以下に、本発明にかかるエネルギアシストシステム選定支援装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態.
実施の形態にかかるエネルギアシストシステム選定支援装置1について説明する。
エネルギアシストシステム選定支援装置1は、エネルギアシストシステムの導入に先立ち、どのようなエネルギアシストシステムを導入すべきか検討する際に、エネルギアシストシステムの選定を支援する。
例えば、図16に示すように、エネルギアシストシステムSは、コンバータユニットCV、ドライブユニットDV、昇降圧チョッパユニットCP、蓄電ユニットCD、及び電動機Mを備える。
コンバータユニットCVは、電源PSから供給された交流電力(例えば、3相交流電力)を整流器等により整流し直流電力へ変換する。コンバータユニットCVは、直流母線PL,NLを介して、直流電力をドライブユニットDVへ供給する。
ドライブユニットDVは、直流電力をコンバータユニットCVから受ける。ドライブユニットDVは、直流電力を交流電力(例えば、3相交流電力)へ変換する。例えば、ドライブユニットDVは、複数のスイッチング素子SW1を有し、複数のスイッチング素子SW1のそれぞれを所定のタイミングでスイッチング動作させることで、直流電力を交流電力へ変換する。ドライブユニットDVは、交流電力を電動機Mに供給することで、電動機Mを駆動する。
電動機Mは、供給された交流電力、すなわち電気エネルギを機械エネルギに変換して、機械MCを駆動する。電動機Mは、例えば、モータ又はサーボアンプである。機械MCは、例えば、数値制御工作機械やプレス機械等である。
このとき、昇降圧チョッパユニットCPは、直流母線PL,NLの線間電圧を昇圧又は降圧する。昇降圧チョッパユニットCPは、例えば、スイッチング素子SW2とリアクトルL2とを有し、スイッチング素子SW2とリアクトルL2とを用いて直流母線PL,NLの線間電圧を昇圧又は降圧する。
例えば、昇降圧チョッパユニットCPは、電動機Mの回生時(発電時)において、直流母線PL,NLの線間電圧を降圧し、余った電気エネルギを蓄電ユニットCDに充電(蓄電)する。すなわち、昇降圧チョッパユニットCPは、電動機Mの回生時(発電時)において、ドライブユニットDVから直流母線PL,NL経由で電気エネルギを受け、受けた電気エネルギを蓄電ユニットCDに蓄電する。
また、例えば、昇降圧チョッパユニットCPは、電動機Mの力行時(エネルギ消費時)において、蓄電ユニットCDに充電された電気エネルギを放電して、直流母線PL,NLの線間電圧を昇圧する。すなわち、昇降圧チョッパユニットCPは、電動機Mの力行時(エネルギ消費時)において、電気エネルギを蓄電ユニットCDから取り出し直流母線PL,NL経由でドライブユニットDVへ供給する。
蓄電ユニットCDは、例えば、電動機Mの回生時(発電時)において、電気エネルギを充電(蓄電)し、例えば、電動機Mの力行時(エネルギ消費時)において、電気エネルギを放電する。
エネルギアシストシステムSでは、電動機Mの力行時(エネルギ消費時)において、ドライブユニットDVへ供給すべき直流電力、すなわち電気エネルギを、コンバータユニットCVから供給されるものに加えて、蓄電ユニットCDに充電された電気エネルギでアシストする。
なお、図16では、コンバータユニットCVとドライブユニットDVとを分離したものとして例示しているが、コンバータユニットCVとドライブユニットDVとが一体となったユニット(アンプユニット)になっていても良い。
エネルギアシストシステム選定支援装置1は、電動機Mに取り付けられる実際の機械MCの構成とドライブユニットDV内部やコンピュータ上で実現される電子的な機械構成(電子機械構成)から生成された時系列で表される電動機Mの位置情報(運転パターン)を元に、各ユニットの適正な組み合わせとエネルギアシストシステムSが収められる盤内配置とを選定する。
次に、エネルギアシストシステム選定支援装置1の機能構成について図1を用いて説明する。図1は、エネルギアシストシステム選定支援装置1の機能構成を示す図である。
エネルギアシストシステム選定支援装置1は、運転パターン生成部10、負荷パターン生成部20、データ処理部30、レイアウト部40、及び出力部15を備える。
運転パターン生成部10は、ユーザからの指示に応じて、電子的な機械を考慮した運転パターンを生成するものである。すなわち、運転パターン生成部10は、電子機械構成を考慮した運転パターンを生成して負荷パターン生成部20へ供給する。
具体的には、運転パターン生成部10は、電子機械配置部11、運転プログラム記述部12、及び運転パターン生成部13を有する。
電子機械配置部11は、ユーザからの指示に応じて、電動機Mにより駆動されるべき実際の機械MC(図16参照)に対応した電子機械の組み合わせを配置する。すなわち、電子機械配置部11は、ユーザからの指示に応じて、電子機械のライブラリから実際に使用する機械MCに対応した電子機械を選択し、選択された電子機械を仮想空間(例えば、図4に示す電子機構組み合わせ画面61)上に配置し、配置された電子機械に応じた電子機械条件を生成する。電子機械は、例えば、電子カム、電子ギア、電子ローラ、電子トラバース、電子ボールネジ、電子回転テーブル、電子仮想モータ、電子仮想サーボモータ、電子仮想エンコーダ、電子クラッチ、電子変速機、電子リンク等のうち少なくとも1つを含む。電子機械条件は、例えば、電子機械における伝達系の慣性力、粘性力、バネ力、重力、摩擦力、負荷力のうち少なくとも1つを含む。電子機械配置部11は、電子機械条件を運転プログラム記述部12経由で(又は、直接的に)運転パターン生成部13へ供給する。
運転プログラム記述部12は、ユーザからの指示に応じて、運転プログラムを記述する。運転プログラムは、例えば、運転時間及び運転開始条件を含む。運転プログラムは、例えば、ラダープログラムでもよいし、SFC(Sequential Function Chart)プログラムでもよいし、C言語プログラムでもよいし、FBD(Function Block Diagram)プログラムでもよい。運転プログラム記述部12は、運転プログラムを運転パターン生成部13へ供給する。
運転パターン生成部13は、電子機械条件を電子機械配置部11から受け、運転プログラムを運転プログラム記述部12から受ける。運転パターン生成部13は、電子機械条件を元に運転指令(運転パターン)を生成する。すなわち、運転パターン生成部13は、電子機械配置部11により生成された電子機械条件と、運転プログラム記述部12により記述された運転プログラムとに応じて、運転パターンを生成する。
なお、運転パターン生成部13は、ユーザにより作成されたシミュレーションデータ(例えば複数軸のカム運転、ギアなど複雑な運転パターンをシミュレーションした結果)をシミュレーションソフトウェアからインポートし、インポートされたシミュレーションデータを負荷パターン生成部20で処理可能なフォーマットに変換することで、運転パターンを生成してもよい。この場合、ユーザが多大な時間をかけて作成する機械機構シミュレーションソフトウェアを利用した運転パターンを元に直接エネルギデータを算出できる。
運転パターンは、例えば、時系列的な電動機Mの位置情報及び/又は速度情報を含み、例えば、時間情報に対応付けられた電動機Mの位置情報及び/又は速度情報を含む(図5(a)、(b)参照)。運転パターンは、例えば、時系列的な電動機Mの位置情報及び/又は速度情報に加えて、時系列的な加速度情報をさらに含んでもよく、例えば、時間情報に対応付けられた電動機Mの加速度情報をさらに含んでもよい(図5(c)参照)。運転パターン生成部13は、運転パターンを負荷パターン生成部20へ供給する。
負荷パターン生成部20は、運転パターンを運転パターン生成部10から受ける。負荷パターン生成部20は、運転パターンから消費電力を求める。すなわち、負荷パターン生成部20は、運転パターン生成部10により生成された運転パターンに応じて、消費電力に関する負荷パターンを生成してデータ処理部30へ供給する。
具体的には、負荷パターン生成部20は、運転パターン入力部21、機械条件入力部22、電動機条件選定部23、トルクパターン計算部24、及び消費電力処理部25を有する。
運転パターン入力部21には、運転パターンが運転パターン生成部13から入力される。運転パターン入力部21は、運転パターンを、機械条件入力部22経由で(又は直接的に)電動機条件選定部23へ供給する。また、運転パターン入力部21は、運転パターンを、機械条件入力部22及び電動機条件選定部23経由で(又は直接的に)トルクパターン計算部24へ供給するとともに、機械条件入力部22、トルクパターン計算部24、及び電動機条件選定部23経由で(又は直接的に)消費電力処理部25へ供給する。
機械条件入力部22には、ユーザから、実機械条件が入力される(図6(a)、(b)、図7参照)。実機械条件は、実際の機械要素における伝達系の慣性力、粘性力、バネ力、重力、摩擦力、負荷力のうち少なくとも1つを含む。機械条件入力部22は、実機械条件を電動機条件選定部23へ供給する。
電動機条件選定部23は、運転パターンを運転パターン入力部21から受け、実機械条件を機械条件入力部22から受ける。電動機条件選定部23は、運転パターンと実機械条件とに応じて、適正な電動機条件を選定する。電動機条件は、例えば、電動機の特性を示す定数である(図8参照)。
例えば、電動機条件選定部23は、運転パターン及び実機械条件に応じて、電動機条件を自動的に(インタラクティブな処理を介することなく)選定してもよい。この場合、例えば、電動機条件選定部23は、電動機条件の候補となる複数の電動機条件のそれぞれが運転パターン及び実機械条件に対応付けられた電動機条件テーブルを有してもよい。そして、電動機条件選定部23は、運転パターン及び実機械条件を受けた際に、電動機条件テーブルを参照し、受けた運転パターン及び実機械条件に適合する電動機条件を選択する。
あるいは、例えば、電動機条件選定部23は、運転パターン及び実機械条件に応じた電動機条件の入力を受け付けることで(インタラクティブな処理を介して)、電動機条件を選定してもよい。この場合、例えば、電動機条件選定部23は、運転パターン及び実機械条件を受けた際に、運転パターン及び実機械条件を表示画面52a(図2参照)上に表示するとともに、電動機条件の入力を促すような形態で電動機条件の入力欄を表示画面52a上に表示してもよい。電動機条件選定部23は、ユーザから入力された電動機条件を適正な電動機条件として選定してもよい。なお、このとき、電動機条件選定部23は、電動機条件として適正な数値範囲をさらに表示してもよい。これにより、電動機条件選定部23は、適正な電動機条件が入力されるように促しながら、ユーザから入力された電動機条件を適正な電動機条件として選定できる。
電動機条件選定部23は、選定された電動機条件を、トルクパターン計算部24へ供給するとともに、トルクパターン計算部24経由で(又は直接的に)消費電力処理部25へ供給する。
トルクパターン計算部24は、運転パターンを運転パターン入力部21から受け、電動機条件を電動機条件選定部23から受ける。トルクパターン計算部24は、運転パターン及び電動機条件に応じて、トルクパターンを計算する。トルクパターン計算部24は、計算されたトルクパターンを、消費電力処理部25へ供給する。
消費電力処理部25は、運転パターンを運転パターン入力部21から受け、電動機条件を電動機条件選定部23から受け、トルクパターンをトルクパターン計算部24から受ける。消費電力処理部25は、運転パターン、電動機条件、及びトルクパターンに応じて、エネルギアシストシステムの総消費電力を計算し、消費電力に関する負荷パターンを求める(図9(a)、(b)参照)。
例えば、消費電力処理部25は、トルクパターンと電動機条件とから電流パターン(図9(a)参照)を算出し、算出された電流パターン(図9(a)参照)を元に銅損、マグネットトルク、リラクタンストルクを含んだ軸出力を求め、求められた軸出力からエネルギアシストシステムの総消費電力(図9(b)参照)を計算する。そして、消費電力処理部25は、エネルギアシストシステムの総消費電力を時間情報と対応付けて負荷パターン(図9(a)、(b)参照)を算出する。
消費電力処理部25は、求められた負荷パターンをデータ処理部30へ供給する。
データ処理部30は、負荷パターンを負荷パターン生成部20から受ける。データ処理部30は、負荷パターンに応じて、運転パターンが適用されたエネルギアシストシステムの特性を求める。データ処理部30は、求められたエネルギアシストシステムの特性を制限値と比較しながら評価し、評価結果に応じて、エネルギアシストシステムの各ユニットの個数を含む構成情報を生成する。データ処理部30は、生成された構成情報を、表示画面52a上に表示するとともに、レイアウト部40へ供給する。
具体的には、データ処理部30は、負荷パターン入力部31、充放電パターン生成部32、条件設定処理部33、電流評価処理部34、データ調整部35、及びデータ出力処理部36を有する。
負荷パターン入力部31には、負荷パターンが負荷パターン生成部20から入力される。負荷パターン入力部31は、負荷パターンを、充放電パターン生成部32へ供給するとともに、充放電パターン生成部32経由で(又は直接的に)条件設定処理部33へ供給する。
充放電パターン生成部32は、負荷パターンを負荷パターン入力部31から受ける。充放電パターン生成部32は、負荷パターン(図9(a)、(b)参照)に応じて、蓄電ユニットCD(図16参照)の充放電パターンを生成する。充放電パターンは、例えば、昇降圧チョッパユニットCPによる蓄電ユニットCDに対する時系列的な(時間情報に対応付けられた)充電電流及び放電電流のパターンを含む。充放電パターン生成部32は、生成された充放電パターンを条件設定処理部33経由で(又は直接的に)電流評価処理部34へ供給する。
条件設定処理部33は、負荷パターンを負荷パターン入力部31から受ける。条件設定処理部33は、負荷パターンに応じて、個数条件を設定する。個数条件は、エネルギアシストシステムSの各ユニットの個数に関する条件であり、例えば、エネルギアシストシステムSにおける昇降圧チョッパユニットCPの個数、蓄電ユニットCDの個数、及び電動機Mの個数の少なくとも1つを決めるための条件を含む。個数条件は、例えば、昇降圧チョッパユニットCPの個数、蓄電ユニットCDの個数、及び電動機Mの個数を決めるための条件に加えて、コンバータユニットCVの個数及びドライブユニットDVの個数を決めるための条件をさらに含んでもよい。個数条件は、例えば、蓄電ユニットCDの容量及び耐圧を含む。
例えば、条件設定処理部33は、負荷パターンに応じて、個数条件を自動的に(インタラクティブな処理を介することなく)設定してもよい。この場合、例えば、条件設定処理部33は、個数条件の候補となる複数の個数条件のそれぞれが負荷パターンに対応付けられた個数条件テーブルを有してもよい。そして、条件設定処理部33は、負荷パターンを受けた際に、個数条件テーブルを参照し、受けた負荷パターンに適合する個数条件を選択する。
あるいは、例えば、条件設定処理部33は、負荷パターンに応じた個数条件の入力を受け付けることで(インタラクティブな処理を介して)、個数条件を設定してもよい(図10参照)。この場合、例えば、条件設定処理部33は、負荷パターンを受けた際に、負荷パターンを表示画面52a(図2参照)上に表示するとともに、個数条件の入力を促すような形態で個数条件の入力欄を表示画面52a上に表示してもよい。条件設定処理部33は、ユーザから入力された個数条件を適正な個数条件として設定してもよい。なお、このとき、条件設定処理部33は、個数条件として適正な数値範囲をさらに表示してもよい。これにより、条件設定処理部33は、適正な個数条件が入力されるように促しながら、ユーザから入力された個数条件を適正な個数条件として設定できる。
条件設定処理部33は、設定された個数条件を、電流評価処理部34へ供給するとともに、電流評価処理部34経由で(又は直接的に)データ調整部35へ供給する。
電流評価処理部34は、充放電パターンを充放電パターン生成部32から受け、個数条件を条件設定処理部33から受ける。電流評価処理部34は、充放電パターンと個数条件とに応じて、エネルギアシストシステムSにおける電流を求める。電流評価処理部34は、例えば、エネルギアシストシステムSにおける電流の影響を受けて劣化しやすい部分の電流値を求める。例えば、電流評価処理部34は、エネルギアシストシステムSにおけるスイッチング素子SW1を流れる電流を求めてもよいし、スイッチング素子SW2を流れる電流を求めてもよいし、リアクトルL2を流れる電流を求めてもよい(図16参照)。
電流評価処理部34は、求められたエネルギアシストシステムの電流を電流制限値と比較する。例えば、電流評価処理部34は、エネルギアシストシステムSにおけるスイッチング素子SW1を流れる電流をスイッチング素子SW1用の電流制限値THSW1と比較してもよいし、スイッチング素子SW2を流れる電流をスイッチング素子SW2用の電流制限値THSW2と比較してもよいし、リアクトルL2を流れる電流をリアクトルL2用の電流制限値THL2と比較してもよい。そして、電流評価処理部34は、比較結果に応じてエネルギアシストシステムの特性を評価する。評価結果は、例えば、エネルギアシストシステムにおけるエネルギに関する情報を含み、例えば、アシスト電力、ピーク電力に関する情報などを含んでもよい。電流評価処理部34は、評価結果を、データ調整部35へ供給するとともに、データ調整部35経由で(又は直接的に)データ出力処理部36へ供給する。
データ調整部35は、評価結果を電流評価処理部34から受け、個数条件を条件設定処理部33から受ける。データ調整部35は、評価結果に応じて、条件設定処理部33により設定された個数条件を調整して、構成情報を生成する。例えば、データ調整部35は、評価結果に応じて、エネルギアシストシステムSにおいて必要な各ユニットの個数等を算出する。構成情報は、エネルギアシストシステムの構成に関する情報であり、例えば、エネルギアシストシステムにおける各ユニットの個数を含む。構成情報は、例えば、必要な蓄電ユニットCDの個数、昇降圧チョッパユニットCPの個数、電動機Mの個数を含む(図16参照)。データ調整部35は、生成された構成情報をデータ出力処理部36へ供給する。
データ出力処理部36は、構成情報をデータ調整部35から受け、評価結果を電流評価処理部34から受ける。データ出力処理部36は、構成情報と評価結果とを表示画面52a上に表示する。例えば、データ出力処理部36は、構成情報と評価結果とに応じて、構成情報と構成情報が適用されたエネルギアシストシステムのエネルギとを、表示画面52a上に表示する。例えば、データ出力処理部36は、蓄電ユニットCDの個数、アシスト電力、ピーク電力等に関する情報を表示画面52a上に表示する(図10参照)。
また、データ出力処理部36は、構成情報及び評価結果をレイアウト部40へ供給する。
レイアウト部40は、構成情報及び評価結果をデータ処理部30から受ける。レイアウト部40は、構成情報に応じて、仮想空間上にエネルギアシストシステムの各ユニットをレイアウト配置して表示画面52a上に表示する。また、レイアウト部40は、レイアウト結果を出力部15へ供給する。
具体的には、レイアウト部40は、レイアウト入力部41、レイアウト配置部42、レイアウト評価部43、及びレイアウト出力部44を有する。
レイアウト入力部41には、構成情報及び評価結果がデータ出力処理部36から入力される。レイアウト入力部41は、構成情報及び評価結果をレイアウト配置部42へ供給する。また、レイアウト入力部41は、レイアウト出力部44から要求された場合、構成情報を、レイアウト配置部42及びレイアウト評価部43経由で(又は直接的に)レイアウト出力部44へ供給する。
レイアウト配置部42は、構成情報及び評価結果をレイアウト入力部41から受ける。レイアウト配置部42は、評価結果に応じて、構成情報が適用されたエネルギアシストシステムのエネルギに関する情報(例えば、電流、電力のデータ)を表示画面52a上に表示する。それとともに、レイアウト配置部42は、構成情報とユーザからの指示とに応じて、エネルギアシストシステムの各ユニットを示す表示オブジェクトを表示画面52a上にレイアウト配置する。
例えば、レイアウト配置部42は、構成情報に応じて、エネルギアシストシステムの各ユニットを示す表示オブジェクトを、表示画面52a上におけるデフォルト位置(例えば、図13に示すユニットエリア101)にレイアウト配置してもよい。そして、レイアウト配置部42は、ユーザからの指示に応じて、表示画面52a上における各表示オブジェクトの位置を変更する。例えば、レイアウト配置部42は、マウスポインタ又はタッチパネルなどの入力インターフェースを介して、ユーザからのドラッグアンドドロップ操作を受け付け、ドラッグアンドドロップ操作に応じて、表示画面52a上における各表示オブジェクトの位置を変更してもよい。すなわち、レイアウト配置部42は、表示画面52a上における各表示オブジェクトの位置を、実際の制御盤内の空間に対応した仮想空間(例えば、図13に示す配置エリア102)における所望の位置に変更してもよい。これにより、ユーザがレイアウト配置部42を用いて、エネルギアシストシステムにおける各ユニットについて配置の検討を行うことができる。
レイアウト配置部42は、レイアウト配置を行ったら、レイアウト情報をレイアウト評価部43へ供給する。レイアウト情報は、表示画面52a上におけるレイアウト配置された各ユニットを示す表示オブジェクトの位置に関する情報であり、例えば、ユニットの識別子と、表示オブジェクトの識別子と、表示画面52a上における配置された位置(座標)とが、複数のユニットについて対応付けられた情報である。例えば、レイアウト配置部42は、レイアウト配置が変更されるたびに、レイアウト情報を更新して、更新されたレイアウト情報をレイアウト評価部43へ供給する。
また、レイアウト配置部42は、レイアウト出力部44から要求された場合、レイアウト情報を、レイアウト評価部43経由で(又は直接的に)レイアウト出力部44へ供給する。
レイアウト評価部43は、レイアウト情報をレイアウト配置部42から受ける。レイアウト評価部43は、レイアウト情報をレイアウト制限値と比較しながら評価する。レイアウト制限値は、例えば、レイアウト配置の電気的な可否に関する制限値を含んでいてもよいし、各ユニットの寸法等の物理的な可否に関する制限値を含んでいてもよい。
例えば、レイアウト評価部43は、インピーダンスに起因する充放電時定数と充放電パターンから決まる配置可能な蓄電ユニットの並列数とユーザにより配置された蓄電ユニットの並列数とを比較することにより、ユーザにより配置された蓄電ユニットの並列数が許容範囲内かを判定する。そして、レイアウト評価部43は、その判定結果をレイアウト情報に対する評価結果としてもよい。
レイアウト評価部43は、評価結果をレイアウト出力部44へ供給する。
レイアウト出力部44は、評価結果をレイアウト評価部43から受ける。レイアウト出力部44は、評価結果に応じて、警告を出力する、あるいは、レイアウト情報を出力部15へ出力する。
例えば、レイアウト出力部44は、レイアウト情報がレイアウト制限値に応じた許容範囲を外れる場合、警告を出力する。例えば、レイアウト出力部44は、ユーザにより配置された蓄電ユニットの並列数が許容範囲外となる場合、警告を出力する。警告を出力する方法は、表示画面52aに警告メッセージを表示したり、警報ランプを点灯させたりすることなどの視覚的な方法を用いてもよいし、音声出力部49から警告メッセージを音声出力したり、音声出力部49から警報ブザーを出力したりすることなどの聴覚的な方法を用いてもよい。これにより、ユーザがレイアウト配置部42を用いて各ユニットについて配置の再検討を行うように促すことができる。
あるいは、例えば、レイアウト出力部44は、レイアウト情報がレイアウト制限値に応じた許容範囲内に収まる場合、レイアウト配置部42に要求してレイアウト配置部42からレイアウト情報を受ける。そして、レイアウト出力部44は、レイアウト情報をレイアウト結果として出力部15に供給するとともに、レイアウト情報に応じて、例えば各ユニットの個数のリストを生成して出力部15に供給する。各ユニットの個数のリストは、例えば、ユニットの識別子とユニットの個数とが複数のユニットのそれぞれについて対応付けられたものである。
出力部15は、例えば、外部のコントローラ(図示せず)の要求に応じて、レイアウト情報及び各ユニットの個数のリストを、外部装置(例えば、プリンタ)へ出力したり、外部のコントローラへ通信回線経由で送信したりする。
このようにして、使用条件にあった蓄電ユニット、昇降圧チョッパユニットの並列数やレイアウトを評価することができる。
なお、電動機条件選定部23により選定される電動機条件は、例えば、電動機の容量を求めるのに必要な電動機の特性(例えば、図8に示す回転数及び定格トルク)を含む。例えば、図1に示すように、電子機械配置部11、運転プログラム記述部12、運転パターン生成部13、運転パターン入力部21、機械条件入力部22、トルクパターン計算部24、及び電動機条件選定部23を含む構成を、電動機の容量選定を行う容量選定装置2と捉えることもできる。また、容量選定装置2により選定される電動機の容量は、上記のように、エネルギアシストシステムの特性が制限値に対応した許容範囲内に収まるようにエネルギアシストシステムを選定することを支援するものである。
あるいは、消費電力処理部25により計算される消費電力に着目して装置を構成することもできる。例えば、図1に示すように、機械条件入力部22、電動機条件選定部23、トルクパターン計算部24、及び消費電力処理部25を含む構成を、エネルギアシストシステムの総消費電力を計算する消費電力計算装置3と捉えることもできる。また、消費電力計算装置3により計算されるエネルギアシストシステムの総消費電力は、上記のように、エネルギアシストシステムの特性が制限値に対応した許容範囲内に収まるようにエネルギアシストシステムを選定することを支援するものである。
あるいは、レイアウト出力部44により出力されるレイアウト情報に着目して装置を構成することもできる。例えば、図1に示すように、レイアウト配置部42、レイアウト評価部43、及びレイアウト出力部44を含む構成を、エネルギアシストシステムの各ユニットのレイアウト情報を生成するレイアウト生成装置4と捉えることもできる。また、レイアウト生成装置4により生成されるレイアウト情報は、エネルギアシストシステムの各ユニットのレイアウトがレイアウト制限値に対応した許容範囲内に収まるようにエネルギアシストシステムのレイアウトを選定することを支援するものである。
次に、エネルギアシストシステム選定支援装置1のハードウェア構成について図2を用いて説明する。図2は、エネルギアシストシステム選定支援装置1のハードウェア構成を示す図である。
エネルギアシストシステム選定支援装置1は、第1の記憶部51、表示部52、入力部53、第2の記憶部59、取得インターフェース57、及び制御部50を備える。第1の記憶部51、表示部52、入力部53、取得インターフェース57、第2の記憶部59、及び制御部50は、バス58を介して互いに接続されている。
第1の記憶部51は、制御部50による制御のもと、情報を一時的に記憶する。第1の記憶部51は、例えば、制御部50による作業領域となるワーク領域51aを有している。第1の記憶部51は、揮発性の記憶媒体を有し、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)から成る。
表示部52は、制御部50による制御のもと、所定の情報を表示画面52a上に表示する。表示部52は、例えば、ディスプレイ装置であり、例えば、液晶ディスプレイ等を有する。
入力部53は、入力インターフェース53aを有しており、入力インターフェース53aを介して、ユーザから所定の指示を受け付ける。入力インターフェース53aは、例えば、キーボード、マウス、又はタッチパネルなどである。
第2の記憶部59は、制御部50による制御のもと、情報を不揮発的に記憶する。第2の記憶部59は、不揮発性の記憶媒体を有し、例えば、ハードディスクを有する。
第2の記憶部59は、例えば、OS(Operating System)54、エネルギアシストシステム選定プログラム55、及び運転パターンデータ56を記憶する。OS54は、制御部50がエネルギアシストシステム選定プログラム55を実行する際のプラットフォームとなるシステムである。エネルギアシストシステム選定プログラム55は、上記の機能構成をエネルギアシストシステム選定支援装置1内に実現するためのプログラムである。運転パターンデータ56は、上記の運転パターン生成部13により生成された運転パターンのデータである。
なお、図2では、エネルギアシストシステム選定プログラム55の実行に伴い第2の記憶部59に記憶される中間データとして、運転パターンデータ56が例示されているが、他の中間データ(例えば、トルクパターンのデータ、充放電パターンのデータ、レイアウト情報)及び各種の設定データ(例えば、電子機械のライブラリデータ、電動機条件テーブル)が第2の記憶部59に記憶されてもよい。
取得インターフェース57は、エネルギアシストシステム選定プログラム55を取得して第2の記憶部59にインストールするためのインターフェースである。例えば、取得インターフェース57は、エネルギアシストシステム選定プログラム55を記録媒体(例えば、CD−ROM)から取得する場合、記録媒体に書き込まれた情報を読み取るための記録媒体インターフェースである。あるいは、例えば、取得インターフェース57は、エネルギアシストシステム選定プログラム55を通信回線(例えば、インターネット)経由でダウンロードして取得する場合、ダウンロードされたデータを受信するための通信インターフェースである。
制御部50は、エネルギアシストシステム選定支援装置1における各部を全体的に制御する。制御部50は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。
例えば、エネルギアシストシステム選定プログラム55が制御部50により実行されることで、図1に示すような機能構成がエネルギアシストシステム選定支援装置1内(例えば、第1の記憶部51におけるワーク領域51a内)に形成される。なお、エネルギアシストシステム選定支援装置1の各機能部は、エネルギアシストシステム選定プログラム55の実行開始に応じて一括して形成されてもよいし、エネルギアシストシステム選定プログラム55の実行状況に応じて順次に形成されてもよい。
なお、エネルギアシストシステム選定支援装置1は、図2に示すように、音声出力部49をさらに備えてもよい。音声出力部49は、制御部50による制御のもと、音声情報を出力する。音声出力部49は、例えば、スピーカである。
次に、運転パターン生成部10の動作(運転パターン作成機能)及び負荷パターン生成部20の動作(負荷パターン作成機能)について図3を用いて説明する。図3は、運転パターン生成部10及び負荷パターン生成部20の動作を示すフローチャートである。
ステップS1では、制御部50が、ユーザからの起動指示に応じて、エネルギアシストシステム選定プログラム55を起動し実行を開始する。なお、制御部50は、エネルギアシストシステム選定プログラム55に代えて同等の機能を有した外部のプログラムを起動し実行を開始してもよい。
電子機械配置部11は、ユーザからの指示に応じて、電動機Mにより駆動されるべき実際の機械MC(図16参照)に対応した電子機械の組み合わせを配置する。すなわち、電子機械配置部11は、ユーザからの指示に応じて、電子機械のライブラリから実際に使用される機械MCに対応した電子機械を選択し、選択された電子機械を仮想空間(例えば、図4に示す電子機構組み合わせ画面61)上に配置し、配置された電子機械に応じた電子機械条件を生成する。電子機械は、例えば、電子カム、電子ギア、電子ローラ、電子トラバース、電子ボールネジ、電子回転テーブル、電子仮想モータ、電子仮想サーボモータ、電子仮想エンコーダ、電子クラッチ、電子変速機、電子リンク等のうち少なくとも1つを含む。電子機械条件は、例えば、電子機械における伝達系の慣性力、粘性力、バネ力、重力、摩擦力、負荷力のうち少なくとも1つを含む。電子機械配置部11は、電子機械条件を運転プログラム記述部12経由で(又は、直接的に)運転パターン生成部13へ供給する。
ステップS2では、運転プログラム記述部12が、ユーザからの指示に応じて、運転プログラムを記述する。運転プログラムは、例えば、運転時間及び運転開始条件を含む。運転プログラムは、例えば、ラダープログラムでもよいし、SFC(Sequential Function Chart)プログラムでもよいし、C言語プログラムでもよいし、FBD(Function Block Diagram)プログラムでもよい。運転プログラム記述部12は、運転プログラムを運転パターン生成部13へ供給する。
運転パターン生成部13は、電子機械条件を電子機械配置部11から受け、運転プログラムを運転プログラム記述部12から受ける。運転パターン生成部13は、電子機械条件を元に運転指令、すなわち運転パターンを生成する。すなわち、運転パターン生成部13は、電子機械配置部11により生成された電子機械条件と、運転プログラム記述部12により記述された運転プログラムとに応じて、運転パターンを生成する。
例えば、運転パターン生成部13は、電子機械条件に含まれる電子機械構成に対して、直線補間、円弧補完、PTP(Point To Point)補間、3次元直線円弧補完などの補間処理を行い、その補間結果に応じて、運転パターンを生成する。
運転パターンは、例えば、時系列的な電動機Mの位置情報及び/又は速度情報を含み、例えば、時間情報に対応付けられた電動機Mの位置情報及び/又は速度情報を含む(図5(a)、(b)参照)。運転パターンは、例えば、時系列的な電動機Mの位置情報及び/又は速度情報に加えて、時系列的な加速度情報をさらに含んでもよく、例えば、時間情報に対応付けられた電動機Mの加速度情報をさらに含んでもよい(図5(c)参照)。運転パターン生成部13は、運転パターンを負荷パターン生成部20へ供給する。
ステップS3では、機械条件入力部22に、ユーザから、実機械条件が入力される(図6(a)、(b)、図7参照)。実機械条件は、実際の機械要素における伝達系の慣性力、粘性力、バネ力、重力、摩擦力、負荷力のうち少なくとも1つを含む。
例えば、機械条件入力部22には、ユーザが、イナーシャ、摩擦、水平ボールネジ、垂直ボールネジ、ラック&ピニオン、ロールフィード、回転テーブル、台車、昇降機、コンベア、リニアサーボといった機械モデルに対して台車の幅や長さ、質量等の機械情報の入力を行う。なお、機械条件入力部22には、特定の条件が入力されてもよいし、あるいは、粘性、ばね、重力、摩擦、負荷などの伝達系の慣性力が直接組み合わされて入力されてもよい。
機械条件入力部22は、実機械条件をトルクパターン計算部24へ供給する。この際運転パターンは運転パターンデータ56として別途第2の記憶部59に保存されても良い。
トルクパターン計算部24は、実機械条件を機械条件入力部22から受ける。トルクパターン計算部24は、実機械条件を考慮したトルクパターンを計算する。トルクパターン計算部24は、トルクパターンを、電動機条件選定部23へ供給するとともに、電動機条件選定部23経由で(又は直接的に)消費電力処理部25へ供給する。
ステップS4では、電動機条件選定部23が、運転パターンを運転パターン入力部21から受け、実機械条件を機械条件入力部22から受ける。電動機条件選定部23は、運転パターンと実機械条件とに応じて、適正な電動機条件を選定する。電動機条件は、例えば、電動機の特性を示す定数である(図8参照)。
例えば、電動機条件選定部23は、運転パターン及び実機械条件に応じて、電動機条件を自動的に(インタラクティブな処理を介することなく)選定してもよい。この場合、例えば、電動機条件選定部23は、電動機条件の候補となる複数の電動機条件のそれぞれが運転パターン及び実機械条件に対応付けられた電動機条件テーブルを有してもよい。そして、電動機条件選定部23は、運転パターン及び実機械条件を受けた際に、電動機条件テーブルを参照し、受けた運転パターン及び実機械条件に適合する電動機条件を選択する。電動機条件テーブルは、エネルギアシストシステム選定プログラム55が持っていてエネルギアシストシステム選定プログラム55の実行に伴い動的に生成されてもよいし、予め第2の記憶部59に記憶されていてもよい。
あるいは、例えば、電動機条件選定部23は、運転パターン及び実機械条件に応じた電動機条件の入力を受け付けることで(インタラクティブな処理を介して)、電動機条件を選定してもよい。この場合、例えば、電動機条件選定部23は、運転パターン及び実機械条件を受けた際に、運転パターン及び実機械条件を表示画面52a(図2参照)上に表示するとともに、電動機条件の入力を促すような形態で電動機条件の入力欄を表示画面52a上に表示してもよい。電動機条件選定部23は、ユーザから入力された電動機条件を適正な電動機条件として選定してもよい。なお、このとき、電動機条件選定部23は、電動機条件として適正な数値範囲をさらに表示してもよい。これにより、電動機条件選定部23は、適正な電動機条件が入力されるように促しながら、ユーザから入力された電動機条件を適正な電動機条件として選定できる。
電動機条件選定部23は、選定された電動機条件を、トルクパターン計算部24へ供給するとともに、トルクパターン計算部24経由で(又は直接的に)消費電力処理部25へ供給する。
ステップS5では、トルクパターン計算部24が、電動機条件を電動機条件選定部23から受ける。トルクパターン計算部24は、電動機条件に応じて、トルクパターンを計算する。トルクパターン計算部24は、計算されたトルクパターンを、消費電力処理部25へ供給する。
トルクパターン計算部24は、電動機条件からトルク定数を読み出し、トルク定数を用いてトルクパターンを計算する。
例えば、トルクパターン計算部24は、トルク定数とQ軸電流値とが比例する電動機の場合、トルク定数と、速度、位置、加速度のグラフ(例えば、図5(a)〜(c)に示す運転パターン)を使用して、時系列ごとのトルクデータ(トルクパターン)を算出する。例えば、トルクパターン計算部24は、加速度のグラフ(図5(c)参照)から電動機にかかる負荷トルクTを求めるとともに、電動機条件に含まれる定格トルクを電流定格値で除算することでトルク定数Kt[Nm]を求める。そして、トルクパターン計算部24は、下記の数式1に示すように、電動機にかかる負荷トルクTをトルク定数Kt[Nm]で除算することで、モータのQ軸電流値IQ[A]を求める。例えば、トルクパターン計算部24は、Q軸電流値IQを時間情報に対応付けることで、第1のトルクパターンを算出する。
あるいは、例えば、トルクパターン計算部24は、トルク定数とQ軸電流値とが比例しない電動機(例えばIPMモータ)の場合、例えば、加速度のグラフ(図5(c)参照)から電動機にかかる負荷トルクTを求めるとともに、あらかじめ計算してあるトルクと電流との関係情報を元に負荷トルクTからQ軸電流値IQを求める。例えば、トルクパターン計算部24は、Q軸電流値IQを時間情報に対応付けることで、第1のトルクパターンを算出する。
そして、トルクパターン計算部24は、トルクとQ軸電流値とD軸電流値との相関を示す電流位相情報を元に、あるいは単にQ軸電流値から予め入力された電流位相角の換算計算を行うことで、D軸電流値IDも求める。トルクパターン計算部24は、D軸電流値IDを時間情報に対応付けることで、第2のトルクパターンを算出する。
それとともに、トルクパターン計算部24は、下記の数式2により、Q軸電流値IQとD軸電流値IDとをベクトル換算することで単位時間毎の相電流Iも求める。トルクパターン計算部24は、相電流Iを時間情報に対応付けることで、第3のトルクパターンを算出する。
トルクパターン計算部24は、計算された第1のトルクパターン、第2のトルクパターン、及び第3のトルクパターンを、消費電力処理部25へ供給する。
ステップS6では、消費電力処理部25が、運転パターンを運転パターン入力部21から受け、電動機条件を電動機条件選定部23から受け、トルクパターンをトルクパターン計算部24から受ける。消費電力処理部25は、運転パターン、電動機条件、及びトルクパターンに応じて、エネルギアシストシステムの総消費電力を計算し、消費電力に関する負荷パターンを求める(図9(a)、(b)参照)。
例えば、消費電力処理部25は、電動機条件から、誘起電圧定数Ke[v/rad/s]、抵抗値R[Ω]、リラクタンスLdq[H]、極対数Pmの固定パラメータを読み込み(図8参照)、運転パターンから回転速度ω[rad/s]を特定する。そして、消費電力処理部25は、読み込まれた固定パラメータ、特定された回転速度ω、第1のトルクパターン(Q軸電流値IQ)、第2のトルクパターン(D軸電流値ID)、第3のトルクパターン(相電流I)に応じて、マグネットトルクに加え銅損、リラクタンストルクも求め、下記の数式3により電力P[W]を計算する。
数式3において、左辺の第1項がマグネットトルクを表し、左辺の第2項がリラクタンストルクを表し、左辺の第3項が銅損を表す。上記の数式3を用いることで、リラクタンストルクの消費電力の大きい電動機(例えば、IPMモータ)であっても、消費電力を正確に求めることができる。
なお、電力算出方法を基に電力を算出する場合には、トルク[Nm]と回転速度ω[rad/s]とを乗算する下記の数式4で電力を算出してもよいし、従来用いられている電動機出力と鉄損と銅損との合計値のモデルを消費電力とする手段を用いても良い。
次に、運転パターン生成部10に対応した運転パターン生成ツールの動作について図4を用いて説明する。図4は、運転パターン生成ツールの動作を示す図である。
上記のステップS1及びステップS2の処理は、例えば、図4に示すような運転パターン生成ツールにより行われる。例えば、ステップS1では、運転パターン生成ツールにより表示画面52a上に表示される、図4に示す電子機構組み合わせ画面61が用いられる。電子機構組み合わせ画面61では、例えば所定のボタンオブジェクト(図示せず)がクリックされることで、電子機械のライブラリに登録された複数の電子機械の名称又はアイコン等が例えばドロップダウン形式で表示される。ユーザは、電子機構組み合わせ画面61上へ電子的な仮想モータ62、電子ギア63、電子カム64等の電子機械を配置する。例えば、電子機構組み合わせ画面61では、ドロップダウン形式で表示された複数の電子機械の名称又はアイコン等からクリック等で選択された電子機械が、電子機構組み合わせ画面61におけるクリック等で選択された位置に配置される。また、電子機械配置部11は、ユーザから電子機械の条件に関する入力を受け付けることで、又は、電子機械の配置された位置に応じて(例えば他の電子機器との位置関係や動作の関係などを考慮することで)、電子機械条件を生成する。この際仮想モータを複数軸に配置したり、出力される実際の軸を複数に配置したりして、電子機械配置部11に計算を行わせても良い。
また、電子機構の配置(ステップS1)と合わせて、例えば、ステップS2では、運転プログラム記述部12が、運転時間条件や電子機構構成の動作条件の組み合わせといった運転プログラム65を生成する。運転パターン生成部13は、電子機構組み合わせ画面61と運転プログラム65の条件とから、実際のモータへ出力する運転指令パターン(図5(a)〜(c)参照)を生成して運転パターン結果画面66上に表示する。図4に示すような電子機械条件の運転動作を組み合わせることで例えばボールネジ上で特定の電子カムの運転パターン動作を行う工作機械や設備の運転消費電力計算や容量選定、エネルギアシストシステムの選定を行うことができる。
次に、上記のステップS2で得られる運転パターンについて図5を用いて説明する。図5(a)〜(c)は、運転パターンとして、電子カムの動作に応じた電動機Mの運転パターンを例示的に示すものである。
例えば、図5(a)は、電子カムの動作に応じた電動機Mの指令位置を示すものである。例えば、図5(a)に示す指令位置は、ユーザが設定したカムのストローク量、電子カムの1回転あたりの周期、運転パターン、時間の情報等から求められる。また、電子カム条件の入力は運転サイクルを描画する手段や時系列事の位置を配置する手段を用いても良い。
例えば、図5(b)は、電子カムの動作に応じた電動機Mの指令速度を示すものである。例えば、図5(b)に示す指令速度は、図5(a)に示す指令位置に対して、単位時間の変化率(微分)を計算することで求められる。
例えば、図5(c)は、電子カムの動作に応じた電動機Mの指令加速度を示すものである。例えば、図5(c)に示す指令加速度は、図5(b)に示す指令速度に対して、単位時間の変化率(微分)を計算することで求められる。これにより、例えば、位置、速度、加速度からなる運転パターンが作成される。
次に、上記のステップS3で入力される実機械条件について図6及び図7を用いて説明する。図6(a)、(b)は、実機械条件の構成を示す図である。図7は、実機械条件の入力例を示す図である。
例えば、図6(a)は、実際の機械要素として、ボールネジ、負荷、減速機が指定され、それぞれに対応したボールネジ条件73、負荷条件72、減速機条件74が機械条件入力部22に入力された場合を示している。例えば、機械条件入力部22は、電子機械配置部11に配置された複数の電子機械の構成(電子機械条件)に応じて、ボールネジ、負荷、減速機の表示オブジェクトを生成して表示画面52a上に表示する。ユーザは、例えば、ボールネジ、負荷、減速機の表示オブジェクトをクリックすることで、実機械条件が入力可能な状態にし、ボールネジ条件73、負荷条件72、減速機条件74を入力する。これに応じて、ステップS4において、電動機条件71が選定される。
例えば、図7に示すように、ボールネジ条件73として、ボールネジリード、ボールネジ直径、ボールネジ長さ、駆動部効率、摩擦係数が入力される。負荷条件72として、テーブル質量、負荷質量、負荷反抗力、テーブル案内面の締結力が入力される。減速機条件74として、減速比、減速機イナーシャが入力される。
例えば、図6(b)は、実際の機械要素として、負荷、減速機、カップリングが指定され、それぞれに対応した負荷条件72、減速機条件74、カップリング条件75が機械条件入力部22に入力された場合を示している。例えば、機械条件入力部22は、電子機械配置部11に配置された複数の電子機械の構成(電子機械条件)に応じて、負荷、減速機、カップリングの表示オブジェクトを生成して表示画面52a上に表示する。ユーザは、例えば、負荷、減速機、カップリングの表示オブジェクトをクリックすることで、実機械条件が入力可能な状態にし、負荷条件72、減速機条件74、カップリング条件75を入力する。これに応じて、ステップS4において、電動機条件71が選定される。
例えば、図7に示すように、負荷条件72として、テーブル質量、負荷質量、負荷反抗力、テーブル案内面の締結力が入力される。減速機条件74として、減速比、減速機イナーシャが入力される。カップリング条件75として、カップリングイナーシャ、その他の出力軸換算イナーシャが入力される。
次に、ステップS4で選定される電動機条件について図8を用いて説明する。図8は、電動機条件の選定例を示す図である。
例えば、図8は、電動機条件71(図6(a)、(b)参照)として、電動機の特性を示す各種定数が選定される場合を示している。運転パターンと実機械条件とに応じて、例えば、図8では、電動機条件71として、誘起電圧定数、抵抗、極対数、回転数、q軸電流、d軸電流、d軸インダクタンスLdとq軸インダクタンスLqとの差分、電流定格値、定格トルクが選定される。
次に、蓄電ユニットの選定機能を含むデータ処理部30の動作について図11を用いて説明する。図11は、データ処理部30の動作を示すフローチャートである。データ処理部30は、例えば、OS54、第1の記憶部51、制御部50(図2参照)と協働して図11の処理を行う。
ステップSa1では、負荷パターンが読み込まれる。例えば、負荷パターン入力部31には、負荷パターンが負荷パターン生成部20から入力される。負荷パターン入力部31は、負荷パターンを、充放電パターン生成部32へ供給するとともに、充放電パターン生成部32経由で(又は直接的に)条件設定処理部33へ供給する。
充放電パターン生成部32は、負荷パターンを負荷パターン入力部31から受ける。充放電パターン生成部32は、負荷パターン(図9(a)、(b)参照)に応じて、蓄電ユニットCD(図16参照)の充放電パターンを生成する。充放電パターンは、例えば、昇降圧チョッパユニットCPによる蓄電ユニットCDに対する時系列的な(時間情報に対応付けられた)充電電流及び放電電流のパターンを含む。充放電パターン生成部32は、生成された充放電パターンを条件設定処理部33経由で(又は直接的に)電流評価処理部34へ供給する。
ステップSa2〜ステップSa6では、条件設定処理部33は、負荷パターンを負荷パターン入力部31から受ける。条件設定処理部33は、負荷パターンに応じて、個数条件を設定する。個数条件は、エネルギアシストシステムSの各ユニットの個数に関する条件であり、例えば、エネルギアシストシステムSにおける昇降圧チョッパユニットCPの個数、蓄電ユニットCDの個数、及び電動機Mの個数の少なくとも1つを決めるための条件を含む。個数条件は、例えば、昇降圧チョッパユニットCPの個数、蓄電ユニットCDの個数、及び電動機Mの個数を決めるための条件に加えて、コンバータユニットCVの個数及びドライブユニットDVの個数を決めるための条件をさらに含んでもよい。例えば、個数条件の設定は、蓄電ユニットの必要個数を求めるための条件設定を含む。個数条件は、例えば、蓄電ユニットCDの容量及び耐圧を含む。例えば、個数条件は、ステップSa7で用いる制限値を求めるための条件であってもよい。
例えば、ステップSa2では、条件設定処理部33が、個数条件の設定方法について、例えば既定値の設定を行うか任意の設定を行うかを問い合わせるメッセージを表示画面52a上に表示し、いずれかを選択するようにユーザに促す。条件設定処理部33は、既定値の設定を行う指示をユーザから受けた場合、処理をステップSa3へ進め、任意の設定を行う指示をユーザから受けた場合、処理をステップSa4へ進める。
ステップSa3では、条件設定処理部33が、既定値を選択して条件を個数設定する。この場合、例えば、条件設定処理部33は、個数条件の候補となる複数の個数条件のそれぞれが負荷パターンに対応付けられた個数条件テーブルを有してもよい。そして、条件設定処理部33は、負荷パターンを受けた際に、個数条件テーブルを参照し、受けた負荷パターンに適合する個数条件を選択する。条件設定処理部33は、例えば、個数条件として、受けた負荷パターンに対応する蓄電ユニットCDの容量及び耐圧を選択する。
ステップSa4では、条件設定処理部33が、個数条件を任意に設定する。例えば、条件設定処理部33は、負荷パターンに応じた個数条件の入力を受け付けることで(インタラクティブな処理を介して)、個数条件を設定してもよい(図10参照)。この場合、例えば、条件設定処理部33は、負荷パターンを受けた際に、負荷パターンを表示画面52a(図2参照)上に表示するとともに、個数条件の入力を促すような形態で個数条件の入力欄を表示画面52a上に表示してもよい。条件設定処理部33は、ユーザから入力された個数条件を適正な個数条件として設定してもよい。条件設定処理部33は、例えば、個数条件として、蓄電ユニットCDの容量及び耐圧の入力を受け付け、入力された容量及び耐圧を適正な容量及び耐圧として設定する。
なお、このとき、条件設定処理部33は、個数条件として適正な数値範囲をさらに表示してもよい。これにより、条件設定処理部33は、適正な個数条件が入力されるように促しながら、ユーザから入力された個数条件を適正な個数条件として設定できる。
ステップSa5では、条件設定処理部33が、プログラムに格納されたデータ、条件に基づき時系列にキャパシタ電源の電流、電圧、放電量、電力損失、発熱・放熱量を求め格納された負荷データ、時系列の負荷パターン、キャパシタ電源の定格仕様等との比較処理を行う。処理は、ステップSa1にて読み込まれた負荷パターン(例えば、消費エネルギデータ)から下記の数式5〜数式7により必要な蓄電ユニットの合計個数の算出を行う。ただし上記にて任意設定した場合には、蓄電ユニットの個数が算出される。読み込まれた負荷パターン[W]を消費エネルギE[J]のデータへ変形すると、次の数式5のようになる。
蓄電ユニットの放電初期電圧をV0[V]とし、蓄電ユニットの電圧使用範囲をa[V]とするとき、蓄電ユニットの合計容量値C[F]は次の数式6により求まる。
その後、必要な蓄電ユニットのユニット単位の容量Cを入力された蓄電ユニットの容量あるいは決まっている1単位あたりの蓄電ユニット容量C’で割ることで必要な蓄電ユニットの個数nを次の数式7により算出する。
ステップSa6では、条件設定処理部33が、最大負荷量と昇降圧チョッパユニットが操作可能な電力量との比較を行い、昇降圧チョッパユニットの必要台数を算出する。
条件設定処理部33は、設定された個数条件を、電流評価処理部34へ供給するとともに、電流評価処理部34経由で(又は直接的に)データ調整部35へ供給する。
ステップSa7では、電流評価処理部34が、充放電パターンを充放電パターン生成部32から受け、個数条件を条件設定処理部33から受ける。電流評価処理部34は、充放電パターンと個数条件とに応じて、エネルギアシストシステムSにおける電流を求める。電流評価処理部34は、例えば、エネルギアシストシステムSにおける電流の影響を受けて劣化しやすい部分の電流値を求める。例えば、電流評価処理部34は、エネルギアシストシステムSにおけるスイッチング素子SW1を流れる電流を求めてもよいし、スイッチング素子SW2を流れる電流を求めてもよいし、リアクトルL2を流れる電流を求めてもよい(図16参照)。
電流評価処理部34は、求められたエネルギアシストシステムの電流を電流制限値と比較する。例えば、電流評価処理部34は、エネルギアシストシステムSにおけるスイッチング素子SW1を流れる電流をスイッチング素子SW1用の電流制限値THSW1と比較してもよいし、スイッチング素子SW2を流れる電流をスイッチング素子SW2用の電流制限値THSW2と比較してもよいし、リアクトルL2を流れる電流をリアクトルL2用の電流制限値THL2と比較してもよい。そして、電流評価処理部34は、比較結果に応じてエネルギアシストシステムの特性を評価する。評価結果は、例えば、エネルギアシストシステムにおけるエネルギに関する情報を含み、例えば、アシスト電力、ピーク電力に関する情報などを含んでもよい。電流評価処理部34は、評価結果を、データ調整部35へ供給するとともに、データ調整部35経由で(又は直接的に)データ出力処理部36へ供給する。
例えば、電流評価処理部34は、求めたアシスト後の消費電力と蓄電ユニットの条件から蓄電ユニット内部に流れる電流を求める。蓄電ユニット内部に流れる電流データと昇降圧チョッパユニット内のスイッチング素子の電流許容値との比較を行う。また同様に昇降圧チョッパユニットの制御電流値及び制御サイクルパターンと選定装置が保有するスイッチング素子のパワーサイクル寿命データとの比較を行い運転パターンからの昇降圧チョッパユニットの寿命値を計算、表示する(図10参照)。
データ調整部35は、評価結果を電流評価処理部34から受け、個数条件を条件設定処理部33から受ける。データ調整部35は、評価結果に応じて、条件設定処理部33により設定された個数条件を調整して、構成情報を生成する。例えば、データ調整部35は、評価結果に応じて、エネルギアシストシステムSにおいて必要な各ユニットの個数等を算出する。例えば、データ調整部35は、エネルギアシストシステムの電流が電流制限値に収まるように、エネルギアシストシステムSにおいて必要な各ユニットの個数等を算出する。
例えば、データ調整部35は、エネルギアシストシステムSにおけるスイッチング素子SW1を流れる電流がスイッチング素子SW1用の電流制限値THSW1に収まる(第1の条件を満たす)ように、エネルギアシストシステムSにおいて必要な各ユニットの個数等を算出してもよい。あるいは、例えば、データ調整部35は、スイッチング素子SW2を流れる電流がスイッチング素子SW2用の電流制限値THSW2に収まる(第2の条件を満たす)ように、エネルギアシストシステムSにおいて必要な各ユニットの個数等を算出してもよい。あるいは、例えば、データ調整部35は、リアクトルL2を流れる電流がリアクトルL2用の電流制限値THL2に収まる(第3の条件を満たす)ように、エネルギアシストシステムSにおいて必要な各ユニットの個数等を算出してもよい。あるいは、例えば、データ調整部35は、第1の条件、第2の条件、及び第3の条件のうち2つ以上を満たすように、エネルギアシストシステムSにおいて必要な各ユニットの個数等を算出してもよい。
構成情報は、エネルギアシストシステムの構成に関する情報であり、例えば、エネルギアシストシステムにおける各ユニットの個数を含む。構成情報は、例えば、必要な蓄電ユニットCDの個数、昇降圧チョッパユニットCPの個数、電動機Mの個数を含む(図16参照)。データ調整部35は、生成された構成情報をデータ出力処理部36へ供給する。
ステップSa8では、データ出力処理部36は、構成情報をデータ調整部35から受け、評価結果を電流評価処理部34から受ける。データ出力処理部36は、構成情報と評価結果とを表示画面52a上に表示する。例えば、データ出力処理部36は、構成情報と評価結果とに応じて、構成情報と構成情報が適用されたエネルギアシストシステムのエネルギとを、表示画面52a上に表示する。例えば、データ出力処理部36は、蓄電ユニットCDの個数、アシスト電力、ピーク電力等に関する情報を表示画面52a上に表示する(図10参照)。
例えば、データ出力処理部36は、これまでに求めた蓄電ユニット数、最大スペックからのシステム余裕率、システムの電源回生、アシスト電力、ピーク電力のシステム適用前とのエネルギ比較データを表示する。
ステップSa9では、データ調整部35が、最終出力に対してピーク電力、アシスト量の増減により運転パターンの条件を視覚的に調整する指示を受け付けた場合、その指示に応じて、削減される電力コスト、ユニット数の増減を調整する。データ調整部35は、調整を行った場合(ステップSa9で「Yes」)、処理をステップSa8へ戻し、調整後の個数を含む構成情報をデータ出力処理部36へ供給する。これに応じて、データ出力処理部36は、調整後の個数を含む構成情報に応じて、その表示内容を更新する(ステップSa8)。一方、データ調整部35は、例えば所定の待ち時間以内に調整を行わなかった場合(ステップSa9で「No」)、処理をステップSa10へ進める。
ステップSa10では、データ出力処理部36が、ユーザによる条件確定ボタンの操作に応じて指示を受けた場合(ステップSa10で「Yes」)、構成情報及び評価結果をレイアウト部40へ供給するとともに、処理をステップSa11へ進める。一方、データ出力処理部36は、ユーザによる条件確定ボタンの操作を所定の待ち時間以内に受けなかった場合(ステップSa10で「No」)、処理をステップSa9に戻す。
ステップSa11では、レイアウト部40が、アシスト、電力ユニットの個数を元に、レイアウトの調整を行うレイアウト選定画面(図13参照)を立ち上げる。
次に、電流パターン、負荷パターン、及びアシスト電力について図9を用いて説明する。図9(a)は、電流パターンを示す図であり、図9(b)は、負荷パターンを示す図であり、図9(c)は、負荷パターンに対してアシスト電力を計算した結果を示す図である。
図9(a)は、電動機Mにおける負荷に対応した電流(例えば、q軸電流)の時間変化のパターン(電流パターン)を示す図である。図9(a)に示す電流パターンは、トルクパターンと電動機条件(図8参照)とから算出されたものであり、例えば、各軸ごとのパターンである。
図9(b)は、電動機Mにおける負荷に対応した電力の時間変化のパターン(負荷パターン)を示す図である。図9(b)に示す負荷パターンは、図9(a)に示す電流パターンから銅損、鉄損、リラクタンストルクを含んだ各軸の軸出力を求め、求められた各軸の軸出力を合計してエネルギアシストシステムの総消費電力の時間変化のパターンとして得られる。
図9(c)は、図9(b)に示す負荷パターンに対して、斜線部の電力を蓄電ユニットCDの電気エネルギでアシストするように計算されたことを示す図である。例えば、図9(c)に示すように、データ出力処理部36が、負荷パターンにおけるアシスト電力が識別可能な形態(例えば、斜線部等でハイライトする形態)で表示画面52a上に表示するので、ユーザは、識別可能な形態で区別された部分(例えば、斜線部等でハイライトされた部分)を確認することでアシストされたエネルギ(アシスト電力)を確認することができる。
次に、上記のステップSa8で表示画面52a上に表示される運転エネルギ調整画面について図10を用いて説明する。図10は、運転エネルギ調整画面の構成を示す図である。
運転エネルギ調整画面では、図10に示すように、負荷パターン(電力パターン)LPが表示されるとともに、負荷パターンLPにおける運転ピーク電力80及びアシスト電力ライン85の差分としてアシスト電力86が表示される。
運転エネルギ調整画面は、アシスト電力を増減させるための構成として、蓄電ユニット個数入力欄81、エネルギアシスト量入力欄82、力行アシスト電力ライン操作バー83、及びアシスト電力ライン操作バー84を有する。
蓄電ユニット個数入力欄81には、例えば、現在の算出された蓄電ユニット個数が表示されている。ユーザは、例えば、現在の個数から増減された個数を入力することで、アシスト電力を増減させることができる。なお、データ調整部35は、評価結果に応じて、エネルギアシストシステムSにおいて必要な蓄電ユニットの個数の候補(適正数値範囲)を算出して、蓄電ユニット個数入力欄81の近くに適正数値範囲を表示してもよい。これにより、ユーザが蓄電ユニット個数として適正な個数を入力するように促すことができる。
エネルギアシスト量入力欄82には、例えば、現在の算出されたアシスト量(アシスト電力)(すなわち、アシスト電力86に対応した電力の量)が表示されている。ユーザは、例えば、現在のアシスト量(アシスト電力)から増減されたアシスト量(アシスト電力)を入力することで、アシスト電力を増減させることができる。なお、データ調整部35は、現在の負荷パターンLPから適正なアシスト量(アシスト電力)の調整範囲(適正調整範囲)を算出して、エネルギアシスト量入力欄82の近くに適正調整範囲を表示してもよい。これにより、ユーザが適正なアシスト量(アシスト電力)を入力するように促すことができる。
力行アシスト電力ライン操作バー83は、回生時のアシスト電力ライン85を変えずに(例えば、アシスト電力ライン操作バー84により設定されたレベルに維持しながら)、力行時におけるアシスト電力ライン85を選択的に操作するためのユーザインターフェースである。力行アシスト電力ライン操作バー83は、例えば左側に移動操作された際に、アシスト電力ライン85を低エネルギ側へ移動させ、例えば右側に移動操作された際に、アシスト電力ライン85を高エネルギ側へ移動させる。なお、回生時と力行時とでアシスト電力ライン85を同じレベルにする場合、力行アシスト電力ライン操作バー83は、例えば非活性化ボタン(図示せず)が押されることにより、非活性状態にされる。
アシスト電力ライン操作バー84は、アシスト電力ライン85を操作するためのユーザインターフェースである。力行アシスト電力ライン操作バー83は、例えば左側に移動操作された際に、アシスト電力ライン85を低エネルギ側へ移動させ、例えば右側に移動操作された際に、アシスト電力ライン85を高エネルギ側へ移動させる。なお、力行アシスト電力ライン操作バー83が活性化されている場合、アシスト電力ライン操作バー84は、回生時のアシスト電力ライン85を選択的に操作するためのユーザインターフェースとして機能し、力行アシスト電力ライン操作バー83が非活性化されている場合、アシスト電力ライン操作バー84は、回生時及び力行時に共通のアシスト電力ライン85を操作するためのユーザインターフェースとして機能する。
例えば、ユーザは、力行アシスト電力ライン操作バー83、アシスト電力ライン操作バー84を動かすことでアシスト電力ラインを調整してもよいし、蓄電ユニット個数入力欄81の個数あるいはエネルギアシスト量入力欄82のアシスト量(アシスト電力)を編集してもよい。このとき、運転エネルギ調整画面では、エネルギアシストシステムの特性が制限値を超えないようにするために不足するアシスト量(アシスト電力)を確認できるように表示してもよい。
次に、レイアウト部40に対応したレイアウト選定ツールの機能構成について図12を用いて説明する。図12は、レイアウト選定ツールの機能構成を示す図である。
レイアウト選定ツールは、制御部50(図2参照)により実行されることで、図12に示すような機能構成がエネルギアシストシステム選定支援装置1内(例えば、第1の記憶部51におけるワーク領域51a内)に形成される。なお、レイアウト選定ツールにより形成される各機能部は、レイアウト選定ツールの実行開始に応じて一括して形成されてもよいし、レイアウト選定ツールの実行状況に応じて順次に形成されてもよい。
例えば、エネルギアシストシステム選定支援装置1は、レイアウト選定ツールにより実現される機能構成として、図12に示すように、電流・蓄電ユニット数読み込み部91、操作部92、表示部93、蓄電ユニット配置処理部94、ユニットデータファイル保持部95、及びユニット配置部96を有する。
電流・蓄電ユニット数読み込み部91は、データ処理部で求められた昇降圧チョッパユニットの個数、蓄電ユニットの個数、電流を読み込む。すなわち、電流・蓄電ユニット数読み込み部91には、構成情報及び評価結果がデータ出力処理部36から入力される。すなわち、電流・蓄電ユニット数読み込み部91は、レイアウト入力部41(図1参照)に対応している。
操作部92は、キーボード、マウス等で構成されておりユーザからの操作を受け付ける入力制御を行う。すなわち、操作部92は、レイアウト配置部42におけるユーザからのレイアウト指示を受け付けるための入力制御を行う部分に対応する。
表示部93は、レイアウト配置部42にて配置された結果を表示し、ディスプレイ、印刷機等への表示を行う。すなわち、表示部93は、レイアウト配置部42におけるレイアウト指示に応じてレイアウト配置された各表示オブジェクトを表示画面52a上に表示するための表示制御を行う部分に対応するとともに、レイアウト出力部44における評価結果に応じて警告を表示する表示制御を行う部分に対応する。
蓄電ユニット配置処理部94は、例えば、電流・蓄電ユニット数読み込み部91により読み込んだデータに基づき、ユーザが配置した蓄電ユニットの並列数がアシスト動作可能なユニット制限値(レイアウト制限値)を越えないかどうかの比較を行う。すなわち、蓄電ユニット配置処理部94は、レイアウト情報をレイアウト制限値と比較しながら評価するものであり、レイアウト評価部43に対応する。
ユニットデータファイル保持部95は、コンバータユニット、ドライブユニット、蓄電ユニット、モータ、ケーブル、昇降圧チョッパユニットに関する情報を保持しユニット配置部96へ情報を伝達する。ユニットデータファイル保持部95は、レイアウト配置部42、レイアウト評価部43、及びレイアウト出力部44のそれぞれにおける情報を一時的に保持する部分に対応する。
ユニット配置部96は、操作部92及びユニットデータファイル保持部95の情報を元に、表示部93へレイアウト情報を伝達する。すなわち、ユニット配置部96は、表示部93を介して表示画面52a上にレイアウト情報を表示するものであり、レイアウト配置部42におけるレイアウト指示に応じてレイアウト配置された各表示オブジェクトを表示画面52a上に表示するための表示制御を行う部分に対応する。
次に、レイアウト部40により表示画面52a上に表示されるレイアウト選定画面について図13を用いて説明する。
レイアウト選定画面は、図13に示すように、ユニットエリア101、配置エリア102、リストエリア106、コストエリア107、及びアシスト量表示エリア108を有する。
ユニットエリア101には、初期状態において、構成情報に応じた個数の各ユニットの表示オブジェクトが表示されている。図13では、コンバータユニット、昇降圧チョッパユニット、ドライブユニット、蓄電ユニット、ケーブルがユニットエリア101内に表示された状態が例示されている。
配置エリア102は、実際に各ユニットが配置されるべき制御盤内の空間に対応した仮想空間を表している。ユーザは、ユニットエリア101よりユニットを選択し、配置エリア102に配置を行う。この際、前述の蓄電ユニット配置処理部94(又は図1に示すレイアウト評価部43)にて蓄電ユニットの並列数が既定値以上かどうかを判断しながら配置を行う。蓄電ユニットの並列数が既定値を超えた場合は警告手段104により警告を行う。警告手段104は、例えば、警告メッセージを表示画面52a上に表示することで警告を行う。
例えば、図13では、コンバータユニット、昇降圧チョッパユニット、ドライブユニットがそれぞれ1個配置エリア102内に配置され、蓄電ユニットが2個配置エリア102内に配置された状態が例示されている。このとき、破線で示すように、蓄電ユニットがさらに追加されると、蓄電ユニットの並列数(3個)が既定値(2個)を超えたものと判断され、警告手段104による警告が行われる。
例えば、図13では、コンバータユニット、昇降圧チョッパユニット、ドライブユニットがそれぞれ1個配置エリア102内に配置され、蓄電ユニットが2個配置エリア102内に配置された状態が例示されている。このとき、実線で示すように、追加される蓄電ユニットが11mのケーブルを介して2個の蓄電ユニットに接続されると、ケーブルの長さ(11m)が既定値(10m)を超えたものと判断され、警告手段105による警告が行われる。
リストエリア106には、配置エリア102上に存在する各ユニットに対応した購入リストが表示される。例えば、終了ボタン109が押された場合に、配置エリア102上に存在する各ユニットをリストアップした購入リストが作成され、作成された購入リストがリストエリア106上に表示される。なお、例えば、配置エリア102にユニットが追加配置されるたびに、購入リストが動的に更新されリストエリア106上に表示されてもよい。
コストエリア107には、配置エリア102上に存在する各ユニットに対応したエネルギコストが表示される。例えば、終了ボタン109が押された場合に、配置エリア102上に存在する各ユニットを設置する前後におけるエネルギコストが計算され、計算された各ユニットの設置前後におけるエネルギコストがコストエリア107上に比較表示される。
なお、例えば、配置エリア102にユニットが追加配置されるたびに、エネルギコストが動的に更新されコストエリア107上に表示されてもよい。この場合、終了ボタン109が押されることで、エネルギコストが確定される。
アシスト量表示エリア108には、配置エリア102上に存在する各ユニットに対応したアシスト量(アシスト電力)が表示される。例えば、終了ボタン109が押された場合に、配置エリア102上に存在する各ユニットに対応したアシスト量が計算され、計算されたアシスト量がアシスト量表示エリア108上に(例えば、必要な電力(エネルギ)、及び電源電力とともに)表示される。
なお、例えば、配置エリア102にユニットが追加配置されるたびに、アシスト量が動的に更新されアシスト量表示エリア108上に表示されてもよい。この場合、終了ボタン109が押されることで、アシスト量が確定される。
次に、レイアウト部40の動作について図14を用いて説明する。図14は、レイアウト部40の動作を示すフローチャートである。
ステップT1〜T3では、レイアウト入力部41に、構成情報及び評価結果がデータ出力処理部36から入力される。レイアウト入力部41は、構成情報及び評価結果をレイアウト配置部42へ供給する。また、レイアウト入力部41は、レイアウト出力部44から要求された場合、構成情報を、レイアウト配置部42及びレイアウト評価部43経由で(又は直接的に)レイアウト出力部44へ供給する。
ステップT1では、レイアウト入力部41に、構成情報として、例えば、配置可能な蓄電ユニットの個数が読み込まれる。
ステップT2では、レイアウト入力部41に、構成情報として、例えば、昇降圧チョッパユニットの個数が読み込まれる。
ステップT3では、レイアウト入力部41に、評価結果として、例えば、運転パターン、電流値、電圧が読み込まれる。
ステップT4では、レイアウト配置部42が、構成情報及び評価結果をレイアウト入力部41から受ける。レイアウト配置部42は、評価結果に応じて、構成情報が適用されたエネルギアシストシステムのエネルギに関する情報(例えば、電流、電力のデータ)を表示画面52a上に表示する。そして、ユーザが図13に示すようなレイアウト選定画面を介してレイアウト配置の操作を実行する。レイアウト配置部42は、構成情報とユーザからの指示とに応じて、エネルギアシストシステムの各ユニットを示す表示オブジェクトを表示画面52a上にレイアウト配置する。
例えば、レイアウト配置部42は、構成情報に応じて、エネルギアシストシステムの各ユニットを示す表示オブジェクトを、表示画面52a上におけるデフォルト位置(例えば、図13に示すユニットエリア101)にレイアウト配置してもよい。そして、レイアウト配置部42は、ユーザからの指示に応じて、表示画面52a上における各表示オブジェクトの位置を変更する。例えば、レイアウト配置部42は、マウスポインタ又はタッチパネルなどの入力インターフェースを介して、ユーザからのドラッグアンドドロップ操作を受け付け、ドラッグアンドドロップ操作に応じて、表示画面52a上における各表示オブジェクトの位置を変更してもよい。すなわち、レイアウト配置部42は、表示画面52a上における各表示オブジェクトの位置を、実際の制御盤内の空間に対応した仮想空間(例えば、図13に示す配置エリア102)における所望の位置に変更してもよい。これにより、ユーザがレイアウト配置部42を用いて、エネルギアシストシステムにおける各ユニットについて配置の検討を行うことができる。
レイアウト配置部42は、レイアウト配置を行ったら、レイアウト情報をレイアウト評価部43へ供給する。レイアウト情報は、表示画面52a上におけるレイアウト配置された各ユニットを示す表示オブジェクトの位置に関する情報であり、例えば、ユニットの識別子と、表示オブジェクトの識別子と、表示画面52a上における配置された位置(座標)とが、複数のユニットについて対応付けられた情報である。例えば、レイアウト配置部42は、レイアウト配置が変更されるたびに、レイアウト情報を更新して、更新されたレイアウト情報をレイアウト評価部43へ供給する。
ステップT5〜ステップT8では、レイアウト評価部43が、レイアウト情報をレイアウト配置部42から受ける。レイアウト評価部43は、レイアウト情報をレイアウト制限値と比較しながら評価する。レイアウト制限値は、例えば、レイアウト配置の電気的な可否に関する制限値を含んでいてもよいし、各ユニットの寸法等の物理的な可否に関する制限値を含んでいてもよい。例えば、レイアウト評価部43は、インピーダンスに起因する充放電時定数と充放電パターンから決まる配置可能な蓄電ユニットの並列数とユーザにより配置された蓄電ユニットの並列数とを比較することにより、ユーザにより配置された蓄電ユニットの並列数が許容範囲内かを判定する。そして、レイアウト評価部43は、その判定結果をレイアウト情報に対する評価結果としてもよい。レイアウト評価部43は、評価結果をレイアウト出力部44へ供給する。
例えば、ステップT5では、ステップT3で読み込まれた電流値により、ケーブル配線に要求される部材の断面寸法を決定する。また求められた断面寸法から、本レイアウト検討装置が持つケーブルの最大長のデータベースからケーブル長さの制限値を決定する。この際、ユーザが配置するケーブル長が既定仕様値を超えた場合、警告手段105により例えばケーブル長さの警告メッセージを表示画面52a上に表示する(図13参照)。
ステップT6では、蓄電ユニットが配置される際、直列に接続されたのか並列に接続されたのかを判断する。
ステップT7では、蓄電ユニットの並列数と直列数とから蓄電ユニットの充放電にかかるCとRとLで表現される時定数τの算出を行う。図15に式の概念図を示す。例えば、図15に示すように、ドライブユニットDV内の蓄電ユニット171に対して、容量素子C1,C2,C3,C4が並列に接続され、容量素子C1と容量素子C2との間に抵抗R1が接続され、容量素子C2と容量素子C3との間に抵抗R2が接続され、容量素子C3と容量素子C4との間に抵抗R3が接続された構成を考える。この構成では、(合成抵抗)×(合成容量)が、近似的に最近蓄電ユニットの通電ルート179のインピーダンスと最遠蓄電ユニットの通電ルート174のインピーダンスとの差に比例していると考えられる。そのため、最近蓄電ユニットの通電ルート179のインピーダンスと最遠蓄電ユニットの通電ルート174のインピーダンスとの差を求め、求められた差に応じて(例えば、求められた差に所定の係数を乗じて)時定数τの算出を行う。
ステップT8では、ステップT7で求められた蓄電ユニットの時定数と昇降圧チョッパユニットのアシストに要求される制御応答時間αとの比較を行い、アシスト動作が可能かどうかの判定を行う。
例えば、下記の数式8に示すように、昇降圧チョッパユニットのアシストに関する計算周期(制御応答時間)αと蓄電ユニットを並列につないだ際の時定数τを比較して制御可能かどうかの判断を行う。時定数τが制御応答時間αより小さい場合に、全ての蓄電ユニットが蓄電可能なエネルギを合計したアシストエネルギ量が運転パターンのエネルギ量における不足分を上回ると考えられるので、アシスト動作が可能と判断する。それに対して、時定数τが制御応答時間α以上である場合には、全ての蓄電ユニットが蓄電可能なエネルギを合計したアシストエネルギ量が運転パターンのエネルギ量における不足分を下回ると考えられるので、アシスト動作が不可能と判断する。レイアウト評価部43は、アシスト動作が可能である場合(ステップT8で「動作可能」)、処理をステップT10へ進める。
一方、レイアウト評価部43は、アシスト動作が不可である場合(ステップT8で「動作不可能」)、処理をステップT9へ進める。
ステップT9では、レイアウト出力部44が、評価結果に応じて、警告を出力する。例えば、レイアウト出力部44は、レイアウト情報がレイアウト制限値に応じた許容範囲を外れる場合、警告を出力する。例えば、レイアウト出力部44は、ユーザにより配置された蓄電ユニットの並列数が許容範囲外となる場合、警告を出力する。警告を出力する方法は、表示画面52aに警告メッセージを表示したり、警報ランプを点灯させたりすることなどの視覚的な方法を用いてもよいし、音声出力部49から警告メッセージを音声出力したり、音声出力部49から警報ブザーを出力したりすることなどの聴覚的な方法を用いてもよい。これにより、ユーザがレイアウト配置部42を用いて各ユニットについて配置の再検討を行うように促すことができる。例えば、ユーザは、警告に従い並列数を変更することで制限値に対する修正を行うことができる。
ステップT10では、レイアウト出力部44が、ユーザから配置終了の指示を受けた場合、処理をステップT11に進め、所定の待ち時間以内に配置終了の指示を受けなかった場合、処理をステップT4に戻す。
ステップT11では、レイアウト出力部44が、構成情報に応じて、例えば各ユニットの個数のリストを生成して出力部15に供給する。各ユニットの個数のリストは、例えば、ユニットの識別子とユニットの個数とが複数のユニットのそれぞれについて対応付けられたものである(図13参照)。
以上のように、実施の形態では、エネルギアシストシステム選定支援装置1において、運転パターン生成部10が、電子機械構成を考慮した運転パターンを生成する。負荷パターン生成部20は、運転パターン生成部10により生成された運転パターンに応じて、消費電力に関する負荷パターンを生成する。データ処理部30は、負荷パターン生成部20により生成された負荷パターンに応じて、運転パターン生成部10により生成された運転パターンが適用されたエネルギアシストシステムの特性を制限値と比較しながら評価する。データ処理部30は、その評価結果に応じて、エネルギアシストシステムの各ユニットの個数を含む構成情報を生成する。これにより、エネルギアシストシステムの特性が制限値に対応した許容範囲内に収まるように、エネルギアシストシステムの各ユニットの個数を容易に選定でき提示できる。レイアウト部40は、データ処理部30により生成された構成情報に応じて、仮想空間上にエネルギアシストシステムの各ユニットをレイアウト配置して表示画面52a上に表示する。これにより、エネルギアシストシステムの各ユニットのレイアウトがレイアウト制限値に対応した許容範囲内に収まるようにエネルギアシストシステムのレイアウトを事前に検討でき容易に選定できる。したがって、エネルギアシストシステムの選定を簡易且つ効率的な処理で支援できる。
また、実施の形態では、エネルギアシストシステム選定支援装置1において、電子機械配置部11が、電子機械を配置し、電子機械条件を生成する。運転プログラム記述部12は、運転プログラムを記述する。運転パターン生成部13は、電子機械配置部11により生成された電子機械条件と運転プログラム記述部12により記述された運転プログラムとに応じて、運転パターンを生成する。これにより、電子機械構成を考慮した運転パターンを生成できる。
あるいは、実施の形態では、運転パターン生成部13が、ユーザにより作成されたシミュレーションデータ(例えば複数軸のカム運転、ギアなど複雑な運転パターンをシミュレーションした結果)をシミュレーションソフトウェアからインポートし、インポートされたシミュレーションデータを負荷パターン生成部20で処理可能なフォーマットに変換することで、運転パターンを生成する。これにより、ユーザが多大な時間をかけて作成する機械機構シミュレーションソフトウェアを利用して、複雑な手計算をする必要なく、運転パターンを元に直接エネルギデータを算出できる。すなわち、ユーザがシミュレーションソフトウェアにて事前に作成した複雑な運転パターンと連携し、機械条件入力することで複雑かつ複数軸で運転パターンのアシスト量を実際に近い条件で計算できる効果を有する。
また、実施の形態では、エネルギアシストシステム選定支援装置1において、機械条件入力部22に、実機械条件が入力される。電動機条件選定部23は、運転パターン生成部10により生成された運転パターンと機械条件入力部22に入力された実機械条件とに応じて、電動機条件を選定する。トルクパターン計算部24は、運転パターン生成部10により生成された運転パターンと電動機条件選定部23により選定された電動機条件とに応じて、トルクパターンを計算する。消費電力処理部25は、運転パターン生成部10により生成された運転パターン、電動機条件選定部23により選定された電動機条件、及びトルクパターン計算部24により計算されたトルクパターンに応じて、総消費電力を計算し負荷パターンを求める。これにより、運転パターン生成部10により生成された運転パターンに応じて、消費電力に関する負荷パターンを生成できる。また、運転パターンの変更に対して負荷パターンを容易に再計算できる。
また、実施の形態では、エネルギアシストシステム選定支援装置1において、条件設定処理部33が、負荷パターン生成部20により求められた負荷パターンに応じて、エネルギアシストシステムの各ユニットの個数に関する個数条件を設定する。電流評価処理部34は、条件設定処理部33により設定された個数条件に応じたエネルギアシストシステムの電流を電流制限値と比較して、エネルギアシストシステムの特性を評価する。データ調整部35は、電流評価処理部34による評価結果に応じて、条件設定処理部33により設定された個数条件を調整して、構成情報を生成する。これにより、負荷パターン生成部20により生成された負荷パターンに応じて、運転パターン生成部10により生成された運転パターンが適用されたエネルギアシストシステムの特性を制限値と比較しながら評価でき、評価結果に応じて、エネルギアシストシステムの各ユニットの個数を含む構成情報を生成できる。また、運転パターンの変更に対して構成情報を容易に再計算できる。
また、実施の形態では、エネルギアシストシステム選定支援装置1において、レイアウト配置部42が、構成情報とユーザからの指示とに応じて、エネルギアシストシステムの各ユニットを示す表示オブジェクトを表示画面52a上にレイアウト配置して、表示画面52a上における各ユニットを示す表示オブジェクトの位置に関するレイアウト情報を生成する。レイアウト評価部43は、レイアウト情報をレイアウト制限値と比較しながら評価する。レイアウト出力部44は、レイアウト評価部43による評価結果に応じて、警告を出力する、あるいは、レイアウト情報を出力する。これにより、データ処理部30により生成された構成情報に応じて、仮想空間上にエネルギアシストシステムの各ユニットをレイアウト配置して表示画面上に表示でき、例えば、必要なユニット数、ケーブル長さ、配置図を算出できるため、ユーザの実際の制御盤内検討においてエネルギアシストシステムのレイアウト検討を事前に行うことができる。
また、実施の形態では、容量選定装置2(図1参照)において、電子機械配置部11が、電動機により駆動されるべき機械に対応した電子機械を配置し、電子機械条件を生成する。運転プログラム記述部12は、運転プログラムを記述する。運転パターン生成部13は、電子機械配置部11により生成された電子機械条件と運転プログラム記述部12により記述された運転プログラムとに応じて、運転パターンを生成する。機械条件入力部22には、実機械条件が入力される。電動機条件選定部23は、運転パターン生成部13により生成された運転パターンと機械条件入力部22に入力された実機械条件とに応じて、電動機の容量選定ができるように、電動機条件を選定する。これにより、電動機により駆動されるべき機械に対応した電動機の容量選定を容易に行うことができる。この結果、例えば、エネルギアシストシステムの特性が制限値に対応した許容範囲内に収まるように電動機の容量選定を行うことが容易である。
また、実施の形態では、消費電力計算装置3(図1参照)において、機械条件入力部22に、実機械条件が入力される。電動機条件選定部23は、運転パターン生成部10により生成された運転パターンと機械条件入力部22に入力された実機械条件とに応じて、電動機条件を選定する。トルクパターン計算部24は、運転パターン生成部10により生成された運転パターンと電動機条件選定部23により選定された電動機条件とに応じて、トルクパターンを計算する。消費電力処理部25は、運転パターン生成部10により生成された運転パターン、電動機条件選定部23により選定された電動機条件、及びトルクパターン計算部24により計算されたトルクパターンに応じて、銅損、鉄損、リラクタンストルクを含んだ軸出力を求め、求められた軸出力からエネルギアシストシステムの総消費電力を計算する。これにより、電動機により駆動されるべき機械の動作に対応したエネルギアシストシステムの総消費電力を事前に求めることができる。この結果、例えば、エネルギアシストシステムの特性が制限値に対応した許容範囲内に収まるようにエネルギアシストシステムを選定することを容易に支援できる。
また、実施の形態では、レイアウト生成装置4(図1参照)において、レイアウト配置部42が、エネルギアシストシステムの各ユニットの個数を含む構成情報とユーザからの指示とに応じて、エネルギアシストシステムの各ユニットを示す表示オブジェクトを表示画面上にレイアウト配置して、表示画面上におけるレイアウト配置された各ユニットを示す表示オブジェクトの位置に関するレイアウト情報を生成する。レイアウト評価部43は、インピーダンスに起因する充放電時定数と充放電パターンから決まる配置可能な蓄電ユニットの並列数とレイアウト情報により示される蓄電ユニットの並列数とを比較することにより、レイアウト情報により示される蓄電ユニットの並列数が許容範囲内かを判定する。レイアウト出力部44は、レイアウト情報により示される蓄電ユニットの並列数が許容範囲外となる場合、警告を出力し、レイアウト情報により示される蓄電ユニットの並列数が許容範囲内となる場合、レイアウト情報を出力する。これにより、構成情報に応じてエネルギアシストシステムの各ユニットのレイアウト配置を検討する場合に、蓄電ユニットの並列数が許容範囲内となるようなレイアウト配置を容易に特定できる。この結果、例えば、エネルギアシストシステムの各ユニットのレイアウトがレイアウト制限値に対応した許容範囲内に収まるようにエネルギアシストシステムのレイアウトを選定することを容易に支援できる。また、レイアウト情報として、設置したユニットのリストを作成し出力すれば、ユニットの購入の手助けを行うことができる。
また、実施の形態では、運転エネルギ調整画面(図10参照)において、達成される見込みのエネルギコスト削減量、必要なコンデンサ数や条件、及びアシスト量を表示するので、エネルギアシストシステムの投資に対する結果を事前に定量的に評価できるため、資金投資に踏み切りやすくなる。
また、実施の形態では、運転エネルギ調整画面(図10参照)において、負荷パターン(電力パターン)及びアシスト電力を表示するとともに、アシスト量(アシスト電力)を増減させるためのユーザインターフェースを表示するので、視覚的にアシスト電力を確認しながら直感的にアシスト量及び運転パターンの調整ができる。例えば、蓄電ユニットが現状3つ必要であるが、アシスト量を微調整するだけで蓄電ユニットの必要な個数を2個に低減できる場合などに、スライドバー等で容易に調整できる。
また、実施の形態では、レイアウト選定画面(図13参照)において、実際に各ユニットが配置されるべき制御盤内の空間に対応した仮想空間(配置エリア102)上に、各ユニットを示す表示オブジェクトをレイアウト配置することで、レイアウト情報が生成される。これにより、視覚的に各ユニットの位置を確認しながら直感的にレイアウト配置を検討できる。この結果、例えば、必要部材及び盤レイアウトの注意事項に気を付けながら、ケーブル、コンデンサ配置条件の見落としを低減できる。