JP6662630B2 - 軸封装置 - Google Patents

軸封装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6662630B2
JP6662630B2 JP2015245499A JP2015245499A JP6662630B2 JP 6662630 B2 JP6662630 B2 JP 6662630B2 JP 2015245499 A JP2015245499 A JP 2015245499A JP 2015245499 A JP2015245499 A JP 2015245499A JP 6662630 B2 JP6662630 B2 JP 6662630B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
machine
annular
mechanical seal
sealing device
intermediate chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015245499A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017110733A (ja
Inventor
猛 五十嵐
猛 五十嵐
克也 熊倉
克也 熊倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
EagleBurgmann Japan Co Ltd
Original Assignee
EagleBurgmann Japan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by EagleBurgmann Japan Co Ltd filed Critical EagleBurgmann Japan Co Ltd
Priority to JP2015245499A priority Critical patent/JP6662630B2/ja
Publication of JP2017110733A publication Critical patent/JP2017110733A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6662630B2 publication Critical patent/JP6662630B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、回転機器のハウジングと、このハウジングに挿通される回転軸との間の環状隙間を封止して、回転機械の機内領域と機外領域とを隔てる軸封装置、及び、このような軸封装置に用いることのできる逆止弁に関する。
従来、回転機器のハウジングと回転軸との間の環状隙間を封止して、機内領域と機外領域とを隔てる軸封装置において、2つのメカニカルシールを備えると共に、両メカニカルシールの回転摺動部に、フラッシングや冷却を目的とした液体を供給する機構を備えるものが知られている。ここで、図4を参照して、このような従来例に係る軸封装置について説明する。図4は、従来例に係る軸封装置の構成を示す概略的な断面図である。図4では、説明の便宜上、特徴的な部分を示すべく切断位置の位相を適宜変化させている。
従来例としての軸封装置500は、回転機械のハウジング200と、ハウジング200の軸孔201に挿通される回転軸300との間の環状隙間を封止して、機内領域Aと機外領域Bとを隔てている。なお、機内領域A内には、土砂スラリーが密封されている。軸封装置500は、機内側Aに設けられる第1メカニカルシール510と、機内側Aの反対側である機外側Bに設けられる第2メカニカルシール520と、を備えている。また、軸封装置500は、第1メカニカルシール510及び第2メカニカルシール520の外周側を覆う環状のシールカバー530を備えている。シールカバー530は、第1シールカバー531、第2シールカバー532、及び、フランジカバー533から構成されており、不図示のボルトによってハウジング200に対して固定されている。シールカバー530によって、第1メカニカルシール510と第2メカニカルシール520との間に中間室Cが形成される。第1メカニカルシール510は、第1固定環511とこれに対して回転摺動する第1回転環512とを備えており、両者の摺動面によって、機内領域Aと中間室Cとの間を、中間室Cを内周側にして封止している。また、第2メカニカルシール520は、第2固定環521とこれに対して回転摺動する回転環522とを備えており、両者の摺動面によって、中間室Cと機外領域Bとの間を封止している。
第1シールカバー531には、その外部から機内領域A内にフラッシング液を供給する供給口531aが形成されている。供給口531aは、第1メカニカルシール510の摺動面(第1固定環511と第1回転環512の摺動面。以下同様)の外周側に向かって開口した開口部531bを有している。以上より、不図示の供給装置によって供給口531aから供給されたフラッシング液は、第1メカニカルシール510の摺動面の外周側を洗浄した後に、機内領域Aに供給される。
一方、第2シールカバー532には、その外部から中間室C内にフラッシング液を供給する供給口532aと、供給口532aから供給されたフラッシング液を外部へ排出するための排出口532bが形成されている。以上より、不図示の供給装置によって供給口532aから供給されたフラッシング液は、第2メカニカルシール520の摺動面の外周側、及び、第1メカニカルシール510の摺動面の内周側を洗浄した後に、排出口532bから排出される。
上記の構成により、軸封装置500においては、外部から供給されるフラッシング液によって、第1メカニカルシール510の摺動面と第2メカニカルシール520の摺動面の洗浄や冷却が行われる。
しかしながら、軸封装置500においては、第1メカニカルシール510の摺動面の外周側と内周側の双方にフラッシング液を供給するために、シールカバー530の外部と機内領域Aとを連通する供給口531aと、シールカバー530の外部と中間室Cとを連通する供給口532aの2つの供給口を設ける必要があった。そのため、軸封装置500全体の構造が複雑であった。
なお、2つのメカニカルシールを備える軸封装置において、機内側に配置されたメカニカルシールの摺動面の外周側と内周側の双方を洗浄するために、ハウジングに設けられた供給口から両メカニカルシール間の中間室に供給された洗浄液を、回転軸内に形成された連通路を経由させて機内領域内に供給させる技術が知られている(特許文献1参照)。当該技術においては、回転軸の内部に中間室と機内領域とを連通する連通路が形成されると共に、当該連通路内に球から成る弁体を備える逆止弁が配置されるため、軸封装置全体の構造が非常に複雑になっている。特に、このような連通路を回転軸の内部に形成する加工は、非常に困難であると想定される。
実開平4−138161号公報
本発明の目的は、回転機器のハウジングと回転軸との間の環状隙間を封止して、機内領域と機外領域とを隔てる軸封装置であって、機内側と機外側に配置された2つのメカニカルシールを備えると共に、両メカニカルシールの間に中間室が形成される軸封装置において、機内側に設けられたメカニカルシールの摺動面の外周側と内周側にフラッシング液等の流体を供給する構成を、従来に比べて簡素なものにすることにある
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、本発明に係る軸封装置は、
回転機械のハウジングと、前記ハウジングに挿通される回転軸との間の環状隙間を封止して、前記回転機械の機内領域と機外領域とを隔てる軸封装置において、
機内側に設けられる第1メカニカルシールと、
前記機内側の反対側である機外側に設けられる第2メカニカルシールと、
前記第1メカニカルシール及び前記第2メカニカルシールの外周側を覆う環状のシールカバーであって、前記ハウジングに対して固定されて、前記第1メカニカルシールと前記第2メカニカルシールとの間に中間室を形成するシールカバーと、
を備える軸封装置であって、
前記第1メカニカルシールが、第1固定環とこれに対して回転摺動する第1回転環とを備える共に、前記第1固定環と前記第1回転環の摺動面によって、前記機内領域と前記中間室との間を、前記中間室を内周側にして封止し、
前記第2メカニカルシールが、第2固定環とこれに対して回転摺動する第2回転環とを備える共に、前記第2固定環と前記第2回転環の摺動面によって、前記中間室と前記機外領域との間を封止し、
前記シールカバーが、外部から前記中間室に流体を供給する供給口と、前記中間室と前記機内領域とを連通する連通路を備え、
前記連通路に、前記中間室から前記機内領域へ向かう前記流体の流れのみを許容する逆止弁が設けられることを特徴とする。
本発明によれば、供給口から中間室内に供給された流体は、第1固定環と第1回転環の摺動面(以下、単に「第1メカニカルシールの摺動面」ともいう)の内周側と、第2固定環と第2回転環の摺動面(以下、単に「第2メカニカルシールの摺動面」ともいう)に供給される。また、中間室に供給された流体は、連通路を通じて機内領域内にも供給されるため、第1メカニカルシールの摺動面の外周側へも供給される。したがって、本発明によれば、シールカバーの外部から機内領域内に流体を供給する供給口を設けなくても、第1メカニカルシールの摺動面の外周側に流体を供給することが可能になるため、軸封装置全体の構成を簡素化することができる。なお、連通路には、中間室から機内領域へ向かう流体の流れのみを許容する逆止弁が設けられているため、連通路を通じた機内領域内からの密封対象物の漏れは抑制される。
また、本発明によれば、中間室と機内領域とを連通する連通路が、ハウジングに固定されるシールカバーに形成される。そのため、上記特許文献1に開示された、中間室と機内領域とを連通する連通路を回転軸の内部に設ける構成に比べて、軸封装置全体の構成を簡素化することができる。
また、本発明に係る軸封装置は、前記連通路が、前記回転軸の周りを一周する環状流路部を備え、前記逆止弁が、前記環状流路部内に設けられた環状の弁座と、前記弁座に前記機内側から着座する環状の弁体と、前記弁体を前記機内側から付勢して前記弁座に着座させる、前記環状流路部内に設けられた付勢部材と、を備えている
この構成により、上記特許文献1に開示された、連通路と逆止弁を回転軸の内部に設ける構成に比べて、環状流路部及びこれに設けられる逆止弁の構成をより簡素なものにすることが可能になる。
なお、前記弁座が、前記環状流路部内に形成された、前記機内側を向いた環状の段差面であって、前記弁体が、前記段差面に当接する環状面を備えてもよい。これにより、逆止弁の構成を比較的に簡素なものにすることができる。
以上説明したように、本発明によれば、回転機器のハウジングと回転軸との間の環状隙間を封止して、機内領域と機外領域とを隔てる軸封装置であって、機内側と機外側に配置された2つのメカニカルシールを備えると共に、両メカニカルシールの間に中間室が形成される軸封装置において、機内側に設けられたメカニカルシールの摺動面の外周側と内周側に流体を供給する構成を、従来に比べて簡素なものにすることができる。
実施例に係る軸封装置の構成を示す模式的断面図である。 実施例に係る逆止弁の弁体の正面図である。 実施例に係る逆止弁の閉弁時の状態を示す部分断面図である。 実施例に係る逆止弁の開弁時の状態を示す部分断面図である。 従来例に係る軸封装置の構成を示す模式的断面図である。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(実施例)
図面を参照して、本発明の実施例に係る軸封装置について説明する。本実施例に係る軸封装置は、トンネル掘削工事において泥の排出に用いられるポンプなどに適用される。したがって、本実施例における密封対象は固形物が含まれる土砂スラリー(泥漿)である。
<軸封装置の全体構成>
図1を参照して、本発明の実施例に係る軸封装置の全体構成について説明する。図1は、実施例に係る軸封装置の構成を示す模式的断面図である。図1では、説明の便宜上、特徴的な部分を示すべく切断位置の位相を適宜変化させている。また、基本的に切断端面のみが示されており、奥行きは省略されている。
本実施例に係る軸封装置100は、回転機械のハウジング200と、ハウジング200の軸孔201に挿通される回転軸300との間の環状隙間を封止して、機内領域A(図1中左側)と機外領域B(図中右側)とを隔てている。なお、機内領域A内には、土砂スラリーが密封(収容)されている。軸封装置100は、機内側Aに設けられる第1メカニカルシール110と、機内側Aの反対側である機外側Bに設けられる第2メカニカルシール120と、を備えている。また、軸封装置100は、第1メカニカルシール110及び第2メカニカルシール120の外周側を覆う環状のシールカバー130を備えている。シールカバー130は、第1シールカバー131、第2シールカバー132、及び、フランジカバー133から構成されており、ボルトによってハウジング200に対して固定されている。シールカバー130によって、第1メカニカルシール110と第2メカニカルシール120との間に中間室Cが形成される。
第1メカニカルシール110は、第2シールカバー132を介してハウジング200に対して固定される第1固定環111と、回転軸300に固定された第1スリーブ310を介して回転軸300に対して固定される第1回転環112とを備えている。第1固定環111は、シリコンカーバイド等の摺動材から構成され、第2シールカバー132との間に配置されたゴム製のパッキン113によって、第1回転環112に向かって軸方向に付勢されている。なお、第1固定環111の第2シールカバー132に対する回り止めは、第1固定環111の切り欠きに係合するノックピン114によってなされている。一方、第1回転環112もシリコンカーバイド等の摺動材から構成されており、第1回転環112の第1スリーブ310に対する回り止めは、第1回転環112の切り欠きに係合するノッ
クピン311によってなされている。以上の構成により、第1回転環112は、回転軸300と共に回転しながら、機外側Bの端面112aを第1固定環111の機内側Aの端面111aに対して軸方向に接触させながら回転摺動させる。そして、互いに摺動する端面111a,112a(すなわち、軸方向に対向する摺動面111a,112a。以下、単に「第1メカニカルシール110の摺動面111a,112a」ともいう)が、機内領域Aと中間室Cとの間を、中間室Cを内周側にして封止する。なお、パッキン113によって第1固定環111と第2シールカバー132との間が封止されている。また、Oリングによって、第1回転環112、第1スリーブ310及び回転軸300との間の各隙間が封止されている。
第2メカニカルシール120は、フランジカバー133を介してハウジング200に対して固定される第2固定環121と、回転軸300に固定された第2スリーブ320を介して回転軸300に対して固定される第2回転環122とを備えている。第2固定環121は、シリコンカーバイド等の摺動材から構成され、フランジカバー133に設けられたスプリング123によって、第2回転環122に向かって軸方向に付勢されている。なお、第2固定環121のフランジカバー133に対する回り止めは、第2固定環121の切り欠きに係合するノックピン124によってなされている。一方、第2回転環122もシリコンカーバイド等の摺動材から構成されており、第2回転環122の第2スリーブ320に対する回り止めは、第2回転環122の切り欠きに係合するノックピン321によってなされている。以上の構成により、第2回転環122は、回転軸300と共に回転しながら、機外側Bの端面122aを第2固定環121の機内側Aの端面121aに対して軸方向に接触させながら回転摺動させる。そして、互いに摺動する端面121a,122a(すなわち、軸方向に対向する摺動面121a,122a。以下、単に「第2メカニカルシール120の摺動面121a,122a」ともいう。)が、中間室Cと機外領域Bとの間を封止する。なお、Oリングによって第2固定環121とフランジカバー133との間の隙間や、第2回転環122、第2スリーブ320及び第1スリーブ310との間の各隙間が封止されている。
シールカバー130の第2シールカバー132には、その外部から中間室Cにフラッシング液を供給するための供給口132aが形成されている。供給口132aは、シールカバー130の外部と中間室Cとを連通しており、これを通じて、軸封装置100の外部に設置されたフラッシング液の供給装置140から中間室Cにフラッシング液が供給される。
また、シールカバー130には、中間室Cと機内領域Aとを連通する連通路150が形成されている。連通路150の詳細については後述するが、連通路150には、中間室Cから機内領域Aへ向かうフラッシング液の流れのみを許容する逆止弁160が設けられている。したがって、中間室Cに供給されたフラッシング液は、連通路150を通じて、ハウジング200内の機内領域Aに供給される。供給されたフラッシング液は、機内領域A内の土砂スラリーと共に、ポンプ吐出側(不図示)へと流れていく。これに対し、機内領域A内の土砂スラリーやフラッシング液が、連通路150を通じて中間室Cに漏れることは逆止弁160によって抑制される。
<連通路及び逆止弁の構成>
主に、図2〜3Bを参照して本実施例に係る連通路及び逆止弁の構成について、詳細に説明する。図2は、実施例に係る逆止弁の弁体の構成を示す正面図であって、弁体の機内側Aの端面を示している。図3Aは、実施例に係る逆止弁の閉弁時の状態を示す部分断面図である。図3Bは、実施例に係る逆止弁の開弁時の状態を示す部分断面図である。
連通路150は、中間室Cに接続し、径方向外側に向かって形成された径方向流路部1
51と、径方向流路部151に接続し、機内側Aに向かって形成された、回転軸300の周りを一周する環状流路部152と、環状流路部152に接続し、第1メカニカルシール110の摺動面111a,112aの外周側に向かって開口した開口部153とを備えている。なお、径方向流路部151は、第2シールカバー132の内部を径方向に貫通するように形成されている。また、環状流路部152は、第1シールカバー131と第2シールカバー132との間の環状空間から構成される流路部である。また、開口部153は、第1シールカバー131の内部に形成されている。そして、環状流路部152には、上述の逆止弁160が配置されている。
逆止弁160は、環状流路部152内に設けられた弁座161と、弁座161に機内側Aから着座する環状の弁体162と、弁体162を機内側Aから付勢して弁座161に着座させる、環状流路部152内に設けられた複数のスプリング163と、から構成される。なお、弁座161は、第2シールカバー132の外周面から径方向外側に突出する環状凸部132bにおける、機内側Aを向いた環状の段差面から構成されている。
弁体162は、円環状の金属製平板から形成され、弁座161に当接する環状の端面162bを備えている。なお、弁体162の外周面は、弁座161への着座時(逆止弁160の閉弁時)において、第1シールカバー131の内周面(環状流路部152の径方向外側の円筒面)に密接するように構成されている。これにより、弁体162の着座時には、弁体162の外周面と端面162bとによって、環状流路部152が閉鎖される。また、弁体162の内周側には、逆止弁160の開弁時の流量を増大させるために、周方向に等間隔で複数(本実施例では24個)配置された切り欠き162aが形成されている。なお、図3Aに示されるように、弁体162の着座時には、端面162bにおける切り欠き162aよりも外周側の部分が弁座161に着座するため、逆止弁160の閉弁時に切り欠き162aを通じてフラッシング液が機内側Aに漏れることはない。
また、図2に示されるように、弁体162の機内側Aの端面162cには、スプリング163によって押圧される被押圧部162dが、周方向に等間隔で複数(本実施例では24個)設けられている。そして、スプリング163は、周方向に等間隔で複数(本実施例では24個)配置されており、それぞれが環状流路部152の機内側Aの端面から突出するドライブピン164によって位置決めされた状態で、弁体162の被押圧部162dを押圧している。以上の構成により、スプリング163は、機内側Aから機外側Bに向かって周方向に均等な力で弁体162を軸方向に付勢して、弁体162を弁座161に着座させる。これにより、逆止弁160が閉弁されて、環状流路部152が閉鎖される。
<軸封装置の使用時のメカニズム>
特に図3Aと図3Bを参照して、本実施例に係る軸封装置の使用時のメカニズムについて説明する。フラッシング液が供給装置140から供給口132aを通じて中間室Cに供給されると、第1メカニカルシール110の摺動面の内周側と、第2メカニカルシール120の摺動面の外周側がフラッシングされる。中間室C内のフラッシング液は、連通路150内に流入するが、逆止弁160によって連通路150が閉鎖されている間は、機内領域A内に流入することはない(図3A参照)。そして、環状流路部152内のフラッシング液の流体圧力が増大し、弁体162を付勢するスプリング163の付勢力よりも大きくなると、弁体162が付勢力に抗して機内側A方向に移動するため、弁体162の端面162bが弁座161から離間する(図3B参照)。このようにして逆止弁160が開弁すると、弁体162と弁座161との間の環状隙間を通じて、フラッシング液が機内側Aに向かって流れ始め(図3B中の矢印参照)、開口部153から機内領域A内に流入する。
ここで、連通路150の環状流路部152には、中間室Cから機内領域Aへ向かう流体の流れのみを許容する逆止弁160が設置されているため、フラッシング液の非供給時に
、機内領域A内の土砂スラリー等の収容物が連通路150を通じて中間室Cに漏れることは抑制される。なお、逆止弁160の開弁中は、フラッシング液が常に機内領域Aに向かって流れているため、機内領域A内の収容物が漏れることはない。
<本実施例に係る軸封装置の優れた点>
本実施例に係る軸封装置100によれば、中間室Cと機内領域Aとを連通する連通路150を備えるため、シールカバー130に設けられた供給口132aから中間室Cに供給されたフラッシング液によって、第1メカニカルシール110の摺動面の内周側と外周側の両方のフラッシングを行うことができる。したがって、軸封装置100によれば、第1メカニカルシール110の外周側にフラッシング液を供給するために、外部と機内領域Aとを連通する供給口をシールカバー130に設ける必要が無い。ゆえに、軸封装置全体の構成を簡素化することができる。
また、軸封装置100においては、中間室Cに供給されたフラッシング液は、連通路150を通じて機内領域A内に供給され、その後、機内領域A内の土砂スラリーと共に外部へ排出される。したがって、軸封装置100によれば、中間室C内のフラッシング液を排出するために、中間室Cと外部とを連通する排出口をシールカバー130に設ける必要が無い。ゆえに、軸封装置全体の構成を更に簡素化することができる。
また、軸封装置100によれば、連通路150には、中間室Cから機内領域Aへ向かう流体の流れのみを許容する逆止弁160が設けられているため、連通路150を通じた土砂スラリー等の機内領域A内からの漏れは確実に抑制される。
また、軸封装置100によれば、連通路150はハウジング200に固定されるシールカバー130の内部に形成されると共に、回転軸300の周りを一周する環状流路部152を備えている。そのため、上記特許文献1に開示された、中間室と機内領域とを連通する連通路を回転軸の内部に設ける構成に比べて、軸封装置全体の構成を簡素化することができる。また、環状流路部152の流路面積を相対的に大きくすることができるため、連通路150を流れる流体の流量を大きくすることができる。更に、上記特許文献1に開示された構成とは異なり、連通路150や逆心弁160は回転軸300と共に回転しないため、逆止弁160の動作が遠心力の影響を受けない点や、要求される加工精度が相対的に低くてもよい点でも有利である。
また、本実施例に係る逆止弁160は、筒状の第1シールカバー131と、これの内側に配置された第2シールカバー132との間に形成された、流体が流れる環状流路部152内に設けられる逆止弁としても捉えることができる。この場合、逆止弁160は、第2シールカバー132の外周面に形成された、機内側Aを向いた環状の段差面から成る弁座161と、弁座161に対して、機内側A(つまり、第1シールカバー131の軸方向における一方側)から着座する円環状の平板から成る弁体162と、環状流路部152内に設置された、弁体162を機内側Aから付勢して弁座161に着座させる複数のスプリング163(付勢部材)から構成される。そのため、逆止弁160によれば、従来公知の球を弁体として用いた逆止弁等に比べて、より簡素な構成で、環状流路内に設置される逆止弁を提供することができる。特に、逆止弁160は、逆止弁を構成する全ての部品が環状流路内に配置されているため、本実施例のように、内側を回転軸が貫通しているような環状流路に好適に用いることができる。
<変形例>
本発明に係る逆止弁の弁座や弁座の形状は、上記の実施例で説明した態様に限られず、その作用効果が発揮される限りにおいて、種々の態様を採用することができる。例えば、上記の逆止弁160では、弁座161は、第2シールカバー132の外周面から径方向外
側に突出する環状凸部132bにおける、機内側Aを向いた環状の段差面から構成されている。これに替えて、あるいは、これに併せて、第1シールカバー131の内周面から径方向内側に突出する環状凸部を設けて、当該環状凸部における機内側Aを向いた環状の段差面を弁座としてもよい。また、逆止弁160では、弁座161及び弁体162の端面162bは、共に軸方向(回転軸300の軸心方向)に垂直な面で構成されているが、弁体162が着座して逆止弁160が閉弁される限りにおいて、弁座161及び端面162bは軸方向に対して垂直でなくてもよいし、テーパ面であってもよい。
また、弁体162に形成される切り欠き162aの形状や個数も、その作用効果が発揮される限りにおいて、適宜変更してよい。ここで、切り欠き162aの流路面積の合計を増減させることで、逆止弁160の開弁時における流量を容易に増減させることができる。つまり、逆止弁160では、弁体162の形状を変更させることのみで、開弁時の流量を調節することができる。逆止弁160は、この点においても従来技術に対して優位である。また、スプリング163の個数やばね定数も、要求される付勢力に応じて適宜変更してよい。
100:軸封装置
110:第1メカニカルシール
111:第1固定環
112:第1回転環
111a,112a 摺動面(端面)
120:第2メカニカルシール
121:第2固定環
122:第2回転環
121a,122a:摺動面(端面)
130:シールカバー
131:第1シールカバー
132:第2シールカバー
132a:供給口
132b:環状凸部
133:フランジカバー
140:供給装置
150:連通路
151:径方向流路部
152:環状流路部
153:開口部
160:逆止弁
161:弁座
162:弁体
163:スプリング(付勢部材)
200:ハウジング
201:軸孔
300:回転軸
A:機内領域
B:機外領域
C:中間室

Claims (3)

  1. 回転機械のハウジングと、前記ハウジングに挿通される回転軸との間の環状隙間を封止して、前記回転機械の機内領域と機外領域とを隔てる軸封装置において、
    機内側に設けられる第1メカニカルシールと、
    前記機内側の反対側である機外側に設けられる第2メカニカルシールと、
    前記第1メカニカルシール及び前記第2メカニカルシールの外周側を覆う環状のシールカバーであって、前記ハウジングに対して固定されて、前記第1メカニカルシールと前記第2メカニカルシールとの間に中間室を形成するシールカバーと、
    を備える軸封装置であって、
    前記第1メカニカルシールが、第1固定環とこれに対して回転摺動する第1回転環とを備える共に、前記第1固定環と前記第1回転環の摺動面によって、前記機内領域と前記中間室との間を、前記中間室を内周側にして封止し、
    前記第2メカニカルシールが、第2固定環とこれに対して回転摺動する第2回転環とを備える共に、前記第2固定環と前記第2回転環の摺動面によって、前記中間室と前記機外領域との間を封止し、
    前記シールカバーが、外部から前記中間室に流体を供給する供給口と、前記中間室と前記機内領域とを連通する連通路を備え、
    前記連通路に、前記中間室から前記機内領域へ向かう前記流体の流れのみを許容する逆止弁が設けられると共に、
    前記連通路が、前記回転軸の周りを一周する環状流路部を備え、
    前記逆止弁が、前記環状流路部内に設けられた環状の弁座と、前記弁座に前記機内側から着座する環状の弁体と、前記弁体を前記機内側から付勢して前記弁座に着座させる、前記環状流路部内に設けられた付勢部材と、を備えており、
    前記弁体の内周側には、周方向に等間隔に配置された複数の切り欠きが設けられていることを特徴とする軸封装置。
  2. 前記付勢部材は、周方向に複数配置されたスプリングであり、これらのスプリングは、前記環状流路部における前記機内側の端面から突出する複数のドライブピンによって、それぞれ位置決めされていることを特徴とする請求項1に記載の軸封装置。
  3. 前記弁座が、前記環状流路部内に形成された、前記機内側を向いた環状の段差面であって、
    前記弁体が、前記段差面に当接する環状面を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の軸封装置。
JP2015245499A 2015-12-16 2015-12-16 軸封装置 Active JP6662630B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015245499A JP6662630B2 (ja) 2015-12-16 2015-12-16 軸封装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015245499A JP6662630B2 (ja) 2015-12-16 2015-12-16 軸封装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017110733A JP2017110733A (ja) 2017-06-22
JP6662630B2 true JP6662630B2 (ja) 2020-03-11

Family

ID=59080599

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015245499A Active JP6662630B2 (ja) 2015-12-16 2015-12-16 軸封装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6662630B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017110733A (ja) 2017-06-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4111698B2 (ja) メカニカルシール装置
JP5367423B2 (ja) シール装置
JP5933917B2 (ja) 選択的に制御されるシールを有する回転継手
US4432387A (en) Rotating disc gate valve
JP4874362B2 (ja) 高速回転機器用軸封装置
WO2010123025A1 (ja) メカニカルシール装置
JP5130568B2 (ja) メカニカルシール装置
JP5548596B2 (ja) 水中ポンプ用軸封装置
JP4137068B2 (ja) メカニカルシール
JP6662630B2 (ja) 軸封装置
JP6941479B2 (ja) シール構造及びメカニカルシール
JP3782690B2 (ja) メカニカルシール装置
JP7165042B2 (ja) メカニカルシール及びその使用方法
JP4000324B2 (ja) タンデム型ドライコンタクト軸封装置
JP2010209940A (ja) メカニカルシール
JP4001594B2 (ja) タンデム型ドライコンタクト軸封装置
JP5334656B2 (ja) シール装置
JP2003227570A (ja) 軸封装置
JP7093201B2 (ja) 流路切替バルブ
JP6815813B2 (ja) 密封構造
CA2622669A1 (en) Indexing arrangement
JP6542105B2 (ja) 密封装置
KR101081891B1 (ko) 로터리 조인트
WO2014208235A1 (ja) 密封装置
JP2009275900A (ja) 強腐食性液用ロータリジョイント

Legal Events

Date Code Title Description
A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20180619

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190411

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190423

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190613

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20190613

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190910

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191016

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200213

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6662630

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250