JP5124784B2 - メカニカルシール装置 - Google Patents

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    • F16JPISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
    • F16J15/00Sealings
    • F16J15/16Sealings between relatively-moving surfaces
    • F16J15/34Sealings between relatively-moving surfaces with slip-ring pressed against a more or less radial face on one member
    • F16J15/3464Mounting of the seal
    • F16J15/348Pre-assembled seals, e.g. cartridge seals

Description

本発明は、特殊な被密封流体のプロセス流体によって、シール面の摩耗が早い場合でも、確実にシールできるように、特殊なシール構造をしたメカニカルシール装置に関する。特に、プロセス流体が高粘度の被密封流体、スラリーを含む被密封流体、腐食性のケミカル液の被密封流体などの各種の被密封流体によって密封環の摺動するシール面が早期に摩耗しても、外部側のシール手段が作動してシールを確実にするとともに、シール手段を発揮させるために、カートリッジ型にしたメカニカルシール装置に関する。
自動車のような大量生産や化学装置のようにプロセス流体を大量に処理する装置においては、メカニカルシール装置は、取付が簡単であると共に、組立・分解・点検が容易でなければならない。さらに、メカニカルシール装置は、生産コストを低減できる構造でなければならない。また、メカニカルシール装置は、油や、ケミカル液のような被密封流体をシールするために、その被密封流体である液体の固形化により密封環の摺動面が摩耗して被密封流体が漏洩するのを防止しなければならない。近年、このような技術的背景の基にメカニカルシール装置の構造を単純化すると共に、シール摺動面から漏洩する被密封流体を確実にシールすることが求められている。
そこで、本発明に係わる先行技術には、図5に示すメカニカルシール装置が存在する(特許文献1を参照又は特許文献1に類似する摺動部Xおよび軸周シール9を開示した特許文献2を参照)。図5は、ケーシング160に取り付けたメカニカルシール装置100の全断面図である。このメカニカルシール装置100は、ケミカル液等を圧送るポンプの軸封装置として利用されている。
まず、このメカニカルシール装置100の構造を簡単に説明する。図5において、メカニカルシール装置100は、ケーシング160の軸用の孔周面160A内(機内A)に貫通する回転軸150と、その孔周面160Aとの間をシールする。そして、メカニカルシール装置100には、ケーシング160の孔周面160A内に被密封流体をシールする固定密封環102と回転密封環112とを設けたメカニカルシールがある。さらに、固定密封環102用の保持体106を取り付けたケース本体130と、回転軸150と孔周面160Aとの間の狭い間隙に回転密封環112を保持するためのスリーブ125もメカニカルシール装置100の主要な構成部品である。
この回転密封環112は、ケーシング160の孔周面160A内における機内Aの奥に配置するために、長いスリーブ125の挿入端部に装着されている。また、スリーブ125の機外B側の他端部には、保持部127を嵌着すると共に、保持部127にスクリューソケット128を螺合して保持部127とスリーブ125と回転軸150とを結合している。そして、回転密封環112とスリーブ125との連結は、連結部品126を介して結合されている。この回転軸150とスリーブ125、及びスリーブ125と連結部品126との各嵌合間には、この嵌合間をシールする各Oリング142,142が配置されている。また、スリーブ125と連結部品126とは、ドライブピン129を介して共に回動するように連結している。さらに、連結部品126と回転密封環112とは、互いの嵌合内で符号が付いていないドライブピンと、切り欠いたU形状の溝112Aが係止して共に回動可能に連結されている。さらに、連結部品126と回転密封環112との嵌合間はOリング141によりシールしている。
一方、固定密封環102は、円筒状の保持体106の一端部に設けられた段付きの環状面106Dに嵌着して保持されている。また、ケース本体130に設けられた固定ピン137と保持体106に設けられた長溝106Gとが係合して保持体106を回転不能に保持するとともに、軸方向へは移動自在に嵌合している。この保持体106とケース本体130との移動自在の嵌合間は、保持体106の外周の第1段付面106Aとケース本体130の第2段付面130Aとの間のOリング143によりシールされている。そして、保持体106の他端部の溝には、リング状のばね受部が嵌め込まれて固定されている。
ケース本体130は、端部130Fをケーシング160の端面160Bに接合すると共に、ケーシング160に結合された植え込みボルト128Bにナット128Aを螺合してケース本体130をケーシング160に固定している。このケース本体130の機外B側の側面には、図1に示す環状を成す段付き面が設けられている。この段付き面にばね座体107が止めねじ部により取り付けられている。また、ばね座体107に支持されたばね120は、ばね受部と連結してばね受部と保持体106とを介して固定密封環102を弾発に押圧している。このばね120により押圧された固定密封環102のシール面102Fは回転密封環112のシール面112Fと密接して被密封流体をシールする。また、ばね座体107の内周には、シール取付溝107Gが設けられている。このシール取付溝107Gには螺旋状に巻かれたガスケット(又はグランドパッキン)146が配置されている。このガスケット146のシール面はスリーブ126の外周面に密接している。
そして、回転密封環112と固定密封環102との摺動面を冷却するために、この回転密封環112と固定密封環102との外周面側を通るフラッシング通路136と、回転密封環112と固定密封環102との内周面側を通るクエンチング通路135がそれぞれケース本体130の外周面から内周面に向かって貫通している。そして、フラッシング通路136をフラッシング流体が流れて付着物を洗浄すると共に、クエンチング通路135をクエンチング流体が流れて摺動面を冷却する。
このように構成されたメカニカルシール装置100は、ケーシング160における孔周面160Aの機内A側の奥行Lに回転密封環112を設けなければならないので、この回転密封環112を固定する長いスリーブ125が必要となる。また、ケーシング160とは別体のケース本体130に洗浄用のフラッシング通路136と冷却用のクエンチング通路135とを設けてメカニカルシール装置100を洗浄するとともに、冷却を行うために、メカニカルシール装置100の構造が軸方向へ長くなって複雑になる。つまり、フラッシング通路136に連通する洗浄通路によって回転密封環112と固定密封環102の外周側および各外周面106B,126Bをフラッシング流体により洗浄する必要がある。また、クエンチング通路135に連通する冷却通路Sによって回転密封環112と固定密封環102の内周側、および保持体106の内周面106Cにクエンチング流体を供給してメカニカルシールを冷却する必要がある。このため、メカニカルシール装置100が軸方向へ長い構造になるとともに、これらの洗浄通路と、冷却通路Sの間隔が狭くなるので、洗浄および冷却効果が低下する恐れがある。
特に、ケーシング160の孔周面160A内の間隙Dの範囲は、構造的に大径にできない場合が多く、又は、シール能力を向上させるために回転密封環112と固定密封環102を大形にするために、回転密封環112と固定密封環102の内周側の冷却通路Sおよび回転密封環112の外周面側と固定密封環102の外周面側とに対する孔周面160Aとの間の洗浄通路の間隙も狭くて長くなる。その結果、上述の冷却効果と洗浄効果はさらに低下する。そして、被密封流体から生起する不純物が各シール面102F,112Fの間や、Oリング143と第1段付面106Aおよび第2段付面130Aの間に付着して互いに接合して摺動する両シール面102F,112FやOリング143のシール能力を悪化させることになる。
また、Oリング143と第1段付面106Aおよび第2段付面130Aとの間にケミカル液の反応物、スラリー、高粘度液などが付着すると、この付着によってOリング143が圧着されるとともに、不純物が蓄積して保持体106の移動が困難になる。そして、保持体106の移動が困難になると、互い接合する両シール面102F,112Fのシール能力が低下する。さらに、固定密封環102のシール面102Fと回転密封環112のシール面112Fより機内Aの内方に各Oリング141,142を設け、このOリング141,142によりクエンチング通路135からの流体が機内Aへ浸入するのを防止すると共に、ケーシング160の孔周面160A内に存在する被密封流体がクエンチング通路135へ浸入するのを防止する構成にされている。このため、各Oリング141,142の取付構造を複雑にするとともに、被密封流体によって各Oリング141,142が劣化すると、被密封流体等が漏洩することになる。この漏洩した被密封流体が機外Bへ漏洩するのを防止するために、ばね座体107に設けたガスケット146によりシールしている。しかし、このガスケット146のシール面は、スリーブ125と強く摺動するために、メカニカルシールの各シール面102F,112Fよりも早く摩耗する。このため、メカニカルシール102,112より漏洩した被密封流体は、ガスケット146から漏洩することになる。さらに、他の公知例として、シール能力を向上させるために、複数のメカニカルシールを軸方向へ直列に配置した軸封装置が存在する。しかし、これらのメカニカルシールは、シール面の圧接状態が同じであるから、時間とともに、同時に摩耗するので、被密封流体を確実に密封することが困難になる。したがって、メカニカルシール装置は、複数のシール構造にしても、被密封流体の漏洩を防止することが困難である。
特開2000−356270号公報。 特開平11−13894号公報。
本発明は、上述のような問題点に鑑み成されたものであって、その発明が解決しようとする技術的課題は、製紙用パルプ液、ケミカル液、高粘度液、さらには不純物を含む液等の被密封流体を確実にシールすることにある。また、メカニカルシール装置の被密封流体をシールする全体のシール部の耐久能力を向上させることにある。さらに、メカニカルシール装置の構造を簡単にしてメカニカルシール装置を安価にすることにある。
本発明は、上述のような技術的課題を解決するために成されたものであって、その技術的解決手段は以下のように構成されている。
請求項1に係わる本発明のメカニカルシール装置は、装置本体に設けた外面を貫通する内周面と、内周面に挿設された軸との嵌合間隙を密封するメカニカルシール装置であって、装置本体の外面に軸を囲んで取り付けられる取付面と、軸を囲む内周面に取付面側から機外へ向かって形成された嵌合面と環状溝面と遮断面と、取付面と反対側の端面に設けた支持面と、支持面から軸を囲んで機外へ筒状に突出した外周に案内面を設ける支持部と、環状溝面内の冷却室に連通してクエンチング流体が通る冷却用流体通路と、を有する取付部品、取付部品の嵌合面と移動自在に嵌合する外周の移動面と、軸との間に間隙を形成する流路用内周面と、押圧手段により機外方向へ押圧されるとともに先端の軸の回りに設けたシール面と、を有する第1密封環、第1密封環のシール面と軸の回りで密接するとともに摺動可能な相対シール面を有する第2密封環、取付部品の支持面と対向する押圧面を有するとともに前記押圧面と反対側の端面に遮断シール面を有し且つ支持部の案内面に対して機外から挿設されて移動可能に密封嵌合するシール内周面を有する環状の遮断シール部、遮断シール部の内方に機外側から挿設されて第2密封環を密封に保持する保持部を有するとともに遮断シール面と対向して被密封流体をシールする対向シール面を有し且つ軸に密封に取り付けられる環状のシールカラー、および冷却室から遮断シール面と対向シール面との間へ流体が流出するのを遮断するゴム又は樹脂材製のシールリングを具備し、遮断シール部の押圧面がばね手段又は/および流体圧力により押圧されて遮断シール面の面圧がシール面の面圧よりも小さな面圧で接触可能にされているものである。
この請求項1に係わる本発明のメカニカルシール装置によれば、遮断シール部の押圧面がばね手段又は/および流体圧力により押圧されて遮断シール面の面圧がシール面の面圧よりも小さな面圧で密に接触する構成である。一方、相対するシール面と相対シール面は、過酷な被密封流体に接触してシールするとともに、遮断シール面より面圧を大きくして被密封流体を確実にシール構成である。このため、第1密封環のシール面と第2密封環の相対シール面からなる第1メカニカルシールは、遮断シール部の遮断シール面とシールカラーの対向シール面からなる第2メカニカルシールよりもシール面が早く摩耗して被密封流体を漏洩させることになる。また、シールリングはゴム又は樹脂材製であるから、炭化珪素等からなる第2メカニカルシールよりも早く摩耗することになる。その結果、第1メカニカルシールが故障しても、又は、シールリングが摩耗しても第2メカニカルシールにより更に被密封流体をシールすることが可能になるから、被密封流体が機外へ漏洩して問題になるのが防止できる効果を奏する。
また、メカニカルシール装置は、装置本体に取り付けられる取付部品にメカニカルシール装置のすべての部品が軸方向から簡単に組み立てられる構成になっている。つまり、第1密封環は取付部品に機外から軸方向へ挿入すると、ボルトなど使用することなく、簡単に嵌合して組み立てられる。また遮断シール部も機外から軸方向へ挿入すると、ボルトなど使用することなく、簡単に組み立てられる。そして、シールカラーに保持された第2密封環とともに、シールカラーを機外から軸方向へ挿入して軸に固定すると、全体のメカニカルシール装置は簡単に組み立てられる。また反対に、メカニカルシール装置を分解するときにも、組み立てとは逆に分解すると簡単に部品を取り外すことが可能になる。したがって、メカニカルシール装置の保守や点検が極めて容易になる。
図1は、本発明に関わるメカニカルシール装置をハウジングと軸との間に装着した全断面図である。
図2は、図1に示すメカニカルシール装置の軸方向の平面図である。
図3は、本発明に関わる実施例2のメカニカルシール装置をハウジングと軸との間に装着した全断面図である。
図4は、本発明に関わる実施例3のメカニカルシール装置を装着した片側断面図である。
図5は、本発明に関わる従来のメカニカルシール装置の全断面図である。
符号の説明
1 メカニカルシール装置
2 第1メカニカルシール
3 固定用密封環(第1密封環)
3A シール面
3B 取付溝
3C 流路用内周面
3F フランジ部
3G 案内溝
3S 移動面
10 回転用密封環(第2密封環)
10A 相対シール面
10C 嵌合用内周面
15 遮断シール部
15A 遮断シール面
15C シール内周面
15C1 間隙形成面
15G フランジ
15H 押圧面
15H1 受圧面
15P ばね座
16 第1コイルばね
20 シールリング
20A シール部
21 第2コイルばね
24 Oリング
25 Oリング
26 Oリング
27 Oリング
30 シールハウジング
30A 取付面
30B 環状溝面
30C 嵌合面
30D 案内面
30G 固定用溝
30H 支持面
30P 支持部
30S 遮断面
30T 連通路
31 植込ボルト
34 ガスケット
35 固定ピン
40 冷却用流体通路
40A ドレン孔
41 洗浄用流体通路
41A 流体通路
50 シールカラー
50A 嵌着面
50B 対向シール面
50C 内周面
50S 段付面
51 セットスクリュー
52 固定ピン
63 ボルト
R 嵌合間隙
R1 間隙
R2 冷却室
R3 シール間隙
R4圧力室
以下、本発明に係わる実施の形態のメカニカルシール装置1を図面に基づいて詳述する。尚、以下に説明する各図面は、寸法関係が正確な設計図を基にしたものである。
図1は、本発明に係わるメカニカルシール装置1を装置本体(スタフィングボックスとも言う)60と回転軸70の嵌合間隙Rの外部にカートリッジの構造として装着した断面図である。又、図2は、図1のメカニカルシール装置1を回転軸70に嵌合した軸方向の平面図である。以下、本発明の実施例1を図1と図2とを参照して説明する。
図1は、本発明に係わる実施例1のメカニカルシール装置1を示すものである。図1又は図2に示すように、装置本体60には、外面60を貫通る内周面60Cが形成されている。この内周面60C内に嵌合間隙Rを設けて回転軸70が配置されている。そして、機内Iに存する被密封流体が、この嵌合間隙Rから機外Oへ漏洩するのをシールする構成が図1に示すメカニカルシール装置1である。本発明のメカニカルシール装置1は、順に、機外Oから軸70に対して軸方向へ挿入して外面60Aに取り付ける取付部品(以下、シールハウジングと言う)30と、機外Oから同方向のシールハウジング30に嵌合する遮断シール部15と、機外Oから同方向のシールハウジング30に嵌合される静止用密封環3と、機外Oで同方向にシールカラー50と嵌着する回転用密封環10と、機外Oから同方向の回転軸70に嵌着するシールカラー50とが、この機外Oから軸方向へ組み立てを容易にした構成部品である。なお、被密封流体をシールする静止用密封環(第1密封環という)3のシール面と回転用密封環(第2密封環という)10の相対シール面との組み合わせを第1メカニカルシール2と称する。
次に、装置本体60に取り付けられるシールハウジング30は、図2に示すように、環状体を成すと共に、外周の周方向に沿って4等配に固定溝30Gを設ける。そして、シールハウジング30の取付面30Aは、固定溝30Gを機外Oの軸方向から装置本体60に設けた植え込みボルト63に挿入しながら、外面60Aに取り付ける。このシールハウジング30の内周面は、機内Iから機外Oに向かって嵌合面30Cと、環状溝面30Bと、遮断面30Sとに形成する。この環状溝面30B内は冷却室R2に形成する。又、シールハウジング30には、外周面の周方向へ向かって2〜3個の冷却用流体通路40と1個のドレン孔(図1では冷却用流体通路40と周方向に異なる位置)40Aとを外部から内周面へ貫通状態に設ける。この冷却用流体通路40のクエンチングポートには、図示省略する機外Oの配管に設けた継手部と接続可能な管用ねじが設けられている。そして、配管から供給されるクエンチング液(クエンチング冷却気体の場合も含む)が、図1の流れ線で示すように、冷却用流体通路40を流れて冷却室R2に流入し、冷却室R2に内在するシール面3Aと相対シール面10Aが相対摺動するときに発生する熱をクエンチング液によって冷却する。なお、図2に示すシールハウジング30の下部又は側部に設けたドレン孔40Aは、冷却用流体通路40から供給された流体を冷却室R2内で循環させた後に排出させるものである。このドレン孔40Aの管用ねじには図示省略の絞り弁を螺合して取り付ける。この絞り弁を調節して冷却室R2内のクエンチング液を必要なだけ循環させる。同時に、圧力室R4の圧力を調節して後述する受圧面15H1に作用する力とともに遮断シール面15Aの面圧を制御する。
また、シールハウジング30の外周面に沿って設けた1個又は複数個の洗浄用流体通路41は、図示省略した機外Oの配管と接続可能な管用ねじを入口に設けてフラッシングポートに構成するとともに、内周面へ貫通する孔状の流体通路41Aを設ける。つまり、流体通路41Aは、洗浄用流体通路41の一部である。そして、機外Oの配管から供給されるフラッシング流体は、図1に示すフラッシング流体の流れ線のごとく、洗浄用流体通路41を流れて流体通路41Aで速度を増し、間隙R1を通って直接に各シール面3A、10Aの内周側へ噴射される。このフラッシング流体は、断続的に噴射されて固定用密封環3の内周面3Cや両シール面3A、10Aなどの被密封流体と接する周面を洗浄する。このフラッシング流体は、被密封流体と同じ流体の場合もあれば、清水などの場合もある。いずれにせよ、機内Iの被密封流体に混入しても問題にならない流体を用いる。
シールハウジング30の嵌合面30Cには、固定用密封環(第1密封環)3の外周の移動面3Sが軸方向へ移動自在に嵌合する。この固定用密封環3の移動面3Sには、嵌合面30Cとの間をシールするOリング用の取付溝3Bを形成する。この移動面3Sは取付溝3Bの両側の直径を同一径に形成しても良いが、一実施例としては、移動面3Sの取付溝3Bより流体通路41A側の直径を微少だけ小径の移動面3Sに形成すると良い。そして、この取付溝3Bには、シール用の弾性のOリング(シールリング)24を取り付ける。この小径の移動面3Sと嵌合面30Cとの間隙から、フラッシング流体が直接にOリング24へ作用してOリング24の表面に着きやすい付着物を洗浄できるようにしている。Oリング24の材質は、HNBR,フッ素ゴム、ニトリルゴム、EPDM、パーフロロエラストマなどが用いられる。
更に、固定用密封環3には、取付溝3Bと反対側の先端面にシール面3Aを形成する。又、筒部の移動面3Sとシール面3Aとの中間の外周面には、リング状に突出したフランジ部3Fに形成する。このフランジ部3Fには2等配又は3等配等のU型に凹んだ案内溝3Gを形成する。そして、各案内溝3Gには、環状溝面30Bの側面に形成された取付穴に嵌着した固定ピン35を係合する。この固定ピン35と案内溝3Gとの係合は、軸方向へ相対移動すると共に、周方向へは係止する。又、このフランジ部3Fの側面には、周方向へ等配にした複数のばね座を設ける。また、このばね座とシールハウジング30に設けた取付穴との間に複数個のうちの図1に示す一個の第1コイルばね(押圧手段の一種)16が着座して固定用密封環3を相対シール面10Aの方向へ押圧する。更に、固定用密封環3の通路用内周面3Cは、回転軸70の外周面70Aに対してフラッシング流体が抵抗なく流通できるように大きな間隙R1に形成し、パルプ液等のスラリーを含む被密封流体が固形化しても目詰まりすることなく流通できるようにしている。この固定用密封環3は、炭化珪素、カーボンその他、硬質合金、セラミックスなどから製作されている。なお、固定用密封環3は、被密封流体の圧力でもシール面3A側へ押圧される。
第1メカニカルシール2を構成する他方の回転用密封環(第2密封環)10は、回転軸70に嵌着したシールカラー50の大径のフランジ基部に設けた対向シール面50Bから内径側へ多段段(図1では3段)の段付部に突出した先端側の保持部に嵌着して保持されている。また、シールカラー50は、回転軸70に対してOリング26を介して密封に嵌着すると共に、フランジ基部に設けた貫通したねじにセットスクリュー51を螺合して回転軸70と固定する。そして、回転用密封環10の内周面10Cは、シールカラー50の嵌着面50AにOリング25を介して密封嵌合すると共に、回転用密封環10の外周面に等配で複数個に切り欠いた凹部とシールカラー50の対応する位置の取付穴に各々嵌着した複数個の固定ピン52とは、互いに周り止めになるように係止している。
また、回転用密封環10の一端には相対シール面10Aを形成する。この相対シール面10Aは、固定用密封環3のシール面3Aと密封に接触して相対に摺動可能にする。更に、回転用密封環10の外周面は、シールハウジング30の冷却室R2より軸方向へ円筒状に突出した支持部30Pを設けるとともに、支持部30Pの内周面に設けた遮断面30Sと間隙を設けて対面させる。そして、シールカラー50の段付部に設けた段付面50Sと回転用密封環10の端面との間にシールリング20の取付基部を狭持する。そして、取付基部から冷却室R2側へ鈍角に曲げられたシール部20Aは、遮断面30Sと密接して冷却用のクエンチング液が冷却室R2から遮断シール面15A側へ漏洩するのをシールする。このシールリング20は弾性を有する樹脂材、HNBR、またはOリング24と同じ材質のゴム材製にすると良い。また、回転用密封環10は、炭化珪素、カーボン、その他、硬質合金、セラミックスなどの材質から製作する。なお、シールリング20は、図示は省略するが、間隙形成面15C1又は間隙形成面15C1と対向するシールカラー50の周面に環状溝を設けるとともに、この環状溝にシールリング20を取り付けてシール間隙R3を遮断しても良い。このシールリング20は、上記の形状の他に断面がO形、断面が方形等のリングにすることもできる。
次に、シールハウジング30の取付面30Aと、装置本体60の外面60Aとの間には、ガスケット34を設ける。このガスケット34によりシールハウジング30と装置本体60との両部品の取付間をシールする。なお、このガスケット34の内周面34Aは、図示状態より小径にして回転軸70に対して0.5から1.5mm位の近接状態に嵌合すると良い。そして、ガスケット34は、ゴム、樹脂又はアルミニウム、銅等の弾性板にする。また、洗浄用流体通路41から射出されたフラッシング流体は、図1に流れ線で示すように固定用密封環3と回転軸70との間の間隙R1を通過させてシール面3A側へ流す。同様に、ガスケット34の内径が小径に形成されて回転軸70と近接状態に嵌合している場合には、洗浄用流体通路41から射出されたフラッシング流体がガスケット34に当接して乱流し、取付溝3Bの機内I側の開口間隙及びOリング24の被密封流体と接する表面を洗浄するとともに、間隙R1を通過して内周面3Cに付着する固形物を洗浄する。同時に、両密封環3,10の各シール面3A、10A間に摺動により摩耗粉が発生しても摺動時の両シール面3A、10A間に内方から巻き込まれた微量なフラッシング流体によって冷却室R2内へ排出される。
さらに、シールハウジング30は、環状溝面30Bを両シール面3A、10Aに対して軸方向両側へ大きく離れる形に形成して冷却容積を大きくする。この環状溝面30Bの一方の側面は、固定用密封環3の外周の取付溝3Bとフランジ部3Fとの中間まで大きく形成する。更に、他方の側面は回転用密封環10の相対シール面10Aを越えるまで広く形成すると良い。そして、冷却用流体通路40から供給されるクエンチング液は、直接に摺動する両シール面3A、10Aへ射出できるようにする。同時に、冷却室R2内を循環して両シール面3A、10Aの外周側を強力に洗浄する。そして、固定用密封環3と回転用密封環10との大半を覆うように大きく形成した冷却室R2は、両密封環3、10が相対摺動して摩擦により発熱しても、この大きな冷却室R2の容積に蓄えられたクエンチング液により急速に冷却する効果が発揮できる。
また、前述した支持部30Pの外周面に設けた案内面30Dには、Oリング用の環状溝を形成する。この環状溝には、前述したゴム又は樹脂等のOリング24と同じ材質で製造した弾性Oリング27を嵌合する。そして、この支持部30Pの案内面30Dに摺動自在に嵌合するシール内周面15Cを設けた遮断シール部15は、環状に形成する。この遮断シール部15は外周の機内I側にフランジ15Gを設ける。このフランジ15Gには図2に示すように径方向線上の軸対称の2個所に案内溝を形成する。そして、シールハウジング30に設けた植え込みボルト31は、遮断シール部15が回動しないように案内溝と係止させる。また、遮断シール部15は機外O側の先端に直接に遮断シール面15Aを設ける。この遮断シール面15Aは、図1に示すように、樹脂リングを接着又はコーティングして端面を遮断シール面15Aに構成しても良い。また、遮断シール部15にはシール内周面15Cより遮断シール面15A側に間隙形成面15C1を形成してシールカラー50の外周面との間にシール間隙R3を設ける。このシール間隙R3は狭い間隙にすると良い。なお、遮断シール部15の材質は、LBC3などを用いているが、固定用密封環3の材質と同じ材質にしても良い。例えば、カーボン、炭化珪素、セラミック、硬質合金などである。
更に、遮断シール部15の遮断シール面15A側の端部外周には、突出したリング状の突出部を形成する。そして、遮断シール部15は、遮断シール面15Aと反対の押圧面15Hの円周に沿って等配に複数個のばね座を設ける。この各ばね座と、このばね座と対向する位置のシールハウジング30に設けた各穴付ばね座15Pとには、ステンレス鋼材製の各第2コイルばね(押圧手段)21の両端部が各々接合し、押圧面15Hを介して遮断シール部15を第1ばね16より小さな弾発力Sで軽く押圧する。この各第2コイルばね21は、図示が省略してあるが、シールハウジング30に設けられた雌ねじに雄ねじを螺合して取付面30A側から第2コイルばね21の支持端部をシールカラー50側へ押圧できるようにする。そして、雄ねじの調整により、摺動時に、固定用密封環3のシール面3Aよりも遮断シール面15Aの摩耗量が少なくできるようにしても良い。また、遮断シール面15Aと対向シール面50Bとは摩擦係数を小さくなるように軽く密接して摩耗しないようにする。
このシールカラー50の遮断シール面15Aと対向する面には、対向シール面50Bを形成する。この遮断シール部15の遮断シール面15Aとシールカラー50の対向シール面50Bにより第2メカニカルシールを構成する。この対向シール面50Bには、樹脂材等の摩擦係数の小さい材料をシール膜になるようにコーティングすると良い。このように構成すれば、遮断シール部15は、特殊な材料でなく、安価なステンレス鋼や一般の合金鋼で製作することができる。そして、第1メカニカルシール2の両シール面3A,10Aが摩耗して被密封流体が冷却室R2側へ漏洩した場合、又は、シールリング20が摩耗してクエンチング流体がシール間隙R3へ漏洩した場合には、遮断シール面15Aと対向シール面50Bが密接して漏洩した流体をシールする。なお、シールカラー50はステンレス鋼(SUS316など)を用いるが、硬質合金などでも良い。
そして、この第2メカニカルシールの遮断シール面15Aと対向シール面15Bとの接合する面圧は、第1メカニカルシール2のシール面3Aと相対シール面10Aの接合する面圧よりも小さくされている。なお、第1メカニカルシール2のシール面3Aと相対シール面10Aの接合する面圧は、被密封流体の圧力よりやや大きくされている。これに対して、第2メカニカルシールの遮断シール面15Aと対向シール面15Bとの接合する面圧は、両シール面15A,50Bの摩耗を防止する意味から、第1メカニカルシール2のシール面3Aと相対シール面10Aの接合する面圧よりも小さくする。一例として、第2メカニカルシールの遮断シール面15Aと対向シール面15Bとの接合する面圧は、機内Iの被密封流体の圧力より低く、且つ0MPa〜0.3MPa以下にすると良い。このときの第1メカニカルシール2のシール面3Aと相対シール面10Aとの接合する面圧は、第2メカニカルシールの面圧よりも常に大きくされており、例えば、その範囲は0.001MPa〜0.4MPaである。したがって、第2メカニカルシールの被密封流体をシールするシール能力の期間は、第1メカニカルシール2の被密封流体をシールするシール能力の期間よりも長くなる。
この様に構成されたシールハウジング30とシールカラー50は、セットプレート55により位置決めして取り付ける。このセットプレート55は、正面図が円弧状で、仮想線で示すような断面に形成されており、シールカラー50の周面に等配に複数個のセットプレート55がソケットボルト59により固定されている。そして、セットプレート55に形成された係合溝55Aを突出部に係止させて、シールハウジング30とシールカラー50とを位置決めして取付る。このとき、シールハウジング30の支持面30Hと遮断シール部15の押圧面15Hとの間は間隙を設けている。そして、新設の第1メカニカルシール2のシール面3Aと相対シール面10Aが摩耗しない期間、又は遮断シール部15により被密封流体をシールしないときは、ナットBを植え込みボルト棒31に螺合して遮断シール面15Aと対向シール面50Bを非接触状態にしておいても良い。そして、第2メカニカルシールは、このような状態にしておくことにより、第1メカニカルシール2に対して更なる耐久能力を発揮することが可能になる。
図3は、本発明に係わる実施例2のメカニカルシール装置1を示す断面図である。
図3に示すメカニカルシール装置1は、図1に示すメカニカルシール装置1と同一発明である。図3において、図1と同一符号は、図1の部品とほぼ同一構成である。このため、図3の部品の説明は、前述と重複するので省略する。図3のメカニカルシール装置1が図1と相違する点は、遮断シール部15と、その遮断シール部15とシールハウジング30との間の対向面間に圧力室と、を設けた構成である。この遮断シール部15は、支持面30H側を円筒部に形成する。また、シールハウジング30の支持面30Hは、遮断シール部15の円筒部に対応して嵌合するように軸方向に環状の溝部に形成する。そして、遮断シール部15のシール内周面15Cを支持部30Pの案内面30Dに摺動自在に嵌合するとともに、円筒部を上記の溝部の支持面30H側へ嵌合する。
このシール内周面15Cと案内面30Dには、図1と同様にOリング27を装着する。このOリング27によりクエンチング流体が流出するのをシールする。また、遮断シール部15の支持面30H側の端面には、受圧面15H1を設ける(図1の押圧面15Hを受圧面15H1に構成する)。さらに、遮断シール部15の外周面とシールハウジング30の嵌合周面との間には、両部品を組み合わせたOリング用溝38に形成する。このOリング用溝38にはOリング28を装着してクエンチング流体をシールする。そして、支持面30Hと受圧面15H1との間に圧力室R4を形成する。さらに、冷却室R2から圧力室R4へクエンチング流体を流入可能にするために、支持部30Pの付け根に、冷却室R2から圧力室R4へ連通する連通路30Tを環状溝面30Bの内周面に沿って複数個を設ける。なお、遮断シール部15の先端面には、図1と同様に構成された遮断シール面15Aを設ける。なお、遮断シール部15の先端面を直接に研磨して遮断シール面15Aに形成しても良いが、遮断シール部15の材質によっては、低摩擦係数の樹脂材製のシールリングを接着、又は先端面に低摩擦係数の樹脂材をコーティングしても良い。
このように形成されたメカニカルシール装置1は、第1メカニカルシール2の両シール面3A,10Aが摩耗して被密封流体が冷却室R2へ漏洩した場合には、連通路30Tを介して圧力室R4の圧力が上昇するから、この圧力が受圧面15H1に作用して軽く接触している遮断シール面15Aが対向シール面50Bに圧力に応じて密接する。また、シールハウジング30に冷却室R2へ貫通する図示省略の圧力センサを設ける。そして、第1メカニカルシール2から冷却室R2へ被密封流体が漏洩した場合には、冷却室R2の圧力が上昇するから、圧力センサによって検知した信号はクエンチング流体を供給するポンプの制御部に送信されてポンプの供給量が増加するようにする。そして、この供給量の増加により、冷却室R2に流れたクエンチング流体は圧力室R4に流れて圧力室R4の圧力を増加させる。同時に、冷却室R2の圧力が上昇することにより、第1メカニカルシール2から被密封流体が漏洩するのを、この圧力により防止することも可能になる。
そして、遮断シール部15の遮断シール面15Aを対向シール面50Bにさらに強く密接させる。このため、第1メカニカルシール2が故障して被密封流体がシール面3A,10Aから漏洩しても遮断シール面15Aにより効果的にシールされる。なお、第2コイルばね21は、図1と同様に、Oリング27により遮断シール部15が移動するときに摩擦力を生じるが、この摩擦力に応じて遮断シール面15Aを対向シール面50Bに軽く接触するように補助的に押圧する。また、シールハウジング30のばね座15P(図1参照)と遮断シール部15のばね座15Pは、ともに穴付ばね座に形成する。そして、第2コイルばね21がこの両穴付ばね座に嵌合しているので、遮断シール部15は遮断シール面15Aの小さな摩擦では回動しないようにされている。また、他の実施例として、この穴付ばね座15Pは周面に沿って多数個が等配に配置されているので、その一個の両穴付ばね座15Pにノックピンを摺動自在に嵌合している。このため、遮断シール部15は遮断シール面15Aの回動する時の摩擦力では、回動しないようになる。
図4は、本発明のメカニカルシール装置1の実施例3である。図4はメカニカルシール装置1の片側の断面図である。この図4のメカニカルシール装置1が図3と相違する点は、シールリング20が径方向を成すリング状に形成されているものである。このシールリング20は、外周のシール部20Aに向かって薄肉に形成する。また、シール部20Aの先端面はシール内周面15Cに密接させると良い。そして、シールリング20のシール部20Aは、遮断シール部15の第2シール面15Mに密接するように構成する。このシールリング20は、ゴム又は樹脂材製である。そして、クエンチング流体をシールするとともに、被密封流体が第1メカニカルシール2から漏洩した場合は、その漏洩する増加圧力によりシールリング20を押圧して遮断シール部15を移動させて遮断シール面15Aの面圧を増加させる。また、図4も図3と同様に、図示していない支持部30Pに連通路30Tを設ける。
そして、第1メカニカルシール2から被密封流体が冷却室R2へ漏洩した場合には、遮断シール部15の受圧面15H1に冷却室R2の圧力が作用するように構成する。また、圧力室4の圧力により遮断シール部15を押圧し、遮断シール面15Aを対向シール面10Aに密接させる。このように、遮断シール部15は、受圧面15H1とシールリング20に対して冷却室R2内の増加した流体の圧力分を作用させ、第1メカニカルシール2から漏洩した流体に対して遮断シール面15Aの密封力を発揮させるものである。また、圧力室R4に取り付けた被密封流体の漏洩を感知する図示省略の感知手段により、被密封流体が第1メカニカルシール2から圧力室R4へ漏洩したのを感知して配管に設けたクエンチング流体用の図示省略の制御バルブを開くこともできる。この制御バルブが開くと、圧力室R4の圧力が増加するから、受圧面15H1に作用して押圧し、遮断シール面15Aの対向シール面50Bに対する面圧を高めて被密封流体を効果的にシールすることができる。
以下に、本発明に係わる他の実施態様の発明について、その構成と作用効果を説明する。
本発明に係わる第1発明のメカニカルシール装置は、第1密封環と遮断シール部が同一材質で構成されているものである。
この本発明に係わる第1発明のメカニカルシール装置では、第1密封環と遮断シール部は同一材質で構成されている。そして、第1密封環のシール面が遮断シール部よりも過酷な使用条件の被密封流体に接触してシールするために、シール面の面圧が高くされている。そして、一般に密封環は材質が数種類に限定されるので、同一の材質では、遮断シール部の遮断シール面よりも第1密封環のシール面の方が早く摩耗する。したがって、第1密封環のシール面が摩耗しても、面圧が小さい遮断シール面は、摩耗していないから、第1密封環のシール面と相対シール面から被密封流体が漏洩しても遮断シール面によって被密封流体を効果的にシールすることが可能になる。その結果、ケミカルな被密封流体がメカニカルシール装置から漏洩し、機外において問題になるのを効果的に防止できる。
本発明に係わる第2発明のメカニカルシール装置は、取付部品の支持面と押圧面との対向間に押圧面へ流体の圧力が作用する圧力室を有するとともに圧力室と冷却室とに連通する連通路を有して冷却室の流体が圧力室へ流入可能にされているものである。
この本発明に係わる第2発明のメカニカルシール装置では、取付部品と遮断シール部との取付間に押圧面へ流体の圧力が作用する圧力室を有するとともに、圧力室と冷却室とに連通する連通路を有し、冷却室の流体が圧力室へ流入して押圧面を対向シール面側へ移動させることができる。したがって、シール面と相対シール面との間から被密封流体が漏洩して冷却室へ流れれば、冷却室の圧力は増加するから、冷却室に連通する圧力室の圧力も増加する。この増加した圧力は押圧面に作用して遮断シール面の面圧を高め、遮断シール面と対向シール面との間に被密封流体が流れてきたとしても、被密封流体に対してシール効果を発揮することが可能になる。
本発明に係わる第3発明のメカニカルシール装置は、シールリングが第2密封環とシールカラーとの接合間に密封に保持される取付部を有するとともに、取付部から冷却室側へ折り曲げられて前記遮断面と環状に密接するシール部を有し、前記シール部が前記冷却室から前記遮断シール面と対向シール面との接合間へ通じる間隙を遮断するものである。
この本発明に係わる第3発明のメカニカルシール装置では、シールリングが第2密封環とシールカラーとの接合間に保持される取付部を有するとともに、取付部から冷却室側へ折り曲げられて環状を成すシール部を有し、シール部が遮断面と環状に密接するものである。このため、ゴム又は樹脂材製のシールリングのシール部が摩耗してもシール部が損傷するまで被密封流体をシールすることが可能になる。また、シール部は冷却室側へ折り曲げられた還状のシール部に形成されているので、被密封流体の圧力を受けると、シール部は被密封流体の圧力によりシール内周面に密接する構成にされているから、被密封流体をシールするシール効果が発揮される。その結果、被密封流体の過酷な使用条件のために、シール面を有する第1メカニカルシールが損傷してもシールリングによって効果的に被密封流体をシールして機外へ流出するのが防止できる。
以上のように、本発明のメカニカルシール装置は、第1メカニカルシールが過酷な条件により耐久能力が低下しても、第2メカニカルシールにより被密封流体が機外に漏洩するのを防止できるので、パルプ液、ケミカル流体、スラリーを含む流体、高粘度の流体等をシールするのに有用である。また、構造が簡単で、分解と組み立てとが容易にして安価にしたメカニカルシール装置として有用である。

Claims (4)

  1. 装置本体に設けた外面を貫通する内周面と、前記内周面内に挿設された軸との嵌合間隙を密封するメカニカルシール装置であって、
    前記装置本体の前記外面に前記軸を囲んで取り付けられる取付面と、前記軸を囲む内周面に前記取付面側から機外へ向かって形成された嵌合面と環状溝面と遮断面と、前記取付面と反対側の端面に設ける支持面と、前記支持面から前記軸を囲んで機外へ突出した外周に案内面を設ける支持部と、前記環状溝面内の冷却室に連通してクエンチング流体が通る冷却用流体通路とを有する取付部品、
    前記取付部品の前記嵌合面と移動自在に嵌合する外周の移動面と、前記軸との間に間隙を形成する流路用内周面と、押圧手段により機外側へ押圧されるとともに先端の前記軸の回りに設けたシール面と、を有する第1密封環、
    前記第1密封環のシール面と前記軸の回りで密接するとともに摺動可能な相対シール面を有する第2密封環、
    前記取付部品の前記支持面と対向する押圧面を有するとともに前記押圧面と反対側の端面に遮断シール面を有し且つ前記支持部の前記案内面に対して前記機外側から挿設されて移動可能に密封嵌合するシール内周面を有する環状の遮断シール部、
    前記遮断シール部の内方に前記機外側から挿設されて前記第2密封環を密封に保持する保持部を有するとともに前記遮断シール面と対向して被密封流体をシールする対向シール面を有し且つ前記軸に密封に取り付けられる環状のシールカラー、
    および前記冷却室から前記遮断シール面と対向シール面との接合間へ通じる間隙を遮断するゴム又は樹脂材製のシールリングを具備し、
    前記遮断シール部の前記押圧面がばね手段又は/および流体圧力により押圧されて前記遮断シール面の面圧が前記シール面の面圧よりも小さな面圧で接触可能にされていることを特徴とするメカニカルシール装置。
  2. 前記第1密封環と前記遮断シール部は同一材質で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のメカニカルシール装置。
  3. 前記取付部品の前記支持面と前記押圧面との対向間に前記押圧面へ流体の圧力が作用する圧力室を有するとともに前記圧力室と前記冷却室とに連通する連通路を有して前記冷却室の流体が前記圧力室へ流入可能にされていることを特徴とする請求項1に記載のメカニカルシール装置。
  4. 前記シールリングが前記第2密封環と前記シールカラーとの接合間に密封に保持される取付部を有するとともに、前記取付部から前記冷却室側へ折り曲げられて前記遮断面と環状に密接するシール部を有し、前記冷却室から前記遮断シール面と対向シール面との接合間へ通じる間隙を遮断することを特徴とする請求項1に記載のメカニカルシール装置。
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