留プロセスについて説明する。払出装置30の球排出口37から排出された遊技球は、真下に落下して列状通路42に入り、列状通路42の第1側方通路部43を通って球受入口15の配置側とは反対側に列状態で誘導される。その後、遊技球は、折り返し点となる球落下口43bを落下して底面通路部44上に送り込まれ、底面通路部44を通って列状態で球受入口15に導かれることで、予備貯留部41の左側内部から貯留皿14に払い出される。そして、入賞等によって多量の遊技球が払出装置30から払い出され、列状通路42(第1側方通路部43及び底面通路部44)内で遊技球が停留すると、球溢れ口45から溢れた遊技球が盛り上がり溢球通路46に流れ込み、通路底面46a上を流下して球受入口15側に導かれることで、予備貯留部41の右側内部に遊技球が貯留される。また、このとき、溢球通路46内の遊技球が第2側方通路部47(通路底面47a)の高さ位置よりも高く貯留されると、その遊技球は、予備貯留部41の左側内部に振り分けられるべく第2側方通路部47を通って底面通路部44上に誘導され、底面通路部44で停留した遊技球の上に積層状態で貯留される。また、球誘導通路40(予備貯留部41)内での遊技球の貯留が満タンとなり、貯留皿14への遊技球の払い出しが行えなくなった場合には、払出検出スイッチ34が第1誘導通路33内に停留された遊技球を検出することで満タン状態を検出して、払出装置30による遊技球の払い出し動作を中断する。その後、貯留皿14の遊技球が減少してくると、予備貯留部41内に貯留された遊技球が底面通路部44の通路底面44a及び溢球通路46の通路底面46aを自然に流下して貯留皿14の球受入口15に送り込まれる。
次に、払出装置30の作用について説明する。遊技に先だって、あるいは、遊技の際において、球タンク21からタンクレール22の前後2列の球送り通路を経て、球受入口31aから払出装置30の球通路31を順に流れ、球排出口31bを経て球受回転体32の前後2列の球受凹部32a上に交互にそれぞれ流れる。
ここで、遊技機1の前側の所定位置に配設された球貸スイッチ103(図6に符号のみ記載)が作動されると、その信号が払出制御基板100(図6に符号のみ記載)に送られる。また、前記球貸スイッチ103の作動に基づく信号が遊技機1の片側に設置された球貸機104(図6に符号のみ記載)に送られ、その球貸機104から発せられる貸球数に対応する数の信号が払出制御基板100に送られる。これに基づいて払出制御基板100から発せられる払出信号によって払出モータ50が回転制御される。すると、払出モータ50によって、球受回転体32が一方向(図4における反時計回り方向)にかつ貸球数に対応する回転数あるいは回転角度だけ回転する。球受回転体32の所定方向の回転によって、その前後2列の球受凹部32aに球が順次に受けられ、前後2列の第1誘導通路33にそれぞれ払い出される。前後2列の第1誘導通路33にそれぞれ払い出された球は、機構板20に形成される球誘導通路40を経て遊技機1の前面側に設けられる貯留皿14に払い出される。
また、遊技の際、入賞が検出されると、その信号が主制御基板102に送られる。そして、主制御基板から発せられる賞球数に対応する数の信号が払出制御基板100に送られ、これに基づいて払出制御基板100から発せられる払出信号によって払出モータ50が回転制御される。すると、払出モータ50が貸球信号のあったときと同様に回転制御されて賞球を貯留皿14に払い出す。
一方、球抜き信号が払出制御基板100に入力されると、払出モータ50が逆回転して球受回転体32を反対方向(図4における時計回り方向)に回転する。球受回転体32の反対方向の回転によって、その前後2列の球受凹部32aに球が順次に受けられ、前後2列の逆の第1誘導通路33にそれぞれ払い出される。前後2列の逆の第1誘導通路33にそれぞれ払い出された球は、機構板20に形成される第2誘導通路35を経て遊技機1が設置される島台の回収樋に放出される。
前記したように球通路31の直下に位置する球排出口31bに供給された球を、球受回転体32の回転動作によって、その前後2列の球受凹部32aに受け、これら球を払い出す際、球排出口31bの可動案内部材51と球受回転体32の外周面との間に球が不測に噛み込もうとすることがある。球が噛み込もうとして所定値以上の荷重が可動案内部材51に作用すると、可動案内部材51は、板状弾性片56を弾性変形させながら、その案内部55が球受回転体32の外周面から遠ざかる退避位置に向けて支軸52を中心として回動し変位して噛み込んだ球を押下円弧面58で誘導しながら回転方向に移動させる(図5(A)(B)参照)。このため、球排出口31bの可動案内部材51と球受回転体32の外周面との間に球が不測に噛み込んで球受回転体32の回転が停止する、という球噛みによる不具合の発生を防止することができる。また、本実施形態においては、球排出口31bの両側部に一対の可動案内部材51が球案内位置と、退避位置とに変位可能に設けられ、一対の可動案内部材51の案内部55の間隔寸法が球排出口31bの間隔寸法(球の直径寸法よりも1.05倍程度)とほぼ同じ間隔寸法に設定されている。このため、球排出口31bに供給された球を一対の可動案内部材51の案内部55によって球受回転体32に向けて良好に案内することができる。
次に、遊技機1の遊技動作を制御する主制御基板102、表示や音を制御する表示/音制御基板101、及び遊技球の払い出しを制御する払出制御基板100について図6を参照して説明する。図6に示すように、主制御基板102は、CPU102a(中央演算装置)、ROM102b(読み出し専用メモリ)、RAM102c(読み書き可能メモリ)、カウンタ102d、入力制御回路102e、出力制御回路102f、試験端子102g、及びこれらを接続するBUS(信号線)(図示省略)から構成されている。CPU102aは、ROM102bに格納されている遊技制御プログラム(例えば、回転ドラム5a〜5cの停止制御ロジック等)を実行することにより、遊技機1の各種遊技の制御を行う。RAM102cには、主制御基板102で実行される処理過程において生成される各種データ(例えば、取得した乱数値、回転ドラム5a〜5cの回転位置情報等)が一時的に保存される。カウンタ102dは、所定の数値を上限としたフリーランニングカウンタであり、CPU102aからの信号を受信した際にカウントされている乱数値を取得してレジスタに記憶する機能を有している。
入力制御回路102eは、取込装置17、各ベットボタン8,9、始動レバー10、各ドラム停止ボタン11,12,13から出力された信号を受信し、その信号を主制御回路102内で処理可能なデータ形式に変換する。また、入力制御回路102eは、各ドラム原点検出スイッチ27a〜27cからのインデックス信号と、払出制御基板100からのACK信号及び払出完了信号とを受信する。なお、取込装置17は、中継端子板110aを介して主制御基板102に接続されている。各ベットボタン8,9は、中継端子板110bを介して主制御基板102に接続されている。始動レバー10及び各ドラム停止ボタン11,12,13は、中継端子板110cを介して主制御基板102に接続されている。各ドラム原点検出スイッチ27a〜27cは、中継端子板110eを介して主制御基板102に接続されている。
出力制御回路102fは、表示/音制御基板101及び払出制御基板100にコマンド信号を出力し、取込装置17及び各回転ドラム5a〜5c(厳密には、各ドラム駆動用のモータ)に駆動信号を出力する。なお、表示/音制御基板101は、中継端子板110dを介して主制御基板102に接続されている。各回転ドラム5a〜5c(各ドラム駆動用のモータ)は、各ドラム原点検出スイッチ27a〜27cと同様に中継端子板110eを介して主制御基板102に接続されている。
ここで、ボーナスゲームの当選フラグについて説明する。ベットボタン8,9操作されると、検知信号がCPU102aに送信される。この状態で始動レバー10が操作されると、その始動信号がCPU102aに送信される。始動信号を受信したCPU102aは、カウンタ102dに信号を出力し、信号を受信したカウンタ102dはその時にカウントしている乱数値を取得してレジスタに記憶する。レジスタに記憶された乱数値はCPU102aによって読み込まれる。また、主制御基板102から回転ドラム5a〜5cの各モータに駆動パルス信号が出力され、回転ドラム5a〜5cが回転される。取得された上記の乱数値は、ボーナスゲームの当たり値か否かの判別が行われる。この判別は、具体的には、ROM102bに格納されているテーブルデータの当たり値と一致するか否かによって行われる。判別の結果が当たり値であった場合には、当選フラグがONにされてRAM102cに記憶される。
上述した当選フラグがONあるいはOFFの場合の回転ドラム5a〜5cの停止制御について説明する。主制御基板102は、ドラム原点検出スイッチ27a〜27cが検知した回転ドラム5a〜5cの回転タイミングを受信している。また、主制御基板102は、ドラム停止ボタン11,12,13が操作されたことを検知するドラム停止信号も受信している。そして、回転タイミングの検知からドラム停止信号受信までに回転ドラム5a〜5cの各モータに出力された駆動パルス信号のパルス数との比較から、ドラム停止信号受信時の回転ドラム5a〜5cの回転位置を求めることができる。
本実施形態の遊技機1は、当選フラグがONの状態で、回転ドラム5a〜5cのドラム停止ボタン11,12,13が停止操作され、その時に表示窓4に表示されている図柄よりも後の4図柄以内に当選フラグに対応した図柄が含まれている場合には、当選フラグに対応した図柄が停止表示される(いわゆる、「スベリ」が4つ行われる)。上述したように回転ドラム5a〜5cの回転位置を求めることができると、ドラム停止信号受信時に表示窓4に表示されている図柄を知ることができる。表示窓4に表示されている図柄を知ることができると、この図柄よりも後の4図柄以内に当選フラグに対応した図柄が含まれているか否かが判断できる。ドラム停止信号受信時の図柄よりも4図柄以内にフラグに対応した図柄が含まれている場合には、フラグに対応した図柄は停止表示され、含まれていない場合にはフラグに対応した図柄で停止表示させることができない。図柄の停止表示は、主制御基板102から回転ドラム5a〜5cの各モータへの出力信号を停止することで回転ドラム5a〜5cの回転を停止させることによって行われる。
試験端子102gは、当選フラグを出力するための端子であり、試験機関において遊技機1を試験する際、遊技機1に接続される試験装置(図示しない)に当選フラグを出力する。但し、この試験端子102gは、試験用の主制御基板102に実装されるものであり、商品出荷用の主制御基板102には、試験端子102gは実装されない。また、商品出荷前には、主制御基板102に接続される各中継端子板110a〜110c,110eに試験装置が接続されて遊技機1の試験が行われる。具体的には、各中継端子板110a〜110c,110eから各種構成部材17,8〜13,27a〜27cが取り外され、代わりに試験装置が接続される。そして、各中継端子板110a〜110c,110eを介して試験装置から各種の動作要求信号を主制御基板102に出力し、動作要求信号に応じた動作が正常に行われるかを試験する。
表示/音制御基板101は、CPU101a、VDP101b、ROM101c、RAM101d、入力制御回路101e、出力制御回路101f、及びこれらを接続するBUS(信号線)から構成されている。入力制御回路101eは、主制御基板102の出力制御回路102fから送信されてきたコマンド信号を受信してCPU101aに送信する。CPU101aは、ROM101cに格納されている制御プログラムに従って、主制御基板102から送信されてきたコマンドデータを処理してコマンドを実行する(駆動信号を出力する)。RAM101dには、表示/音制御の処理過程で生成される各種データが一時的に保存される。CPU101aから出力された駆動信号は、出力制御回路101fを経由して液晶表示器6、各種ランプ24、表示7セグメントLED25、スピーカ7に送信され、これらの点灯、表示、音の発生が行われる。VDP101bは、CPU101aからの信号を処理し、ROM101cに格納されている表示データから表示用の駆動信号を生成する。VDP101bから出力された駆動信号は、出力制御回路101fを経由して液晶表示器6に送信され、液晶表示器6に各種の表示が行われる。
払出制御基板100は、CPU100a、ROM100b、RAM100c、入力制御回路100d、出力制御回路100e、及びこれらを接続するBUS(信号線)から構成されている。入力制御回路100dは、主制御基板102の出力制御回路102fから送信されてきたコマンド信号(払出コマンド)を受信してCPU100aに送信する。CPU100aは、ROM100bに格納されている制御プログラムに従って、主制御基板102から送信されてきたコマンドデータを処理して駆動信号を出力する。RAM100cには、払出制御の処理過程で生成される各種データが一時的に保存される。CPU100aから出力された駆動信号は、出力制御回路100eから中継端子板110gを経由して払出モータ50に送信され、遊技球の払い出しが行われる。また、入力制御回路100dは、各払出検出スイッチ34a,34bから出力された検出信号を中継端子板110gを介して受信すると共に、球不足検出スイッチ61及び各球抜き検出スイッチ36a,36bから出力された検出信号を中継端子板110hを介して受信し、また、インターフェイス基板105を介して球貸機104から出力された信号を受信して、それぞれの信号をCPU100aに送信する。なお、インターフェイス基板105は、球貸スイッチ103から球貸信号を受信すると、これを球貸機104に出力し、球貸機104は、これを受けて球貸要求信号をインターフェイス基板105を介して払出制御基板100に出力する。CPU100aは、ROM100bに格納されている制御プログラムに従って各種信号を処理して、これを出力制御回路100eを経由してACK信号や払出完了信号等の情報信号として主制御基板102に出力する。
なお、CPU100aは、各払出検出スイッチ34a,34bから送信されてきた検出信号を処理して駆動信号を出力する。CPU100aから出力された駆動信号は、出力制御回路100eを経由して払出ランプ26に送信され、払出ランプ26の点灯制御が行われる。払出ランプ26は、中継端子板110fを介して払出制御基板100に接続されている。この状態で、実際に払出装置30による賞球の払い出しを行い、払い出された賞球を各払出検出スイッチ34a,34bで検出する。これにより、各払出検出スイッチ34a,34bから払出制御基板100に賞球の検出信号が出力され、この検出信号に基づいてCPU100aから中継端子板110fに払出ランプ26点灯用の駆動信号が出力される。そして、この駆動信号を試験装置が受信することで払出個数の記録を取ることができる。
次に、払出制御基板100による払出ランプ26の点灯制御について図7を参照して説明する。なお、以下に示す点灯制御は、1ms毎のタイマ割込によって実行される制御である。図7に示すように、先ず、賞球コマンドを主制御基板102から受信したか否かを判別する(ステップS1)。受信していなければそのまま後述のステップS3へ移行する一方、受信していれば賞球コマンドに基づいて賞球数の設定(RAM100c内に設けられた賞球数カウンタに賞球の払出数と対応した値をセットする)を行うと共に払出ステータスを「開始」に設定した後(ステップS2)、ステップS3へ移行する。ステップS3では、払出ステータスが「開始」であるか否かを判別する。払出ステータスが「開始」のときは、払出ステータスを「払出中」に設定すると共に払出ランプ26を点灯する減算タイマ設定を行い、点灯ランプ26を点灯制御して(ステップS4)、前記ステップS1に戻る。ステップS3で払出ステータスが「開始」でないときは、次に、払出ステータスが「払出中」であるか否かを判別する(ステップS5)。払出ステータスが「払出中」でないときは、ステップS1に戻る一方、払出ステータスが「払出中」のときは、第1払出検出スイッチ34aの立ち上りを検出したか否かを判別する(ステップS6)。第1払出検出スイッチ34aの立ち上りを検出していなければ、そのまま後述のステップS8へ移行する一方、第1払出検出スイッチ34aの立ち上りを検出していれば、賞球数カウンタから1を減算すると共に賞球計数カウンタ(残数カウンタ)に1を加算して(ステップS7)ステップS8へ移行する。ステップS8では、第2払出検出スイッチ34bの立ち上りを検出したか否かを判別する。第2払出検出スイッチ34bの立ち上りを検出していなければ、そのまま後述のステップS10へ移行する一方、第2払出検出スイッチ34bの立ち上りを検出していれば、賞球数カウンタから1を減算すると共に賞球計数カウンタに1を加算して(ステップS9)ステップS10へ移行する。
ステップS10では、賞球計数カウンタの値が0であるか否かを判別する。賞球計数カウンタの値が0のときは、ステップS1に戻る一方、賞球計数カウンタの値が0でないときは、次に払出ランプ26に係るタイマが0であるか否かを判別する(ステップS11)。タイマが0でないときは、ステップS1に戻る一方、タイマが0のときは、点灯ランプ26の点灯もしくは消灯がタイムアップしているので、払出ランプ26が点灯しているか否かを判別する(ステップS12)。そして、払出ランプ26が消灯しているときは、払出ランプ26を点灯するタイマ設定を行い、点灯ランプ26を点灯制御して(ステップS13)、ステップS1に戻る。一方、払出ランプ26が点灯しているときは、賞球計数カウンタから1を減算すると共に払出ランプ26を消灯するタイマ設定を行い、点灯ランプ26を消灯制御する(ステップS14)。次いで、賞球数カウンタの値が0であるか否かを判別する(ステップS15)。賞球数カウンタの値が0でなければ、そのままステップS1に戻る一方、賞球数カウンタの値が0のときは、賞球計数カウンタの値が0であるか否かを判別する(ステップS16)。賞球計数カウンタの値が0でなければ、そのままステップS1に戻る一方、賞球計数カウンタの値が0のときは、賞球払出が終了していることを意味するので払出ステータスを「終了」に設定して(ステップS17)ステップS1に戻る。
次に、払出検出スイッチ34a,34bの検出信号に基づく払出ランプ26の点灯例について図8を参照して説明する。なお、図8中には、払出装置30によって10個の賞球が払い出される場合を例示する。図8に示すように、先ず、払出制御基板100が賞球コマンドを受信すると、これに応じて駆動信号C1が払出制御基板100から払出ランプ26に出力されて払出ランプ26が点灯する。その後、第1払出検出スイッチ34aによって賞球が検出されて払出制御基板100に検出信号A1が入力されると、これと同時に駆動信号C1の出力が停止されて払出ランプ26が消灯する。次いで、第2払出検出スイッチ34bによって賞球が検出されて払出制御基板100に検出信号B1が入力されると、この検出信号B1と対応した駆動信号C2が払出制御基板100から払出ランプ26に出力されて払出ランプ26が点灯する。以下、同様にして、第1払出検出スイッチ34aによる賞球の検出に基づく検出信号A2〜A5と、第2払出検出スイッチ34bによる賞球の検出に基づく検出信号B2〜B5と、が交互に払出制御基板100に入力されることで、各検出信号A2,B2,A3,B3,A4,B4,A5,B5と対応した駆動信号C3〜C10が払出制御基板100から払出ランプ26に出力されて払出ランプ26が点灯する。なお、このような点灯制御において、検出信号B2及び検出信号A3の各信号立ち上がり期間T1が5msよりも短いため、検出信号B2と対応した駆動信号C4のOFF時点から所定期間T2(5ms)経過した時点で検出信号A3と対応した駆動信号C5のONが行われる。また、同様に、検出信号B4と検出信号A5とが同時に立ち上がっているため、検出信号B4と対応した駆動信号C8のOFF時点から所定期間T2(5ms)経過した時点で検出信号A5と対応した駆動信号C9のONが行われる。なお、図8で期間T1と期間T2は、共に5msとして説明しているが、最低駆動信号時間となる期間T1は、図7では点灯時間として減算タイマに設定した値であり、最低駆動パルス間隔となる期間T2は、図7では消灯時間として減算タイマに設定した値であり、各々任意に設定可能である。但し、最低駆動信号時間T1が少ない値であると、払出ランプ26の点灯は視認が困難になる。
ところで、上記したように払出検出スイッチ34a,34bの検出信号に基づいて払出ランプ26の駆動信号が払出制御基板100から中継端子板110fに向けて出力される。このため、前述した試験機関での試験時には、払出ランプ26に代えて中継端子板110fに接続された試験装置が、払出ランプ26点灯用の駆動信号を入力することで、払出数の累積的な記録を取ることができる。
また、図7のフローチャートを実行した結果である図8のタイミングチャートでは、払出ランプ26点灯用の駆動信号C2〜C10は、各払出検出スイッチ34a,34bのスイッチ出力をきっかけとして出力される。しかしながら、駆動信号C1だけは、賞球コマンドを払出制御基板100が受信したことをきっかけとして駆動信号C1の出力が開始されている。駆動信号C1だけをこのように出力しているのは、試験機関において、賞球装置を取り外してスロットマシン用の試験装置の一部を賞球装置として代行させるための配慮である。但し、試験機関に設置してある試験装置は、スロットマシンの試験を想定してあるので、スロットマシンに設けられるホッパ装置のシュミレーションを使って試験を行わなければならない。
一般的に知られているスロットマシンのホッパ装置は、DCモータで動作するようになっており、払い出しを行う際は、制御装置がDCモータを直接駆動する。ホッパ装置は、メダルを1個払い出す毎にメダルの検出パルスを制御装置に送信する。つまり、試験装置が賞球装置を代行した場合、試験装置は、ホッパ装置として作動する。そのため、賞球コマンドを受信した時点で、駆動信号C1だけは、各払出検出スイッチ34a,34bの信号受信なしに出力している。試験装置は、この駆動信号C1をホッパ装置の駆動信号と仮定して動作し、賞球があったという旨の信号を、各払出検出スイッチ34a,34bを代行して払出制御基板100に入力する。この際、賞球があったという旨の信号は、払出検出スイッチ34a,34bのいずれかに入れてやればよい。つまり、このようにホッパ装置の駆動信号の先頭の信号(駆動信号C1)だけは、賞球コマンド受信のタイミングに合わせてやるだけで、従来のスロットマシンの試験装置をそのまま流用できるメリットが生じる。
以上のように、本実施形態の構成によれば、払出装置30から払い出される2条の遊技球を各払出検出スイッチ34a,34bで検出し、払出制御基板100は、各払出検出スイッチ34a,34bから入力する複数の系統の検出信号を演算によって1系統の払出信号として出力する。これにより、払出制御基板100から出力される払出信号を試験用の信号に用いることで、2条に払い出される遊技球を検出した上で正確に遊技球の払出数を試験することができる。また、この構成によれば、スロットマシン用の試験装置をそのまま流用して遊技機1を試験することができる。なお、払出装置から払い出される遊技球は、2条に限定するものではなく、2条以上の複数条で遊技球を払い出すものであれば、本発明の構成を適用することが可能である。また、払出検出手段は、払い出される遊技球の複数条と対応した複数個設けられるものである。
また、本実施形態の構成によれば、遊技球の払い出しを発光によって遊技者に報知する払出ランプ26と、該払出ランプ26と払出制御基板100との間に介在されて、払出制御基板100から入力した信号を払出ランプ26に駆動信号として出力する中継端子板110fと、を備えている。これにより、試験を行うときには、中継端子板110fから払出ランプ26を取り外して代わりに試験装置を接続するだけで、簡単に払出数の試験を行うことができる。また、試験以外のときには、払出制御基板100から出力される払出信号を払出ランプ26の駆動信号として有効活用することができる。
なお、上記した実施形態では、賞球1個毎に払出ランプ26を点灯する構成としているが、この構成に限定するものではない。例えば、図9に示す変形例のように、第1及び第2の払出検出スイッチ34a,34bによる賞球の検出累計数が予め定めた所定数になると、払出制御基板100から払出ランプ26点灯用の駆動信号を1回出力する(払出ランプ26を1回点灯する)ようにしてもよい。なお、図9中では、賞球の検出累計数が5個になると、払出ランプ26を1回点灯する場合を例示している。具体的には、1個目から5個目の賞球が払い出されて第1及び第2の払出検出スイッチ34a,34bから払出制御基板100に検出信号A1,B1,A2,B2,A3が順次出力され、5個目の賞球に対応した駆動信号A3が払出制御基板100に入力されると、払出制御基板100から払出ランプ26に駆動信号D1が出力されて払出ランプ26が点灯する。次いで、6個目から10個目の賞球が払い出されて第1及び第2の払出検出スイッチ34a,34bから払出制御基板100に検出信号B3,A4,B4,A5,B5が順次出力され、10個目の賞球に対応した駆動信号B5が払出制御基板100に入力されると、払出制御基板100から払出ランプ26に駆動信号D2が出力されて払出ランプ26が点灯する。
このように変形例の構成によれば、各払出検出スイッチ34a,34bから入力される検出信号の累計数が5つとなる毎に払出制御基板100から払出信号を1回出力する。これにより、遊技球を遊技媒体として使用する本実施形態の遊技機1においても、媒体価値が5倍に相当するメダルの払出数との整合性をとることができる。また、払出ランプ26を備えた構成において、遊技球を高速に払い出しても、払出ランプ26の発光時間及び発光間隔を長めにとることができるため、払出ランプ26の確実な点滅動作によって遊技球の払い出しを遊技者に報知することができる。また、10個の検出信号(10個の賞球)に対して払出信号を1回出力する構成とし、これをホールコンピュータに情報出力することを目的とした外部出力端子板(図示しない)から外部に出力できるように構成すれば、遊技機を設置する際にホールコンピュータの設定を変更しなくても良くなる。
また、上記した実施形態では、払出装置30から払い出される遊技球を計数して、その払出信号を外部に出力する構成を示しているが、遊技機1から外部に排出されるアウト球を計数して、その排出信号を遊技機1の外部出力端子板(図示しない)から外部に出力するようにしてもよい。この場合には、アウト球の累計排出数を5個又は10個のいずれかに選択可能として、選択された累計排出数のアウト球が検出される毎に排出信号を1回出力するようにしてもよい。なお、遊技球を使用してスロット遊技を行う本発明に係る遊技機では、遊技機島の高さの関係でドラム(図柄表示器5)の位置を低く設定する必要があり、上皿/下皿(但し、本実施形態では、上皿に相当する貯留皿14のみを設けた構成)がパチンコ機と比較して下方に圧迫された配置となってしまう。このため、遊技機にアウト球の排出数信号を出力する機能を持たせれば、通常、島設備側に設けられるアウト球検出用のカウンタ(1パルス/10個)を取り外すことができ、遊技機の設置スペースに余裕を持たせることができる。
また、本実施形態では、払出検出手段を磁気タイプの払出検出スイッチ34a,34bで構成しているが、これに限らず、マイクロスイッチやフォトセンサによって払出検出手段を構成してもよい。
また、以上説明した実施形態から把握できる発明として以下のものがある。
(1)所定個数の遊技球が取り込まれることを条件として始動操作部(例えば、始動レバー10)の操作を受け付け可能になり、前記始動操作部が操作を受け付けると図柄表示装置(例えば、図柄表示器5)に図柄が変動表示され、その後に停止表示される図柄の表示結果によって遊技者に特典付与の可否を認識させる遊技機(例えば、遊技機1)であって、遊技球を複数条に払い出す払出装置(例えば、払出装置30)と、該払出装置から払い出される複数条の遊技球を個々に検出する複数の払出検出手段(例えば、第1及び第2の払出検出スイッチ34a,34b)と、入賞条件の検出を行うと共に該入賞条件の検出に基づいて賞球コマンドを送信する主制御装置(例えば、主制御基板102)と、該主制御装置から前記賞球コマンドを受信すると前記払出装置を駆動すると共に、前記複数の払出検出手段から入力する複数の系統の検出信号を演算によって1系統の払出信号として出力する払出制御装置(例えば、払出制御基板100)と、を備え、前記払出制御装置は、前記賞球コマンドを受信すると前記払出検出手段から入力する検出信号を待たずに1個目の払出信号を出力することを特徴とする遊技機。
上記のように実施形態から把握できる発明においては、賞球コマンド受信のタイミングに合わせて1個目の払出信号を出力する構成とすることで、従来のスロットマシンの試験装置をそのまま流用できるというメリットがある。