JP5334656B2 - シール装置 - Google Patents

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Description

本発明は、遠心ポンプの軸シール、スネークポンプの軸シール、あるいは、ビーズポンプの軸シール等として用いて好適なシール装置に関する。
従来、この種の装置に用いられるアウトサイドカートリッジ形でダブルシールタイプのシール装置としては、図2〜図4に示すようなシール装置が知られている。図2に示すシール装置810は、機内側シール811のシールリング812とスタフィングボックスとの間の軸方向移動部のシールにOリング813を用いたダブルシールである。図3に示すシール装置820も機内側シール821のシールリング822とスタフィングボックスとの間の移動部のシールにOリング823を用いたダブルシールであるが、回転軸が貫通するスタフィングボックスの開口824の内径を大きくしてバッフルスリーブ825を設置し、クエンチング液が機内側シール821のシール面近傍にまで流れるようにしたものである。また、図4に示すシール装置830は、機内側シール831のシールリング832軸方向移動部に金属ベローズ836を使用したダブルシールである。
この種のシール装置において、スラリーを含む流体(シール液)や大気に漏れると析出するような流体をシールする際には、スラリーがシール部品間に留まったり、シール流体の固形物がシール面に付着したりシール部品間に目詰まりしたりする可能性がある。そこで、そのような流体をシールする場合には、析出物を洗い流すことが必要である。そのために、図2〜図4に示した従来のシール装置810〜830においては、シールカバーに形成された開口から中間室にクエンチング液を導入し、シール面あるいはシール面近傍の洗浄を行うようにしている。また、例えば特許文献1に開示されているダブルメカニカルシールにおいては、フラッシング液とクエンチング液を用いて、シール面あるいはシール面近傍の洗浄とともに冷却や、シール液の大気との遮断等も行うようにしている。
特開2005−48818
しかしながら、図2〜図4あるいは特許文献1に示したシール装置においては、機内側シールはスタフィングボックス内に配置されており、スタフィングボックス外に配置される機外側(大気側)シールあるいはシールカバーに設けられるクエンチング液の入口(出口)から機内側シールの摺動面までのクエンチング液の流路が長くなり、クエンチング液が摺動面(シール面)にまで十分な量、強さで流れて来ない状態となり、洗浄や冷却が不十分になる場合がある。また、スタフィングボックス内に機内側シールが配置されているため、クエンチング液の流路を広く確保することができず、この点においてもクエンチング液の流れが不十分となり、摺動面の洗浄や冷却が不十分になる場合がある。
例えば、図3に例示したシール装置820においては、回転軸が貫通するスタフィングボックスの開口824の内径を大きくし、バッフルスリーブ825を設置してクエンチング液が機内側シール821のシール面近傍にまで流れるようにしたものであるが、この構成においてもクエンチング液の流路は狭く、シール面を十分に洗浄等することはできない。
また、スタフィングボックス内に機内側シールが配置されるこれらのシール装置は、装着に際してスタフィングボックスの構造の影響を受け、汎用性の点で問題がある。
また、このような構成のシール装置は、軸方向に長い構成となり、機器の小型化の点で障害となる可能性もある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、小型で、クエンチング流路を短くしてシール面の洗浄や冷却等を適切に行うことができ、汎用性の高い、アウトサイドカートリッジ形でダブルシールタイプのシール装置を提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1に係る本発明のシール装置は、ハウジングと、当該ハウジングに形成された開口を貫通する回転軸との間を密封し、前記ハウジング内の流体を封止するシール装置であって、前記ハウジングの前記開口の端面に設置されるシールカバーと、前記回転軸の前記シールカバーの内部となる位置に設置され、軸方向の両面に各々シール面を有する回転密封環と、前記シールカバーの内部の前記回転密封環の機内側に設置され、前記回転密封環の機内側の前記シール面に対向配置されて当該シール面と密接摺動するシール端面を有し、外周面は、前記シール端面に向かって内周側に傾斜するようにテーパ状に形成されている第1固定密封環と、前記シールカバーの内部の前記回転密封環の機外側に設置され、前記回転密封環の機外側の前記シール面に対向配置されて当該シール面と密接摺動するシール端面を有する第2固定密封環と、前記シールカバーの内側であって前記回転密封環、前記第1固定密封環及び前記第2固定密封環の外周側で囲まれる空間に形成される中間室と、機外側内周部に段差部を有し、当該段差部に前記第1固定密封環が嵌合設置されているリテーナと、機外側端部が前記リテーナの機内側端面の内周側に結合されており、前記ハウジング内に通じる機内側空間と前記中間室との間を分離し、前記リテーナを介して当該リテーナに嵌合設置された前記第1固定密封環を前記回転密封環方向に弾発に押圧するベローズと、前記シールカバーを貫通して前記中間室に連通し、当該中間室にクエンチング液を流入出させるクエンチング液供給路とを有し、前記第1固定密封環のシール端面と前記回転密封環の前記シール面とが摺動可能に密接して機内側シール部を構成し、前記第2固定密封環のシール端面と前記回転密封環の前記シール面とが摺動可能に密接して機外側シール部を構成し、前記第2固定密封環及び前記リテーナの外周側はフランジ部に形成されており、前記クエンチング液が前記クエンチング液供給路から中間室に供給され、直接機内側シール部及び機外側シール部の外周面に流されることを特徴とする。
また、請求項2に係る本発明のシール装置は、前記第1固定密封環の前記回転密封環のシール面に密接摺動する前記シール端面は、径方向幅が微小幅に形成されたナイフエッジ状シール端面であることを特徴とする。
また、請求項3に係る本発明のシール装置は、前記ベローズとともに前記第1固定密封環を前記回転密封環方向に弾発に押圧する第2の弾発手段をさらに有することを特徴とする。
請求項1に係る本発明のシール装置によれば、ダブルシールのシール面近傍に直接にクエンチング液を供給することができ、効率よく冷却や洗浄ができるとともに大気との遮断も適切に行うことができ、小型でシール面の洗浄や冷却等を適切に行うことができ、汎用性の高い、アウトサイドカートリッジ形でダブルシールタイプのシール装置を提供することができる。
また、テーパによりクエンチング液をシール面に効率よく案内することができ、冷却、シール面の堆積物や析出物の洗浄等を一層効率よく適切に行うことができる。
また、請求項2に係る本発明のシール装置によれば、第1固定密封環のシール端面の回転密封環のシール面への密接圧力を高めることができ、シール流体を適切にシールすることができる。
また、請求項3に係る本発明のシール装置によれば、ベローズに加えて弾発手段により第1固定密封環を押圧しているため、第1固定密封環のシール端面は適切に回転密封環のシール面に押圧され、より適切なシール性能を維持できる。
図1は、本発明の一実施形態のシール装置の構成を示す図であって、シール装置が遠心ポンプの回転軸貫通箇所に装着されている状態を示す断面図である。 図2は、従来のシール装置の構成を示す図である。 図3は、従来の他のシール装置の構成を示す図である。 図4は、従来のさらに他のシール装置の構成を示す図である。
本発明の一実施形態のシール装置について、図1を参照して説明する。
本実施形態においては、遠心ポンプの軸シールとして使用されるシール装置であって、2つの摺動面を背面合わせに構成したダブルシールを有し、スタフィングボックスの外面にカートリッジ形態で装着されるシール装置を例示して本発明を説明する。
図1は、その本実施形態のシール装置1の構成を示す断面図であり、シール装置1をスタフィングボックス(装置ハウジング)8の外面82にカートリッジとして装着した断面図である。
図1に示すように、遠心ポンプのスタフィングボックス8には開口81が形成されており、この開口81に、図示せぬ軸受けにより回転可能に支持された回転軸2が貫通している。本発明に係るシール装置1は、スタフィングボックス8の開口81の周囲の外面82に、当該外面82に設置されている図示せぬ埋め込みボルトにより取り付けられる。
なお、図1においてはスタフィングボックス8の開口81側(図示左側)が機内側空間Bであり、その軸方向反対側(図示右側)が機外側(大気側)空間Aである。
また、以下の説明において軸方向とは開口81を貫通する回転軸2の軸方向であり、径方向とは開口81を貫通する回転軸2の軸方向に垂直な半径方向(放射方向)を意味する。
シール装置1は、主な構成部として、シールカバー10、クエンチング液供給路13、クエンチング液排出路14、中間室19、スリーブ20、スリーブカラー21、回転密封環30、機内側固定密封環(第1固定密封環)41、機外側(大気側)固定密封環(第2固定密封環)51、ベローズ44及びコイルスプリング47等を有する。
シール装置1においては、機内側固定密封環41と回転密封環30の機内側シール面32を含む構成が機内側シール部40を構成し、機外側固定密封環51と回転密封環30の機外側シール面33とを含む構成が機外側(大気側)シール部50を構成する。
シールカバー10は、機内側に配される機内側シールカバー部材10aと、Oリング62を介在させて機内側シールカバー部材10aの軸方向機外側(大気側)に嵌合し一体化される機外側シールカバー部材10bとを有する。シールカバー10は、軸方向平面形状が略正方形に形成されており、スタフィングボックス8の外面82に形成された埋め込みボルトを通過させる溝が角部外側から対角線方向内側に切り込んだ形態で4箇所形成されている。この4箇所の溝にスタフィングボックス8の外面82の対応する位置に形成された4本の埋め込みボルトを各々通過させ、各ボルトをナット84により締め付けることにより、シールカバー10は、すなわちシール装置1は、スタフィングボックス8に設置される。なお、シールカバー10とスタフィングボックス8の外面82との間には、Oリング61が介在される。
シールカバー10の内部には、図1に示すように、シール装置1がスタフィングボックス8に装着された場合にスタフィングボックス8の開口81に連続し、回転軸2を通過させる内部孔11が形成されている。
シールカバー10の内部孔11を形成する内周面は、図1に示すように、機内側及び機外側が細径となり、中央部が最も太径となるように形成されている。
具体的には、シールカバー10の内周面は、機内側から中央部に向かって順に太径となるように断面階段状に形成された内周面11a、内周面11c及び内周面11fを有する。内周面11aと内周面11cとの間には径方向に平行な円環状の段差面11bが形成され、内周面11cと内周面11fとの間には径方向に平行な円環状の段差面11dが形成されている。
また、シールカバー10の内周面は、中央部からさらに機外側に向かって順に細径となるように断面階段状に形成された内周面11h、内周面11k及び内周面11nを有する。内周面11fと内周面11hとの間には径方向に平行な円環状の段差面11gが形成され、内周面11hと内周面11kとの間には径方向に平行な円環状の段差面11iが形成され、内周面11kと内周面11nとの間には径方向に平行な円環状の段差面11mが形成されている。
また、シールカバー10の機外側端部には、位置決め部12が形成されている。位置決め部12は、シールカバー10の端部外周面に位置決め用溝12aを有する。回転軸2に後述するスリーブ20、スリーブカラー21及び回転密封環30等を設置する時には、この位置決め用溝12aにセットプレート73の凸条部73aを嵌合させて、セットプレート73を介在させた状態でスリーブカラー21を回転軸2に設置する。これにより、シールカバー10とスリーブカラー21及びスリーブ20とが所定の位置関係に規定され、その結果、回転密封環30と機内側固定密封環41及び機外側固定密封環51とは各々所定の位置関係にセットされる。
また、シールカバー10には、外周面から最も太径の内周面11fに貫通する径方向の流体流路13及び14が形成されている。シールカバー10の内周面11fの内側は、シールカバー10、機内側シール部40及び機外側シール部50で囲まれた中間室19に構成されており、これらの流体流路13及び14は、中間室19にクエンチング液を供給する供給路13、及び、中間室19からクエンチング液を排出する排出路14である。本実施形態のシール装置1においては、クエンチング液供給路13及びクエンチング液排出路14として、各々1本の合計2本の流体流路が形成されている。各流路13及び14のポートには、図示しない配管と接続可能な管用螺子穴が形成されている。
このような構成において、配管を介して供給されたクエンチング液は、クエンチング液供給路13から中間室19に供給され、直接に機内側シール部40及び機外側シール部50の外周面に流され、クエンチング液排出路14から排出される。これにより、各シール部のシール摺動面の摺動時の発熱が冷却されると共に、各シール部に付着している不純物(堆積物や析出物)が洗浄される。
シールカバー10の最も機内側の最も細径の内周面11aには、Oリング63を介在させてケース43が嵌合設置されている。Oリング63は、シールカバー10の内周面11aに形成される環状の溝に設置される。
ケース43は、その機外側の端面が内周面11aより太径の内周面11cの内側にまで突出し、その端部にベローズ44の機内側端部周面が密接に溶接されている。
ベローズ44は、ステンレス鋼、銅合金等の薄板の金属を、蛇腹状の円環状に絞り加工し、あるいは、環状板の隣接する各内径及び外径部を溶接して円筒状に成形し、内周面と外周面との間で断面が波形状又は断面が連続したV形状あるいは断面がZ状に折り曲げられた構成のバネ手段に形成した金属ベローズである。すなわち、ベローズ44は、円筒部の中間が種々に曲げられた反力により軸方向へ弾発するバネ手段である。
ベローズ44の機外側端部は、リング状のリテーナ45の機内側端面の内周側に溶接等で密封に結合されている。
リテーナ45の機外側内周部には、機内側固定密封環41が嵌合設置される段差部45aに形成されている。機内側固定密封環41は、リテーナ45との間にOリング64を介在させて、その段差部45aの内周部に嵌合設置される。
リテーナ45の段差部45aの径方向に沿った面には、円周に沿った所定の数箇所に、機内側固定密封環41に係合するノックピン46が設置されている。機内側固定密封環41の機内側内周部には、その周面に沿って等配に所定数のピン用凹部41bが形成されている。このピン用凹部41bにリテーナ45に設置したノックピン46を挿入して機内側固定密封環41をリテーナ45に嵌合設置することにより、機内側固定密封環41は回転軸2とともに回動しないようにリテーナ45に係止される。
リテーナ45の機内側端面の外周側には、コイルスプリング47の一方の端部が固定される。シールカバー10の段差面11dには、段差面11dの環状面に沿って所定の数箇所に等配に、コイルスプリング47の他方の端部が設置されるスプリング受け凹部(バネ座)11eが形成されており、コイルスプリング47は、機内側の端部がスプリング受け凹部11eに挿入されてこれに固定され、機外側の端部はリテーナ45の機内側端面の外周側に溶接等により接続されている。コイルスプリング47は、このようにシールカバー10の段差面11dとリテーナ45との間に設置されて、ベローズ44とともにリテーナ45を機外側、すなわち、回転密封環30方向に押圧する。コイルスプリング47は、軸周に沿って所定の数箇所に等配に設置される。
機内側固定密封環41は、機内側シール部40の一方のシール面を構成するシールリングであって、前述したようにシールカバー10の内部孔11の内周面11fの内周側に軸方向移動自在に嵌合設置されている。機内側固定密封環41は、機外側端面にシール端面42が形成されており、このシール端面42が回転密封環30の機内側シール面32に摺動可能に密接し、機内側シール部40を構成している。
機内側固定密封環41は、断面が略矩形の環状のシール部材であり、機外側の端面に、径方向の幅が微小幅に形成されたナイフエッジ状のシール端面42を有する。前述したように、機内側固定密封環41は、リテーナ45の段差部45aに、Oリング64を介在させるとともにノックピン46をピン用凹部41bに挿入された状態で嵌合設置されている。シール装置1においては、リテーナ45がベローズ44及びコイルスプリング47により回転密封環30方向に押圧されながら軸方向に移動自在に設置されているので、リテーナ45に一体的に設置されている機内側固定密封環41も、軸方向に移動自在で、回転密封環30方向に押圧された状態に設置される。そしてこれにより、機内側固定密封環41は、ナイフエッジ状のシール端面42を回転密封環30の機内側シール面32に密接摺動させ、径方向の内周側の機内側空間Bと径方向の外周側の中間室19とをシールする。
なお、機内側固定密封環41において、シール端面42の径方向の幅(面幅)を通常よりも狭くナイフエッジ状に形成することにより、機内側固定密封環41のシール端面42と回転密封環30の機内側シール面32との面圧を高めることができる。換言すれば、同じ面圧(シール面圧)を得る場合には、シール面幅を狭くしておくことにより、コイルスプリング47及びベローズ44の押圧力を少なくすることが可能となり、コイルスプリング47として小型のスプリングを用いることが可能となる。その結果、シール面圧を下げることなく、小型のスプリングを用いることができ、シール装置1を小型化することが可能となる。
また、機内側固定密封環41の外周面は、図示のごとく、エッジ状のシール端面42に向かって内周側に傾斜するようにテーパ面42c状に形成されている。機内側固定密封環41の中間室19側となる外周部をこのようにテーパ状に形成しているので、そのテーパによりクエンチング液を機内側シール部40のシール面に案内することができ、冷却、シール面の堆積物や析出物の洗浄等を効率よく適切に行うことができる。
機外側固定密封環51は、機外側シール部50の一方のシール面を構成するシールリングであって、前述したようにシールカバー10の内部孔11の内周面11f〜11nの内周側に軸方向移動自在に嵌合設置されている。機外側固定密封環51は、機内側端面にシール端面52が形成されており、このシール端面52が回転密封環30の機外側シール面33に摺動可能に密接し、機外側シール部50を構成している。
機外側固定密封環51の外周面には軸方向に段差となった階段部51aが形成されている。一方、シールカバー10の内部孔11の内周部には、段差部11mと内周面11kとにより機外側固定密封環51の階段部51aと対向するように同じく軸方向の段差が形成されている。これら階段部51a及び段差部11mと内周面11kとの段差により断面矩形の環状空間が形成されており、この環状区間にOリング65が配設されている。これにより、シールカバー10と機外側固定密封環51とはOリング65によりその間を密封されて、軸方向に移動可能に嵌合されている。
機外側固定密封環51の外周側はフランジ部53に形成されており、フランジ部53には軸方向に案内溝54が形成されている。案内溝54には、シールカバー10の内部孔11の段差面11iに形成された固定ピン55が挿入される。固定ピン55と案内溝54は、軸方向へ相対移動可能な状態、周方向へは係止された状態とされており、これにより機外側固定密封環51は、シールカバー10に対して、軸方向には移動自在であり、周方向(回転軸2の回転方向)には回転不能に設置される。
また、機外側固定密封環51のフランジ部53のシールカバー10の内部孔11の段差面11iとの対向面には、周方向へ複数のスプリング受け凹部(バネ座)11jが設けられており、段差面11iに形成されたバネ座11jとの間にコイルスプリング56を保持している。これにより、機外側固定密封環51は軸方向機外側に、すなわち回転密封環30の方向に押圧される。
本実施形態の機外側固定密封環51において、シール端面52は、径方向の幅(面幅)として微小ながらある程度の幅を有する形態に、換言すれば機内側固定密封環41のシール端面42のようなナイフエッジ状にまで狭いものではなくある程度の面幅を有する形態に形成する。具体的には、シール端面52の幅は、例えば1mm〜3mmである。
機内側シール部40及び機外側シール部50の各々他方のシール面32及び33を有する回転密封環30は、回転軸2に嵌合設置されたスリーブ20にさらに嵌合設置されている。
スリーブ20は、Oリング66を介在させて回転軸2の周面に密接に嵌合されており、機外側端部においてスリーブカラー21により回転軸2に固定設置されている。スリーブカラー21は、スリーブ20の機外側端部の外周面に嵌合し、セットスクリュー22により回転軸2に対して固定される。これにより、スリーブ20とスリーブカラー21とは一体的に回転軸2に固定設置される。このスリーブ20の機内側端部に、回転密封環30が嵌合される。
スリーブカラー21の機内側端部は、回転密封環30を嵌合設置する回転密封環設置部24に形成されている。
スリーブ20のメイティングリング設置部24は、回転密封環30を当接させることによりその機外側端部の位置を規定する凸部25、嵌合した回転密封環30の内周面との間に介在されるOリング67、スリーブ20に嵌合した回転密封環30の抜けを防止するとともにその機内側の位置を規定するためのノックピン26等を有する。
なお、このように構成されたスリーブ20及びスリーブカラー21は、前述したように、セットプレート73により位置決めして取り付けられる。
回転密封環30は、スリーブ20の機内側端部の上述のような回転密封環設置部24に、すなわち、軸方向の両側を凸部25及びスリーブカラー21により規定され、また、スリーブ20の外周面との間にOリング67を介在させて、スリーブ20上の、換言すれば回転軸2上の所定の位置に密封嵌合される。
回転密封環30の機内側の端面は、機内側固定密封環41のシール端面42と密接に摺動する機内側シール面32に形成されており、機内側シール部40の一部を構成している。
一方、回転密封環30の機外側の端面は、機外側固定密封環51のシール端面52と密接し摺動する機外側シール面33に形成されており、機外側シール部50の一部を構成している。
回転密封環30の外周側空間、すなわち、回転密封環30の外周面、機内側シール部40の外周面、シールカバー10の内周面11b〜11k、及び、機外側シール部50の外周面で囲まれる空間は、シール装置1の中間室19を形成している。
中間室19には、前述したようにシールカバー10に形成されたクエンチング液供給路13及びクエンチング液排出路14が連通しており、クエンチング液が所定の圧力で充填されているとともに、機内側シール部40及び機外側シール部50の外周面をクエンチング液の流れが通過するように構成されている。これにより、各シール部のシール摺動面の摺動時の発熱が冷却されると共に、各シール部に付着している不純物や析出物が洗浄される。
本実施形態のシール装置1において、回転密封環30、機内側固定密封環41、及び、機外側固定密封環51は、各々、炭化ケイ素(シリコンカーバイト、SiC)、カーボン、超硬合金等の材質で製作される。好適には、機内側固定密封環41あるいは機外側固定密封環51と回転密封環30との組み合わせは、各々、炭化ケイ素(SiC)と炭化ケイ素(SiC)の組み合わせ、カーボンと炭化ケイ素(SiC)の組み合わせ、超硬合金と超硬合金の組み合わせ、あるいは、カーボンと超硬合金の組み合わせが好適である。
また、Oリング61〜67の材質は、フッ素ゴム、ニトリルゴム、EPDM、パーフロロエラストマなどが用いられる。
このような構成の本実施形態のシール装置1においては、機内側シール部40及び機外側シール部50がスタフィングボックス8内ではなくシールカバー10内に配置されているので、シールカバー10に形成したクエンチング液の供給口13あるいは排出口14をこれらのシール面のすぐ近傍に形成することができる。従って、クエンチング液をダブルシールの両シール面の近傍に直接流れさせることができる。その結果、シール面近傍の堆積物や析出物に直接クエンチング液を当てることができ、シール面を中心とする各部の冷却、堆積物や析出物の洗浄等を効果的に行うことができる。また、シール流体の大気側への漏洩の防止、すなわち遮断も適切に行うことができる。
また、特に本実施形態のシール装置1においてはダブルシールの機内側シール部40において、シール端面42を径方向幅が非常に狭いナイフエッジ状に構成している。その結果、シール端面42の回転密封環30のシール面32への密接圧力を高めることができ、シール流体を適切にシールすることができる。
また、その際、機内側固定密封環41の中間室19側となる外周部をテーパ状に形成しているので、そのテーパによりクエンチング液をシール面に案内することができ、冷却、シール面の堆積物や析出物の洗浄等を一層効率よく適切に行うことができる。
シール面等の温度が上昇するとシール流体の固体化が促進され堆積物や析出物が増加するが、本実施形態のシール装置1においては、シール面の冷却を適切に行えるので、そのような堆積物や析出物の発生を抑制することができる。
また、本実施形態のシール装置1においては、クエンチング液を直接回転密封環30外周やシール面に当てることができるので、供給されたクエンチング液は回転密封環30に追従して回転方向に流れが形成される。従って、クエンチング液が直接当たらない箇所のシール面についても、従来より勢いよく適切にクエンチング液が流されることとなり、そのような箇所においても、冷却効果、洗浄効果が増進され、シールがより適切に行える。
また、そのようにクエンチング液に流れを形成することができるので、クエンチング液の供給路を1本としても適切に冷却、洗浄、シールの遮断等が行え、シール装置1の構成を簡単にすることができる。
また、そのようにクエンチング液の供給のみで適切に冷却、洗浄、シール流体の遮断等を行えるため、フラッシングを行う必要がなくなり、装置構成を簡単にするとともに装置を小型化することができる。
また、中間室19を高圧にできるとともにクエンチング液で満たすことができるので、シール流体が中間室19まで漏洩したとしても、漏洩した流体は機外に漏れることなく適切に排出することができ、シール流体を漏洩させないことについて確実性が向上する。
また、シール装置1においては、機内側固定密封環41を伝熱効率の高いベローズ44により保持するとともに、ベローズ44により中間室19と機内側空間Bとを遮断しており、クエンチング液をベローズ44の一方の面に対しても流すことができる。したがって、シール装置1の各部の構成に加えてシール流体の冷却も効果的に行える。
このように、シール装置1においては、スタフィングボックス8の内部空間を使用することなく、また、装置側に何ら特殊な設計や改造等を行う必要なく、装置の外面に装着可能な程度に十分小型な、カートリッジ式のダブルシールを実現することができる。
なお、前述した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって本発明を何ら限定するものではない。本実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含み、また任意好適な種々の改変が可能である。
例えば、機内側固定密封環41及び機外側固定密封環51の形状や設置構成等、シール装置1の各部の具体的な構成は適宜変更してよい。
本発明は、遠心ポンプの軸シール等に利用することができる。その他、回転軸を有する任意の装置において、その回転軸の軸封装置として利用することができる。
1…シール装置
10…シールカバー
10a…機内側シールカバー部材
10b…機外側シールカバー部材
11…内部孔
11a〜11n…内周面、段差面
12…位置決め部
13…クエンチング液供給路
14…クエンチング液排出路
19…中間室
20…スリーブ
21…スリーブカラー
22…セットスクリュー
24…回転密封環設置部
25…凸部
26…ノックピン
30…回転密封環
32…機内側シール面
33…機外側シール面
40…機内側シール部
41…機内側固定密封環
41b…ピン用凹部
42…シール端面
43…ケース
44…ベローズ
45…リテーナ
45a…段差部
46…ノックピン
47…コイルスプリング
50…機外側シール部
51…機外側固定密封環
52…シール端面
53…フランジ部
54…案内溝
55…固定ピン
56…コイルスプリング
61〜67…Oリング
73…セットプレート
73a…凸条部
2…回転軸
8…スタフィングボックス
81…開口
82…外面
84…ナット

Claims (3)

  1. ハウジングと、当該ハウジングに形成された開口を貫通する回転軸との間を密封し、前記ハウジング内の流体を封止するシール装置であって、
    前記ハウジングの前記開口の端面に設置されるシールカバーと、
    前記回転軸の前記シールカバーの内部となる位置に設置され、軸方向の両面に各々シール面を有する回転密封環と、
    前記シールカバーの内部の前記回転密封環の機内側に設置され、前記回転密封環の機内側の前記シール面に対向配置されて当該シール面と密接摺動するシール端面を有し、外周面は、前記シール端面に向かって内周側に傾斜するようにテーパ状に形成されている第1固定密封環と、
    前記シールカバーの内部の前記回転密封環の機外側に設置され、前記回転密封環の機外側の前記シール面に対向配置されて当該シール面と密接摺動するシール端面を有する第2固定密封環と、
    前記シールカバーの内側であって前記回転密封環、前記第1固定密封環及び前記第2固定密封環の外周側で囲まれる空間に形成される中間室と、
    機外側内周部に段差部を有し、当該段差部に前記第1固定密封環が嵌合設置されているリテーナと、
    機外側端部が前記リテーナの機内側端面の内周側に結合されており、前記ハウジング内に通じる機内側空間と前記中間室との間を分離し、前記リテーナを介して当該リテーナに嵌合設置された前記第1固定密封環を前記回転密封環方向に弾発に押圧するベローズと、
    前記シールカバーを貫通して前記中間室に連通し、当該中間室にクエンチング液を流入出させるクエンチング液供給路と
    を有し、
    前記第1固定密封環のシール端面と前記回転密封環の前記シール面とが摺動可能に密接して機内側シール部を構成し、
    前記第2固定密封環のシール端面と前記回転密封環の前記シール面とが摺動可能に密接して機外側シール部を構成し、
    前記第2固定密封環及び前記リテーナの外周側はフランジ部に形成されており、
    前記クエンチング液が前記クエンチング液供給路から中間室に供給され、直接機内側シール部及び機外側シール部の外周面に流されることを特徴とするシール装置。
  2. 前記第1固定密封環の前記回転密封環のシール面に密接摺動する前記シール端面は、径方向幅が微小幅に形成されたナイフエッジ状シール端面であることを特徴とする請求項1に記載のシール装置。
  3. 前記ベローズとともに前記第1固定密封環を前記回転密封環方向に弾発に押圧する第2の弾発手段をさらに有することを特徴とする請求項1又は2に記載のシール装置。
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