JP5336274B2 - 着色感光性樹脂組成物及びオキシム系光重合開始剤 - Google Patents

着色感光性樹脂組成物及びオキシム系光重合開始剤 Download PDF

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Description

本発明は、カラーフィルタのブラックマトリクスを形成するのに好適な着色感光性樹脂組成物、及びそのような着色感光性樹脂組成物に対して好適に使用することのできるオキシム系光重合開始剤に関する。
従来、顔料を用いたカラーフィルタの製造法としては、染色法、電着法、インクジェット法、顔料分散法等が知られている。顔料分散法の場合、分散剤等により顔料が分散された着色組成物に、バインダー樹脂、光重合開始剤、光重合性モノマー等を添加して感光化した着色感光性樹脂組成物をガラス基板上にコートして乾燥した後、パターンを露光して着色感光性樹脂組成物を硬化(ネガ型)あるいは軟化(ポジ型)する。その後、現像工程で、硬化されなかった部分(ネガ型)あるいは軟化された部分(ポジ型)を溶解することにより着色パターンが形成され、当該着色パターンは、加熱工程を経て基板上に固着される。これらの工程を色ごとに繰り返してカラーフィルタを形成する。
このようなカラーフィルタの画素形成に用いられる着色感光性樹脂組成物には、十分な解像性、基板との密着性、低現像残渣等の特性が求められている。また、顔料分散法により形成する場合、光リソグラフィ工程に供される。したがって、現像工程での除去部分に残渣や地汚れが生じないこと、除去部分が十分な溶解性を有すること、パターンエッジのシャープさ等の画素形成性を高めること、すなわち十分な現像マージンを有することが求められている。特に近年では、基板が大型化するのに伴って現像工程に要する時間が長くなっており、大きな現像マージンを有する着色感光性樹脂組成物が強く求められている。
現像マージンとは、未露光部分の溶解が完了してから、露光部分の溶解が始まるまでの時間のことである。ネガ型の着色感光性樹脂組成物の場合、露光された部分は高分子量化し、未露光部分に比べて現像液に対する溶解性が低下する。このため、現像工程において露光された部分が像として溶け残り、未露光部分が完全に溶解することになるが、露光された部分であっても高分子量化の程度が十分でない場合には、現像液に対してある程度の溶解性を示すことになる。このため、高分子量化の程度が小さくなればなるほど、露光部分と未露光部分との間の現像液に対する溶解性の差が小さくなり、現像マージンが小さくなる。現像マージンが小さい着色感光性樹脂組成物を使用すると、特に大画面用のカラーフィルタのように現像工程に時間を要する場合に、画素が消失したり、侵食されたりするなどの問題を生じることになる。
このような現像マージンの問題は、ブラックマトリクスを形成する場合に特に顕著に現れる。なぜなら、ブラックマトリクスは遮光性が高いので、露光された場合に光が着色感光性樹脂組成物層の内部まで到達しにくく、十分に高分子量化させるのが困難だからである。このような場合、基板に近い部分ほど硬化が十分に進んでいないので、現像中に像が基板から剥がれ落ちてしまったり、エッジの部分が侵食されて直進性が低下したりする問題を生じることになる。
そこで、このような問題を解決するために、光重合開始剤としてオキシムエステル系の化合物を含有する着色感光性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1〜5を参照)。しかし、オキシムエステル系の光重合開始剤は、露光の際に使用されるI線(波長365nm)への感度が高すぎるため、これを含有した着色感光性樹脂組成物を使用してパターンを形成しようとすると、表面のみが硬化してしまい、依然として現像後のパターンにおいて十分な直進性が得られないという問題が残っていた。
特開2005−25169号公報 特開2005−128483号公報 特開2005−242279号公報 特開2006−53569号公報 特開2008−100955号公報
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであり、高いOD値を有するブラックマトリクスを形成した場合であっても、良好な直進性を得ることができる着色感光性樹脂組成物、及びそのような着色感光性樹脂組成物に対して好適に使用されるオキシム系光重合開始剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意研究の結果、オキシム構造に含まれる炭素原子にカルバゾール基が結合したオキシム系光重合開始剤のうち、当該カルバゾール基とオキシム酸素とがアンチの立体配座となるような異性体の比率を高めたものを着色感光性樹脂組成物に使用すると、意外にも、現像液に対する溶解性をコントロールすることができ、パターンの直進性を改善することができることを見出した。本発明はこのような知見に基づいて完成されたものである。
本発明の第一の態様は、光重合性化合物、下記式(1)で表されるオキシム系光重合開始剤、着色剤、及び溶剤を含む着色感光性樹脂組成物であって、前記オキシム系光重合開始剤は、式(1)中、R基とR基とがC=N結合に対して、アンチの立体配座となるような異性体の割合が、90%以上であることを特徴とする着色感光性樹脂組成物である。
Figure 0005336274
[ここで、
は下記式(2)を表し、
Figure 0005336274
(Ra1は置換基を有していてもよい、複素環基、縮合環式芳香族基、又は芳香族基を表し、Ra2は一価の有機基を表す。)
は一価の有機基を表し、
は下記式(3)
Figure 0005336274
(Rc1は一価の有機基を表す。)
を表す。]
また、本発明の第二の態様は、下記式(4)で表されるオキシム系光重合開始剤であって、式(4)中、R基とR基とが、C=N結合に対して、アンチの立体配座となるような異性体の割合が、90%以上であることを特徴とするオキシム系光重合開始剤である。
Figure 0005336274
[ここで、
は下記式(5)を表し、
Figure 0005336274
(Ra1は置換基を有していてもよい、複素環基、縮合環式芳香族基、又は芳香族基を表し、Ra2は一価の有機基を表す。)
は一価の有機基を表し、
は下記式(6)
Figure 0005336274
(Rc1は一価の有機基を表す。)
を表す。]
本発明によれば、高いOD値を有するブラックマトリクスを形成した場合であっても、良好な直進性を得ることができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の着色感光性樹脂組成物は、光重合性化合物、オキシム系光重合開始剤、着色剤、及び溶剤を含む。以下、これらの成分について説明する。
[光重合性化合物]
本発明の着色感光性樹脂組成物で使用される光重合性化合物としては、エチレン性不飽和基を有する樹脂又はモノマーが好ましく、これらを組み合わせることがより好ましい。エチレン性不飽和基を有する樹脂とエチレン性不飽和基を有するモノマーとを組み合わせることにより、硬化性を向上させ、パターン形成を容易にすることができる。なお、本明細書では、エチレン性不飽和基を有する化合物のうち、質量平均分子量が1000以上のものを「エチレン性不飽和基を有する樹脂」と称し、質量平均分子量が1000未満のものを「エチレン性不飽和基を有するモノマー」と称することとする。
<エチレン性不飽和基を有する樹脂>
エチレン性不飽和基を有する樹脂としては、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、カルドエポキシジアクリレート等が重合したオリゴマー類;多価アルコール類と一塩基酸又は多塩基酸とを縮合して得られるポリエステルプレポリマーに(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリエステル(メタ)アクリレート、ポリオールと2個のイソシアネート基を持つ化合物とを反応させた後、(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリウレタン(メタ)アクリレート;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノール又はクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、レゾール型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ポリカルボン酸ポリグリシジルエステル、ポリオールポリグリシジルエステル、脂肪族又は脂環式エポキシ樹脂、アミンエポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート樹脂等が挙げられる。さらに、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂に多塩基酸無水物を反応させた樹脂を好適に用いることができる。
また、エチレン性不飽和基を有する樹脂としては、エポキシ化合物と不飽和基含有カルボン酸化合物との反応物を、さらに多塩基酸無水物と反応させることにより得られる樹脂を好適に用いることができる。
その中でも、下記式(7)で表される化合物が好ましい。この式(7)で表される化合物は、それ自体が、光硬化性が高い点で好ましい。
Figure 0005336274
上記式(7)中、Xは、下記式(8)を表す。
Figure 0005336274
上記式(8)中、Rは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、又はハロゲン原子を表し、Rは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、Wは、単結合又は下記式(9)を表す。
Figure 0005336274
また、上記式(7)中、Yは、ジカルボン酸無水物から酸無水物基(−CO−O−CO−)を除いた残基を表す。ジカルボン酸無水物の例としては、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水クロレンド酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水グルタル酸等が挙げられる。
また、上記式(7)中、Zは、テトラカルボン酸二無水物から2個の酸無水物基を除いた残基を表す。テトラカルボン酸二無水物の例としては、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
また、上記式(7)中、mは、0〜20の整数を表す。
エチレン性不飽和基を有する樹脂の酸価は、樹脂固形分で、10〜150mgKOH/gであることが好ましく、70〜110mgKOH/gであることがより好ましい。酸価を10mgKOH/g以上とすることにより、現像液に対する十分な溶解性が得られる。また、酸価を150mgKOH/g以下とすることにより、十分な硬化性を得ることができ、表面性を良好にすることができる。
また、エチレン性不飽和基を有する樹脂の質量平均分子量は、1000〜40000であることが好ましく、2000〜30000であることがより好ましい。質量平均分子量を1000以上とすることにより、耐熱性、膜強度を向上させることができる。また、質量平均分子量を40000以下とすることにより、現像液に対する十分な溶解性を得ることができる。
<エチレン性不飽和基を有するモノマー>
エチレン性不飽和基を有するモノマーには、単官能モノマーと多官能モノマーとがある。
単官能モノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、クロトン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、tert−ブチルアクリルアミドスルホン酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、フタル酸誘導体のハーフ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単官能モノマーは、単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
一方、多官能モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、グリセリントリアクリレート、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート(すなわち、トリレンジイソシアネート)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応物、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドメチレンエーテル、多価アルコールとN−メチロール(メタ)アクリルアミドとの縮合物等の多官能モノマーや、トリアクリルホルマール等が挙げられる。これらの多官能モノマーは、単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
光重合性化合物の含有量は、着色感光性樹脂組成物の固形分100質量部に対して50〜99.9質量部であることが好ましい。含有量を固形分100質量部に対して50質量部以上とすることにより、十分な耐熱性、耐薬品性が期待できる。
[オキシム系光重合開始剤]
本発明の着色感光性樹脂組成物で使用されるオキシム系光重合開始剤は、下記式(10)で表される。そして、式(10)中、R基として表されるカルバゾール基と、R基に含まれるオキシム酸素とが、C=N結合に対してアンチの立体配座、すなわち下記式(11)のような立体配座となるような異性体(アンチ体)の割合が、90%以上であることを特徴とする。このような異性体の割合が高くなるにつれて、露光後の着色感光性樹脂組成物の現像剤に対する溶解性が低下し、形成されたパターンの直進性が向上する。
Figure 0005336274
Figure 0005336274
上記式(10)又は式(11)中、Rは、下記式(12)で表される一価の有機基を表す。
Figure 0005336274
上記式(12)中、Ra1は、置換基を有していてもよい、複素環基、縮合環式芳香族基、又は芳香族基を表す。複素環基としては、窒素原子、硫黄原子、及び酸素原子の少なくとも1つの原子を含む5員環以上、好ましくは5員環又は6員環の複素環基が挙げられる。この複素環基には、縮合環が含まれていてもよい。複素環基の例としては、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基等の含窒素5員環基;ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジル基、ピリダジニル基等の含窒素6員環基;チアゾリル基、イソチアゾリル基等の含窒素含硫黄基;オキサゾリル基、イソオキサゾリル基等の含窒素含酸素基;チエニル基、チオピラニル基等の含硫黄基;フリル基、ピラニル基等の含酸素基;等が挙げられる。この中でも、窒素原子又は硫黄原子を1つ含むものが好ましい。この複素環には縮合環が含まれていてもよい。縮合環が含まれる複素環基の例としてはベンゾチエニル基等が挙げられる。Ra1が有していてもよい置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素1〜5のアルコキシ基等が挙げられる。
縮合環式芳香族基としては、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等が挙げられる。また、芳香族基としては、フェニル基が挙げられる。
複素環基、縮合環式芳香族基、又は芳香族基は、置換基を有していてもよい。特にRa1が芳香族基である場合には、置換基を有していることが好ましい。このような置換基としては、−NO、−CN、−SO、−COR、−NR、−R等が挙げられる。
上記Rは、それぞれ独立にアルキル基を表し、これらはハロゲン原子で置換されていてもよく、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合により中断されていてもよい。Rにおけるアルキル基は、炭素数1〜5であることが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基等が挙げられる。
上記R、Rは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、又はアルコキシ基を表し、これらはハロゲン原子で置換されていてもよく、これらのうちアルキル基及びアルコキシ基のアルキレン部分は、エーテル結合、チオエーテル結合、又はエステル結合により中断されていてもよい。また、RとRとが結合して環構造を形成していてもよい。R、Rにおけるアルキル基又はアルコキシ基は、炭素数1〜5であることが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、メトキシ基、エトキシ基、又はプロポキシ基等が挙げられる。
とRとが結合して形成し得る環構造としては、複素環が挙げられる。この複素環としては、窒素原子、硫黄原子、及び酸素原子の少なくとも1つの原子を含む5員環以上、好ましくは5〜7員環の複素環が挙げられる。この複素環には縮合環が含まれていてもよい。複素環の例としては、ピペリジン環、モルホリン環、チオモルホリン環等が挙げられる。これらの中でも、モルホリン環が好ましい。
上記Rは、水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基を表す。Rにおけるアルキル基は、炭素数1〜5であることが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基等が挙げられる。
上記の中でも、Ra1は、ピロリル基、ピリジル基、チエニル基、チオピラリル基、ベンゾチエニル基、ナフチル基、置換基としてメチル基又はモルホリノ基が結合したフェニル基が好ましい例として挙げられる。
上記式(12)中、Ra2は、一価の有機基を表す。この有機基としては、−R、−OR、−COR、−SR、−NRで表される基が好ましい。上記R、Rは、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、又は複素環基を表し、これらはハロゲン原子及び/又は複素環基で置換されていてもよく、これらのうちアルキル基及びアラルキル基のアルキレン部分は、不飽和結合、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合により中断されていてもよい。また、RとRとが結合して窒素原子とともに環構造を形成していてもよい。
上記R、Rで表されるアルキル基としては、炭素数1〜20のものが好ましく、炭素数1〜5のものがより好ましい。アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基、イソデシル基等の直鎖状又は分枝鎖状の基が挙げられる。また、このアルキル基は置換基を有していてもよい。置換基を有するものの例としては、メトキシエトキシエチル基、エトキシエトキシエチル基、プロピロキシエトキシエチル基、メトキシプロピル基等が挙げられる。
上記R、Rで表されるアルケニル基としては、炭素数1〜20のものが好ましく、炭素数1〜5のものがより好ましい。アルケニル基の例としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、エテニル基、プロピニル基等の直鎖状又は分枝鎖状の基が挙げられる。また、このアルケニル基は置換基を有していてもよい。置換基を有するものの例としては、2−(ベンゾオキサゾール−2−イル)エテニル基等が挙げられる。
上記R、Rで表されるアリール基としては、炭素数6〜20のものが好ましく、炭素数6〜10のものがより好ましい。アリール基の例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等が挙げられる。
上記R、Rで表されるアラルキル基としては、炭素数7〜20のものが好ましく、炭素数7〜12のものがより好ましい。アラルキル基の例としては、ベンジル基、α−メチルベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、フェニルエチル基、フェニルエテニル基等が挙げられる。
上記R、Rで表される複素環基としては、窒素原子、硫黄原子、及び酸素原子の少なくとも1つの原子を含む5員環以上、好ましくは5〜7員環の複素環基が挙げられる。この複素環基には縮合環が含まれていてもよい。複素環基の例としては、ピロリル基、ピリジル基、ピリミジル基、フリル基、チエニル基等が挙げられる。
これらのR、Rは、ハロゲン原子で置換されていてもよい。ハロゲン原子で置換されたものの例としては、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、クロロフェニル基、クロロベンジル基等が挙げられる。
さらに、これらのR、Rのうち、アルキル基及びアラルキル基のアルキレン部分は、不飽和結合、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合により中断されていてもよい。
また、RとRとが結合して形成し得る環構造としては、複素環が挙げられる。この複素環としては、窒素原子、硫黄原子、及び酸素原子の少なくとも1つの原子を含む5員環以上、好ましくは5〜7員環の複素環が挙げられる。この複素環には縮合環が含まれていてもよい。複素環の例としては、ピペリジン環、モルホリン環、チオモルホリン環等が挙げられる。
これらの中でも、Ra2としては、エチル基であることが最も好ましい。
上記式(10)又は式(11)中、Rは、一価の有機基である。中でも、下記式(13)で表される一価の有機基であることが好ましい。
Figure 0005336274
上記式(13)中、Rb1は、酸素原子で中断されていてもよい炭素数1〜5のアルキレン基を表す。このようなアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、n−ペンチレン基、イソペンチレン基、sec−ペンチレン基等の直鎖状又は分枝鎖状の基が挙げられる。これらの中でも、Rb1はイソプロピレン基であることが最も好ましい。
上記式(13)中、Rb2は、−NRb3b4で表される一価の有機基を表す(Rb3、Rb4は、それぞれ独立に一価の有機基を表す)。そのような有機基の中でも、Rb2の構造が下記式(14)で表されるものであれば、オキシム系光重合開始剤の溶解性を向上することができる点で好ましい。
Figure 0005336274
上記式(14)中、Rb5、Rb6は、それぞれ独立して炭素数1〜5のアルキル基である。このようなアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基等が挙げられる。これらの中でも、Rb5、Rb6はメチル基であることが最も好ましい。
上記式(10)又は式(11)中、Rは、一価の有機基を表す。中でも、下記式(15)のような有機基を表すことが好ましい。
Figure 0005336274
上記式(15)中、Rc1は、炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましい。このようなアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基等が挙げられる。これらの中でも、Rc1はメチル基であることが最も好ましい。
上記式(10)又は式(11)で表されるオキシムエステル系の光重合開始剤のうち、特に好ましい具体例としては、下記式(16)〜(21)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005336274
Figure 0005336274
Figure 0005336274
Figure 0005336274
Figure 0005336274
Figure 0005336274
既に述べたように、本発明で使用されるオキシム系光重合開始剤は、上記式(10)中、R基として表されるカルバゾール基と、R基に含まれるオキシム酸素とが、C=N結合に対してアンチの立体配座、すなわち上記式(11)のような立体配座となるような異性体の割合が、90%以上であることを特徴とする。
アンチの立体配座となる異性体(アンチ体)の割合が90%以上である化合物を得るには、カラムクロマトグラフィー等の公知の方法を使用することができる。また、カラムクロマトグラフィー等を使用しなくても、合成条件を調整することにより、アンチ体の割合が90%以上である化合物を得ることができる。シス体−アンチ体の存在比率は、例えばNMR、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)等で確認することができる。
一例として、上記式(19)で表される化合物の合成方法を説明する。上記式(19)で表される化合物は、例えば下記のような合成スキームに従って合成することができる。
Figure 0005336274
まず、N−エチルカルバゾール(化合物1)及び1−ナフトイルクロリドをジクロロメタン等の溶媒に溶解し、無水塩化アルミニウム等の触媒を加えて反応させ、化合物2を得る。さらに、反応液に2−ブテノイルクロリド及び無水塩化アルミニウム等の触媒を加えて反応させ、ジケトン体(化合物3)を得る。
次いで、ジケトン体(化合物3)、ヒドロキシルアミン塩酸塩、及びトリエチルアミン等の塩基をエタノール等の溶媒に溶解して反応させ、オキシム体(化合物4)を得る。この際、ヒドロキシルアミン塩酸塩を塩基よりも小過剰量用いると、反応を短時間で終了させることができ、結果としてアンチ体の比率を高めることができる。反対に、塩基をヒドロキシルアミン塩酸塩よりも大過剰量用いると、副生成物が多くなり、オキシム体の収率及び純度が低下する。ヒドロキシルアミン塩酸塩の添加量は、塩基よりも1〜10%程度多いことが好ましく、1〜5%程度多いことがより好ましい。反応温度は50℃程度以上が必要であるが、反応を短時間で終了させるためには70〜80℃が好ましい。
次いで、オキシム体(化合物4)、無水酢酸、及び酢酸を混合して反応させ、オキシムエステル体(化合物5)を得る。強酸性条件となるアセチルクロリド等のアセチル化剤を使用した場合には異性化が起きてしまい、アンチ体の比率が低下する。反応温度は低温の方が好ましいが、反応進行のためには30℃程度以上が必要となるため、30〜40℃とすることが好ましい。反応温度がこれよりも高い場合には、異性化の可能性が高まり、アンチ体の比率が低下する。十分な量のオキシムエステル体を生成するためには、2時間以上の反応時間が必要であるが、反応時間が長すぎるとオキシムエステル体が分解する可能性がある。したがって、反応時間は2〜4時間が好ましい。
上記式(16)〜(18),(20),(21)で表される化合物についても、1−ナフトイルクロリドの代わりにそれぞれ対応する化合物(ピロール−2−カルボン酸クロリド等)を用いることにより合成することができる。
本発明の着色感光性樹脂組成物には、上記式(10)で表されるオキシム系光重合開始剤に加えて、各種の光重合開始剤を含むことができる。そのような光重合開始剤としては、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ジクロロアセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルアセトフェノン等のアセトフェノン類;ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエ−テル類;チオキサンテン、2−クロロチオキサンテン、2,4−ジエチルチオキサンテン、2−メチルチオキサンテン、2−イソプロピルチオキサンテン等の硫黄化合物;2−エチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン等のアントラキノン類;ベンゾイルパーオキシド、クメンパーオキシド等の有機過酸化物;2−メルカプトベンゾイミダール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール等のチオール化合物;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体等のイミダゾリル化合物;p−メトキシトリアジン等のトリアジン化合物;2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(フラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−n−ブトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロメチル基を有するトリアジン化合物;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1オン等のアミノケトン化合物;等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独又は2種以上を組み合わせて含んでもよいが、着色感光性樹脂組成物に含まれる光重合開始剤中、上記式(10)で表されるオキシムエステル系の光重合開始剤が1.0質量%以上含まれていることが好ましく、10.0質量%以上であることがより好ましい。最も好ましいのは100質量%である。
上記オキシム系光重合開始剤とその他の光重合開始剤を併せた含有量は、溶剤以外の固形成分の合計100質量部に対し、好ましくは0.1〜50質量部、より好ましくは1〜45質量部である。含有量を50質量部以下にすることにより、十分な耐熱性、耐薬品性を得ることができ、また0.1質量部以上にすることにより塗膜形成能を向上させ、光硬化不良を抑制することができる。
[着色剤]
本発明の着色感光性樹脂組成物に使用される着色剤としては、例えば、カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists社発行)においてピグメント(Pigment)に分類されている化合物、具体的には、下記のようなカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものを用いることが好ましい。
C.I.ピグメントイエロー1(以下、「C.I.ピグメントイエロー」は同様で番号のみ記載する。)、3、11、12、13、14、15、16、17、20、24、31、53、55、60、61、65、71、73、74、81、83、86、93、95、97、98、99、100、101、104、106、108、109、110、113、114、116、117、119、120、125、126、127、128、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、156、166、167、168、175、180、185;
C.I.ピグメントオレンジ1(以下、「C.I.ピグメントオレンジ」は同様で番号のみ記載する。)、5、13、14、16、17、24、34、36、38、40、43、46、49、51、55、59、61、63、64、71、73;
C.I.ピグメントバイオレット1(以下、「C.I.ピグメントバイオレット」は同様で番号のみ記載する)、19、23、29、30、32、36、37、38、39、40、50;
C.I.ピグメントレッド1(以下、「C.I.ピグメントレッド」は同様で番号のみ記載する。)、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48:1、48:2、48:3、48:4、49:1、49:2、50:1、52:1、53:1、57、57:1、57:2、58:2、58:4、60:1、63:1、63:2、64:1、81:1、83、88、90:1、97、101、102、104、105、106、108、112、113、114、122、123、144、146、149、150、151、155、166、168、170、171、172、174、175、176、177、178、179、180、185、187、188、190、192、193、194、202、206、207、208、209、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、242、243、245、254、255、264、265;
C.I.ピグメントブルー1(以下、「C.I.ピグメントブルー」は同様で番号のみ記載する。)、2、15、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、66;
C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン37;
C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25、C.I.ピグメントブラウン26、C.I.ピグメントブラウン28;
C.I.ピグメントブラック1、ピグメントブラック7。
また、ブラックマトリクスを形成する際には、着色剤として遮光剤を用いる。遮光剤としては、黒色顔料を用いることが好ましい。黒色顔料としては、カーボンブラック、チタンブラック、銅、鉄、マンガン、コバルト、クロム、ニッケル、亜鉛、カルシウム、銀等の金属酸化物、複合酸化物、金属硫化物、金属硫酸鉛又は金属炭酸塩等、有機物、無機物を問わず各種の顔料を挙げることができる。これらの中でも、高い遮光性を有するカーボンブラックを用いることがより好ましい。上記のオキシム系光重合性化合物を用いることにより、遮光性の高い黒色顔料を用いたとしても、パターン直進性に優れた着色感光性樹脂組成物を得ることができる。
カーボンブラックとしては、チャンネルブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、ランプブラック等公知のカーボンブラックを用いることができるが、遮光性に優れるチャンネルブラックを用いることが特に好ましい。また、樹脂被覆カーボンブラックを用いてもよい。
樹脂被覆カーボンブラックは、樹脂被覆のないカーボンブラックに比べて導電性が低いことから、液晶表示ディスプレイのような液晶表示素子のブラックマトリクスとして用いた場合に電流のリークが少なく、信頼性の高い低消費電力のディスプレイを製造できる。
また、カーボンブラックの色調を調整するために、補助顔料として上記の有機顔料を適宜添加してもよい。
また、着色剤を均一に分散させるために分散剤としては、ポリエチレンイミン系、ウレタン樹脂系、アクリル樹脂系の高分子分散剤を用いることが好ましい。特に、着色剤として、カーボンブラックを用いる場合には、分散剤としてアクリル樹脂系の分散剤を用いることが好ましい。
また、無機顔料と有機顔料はそれぞれ単独又は2種以上併用してもよいが、併用する場合には、無機顔料と有機顔料の総量100質量部に対して、有機顔料を10〜80質量部の範囲で用いることが好ましく、20〜40質量部の範囲であることがより好ましい。上記の無機顔料及び有機顔料は、分散剤を用いて適当な濃度で分散させた溶液とした後、着色感光性樹脂組成物に添加することが好ましい。
なお、本発明の着色感光性樹脂組成物における着色剤の使用量は、着色感光性樹脂組成物の固形分に対して、5〜70質量%が好ましく、25〜55質量%がより好ましく、30〜50質量%がさらに好ましい。上記の範囲にすることにより、目的とするパターンでブラックマトリクスや各着色層を形成することができ、好ましい。
特にブラックマトリクスを形成する場合には、被膜1μmあたりのOD値が4以上となるように着色感光性樹脂組成物における黒色顔料の量を調整することが好ましい。ブラックマトリクスにおける被膜1μmあたりのOD値が4以上あれば、液晶表示ディスプレイのブラックマトリクスに用いた場合に、十分な表示コントラストを得ることができる。
[溶剤]
本発明の着色感光性樹脂組成物に使用される溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の他のエーテル類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン類;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、ぎ酸n−ペンチル、酢酸イソペンチル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸イソプロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類等が挙げられる。これらの溶剤は、単独又は2種以上を混合して使用することができる。
中でもプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、シクロヘキサノン、3−メトキシブチルアセテートは、上述の(A)成分、(B)成分、及び(C)成分に対して優れた溶解性を示すとともに、黒色顔料等の不溶性成分の分散性を良好にすることができるため好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテートを用いることが特に好ましい。溶剤は、本発明の着色感光性樹脂組成物に含まれる固形分の合計100質量部に対して50〜500質量部の範囲で用いることができる。
[その他の成分]
本発明の着色感光性樹脂組成物は、必要に応じて添加剤を含有してもよい。具体的には、増感剤、硬化促進剤、光架橋剤、光増感剤、分散助剤、充填剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤、熱重合禁止剤、消泡剤、界面活性剤等が例示される。
本発明の着色感光性樹脂組成物に使用される熱重合禁止剤としてはヒドロキノン、ヒドロキノンモノエチルエーテル等を用いることができる。また、消泡剤としてはシリコーン系、フッ素系化合物を、界面活性剤としてはアニオン系、カチオン系、ノニオン系等の公知の各種熱重合禁止剤を用いることができる。
[着色感光性樹脂組成物の調製方法]
本発明の着色感光性樹脂組成物は、上記各成分を全て撹拌機で混合することにより得られる。なお、得られた混合物が均一なものとなるようフィルタを用いて濾過してもよい。
[パターン形成方法]
本発明の着色感光性樹脂組成物を用いてパターンを形成するには、まず、ロールコータ、リバースコータ、バーコータ等の接触転写型塗布装置やスピンナー(回転式塗布装置)、カーテンフローコータ等の非接触型塗布装置を用いて、基板上に着色感光性樹脂組成物を塗布する。
次いで、塗布された着色感光性樹脂組成物を乾燥させて塗膜を形成する。乾燥方法は特に限定されず、例えば(1)ホットプレートにて80〜120℃、好ましくは90〜100℃の温度にて60〜120秒間乾燥する方法、(2)室温にて数時間〜数日放置する方法、(3)温風ヒータや赤外線ヒータ中に数十分〜数時間入れて溶剤を除去する方法、のいずれの方法を用いてもよい。
次いで、この塗膜に、ネガ型のマスクを介して紫外線、エキシマレーザー光等の活性エネルギー線を照射して部分的に露光する。照射するエネルギー線量は、着色感光性樹脂組成物の組成によっても異なるが、例えば30〜2000mJ/cm程度が好ましい。
次いで、露光後の膜を、現像液により現像することによって所望の形状にパターニングする。現像方法は特に限定されず、例えば浸漬法、スプレー法等を用いることができる。現像液としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機系のものや、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア、4級アンモニウム塩等の水溶液が挙げられる。
次いで、現像後のパターンに対して200℃程度でポストベークを行う。この際、形成されたパターンを全面露光することが好ましい。
このようにして形成されたパターンは、液晶ディスプレイにおけるカラーフィルタ、ブラックマトリクス、スペーサ等として用いることができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
[オキシム系光重合開始剤(B)の合成例]
<ジケトン体の合成>
Figure 0005336274
N−エチルカルバゾール(5.00g、25.61mmol)及び1−ナフトイルクロリド(5.37g、28.17mmol)をジクロロメタン(50g)に溶解し、氷冷下、無水塩化アルミニウム(3.76g、28.20mmol)を添加した。氷冷下、2時間撹拌後、反応液に2−ブテノイルクロリド(2.94g、28.13mmol)及び無水塩化アルミニウム(3.93g、29.47mmol)を加え、さらに混合物を1時間撹拌した。反応混合物を氷水にあけ、有機層を分液した。回収した有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレーターで溶媒溜去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 酢酸エチル:n−ヘキサン=1:2(質量比))にて残渣の精製を行い、淡黄色固体状のジケトン体(8.55g)を得た。
<オキシム体の合成>
Figure 0005336274
ジケトン体(8.00g、19.16mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(2.93g、42.16mmol)、及びトリエチルアミン(4.15g、41.01mmol)をエタノール(64g)に混合し、75〜80℃で3時間反応した。反応液をエバポレーターで溶媒溜去した。さらに、酢酸エチルを加え、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレーターで溶媒溜去し、固体状のオキシム体(8.92g)を得た。このときの収率は100%であり、HPLCで分析した異性体比率はアンチ体:シス体=95:5であった。
<オキシムエステル体の合成>
Figure 0005336274
オキシム体(8.00g、17.18mmol)、無水酢酸(13.33g、130.57mmol)、及び酢酸(8g)を混合し、35℃で3時間撹拌した。室温まで冷却後、酢酸エチルを加え、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレーターで溶媒溜去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 酢酸エチル:n−ヘキサン=2:1(質量比))にて残渣の精製を行い、微黄白色固体状のオキシムエステル体(6.10g)を得た。このときの収率は60%であり、HPLCで分析した異性体比率はアンチ体:シス体=95:5であった。このようにして得られる化合物は、アンチ体とシン体とを後述する実施例3のように混合したものに相当する。
当該化合物の構造はAPCIMS(大気圧化学イオン化質量分析)及びH NMRで同定した。
APCIMS m/e:592(5.1,(M+H)),532(100)
H NMR(CDCl):δ 8.64(1H,d,J=1.5Hz),8.43(1H,d,J=1.2Hz),8.15(1H,dd,J=1.7,8.2Hz),8.06(1H,dd,J=1.2,8.7Hz),8.03(1H,dd,J=1.2,8.4Hz),7.96(1H,dd,J=1.2,8.7Hz),7.95(1H,ddd,J=1.7,7.5,7.7Hz),7.65(1H,dd,J=1.5,7.5Hz),7.59(1H,dd,J=1.5,8.4Hz),7.53(1H,ddd,J=1.5,7.7,8.2Hz),7.52(1H,dd,J=8.4,8.7Hz),7.49(1H,d,J=8.7Hz),7.46(1H,d,J=8.4Hz),4.89(1H,br),4.41(2H,q,J=7.2Hz),3.26(2H,m),2.31(3H,s),2.17(3H,s),1.81(3H,s),1.45(3H,t,J=7.2Hz),1.17(3H,d,J=6.3Hz)
[オキシム系光重合開始剤(B)の比較合成例]
<オキシム体の合成>
上記合成例で得られたジケトン体(8.00g、19.16mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(2.93g、42.16mmol)、及びトリエチルアミン(4.85g、47.93mmol)をエタノール(64g)に混合し、9時間還流した後、反応液をエバポレーターで溶媒溜去した。さらに、酢酸エチルを加え、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレーターで溶媒溜去し、固体状のオキシム体(8.92g)を得た。このときの収率は100%であり、HPLCで分析した異性体比率はアンチ体:シス体=90:10であった。
<オキシムエステル体の合成>
オキシム体(8.00g、17.18mmol)及びアセチルクロリド(6.74g、86.37mmol)をジクロロメタン(80g)に溶解して氷冷し、トリエチルアミン(8.74g、86.37mmol)を滴下して、さらに1時間反応させた。水を加えて有機層を分液し、飽和塩化アンモニウム水及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、エバポレーターで溶媒溜去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 酢酸エチル:n−ヘキサン=2:1(質量比))にて残渣の精製を行い、微黄白色固体状のオキシムエステル体(4.07g)を得た。このときの収率は40%であり、HPLCで分析した異性体比率はアンチ体:シス体=80:20であった。このようにして得られる化合物は、アンチ体とシン体とを後述する比較例4のように混合したものに相当する。
〔着色感光性樹脂組成物〕
[光重合性化合物]
光重合性化合物としては、以下の樹脂(A)及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)を準備した。
<樹脂(A)の合成>
まず、500ml四つ口フラスコ中に、ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂(エポキシ当量235)235g、テトラメチルアンモニウムクロライド110mg、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール100mg、及びアクリル酸72.0gを仕込み、これに25ml/分の速度で空気を吹き込みながら90〜100℃で加熱溶解した。次に、溶液が白濁した状態のまま徐々に昇温し、120℃に加熱して完全溶解させた。この際、溶液は次第に透明粘稠になったが、そのまま撹拌を継続した。この間、酸価を測定し、1.0mgKOH/g未満になるまで加熱撹拌を続けた。酸価が目標値に達するまで12時間を要した。そして室温まで冷却し、無色透明で固体状の下記式(22)で表されるビスフェノールフルオレン型エポキシアクリレートを得た。
Figure 0005336274
次いで、このようにして得られた上記のビスフェノールフルオレン型エポキシアクリレート307.0gに3−メトキシブチルアセテート600gを加えて溶解した後、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物80.5g及び臭化テトラエチルアンモニウム1gを混合し、徐々に昇温して110〜115℃で4時間反応させた。酸無水物基の消失を確認した後、1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸38.0gを混合し、90℃で6時間反応させ、樹脂(A)を得た。酸無水物基の消失はIRスペクトルにより確認した。
この樹脂(A)は、上記式(7)で表される化合物に相当する。なお、この樹脂は、3−メトキシブチルアセテートにて固形分濃度50質量%に調整した。
[オキシム系光重合開始剤(B)の合成]
Figure 0005336274
N−エチルカルバゾール 7.8g(40mmol)をジクロロメタン 40mlに溶解し、塩化アルミニウム 5.8g(44mmol)を加えた。氷浴で冷却しながら1−ナフトイルクロリド 8.4g(44mmol)を、反応液を5℃に保ちながら滴下した。1時間かけて徐々に室温まで上げながら撹拌し、その後室温で3時間反応させた。さらに反応液を氷浴で冷却し、塩化アルミニウム 5.8g(44mmol)を加えた後、氷浴で冷却しながら2−ブテノイルクロリド 4.6g(44mmol)を反応液の温度を5℃以下に保ちながら滴下した。1時間かけて徐々に室温まで上げながら撹拌した後、さらに室温で3時間反応させた。反応液を氷水 300mlに滴下し、酢酸エチル 200mlを加えて抽出し、さらに水層を酢酸エチル 100mlで抽出し、有機層と合わせて10%炭酸ナトリウム水溶液 300mlで抽出した。さらに有機層を水 300mlで抽出し、その有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレーターで溶媒溜去したところ、オイル状物質が得られた。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 酢酸エチル:n−ヘキサン=1:1(質量比))にて精製を行い、淡黄色固体を得た。
得られた淡黄色固体(0.81g、0.002mol)をエタノール 10mlに溶解し、ヒドロキシルアミン塩酸塩(0.15g、0.0021mmol)を加え、2時間還流した。エタノールを溜去した後、水を加えて無機物を溶解し、濾過した。濾過物を酢酸エチルに溶解し、硫酸マグネシウムで乾燥し、エバポレーターでオキシム体の物質を得た。得られた物質をTHF 6mlに溶解し、アセチルクロリド(0.46g、0.0044mol)を加え撹拌した。反応液にトリエチルアミン(0.42g、0.0046mol)を室温で滴下した。滴下とともに塩の沈降が確認された。2時間撹拌後、水 40mlを添加し、酢酸エチル 40mlで抽出した。有機層を水 40mlで2回洗浄し、続いて飽和炭酸カリウム水溶液 40mlで2回洗浄を行い、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレーターで溶媒溜去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 酢酸エチル:n−ヘキサン=1:1(質量比))にて精製を行い、淡黄色固体の上記式(23)で表されるオキシム系光重合開始剤(B)を得た。
当該化合物の構造はH NMRで同定した。
H NMR(CDCl):δ 8.7(s,1H),8.5(s,1H),8.2−7.9(m,5H),7.7−7.4(m,6H),4.9(s,1H),4.4(q,2H),3.3(d,2H),2.4(s,3H),2.2(s,3H),1.8(s,3H),1.4(t,3H),1.2(d,3H)
[光重合開始剤の調製]
得られたオキシム系光重合開始剤(B)は、その後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 水:アセトニトリル=9:1(質量比))にて、アンチ体とシン体とに分離し、式(24)に示すアンチ体のオキシム系光重合開始剤(anti−(B))と、式(25)に示すシン体のオキシム系光重合開始剤(syn−(B))とを得た。これらを表1に示す割合にて混合し、実施例1〜5及び比較例1〜4の光重合開始剤を調製した。
Figure 0005336274
Figure 0005336274
[着色感光性樹脂組成物の調製]
次に、本発明及び比較用のオキシム系化合物を光重合開始剤として含有させた着色感光性樹脂組成物のパターン直進性を評価するため、実施例1〜5、比較例1〜4の着色感光性樹脂組成物を表2に示す組成にて調製した。この組成物を撹拌機で2時間混合した後、5μmメンブランフィルターで濾過した。なお、表2における数値の単位は質量部である。
Figure 0005336274
DPHA=ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
着色剤=カーボンブラック25質量%、溶剤:3−メトキシブチルアセテート、御国色
素社製
MA=3−メトキシブチルアセテート
PM=プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
AN=シクロヘキサノン
得られた着色感光性樹脂組成物を厚さ1mmの清浄な表面を有するガラス基板上にスピンコーター(TR25000:東京応化工業社製)を用いて乾燥膜厚が1.2μmとなるように塗布し、90℃で2分間乾燥して着色感光性樹脂組成物の膜(感光層)を形成した。次いで、この膜にネガマスクを介して紫外線を選択的に照射した。そして、0.5質量%炭酸ナトリウム水溶液で25℃、60秒間スプレー現像することにより、線幅20μmのラインを含むブラックマトリクスを形成した。その後、220℃で30分間、循環式オーブンにてポストベークを行った。形成された各ブラックマトリクスの膜厚は1.0μmであった。また、形成された各ブラックマトリクスについて、OD測定装置D−200II(グレタグマクベス社製)にて測定したところ、OD値は4.5であった。
上述のようにして得られた上記各実施例及び各比較例のブラックマトリクスの直進性の評価結果を表3に示す。なお、感度評価のため露光量を10〜60mJ/cmまで5mJずつ増やしていき、上記条件で現像を行った。
Figure 0005336274
表3から明らかなように、オキシム系光重合開始剤の異性体のうち、式(23)で示されるようなアンチ体のオキシム系光重合開始剤を90%以上で含む着色感光性樹脂組成物を使用して作成したブラックマトリクス(実施例1〜5)は、アンチ体のオキシム系光重合開始剤が90%未満で含むものを使用した場合よりも直進性が向上していることがわかる。このことから、オキシム系光重合開始剤の異性体のうち、特に、アンチ体のオキシム系光重合開始剤を90%以上で含む着色感光性樹脂組成物を使用することによって、高いOD値を有するブラックマトリクスを形成した場合であっても、良好な直進性を得ることができる着色感光性樹脂組成物が得られることが示された。

Claims (4)

  1. 光重合性化合物、下記式(1)で表されるオキシム系光重合開始剤、着色剤、及び溶剤を含む着色感光性樹脂組成物であって、
    前記オキシム系光重合開始剤は、式(1)中、R基とR基とがC=N結合に対して、アンチの立体配座となるような異性体の割合が、90%以上であることを特徴とする着色感光性樹脂組成物。
    Figure 0005336274
    [ここで、
    は下記式(2)を表し、
    Figure 0005336274
    (Ra1は置換基を有していてもよい、複素環基、縮合環式芳香族基、又は芳香族基を表し、Ra2は一価の有機基を表す。)
    は一価の有機基を表し、
    は下記式(3)
    Figure 0005336274
    (Rc1は一価の有機基を表す。)
    を表す。]
  2. 前記Rが、下記式(4)で表される請求項1記載の着色感光性樹脂組成物。
    Figure 0005336274
    [Rb1は、酸素原子で中断されていてもよい炭素数1〜5のアルキレン基を表し、Rb2は、−NRb3b4(Rb3、Rb4はそれぞれ独立に一価の有機基を表す。)を表す。]
  3. 前記Rb2が、下記式(5)で表される請求項2記載の着色感光性樹脂組成物。
    Figure 0005336274
    (Rb5、Rb6はそれぞれ独立して炭素数1〜5のアルキル基を表す。)
  4. 下記式(1)で表されるオキシム系光重合開始剤であって、式(1)中、R基とR基とが、C=N結合に対して、アンチの立体配座となるような異性体の割合が、90%以上であることを特徴とするオキシム系光重合開始剤。
    Figure 0005336274
    [ここで、
    は下記式(2)を表し、
    Figure 0005336274
    (Ra1は置換基を有していてもよい、複素環基、縮合環式芳香族基、又は芳香族基を表し、Ra2は一価の有機基を表す。)
    は一価の有機基を表し、
    は下記式(3)
    Figure 0005336274
    (Rc1は一価の有機基を表す。)
    を表す。]
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