JP5342721B2 - 管引出口形成具 - Google Patents

管引出口形成具 Download PDF

Info

Publication number
JP5342721B2
JP5342721B2 JP2008274873A JP2008274873A JP5342721B2 JP 5342721 B2 JP5342721 B2 JP 5342721B2 JP 2008274873 A JP2008274873 A JP 2008274873A JP 2008274873 A JP2008274873 A JP 2008274873A JP 5342721 B2 JP5342721 B2 JP 5342721B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pipe
hole
tube
resin
forming tool
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008274873A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010101104A (ja
Inventor
茂之 後藤
賢 広瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mirai Kogyo KK
Original Assignee
Mirai Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mirai Kogyo KK filed Critical Mirai Kogyo KK
Priority to JP2008274873A priority Critical patent/JP5342721B2/ja
Publication of JP2010101104A publication Critical patent/JP2010101104A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5342721B2 publication Critical patent/JP5342721B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Domestic Plumbing Installations (AREA)

Description

本発明は、戸建て、集合住宅等に配管された給水管、給湯管、循環配管等の通水管やドレン管などの樹脂管が内部に複数本挿通された鞘管の端部に取着される管引出口形成具に関するものである。
戸建て、集合住宅等においては、台所、浴室、洗面化粧台等に給水、給湯を行なうためにまた温水床暖房などのために、給水管、給湯管等の通水管やドレン管などの樹脂管が配管されている。これらの樹脂管は一般に硬質樹脂管で形成されているとともに、外部からの傷付き防止などのために、配管経路全域に至って鞘管内に挿通されて保護されている。樹脂管は鞘管内には通水管やドレン管などとして複数本が挿通され収容されることも多い。この種の管引出口形成具として、例えば、特開2007−138589公報に記載の樹脂管の設置具が開示されている。
図11は管引出口形成具としての前記樹脂管の設置具を示し、図11の設置具71は、図示しない鞘管の端部に取着されて通水管61及びドレン管62をユニットバス壁に設置するものであり、設置具本体72とカバー部材73とを備えている。設置具本体72は鞘管接続部74を介して鞘管の端部に接続されている。カバー部材73は設置具本体72にその開口部を覆うようにして組み付けられるとともに、2本の通水管61及び1本のドレン管62からなる計3本の樹脂管が挿通される筒状をなす延設部75が前方に延設されている。更に、カバー部材73の延設部75の三角形状の先端面には、通水管61及びドレン管62を各々独立して挿通させる円筒状の挿通部76が3つ配設されている。鞘管内に挿通された通水管61及びドレン管62はこの挿通部76を貫通することによって引出方向を案内され、図示しないが、ユニットバス壁の内側に引き込まれた後、2本の通水管61は水栓器具に接続され、ドレン管62はユニットバス内に設けられた排水管に接続される。ここで、各挿通部76の内径は3つとも全て同一に形成され、通水管61の外径より僅かに大きく設定され、ドレン管62の外径より大きく設定されている。ドレン管62が貫通する挿通部76はその内周面とドレン管62の外周面との間に大きな隙間が形成されるので、この隙間に図示しない管保持用スリーブが圧入される。これにより、通水管61及びドレン管62は挿通部76内を径方向に移動するのが阻止され、安定した状態でユニットバス壁に設置される。
特開2007−138589公報
しかし、前記公報に記載の設置具71においては、カバー部材73の挿通部76は、所定長さの筒状に形成され、かつ、安定した状態で設置すべく、通水管61の外径より僅かに大きい内径に設定されているとともに、内周面とドレン管62の外周面との間の隙間に管保持用スリーブが圧入されている。このため、ユニットバス壁への設置において、2本の通水管61及び1本のドレン管62の計3本の樹脂管をカバー部材73の狭い挿通部76内にそれぞれ挿通してユニットバス壁の表側に引き出す際には、樹脂管の外周面と挿通部の内周面との間に生ずる摩擦力により大きな摺動抵抗を受ける。
また、鞘管内に挿通された計3本の樹脂管は、他端が給湯器に接続されており、また、一般に3本束ねた状態で鞘管内に挿通されるので、鞘管から1本ずつ引き出してカバー部材の挿通部に順次挿通させることはできず、3本同時に挿通させる必要がある。しかし、樹脂管の外径とカバー部材73の挿通部76の内径とは略同一であって隙間はほとんどなく、しかも、鞘管から引き出された3本の樹脂管の引出長さは全てほぼ同一で3本の先端位置はほぼ揃っているとともに、各挿通部76は互いに所定距離離間して配設されているため、挿通部76の小さな開口を狙って3本の樹脂管とも同時に挿入し貫通させることは非常に困難であり、大変手間のかかる作業となった。そして、樹脂管は一般に相当の剛性を有する合成樹脂製の管が使用され、また、通常巻回状態で梱包されているので、その巻きぐせにより僅かに湾曲しているときには挿通部76への挿通、引き出し作業を更に困難なものとした。
そこで、本発明は、樹脂管の挿通孔が複数設けられたものにおいて、これらの挿通孔に複数本の樹脂管を楽にかつ円滑に挿通させて引き出すことができる管引出口形成具の提供を課題とするものである。
請求項1の管引出口形成具は、複数本の樹脂管が内部を挿通する鞘管の端部に取着される筒状のものであって、一端側に、前記鞘管の端部が取着される取着部が形成され、他端側または内部に、樹脂管が貫通する貫通孔と半割孔とが形成されている。前記貫通孔は複数本のうちの1本の樹脂管が貫通する孔であって、該1本の樹脂管と対応して1個設けられている。また、前記半割孔は複数本のうちの残余の樹脂管にその外周方向から閉じられる半割構造の孔であって、該残余の樹脂管と対応してそれと同数が設けられている。更に、前記一端側と他端側とは、筒状の外壁を介して一体に形成されている。ここで、樹脂管としては、給水管、給湯管などの通水管や給湯器等からのドレン管等が挙げられる
前記構成について更に説明すれば、前記貫通孔及び半割孔は、管引出口形成具の他端側または管引出口形成具の内部に形成された挿通孔となるものである。このうちの前記貫通孔は樹脂管を軸方向に移動させることによって貫通させるものである。これに対して、前記半割孔は開口孔の円の中心線を境界とする左右一対の半円形の孔を閉じることにより樹脂管をその外周方向即ちその管軸と直交する方向から挟み込むことにより貫通させるものである。半割孔は具体的には筒状の管引出口形成具を半割体構造としてその割面に設けたり、部分的に半円形の切欠孔を設け、これに半円形の蓋体を開閉自在に取付けるなどして形成される。なお、一般には、1回の閉じ操作により残余の樹脂管に対応する全ての半割孔が閉じられるが、残余の樹脂管の本数が多い場合などでは、閉じられる箇所が複数あって1個或いは複数個の半割孔を単位として順次閉じ操作が行なわれ、半割孔は1個或いは複数個単位で順次閉じられていくものであってもよい。これについては、請求項2の第2の半割孔について同様である。
請求項1の発明は、基本的には、複数本の樹脂管を同時に挿通孔に挿通させて引き出す際に大きな摩擦抵抗を生ずるものが対象となる。したがって、前記貫通孔及び半割孔は、一般的には、樹脂管の外径と同一または僅かに大きい内径即ち実質同一の内径に形成されている。具体的には、例えば、これらの挿通孔が止水性を有するものであって、挿通孔の周縁と樹脂管の外周面とが水密状態で当接するような場合が挙げられる。
このように構成された管引出口形成具は、鞘管の端部から引き出した複数本の樹脂管を管引出口形成具に形成した挿通孔に挿通させるには、最初に複数本のうちの1本の樹脂管を貫通孔に管軸方向から挿通してその端部を貫通孔の反対側に引き出した後、複数本のうちの残余の樹脂管に対してその外周方向から閉じることにより半割孔に貫通させ引き出せばよい。これにより、管引出口形成具は、貫通孔に挿通させて引き出す樹脂管は1本であるので、全ての樹脂管を一度に挿通させる場合に比べて、摺動摩擦力は格段に小さいものとなる。また、半割孔への挿通作業においては、樹脂管の外周方向から半割孔を閉じるだけでよいから、摩擦抵抗は殆ど発生しない。
加えて、最初に貫通孔に貫通させる樹脂管は1本であるので、その挿通作業は円滑に行なうことができる。また、最初に貫通孔に貫通させた時点で、管引出口形成具はその貫通孔と樹脂管の外周壁との摺動摩擦力により長さ方向の一定位置に保持される。このため、以降の残余の樹脂管を半割孔に挿通させて引き出す際には、管引出口形成具や最初に貫通させた1本の樹脂管を保持している必要はなく、単に半割孔を樹脂管の外周方向から閉じるだけの作業に専念すればよい。したがって、貫通孔への挿通作業と半割孔への挿通作業とに分離されていて、一度に多くの樹脂管を取り扱わなくてもよいから、作業し易い。これにより、全ての樹脂管について円滑に挿通、引き出し作業を行なうことができる。
なお、参考として、筒状をなす管引出口形成具全体を2つの半割体に分割し、貫通孔は設けず、2つの半割体の割面に樹脂管が挿通する半割構造の孔即ち半割孔を全ての樹脂管に対応する数だけ並設し、2つの半割体を一度閉じるだけで全ての樹脂管を各半割孔に挟みこんで挿通させる方法を採用することにより、一度に全数の樹脂管を挿通するとともに、貫通孔に挿通する際に受ける摩擦抵抗を小さくすることも考えられる。しかし、このように、管引出口形成具の2つの半割体を1回閉じることにより複数の半割孔を同時に閉じて複数本の樹脂管を一度に前記半割孔に貫通させるときには、各樹脂管を対応する各半割孔にそれぞれ配置させながら管引出口形成具の2つの半割体を閉じる作業が必要となり、全ての樹脂管の配置作業と管引出口形成具の2つの半割体の閉塞作業との全てを一度に行なわなければならない。したがって、実際には、2つの半割体の割面に複数本の樹脂管の半割孔を設けた管引出口形成具では大変作業しにくく採用し難い。
請求項2の管引出口形成具は、請求項1と比較して、他端側または内部に、樹脂管が貫通する第1の半割孔と第2の半割孔とが形成されている点が相違する。前記第1の半割孔は、前記複数本のうちの1本の樹脂管にその外周方向から閉じられるものであり、前記第2の半割孔は、複数本のうちの残余の樹脂管にその外周方向から閉じられるとともに、第1の半割孔とは別個独立に閉じられるものである。即ち、樹脂管が挿通する孔は全て半割孔で形成されている。しかし、第1の半割孔は、最初に複数本のうちの1本の樹脂管が挿通された後、次の第2の半割孔に残余の樹脂管が挿通されるまでの間、前記1本の樹脂管を保持することができるから、請求項1の貫通孔と同様の機能を発揮するものでもある。したがって、第1の半割孔は、請求項1の貫通孔を変形したものであるとも言える。
請求項3の管引出口形成具は、他端側または内部に、樹脂管にその外周方向から互いに別個独立して閉じられる半割孔が全ての樹脂管の本数と対応する数だけ形成されたものであり、その点において請求項1及び請求項2と相違する。
請求項1の発明は、複数本の樹脂管を2つに分離して、貫通孔への挿通作業と半割孔への挿通作業とを別個に行なうものである。したがって、最初の貫通孔への挿通作業においては、1本の樹脂管を貫通させるだけであるから、挿通時の摩擦抵抗は極く小さく、かつ、作業し易い。また、半割孔への挿通作業においては、樹脂管の外周方向から半割孔を閉じるだけでよいから、摩擦抵抗は殆ど発生せず、また、作業も楽に行なうことができる。その結果、全ての樹脂管を一度に挿通させる場合と比較して、摩擦抵抗を減らし、複数本の樹脂管を挿通孔に楽にかつ円滑に挿通させて引き出すことができる。
請求項2の発明は、第1の半割孔が請求項1の貫通孔と同様の機能を発揮するものであるから、請求項1と同様の効果を得ることができる。なお、第1の半割孔が半割構造となっている分、請求項1の貫通孔と比較して、構造が複雑となる反面、複数本のうちの1本の樹脂管を外周方向から閉じるだけで前記1本の樹脂管を挿通させることができる。
請求項3の発明は、別個独立して閉じられる半割孔が複数本の樹脂管と対応する数だけ形成されているので、請求項1及び請求項2と同様の効果を奏するとともに、最初に1本の樹脂管をいずれかの半割孔に挿通した後、この1本の樹脂管に保持された状態で他の半割孔を順次閉じていくことにより残余の樹脂管を他の半割孔に順次挿通させて引き出すことができる。
〈第一実施形態〉
以下、本発明の第一実施形態の管引出口形成具を図1乃至図7に基づいて説明する。この実施形態では、給湯器に管継手を介して接続される行き管及び戻り管となる2本の通水管と給湯器からの排水を行なうドレン管との計3本の樹脂管が鞘管の内部に挿通されており、この鞘管の端部に管引出口形成具が取付けられる場合を示す。なお、第一実施形態は請求項1の態様に相当する。
図6において、住宅の追い炊き機能付きの給湯器65の底面には管継手66を介して給湯器65からの温水を浴室や床暖房等に送るための通水管61と、浴室や床暖房等から追い炊きするために戻る通水管61と、給湯器からの排水を外部に導くドレン管62とが接続されている。これら3本の樹脂管はこれを保護するための合成樹脂製の波付鞘管63内に挿通されており、一般にはテープ等を使用して束ねられた状態で波付鞘管63内に収容されている。波付鞘管63の端部には管引出口形成具1が取着されており、この管引出口形成具1から引き出された3本の樹脂管は分岐して給湯器65の底面の3個の管継手66にそれぞれ接続されている。更に、各樹脂管において管継手66と管引出口形成具1との間には樹脂管を保護し、保温する遮熱管などの保護管64が樹脂管の外側を覆うようにして取付けられている。以下、各構成部材について具体的に説明する。
まず、前記通水管61及びドレン管62は、剛性を有する架橋ポリエチレン管、ポリブテン管等の硬質樹脂管からなり、内部を水道水、温熱水や排水等の流体が流れる。
次に、波付鞘管63は、ポリエチレン等の硬質樹脂で形成され、外面が山部と谷部の凹凸面となっていて可撓性、屈曲性を有し、管継手66との接続端部周辺を除いて通水管61及びドレン管62の配管経路全体に至って外挿されている。波付鞘管63は、通水管61及びドレン管62の外側を覆って外部からの傷付きや損傷を防止し、また、紫外線による劣化を防ぐ。
管継手66と管引出口形成具1との間に取付けられる保護管64は、硬質樹脂製の波付管で形成されており、可撓性、屈曲性を有し、端部の外面の谷部に後述する管引出口形成具1の通水管引出孔7の周縁7aや連結壁9の嵌合突起9bが嵌入し係合することによりこれらの部分に接続されるようになっている。
次に、前記管引出口形成具1は、図1乃至図5に示すように、外壁2が半割の略円筒状に形成されており、半円筒状の第1半割体21と第2半割体31とを閉じることにより略円筒状に形成される。管引出口形成具1の管軸方向の一端側は、波付鞘管63の端部が連結される鞘管取付部3が設けられ、その内部には波付鞘管63の端部が挿通される鞘管取付孔4が設けられている。この鞘管取付孔4は波付鞘管63の断面形状に合致させて略円形状に形成されているとともに、内径は、波付鞘管63の外面の山部の外形寸法より小さく、波付鞘管63の谷部の外形寸法より大きく形成されて周縁4aが波付鞘管63の外面の谷部に係止し、この波付鞘管63が抜け止め状態に接続されるようになっている。
一方、管引出口形成具1の管軸方向の他端側は、波付鞘管63から管引出口形成具1の内部を貫通する2本の通水管61が引き出される第1引出壁5と、同じく波付鞘管63から管引出口形成具1の内部を貫通するドレン管62が引き出される第2引出壁6が設けられている。第1引出壁5は概略円の弦の部分で円弧の一部が切欠された形状に形成されている。また、第2引出壁6は第1引出壁5より管軸方向に所定距離後退し、第1引出壁5において切欠された部分に相当する形状に形成されている。第1引出壁5には、通水管61が引き出される通水管引出孔7が2個独立して並設されている。この通水管引出孔7はこれに取付けられる保護管64の外面の山部の外形寸法より小さく、保護管64の谷部の外形寸法より大きく形成され、周縁7aが保護管64の外面の谷部に係止することによりこの保護管64が抜け止め状態に接続されるようになっている。通水管引出孔7は、半割構造をなし、第1半割体21と第2半割体31とを第1ヒンジ13を軸に回動して閉じることにより、第1半割体21に形成された通水管引出孔7の半円切欠7bと第2半割体31に形成された通水管引出孔7の半円切欠7bとが合体して1個の円形状の孔に形成される。
第2引出壁6には、その略中央にドレン管62が引き出される貫通孔8が1個設けられている。この貫通孔8はドレン管62の外径と同一またはこれより極く僅かに大きい内径に形成されている。これにより、ドレン管62の外周面と貫通孔8の周縁とが当接し、ドレン管62と貫通孔8との隙間から水が浸入するのが防止される。
第1引出壁5と第2引出壁6との段部にはその間の隙間を閉塞する連結壁9が設けられており、その連結壁9は中央部にドレン管62の外側を覆う保護管64の外周壁に対応して第1引出壁5側に円弧状に凹む円弧凹部9aが形成され、この円弧凹部9aに前記保護管64の外周壁の一部が収容されるようになっている。そして、連結壁9の円弧凹部9aにおける前方側即ち第1引出壁5側の端部には左右両側に一対の嵌合突起9b、9bが管軸と直交する方向に突設されており、この嵌合突起9bにドレン管62の保護管64の外面の谷部が係止して、円弧凹部9aにこの保護管64が抜け止め状態に接続されるようになっている。
更に、管引出口形成具1の内部には、前記鞘管取付部3と前記第1引出壁5との間において、管軸方向における第1引出壁5寄りの位置であって前記第2引出壁6と同一の位置には隔壁10が形成されている。この管引出口形成具1の内部の隔壁10には、通水管61が挿通する円形状の半割孔11が2個独立して並設されている。半割孔11は、第1半割体21と第2半割体31とを第1ヒンジ13を軸に回動して閉じることにより、第1半割体21の半割孔11の半円切欠11aと第2半割体31の半割孔11の半円切欠11aとが合体して1個の円形状の孔に形成される。そして、半割孔11は、通水管61の外径と同一またはこれより僅かに大きい内径に形成されている。これにより、前記ドレン管62の貫通孔8と同様に、通水管61の外周面と半割孔11の周縁とが当接し、通水管61と半割孔11との隙間から水が浸入するのが防止される。ここで、通水管引出孔7の中心軸7cは、半割孔11の中心軸11bに対して通水管61の曲がり方向寄りにずらした位置に配設されている。これは、通水管61が管引出口形成具1から給湯器65に向けて緩やかに湾曲して分岐し、通水管61に無理な曲げ力が加わらないようにするためである。なお、本実施形態において、ドレン管62の外径は通水管61より小さく、それに対応して、貫通孔8の内径は半割孔11より小さく設定されている。但し、これに限定されるものではない。
第1引出壁5と隔壁10との間における外壁及び連結壁9には、管引出口形成具1の内外に貫通する水抜孔14がそれぞれに2個の計4個設けられている。水抜孔14は、第1引出壁5と隔壁10との間の空間内に管継手66からの漏水が樹脂管の外周面を伝って流下したときに、それを外部に排出するものであり、外部からの異物の侵入を防ぐべく小さい角孔や楕円孔、丸孔等で形成されている。
本実施形態における管引出口形成具1は、割面12において分割された第1半割体21と第2半割体31との2つの半割体で構成され、この第1半割体21と第2半割体31との間に管軸方向に薄肉形成してなる第1ヒンジ13が設けられ、この第1ヒンジ13を軸に第1半割体21と第2半割体31とを相対的に回動して閉じることにより、筒状体に形成される。この管引出口形成具1は第1半割体21及び第2半割体31が展開された形態で樹脂の一体成形により形成することができる。
前記管引出口形成具1の第1半割体21において、隔壁10の割面上には、図4(b)に示すように、管引出口形成具1の幅全体に至って通水管61の外周面に沿って当接する小突条からなるリブ10aが一体に突設されている。このリブ10aは後述する第2半割体のリブ10bとともに、通水管61の外周面との密接性を高め、止水性を高める。また、第1半割体21の内壁面において隔壁10の近傍には、波付鞘管63の先端と当接してそれ以上の挿入を阻止するストッパ15が立設されている。
更に、この第1半割体21は、図3等に示すように、第1ヒンジ13を軸に閉じて筒状体を形成すべく、第1ヒンジ13と反対側の側壁部22における管軸方向の両側に、左右一対の被係止突起24,24が一体に設けられている。この被係止突起24はL字板状に形成され、屈曲先端部は後述する第2半割体31の係止片34の係止孔36に係止するようになっている。被係止突起24の管軸方向の中央寄り2箇所には、コ字状に切欠され、1辺側が第1半割体21側の割面12における側端面23に開口する第1切欠孔25が形成されており、更にこの第1切欠孔25の周縁2辺には外壁2の表面から僅かに突出する窓枠26が一体に形成されている。
一方、前記管引出口形成具1の第2半割体31において、隔壁10の割面上には、第1半割体21のリブ10aと同様に、図4(b)に示すように、管引出口形成具1の幅全体に至って通水管61の外周面に沿って当接する小突条からなるリブ10bが一体に突設されている。また、第2半割体31の内壁面において隔壁10の近傍には、第1半割体21のストッパ15と対応する位置に、波付鞘管63の先端と当接してそれ以上の挿入を阻止するストッパ15が立設されている。
更に、この管引出口形成具1の第2半割体31は、第1ヒンジ13と反対側の側壁部32の管軸方向の両側において、第1半割体21の被係止突起24に対応する位置に、矩形板状の左右一対の係止片34,34が外壁2との接合部を基端として水平方向に一体に突設されている。この係止片34はその基端に薄肉形成により設けられた第2ヒンジ35を軸に回動できるようになっている。各係止片34には角孔からなる係止孔36が設けられ、更に、この係止孔36より先端側は傾斜面となっていて、この傾斜面は指で摘んで係止片34を回動操作するための摘み部37を形成している。また、各係止片34の側部には矩形板材からなり、後述する信号線引出孔16を閉塞する閉塞蓋38が管軸方向の中央側に向けて一体に延設されている。したがって、第2ヒンジ35を軸に係止片34を回動して係止孔36を第1半割体21の被係止突起24に係止すれば、その回動に連動して閉塞蓋38は信号線引出孔16を個別に閉塞するようになっている。更に、閉塞蓋38は、係止片34との間に薄肉形成により設けられた折取溝39に沿って折り取ることが可能となっており、閉塞蓋38を折り取ることによって信号線引出孔16を開口させることができるようになっている。
また、第2半割体31の割面12周辺の外壁2には、第1半割体21の2個の第1切欠孔25と対向する位置にそれぞれ、コ字状に切欠され、1辺側が割面12における側端面33に開口する第2切欠孔40が形成されており、更にこの第2切欠孔40の周縁2辺には第2半割体31の外壁2の表面から僅かに突出する窓枠41が周縁に沿って一体に形成されている。第2半割体31の2個の第2切欠孔40は、第1半割体21と第2半割体31とを相対的に回動して閉じることによって筒状体に形成したときに、対向する第1半割体21の2個の第1切欠孔25と連通し、この第1切欠孔25と一体となって、管引出口形成具1の割面12に、2個の矩形状の信号線引出孔16を形成する。この信号線引出孔16は、給湯器65等に電気信号を送る信号線を外部に引き出すための孔である。信号線は、図示しないが、通水管61と並行して波付鞘管63内に挿通された後、信号線引出孔16から外部に引き出され、給湯器65等に接続される。更に、側端面33の管軸方向の中央部には、板状の嵌合突起42が突設されており、この嵌合突起42は、第1半割体21と第2半割体31とを相対的に回動して閉じる際に、第1半割体21の左右一対の窓枠26間の空間である被嵌合部27に嵌入し、第1半割体21の側端面23と第2半割体31の側端面33とが合致して当接するよう位置決めする。
次に、上記のように構成された管引出口形成具1を波付鞘管63の端部に取着し、通水管61及びドレン管62を給湯器65の管継手66に接続する方法を説明する。
まず、波付鞘管63内に挿通されている行きと戻りの2本の通水管61及びドレン管62を該波付鞘管63の端部から所定長引き出す。このとき、2本の通水管61及び1本のドレン管62は、一般には、波付鞘管63内においてテープ等を巻回して3本が一つに束ねられているから、これらの樹脂管の端部におけるテープを剥がすなどして波付鞘管63から引き出すと、3本ともほぼ同程度の長さが引き出される。
次に、管引出口形成具1を展開した状態で、図7(a)に示すように、ドレン管62を管引出口形成具1の貫通孔8に管軸方向から挿入し、第2引出壁6の反対側に引き出す。そして、管引出口形成具1をドレン管62に沿って波付鞘管63の近傍まで移動させる。このとき、貫通孔8の内径はドレン管62の外径と略同一に形成されているものの、1本のドレン管62のみを挿通させるのであるから、通管抵抗は小さく、楽に貫通させることができる。その一方で、ドレン管62を管引出口形成具1の貫通孔8に貫通させた後は、管引出口形成具1は、手による保持を開放しても、貫通孔8の周縁角部とドレン管62の外周面との引掛かりやドレン管62との摩擦力により、ドレン管62の所定位置に保持され、仮固定される。続いて、保護管64を、図2に示すように、ドレン管62に外嵌する。それには、ドレン管62を管引出口形成具1の貫通孔8に挿通させる前に、連結壁9の円弧凹部9aに配置しておき、その状態でドレン管62を貫通孔8とともに保護管64内に挿通させる。或いは、保護管64は、ドレン管62を貫通孔8に挿通した後、ドレン管62に外嵌し、ドレン管62に沿って押し込むことにより、先端部を、連結壁9の円弧凹部9aの嵌合突起9bを強制的に乗り越えさせて円弧凹部9a内に取付け、収容する。
次に、波付鞘管63から引き出された2本の通水管61それぞれに保護管64を外嵌する。そして、管引出口形成具1がドレン管62に保持された状態で、図4(b)の二点鎖線で示すように、波付鞘管63を第1半割体21または第2半割体31の鞘管取付孔4の周縁4aに配置し、その周縁4aを波付鞘管63の外周壁の谷部に係止させる。また、図4(b)及び図7(b)に示すように、通水管61を第1半割体21または第2半割体31の半割孔11の半円切欠11a上に配置する。そして、図示しないが、通水管61に外嵌した保護管64の先端を第1半割体21または第2半割体31の通水管引出孔7の半円切欠7b上に配置し、その周縁を保護管64の外周壁の谷部に係止させる。続いて、第1ヒンジ13を軸に第1半割体21を回動して、中央部の被嵌合部27に第2半割体31の中央部の嵌合突起42を嵌合させて位置決めしつつ、図7(c)に示すように、割面12である第1半割体21の側端面23と第2半割体31の側端面33とを相互に当接させて閉じる。両半割体を閉じたら、図2に示すように、第2半割体31の左右一対の係止片34,34をそれぞれ第2ヒンジ35を軸に回動し、一対の係止孔36,36をそれぞれ第1半割体21の一対の被係止突起24,24に係止させる。これにより、波付鞘管63は管引出口形成具1の鞘管取付部3に抜け止め状態に連結される。また、保護管64は管引出口形成具1の第1引出壁5の通水管引出孔7に抜け止め状態に連結される。そして、管引出口形成具1の隔壁10の半割孔11は通水管61の外周面に当接する。以上により、管引出口形成具1は3本の樹脂管が貫通した状態で波付鞘管の端部に取着され、管引出口形成具1の取着作業が完了する。
波付鞘管63の端部への管引出口形成具1の取着が完了したら、保護管64を管軸方向に圧縮して通水管61及びドレン管62の端部を接続代分だけ露出させ、或いは通水管61の引出長さより短い保護管64を使用することによって通水管61を接続代分だけ露出させ、工具を使用して通水管61及びドレン管62を給湯器65の底面の管継手66の図示しない接続筒部に外嵌し圧入する。そして、これらの樹脂管の外側に更に締付リング66aを外嵌し圧入するなどして通水管61及びドレン管62の端部を給湯器65の管継手66に接続する。その後、保護管64の端部を管継手66側に押し戻す。以上により、給湯器65の管継手66に対する通水管61及びドレン管62の接続が完了する。
次に、管引出口形成具1の作用を説明する。
管引出口形成具1は、波付鞘管63の端部への取着において、波付鞘管63の端部から引き出した複数本の樹脂管を内部に挿通させるには、管引出口形成具1の展開状態において、最初に1本のドレン管62を第2引出壁6の貫通孔8に管軸方向から挿通してその端部を貫通孔8の反対側に引き出した後、2本の通水管61を管引出口形成具1の側方から第1半割体21または第2半割体31の半割孔11の半円切欠11a上に配置し、第1半割体21と第2半割体31とを閉じることにより半割孔11に貫通させて引き出せばよい。これにより、管軸方向から貫通孔8に貫通させるのは1本のドレン管62のみであるから、3本の樹脂管を一度に管軸方向に貫通させる場合に比べて、挿通時の通管抵抗は格段に小さいものとなる。また、半割孔11への挿通作業においては、第1半割体21と第2半割体31とを閉じて通水管61の外周方向から半割孔11を閉じるだけでよいから、摩擦抵抗は殆ど受けない。したがって、全体として管引出口形成具1への挿通の際に受ける通管抵抗は大変小さいから、全ての樹脂管を楽に管引出口形成具1に挿通させることができる。
加えて、最初にドレン管62を貫通孔8に貫通させたとき、管引出口形成具1は、貫通孔8の周縁角部とドレン管62の外周面との引掛かりや貫通孔8とドレン管62との間の摺動摩擦力により、ドレン管62における長さ方向の一定位置に保持される。このため、以降の2本の通水管61を半割孔11に挿通させて引き出す際には、管引出口形成具1やドレン管62を保持している必要はなく、単に第1半割体21と第2半割体31とを閉じて半割孔11を通水管61の外周方向から閉じるだけの作業に専念すればよい。したがって、貫通孔8へのドレン管62の挿通作業と半割孔11への2本の通水管61の挿通作業とが分離され、一度に多くの樹脂管を操作しなくてもよいから、大変作業し易い。これにより、3本全体として、円滑に樹脂管の挿通、引き出し作業を行なうことができる。
〈第二実施形態〉
次に、本発明の第二実施形態の管引出口形成具を図8に基づいて説明する。この第二実施形態は請求項2の態様に相当する。なお、図8及び以降の図9、図10は、複数本の樹脂管を管引出口形成具1に挿通させた状態を平面視で模式的に示す。
図8において、管引出口形成具1Aは、全体が略筒状に形成され、管軸方向に第1半割体21、第2半割体31及び第3半割体51に3分割されている。管引出口形成具1の他端側である樹脂管の引出側は側面全体が1個の引出壁52で形成されている。引出壁52における一方の割面53にはその中央に1個の半割孔11が形成されており、引出壁52における他方の割面54には左右一対の半割孔11,11が形成されている。図8(a)の上部の第1半割体21は中央の第2半割体31に対してヒンジ55を軸として図8の上下方向に回動できるようになっており、下部の第3半割体51は第2半割体31に対してヒンジ56を軸として上下方向に回動できるようになっている。第2半割体31に対して第1半割体21及び第3半割体51を展開した状態を図8(b)に示す。なお、第二実施形態においては、説明の都合上、引き出された樹脂管を保護する保護管64は取付けないものとする。但し、保護管64を樹脂管に外嵌する場合は、第一実施形態と同様に、管引出口形成具1の内部に隔壁10を形成して半割孔11はこの隔壁10に設け、管引出口形成具1の他端側に形成した引出壁には通水管引出孔7を設ければよい。
図8(a)の上部の第1半割体21と中央の第2半割体31との間の1個の半割孔11はドレン管62が挿通され、その内径はドレン管62の外径と略同一の大きさに形成されている。また、図8(a)の中央の第2半割体31と下部の第3半割体51との間の一対の半割孔11,11はいずれも通水管61が挿通されるものであり、その内径は通水管61の外径と略同一の大きさに形成されている。上側の1個の半割孔11はドレン管62の外径に対応して下側の一対の半割孔11,11より小さい内径に形成されている。但し、各半割孔11に挿通される樹脂管は上記組み合わせのものに限られるものではなく、それに対応して各半割孔11の内径も適宜設定される。なお、上側の1個の半割孔11は請求項2の第1の半割孔に相当し、下側の一対の半割孔11,11は第2の半割孔に相当する。
上側の1個の半割孔11は、別言すれば、第1実施形態の貫通孔8がヒンジ55を介して半割構造となっているものであり、第2実施形態はこの点において第1実施形態と相違する。
第2実施形態の管引出口形成具1において樹脂管を挿通させるには、図8(b)の展開状態において、まず、第2半割体31の割面53の中央の半円切欠11a上にドレン管62を配置した後、ヒンジ55を軸に回動して第1半割体21を閉じることにより上側の1個の半割孔11を閉じてドレン管62を挿通させる。この状態では、第1実施形態の貫通孔8と同様に、管引出口形成具1はドレン管62に任意の位置で保持される。したがって、以降に2本の通水管61を挿通させる際には、管引出口形成具1及びドレン管62を保持している必要はない。その後は、第1実施形態と同様に、第2半割体31の割面54の一対の半円切欠11a、11a上にそれぞれ通水管61を配置し、ヒンジ56を軸に回動して第3半割体51を閉じる。これにより、下側の一対の半割孔11,11は同時に閉じられ、2本の通水管61は同時に引出壁52に挿通される。
したがって、第2実施形態の管引出口形成具1は、第1実施形態の貫通孔8が半割孔11に代わっているだけであるから、第1実施形態と同様に作用する。なお、半割孔11が半割構造となっている分、請求項1の貫通孔8と比較して、構造が複雑となるが、ドレン管62は通水管61を配置した後、第1半割体21を閉じ、ドレン管62の外周方向から半割孔11を閉じるだけでこの半割孔11に挿通させることができる。
〈第三実施形態〉
次に、本発明の第三実施形態の管引出口形成具を図9に基づいて説明する。この第三実施形態は請求項3の態様に相当する。
図9において、管引出口形成具1Bは、全体が略筒状に形成され、管軸方向に第1半割体21、第2半割体31、第3半割体51及び第4半割体57に4分割されている。管引出口形成具1の他端側である樹脂管の引出側は側面全体が1個の引出壁52で形成されている。引出壁52における3つの割面にはそれぞれ中央に1個の半割孔11が形成されており、図9の上部の第2半割体31は中央の第1半割体21に対してヒンジ54を軸として図9の上下方向に回動できるようになっており、同様に、左下部の第3半割体51は第1半割体21に対してヒンジ55を軸として上下方向に回動し、右下部の第4半割体57は第1半割体21に対してヒンジ59を軸として上下方向に回動できるようになっている。したがって、各半割孔11は、各半割体の閉塞により互いに別個独立して閉じられ、その点において第1実施形態、第2実施形態と相違する。なお、第三実施形態においても、説明の都合上、引き出された樹脂管を保護する保護管64は取付けないものとしている。但し、勿論、保護管64を取付けてもよい。
この管引出口形成具1に3本の樹脂管を挿通させるには、まず、いずれかの例えば第1半割体21と第2半割体31との割面53の半円切欠上にドレン管62を配置した後、ヒンジ54を軸に回動して第2半割体31を閉じることにより半割孔11を閉じてドレン管62を挿通させる。この状態では、第1実施形態の貫通孔8と同様に、管引出口形成具1はドレン管62に任意の位置で保持される。したがって、以降に2本の通水管61を挿通させる際には、管引出口形成具1及びドレン管62を保持している必要はない。次に、例えば、第1半割体21と第3半割体51との割面54の半円切欠上に1本目の通水管61を配置し、ヒンジ55を軸に回動して第3半割体51を閉じる。これにより、左下側の半割孔11は同時に閉じられ、1本目の通水管61は同時に引出壁52に挿通される。次に、第1半割体21と第4半割体57との割面58の半円切欠上に2本目の通水管61を配置し、ヒンジ59を軸に回動して第4半割体57を閉じる。これにより、右下側の半割孔11は同時に閉じられ、2本目の通水管61は同時に引出壁52に挿通される。
このように、第3実施形態の管引出口形成具1は、各半割孔11が別個独立して閉じられるので、請求項1及び請求項2と同様の効果を奏するとともに、最初に1本のドレン管62を半割孔11に挿通した後、このドレン管62に保持された状態で他の半割孔11を順次閉じていくことにより残余の2本の通水管61を他の半割孔11に順次挿通させて引き出すことができる。
なお、各半割孔11に挿通される樹脂管は上記組み合わせのものに限られるものではなく、それに対応して各半割孔11の内径も適宜設定される。
〈他の実施形態〉
上記各実施形態では、計3本の樹脂管が挿通されて引き出される管引出口形成具1を示したが、本発明を実施する場合には、樹脂管は3本に限られるものではなく、2本、4本、5本等が挿通されるものであってもよい。図10に幾つかの態様を例示する。
図10(a)に示す管引出口形成具1Cは、計2本の樹脂管が挿通されるものであり、第一実施形態の変形例である。この管引出口形成具1Cは、第一実施形態において2本の通水管61が挿通されている隔壁10には、1本の通水管61のみが挿通される。したがって、例えば、第2引出壁6の貫通孔8には1本の通水管61が管軸方向から挿通され、隔壁10の半割孔11には第1半割体21と第2半割体31とを閉じることにより1本の通水管61が挿通される。なお、説明上、図10(a)において、図1及び図2に示した第1引出壁5及び通水管引出孔7は省略してある。
図10(b)に示す管引出口形成具1Dは、計2本の樹脂管が挿通されるものであり、図8に示した第二実施形態の変形例である。この管引出口形成具1は、第二実施形態において図8(a)に示した、2本の通水管61が挿通されている引出壁52において、第2半割体31と第3半割体51との間の割面54には、1本の通水管61のみが挿通される。
図10(c)に示す管引出口形成具1Eは、計4本の樹脂管が挿通されるものであり、第一実施形態において2本の通水管61が挿通されている隔壁10に、更に別個独立した半割孔11が形成されている。即ち、管引出口形成具1は2つの割面で第1半割体21、第2半割体31及び第3半割体51の計3つに分割されている。したがって、最初に例えばドレン管62を第2引出壁6の貫通孔8に管軸方向から挿通させ、このドレン管62に管引出口形成具1を保持させた状態で、第1半割体21と第2半割体31との間の割面53における2個の半割孔11にそれぞれ通水管61を挿通させ、その後に、更に、第1半割体21と第3半割体51との間の割面54における1個の半割孔11に通水管61を挿通させることができる。なお、説明上、図10(c)においても、図1及び図2に示した第1引出壁5及び通水管引出孔7は省略してある。
更に、図示しないが、上記各実施形態では、最初に挿通される樹脂管は1本のドレン管62のみの場合を示しているが、最初に2本の樹脂管を2個の貫通孔8または半割孔11に挿通するものとしてもよい。
〈その他〉
ところで、上記各実施形態の貫通孔8及び半割孔11は、ドレン管62或いは通水管61の外径と実質同一の大きさの内径に形成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、これらの樹脂管の外径より大きい内径を有するものであっても挿通させて引き出す際に相当の通管抵抗を受ける場合などにおいては、本発明による同様の効果が得られる。
次に、上記各実施形態の半割孔11は、円の中心線上で2分割しているが、その中心線から僅かに離間した線上で2分割してもよい。この場合は、一方の半円切欠の両縁部が180度を超えて反対側の半円切欠まで張り出すが、樹脂管を弾性的に押し込むことによりこの半円切欠内に配置することは可能であり、その分、半割孔11における樹脂管の保持力が高まる。
また、上記各実施形態の管引出口形成具1は、第1半割体21と第2半割体31とを第1ヒンジ13を軸に回動し、第2半割体31の係止片34を第1半割体21の被係止突起24に係止させて筒状体に形成しているが、この係止手段に限られるものではない。例えば、2個の半割体が互いに分離したものであって、各半割体のそれぞれの両側端部に係止手段を設け、両側端部において係止させて筒状体に形成するものとしてもよい。
更に、管引出口形成具1は略円筒状に形成されているが、これに限られず、四角筒状などの多角筒状等に形成してもよい。
そして、上記第一実施形態では、ドレン管62及び通水管61において管引出口形成具1と給湯器65の管継手66との間に保護管64を外嵌しているが、この第一実施形態においても保護管64は必ずしも要するものではない。この場合、管引出口形成具1の他端側の第1引出壁5と隔壁10とは1個の引出壁のみとし、この引出壁に樹脂管の外径と実質同一の内径を有する半割孔11を形成することができる。
なお、引出壁及び隔壁10に、予備の貫通孔8或いは半割孔11を設けてもよい。この場合、外部からの異物混入を防止すべく、貫通孔8或いは半割孔11に蓋部材が取付けられたり、ノックアウト等が形成される。
また、本発明の管引出口形成具1は、波付鞘管63内の通水管61及びドレン管62が給湯器65の管継手66に接続される場合を示しているが、他に、例えば、床暖房などにおいて通水管61等が波付鞘管63内に挿通され、この波付鞘管63の端部から引き出されて床暖房用床板に設けられた管継手66に接続される場合や、給水器、給湯器65等から端末の各給水栓等に至る間に設けられた分水用のヘッダーの管継手66に接続される場合、その他、室外に設けられた熱源機の管継手66に接続される場合などにも同様に適用される。
本発明の第一実施形態の管引出口形成具を示す斜視図である。 図1の管引出口形成具の平面図である。 図1の管引出口形成具を展開した状態を示し、(a)は外部側を見た斜視図、(b)は内部側を見た斜視図である。 図3の管引出口形成具を示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。 図3の管引出口形成具の断面図であり、(a)は図4(b)のA−A切断線による断面図、(b)は同B−B切断線による断面図、(c)は同C−C切断線による断面図である。 図1の管引出口形成具を貫通した樹脂管が給湯器に接続された状態を示す正面図である。 図1の管引出口形成具に樹脂管を挿通させる手順を示す平面図である。 本発明の第二実施形態の管引出口形成具を示し、(a)は平面図、(b)は展開した状態の平面図である。 本発明の第三実施形態の管引出口形成具を示す平面図である。 本発明の他の実施形態の管引出口形成具を示す平面図である。 従来の管引出口形成具の正面図である。
符号の説明
1、1A、1B、1C、1D、1E 管引出口形成具
3 鞘管取付部
8 貫通孔
11 半割孔
21 第1半割体
31 第2半割体
51 第3半割体
57 第4半割体
61 通水管
62 ドレン管
63 波付鞘管

Claims (3)

  1. 複数本の樹脂管が内部を挿通する鞘管の端部に取着される筒状の管引出口形成具であって、
    一端側に、前記鞘管の端部が取着される取着部が形成され、
    他端側または内部に、
    前記複数本のうちの1本の樹脂管が貫通する1個の貫通孔と、
    前記複数本のうちの残余の樹脂管にその外周方向から閉じられる、該残余の樹脂管と対応する数の半割孔と
    が形成され
    前記一端側と他端側とは、筒状の外壁を介して一体に形成されたことを特徴とする管引出口形成具。
  2. 複数本の樹脂管が内部を挿通する鞘管の端部に取着される筒状の管引出口形成具であって、
    一端側に、前記鞘管の端部が取着される取着部が形成され、
    他端側または内部に、
    前記複数本のうちの1本の樹脂管にその外周方向から閉じられる1個の第1の半割孔と、
    前記複数本のうちの残余の樹脂管にその外周方向から前記第1の半割孔とは別個独立に閉じられる、該残余の樹脂管と対応する数の第2の半割孔と
    が形成され
    前記一端側と他端側とは、筒状の外壁を介して一体に形成されたことを特徴とする管引出口形成具。
  3. 複数本の樹脂管が内部を挿通する鞘管の端部に取着される筒状の管引出口形成具であって、
    一端側に、前記鞘管の端部が取着される取着部が形成され、
    他端側または内部に、
    前記樹脂管にその外周方向から互いに別個独立して閉じられる、前記複数本の樹脂管と対応する数の半割孔が形成され
    前記一端側と他端側とは、筒状の外壁を介して一体に形成されたことを特徴とする管引出口形成具。
JP2008274873A 2008-10-24 2008-10-24 管引出口形成具 Active JP5342721B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008274873A JP5342721B2 (ja) 2008-10-24 2008-10-24 管引出口形成具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008274873A JP5342721B2 (ja) 2008-10-24 2008-10-24 管引出口形成具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010101104A JP2010101104A (ja) 2010-05-06
JP5342721B2 true JP5342721B2 (ja) 2013-11-13

Family

ID=42291973

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008274873A Active JP5342721B2 (ja) 2008-10-24 2008-10-24 管引出口形成具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5342721B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR200462293Y1 (ko) * 2011-04-12 2012-09-04 박찬석 배관 고정용 클램프

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005016260A (ja) * 2003-06-27 2005-01-20 San-Ei Faucet Mfg Co Ltd 樹脂製ストッパ
JP2005195056A (ja) * 2004-01-05 2005-07-21 Mym Corp 通水管と継手部材との接続構造
JP2007009978A (ja) * 2005-06-29 2007-01-18 Sun Wave Ind Co Ltd 配管保持具
JP4680755B2 (ja) * 2005-11-18 2011-05-11 未来工業株式会社 構築壁への樹脂管の設置方法、樹脂管の設置具、及び管保持用スリーブ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010101104A (ja) 2010-05-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5099549B2 (ja) 管接続構造
JP5342721B2 (ja) 管引出口形成具
JP5148983B2 (ja) 配線・配管材の保護カバー
EP2059746B1 (de) Kabeldurchführung
JP5329931B2 (ja) 給水湯管引出し口形成具
JP2006348684A (ja) S字トラップ及びこれに接続された排水管の高圧洗浄方法
JP4278754B2 (ja) 壁貫通配管の壁貫通構造及び壁貫通配管の壁通し具
JP5319244B2 (ja) 波付保護管の接続構造及び接続具
JP5069178B2 (ja) 流体管保護装置、及び化粧カバー
JP5308697B2 (ja) 管体のキャップ体
JP5707010B2 (ja) 管接続具及び管接続装置
JP4995026B2 (ja) 流体管のカバー体
EP1881576A1 (en) Cable gland assemblies
JP5244266B2 (ja) 管接続具及び管接続装置
JP4532595B1 (ja) 配管構造、配管分岐カバーおよびケーブル敷設方法
JP5465481B2 (ja) 鞘管の接続方法、及び管継手
JP2017067127A (ja) 継手装置
US20050245141A1 (en) Flexible cable sleeve and apparatus
JP2009092139A (ja) 流体管の接続方法、流体管の保護構造及び連結具
JP5452793B2 (ja) 連結具
JP4584848B2 (ja) 配線ボックス
WO2015001332A1 (en) An improved cable transfer system
KR102473818B1 (ko) 케이블 홀더
JP4447562B2 (ja) 配線ボックスの設置方法及び配線ボックス
JP3065895B2 (ja) 鞘管配管用ボックス

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110525

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120904

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121027

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130806

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130811

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5342721

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250