JP3559748B2 - スロットマシン用表示装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゲーム開始操作に応じて動作される可変表示装置の表示結果が所定の当たり態様となったときに所定数の有価遊技媒体を払い出す共に、その払出数に応じた数の計数パルスを出力するように構成されたスロットマシン、特には、前記可変表示装置の表示結果が予め決められた特定の大当たり態様となったときに遊技客側に有利な価値を付与した大当たり状態を呈するように構成されたスロットマシンに用いられる表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のスロットマシンにおいては、有価遊技媒体であるメダルの投入を含むゲーム開始操作に応じて動作される可変表示装置(例えばルーレット)を備え、その表示結果に基づいて当たり・外れが決定されるようになっており、特に、表示結果が予め決められた特定の大当たり図柄で揃ったときに、遊技客側に有利な価値を付与した大当たり状態、つまり一般的にビッグボーナスと呼ばれる状態を呈する構成となっている。このようなビッグボーナス状態では、遊技客の運や技量にもよるが、各ゲームでの当たり発生確率が大幅に上がるため、遊技客側では多量のメダルを獲得できることになる。
【0003】
この場合、従来では、スロットマシンの特性や遊技客の技量レベルの目安を遊技客に知らせるために、そのスロットマシンの所定位置に表示装置を設置し、その表示装置にビッグボーナス中の獲得メダル数の合計を示すデータを表示することが行われている。
具体的には、スロットマシンからは、ビッグボーナス期間中に立ち上がった状態となるレベル信号が大当たり信号として出力されると共に、メダルの払出数に応じた数のパルス状セーフ信号(計数パルス)が出力されるようになっており、表示装置側には、大当たり信号が出力されている期間(ボーナスモードにある期間)に上記パルス状のセーフ信号を計数する計数手段と、その計数値を表示する表示器とを設けることが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
スロットマシンにおいて可変表示装置の表示結果が予め決められた特定の大当たり図柄で揃ったとき、つまりビッグボーナス状態へ移行する際には、その大当たりに対して比較的多量のメダルが払い出されるようになっている。この場合に放出されるメダルの数は、ビッグボーナス中の獲得メダル数に含ませることが一般的となっているが、放出メダル数を示すセーフ信号がパルス列信号であって、そのセーフ信号の出力が完了するタイミングに時間遅れが生ずることが避けられないため、以下に述べるような問題点があった。
【0005】
即ち、図8のタイミングチャートに示すように、実際のスロットマシンでは、大当たり状態の発生に応じた大当たり信号の出力タイミングと、その大当たりに伴うメダルの放出タイミング(セーフ信号の出力タイミング)にずれがある。これに対して、計数手段は、大当たり信号が出力されている期間中に計数動作を行う構成となっているため、スロットマシンがボーナスモードにある期間に出力されるセーフ信号群(符号W1を付して示す)を正確に計数することができなくなる場合がある。このため、従来のスロットマシン用表示装置では、ビッグボーナス中の獲得メダル数を正確に表示することが不可能になるものであり、この点が未解決の課題となっていた。
尚、従来構成では、図8から理解できるように、ボーナスモードが終了する直前に発生した当たり状態に応じて出力されるセーフ信号群(符号W2を付して示す)も正確に計数できないため、ビッグボーナス中の獲得メダル数の表示がさらに不正確になるものであった。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、スロットマシンが大当たり状態になった期間中に遊技客側が獲得した有価遊技媒体数の合計を正確に表示可能になるなどの効果を奏するスロットマシン用表示装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、有価遊技媒体を投入した状態でゲーム開始操作をしたときに可変表示装置が動作を開始し、その表示結果が所定の当たり態様となったときに所定数の有価遊技媒体を払い出すと共に、前記表示結果が予め決められた特定の大当たり態様となったときに遊技客側に有利な価値を付与した大当たり状態を呈するように構成、前記の投入数に応じた数のアウト信号、前記有価遊技媒体の払出数に応じた数のセーフ信号、及び前記大当たり状態の期間中であることを示す大当たり信号を出力するスロットマシンに対応して設けられ、前記大当たり状態にある期間中に遊技客側が獲得した有価遊技媒体数を前記アウト信号、セーフ信号及び大当たり信号に基づいて表示するための表示手段を備えたスロットマシン用表示装置において、
前記大当たり信号の入力が開始した後に初めて前記アウト信号が入力した時点から前記セーフ信号の計数動作を開始し、その計数値を遊技客側の獲得有価遊技媒体数の基礎データとして供するように設けられた計数手段と、
前記可変表示装置が当たり態様になる毎に払い出される有価遊技媒体数を前記セーフ信号に基づいて逐次計数して記憶すると共に、前記アウト信号が入力したときに当該記憶した計数値を初期化する動作を行うことにより、最新の当たりに応じて払い出された有価遊技媒体数を記憶し、前記大当たり信号が入力したときに、当該記憶している遊技媒体数を前記計数手段による計数値に加算する補助計数手段とを備えた構成としたものである(請求項1)。
【0008】
このような構成によれば、有価遊技媒体を投入した状態で行われるスロットマシンでのゲームに伴い可変表示装置の表示結果が所定の当たり態様となったときには、所定数の有価遊技媒体が払い出され、また、ゲームに伴い可変表示装置の表示結果が予め決められた特定の大当たり態様となったときには、遊技客側に有利な価値を付与した大当たり状態を呈するようになる。このような場合、スロットマシンは、前記有価遊技媒体の投入数に応じた数のアウト信号、前記有価遊技媒体の払出数に応じた数のセーフ信号、及び前記大当たり状態の期間中であることを示す大当たり信号を出力する。また、表示手段は、上記のようにスロットマシンから出力されるアウト信号、セーフ信号及び大当たり信号に基づいて、前記大当たり状態にある期間中に遊技客側が獲得した有価遊技媒体数を表示するようになる。さらに、計数手段は、可変表示装置の表示結果が特定の大当たり態様になるのに伴いスロットマシンが遊技客側に有利な価値を付与した大当たり状態になった場合、つまり、スロットマシンから前記大当たり信号の入力が開始された場合には、その後において初めて前記アウト信号が入力した時点から前記セーフ信号の計数動作を開始するようになる。従って、スロットマシンの可変表示装置において大当たり態様が発生したときに払い出される有価遊技媒体数は、当該スロットマシンが大当たり状態にある期間における計数手段の計数値に含まれることがなくなる。
【0009】
一方、補助計数手段は、各ゲームにおいて可変表示装置が当たり態様になる毎に払い出される有価遊技媒体数を前記セーフ信号に基づいて逐次計数して記憶すると共に、前記アウト信号が入力したときに当該記憶した計数値を初期化する動作を行うことにより、最新の当たりに応じて払い出された有価遊技媒体数を記憶し、前記大当たり信号が入力したときに、当該記憶している遊技媒体数を前記計数手段による計数値に加算する動作を行うようになる。このため、スロットマシンの可変表示装置において大当たり態様が発生したときに払い出される有価遊技媒体数が、計数手段の計数値に加算されることになり、その加算後の計数値が表示手段に遊技客側の獲得有価遊技媒体数を表示する際の基礎データに供される。
【0010】
つまり、このような加算が行われた後における計数手段の計数値は、可変表示装置での大当たり態様の発生タイミングと、その大当たり態様の発生に伴うセーフ信号の出力タイミングにずれがある場合でも、当該セーフ信号の計数結果(可変表示装置での大当たり態様の発生に伴う払出遊技媒体数)を正確に含んだものとなる。この結果、表示手段には、スロットマシンが大当たり状態になった期間中に遊技客が獲得した有価遊技媒体数の合計を、上記計数結果に基づいて正確に表示可能になる。
【0011】
また、上記請求項1の装置と同様の前提構成を備えたスロットマシン用表示装置において、
前記スロットマシンからの出力が与えられるように構成され、前記大当たり信号の入力が開始した後に初めて前記アウト信号が入力した時点から前記セーフ信号の計数動作を開始し、その計数値を遊技客側の獲得有価遊技媒体数の基礎データとして供するように設けられた計数手段と、
前記可変表示装置の表示結果が前記大当たり態様となったときに払い出される有価遊技媒体数を示す数値が補正用データとして予め記憶され、前記大当たり信号が入力されたときに上記補正用データを前記計数手段による計数値に加算する補正手段とを備えた構成とすることもできる(請求項2)。
【0012】
このような構成においても、スロットマシンからのセーフ信号を計数するように設けられた計数手段は、可変表示装置の表示結果が特定の大当たり態様になるのに伴いスロットマシンが大当たり状態になった場合、つまり、スロットマシンから前記大当たり信号の入力が開始された場合には、その後において初めて前記アウト信号が入力した時点から前記セーフ信号の計数動作を開始するものであり、スロットマシンの可変表示装置において大当たり態様が発生したときに払い出される有価遊技媒体数は、当該スロットマシンが大当たり状態にある期間における計数手段の計数値に含まれることがなくなる。
【0013】
一方、補正手段には、可変表示装置の表示結果が大当たり態様となったときに払い出される有価遊技媒体数を示す数値が補正用データとして予め記憶されており、当該補正用データは、スロットマシンから前記大当たり信号が入力されたときに前記計数手段による計数値に加算されるようになる。このため、スロットマシンの可変表示装置において大当たり態様が発生したときに払い出される有価遊技媒体数が、計数手段の計数値に加算されることになり、その加算後の計数値が表示手段に遊技客側の獲得有価遊技媒体数を表示する際の基礎データに供される。
【0014】
つまり、このような加算が行われた後における計数手段の計数値は、可変表示装置での大当たり態様の発生タイミングと、その大当たり態様の発生に伴うセーフ信号の出力タイミングにずれがある場合でも、当該セーフ信号の計数結果(可変表示装置での大当たり態様の発生に伴う放出遊技媒体数)を正確に含んだものとなる。この結果、表示手段には、スロットマシンが大当たり状態になった期間中に遊技客が獲得した有価遊技媒体数の合計を、上記計数結果に基づいて正確に表示可能になる。
【0015】
上記のような請求項1または2記載のスロットマシン用表示装置において、前記計数手段を、前記大当たり信号が入力停止したときには、その後に前記アウト信号が入力されるまでの期間若しくは所定の遅延時間が経過するまでの期間だけ前記セーフ信号の計数動作を継続する構成とすることもできる(請求項3)。
この構成によれば、可変表示装置での当たり態様がスロットマシンでの大当たり状態が終了する間際に発生し、当該スロットマシンからのセーフ信号が大当たり状態の終了タイミングを跨いで出力される状況となった場合でも、その後にアウト信号が入力が入力されるまでの期間(ゲーム開始されるまでの期間、若しくは所定の遅延時間が経過するまでの期間は上記セーフ信号の計数動作が継続されることになる。この結果、計数手段による計数値は、大当たり状態が終了する間際において可変表示装置で当たり態様が発生したときの払出遊技媒体数を正確に含んだものとなる。この結果、表示手段の表示内容が一段と正確になる。
【0016】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1実施例について図1ないし図5を参照して説明する。
図2には全体構成が概略的に示されている。この図2において、スロットマシン1に隣接してメダル貸機2が設けられていると共に、そのスロットマシンの上方に表示ユニット3が設けられている。
スロットマシン1の正面には表示窓4が形成されており、その表示窓4を通じて内部に設けられたルーレット5(可変表示装置に相当)の図柄を視認可能となっている。この場合、当該図柄はルーレット5が有する3個のリール(符号なし)の円周面に描かれており、リールの停止状態では表示窓の上段、中段、下段に対応して図柄が表示されるようになっている。
【0017】
表示窓4の下方に設けられた操作パネル6にはクレジットメダルのクレジット清算ボタン7、クレジットメダルの投入ボタン8、メダル投入口9が設けられていると共に、スタートレバー10、左側ストップボタン11、中央ストップボタン12、右側ストップボタン13が設けられている。
【0018】
この場合、スロットマシン1にあっては、一連のゲーム開始操作、つまりメダル投入口9にメダルが投入された状態、若しくは投入ボタン8を通じてクレジットメダルの投入を受けた状態でスタートレバー10の操作が行われたときに、ルーレット5の動作(リールの回転動作)が開始されるものであり、各ストップボタン11〜13の操作によりリールが停止した状態で1ゲームが終了するようになっている。そして、ゲーム終了時において、ルーレット5が所定の当たり態様、例えば全てのリールの停止図柄が当り図柄となったときは、当り図柄に応じた枚数のメダルが受皿14に払出される。当り図柄としては、ビッグボーナス図柄、レギュラーボーナス図柄、小役図柄等が設定されている。尚、全てのリールの停止図柄がビッグボーナス図柄となった状態が、本発明でいう特定の大当たり態様に相当するものであり、このような状態となったときには、その後に行われる各ゲームでの当たり発生確率が大幅に高められたビッグボーナス状態(遊技客側に有利な価値を付与した大当たり状態)が所定期間だけ継続される構成となっている。
【0019】
図3に示すように、2組のスロットマシン1及び表示ユニット3と対応した状態で1枚の制御基板15が設けられており、この制御基板上に設けられた制御回路16(計数手段及び補助計数手段に相当)は、対応する各スロットマシン1からそれぞれ出力される以下に示す各種信号を、各スロットマシン1毎に区分した状態で図示しない管理装置へ送信すると共に、その管理装置からの指令に応じて対応する表示ユニット3の表示動作を個別に制御する構成となっている。
▲1▼アウト信号(1メダル投入毎または1クレジットメダル返却毎に1パルス出力)
▲2▼セーフ信号(本発明でいう計数パルスに相当:1メダル払出毎に1パルス出力)
▲3▼ゲーム信号(1ゲーム終了毎に1パルス出力)
▲4▼大当たり信号(ビッグボーナス期間中にレベル信号出力)
尚、上記図示しない管理装置は、制御回路16からの信号に基づいて各スロットマシン1の稼働状態を判断し、その稼働状態に基づいて表示ユニット3の表示動作を制御する。
【0020】
表示ユニット3は、図2及び図3に示すように、その前面に、例えば2個のランプ部17a、17b、呼出ボタン18、データ切換ボタン19、20、データ表示器21(表示手段に相当)を備えた構成となっている。データ表示器21は、例えばバックライト付の液晶表示パネルより成るもので、図4中に拡大して示すように、ゲーム回数表示部22、累計ゲーム回数表示部23、獲得枚数表示部24、ゲーム回数履歴表示部25、累積ビッグボーナス表示部26が設けられている。
【0021】
▲1▼ゲーム回数表示部22……直前のビッグボーナスの終了(若しくは営業開始)から現在までのゲーム回数を表示する。但し、ビッグボーナス中はカウントせず、ビッグボーナス終了時にリセットされる。
【0022】
▲2▼累計ゲーム回数表示部23……ビッグボーナス中を除いた本日の累積ゲーム回数を表示する。
【0023】
▲3▼獲得枚数表示部24……ビッグボーナス期間中における遊技客側の獲得メダル数を表示するためのもので、常時においては、前回までのビッグボーナス期間中における最高獲得メダル数を「最高」の文字と共に表示し、ビッグボーナスが発生した期間には当該ビッグボーナス期間中における獲得メダル数を表示する。尚、データ切換ボタン20が操作されたときには比較的短い時間(例えば3秒間)だけ前回のビッグボーナス期間における獲得枚数を「前回」の文字と共に表示表示する。
【0024】
▲4▼ゲーム回数履歴表示部25……ビッグボーナス間のゲーム回数を表示するもので、直前のビッグボーナス終了(若しくは営業開始)から現在までのゲーム回数を最も左のグラフ表示部22aに表示すると共に、例えば8回前までのビッグボーナス間のゲーム回数をグラフ表示部25b〜25iに表示するようになっている。この場合、グラフ表示の1目盛りが50ゲームに相当する。
【0025】
▲5▼累積ビッグボーナス表示部26……本日から2日前までの各営業日における累積ビッグボーナス回数、並びに設定によりオールクリアするまでの期間における一営業日での過去最高の累積ビッグボーナス回数を個別に表示する。尚、ビッグボーナス時に本日の累積ビッグボーナス回数が過去最高のビッグボーナス回数を越えた場合は、過去最高の累積ビッグボーナス回数の表示を点滅させると共に表示データを更新する。
【0026】
図1には前記制御回路16による制御内容が示されており、以下これについて関連した作用と共に説明する。尚、制御回路16は、実際には2台ずつのスロットマシン1及び表示ユニット3についての制御を行うものであるが、ここでは1台分についてのみ説明する。
一方、図1において、制御回路16は、電源投入に応じて動作開始された状態で、スロットマシン1からの大当たり信号の入力の有無を判断し(ステップA1)、非入力状態では、通常処理ルーチンA2を実行した後にステップA1へ戻る。
【0027】
この通常処理ルーチンA2では、スロットマシン1からのゲーム信号や大当たり信号の入力に応じて、ゲーム回数表示部22、累計ゲーム回数表示部23、ゲーム回数履歴表示部25、累積ビッグボーナス表示部26の表示内容を更新する処理動作などを行うものであるが、特に、本発明の要旨に直接関係した処理動作として、セーフ信号が入力されたときに、そのセーフ信号の数を計数してバッファメモリに記憶すると共に、アウト信号が入力されたときにバッファメモリの記憶データを初期化する動作(本発明でいう補助計数手段に係る動作)を行うようになっている。従って、バッファメモリには、最新の当たり(ビッグボーナスを引き起こす大当たりも含む)に応じて払い出されたメダル数が記憶されることになる。
【0028】
大当たり信号が入力されたとき(ステップA1で「YES」)には、アウト信号の入力の有無を判断し(ステップA3)、非入力状態ではカウントフラグが 「1」にセットされているか否かを判断する(ステップA4)。カウントフラグが「0」の場合には、ステップA3へ戻ってアウト信号が入力されるまで待機する状態を保持することになるが、「1」の場合には後述するステップA10へ移行する。
【0029】
ステップA3で「YES」と判断したときにも、カウントフラグが「1」にセットされているか否かを判断する(ステップA5)。カウントフラグが「0」の場合には、前記通常処理ルーチンA2の実行に伴いバッファメモリに記憶されている最新の払出メダル数を読み込むステップA6、その読み込みメダル数をデータ表示器21の獲得枚数表示部24に表示するステップA7、カウントフラグを「1」にセットするステップA8、獲得枚数表示部24に表示された数値からアウト信号の入力数(ゲームに供されたメダル数)を減算してその減算結果に新たな表示数値とする減算・表示変更ルーチンA9を順次実行した後にステップA10へ移行する。尚、獲得枚数表示部24には、このような表示が行われる前の時点で前回までののビッグボーナス期間中における最高獲得メダル数が「最高」の文字と共に表示されている。
【0030】
また、ステップA5で「YES」と判断した場合、つまり、大当たり信号及びアウト信号が順次入力された後において、カウントフラグが「1」に設定済みの場合には、上記ステップA6〜A8をジャンプし、前記減算・表示変更ルーチンA9のみを実行した後にステップA10へ移行する。
【0031】
ステップA10では、セーフ信号の入力の有無を判断し、入力状態では加算・表示変更ルーチンA11を実行した後にステップA12へ移行し、非入力状態では当該加算・表示変更ルーチンA11をジャンプしてステップA12へ移行する。
上記加算・表示変更ルーチンA11では、セーフ信号の入力数(払い出しメダル数)を獲得枚数表示部24に表示された数値に加算し、その加算結果を新たな表示数値とするものである。つまり、上記加算・表示変更ルーチンA11においては、ビッグボーナス期間中においてセーフ信号を計数する動作を当該ビッグボーナスの発生後における最初のゲーム開始時点(アウト信号の入力時点)から開始する動作(本発明でいう計数手段に係る動作)が行われることになる。
【0032】
前記ステップA12では、大当たり信号が入力停止されたか否かを判断するものであり、入力停止されていない場合には前記ステップA3へ戻るが、入力停止された場合には遅延タイマをスタートさせ(ステップA13)、この後に、その遅延タイマがタイムアップしたか否かを判断する(ステップA14)。
【0033】
遅延タイマがタイムアップしていない状態では、アウト信号の入力の有無(つまり、ゲーム開始操作の有無)を判断し(ステップA15)、非入力状態ではセーフ信号の入力の有無を判断する(ステップA16)。セーフ信号の非入力状態では、そのままステップA14へ戻るが、セーフ信号が入力されたときには、セーフ信号の入力数(払い出しメダル数)を獲得枚数表示部24に表示された数値に加算し、その加算結果に新たな表示数値とする加算・表示変更ルーチンA17を実行した後にステップA14へ戻る。
【0034】
遅延タイマがタイムアップしたとき(ステップA14で「YES」)、並びに遅延タイマがタイムアップしていない状態でアウト信号が入力されたとき(ステップA15で「YES」)には、カウントフラグを「0」にリセットするステップA18及び獲得枚数表示部24の表示内容を前回までのビッグボーナス期間中における最高獲得メダル数に戻すステップA19を順次実行した後にステップA1へ戻る。
【0035】
以上要するに、上記した構成によれば、ボーナス期間に対応した獲得メダル数の算出に必要なセーフ信号の計数動作(払出メダルの計数動作)が図5に示すようなタイミングで行われるものである。
即ち、大当たり信号が入力される直前の段階では、アウト信号aの入力後にセーフ信号のパルス列が入力された場合(つまり、ゲーム開始操作後に当たりが発生してメダルの払い出しが行われた場合)に、そのセーフ信号の数を計数してバッファメモリに記憶する。大当たり信号が入力された後には、その後において初めてアウト信号bが入力されたタイミング(大当たり信号の入力後に最初にゲーム開始されたタイミング)からセーフ信号の計数動作を開始する。そして、大当たり信号が入力停止されたときには、セーフ信号の計数動作を直ちに停止せずに、その後においてアウト信号が入力されるまでの期間(ゲーム開始操作が行われるまでの期間)、若しくは所定の遅延時間が経過するまでの期間だけセーフ信号の計数動作を継続する。尚、図5では、アウト信号が入力されたときにセーフ信号の計数動作を終了する例が示されている。
【0036】
そして、本実施例では、図5に示すようなセーフ信号の計数期間における計数値に対し、上記バッファメモリの計数値(ボーナスモードが発生した時に払い出されたメダル数に相当)を加算すると共に、その加算結果(本発明でいう基礎データに相当)からアウト信号の入力数を差し引いた数値が、ボーナス期間中における遊技客側の獲得メダル数を示すデータとしてデータ表示器21の獲得枚数表示部24に表示される。従って、このような獲得枚数表示部24の表示内容は、スロットマシン1がビッグボーナス状態になったときの大当たり信号の出力タイミングと、そのビッグボーナスの発生に伴うセーフ信号の出力タイミングにずれがある場合でも、当該セーフ信号の計数結果(ルーレット5がビッグボーナス図柄となったことに伴う払出メダル数)を正確に含んだものとなる。この結果、獲得枚数表示部24には、スロットマシン1がビッグボーナス状態になった期間中における遊技客側の獲得メダル数の合計が正確に表示されることになる。
【0037】
また、本実施例では、ビッグボーナス状態が終了した時点(大当たり信号の入力停止時点)以降においても、その後においてゲーム開始操作が行われるまでの期間、若しくは所定の遅延時間が経過するまでの期間だけセーフ信号の計数動作を継続する構成となっているから、ルーレット5での当たりが、ビッグボーナス状態の終了間際に発生し、スロットマシン1からのセーフ信号が大当たり信号の入力停止タイミングを跨いで出力される状況となった場合でも、その後にゲーム開始されるまでの期間、若しくは所定の遅延時間が経過するまでの期間はセーフ信号の計数動作が継続されることになる。この結果、獲得枚数表示部24の表示データは、ビッグボーナス状態が終了する間際においてルーレット5で当たりが発生したときの払出メダル数を正確に含んだものとなり、その表示データ、つまり、スロットマシン1がボーナスモードにある期間中における遊技客側の獲得メダル数の合計を示すデータが一段と正確になる。
【0038】
(第2の実施の形態)
図6及び図7には本発明の第2実施例が示されており、以下これについて前記第1実施例と異なる部分のみ説明する。即ち、この第2実施例は、制御回路16による制御内容が第1実施例と異なるものであり、その制御内容が図6に示されている。尚、本実施例の場合、制御回路は、本発明でいう計数手段及び補正手段として機能するものである。
図6において、制御回路16は、電源投入に応じて動作開始された状態で、スロットマシン1からの大当たり信号の入力の有無を判断し(ステップB1)、非入力状態では、通常処理ルーチンB2を実行した後にステップB1へ戻る。この通常処理ルーチンB2では、第1実施例における通常処理ルーチンA2と同様の処理を行うものである。
【0039】
大当たり信号が入力されたとき(ステップB1で「YES」)には、制御回路16内に設けられた記憶部(図示せず)に予め記憶されている補正用データTYを読み込み(ステップB3)、その補正用データTYをデータ表示器21の獲得枚数表示部24に表示する(ステップB4)。上記補正用データTYは、ルーレット5の停止図柄がビッグボーナス図柄(大当たり態様)となったときに払い出されるメダル数を示す数値であり、従って、獲得枚数表示部24には、大当たり信号が入力された時点での最新の払出メダル数が表示されることになる。
【0040】
この後には、アウト信号の入力の有無を判断し(ステップB5)、非入力状態ではカウントフラグが「1」にセットされているか否かを判断する(ステップB6)。カウントフラグが「0」の場合には、ステップB5へ戻ってアウト信号が入力されるまで待機する状態を保持することになるが、「1」の場合には後述するステップB10へ移行する。
【0041】
ステップB5で「YES」と判断したときにも、カウントフラグが「1」にセットされているか否かを判断する(ステップB7)。カウントフラグが「0」の場合には、そのカウントフラグを「1」にセットするステップB8、獲得枚数表示部24に表示された数値からアウト信号の入力数(ゲームに供されたメダル数)を減算してその減算結果に新たな表示数値とする減算・表示変更ルーチンB9を順次実行した後にステップB10へ移行する。尚、獲得枚数表示部24には、このような表示が行われる前の時点で前回までののビッグボーナス期間中における最高獲得メダル数が「最高」の文字と共に表示されている。
【0042】
また、ステップB7で「YES」と判断した場合、つまり、大当たり信号及びアウト信号が順次入力された後において、カウントフラグが「1」に設定済みの場合には、前記減算・表示変更ルーチンB9のみを実行した後にステップB10へ移行する。
【0043】
ステップB10では、セーフ信号の入力の有無を判断し、入力状態では加算・表示変更ルーチンB11を実行した後にステップB12へ移行し、非入力状態では当該加算・表示変更ルーチンB11をジャンプしてステップB12へ移行する。この記加算・表示変更ルーチンB11では、第1実施例における加算・表示変更処理ルーチンA11と同様に、セーフ信号の入力数(払い出しメダル数)を獲得枚数表示部24に表示された数値に加算し、その加算結果に新たな表示数値とするものである。
【0044】
前記ステップB12では、大当たり信号が入力停止されたか否かを判断するものであり、入力停止されていない場合には前記ステップB5へ戻るが、入力停止された場合には遅延タイマをスタートさせ(ステップB13)、この後に、その遅延タイマがタイムアップしたか否かを判断する(ステップB14)。
【0045】
遅延タイマがタイムアップしていない状態では、アウト信号の入力の有無(つまり、ゲーム開始操作の有無)を判断し(ステップB15)、非入力状態ではセーフ信号の入力の有無を判断する(ステップB16)。セーフ信号の非入力状態では、そのままステップB14へ戻るが、セーフ信号が入力されたときには、セーフ信号の入力数(払い出しメダル数)を獲得枚数表示部24に表示された数値に加算し、その加算結果に新たな表示数値とする加算・表示変更ルーチンB17を実行した後にステップB14へ戻る。
【0046】
遅延タイマがタイムアップしたとき(ステップB14で「YES」)、並びに遅延タイマがタイムアップしていない状態でアウト信号が入力されたとき(ステップB15で「YES」)には、カウントフラグを「0」にリセットするステップB18及び獲得枚数表示部24の表示内容を前回までのビッグボーナス期間中における最高獲得メダル数に戻すステップB19を順次実行した後にステップB1へ戻る。
【0047】
以上要するに、上記した構成によれば、ボーナス期間に対応したセーフ信号の計数動作(払出メダルの計数動作)が図7に示すようなタイミングで行われるものである。
即ち、大当たり信号の入力が開始されたときには、その後において初めてアウト信号が入力されたタイミング(大当たり信号の入力後に最初にゲーム開始されたタイミング)からセーフ信号の計数動作を開始する。そして、大当たり信号が入力停止されたときには、セーフ信号の計数動作を直ちに停止せずに、その後においてアウト信号が入力されるまでの期間(ゲーム開始操作が行われるまでの期間)、若しくは所定の遅延時間が経過するまでの期間だけセーフ信号の計数動作を継続する。尚、図7では、アウト信号が入力されたときにセーフ信号の計数動作を終了する例が示されている。
【0048】
そして、本実施例では、図7に示すようなセーフ信号の計数期間における計数値の初期値に対し、予め記憶しておいた補正用データTY(ボーナスモードが発生した時に払い出されるメダル数に相当)を加算し、その加算結果(本発明でいう基礎データに相当)からアウト信号の入力数を差し引いた数値が、ボーナス期間中における遊技客側の獲得メダル数を示すデータとして獲得枚数表示部24に表示される。従って、このような獲得枚数表示部24の表示内容は、スロットマシン1がビッグボーナス状態になったときの大当たり信号の出力タイミングと、そのビッグボーナスの発生に伴うセーフ信号の出力タイミングにずれがある場合でも、ルーレット5がビッグボーナス図柄となったことに伴う払出メダル数を正確に含んだものとなる。この結果、獲得枚数表示部24には、スロットマシン1がビッグボーナス状態になった期間中における遊技客側の獲得メダル数の合計が正確に表示されることになる。
【0049】
また、本実施例では、ビッグボーナス状態が終了した時点(大当たり信号の入力停止時点)以降においても、その後においてゲーム開始操作が行われるまでの期間、若しくは所定の遅延時間が経過するまでの期間だけセーフ信号の計数動作を継続する構成となっているから、ルーレット5での当たりが、ビッグボーナス状態の終了間際に発生し、スロットマシン1からのセーフ信号が大当たり信号の入力停止タイミングを跨いで出力される状況となった場合でも、その後にゲーム開始されるまでの期間、若しくは所定の遅延時間が経過するまでの期間はセーフ信号の計数動作が継続されることになる。この結果、獲得枚数表示部24の表示データは、ビッグボーナス状態が終了する間際においてルーレット5で当たりが発生したときの払出メダル数を正確に含んだものとなり、その表示データ、つまり、スロットマシン1がボーナスモードにある期間中における遊技客側の獲得メダル数の合計を示すデータが一段と正確になる。
【0050】
(その他の実施の形態)
尚、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、次のような変形または拡張が可能である。
ゲーム開始操作の有無の判断をアウト信号の入力により行う構成としたが、例えば、アウト信号の入力及びスタートレバー10の操作のアンド条件が成立したときにゲーム開始操作が行われた旨の判断を行う構成とするなど、適宜な判断手段を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における制御回路の制御内容を示すフローチャート
【図2】全体の正面図
【図3】電気的構成を模式的に示す機能ブロック図
【図4】データ表示器の正面図
【図5】作用説明用のタイミングチャート
【図6】本発明の第2実施例を示す図1相当図
【図7】図5相当図
【図8】従来例を説明するための図5相当図
【符号の説明】
1はスロットマシン、2はメダル貸機、3は表示ユニット、5はルーレット (可変表示装置)、9はメダル投入口、10はスタートレバー、16は制御回路(計数手段、補助計数手段、補正手段)、18は呼出ボタン、19、20はデータ切換ボタン、21はデータ表示器(表示手段)、22はゲーム回数表示部、23は累計ゲーム回数表示部、24は獲得枚数表示部、25はゲーム回数履歴表示部、26は累積ビッグボーナス表示部を示す。

Claims (3)

  1. 有価遊技媒体を投入した状態でゲーム開始操作をしたときに可変表示装置が動作を開始し、その表示結果が所定の当たり態様となったときに所定数の有価遊技媒体を払い出すと共に、前記表示結果が予め決められた特定の大当たり態様となったときに遊技客側に有利な価値を付与した大当たり状態を呈するように構成され、前記有価遊技媒体の投入数に応じた数のアウト信号、前記有価遊技媒体の払出数に応じた数のセーフ信号、及び前記大当たり状態の期間中であることを示す大当たり信号を出力するスロットマシンに対応して設けられ、前記大当たり状態にある期間中に遊技客側が獲得した有価遊技媒体数を前記アウト信号、セーフ信号及び大当たり信号に基づいて表示するための表示手段を備えたスロットマシン用表示装置において、
    前記スロットマシンからの出力が与えられるように構成され、前記大当たり信号の入力が開始した後に初めて前記アウト信号が入力した時点から前記セーフ信号の計数動作を開始し、その計数値を遊技客側の獲得有価遊技媒体数の基礎データとして供するように設けられた計数手段と、
    前記可変表示装置が当たり態様になる毎に払い出される有価遊技媒体数を前記セーフ信号に基づいて逐次計数して記憶すると共に、前記アウト信号が入力したときに当該記憶した計数値を初期化する動作を行うことにより、最新の当たりに応じて払い出された有価遊技媒体数を記憶し、前記大当たり信号が入力したときに、当該記憶している遊技媒体数を前記計数手段による計数値に加算する補助計数手段とを備えたことを特徴とするスロットマシン用表示装置。
  2. 有価遊技媒体を投入した状態でゲーム開始操作をしたときに可変表示装置が動作を開始し、その表示結果が所定の当たり態様となったときに所定数の有価遊技媒体を払い出すと共に、前記表示結果が予め決められた特定の大当たり態様となったときに遊技客側に有利な価値を付与した大当たり状態を呈するように構成され、前記有価遊技媒体の投入数に応じた数のアウト信号、前記有価遊技媒体の払出数に応じた数のセーフ信号、及び前記大当たり状態の期間中であることを示す大当たり信号を出力するスロットマシンに対応して設けられ、前記大当たり状態にある期間中に遊技客側が獲得した有価遊技媒体数を前記アウト信号、セーフ信号及び大当たり信号に基づいて表示するための表示手段を備えたスロットマシン用表示装置において、
    前記スロットマシンからの出力が与えられるように構成され、前記大当たり信号の入力が開始した後に初めて前記アウト信号が入力した時点から前記セーフ信号の計数動作を開始し、その計数値を遊技客側の獲得有価遊技媒体数の基礎データとして供するように設けられた計数手段と、
    前記可変表示装置の表示結果が前記大当たり態様となったときに払い出される有価遊技媒体数を示す数値が補正用データとして予め記憶され、前記大当たり信号が入力されたときに上記補正用データを前記計数手段による計数値に加算する補正手段とを備えたことを特徴とするスロットマシン用表示装置。
  3. 前記計数手段は、前記大当たり信号が入力停止したときには、その後に前記アウト信号が入力されるまでの期間若しくは所定の遅延時間が経過するまでの期間だけ前記セーフ信号の計数動作を継続することを特徴とする請求項1または2記載のスロットマシン用表示装置。
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