JP2008052069A - 着色感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
光重合性化合物(以下「(A)成分」ともいう。)は、エポキシ化合物(a−1)と、不飽和基含有カルボン酸(a−2)との反応物を、さらに多塩基酸無水物(a−3)と反応させることにより得られる樹脂を含んでいる。以下、それぞれの成分について説明する。
本発明に用いられるエポキシ化合物(以下「(a−1)成分」ともいう。)は、下記式(1)で表される化合物である。下記式(1)で表される化合物を用いることにより、感度および溶解性のバランスに優れ、さらには画素エッジのシャープ性、密着性に優れた着色感光性樹脂組成物を提供することができる。
本発明において用いられる不飽和基含有カルボン酸(以下、「(a−2)成分」ともいう。)としては、分子中にアクリル基やメタクリル基等の反応性の不飽和二重結合を含有するモノカルボン酸が好ましい。このような不飽和基含有カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、β−スチリルアクリル酸、β−フルフリルアクリル酸、α−シアノ桂皮酸、桂皮酸等を挙げることができる。また、この(a−2)成分は、単独または2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いられる多塩基酸無水物(以下、「(a−3)成分」ともいう。)は、2個以上のカルボキシル基を有するカルボン酸の無水物である。この多塩基酸無水物としては、特に限定されないが、例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3−メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、3−エチルヘキサヒドロ無水フタル酸、4−エチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、3−メチルテトラヒドロ無水フタル酸、4−メチルテトラヒドロ無水フタル酸、3−エチルテトラヒドロ無水フタル酸、4−エチルテトラヒドロ無水フタル酸、下記式(2)、(3)で表される化合物を挙げることができる。また、この(a−3)成分は、単独または2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の着色感光性樹脂組成物には、エチレン性不飽和基を有するモノマーを添加することが好ましい。
エチレン性不飽和基を有するモノマーは、重合性官能基を複数有することが好ましい。エチレン性不飽和基を有するモノマーを添加したことによって、形成された膜の膜強度や、基板に対する密着性を向上させることが可能となる。
単官能モノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメトキシメチル(メタ)アクリルアミド、アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、クロトン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、tert−ブチルアクリルアミドスルホン酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、フタル酸誘導体のハーフ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、等が挙げられる。また、これらは単独または2種以上組み合わせて用いることが可能である。
また、光重合開始剤(以下「(B)成分」ともいう。)としては、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ジクロロアセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルアセトフェノン等のアセトフェノン類や、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類や、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類や、ベンジルジメチルケタール、チオキサンテン、2−クロロチオキサンテン、2,4−ジエチルチオキサンテン、2−メチルチオキサンテン、2−イソプロピルチオキサンテン等のイオウ化合物や、2−エチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン等のアントラキノン類や、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、クメンパーオキシド等の有機過酸化物や、2−メルカプトベンゾイミダール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール等のチオール化合物や、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体等のイミダゾリル化合物や、p−メトキシトリアジン等のトリアジン化合物や、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(フラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−n−ブトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロメチル基を有するトリアジン化合物、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1オン等のアミノケトン化合物が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独または2種以上を組み合わせてもよい。
本発明に係る着色感光性樹脂組成物は、着色剤(以下、「(C)成分」ともいう。)を含有する。
C.I.ピグメントバイオレット1(以下、「C.I.ピグメントバイオレット」は同様で番号のみ記載する)、19、23、29、30、32、36、37、38、39、40、50;
C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン37;
C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25、C.I.ピグメントブラウン26、C.I.ピグメントブラウン28;
C.I.ピグメントブラック1、ピグメントブラック7。
なお、本発明の着色感光性樹脂組成物における着色剤の使用量は、着色感光性樹脂組成物の固形分に対して、5質量%以上70質量%以下が好ましく、25質量%以上55質量%以下がより好ましく、30質量%以上50質量%以下がさらに好ましい。上記の範囲にすることにより、目的とするパターンでブラックマトリクスや各着色層を形成することができ、好ましい。
特にブラックマトリックスを形成する場合には、膜厚1μmあたりのOD値が、4以上となるように着色感光性樹脂組成物における黒色顔料の量を調整することが好ましい。ブラックマトリクスにおける膜厚1μmあたりのOD値が4以上あれば、液晶ディスプレイのブラックマトリックスに用いた場合に、十分な表示コントラストを得ることができる。
本発明に係る着色感光性樹脂組成物では、必要に応じて添加剤を配合することができる。具体的には、増感剤、硬化促進剤、光架橋剤、光増感剤、分散助剤、充填剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等が挙げられる。
以下、本発明に係る着色感光性樹脂組成物を用いてカラーフィルタを形成する方法を説明する。
まず着色感光性樹脂組成物(黒色の着色剤を含む)を、基板上にロールコータ、リバースコータ、バーコータ等の接触転写型塗布装置やスピンナー(回転式塗布装置)、カーテンフローコータ等の非接触型塗布装置を用いて塗布する。基板は、光透過性を有する基板が用いられる。
この形成されたブラックマトリクスは、そのパターン形状、厚さによっては、スペーサ、インクジェット用隔壁としても使用することができる。
上記ブラックマトリクスの形成された基板上に、通常R、G、Bの3原色の着色剤を含む着色感光性樹脂組成物を用いて、一色ごとに、上記ブラックマトリクスの形成と同様にして、順次着色層を形成する。これによりカラーフィルタを形成することができる。
インクジェット方式によりカラーフィルタを形成する際には、本発明に係る着色感光性樹脂組成物から形成されたインクジェット方式カラーフィルタ形成用隔壁(以後、単に隔壁と称する)を用いる。この隔壁は、黒色であるため、ブラックマトリクスとしての役割も同時に果たす。
具体的には、まず、R、G、Bのインクを、上記隔壁に囲まれた部位にインクジェット方式で吐出し、隔壁内に溜める。次いで、溜められたインクを熱あるいは光硬化させる。これにより、カラーフィルタを形成することができる。
式(1)で表されるビフェニレン骨格を有するエポキシ化合物(R1=H、m=2.1、エポキシ当量188)520g、トリフェニルホスフィン4g、アクリル酸153g、3−メトキシブチルアセテート650gを混合し、90〜100℃で反応させた。その後、多塩基酸無水物としてテトラヒドロ無水フタル酸40gおよびビフェニルテトラカルボン酸二無水物360gを加え、さらに反応させることによりビフェニル骨格を有する樹脂Aを得た。この樹脂Aは、GPCで測定した質量平均分子量が6000であり、酸価が90mgKOH/gであった。
上記樹脂A150g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート30g、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)(商品名:IRGACURE OXE 02、チバスペシャルティケミカルズ社製)12g、メルカプトベンズイミダゾール6g、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(3−ブロモ−4−メトキシ)フェニルs−トリアジン4g、顔料液(商品名:CFブラック、カーボン24%含有、御国色素社製)700g、3−メトキシブチルアセテート500gを混合し、着色感光性樹脂組成物を製造した。
多塩基酸無水物としてテトラヒドロ無水フタル酸300gおよびビフェニルテトラカルボン酸二無水物100gを用いた以外は、実施例1と同様にして、樹脂Bを合成した。この樹脂Bの分子量は、5000であり、酸価が95mgKOH/gであった。この樹脂Bを用いて、着色感光性樹脂組成物を製造した。
エポキシ化合物として、式(1)で表されるビフェニレン骨格を有するエポキシ化合物(R1=H、m=0.2)を用いた以外は、実施例1と同様にして、樹脂Cを合成した。この樹脂Bの分子量は、4500であり、酸価が85mgKOH/gであった。この樹脂Cを用いて、着色感光性樹脂組成物を製造した。
メルカプトベンズイミダゾールを添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、着色感光性樹脂組成物を製造した。
エポキシ化合物として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂であるエピコート828(ジャパンエポキシレジン社製、エポキシ当量190)を390g用い、多塩基酸無水物としてテトラヒドロ無水フタル酸360gおよびビフェニルテトラカルボン酸二無水物40gを用いた以外は、実施例1と同様にして、樹脂Dを合成した。この樹脂Dの分子量は、4000であった。この樹脂Dを用いて、着色感光性樹脂組成物を製造した。
エポキシ化合物として、下記式(4)で表されるジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(エポキシ当量283)を500g用いた以外は、比較例1と同様にして樹脂Eを合成した。この樹脂Eの分子量は、4500であった。この樹脂Eを用いて、着色感光性樹脂組成物を製造した。
実施例および比較例の着色感光性樹脂組成物をガラス基板に塗布して、90℃で120秒間ベークし、厚さ1.5μmの膜を形成した。その後、形成された膜を、マスクを介して露光し、アルカリ現像液(商品名:N−A3K、東京応化工業社製)で現像してパターンを形成した。その後、形成されたパターンを、220℃30分間循環式オーブンにてポストベークを行うことにより、線幅10μmのブラックマトリクスを形成した。
上記実施例および比較例で調製した着色感光性樹脂組成物、ならびに形成されたブラックマトリクスについて、現像マージン、感度、パターン直進性を確認した。結果は表1に示す。
なお、評価方法は、以下のとおりである。
感度:露光量を変化させ、パターンが形成されるために必要な最小の露光量を感度とした。
パターン直進性(直進性):形成された10μmラインのエッジにがたつきがあるかどうかを目視で判定し、がたつきのないものを○、がたつきのあるものを×とした。
現像マージン:100mJ/cm2の露光量で露光後の現像時に、パターン剥がれがなく、パターン直進性が良好であり、残渣がなくパターンが形成できた時間を測定した。
Claims (7)
- 前記エポキシ化合物(a−1)は、mが1未満である請求項1記載の着色感光性樹組成物。
- 前記多塩基酸無水物(a−3)は、少なくともベンゼン環を2個有する化合物である請求項1または2記載の着色感光性樹脂組成物。
- 前記樹脂の重量平均分子量は、1000以上40000以下である請求項1から4いずれか記載の着色感光性樹脂組成物。
- 前記光重合性化合物(A)は、エチレン性不飽和基を有するモノマーを含む請求項1から5いずれか記載の着色感光性樹脂組成物。
- 前記着色剤(C)は、黒色顔料である請求項1から6いずれか記載の着色感光性樹脂組成物。
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