JP2008003298A - 着色感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】直線性に優れ、剥がれや残渣がなく、表示コントラストの優れた良好なブラックマトリクスパターンを基板上に容易に形成することができる着色感光性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】光重合性化合物(A)と、光重合開始剤(B)と、着色剤(C)と、を含む着色感光性樹脂組成物において、前記光重合性化合物(A)は、エポキシ化合物(a−1)と、不飽和基含有カルボン酸(a−2)との反応物を、さらに多塩基酸無水物(a−3)と反応させることにより得られる樹脂を含み、前記樹脂は、ビフェニル骨格を有する化合物である着色感光性樹脂組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、着色感光性樹脂組成物に関し、特に、カラーフィルタのブラックマトリクス等に用いられる遮光性の膜を形成するための着色感光性樹脂組成物に関する。
従来、顔料を用いたカラーフィルタの製造法としては、染色法、電着法、インクジェット法、顔料分散法などが知られている。顔料分散法の場合、分散剤などにより顔料を分散してなる着色組成物に、バインダー樹脂、光重合開始剤、光重合性モノマー等を添加して感光化した感光性着色樹脂組成物をガラス基板上にコートして乾燥後、露光、現像を行うことにより着色パターンを形成する。その後、加熱し、パターンを固着して画素を形成する。これらの工程を色ごとに繰り返してカラーフィルタを形成する。
このようなカラーフィルタの画像形成に用いられる感光性着色樹脂組成物には、充分な解像性、基板との密着性、低現像残渣などの特性が求められている。また、顔料分散法により形成する場合、光リソグラフィ工程に供される。したがって、現像工程での除去部分に残渣や地汚れが生じないこと、除去部分が充分な溶解性を有すること、パターンエッジのシャープさなどの画素形成性を上げること、が常に求められている。さらに、近年では用いられる基板が大型化しており、現像マージンが大きいことが求められるようになってきている。
特に、ブラックマトリクスのように光の全波長領域において遮光能力が要求される場合では、露光部分と未露光部分における架橋密度の差をつけることが著しく困難である、露光された部分でも、光照射面側では充分に硬化しても、基底面側では硬化しない等の問題が生じていた。また、現像液に不溶な多量な黒色色材を配合するため現像性の低下が著しいという問題も生じていた。
そこで、このような問題を解決するために、バインダー樹脂として、カルボキシル基を有するノボラックエポキシアクリレートを使用した感光性着色樹脂組成物が開示されている(特許文献1参照)。
また、バインダー樹脂として、カルボキシル基を有するアクリル樹脂と脂環式エポキシ基含有不飽和化合物との反応物を使用した感光性樹脂組成物が開示されている(特許文献2参照)。
また、2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物とモノカルボン酸との反応物に酸無水物を反応させて得られるポリカルボン酸樹脂を含む樹脂組成物が開示されている(特許文献3参照)。
特開平11−84126号公報 特開平1−289820号公報 特開2004−43573号公報
しかし、上記特許文献1〜3に記載されている樹脂組成物においても、感度が充分でなく、画素への密着性が悪くはがれやすい、残渣が残りやすいなどの問題点があった。また、現像マージンも小さいため、現像時間により、露光部まで剥離してしまい、画素のエッジががたつくなどの問題も解消されていなかった。
本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、直線性に優れ、剥がれや残渣がなく、表示コントラストの優れた良好なブラックマトリクスパターンを基板上に容易に形成することができる着色感光性樹脂組成物を提供する。
本発明者らは上記課題を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、光に対する感受性に優れた官能基含有樹脂を感光性組成物に適用することで、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
本発明は、光重合性化合物(A)と、光重合開始剤(B)と、着色剤(C)と、を含む着色感光性樹脂組成物において、前記光重合性化合物(A)は、エポキシ化合物(a−1)と、不飽和基含有カルボン酸(a−2)との反応物を、さらに多塩基酸無水物(a−3)と反応させることにより得られる樹脂を含み、前記樹脂は、ビフェニル骨格を有する化合物である着色感光性樹脂組成物を提供するものである。
本発明の着色感光性樹脂組成物によれば、着色感光性樹脂組成物中の光重合性化合物に含まれる樹脂の原料として、ビフェニル骨格を有する化合物を用いている。したがって着色感光性樹脂組成物中にビフェニル骨格を有するため、感度および溶解性のバランスに優れ、さらに、画素エッジのシャープ性、基材との密着性に優れる着色感光性樹脂組成物を提供することができる。さらに、液晶ディスプレイ用のカラーフィルタをコントラストが高く、R、G、Bの発色が美しい形態で容易に提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明に係る着色感光性樹脂組成物(以下、「組成物」ともいう。)は、光重合性化合物(A)と、光重合開始剤(B)と、着色剤(C)と、を含む着色感光性樹脂組成物である。
[光重合性化合物(A)]
光重合性化合物(以下「(A)成分」ともいう。)は、エポキシ化合物(a−1)と、不飽和基含有カルボン酸(a−2)との反応物を、さらに多塩基酸無水物(a−3)と反応させることにより得られる樹脂を含み、樹脂はビフェニル骨格を有する化合物である。以下、それぞれの成分について説明する。
<エポキシ化合物(a−1)>
本発明に用いられるエポキシ化合物(以下「(a−1)成分」ともいう。)は、ビフェニル骨格を有するエポキシ化合物が好ましい。ビフェニル骨格を有するエポキシ化合物は、主鎖に下記式(5)で表されるビフェニル骨格を少なくとも1つ以上有し、エポキシ基を1つ以上有している。また、この(a−1)成分としては、エポキシ基を2個以上有するものが好ましい。ビフェニル骨格を有するエポキシ化合物を用いることにより、反応後の光重合性化合物中にビフェニル骨格を有するため、感度および溶解性のバランスに優れ、さらには画素エッジのシャープ性、密着性に優れた着色感光性樹脂組成物を提供することができる。
Figure 2008003298
(式中、複数のRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、ハロゲン原子、または、置換基を有してもよいフェニル基を示し、lは1〜4の整数を示す。)
ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、下記式(1)で示されるエポキシ化合物を挙げることができる。
Figure 2008003298
(式中、複数のRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、ハロゲン原子、または、置換基を有してもよいフェニル基を示し、nは1〜4の整数を示す。)
また、式(1)の中でも、特に下記式(2)で示されるエポキシ化合物が好ましく用いられる。式(2)の化合物を用いることにより、感度および溶解性のバランスに優れた組成物を提供することができる。
Figure 2008003298
なお、式(1)および(2)において、mは平均値であって、0〜10の数を示す。さらに、1未満であることが好ましい。
<不飽和基含有カルボン酸(a−2)>
本発明において用いられる不飽和基含有カルボン酸(以下、「(a−2)成分」ともいう。)としては、分子中にアクリル基やメタクリル基等の反応性の不飽和二重結合を含有するモノカルボン酸が好ましい。このような不飽和基含有カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、β−スチリルアクリル酸、β−フルフリルアクリル酸、α−シアノ桂皮酸、桂皮酸等を挙げることができる。また、この(a−2)成分は、単独または2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ化合物(a−1)と不飽和基含有カルボン酸(a−2)との反応は、公知の方法により反応させることができる。例えば、エポキシ化合物(a−1)と不飽和基含有カルボン酸(a−2)とを、トリエチルアミン、ベンジルエチルアミン等の3級アミン、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩、ピリジン、トリフェニルホスフィン等を触媒として、有機溶剤中、反応温度50〜150℃で数〜数十時間反応させる方法が挙げられる。
(a−1)成分と(a−2)成分との反応における使用量比は、(a−1)成分のエポキシ当量と(a−2)成分のカルボン酸当量との比で、通常1:0.5〜1:2、好ましくは1:0.8〜1:1.25、さらに好ましくは、1:1である。(a−1)成分と(a−2)成分との使用量比が、前記の当量比で1:0.5〜1:2であると、架橋効率が向上する傾向があり好ましい。
<多塩基酸無水物(a−3)>
多塩基酸無水物(以下、「(a−3)成分」ともいう。)は、2個以上のカルボキシル基を有するカルボン酸の無水物である。この多塩基酸無水物としては、特に限定されないが、例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3−メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、3−エチルヘキサヒドロ無水フタル酸、4−エチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、3−メチルテトラヒドロ無水フタル酸、4−メチルテトラヒドロ無水フタル酸、3−エチルテトラヒドロ無水フタル酸、4−エチルテトラヒドロ無水フタル酸、下記式(3)、(4)で表される化合物を挙げることができる。また、この(a−3)成分は、単独または2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
Figure 2008003298
(式中、Rは炭素数1から10の置換基を有してもよいアルキレン基を示す。)
さらに、(a−3)成分としては、ベンゼン環を2個以上有する化合物であることが好ましく、上記化合物の中でも式(3)、(4)で表される化合物の少なくとも一方を含む化合物であることが好ましい。ベンゼン環を2個以上有する多塩基酸無水物から合成された樹脂を用いることにより、感度および溶解性のバランスに優れた着色感光性樹脂組成物を提供することができる。
(a−1)成分と(a−2)成分を反応させた後、(a−3)成分を反応させる方法としては公知の方法により反応させることができる。
また、使用量比は、(a−1)成分と(a−2)成分との反応後の成分中のOH基のモル数と、(a−3)成分の酸無水物基の当量比で、通常1:1〜1:0.1であり、好ましくは1:0.8〜1:0.2である。上記範囲とすることにより、現像液への溶解性が適度となる傾向があり好ましい。
また、光重合性化合物(a−1)成分、(a−2)成分、(a−3)成分を反応させることにより得られた樹脂の酸価は、樹脂固形分で、10mgKOH/g以上150mgKOH/g以下であることが好ましく、より好ましくは、70mgKOH/g以上110mgKOH/g以下である。樹脂の酸価を10mgKOH/g以上にすることにより現像液に対する充分な溶解性が得られ、また、酸価を150mgKOH/g以下にすることにより充分な硬化性を得ることができ、表面性を良好にすることができる。
また、樹脂の重量平均分子量は、1000以上40000以下であることが好ましく、より好ましくは、2000以上30000以下である。重量平均分子量を1000以上にすることにより耐熱性、膜強度を向上させることができる。また、40000以下にすることにより現像液に対する十分な溶解性を得ることができる。
<エチレン性不飽和基を有するモノマー>
本発明の着色感光性樹脂組成物には、エチレン性不飽和基を有するモノマーを添加することが好ましい。
エチレン性不飽和基を有するモノマーは、重合性官能基を複数有することが好ましい。エチレン性不飽和基を有するモノマーを添加したことによって、形成された膜の膜強度や、基板に対する密着性を向上させることが可能となる。
エチレン性不飽和基を有するモノマーとしては、単官能モノマーと多官能モノマー等が挙げられる。
単官能モノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメトキシメチル(メタ)アクリルアミド、アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、クロトン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、tert−ブチルアクリルアミドスルホン酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、フタル酸誘導体のハーフ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、等が挙げられる。また、これらは単独または2種以上組み合わせて用いることが可能である。
一方、多官能モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、グリセリントリアクリレート、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート(即ち、トリレンジイソシアネート)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネート等と2−ビドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応物、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドメチレンエーテル、多価アルコールとN−メチロール(メタ)アクリルアミドとの縮合物等の多官能モノマーや、トリアクリルホルマール等が挙げられる。また、これらは単独または2種以上組み合わせて用いることが可能である。
このようなエチレン性不飽和基を有するモノマーの含有量は、着色感光性樹脂組成物の固形分に対して、5質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上40質量%以下がより好ましい。上記の範囲であることにより、感度、現像性、解像性のバランスがとりやすい傾向があり、好ましい。
[光重合開始剤(B)]
また、光重合開始剤(以下「(B)成分」ともいう。)としては、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ジクロロアセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルアセトフェノン等のアセトフェノン類や、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類や、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類や、ベンジルジメチルケタール、チオキサンテン、2−クロロチオキサンテン、2,4−ジエチルチオキサンテン、2−メチルチオキサンテン、2−イソプロピルチオキサンテン等のイオウ化合物や、2−エチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン等のアントラキノン類や、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、クメンパーオキシド等の有機過酸化物や、2−メルカプトベンゾイミダール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール等のチオール化合物や、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体等のイミダゾリル化合物や、p−メトキシトリアジン等のトリアジン化合物や、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(フラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−n−ブトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロメチル基を有するトリアジン化合物、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1オン等のアミノケトン化合物が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独または2種以上を組み合わせてもよい。
光重合開始剤の含有量は、溶剤以外の固形成分の合計100質量部に対し、好ましくは1質量部から150質量部、より好ましくは5質量部から100質量部、さらにより好ましくは10質量部から50質量部の範囲である。含有量が150質量部以下にすることにより、十分な耐熱性、耐薬品性を得ることができ、また1質量部以上にすることにより塗膜形成能を向上させ、光硬化不良を抑制することができる。
[着色剤(C)]
本発明に係る着色感光性樹脂組成物は、着色剤(以下、「(C)成分」ともいう。)を含有する。
着色剤としては、例えば、カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists社発行)においてピグメント(Pigment)に分類されている化合物、具体的には、下記のようなカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものを用いることが好ましい。
C.I.ピグメントイエロー1(以下、「C.I.ピグメントイエロー」は同様で番号のみ記載する)、3、11、12、13、14、15、16、17、20、24、31、53、55、60、61、65、71、73、74、81、83、86、93、95、97、98、99、100、101、104、106、108、109、110、113、114、116、117、119、120、125、126、127、128、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、156、166、167、168、175、180、185;
C.I.ピグメントオレンジ1(以下、「C.I.ピグメントオレンジ」は同様で番号のみ記載する)、5、13、14、16、17、24、34、36、38、40、43、46、49、51、55、59、61、63、64、71、73;
C.I.ピグメントバイオレット1(以下、「C.I.ピグメントバイオレット」は同様で番号のみ記載する)、19、23、29、30、32、36、37、38、39、40、50;
C.I.ピグメントレッド1(以下、「C.I.ピグメントレッド」は同様で番号のみ記載する)、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48:1、48:2、48:3、48:4、49:1、49:2、50:1、52:1、53:1、57、57:1、57:2、58:2、58:4、60:1、63:1、63:2、64:1、81:1、83、88、90:1、97、101、102、104、105、106、108、112、113、114、122、123、144、146、149、150、151、155、166、168、170、171、172、174、175、176、177、178、179、180、185、187、188、190、192、193、194、202、206、207、208、209、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、242、243、245、254、255、264、265;
C.I.ピグメントブルー1(以下、「C.I.ピグメントブルー」は同様で番号のみ記載する)、2、15、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、66;
C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン37;
C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25、C.I.ピグメントブラウン26、C.I.ピグメントブラウン28;
C.I.ピグメントブラック1、ピグメントブラック7。
また、ブラックマトリクスを形成する際には、(C)成分として、黒色顔料を用いることが好ましい。また、黒色顔料としては、カーボンブラックを用いることが好ましい。また、チタンブラック、銅、鉄、マンガン、コバルト、クロム、ニッケル、亜鉛、カルシウム、銀等の金属酸化物、複合酸化物、金属硫化物、金属硫酸鉛または金属炭酸塩等の無機顔料等も挙げられる。中でも、高い遮光性を有するカーボンブラックを用いることがより好ましい。上記の光重合性化合物を用いることにより、遮光性の高い黒色顔料を用いたとしても、密着性が高く、現像マージンの優れた着色感光性樹脂組成物を得ることができる。
カーボンブラックとしては、チャンネルブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、ランプブラックなど公知のカーボンブラックを用いることができるが、遮光性に優れるチャンネルブラックを用いることが特に好ましい。また、樹脂被覆カーボンブラックを用いてもよい。
樹脂被覆カーボンブラックは、樹脂被覆のないカーボンブラックに比べて導電性が低いことから、液晶ディスプレイのような液晶表示素子のブラックマトリクスとして用いた場合に電流のリークが少なく、信頼性の高い低消費電力のディスプレイを製造できる。
また、カーボンブラックの色調を調整するために、補助顔料として上記の有機顔料を適宜添加してもよい。
また、着色剤を均一に分散させるために分散剤としては、ポリエチレンイミン系、ウレタン樹脂系、アクリル樹脂系の高分子分散剤を用いることが好ましい。特に、着色剤として、カーボンブラックを用いる場合には、分散剤としてアクリル樹脂系の分散剤を用いることが好ましい。
また、無機顔料と有機顔料はそれぞれ単独または2種以上併用してもよいが、併用する場合には、無機顔料と有機顔料の総量100質量部に対して、有機顔料を10質量部から80質量部の範囲で用いることが好ましく、20質量部から40質量部の範囲であることがより好ましい。上記の無機顔料および有機顔料は、分散剤を用いて適当な濃度で分散させた溶液とした後、着色感光性樹脂組成物に添加することが好ましい。
なお、本発明の着色感光性樹脂組成物における着色剤の使用量は、着色感光性樹脂組成物の固形分に対して、5質量%以上70質量%以下が好ましく、25質量%以上55質量%以下がより好ましく、30質量%以上50質量%以下がさらに好ましい。上記の範囲にすることにより、目的とするパターンでブラックマトリクスや各着色層を形成することができ、好ましい。
特にブラックマトリクスを形成する場合には、膜厚1μmあたりのOD値が、4以上となるように着色感光性樹脂組成物における黒色顔料の量を調整することが好ましい。ブラックマトリクスにおける膜厚1μmあたりのOD値が4以上あれば、液晶ディスプレイのブラックマトリクスに用いた場合に、十分な表示コントラストを得ることができる。
[その他の成分]
本発明に係る着色感光性樹脂組成物では、必要に応じて添加剤を配合することができる。具体的には、増感剤、硬化促進剤、光架橋剤、光増感剤、分散助剤、充填剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等が挙げられる。
また、本発明に係る着色感光性樹脂組成物は、希釈のための溶剤や、熱重合禁止剤、消泡剤、界面活性剤などを添加してもよい。
ここで、着色感光性樹脂組成物に添加可能な溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の他のエーテル類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン類;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ぎ酸n−ペンチル、酢酸i−ペンチル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類等が挙げられる。これらの溶剤は、単独または2種以上を混合して使用することができる。
中でもプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、シクロヘキサノン、3−メトキシブチルアセテートは、光重合性化合物、光重合開始剤に対して優れた溶解性を示すとともに、黒色顔料などの不溶性成分の分散性を良好にすることができるため、好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテートを用いることが特に好ましい。溶剤は、光重合性化合物、光重合開始剤および着色剤の合計100質量部に対して50質量部から500質量部の範囲で用いることができる。
また、熱重合禁止剤としてはヒドロキノン、ヒドロキノンモノエチルエーテル等を用いることができる。また、消泡剤としてはシリコーン系、フッ素系化合物を、界面活性剤としてはアニオン系、カチオン系、ノニオン系等の公知の各種熱重合禁止剤を用いることができる。
また、本発明に係る着色感光性樹脂組成物を用いてパターンを形成する際には、後述するように、基板上に本発明に係る着色感光性樹脂組成物を、塗布・乾燥して膜を形成する。このときの塗布性の改善、光硬化後の物性改善のために、上記成分に加えてさらに結合剤として高分子バインダーを含有してもよい。結合剤は相溶性、被膜形成性、現像性、接着性等改善目的に応じて適宜選択すればよい。
基板上に形成されたブラックマトリクスの厚みとしては、通常1μmから10μmの範囲内で設定することができ、好ましくは1.5μmから8μm、さらに好ましくは2μmから5μmである。膜厚が1.5μm以上であれば、通常のカラーフィルタ用ブラックマトリクスとして使用することができるだけではなく、インクジェット方式のカラーフィルタのブラックマトリクスとして使用することができる。
本発明に係る着色感光性樹脂組成物の製造方法としては、上述の各成分を攪拌機で混合することにより得られる。なお、得られた混合物が均一なものとなるようフィルターを用いて濾過してもよい。
[カラーフィルタの形成方法]
以下、本発明に係る着色感光性樹脂組成物を用いてカラーフィルタを形成する方法を説明する。
〔ブラックマトリクス(黒色着色層)の形成〕
まず着色感光性樹脂組成物(黒色の着色剤を含む)を、基板上にロールコータ、リバースコータ、バーコータ等の接触転写型塗布装置やスピンナー(回転式塗布装置)、カーテンフローコータ等の非接触型塗布装置を用いて塗布する。基板は、光透過性を有する基板が用いられる。
ガラス基板と着色感光性樹脂組成物との密着性を向上させるために、予めガラス基板上にシランカップリング剤を塗布しておいてもよい。あるいは着色感光性樹脂組成物の調製時にシランカップリング剤を添加しておいてもよい。
この着色感光性樹脂組成物を塗布後、乾燥させて溶剤を除去する。乾燥方法は特に限定されず、例えば(1)ホットプレートにて80℃から120℃、好ましくは90℃から100℃の温度にて60秒間から120秒間乾燥する方法、(2)室温にて数時間から数日放置する方法、(3)温風ヒーターや赤外線ヒーター中に数十分から数時間入れて溶剤を除去する方法、のいずれの方法を用いてもよい。
次いで、ネガ型のマスクを介して、紫外線、エキシマレーザー光等の活性エネルギー線を照射して部分的に露光する。照射するエネルギー線量は、着色感光性樹脂組成物の組成によっても異なるが、例えば30mJ/cmから2000mJ/cm程度が好ましい。
次いで、露光後の膜を、現像液により現像することによって所望の形状にパターニングする。現像方法は特に限定されず、例えば浸漬法、スプレー法等を用いることができる。現像液としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機系のものや、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア、4級アンモニウム塩等の水溶液が挙げられる。
次いで、現像後のパターニングを200℃程度でポストベークを行うことによりブラックマトリクスを形成する。また、形成されたパターンを全面露光することが好ましい。
この形成されたブラックマトリクスは、そのパターン形状、厚さによっては、スペーサ、インクジェット用隔壁としても使用することができる。
(1)リソグラフィ方式によるカラーフィルタの形成
上記ブラックマトリクスの形成された基板上に、通常R、G、Bの3原色の着色剤を含む着色感光性樹脂組成物を用いて、一色ごとに、上記ブラックマトリクスの形成と同様にして、順次着色層を形成する。これによりカラーフィルタを形成することができる。
(2)インクジェット方式によるカラーフィルタの形成
インクジェット方式によりカラーフィルタを形成する際には、本発明に係る着色感光性樹脂組成物から形成されたインクジェット方式カラーフィルタ形成用隔壁(以後、単に隔壁と称する)を用いる。この隔壁は、黒色であるため、ブラックマトリクスとしての役割も同時に果たす。
具体的には、まず、R、G、Bのインクを、上記隔壁に囲まれた部位にインクジェット方式で吐出し、隔壁内に溜める。次いで、溜められたインクを熱あるいは光硬化させる。これにより、カラーフィルタを形成することができる。
[実施例1]
ビフェニル骨格を有するエポキシ化合物としてエピコートYX4000H(ジャパンエポキシレジン社製、エポキシ当量192)を400g、トリフェニルホスフィン4g、アクリル酸153g、3−メトキシブチルアセテート600gを混合し、90〜100℃で反応させた。その後、多塩基酸無水物としてテトラヒドロ無水フタル酸40gおよびビフェニルテトラカルボン酸二無水物360gを加え、さらに反応させることによりビフェニル骨格を有する樹脂Aを得た。この樹脂Aは、GPCで測定した質量平均分子量が7000であり、酸価が90mgKOH/gであった。
上記樹脂A150g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート30g、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)(商品名:IRGACURE OXE 02、チバスペシャルティケミカルズ社製)12g、メルカプトベンズイミダゾール6g、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(3−ブロモ−4−メトキシ)フェニルs−トリアジン4g、顔料液(商品名:CFブラック、カーボン24%含有、御国色素社製)700g、3−メトキシブチルアセテート500gを混合し、着色感光性樹脂組成物を製造した。
[実施例2]
ビフェニル骨格を有するエポキシ化合物としてNC−3000(日本化薬社製、エポキシ当量188)を520g用い、3−メトキシブチルアセテートを650g用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂Bを合成した。この樹脂Bの分子量は、6000であり、酸価が90mgKOH/gであった。この樹脂Bを用いて、着色感光性樹脂組成物を製造した。
[実施例3]
多塩基酸無水物としてビフェニルテトラカルボン酸二無水物を420gのみを用いた以外は、実施例1と同様にして、樹脂Cを合成した。この樹脂Cの分子量は、29000であり、酸価が100mgKOH/gであった。この樹脂Cを用いて、着色感光性樹脂組成物を製造した。
[比較例1]
エポキシ化合物として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂であるエピコート828(ジャパンエポキシレジン社製、エポキシ当量190)を390g用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂Dを合成した。この樹脂Dの分子量は、4000であった。この樹脂Dを用いて、着色感光性樹脂組成物を製造した。
[比較例2]
エポキシ化合物として、下記式(6)で表されるジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(エポキシ当量283)を500g用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂Eを合成した。この樹脂Eの分子量は、4500であった。この樹脂Eを用いて、着色感光性樹脂組成物を製造した。
Figure 2008003298
ブラックマトリクスの形成は、以下のとおりである。
実施例および比較例の着色感光性樹脂組成物をガラス基板に塗布して、90℃で120秒間ベークし、厚さ1.5μmの膜を形成した。その後、形成された膜を、マスクを介して露光(露光量を50〜120mJ/cmで変化させた)し、アルカリ現像液(商品名:N−A3K、東京応化工業社製)で現像(現像時間を45〜70秒で変化させた)してパターンを形成した。その後、形成されたパターンを、220℃30分間循環式オーブンにてポストベークを行うことにより、線幅10μmのブラックマトリクスを形成した。
なお、ブラックマトリクスの形成においては、表1に示す露光量、現像時間にて行った。
(評価)
上記実施例および比較例で調製した着色感光性樹脂組成物、ならびに形成されたブラックマトリクスについて、パターン直進性、密着性、着色感光性樹脂組成物を塗布した時の異物発生の確認をした。結果は表1に示す。
なお、評価方法は、以下のとおりである。
パターン直進性(直進性):形成された10μmラインのエッジにがたつきがあるかどうかを目視で判定し、がたつきのないものを○、がたつきのあるものを×とした。
密着性:露光部に剥れおよび欠けがないものを○、あるものを×とした。
残渣:現像後の未露光部における残渣の無いものを○、あるものを×とした。
塗布時の異物発生:着色感光性樹脂組成物をガラス基板(550mm×650mm)に塗布した直後に、形成された膜上の異物の数をカウントとし、20枚のガラス基板に塗布した際の平均値を求めた。
Figure 2008003298
表1よりビフェニル骨格を有する光重合性化合物を用いた着色感光性樹脂組成物は、現像マージンをとることができ、感度が高く、かつ、パターンの直進性のよい遮光膜を形成することが可能であることが示された。

Claims (10)

  1. 光重合性化合物(A)と、光重合開始剤(B)と、着色剤(C)と、を含む着色感光性樹脂組成物において、
    前記光重合性化合物(A)は、エポキシ化合物(a−1)と、不飽和基含有カルボン酸(a−2)との反応物を、さらに多塩基酸無水物(a−3)と反応させることにより得られる樹脂を含み、
    前記樹脂は、ビフェニル骨格を有する化合物である着色感光性樹脂組成物。
  2. 前記エポキシ化合物(a−1)は、ビフェニル骨格を有する化合物である請求項1記載の着色感光性樹脂組成物。
  3. 前記エポキシ化合物(a−1)は下記式(1)で表される化合物を含む請求項2記載の着色感光性樹脂組成物。
    Figure 2008003298
    (式中、複数のRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、ハロゲン原子、または、置換基を有してもよいフェニル基を示し、mは平均値であって、0〜10の数を示し、nは1〜4の整数を示す。)
  4. 前記エポキシ化合物(a−1)は、下記式(2)で表される化合物である請求項3記載の着色感光性樹脂組成物。
    Figure 2008003298
    (式中、mは平均値であって、0〜10の数を示す。)
  5. 前記エポキシ化合物(a−1)は、mが1未満である請求項3または4記載の着色感光性樹組成物。
  6. 前記多塩基酸無水物(a−3)は、少なくともベンゼン環を2個有する化合物である請求項1から5いずれか記載の着色感光性樹脂組成物。
  7. 前記多塩基酸無水物(a−3)は、下記式(3)または(4)で表される化合物の少なくとも一方を含む請求項6記載の着色感光性樹脂組成物。
    Figure 2008003298
    (式中、Rは炭素数1から10の置換基を有してもよいアルキレン基を示す。)
  8. 前記樹脂の重量平均分子量は、1000以上40000以下である請求項1から7いずれか記載の着色感光性樹脂組成物。
  9. 前記光重合性化合物(A)は、エチレン性不飽和基を有するモノマーを含む請求項1から8いずれか記載の着色感光性樹脂組成物。
  10. 前記着色剤(C)は、黒色顔料である請求項1から9いずれか記載の着色感光性樹脂組成物。
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