JP5334656B2 - シール装置 - Google Patents
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Description
また、このような構成のシール装置は、軸方向に長い構成となり、機器の小型化の点で障害となる可能性もある。
また、テーパによりクエンチング液をシール面に効率よく案内することができ、冷却、シール面の堆積物や析出物の洗浄等を一層効率よく適切に行うことができる。
本実施形態においては、遠心ポンプの軸シールとして使用されるシール装置であって、2つの摺動面を背面合わせに構成したダブルシールを有し、スタフィングボックスの外面にカートリッジ形態で装着されるシール装置を例示して本発明を説明する。
図1は、その本実施形態のシール装置1の構成を示す断面図であり、シール装置1をスタフィングボックス(装置ハウジング)8の外面82にカートリッジとして装着した断面図である。
なお、図1においてはスタフィングボックス8の開口81側(図示左側)が機内側空間Bであり、その軸方向反対側(図示右側)が機外側(大気側)空間Aである。
また、以下の説明において軸方向とは開口81を貫通する回転軸2の軸方向であり、径方向とは開口81を貫通する回転軸2の軸方向に垂直な半径方向(放射方向)を意味する。
シール装置1においては、機内側固定密封環41と回転密封環30の機内側シール面32を含む構成が機内側シール部40を構成し、機外側固定密封環51と回転密封環30の機外側シール面33とを含む構成が機外側(大気側)シール部50を構成する。
シールカバー10の内部孔11を形成する内周面は、図1に示すように、機内側及び機外側が細径となり、中央部が最も太径となるように形成されている。
具体的には、シールカバー10の内周面は、機内側から中央部に向かって順に太径となるように断面階段状に形成された内周面11a、内周面11c及び内周面11fを有する。内周面11aと内周面11cとの間には径方向に平行な円環状の段差面11bが形成され、内周面11cと内周面11fとの間には径方向に平行な円環状の段差面11dが形成されている。
ケース43は、その機外側の端面が内周面11aより太径の内周面11cの内側にまで突出し、その端部にベローズ44の機内側端部周面が密接に溶接されている。
ベローズ44の機外側端部は、リング状のリテーナ45の機内側端面の内周側に溶接等で密封に結合されている。
リテーナ45の段差部45aの径方向に沿った面には、円周に沿った所定の数箇所に、機内側固定密封環41に係合するノックピン46が設置されている。機内側固定密封環41の機内側内周部には、その周面に沿って等配に所定数のピン用凹部41bが形成されている。このピン用凹部41bにリテーナ45に設置したノックピン46を挿入して機内側固定密封環41をリテーナ45に嵌合設置することにより、機内側固定密封環41は回転軸2とともに回動しないようにリテーナ45に係止される。
スリーブ20は、Oリング66を介在させて回転軸2の周面に密接に嵌合されており、機外側端部においてスリーブカラー21により回転軸2に固定設置されている。スリーブカラー21は、スリーブ20の機外側端部の外周面に嵌合し、セットスクリュー22により回転軸2に対して固定される。これにより、スリーブ20とスリーブカラー21とは一体的に回転軸2に固定設置される。このスリーブ20の機内側端部に、回転密封環30が嵌合される。
スリーブ20のメイティングリング設置部24は、回転密封環30を当接させることによりその機外側端部の位置を規定する凸部25、嵌合した回転密封環30の内周面との間に介在されるOリング67、スリーブ20に嵌合した回転密封環30の抜けを防止するとともにその機内側の位置を規定するためのノックピン26等を有する。
なお、このように構成されたスリーブ20及びスリーブカラー21は、前述したように、セットプレート73により位置決めして取り付けられる。
一方、回転密封環30の機外側の端面は、機外側固定密封環51のシール端面52と密接し摺動する機外側シール面33に形成されており、機外側シール部50の一部を構成している。
中間室19には、前述したようにシールカバー10に形成されたクエンチング液供給路13及びクエンチング液排出路14が連通しており、クエンチング液が所定の圧力で充填されているとともに、機内側シール部40及び機外側シール部50の外周面をクエンチング液の流れが通過するように構成されている。これにより、各シール部のシール摺動面の摺動時の発熱が冷却されると共に、各シール部に付着している不純物や析出物が洗浄される。
また、Oリング61〜67の材質は、フッ素ゴム、ニトリルゴム、EPDM、パーフロロエラストマなどが用いられる。
また、そのようにクエンチング液の供給のみで適切に冷却、洗浄、シール流体の遮断等を行えるため、フラッシングを行う必要がなくなり、装置構成を簡単にするとともに装置を小型化することができる。
例えば、機内側固定密封環41及び機外側固定密封環51の形状や設置構成等、シール装置1の各部の具体的な構成は適宜変更してよい。
10…シールカバー
10a…機内側シールカバー部材
10b…機外側シールカバー部材
11…内部孔
11a〜11n…内周面、段差面
12…位置決め部
13…クエンチング液供給路
14…クエンチング液排出路
19…中間室
20…スリーブ
21…スリーブカラー
22…セットスクリュー
24…回転密封環設置部
25…凸部
26…ノックピン
30…回転密封環
32…機内側シール面
33…機外側シール面
40…機内側シール部
41…機内側固定密封環
41b…ピン用凹部
42…シール端面
43…ケース
44…ベローズ
45…リテーナ
45a…段差部
46…ノックピン
47…コイルスプリング
50…機外側シール部
51…機外側固定密封環
52…シール端面
53…フランジ部
54…案内溝
55…固定ピン
56…コイルスプリング
61〜67…Oリング
73…セットプレート
73a…凸条部
2…回転軸
8…スタフィングボックス
81…開口
82…外面
84…ナット
Claims (3)
- ハウジングと、当該ハウジングに形成された開口を貫通する回転軸との間を密封し、前記ハウジング内の流体を封止するシール装置であって、
前記ハウジングの前記開口の端面に設置されるシールカバーと、
前記回転軸の前記シールカバーの内部となる位置に設置され、軸方向の両面に各々シール面を有する回転密封環と、
前記シールカバーの内部の前記回転密封環の機内側に設置され、前記回転密封環の機内側の前記シール面に対向配置されて当該シール面と密接摺動するシール端面を有し、外周面は、前記シール端面に向かって内周側に傾斜するようにテーパ状に形成されている第1固定密封環と、
前記シールカバーの内部の前記回転密封環の機外側に設置され、前記回転密封環の機外側の前記シール面に対向配置されて当該シール面と密接摺動するシール端面を有する第2固定密封環と、
前記シールカバーの内側であって前記回転密封環、前記第1固定密封環及び前記第2固定密封環の外周側で囲まれる空間に形成される中間室と、
機外側内周部に段差部を有し、当該段差部に前記第1固定密封環が嵌合設置されているリテーナと、
機外側端部が前記リテーナの機内側端面の内周側に結合されており、前記ハウジング内に通じる機内側空間と前記中間室との間を分離し、前記リテーナを介して当該リテーナに嵌合設置された前記第1固定密封環を前記回転密封環方向に弾発に押圧するベローズと、
前記シールカバーを貫通して前記中間室に連通し、当該中間室にクエンチング液を流入出させるクエンチング液供給路と
を有し、
前記第1固定密封環のシール端面と前記回転密封環の前記シール面とが摺動可能に密接して機内側シール部を構成し、
前記第2固定密封環のシール端面と前記回転密封環の前記シール面とが摺動可能に密接して機外側シール部を構成し、
前記第2固定密封環及び前記リテーナの外周側はフランジ部に形成されており、
前記クエンチング液が前記クエンチング液供給路から中間室に供給され、直接機内側シール部及び機外側シール部の外周面に流されることを特徴とするシール装置。 - 前記第1固定密封環の前記回転密封環のシール面に密接摺動する前記シール端面は、径方向幅が微小幅に形成されたナイフエッジ状シール端面であることを特徴とする請求項1に記載のシール装置。
- 前記ベローズとともに前記第1固定密封環を前記回転密封環方向に弾発に押圧する第2の弾発手段をさらに有することを特徴とする請求項1又は2に記載のシール装置。
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