JP2011227082A - ハイブリッド車輌用パワートレインの調査システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】熱機関と駆動用電気モータとを備えたハイブリッド車輌用のパワートレインの調査システムは、第1の電気モータ(M1)と、熱機関の作動をリアルタイムに模擬し、かつ機関の制御手段を模擬するシミュレーション手段(S1,S2)と、シミュレーション手段から得られた機関速度を第1の電気モータの回転軸上に機械的に再現する手段(PTRI,M2)と、を有する。
【選択図】図1
Description
第1の電気モータは、パワートレインの駆動用電気モータと同じ技術(同期または非同期モータ、巻線形モータ、永久磁石モータなど)に基づくモータであることが好ましい。実際、このモータの目的は、調査対象パワートレインの電気モータの挙動を再現することである。従って、第1の電気モータはパワートレインの駆動用電気モータそのものであってよい。
本発明によるシステムは、熱機関の作動と、熱機関制御手段と、車輌のトランスミッションと、車輌の動特性と、をリアルタイムに模擬する手段を有している。
−Q6700プロセッサ搭載のPCIE9650−R11 IEIマザーボード;クアッドコアプロセッサ;作動周波数:2.66GHz
−複数のモデルを最大周波数10kHzで実行するのを可能にするリアルタイムオペレーティングシステム及びリアルタイムスーパーバイザ。
S1.熱機関シミュレータ
入力は、噴射燃料流量、機関回転速度などの制御信号である。主な出力は、伝動軸に供給されるトルクである。このシミュレータは検討対象熱機関の物理方程式を使用し、様々な気体の燃焼と循環をモデル化する。
入力は、パワートレイン及び機関の測定値(速度、温度、空燃比、流量)、熱機関のトルク設定値、及び測定されない量の推定値である。出力は、下位のアクチュエータ(スロットル、噴射、前進、及びターボ/EGRのアクチュエータ)に送信される設定値である。このシミュレータは熱機関の制御手順を再現する。
入力は、熱機関のトルク、電気モータのトルク及び車輪速度である。出力は、車輪に伝達されるトルク及び車輌速度である。
入力は複数の車輪における総トルクである。出力は、車輪の回転速度である。このシミュレータは、模擬される熱機関及び実際の電気モータから供給されるトルクに従って車輌の応答を再現する。
入力は車輌速度及び所望の速度である。出力はペダル位置であり、従って、総トルク要求の設定値である。このシミュレータは、ペダルに対する運転者の動作と、運転サイクルに従うための、可能性のあるギアシフトレバーと、を再現する。
このスーパーバイザは、必要とされる電力を熱機関と電気モータとの間で分配することを可能にするやりかたを定める。スーパーバイザは、パワートレインアクチュエータに供給される設定値を生成及び調整し、ハイブリッド構成によってもたらされる自由度を飽和させる。単一軸の平行ハイブリッドシステム(ボックスより上流側の電気機械)の場合、エネルギースーパーバイザの主要機能の1つは、熱機関及び電気モータのトルク設定値の和が運転者から要求される総トルクに等しくなるように、これらのトルク設定値を定めることである。一般に、入力は、所望のトルク要求、パワートレインの測定値(特に車輌速度、温度など)、及び推定値(特にSOC)である。出力は、アクチュエータに送信される設定値(機関/クラッチのトルク、歯車比、DC/DCコンバータの場合の変換比設定値など)である。
一実施形態によれば、シミュレーション手段から得られる回転速度を第1の電気モータの回転軸上で機械的に再現する手段は、第1の電気モータの回転軸に固定された第2の回転軸を備えた第2の電気モータと、シミュレーション手段と第1及び第2の電気モータとの間のリアルタイムインタフェース手段(PTRI)と、を有している。
インタフェース手段は、ソフトウェア及び電子部品に基づくリアルタイムプラットフォームである。インタフェース手段は、第1の電気モータ(M1)に対する所望トルク要求を第1の電気モータ(M1)に送信する手段と、電気モータ(M1)によって実際に生成されたトルクの測定値を車輌トランスミッションシミュレータ(S3)に送信する手段と、車輌トランスミッションシミュレータ(S3)からの回転速度要求を第2の電気モータ(M2)に送信する手段と、を有している。
本発明によるシステム内では、実際の熱機関のトルク及び車輌の抵抗トルクは、リアルタイムシミュレーションから得られる数値である(物理的なトルクではない)。第2の電気モータを使用して、駆動用電気モータ(テストベンチの第1の電気モータ)の軸に対するトルクの寄与を縮小スケールで再現することができる。この第2のモータはテストベンチの第1の電気モータに接続されている。この第2の電気モータをジェネレータと呼ぶ。例えば、第1のモータより出力が10%程度大きい電気モータを使用することが可能である。
2つの電気モータを制御するパワーエレクトロニクスは4つのインバータからなっている。各インバータの機能は以下のとおりである。
テストベンチの一実施形態例は、以下の機械的要素を有している。すなわち、電気モータとして、リロイソマー(Leroy-Somer)社ユニドライブ(UniDrive)シリーズ、出力1.76kWの、駆動モータである第1の電気モータM1と、同じくリロイソマー社ユニドライブシリーズ、出力2.51kWの、ジェネレータである第2の電気モータM2と、を有している。機械的サポートとして2つの金属サポート(ブラケットとも呼ばれる)を有しており、これらは各機械について1つずつ設けられ、必要なネジ及びボルトによってベースフレームに固定されたアルミニウム板にしっかりと固定されている。電気モータ間の継手として、各電気機械のそれぞれの軸を互いに固定するセミリジッド継手と、電気モータの回転軸での実際の機械トルクを測定可能なトルクメータと、を有している。
ハイブリッド用パワートレインの事前規模選定(pre-dimensioning)
このシステムによれば、テストベンチ上で単一の機関を使用しながら、パワートレイン機関についてのいくつかの考えられる選択肢を評価することが可能になる。実際のパワートレインの静的挙動及び動的挙動の主な傾向を再現すると考えられる1組の様々なスケール係数が各選択肢に相当する。これによって、本発明によるシステムをハイブリッド用パワートレイン用の事前規模選定ツールとして使用することができる。
これは、半分が実物で半分がソフトウェアの組立体において物理的要素が現実を最もうまく表現するという考えに基づく、このシステムの最も明らかな用途である。従って、試験は、この実際の要素に対して行われる。本実施形態の場合、実際の物理的要素は電気モータであり、テストベンチの第1の用途は、既知のハイブリッド用パワートレインの電気モータを調べることである。このパワートレインにおいて、熱機関は、そのリアルタイムモデルとともに既知であり、パワートレインの電気モータは既知である。
この用途は、ある与えられた電気モータ及び熱機関用の所定の配電モジュールからスタートする。この配電モジュールは、熱機関制御用及び電気モータ制御用の2つのモジュールを有し、標準的な走行サイクルで満足の行く燃料消費量を実現する。次に、電気モータをその種類内で変更することによって、できるだけ良好な配電を維持するようにする。すなわち、電気モータをその種類内で配置変更(同じ製造技術を用いるが、大きさが異なり、従って出力が異なるモータ)したにもかかわらず、依然として満足の行く燃料消費値を実現する配電を見出すこととなる。
CN 標準的なサイクル
CP トルクメータ
M1 第1の電気モータ
M2 第2の電気モータ
OND1,OND2,OND3,OND4 インバータ
PTRI インタフェース手段
S1 熱機関シミュレータ
S2 熱機関制御手段シミュレータ
S3 車輌トランスミッションシミュレータ
S4 車輌動特性シミュレータ
S5 運転者シミュレータ
S6 エネルギースーパーバイザ
Claims (10)
- 熱機関と駆動用電気モータとを備えたハイブリッド車輌用のパワートレインの調査システムであって、
第1の電気モータ(M1)と、
前記熱機関の作動をリアルタイムに模擬し、かつ前記熱機関の制御手段を模擬するシミュレーション手段(S1,S2)と、
前記シミュレーション手段から得られた機関速度を前記第1の電気モータの回転軸上に機械的に再現する手段(PTRI,M2)と、を有することを特徴とする調査システム。 - 前記機関速度を再現する前記手段は、前記第1の電気モータの前記回転軸に固定された第2の回転軸を備えた第2の電気モータ(M2)と、前記シミュレーション手段と前記第1及び第2の電気モータとの間のリアルタイムのインタフェース手段(PTRI)と、を有する、請求項1に記載の調査システム。
- 前記インタフェース手段(PTRI)は、
前記第1の電気モータ(M1)に対する所望のトルク要求を前記第1の電気モータ(M1)に送信する手段と、
前記第1の電気モータ(M1)から実際に与えられたトルクの測定値を車輌トランスミッションシミュレータ(S3)に送信する手段と、
前記車輌トランスミッションシミュレータ(S3)からの回転速度要求を前記第2の電気モータ(M2)に送信する手段と、を有する、請求項2に記載の調査システム。 - 前記インタフェース手段(PTRI)は、
前記第1の電気モータ(M1)に接続された第1の電子制御手段(OND1)と、
前記第2の電気モータ(M2)に接続された第2の電子制御手段(OND3)と、を有する、請求項2または3に記載の調査システム。 - 前記電子制御手段は少なくとも1つのインバータを有する、請求項4に記載の調査システム。
- 前記リアルタイムのシミュレーション手段はコンピュータを有し、
前記コンピュータは、
リアルタイムオペレーティングシステムと、
リアルタイムタスクスーパーバイザと、
前記熱機関の作動と、前記熱機関の前記制御手段と、車輌のトランスミッションと、車輌の動特性と、をリアルタイムに模擬するソフトウェアモジュール(S1〜S4)と、
を有する、請求項1から5のいずれか1項に記載の調査システム。 - 複数の前記電気モータの複数の前記回転軸のうちの少なくとも1つは、前記回転軸上の実際の機械的トルクの測定が可能なトルクメータ(CP)を備えている、請求項1から6のいずれか1項に記載の調査システム。
- 前記第1の電気モータ(M1)は縮小スケールの駆動用電気モータに相当し、前記機関速度を再現する手段(PTRI,M2)は、前記駆動用電気モータのスケーリングを考慮するソフトウェア手段を有する、請求項1から7のいずれか1項に記載の調査システム。
- 前記第1の電気モータ(M1)は、前記駆動用電気モータに対して10〜20程度の縮小係数で縮小されている、請求項8に記載の調査システム。
- 前記第1の電気モータ(M1)は、出力が2kW程度の電気モータである、請求項9に記載の調査システム。
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