以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
1.構成
図1に本実施形態の不揮発性記憶装置の基本的な構成例を示す。図1に示すように本実施形態の不揮発性記憶装置は、メモリーセルアレイMAと読み出し回路RCを含む。なお、本実施形態の不揮発性記憶装置は図1の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素(例えば後述するカラム選択回路、第2のセンスアンプ、出力回路、制御回路等)を追加するなどの種々の変形実施が可能である。また図1では、説明の簡素化のために、メモリーセルアレイMAに含まれる不揮発性のメモリーセルの個数が4個であり、ワード線やビット線の本数が2本である場合について示しているが、メモリーセルの個数やワード線やビット線の本数は任意である。
メモリーセルアレイMAには、電気的にデータの書き込み及び消去が可能な複数の不揮発性メモリーセルMC1、MC2、MD1、MD2が配置される。不揮発性メモリーセルとしては、MONOS型、フローティングゲート型、強誘電体型、相変化型、磁気抵抗型などの種々のタイプのメモリーセルを想定できる。
また、メモリーセルアレイMAには、複数のワード線WL1、WL2と複数のビット線BLC、BLDが設けられ、各ワード線と各ビット線の交差位置に対応する場所にMC1、MC2、MD1、MD2の各不揮発性メモリーセルが配置される。そして各不揮発性メモリーセルを構成するトランジスターのゲートに各ワード線が接続され、ドレインに各ビット線が接続される。なお、後述するように各ワード線に対応して各ソース線を設けてもよい。この場合には各不揮発性メモリーセルを構成するトランジスターのソースに各ソース線が接続される。
読み出し回路RCは、データの読み出し動作を行う。この読み出し回路RCは、メモリーセルアレイMAからデータを読み出すためのセンスアンプSA1(第1のセンスアンプ)を有する。このセンスアンプSA1は、不揮発性メモリーセルからのデータの読み出し時に、信号増幅を行う回路である。
図1に示すようにセンスアンプSA1は、カレントミラー回路CM1(広義には差動信号増幅部)と、第1のリファレンス電流源IS1と、第2のリファレンス電流源IS2を含む。そしてリファレンス電流源IS1は、カレントミラー回路CM1の第1のノードN1とVSSノード(広義には第1の電源ノード、低電位側電源ノード)との間に設けられる。リファレンス電流源IS2は、カレントミラー回路CM1の第2のノードN2とVSSノードとの間に設けられる。これらのリファレンス電流源IS1、IS2は、後述するように、例えばリファレンス電圧がそのゲートに入力されるトランジスターなどにより実現される。
なお、以下では、本実施形態の差動信号増幅部がカレントミラー回路である場合を例にとり説明するが、後述する図15(A)〜図16(D)に示すように、差動信号増幅部は、カレントミラー回路以外の回路であってもよい。
カレントミラー回路CM1(差動信号増幅部)は、カレントミラーのペアーとなるトランジスターTA1、TA2を含む。P型のトランジスターTA1は、VDDノード(広義には第2の電源ノード、高電位側電源ノード)とノードN1との間に設けられ、P型のトランジスターTA2は、VDDノードとノードN2との間に設けられる。そしてトランジスターTA1、TA2のゲートは、例えばノードN1に共通接続される。
そして図1では、メモリーセルアレイMAに設けられる第1のメモリーセルMC1と第2のメモリーセルMD1は、シングルモード(広義には第1のモード)では別個のデータを記憶し、デュアルモード(広義には第2のモード)では互いに相補的な相補データを記憶する。同様に、第1のメモリーセルMC2と第2のメモリーセルMD2は、シングルモードでは別個のデータを記憶し、デュアルモードでは相補データを記憶する。ここで、シングルモードは、例えば1セル1ビット方式でデータを記憶するモードであり、デュアルモードは、例えば2セル1ビット方式でデータを記憶するモードである。
例えばシングルモード(1セル1ビットモード)では、メモリーセルMC1は第1のデータ(「1」又は「0」)を記憶し、メモリーセルMD1は第1のデータとは異なる第2のデータ(「1」又は「0」)を記憶する。一方、デュアルモード(2セル1ビットモード)では、メモリーセルMC1、MD1は、互いに相補関係にある相補データを記憶する。例えば、2つのメモリーセルMC1、MD1により記憶すべきデータが「1」である場合には、メモリーセルMC1は「1」を記憶し、メモリーセルMD1は、「1」と相補関係にある「0」を記憶する。一方、2つのメモリーセルMC1、MD1により記憶すべきデータが「0」である場合には、メモリーセルMC1は「0」を記憶し、メモリーセルMD1は、「0」と相補関係にある「1」を記憶する。メモリーセルMC2とMD2においても同様である。なおシングルモードで記憶される別個のデータは、相補的な関係には無いデータであり、同じ種類のデータ(例えば他の回路ブロックの調整データ、画像表示用のウェーブデータ等)であってもよいし、違う種類のデータであってもよい。
そして本実施形態では、読み出し回路RCはシングルモード(第1のモード)では、センスアンプSA1のカレントミラー回路CM1から第1のノードN1を介して第1のメモリーセルMC1に流れる検出電流と、カレントミラー回路CM1から第2のノードN2を介して第2のリファレンス電流源IS2に流れるリファレンス電流とを比較する。これにより、シングルモードで第1のメモリーセルMC1に記憶されるデータが読み出される。
また読み出し回路RCはシングルモードでは、カレントミラー回路CM1から第2のノードN2を介して第2のメモリーセルMD1に流れる検出電流と、カレントミラー回路CM1から第1のノードN1を介して第1のリファレンス電流源IS1に流れるリファレンス電流とを比較する。これにより、シングルモードで第2のメモリーセルMD1に記憶されるデータが読み出される。なおリファレンス電流源IS1、IS2に流れるリファレンス電流の電流値は、「1」のデータを記憶するメモリーセルに流れる電流の電流値と、「0」のデータを記憶するメモリーセルに流れる電流の電流値との間(中間)の電流値になる。
一方、読み出し回路RCは、デュアルモード(第2のモード)では、カレントミラー回路CM1から第1のノードN1を介して第1のメモリーセルMC1に流れる検出電流と、カレントミラー回路CM1から第2のノードN2を介して第2のメモリーセルMD1に流れる検出電流とを比較する。これにより、第1のメモリーセルMC1及び第2のメモリーセルMD1に記憶される相補データが読み出される。
以上の本実施形態の不揮発性記憶装置の動作を図2(A)、図2(B)、図3を用いて更に詳細に説明する。
図2(A)、図2(B)は、シングルモードでのデータの読み出し動作を説明するための図である。図2(A)に示すように、シングルモードで第1のメモリーセルMC1からデータを読み出す場合には、リファレンス電流源IS1がディスエーブル状態(電流がオフになる状態)に設定され、リファレンス電流源IS2がイネーブル状態(電流がオンになる状態)に設定される。メモリーセルMC2からデータを読み出す場合も同様である。
このようにリファレンス電流源IS1がディスエーブル状態に設定されると、VDDノードからカレントミラー回路CM1のトランジスターTA1に流れる電流は、リファレンス電流源IS1には流れずに、ノードN1を介して、検出電流ID1としてメモリーセルMC1に流れるようになる。一方、リファレンス電流源IS2がイネーブル状態に設定されると、VDDノードからカレントミラー回路CM1のトランジスターTA2に流れる電流は、リファレンス電流IR2としてリファレンス電流源IS2を介してVSSノードに流れるようになる。
従って、検出電流ID1の大きさとリファレンス電流IR2の大きさを比較することで、メモリーセルMC1に「1」、「0」のいずれが記憶されているのかを判断できる。
例えば本実施形態では、メモリーセルMC1に「1」(広義には第2の論理レベル)が記憶されている場合には、「0」(広義には第1の論理レベル)が記憶されている場合に比べて、MC1に流れる電流が大きくなる。従って図2(A)において、メモリーセルMC1が「1」を記憶している場合には、VDDノードからカレントミラー回路CM1を介してメモリーセルMC1に流れる検出電流ID1は、リファレンス電流IR2に比べて大きくなる。この結果、ノードN1がL(ロー)レベル側に変化し、ノードN2がH(ハイ)レベル側に変化するため、ノードN1とN2の電圧の大小関係を判定することで、メモリーセルMC1に「1」が記憶されていることを検出できる。
一方、メモリーセルMC1に「0」が記憶されている場合には、VDDノードからカレントミラー回路CM1を介してメモリーセルMC1に流れる検出電流ID1は、リファレンス電流IR2に比べて小さくなる。この結果、ノードN1がHレベル側に変化し、ノードN2がLレベル側に変化するため、ノードN1とN2の電圧の大小関係を判定することで、メモリーセルMC1に「0」が記憶されていることを検出できる。
また図2(B)に示すように、シングルモードで第2のメモリーセルMD1からデータを読み出す場合には、リファレンス電流源IS1がイネーブル状態に設定され、リファレンス電流源IS2がディスエーブル状態に設定される。メモリーセルMD2からデータを読み出す場合も同様である。
このようにリファレンス電流源IS2がディスエーブル状態に設定されると、VDDノードからカレントミラー回路CM1のトランジスターTA2に流れる電流は、リファレンス電流源IS2には流れずに、ノードN2を介して、検出電流ID2としてメモリーセルMD1に流れるようになる。一方、リファレンス電流源IS1がイネーブル状態に設定されると、VDDノードからカレントミラー回路CM1のトランジスターTA1に流れる電流は、リファレンス電流IR1としてリファレンス電流源IS1を介してVSSノードに流れるようになる。
例えばメモリーセルMD1に「1」が記憶されている場合には、検出電流ID2がリファレンス電流IR1に比べて大きくなるため、ノードN2がLレベル側に変化し、ノードN1がHレベル側に変化する。一方、メモリーセルMD1に「0」が記憶されている場合には、検出電流ID2はリファレンス電流IR1に比べて小さくなるため、ノードN2がHレベル側に変化し、ノードN1がLレベル側に変化する。従って、ノードN1とN2の電圧の大小関係を判定することで、メモリーセルMD1に「1」、「0」のいずれが記憶されているのかを検出できる。
図3は、デュアルモードでの相補データの読み出し動作を説明するための図である。デュアルモードでは、リファレンス電流源IS1及びIS2が共にディスエーブル状態に設定される。
このようにリファレンス電流源IS1、IS2がディスエーブル状態に設定されると、VDDノードからカレントミラー回路CM1のトランジスターTA1、TA2に流れる電流は、リファレンス電流源IS1、IS2には流れずに、ノードN1、N2を介して、検出電流ID1、ID2としてメモリーセルMC1、MD1に流れるようになる。
従って、検出電流ID1とID2の大きさを比較することで、メモリーセルMC1、MD1に記憶されている相補データを検出できる。
具体的には、メモリーセルMC1に「1」が記憶され、メモリーセルMD1に、「1」と相補関係にある「0」が記憶されている場合には、検出電流ID1はID2に比べて大きくなるため、ノードN1がLレベル側に変化し、ノードN2がHレベル側に変化する。従って、ノードN1とN2の電圧の大小関係を判定することで、メモリーセルMC1、MD1に相補データとしての「1」、「0」が記憶されていることを検出できる。
一方、メモリーセルMC1に「0」が記憶され、メモリーセルMD1に、「0」と相補関係にある「1」が記憶されている場合には、検出電流ID1はID2に比べて小さくなるため、ノードN1がHレベル側に変化し、ノードN2がLレベル側に変化する。従って、ノードN1とN2の電圧の大小関係を判定することで、メモリーセルMC1、MD1に相補データとしての「0」、「1」が記憶されていることを検出できる。
以上のように本実施形態によれば、1セル1ビットモードであるシングルモードに設定することで、第1、第2のメモリーセルMC1、MD1に互いに別個のデータを記憶できる。従って、高集積で大容量の不揮発性記憶装置を実現できる。即ち、シングルモードではデュアルモードに比べて、メモリーセル数に対する記憶容量を例えば2倍にできる。従って、より少ない回路面積で記憶容量の大きな不揮発性記憶装置を提供できる。
一方、2セル1ビットモードであるデュアルモードでは、不揮発性メモリーへの書き込みを浅くしても正確にデータを読み出せるので、エンデュランス特性等を向上できる。
即ち、シングルモードでは、検出電流とリファレンス電流を比較することで、メモリーセルに記憶されているデータを検出している。しかしながら、検出電流やリファレンス電流には、メモリーセルのトランジスターやリファレンス電流生成用のトランジスターのしきい値電圧の製造バラツキ等に起因する電流のバラツキが存在する。従って、正確なデータ検出を実現するためには、検出電流とリファレンス電流の大小関係が明確になるようにマージンを持たせる必要があり、不揮発性メモリーに対して深い書き込みを行う必要が生じる。この結果、エンデュランス特性等が劣化するおそれがある。
この点、デュアルモードでは、メモリーセルMC1による検出電流ID1とメモリーセルMD1による検出電流ID2を差動で比較することで、メモリーセルMC1、MD1に記憶される相補データを検出している。従って、メモリーセルMC1とMD1の検出電流(しきい値電圧)の間に若干の差が存在すれば、相補データを検出できる。従って、不揮発性メモリーに対して浅い書き込みを行っても、正確なデータ検出を実現できるため、シングルモードの場合に比べてエンデュランスを向上できる。
そして本実施形態の不揮発性記憶装置によれば、図2(A)〜図3に示すように、シングルモードとデュアルモードを任意に切り替えることが可能になる。即ち、1つの不揮発性メモリーを、使用目的に応じて動作モードを切り替えて使用できるようになるため、ユーザの利便性を向上できる。
例えば、メモリーの高集積・大容量を必要とする一方で、書き換え回数が少ない使用目的の場合には、動作モードをシングルモードに設定する。例えば不揮発性メモリーにプロセッサーを動作させるためのプログラムを記憶する使用用途である場合は、高集積・大容量を必要とし、プログラムであるため書き換え回数も最小限で済む。従って、このような使用目的では、動作モードをシングルモードに設定して、1セル1ビット方式で不揮発性メモリーを使用する。
一方、書き換え回数が多かったり、データの読み出し等についての高速性を必要とする使用目的の場合には、動作モードをデュアルモードに設定する。例えば不揮発性メモリーに対して、各種のデータ(例えば書き換えが頻繁に行われるデータ)を記憶する使用用途である場合には、書き換え回数が多く、高速性も必要とする。従って、このような使用目的では、動作モードをデュアルモードに設定し、エンデュランス特性が良好で、差動方式で高速にデータを読み出すことが可能な2セル1ビット方式で不揮発性メモリーを使用する。
このように本実施形態によれば、1つの不揮発性メモリーを1セル1ビット方式、2セル1ビット方式に使い分けることができるので、システムの使用用途に応じた汎用的な使い方が可能な不揮発性記憶装置を提供できる。
また本実施形態によれば、図1に示すように、シングルモードとデュアルモードで、センスアンプSA1などの読み出し回路RCを共用できる。また、後述するワード・ソース線ドライバーやローデコーダーやカラムデコーダーなどの周辺回路も、シングルモードとデュアルモードで共用できる。従って、回路面積の増加を最小限に抑えながら、シングルモードとデュアルモードを両立することが可能な不揮発性記憶装置を提供できる。
2.詳細な構成例
図4に本実施形態の不揮発性記憶装置の詳細な構成例を示す。図4では、第1のセンスアンプSA1に加えて、第2のセンスアンプSA2、出力回路QC、カラム選択回路CSLが設けられている。また、読み出し回路RCを制御する制御回路CCが設けられている。
図4では読み出し回路RCは、センスアンプSA1の後段に設けられる第2のセンスアンプSA2を含む。このセンスアンプSA2は、センスアンプSA1のノードN1からの信号(電圧、電流等)とノードN2からの信号が入力されるアンプである。具体的にはセンスアンプSA2は、ノードN1とN2の電圧を差動増幅してデータを検出する。
センスアンプSA2は、信号増幅用のトランジスターTB1、TB2と、カレントミラー回路CM2を含む。増幅用のP型(広義には第2導電型)のトランジスターTB1は、VDDノードとセンスアンプSA2の第1の出力ノードNQ1との間に設けられ、そのゲートにセンスアンプSA1のノードN1が接続される。増幅用のP型のトランジスターTB2は、VDDノードとセンスアンプSA2の第2の出力ノードNQ2との間に設けられ、そのゲートにセンスアンプSA1のノードN2が接続される。
センスアンプSA2のカレントミラー回路CM2は、カレントミラーのペアーとなるトランジスターTB3、TB4を含む。N型(広義には第1導電型)のトランジスターTB3は、センスアンプSA2の出力ノードNQ1とVSSノードとの間に設けられ、N型のトランジスターTB4は、出力ノードNQ2とVSSノードとの間に設けられる。そしてトランジスターTB3、TB4のゲートは、例えば出力ノードNQ2に共通接続される。
また図4では読み出し回路RCは、センスアンプSA2の後段に設けられる出力回路QCを含む。この出力回路QCは、センスアンプSA2で検出されたデータを、データ信号DQとして出力するための回路である。
この出力回路QCは、シングルモード(第1のモード)で第1のメモリーセル(MC11〜MC14、MC21〜MC24)からデータを読み出す場合には、センスアンプSA2の第1の出力ノードNQ1を選択する。即ち、出力ノードNQ1からの出力信号に対応するデータ信号DQを出力する。
また出力回路QCは、シングルモードで第2のメモリーセル(MD11〜MD14、MD21〜MD24)からデータを読み出す場合には、センスアンプSA2の第2の出力ノードNQ2を選択する。即ち、出力ノードNQ2からの出力信号に対応するデータ信号DQを出力する。
一方、出力回路QCは、デュアルモード(第2のモード)で第1のメモリーセル及び第2のメモリーセルから相補データを読み出す場合には、センスアンプSA2の第1の出力ノードNQ1を選択する。即ち、センスアンプSA2の2つの出力ノードの一方の出力ノードからの出力信号に対応するデータ信号DQを出力する。
このようにすれば、シングルモードとデュアルモードの両方を使用可能にした場合にも、出力回路QCを共用できるようになる。即ち、比較例の手法として、シングルモード用の出力回路と、デュアルモード用の出力回路を別個に設ける手法も考えられるが、この比較例の手法に比べて、出力回路の個数を減らすことが可能になり、回路の小規模化を図れる。
また図4では読み出し回路QCは、カラム選択回路CSLを含む。このカラム選択回路CSLは、カラムアドレスに基づくカラム選択(ビット線選択)を行うための回路であり、例えばメモリーセルアレイMAとセンスアンプSA1との間に設けられる。
カラム選択回路CSLは第1の選択回路SL1を含む。この第1の選択回路SL1は、シングルモードで第1のメモリーセルからデータを読み出す場合には、第1のメモリーセルに対応する第1のビット線(BLC、BLC1〜BLC4)を選択する。例えば第1のメモリーセルに対応する第1のビット線を選択して、センスアンプSA1のノードN1に電気的に接続する。
また第1の選択回路SL1は、シングルモードで第2のメモリーセルからデータを読み出す場合には、第2のメモリーセルに対応する第2のビット線(BLD、BLD1〜BLD4)を選択する。例えば第2のメモリーセルに対応する第2のビット線を選択して、センスアンプSA1のノードN2に電気的に接続する。
また図4では、メモリーセルアレイMAは、第1のメモリーセルMC11〜MC14、MC21〜MC24が配置される第1のメモリーセル群MG1(第1のメモリーセルアレイ)と、第2のメモリーセルMD11〜MD14、MD21〜MD24が配置される第2のメモリーセル群MG2(第2のメモリーセルアレイ)を有する。
第1のメモリーセル群MG1には、第1のメモリーセルMC11〜MC14、MC21〜MC24が接続される第1のビット線群BLC1〜BLC4が設けられる。第2のメモリーセル群MG2には、第2のメモリーセルMD11〜MD14、MD21〜MD24が接続される第2のビット線群BLD1〜BLD4が設けられる。また第1のメモリーセルMC11〜MC14と第2のメモリーセルMD11〜MD14には、第1のワード線WL1が接続され、第1のメモリーセルMC21〜MC24と第2のメモリーセルMD21〜MD24には、第2のワード線WL2が接続される。
カラム選択回路CSLは、第2の選択回路SL2を含む。この第2の選択回路SL2は、第1のメモリーセル群MG1の第1のビット線群BLC1〜BLC4の中から、カラムアドレスに対応するビット線を選択する。例えば後述する図11のカラムデコーダーCDECのデコード結果に基づいてビット線を選択する。
また第2の選択回路SL2は、第2のメモリーセル群MG2の第2のビット線群BLD1〜BLD4の中から、カラムアドレスに対応するビット線を選択する。なお、第1、第2の選択回路SL1、SL2については、後述する図5で詳細に説明する。
制御回路CC(制御信号出力回路)は、読み出し回路RCを制御するための回路であり、例えばセンスアンプSA1、出力回路QC、カラム選択回路CSLを制御するための制御信号SS1、SS2、SS3を生成して出力する。
例えば制御回路CCは、第1のメモリーセル(MG1)の選択を指示する第1の選択指示信号(後述する図5のYA0)と、第2のメモリーセル(MG2)の選択を指示する第2の選択指示信号(図5のYA1)と、シングルモードとデュアルモードのモード選択信号(図5のDUAL)を受ける。
そして制御回路CCは、これらの第1、第2の選択指示信号(YA0、YA1)、モード選択信号(DUAL)に基づいて、センスアンプSA1のリファレンス電流源IS1、IS2のディスエーブル状態、イネーブル状態を制御するための制御信号SS1を出力する。
この制御信号SS1を用いることで、図2(A)に示すようにシングルモードで第1のメモリーセルを読み出す場合には、リファレンス電流源IS1がディスエーブル状態に設定され、リファレンス電流源IS2がイネーブル状態に設定される。また図2(B)に示すように、シングルモードで第2のメモリーセルを読み出す場合には、リファレンス電流源IS1がイネーブル状態に設定され、リファレンス電流源IS2がディスエーブル状態に設定される。また図3に示すように、デュアルモードで第1、第2のメモリーセルの相補データを読み出す場合には、リファレンス電流源IS1、IS2が共にディスエーブル状態に設定される。
また制御回路CCは、第1、第2の選択指示信号、モード選択信号に基づいて、出力回路QCによる出力ノードNQ1、NQ2の出力選択を制御するための制御信号SS2を出力する。
出力回路QCは、この制御信号SS2を用いることで、シングルモードで第1のメモリーセル(MG1)からデータを読み出す場合には、センスアンプSA2の出力ノードNQ1を選択し、シングルモードで第2のメモリーセル(MG2)からデータを読み出す場合には、センスアンプSA2の出力ノードNQ2を選択する。また出力回路QCは、デュアルモードで、第1、第2のメモリーセルから相補データを読み出す場合には、センスアンプSA2の例えば出力ノードNQ1を選択する。
また制御回路CCは、第1、第2の選択指示信号、モード選択信号に基づいて、カラム選択回路CSLの第1の選択回路SL1によるビット線選択を制御するための制御信号SS3を出力する。
第1の選択回路SL1は、この制御信号SS3を用いることで、シングルモードで第1のメモリーセルからデータを読み出す場合には、第1のメモリーセル側のビット線BLCを選択状態に設定し、シングルモードで第2のメモリーセルからデータを読み出す場合には、第2のメモリーセル側のビット線BLDを選択状態にする。また第1の選択回路SL1は、デュアルモードで第1、第2のメモリーセルから相補データを読み出す場合には、ビット線BLC、BLDの両方を選択状態にする。
3.センスアンプ、出力回路、カラム選択回路、制御回路の構成例
図5に本実施形態の不揮発性記憶装置の更に詳細な構成例を示す。図5では、センスアンプSA1、SA2、出力回路QC、カラム選択回路CSLの第1、第2の選択回路SL1、SL2、制御回路CCの詳細な構成例が示されている。なお、本実施形態の不揮発性記憶装置は図5の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
3.1 センスアンプ
図5では、センスアンプSA1のカレントミラー回路CM1は、P型のトランジスターTA11、TA12、TA13、TA14、TA21、TA22、TA23、TA24を含む。
そしてトランジスターTA11、TA12のゲートはノードN2に接続され、トランジスターTA21、TA22のゲートはノードN1に接続される。これによりクロスカップリングのカレントミラー回路CM1が実現される。
このようにカレントミラー回路CM1をクロスカップリングの構成にすれば、例えばノードN1がLレベル又はHレベルの一方の電圧レベルに変化し、ノードN2が他方の電圧レベルに変化した場合に、この電圧変化を加速させて、安定した状態に素速く移行させることができる。これによりセンスアンプSA1のセンシングの感度や応答性を向上できる。
またトランジスターTA13、TA14、TA23、TA24のゲートには、センスアンプSA1のイネーブル信号XENSA1が入力される。ここで「X」は負論理を意味する。そしてイネーブル信号XENSA1がLレベル(アクティブ)になると、P型のトランジスターTA13、TA14、TA23、TA24がオンになり、センスアンプSA1の動作がイネーブル状態に設定される。一方、イネーブル信号XENSA1がHレベル(非アクティブ)になると、トランジスターTA13、TA14、TA23、TA24がオフになり、センスアンプSA1の動作がディスエーブル状態に設定される。
また図5では、リファレンス電流源IS1は、N型のトランジスターTA3、TA5により構成され、リファレンス電流源IS2は、N型のトランジスターTA4、TA6のより構成される。そしてトランジスターTA3、TA4のゲートには、定電圧であるリファレンス電圧VREFが入力され、これにより定電流源が実現される。
またトランジスターTA5のゲートには、第1のイネーブル信号ENB1が入力され、トランジスターTA6のゲートには、第2のイネーブル信号ENB2が入力される。
例えば図2(A)のシングルモードでの第1のメモリーセルの読み出し時には、イネーブル信号ENB1がLレベルになりN型のトランジスターTA5がオフになることで、リファレンス電流源IS1がディスエーブル状態に設定される。またイネーブル信号ENB2がHレベルになりN型のトランジスターTA6がオンになることで、リファレンス電流源IS2がイネーブル状態に設定される。
また図2(B)のシングルモードでの第2のメモリーセルの読み出し時には、イネーブル信号ENB1がHレベルになりトランジスターTA5がオンになることで、リファレンス電流源IS1がイネーブル状態に設定される。またイネーブル信号ENB2がLレベルになりトランジスターTA6がオフになることで、リファレンス電流源IS2がディスエーブル状態に設定される。
また図3のデュアルモードでの読み出し時には、イネーブル信号ENB1、ENB2が共にLレベルになり、トランジスターTA5、TA6がオフになることで、リファレンス電流源IS1、IS2が共にディスエーブル状態に設定される。
また図5では、センスアンプSA2のカレントミラー回路CM2は、N型のトランジスターTB31、TB32、TB33、TB34、TB41、TB42、TB43、TB44を含む。
そしてトランジスターTB31、TB32のゲートは出力ノードNQ2に接続され、トランジスターTB41、TB42のゲートは出力ノードNQ1に接続される。これによりクロスカップリングのカレントミラー回路CM2が実現される。
またトランジスターTB33、TB34、TB43、TB44のゲートには、センスアンプSA2のイネーブル信号ENSA2が入力される。このイネーブル信号ENSA2を用いることで、センスアンプSA2の動作のイネーブル状態、ディスエーブル状態を設定できる。
3.2 出力回路
図5では、出力回路QCは、バッファー回路BF1、BF2、BF3を含む。バッファー回路BF1には、センスアンプSA2の出力ノードNQ1からの信号が入力される。バッファー回路BF2には、センスアンプSA2の出力ノードNQ2からの信号が入力される。バッファー回路BF3には、バッファー回路BF1、BF2からの出力信号が入力される。そしてバッファー回路BF1はイネーブル信号ENQ1がHレベルになると、その動作がイネーブル状態に設定され、バッファー回路BF2はイネーブル信号ENQ2がHレベルになると、その動作がイネーブル状態に設定される。
例えば図2(A)のシングルモードでの第1のメモリーセルの読み出し時には、イネーブル信号ENQ1がHレベルになりバッファー回路BF1がイネーブル状態に設定され、イネーブル信号ENQ2がLレベルになりバッファー回路BF2がディスエーブル状態に設定される。これにより、センスアンプSA2の出力ノードNQ1からの信号が、バッファー回路BF1、BF3によりバッファリングされて、データ信号DQとして出力されるようになる。
また図2(A)のシングルモードでの第2のメモリーセルの読み出し時には、イネーブル信号ENQ1がLレベルになりバッファー回路BF1がディスエーブル状態に設定され、イネーブル信号ENQ2がHレベルになりバッファー回路BF2がイネーブル状態に設定される。これにより、センスアンプSA2の出力ノードNQ2からの信号が、バッファー回路BF2、BF3によりバッファリングされて、データ信号DQとして出力されるようになる。
また図3のデュアルモードでの読み出し時には、イネーブル信号ENQ1がHレベルになりバッファー回路BF1がイネーブル状態に設定され、イネーブル信号ENQ2がLレベルになりバッファー回路BF2がディスエーブル状態に設定される。これにより、センスアンプSA2の出力ノードNQ1からの信号が、バッファー回路BF1、BF3によりバッファリングされて、データ信号DQとして出力されるようになる。
3.3 カラム選択回路
図5に示すように、カラム選択回路CSLの第1の選択回路SL1は、N型のトランジスターTC1、TC2により構成される。また第2の選択回路SL2は、N型のトランジスターTC11、TC12、TC13、TC14、TC21、TC22、TC23、TC24により構成される。
第1の選択回路SL1のトランジスターTC1は、第2の選択回路SL2の出力ノードNC1と、センスアンプSA1のノードN1との間に設けられ、そのゲートにビット線の選択信号YAC1が入力される。トランジスターTC2は、第2の選択回路SL2の出力ノードNC2と、センスアンプSA1のノードN2との間に設けられ、そのゲートにビット線の選択信号YAC2が入力される。
例えば図2(A)のシングルモードでの第1のメモリーセルの読み出し時には、選択信号YAC1がHレベルになってトランジスターTC1がオンになると共に、YAC2がLレベルになってTC2はオフになる。これにより、ノードNC1とN1が電気的に接続される。
また図2(B)のシングルモードでの第2のメモリーセルの読み出し時には、選択信号YAC2がHレベルになってトランジスターTC2がオンになると共に、YAC1がLレベルになってTC1はオフになる。これにより、ノードNC2とN2が電気的に接続される。
また図3のデュアルモードでの読み出し時には、選択信号YAC1、YAC2が共にHレベルになって、トランジスターTC1、TC2が共にオンになる。これにより、ノードNC1とN1が電気的に接続されると共にノードNC2とN2が電気的に接続される。
第2の選択回路SL2のトランジスターTC11、TC12、TC13、TC14の各々は、第1のメモリーセル群MG1のビット線群BLC1、BLC2、BLC3、BLC4の各々とノードNC1との間に設けられる。
また第2の選択回路SL2のトランジスターTC21、TC22、TC23、TC24の各々は、第2のメモリーセル群MG2のビット線群BLD1、BLD2、BLD3、BLD4の各々とノードNC2との間に設けられる。
そして、トランジスターTC11、TC21のゲートにはカラム選択信号YB0が入力され、TC12、TC22のゲートにはYB1が入力され、TC13、TC23のゲートにはYB2が入力され、TC14、TC24のゲートにはYB3が入力される。
これらのカラム選択信号YB0、YB1、YB2、YB3は、カラムアドレスに応じてHレベル(アクティブ)又はLレベル(非アクティブ)に設定される。例えばビット線BLC1、BLD1の選択時には選択信号YB0がHレベルになり、BLC2、BLD2の選択時にはYB1がHレベルになり、BLC3、BLD3の選択時にはYB2がHレベルになり、BLC4、BLD4の選択時にはYB3がHレベルになる。
3.4 制御回路
図5に示すように、制御回路CCは、AND回路AN1、AN2、AN3、OR回路OR1、OR2、OR3、インバーターIV3により構成される。
AND回路AN1は、第1のメモリーセルの選択を指示するための負論理の選択指示信号XYA0と、負論理のモード選択信号XDUALが入力され、イネーブル信号ENB1をセンスアンプSA1のトランジスターTA5に出力する。AND回路AN2は、第2のメモリーセルの選択を指示するための負論理の選択指示信号XYA1と、負論理のモード選択信号XDUALが入力され、イネーブル信号ENB2をセンスアンプSA1のトランジスターTA6に出力する。
OR回路OR1は、第1のメモリーセルの選択指示信号YA0と、モード選択信号DUALが入力され、イネーブル信号ENQ1を出力回路QCのバッファー回路BF1に出力する。AND回路AN3は、第2のメモリーセルの選択指示信号YA1と、モード選択信号DUALの反転信号が入力され、イネーブル信号ENQ2を出力回路QCのバッファー回路BF2に出力する。
OR回路OR2は、選択指示信号YA0とモード選択信号DUALが入力され、選択信号YAC1を第1の選択回路SL1のトランジスターTC1に出力する。OR回路OR3は、選択指示信号YA1とモード選択信号DUALが入力され、選択信号YAC2を第1の選択回路SL1のトランジスターTC2に出力する。
3.5 動作
次に、図6〜図9の信号波形例を用いて、図5の不揮発性記憶装置の動作の詳細について説明する。
図6は、ワード線WL1に接続される図5の第1のメモリーセルMC11のデータを、シングルモードで読み出す場合の信号波形例である。この場合には、第1のメモリーセルの選択指示信号YA0がHレベル、第2のメモリーセルの選択指示信号YA1がLレベル、モード選択信号DUALがLレベルに設定される。また図6では、第1のメモリーセルMC11が「1」のデータを記憶しているものとする。
図6のB1に示すようにメモリー選択信号SELMEMがHレベル(アクティブ)になり、ワード線WL1がHレベルになると、ワード線WL1に接続される第1のメモリーセルMC11〜MC14、第2のメモリーセルMD11〜MD14が選択状態になる。
そして、カラムアドレスによりビット線BLC1、BLD1が選択されているため、図6のB3に示すようにカラム選択信号YB0がHレベルになり、図5の第2の選択回路SL2のトランジスターTC11、TC21がオンになる。これにより第1のメモリーセルMC11に対応するビット線BLC1とノードNC1との間が電気的に接続されると共に、第2のメモリーセルMD11に対応するビット線BLD1とノードNC2との間が電気的に接続される。
この時、第1のメモリーセルの選択指示信号YA0がHレベル、第2のメモリーセルの選択指示信号YA1がLレベル、モード選択信号DUALがLレベルに設定されているため、図6のB4に示すように選択信号YAC1がHレベルになり、選択信号YAC2がLレベルになる。従って、トランジスターTC1がオンになり、トランジスターTC2がオフになる。この結果、第1のメモリーセルMC11のビット線BLC1とセンスアンプSA1のノードN1との間が電気的に接続される一方で、第2のメモリーセルMD11のビット線BLD1とセンスアンプSA1のノードN2との間が電気的に非接続になる。これにより、図2(A)に示すようなシングルモードでの第1のメモリーセルMC11のデータ読み出しのためのビット線選択が実現される。
そして図6のB5に示すプリチャージ期間TPRでは、B6に示すようにイネーブル信号ENB1、ENB2が共にHレベルになる。これにより、センスアンプSA1のリファレンス電流源IS1、IS2のトランジスターTA5、TA6が共にオンになり、ノードN1、N2のプリチャージ動作が実現される。
一方、B7に示すセンシング期間TSEでは、B8に示すようにイネーブル信号ENB1がLレベルになり、イネーブル信号ENB2がHレベルになる。これにより、図5のトランジスターTA5がオフになってリファレンス電流源IS1がディスエーブル状態に設定され、トランジスターTA6がオンになってリファレンス電流源IS2がイネーブル状態に設定される。この結果、図2(A)に示すようなシングルモードでの第1のメモリーセルMC11からのデータ読み出しが実現される。
そして、上述のように第1のメモリーセルMC11は「1」を記憶しているため、図2(A)の検出電流ID1の方がリファレンス電流IR2よりも大きくなる。従って、図6のB9に示すようにセンスアンプSA1のノードN1がLレベル側に変化し、ノードN2がHレベル側に変化する。すると、後段の第2のセンスアンプSA2がノードN1、N2の電圧差の変化を差動増幅し、B10に示すように第2のセンスアンプSA2の出力ノードNQ1がHレベルに変化し、出力ノードNQ2がLレベルに変化する。
この時、B11に示すように出力回路QCのイネーブル信号ENQ1はHレベルに設定され、イネーブル信号ENQ2はLレベルに設定されているため、出力回路QCは、出力ノードNQ1の方を選択する。この結果、B12に示すように、第1のメモリーセルMC11の記憶データ「1」に対応するHレベルのデータ信号DQが出力されるようになる。
図7は、ワード線WL1に接続される図5の第2のメモリーセルMD12のデータを、シングルモードで読み出す場合の信号波形例である。この場合には、第1のメモリーセルの選択指示信号YA0がLレベル、第2のメモリーセルの選択指示信号YA1がHレベル、モード選択信号DUALがLレベルに設定される。また図7では、第2のメモリーセルMD12が「0」のデータを記憶しているものとする。
図7では、カラムアドレスによりビット線BLC2、BLD2が選択されているため、C1に示すようにカラム選択信号YB1がHレベルになり、図5のトランジスターTC12、TC22がオンになる。また第2のメモリーセルの選択指示信号YA1がHレベルに設定されているため、C2に示すように選択信号YAC2がHレベルになる。これにより、トランジスターTC1がオフになる一方で、トランジスターTC2がオンになる。この結果、第1のメモリーセルMC12のビット線BLC2とセンスアンプSA1のノードN1との間が電気的に非接続になる一方で、第2のメモリーセルMD12のビット線BLD2とセンスアンプSA1のノードN2との間が電気的に接続される。これにより、図2(B)に示すようなシングルモードでの第2のメモリーセルMD12のデータ読み出しのためのビット線選択が実現される。
そして図7のC3に示すプリチャージ期間TPRの後のC4に示すセンシング期間TSEでは、C5に示すようにイネーブル信号ENB1がHレベルになり、イネーブル信号ENB2がLレベルになる。これにより、図5のトランジスターTA5がオンになってリファレンス電流源IS1がイネーブル状態に設定され、トランジスターTA6がオフになってリファレンス電流源IS2がディスエーブル状態に設定される。この結果、図2(B)に示すようなシングルモードでの第2のメモリーセルMD12からのデータ読み出しが実現される。
そして、上述のように第2のメモリーセルMD12は「0」を記憶しているため、図2(B)の検出電流ID2の方がリファレンス電流IR1よりも小さくなる。従って、図7のC6に示すようにノードN1がLレベル側に変化し、ノードN2がHレベル側に変化する。これにより、C7に示すように第2のセンスアンプSA2の出力ノードNQ1がHレベルに変化し、出力ノードNQ2がLレベルに変化する。
この時、C8に示すように出力回路QCのイネーブル信号ENQ2がHレベルに設定されているため、出力回路QCは、出力ノードNQ2の方を選択する。この結果、C9に示すように、第2のメモリーセルMD12の記憶データ「0」に対応するLレベルのデータ信号DQが出力されるようになる。
図8は、ワード線WL2に接続される図5の第1、第2のメモリーセルMC21、MD21に記憶される相補データを、デュアルモードで読み出す場合の信号波形例である。この場合には、モード選択信号DUALがHレベルに設定される。また図8では、第1、第2のメモリーセルMC21、MD21が、各々、相補関係にある「1」、「0」のデータを記憶しているものとする。
図8では、D1に示すようにワード線WL2がHレベルになっている。またカラムアドレスによりビット線BLC1、BLD1が選択されているため、D2に示すようにカラム選択信号YB0がHレベルになり、図5のトランジスターTC11、TC21がオンになる。またモード選択信号DUALがHレベルに設定されているため、D3に示すように選択信号YAC1、YAC2が共にHレベルになり、トランジスターTC1、TC2が共にオンになる。この結果、第1のメモリーセルMC21のビット線BLC1とセンスアンプSA1のノードN1との間が電気的に接続されると共に、第2のメモリーセルMD21のビット線BLD1とセンスアンプSA1のノードN2との間も電気的に接続される。これにより、図3に示すようなデュアルモードでの第1、第2のメモリーセルMC21、MD21の相補データ読み出しのためのビット線選択が実現される。
そして図8のD4に示すプリチャージ期間TPRの後のD5に示すセンシング期間TSEでは、D6に示すようにイネーブル信号ENB1、ENB2が共にLレベルになる。これにより、図5のトランジスターTA5、TA6が共にオフになってリファレンス電流源IS1、IS2が共にディスエーブル状態に設定される。この結果、図3に示すようなデュアルモードでの第1、第2のメモリーセルMC21、MD21からの相補データの読み出しが実現される。
そして、上述のように第1、第2のメモリーセルMC21、MD21は、各々、「1」、「0」のデータを記憶しているため、図3の検出電流ID1の方が検出電流ID2よりも大きくなる。従って、図8のD7に示すようにノードN1がLレベル側に変化し、ノードN2がHレベル側に変化する。これにより、D8に示すように第2のセンスアンプSA2の出力ノードNQ1がHレベルに変化し、出力ノードNQ2がLレベルに変化する。
この時、D9に示すように出力回路QCのイネーブル信号ENQ1がHレベルに設定されているため、出力回路QCは、出力ノードNQ1の方を選択する。この結果、D10に示すように、第1、第2のメモリーセルMC21、MD21が記憶する「1」、「0」の相補データに対応するHレベルのデータ信号DQが出力されるようになる。
図9は、ワード線WL2に接続される図5の第1、第2のメモリーセルMC22、MD22に記憶される相補データを、デュアルモードで読み出す場合の信号波形例である。この場合には、モード選択信号DUALがHレベルに設定される。また図9では、第1、第2のメモリーセルMC22、MD22が、各々、相補関係にある「0」、「1」のデータを記憶しているものとする。
図9では、E1に示すようにワード線WL2がHレベルになっている。またカラムアドレスによりビット線BLC2、BLD2が選択されているため、E2に示すようにカラム選択信号YB1がHレベルになり、図5のトランジスターTC12、TC22がオンになる。またモード選択信号DUALがHレベルに設定されているため、E3に示すように選択信号YAC1、YAC2が共にHレベルになり、トランジスターTC1、TC2が共にオンになる。この結果、第1のメモリーセルMC22のビット線BLC2とセンスアンプSA1のノードN1との間が電気的に接続されると共に、第2のメモリーセルMD22のビット線BLD2とセンスアンプSA1のノードN2との間も電気的に接続される。これにより、図3に示すようなデュアルモードでの第1、第2のメモリーセルMC22、MD22の相補データ読み出しのためのビット線選択が実現される。
そして図9のE4に示すプリチャージ期間TPRの後のE5に示すセンシング期間TSEでは、E6に示すようにイネーブル信号ENB1、ENB2が共にLレベルになる。これにより、図5のトランジスターTA5、TA6がオフになってリファレンス電流源IS1、IS2が共にディスエーブル状態に設定される。この結果、図3に示すようなデュアルモードでの第1、第2のメモリーセルMC22、MD22からの相補データの読み出しが実現される。
そして、上述のように第1、第2のメモリーセルMC22、MD22は、各々、「0」、「1」のデータを記憶しているため、図3の検出電流ID1の方が検出電流ID2よりも小さくなる。従って、図9のE7に示すようにノードN1がHレベル側に変化し、ノードN2がLレベル側に変化する。これにより、E8に示すように第2のセンスアンプSA2の出力ノードNQ1がLレベルに変化し、出力ノードNQ2がHレベルに変化する。
この時、E9に示すように出力回路QCのイネーブル信号ENQ1がHレベルに設定されているため、出力回路QCは、出力ノードNQ1の方を選択する。この結果、E10に示すように、第1、第2のメモリーセルMC22、MD22が記憶する「0」、「1」の相補データに対応するLレベルのデータ信号DQが出力されるようになる。
4.ベリファイ動作
次に本実施形態の不揮発性記憶装置のベリファイ動作について説明する。本実施形態では、読み出し回路RCは、通常動作でのデータ読み出し時には、第1のメモリーセル及び第2のメモリーセルが相補データを記憶している場合に、デュアルモード(第2のモード)で第1のメモリーセル及び第2のメモリーセルから相補データを読み出す。
一方、ベリファイ動作時には、第1のメモリーセル及び第2のメモリーセルが相補データを記憶している場合であっても、シングルモード(第1のモード)で第1のメモリーセル、第2のメモリーセルからデータを読み出す。
例えば図3に示すように、第1、第2のメモリーセルMC1、MC2が相補データを記憶している場合には、不揮発性記憶装置の通常動作においてデータを読み出す際に、デュアルモード(2セル1ビット方式)で相補データを読み出す。即ち、センスアンプSA1のカレントミラー回路CM1から第1のメモリーセルMC1に流れる検出電流ID1と、カレントミラー回路CM1から第2のメモリーセルMD1に流れる検出電流ID2を比較することで、相補データの読み出しを実行する。
これに対して、データのプログラム(書き込み)や消去などのデータ書き換えについてのデータベリファイ時には、シングルモード(1セル1ビット方式)で、第1、第2のメモリーセルMC1、MD1のデータを個別に読み出す。
即ち、図10(A)に示すように、第1のメモリーセルMC1のデータのベリファイ(確認)時には、シングルモードに設定して第1のメモリーセルMC1のデータを読み出す。具体的には、センスアンプSA1のカレントミラー回路CM1からメモリーセルMC1に流れる検出電流ID1と、カレントミラー回路CM2からリファレンス電流源IS2に流れるリファレンス電流IR2を比較することで、第1のメモリーセルMC1に記憶されるデータ(相補データのうちの一方のデータ)を読み出す。
一方、図10(B)に示すように、第2のメモリーセルMD1のデータのベリファイ(確認)時には、シングルモードに設定して第2のメモリーセルMD1のデータを読み出す。具体的には、カレントミラー回路CM1からメモリーセルMD1に流れる検出電流ID2と、カレントミラー回路CM2からリファレンス電流源IS1に流れるリファレンス電流IR1を比較することで、第2のメモリーセルMD1に記憶されるデータ(相補データのうちの他方のデータ)を読み出す。そして、例えば図10(A)、図10(B)で読み出されたデータの両方が正しいデータであるか否かを確認する。
例えば、2セル1ビット方式での読み出しは、差動信号で行われるため、相互の信号の大小関係が正しければ、正しいデータを読み出すことが可能になる。
しかしながら、データのベリファイを行う際には、デュアルモードでデータを読み出してしまうと、差動信号の相互の信号差にどれだけのマージンがあるのか、或いは信号レベルがどのようなレベルにあるのかを確認することができず、回路動作上の限界近くの状態になっていても、その状態を把握したり、その状態を制御することが困難になる。
この点、本実施形態では、1セル1ビット方式のシングルモードと、2セル1ビット方式のデュアルモードを、モード選択信号DUAL等の信号によって任意に切り替えることができる。
そこで、通常に相補データを読み出す際には、2セル1ビット方式で読み出しを行い、データ書き換え(プログラム/消去)のベリファイについては、1セル1ビット方式でのリファレンスレベル(リファレンス電流、リファレンス電圧)との比較によって、データの読み出しを実行する。
このようにすれば、データのベリファイについては、リファレンスレベルを基準にして、リファレンスレベルとの比較によって行われるようになるため、エンデュランス回数によるメモリーセルの書き込みレベルの変動を抑制でき、メモリーセルの安定した動作・特性を得ることができる。例えばリファレンス電圧を生成するためのリファレンスセルについては、書き換えは行われないので、特性を一定にできる。
そして、データ読み出しの1対のメモリーセルMC1、MD1のデータベリファイを、図10(A)、図10(B)に示すように個別に行えば、これらのメモリーセルMC1、MC2の相補関係を、リファレンスレベルよりも僅かに消去側、或いはプログラム側にレベル設定することによってデータ状態が記憶されるようになる。即ち、これらのメモリーセルMC1、MD1のしきい値電圧の電圧レベルを、リファレンスレベル(リファレンス電圧、リファレンス電流)に対応するしきい値電圧よりも、僅かに消去側、或いは僅かにプログラム側の電圧レベルに設定できるようになる。従って、プログラムや消去を必要以上に深く行う必要がなくなり、書き換えのストレスが低減して、エンデュランス特性等を向上できる。
5.全体構成
図11に本実施形態の不揮発性記憶装置の全体構成例を示す。この記憶装置は、例えばMONOS(Metal-Oxide-Nitride-Oxide-Semiconductor型又はフローティングゲート型などの不揮発性記憶装置であって、メモリーブロックMB1、MB2・・・と、アドレスバッファーADBFと、ローデコーダーRDECと、カラムデコーダーCDECを含む。
メモリーブロックMB1は、メモリーセルアレイMA1、ワード・ソース線ドライバーWSDR11、WSDR12、読み出し&書き込み回路RWC1、入出力バッファーIO1を含む。メモリーブロックMB2は、メモリーセルアレイMA2、ワード・ソース線ドライバーWSDR21、WSDR22、読み出し&書き込み回路RWC2、入出力バッファーIO2を含む。
メモリーセルアレイMA1は、電気的にデータの書き込み及び消去が可能な複数の不揮発性メモリーセルを含む。メモリーセルの詳細な構造例については後述する。
ワード・ソース線ドライバーWSDR11、WSDR12は、各メモリーセルに接続されるワード線及びソース線に、読み出し、書き込み、消去の各動作に必要な電圧を印加させるための回路である。ワード・ソース線ドライバーの詳細な構成については後述する。
読み出し&書き込み回路RWC1は、メモリーブロックMB1からのデータの読み出しや、MB1へのデータの書き込みを行うための回路であり、センスアンプやビット線のライトドライバーなどにより構成される。例えばメモリーブロックMB1からのデータの読み出し時には、読み出し&書き込み回路RWC1のセンスアンプが、ビット線の電位をセンシングして増幅することで、データの読み出しが実現される。またメモリーブロックMB1へのデータの書き込み時には、読み出し&書き込み回路RWC1のライトドライバーが、例えばカラムデコーダーCDECにより選択されたビット線をVSSに設定することで、データの書き込み動作が実現される。
なお図1、図4、図5等で説明した読み出し回路RCは、図11の読み出し&書き込み回路RWC1やRWC2に設けられる。
入出力バッファーIO1は、外部の処理部(CPU、制御回路等)が、データを書き込んだり、データを読み出すためのバッファーである。例えば書き込み動作時には、処理部が、メモリーブロックMB1に書き込むべき入力データを、入出力バッファーIO1(書き込み用のデータレジスター)に書き込む。また読み出し動作時には、読み出し&書き込み回路RWC1により読み出されたデータが、入出力バッファーIO1(読み出し用のデータレジスター)を介して処理部により読み出される。
なおメモリーブロックMB2の構成・動作はメモリーブロックMB1と同様であるため、詳細な説明は省略する。
図12に、メモリーブロックMB1(MB2)の詳細な構成例を示す。メモリーブロックMB1は、メモリーセルアレイMA1と、複数のビット線BL1、BL2・・・と、複数のワード線WL1、WL2・・・と、複数のソース線SL1、SL2・・・と、複数のソーススイッチ回路SS1、SS2・・・を含む。なおビット線、ワード線、ソース線の本数やソーススイッチ回路の個数は任意である。またメモリーブロックMB2の構成もメモリーブロックMB1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
メモリーセルアレイMA1には、複数の不揮発性メモリーセルM11、M12、M21、M22・・・が設けられる。これらの各不揮発性メモリーセルは、各ワード線(各ソース線)と各ビット線の交差位置に対応する場所に設けられる。
ソース線SL1、SL2は、ワード線WL1(WS1)、WL2(WS2)に対応して設けられる。例えばソース線SL1はワード線WL1(WS1)に対応して設けられ、ソース線SL2はワード線WL2(WS2)に対応して設けられる。
メインワード線ドライバーDM1、DM2は、図11のローデコーダーRDECに含まれ、メインワード線WL1X、WL2Xを駆動する。また、サブワード線ドライバーDS1、DS2は、図11のワード・ソース線ドライバーWSDR11に含まれ、サブワード線WS1、WS2を駆動する。メインワード線WL1X、WL2Xには反転ワード線信号が出力される。
ソーススイッチ回路SS1、SS2は、ワード線WL1(WS1)、WL2(WS2)及びソース線SL1、SL2に対応して設けられる。例えばソーススイッチ回路SS1は、ワード線WL1(WS1)及びソース線SL1に対応して設けられ、ソーススイッチ回路SS2は、ワード線WL2(WS2)及びソース線SL2に対応して設けられる。
そしてSS1、SS2の各ソーススイッチ回路は、各ソーススイッチ回路に対応するワード線が選択状態になった場合に、印加電圧VPPを、対応するワード線により選択された不揮発性メモリーセルのソースに対して供給する。
例えばワード線WL1が選択され、WL1がHレベル(高電位レベル)になると、サブワード線であるWS1がHレベル(VPP、VDD)になり、WL1の反転ノードであるメインワード線WL1XがLレベル(低電位レベル、VSS)になる。これにより、ソーススイッチ回路SS1(トランスファーゲートのN型及びP型トランジスター)がオンになる。この時、ワード線WL2は非選択状態であり、Lレベルであるため、WS2がLレベル、WL2XがHレベルになり、ソーススイッチ回路SS2はオフになる。
そして、印加電圧VPPが、ソーススイッチ回路SS1を介して、不揮発性メモリーセルM11、M12のソース線SL1に供給される。この結果、ワード線WL1により選択されている不揮発性メモリーセルM11、M12のソースに対してVPPが印加され、書き込み動作や消去動作が実行されるようになる。
ここで印加電圧VPPは、少なくとも書き込み動作(データ書き込み)に用いられる電圧であり、例えば消去動作(データ消去)にも用いることができる。また印加電圧VPPは、通常の回路の電源電圧VDD(動作電源電圧)よりも高い電位の電圧(例えば5V以上の電圧)であり、例えば不揮発性メモリーセルのソースに印加される電圧である。
図13は、図11、図12の不揮発性記憶装置の動作を説明するための図である。図13に示すように、消去動作時には、ワード線WLはVSS(=0V)、ソース線SLはVPP、ビット線BLはフローティング状態に設定される。また書き込み動作時には、ワード線WLはVPP、ソース線SLはVPP、ビット線BLはVSSに設定される。また読み出し動作時には、ワード線WLはVDD、ソース線SLはVSSに設定され、ビット線BLの電位がセンスアンプによりセンシングされてデータが読み出される。
例えば図12において、消去動作時には、消去信号ERがHレベル(VPP)になり、インバーターINVによって、サブワード線ドライバーDS1の電源ノードWSCはVSS(広義には第1の電源電圧)に設定される。更に消去用トランジスターTE1がオンになることによって、ワード線WL1に対応するサブワード線WS1はVSSに設定され、不揮発性メモリーセルM11、M12のゲートにVSSが印加される。この時、ソーススイッチ回路SS1のトランスファーゲートを構成するN型トランジスターがオフになる。また消去信号ERがHレベルになると、インバーターINVによって、サブワード線ドライバーDS2の電源ノードWSCもVSSに設定される。更に消去用トランジスターTE2もオンになることによって、ワード線WL2に対応するサブワード線WS2がVSSに設定され、メモリーセルM21、M22のゲートにVSSが印加される。この時、ソーススイッチ回路SS2のトランスファーゲートを構成するN型トランジスターはオフになる。
そして例えばワード線WL1、WL2が選択され、WL1、WL2がHレベルになると、WL1、WL2の反転ノードであるメインワード線WL1X、WL2Xが、メインワード線ドライバーDM1、DM2によりVSSに設定される。これにより、ソーススイッチ回路SS1、SS2のトランスファーゲートを構成するP型トランジスターがオンになり、ソーススイッチ回路SS1、SS2は導通状態になる。従って、印加電圧VPPが、導通状態になったソーススイッチ回路SS1、SS2を介してソース線SL1、SL2に印加される。この結果、選択された不揮発性メモリーセルM11、M12、M21、M22のソースに対してVPPが印加され、図13に示す消去動作が実行される。なお、この時、図13に示すようにビット線BL1、BL2は、例えば読み出し&書き込み回路RWC1によりフローティング状態に設定される。
また図12において、書き込み動作時には、ワード線WL1が選択されてHレベルになると、WL1のサブワード線WS1は、サブワード線ドライバーDS1によりVPPに設定される。一方、メインワード線WL1Xはメインワード線ドライバーDM1によりVSSに設定される。これにより、ワード線WL1により選択された不揮発性メモリーセルM11、M12のゲートにはVPPが印加されると共に、ソーススイッチ回路SS1はオンになる。従って、印加電圧VPPが、ソーススイッチ回路SS1を介して、ソース線SL1に印加される。従って、ワード線WL1により選択された不揮発性メモリーセルM11、M12のソースにはVPPが印加され、図13に示す書き込み動作が実行される。なお、この時、図13に示すようにビット線BL1、BL2は読み出し&書き込み回路RWC1によりVSSに設定される。具体的には、メモリーセルM11にデータを書き込む場合には、ビット線BL1がVSSに設定され、メモリーセルM12にデータを書き込む場合には、ビット線BL2がVSSに設定される。
また、読み出し動作時においては、電源スイッチ回路(図示せず)により、ソーススイッチ回路に供給される電圧はVPPではなく、VSSに設定される。従って、例えばワード線WL1が選択されて、ソーススイッチ回路SS1がオンになると、ソース線SL1はVSSに設定される。またサブワード線ドライバーDS1に対して、例えば共通電源スイッチ回路(図示せず)によりVPPの代わりにVDDが供給され、これにより不揮発性メモリーセルM11、M12のゲートはVDDに設定され、図13に示す読み出し動作が実行される。
なお以上に説明した本実施形態の不揮発性メモリーセルとしては種々の構造のものを用いることができる。例えばMONOS(Metal-Oxide-Nitride-Oxide-Semiconductor型、フローティングゲート型、強誘電体型(FRAM:Ferroelectric RAM)、相変化型(PCM:Phase Change Memory)、磁気抵抗型(MRAM:Magnetoresistive RAM)などを用いることができるし、これら以外の構造を有するメモリーセルであってもよい。また、OTP(One Time PROM)すなわち1回限り書き換え可能なものであってもよいし、MTP(Multiple Time PROM)すなわち複数回書き換え可能なものであってもよい。
図14は、電気的にデータの書き込み及び消去が可能な不揮発性メモリーセルの構造の一例として、MONOS型を示したものである。なお、本実施形態のメモリーセルは図14に示す構造に限定されるものではない。
図14に示すメモリーセルは、半導体層510、ソースドレイン領域520、第1のゲート絶縁層530、ゲート電荷蓄積層540、第2のゲート絶縁層550、ゲート導電層560及び絶縁層570を有する。ソースドレイン領域520の一方はソース線SLに接続され、他方はビット線BLに接続される。また、ゲート導電層560はワード線WLに接続される。
ゲート電荷蓄積層540は例えば窒化シリコン層(Si3N4層)で形成され、ゲート導電層560は例えばポリシリコン層で形成され、第1、第2のゲート絶縁層530、550及び絶縁層570は例えば酸化シリコン層(SiO2層)で形成される。これによりMONOS構造が実現される。
6.集積回路装置、電子機器
図15(A)、図15(B)に、本実施形態の不揮発性記憶装置を含む集積回路装置及び電子機器の構成例を示す。なお本実施形態の集積回路装置、電子機器は図15(A)、図15(B)の構成には限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
図15(A)の電子機器は、集積回路装置600、センサー700、アンテナ710を含む。また集積回路装置600(マイクロコンピューター等)は、処理部610、記憶部620、不揮発性記憶装置630、検出回路640、無線回路650を含む。
センサー700は、例えば煙センサー、光センサー、人感センサー、圧力センサー、生体センサー、ジャイロセンサーなどである。
集積回路装置600の検出回路640は、センサー700(物理量トランスデューサ)からのセンサー信号に基づいて種々の検出処理(物理量の検出処理)を行う。例えばセンサー信号から所望信号を検出する処理を行う。集積回路装置600の処理部610は、各種の演算処理や集積回路装置600の全体的な制御を行う。この処理部610は、CPU等のプロセッサーやASICの制御回路により実現される。記憶部620は、各種のデータを記憶するものであり、RAM等により実現される。不揮発性記憶装置630は、電気的にデータの書き込み等が可能な記憶装置である。無線回路650は、アンテナ710への信号の無線送信処理を行ったり、アンテナ710からの信号の無線受信処理を行う。
図15(B)の電子機器は、集積回路装置600、外部デバイス720、電気光学パネル730を含む。また集積回路装置600は、処理部610、記憶部620、不揮発性記憶装置630、外部I/F部660、ドライバー670を含む。
外部デバイス720は、電子機器に設けられる種々のデバイスであり、例えば操作部等である。電気光学パネル730は、例えば液晶パネル、有機EL(Electro Luminescence)パネル、無機ELパネル、或いは電気泳動(Electrophoretic Display)パネルなどである。
集積回路装置600の外部I/F(インターフェース)部660は、例えばSPI、USBなどの各種のインターフェースのための制御を行う。ドライバー670は、電気光学パネル730を駆動して画像を表示する制御を行う。
なお本実施形態の電子機器としては、携帯型情報端末、携帯電話機、PDA、携帯型オーディオ機器、時計、リモコン、各種家電装置等の種々の機器を想定できる。
なお、以上のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語(第1の電源ノード、第2の電源ノード、N型、P型等)と共に記載された用語(VSSノード、VDDノード、第1導電型、第2導電型等)は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また不揮発性記憶装置、集積回路装置及び電子機器の構成、動作も本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。例えば本実施形態でP型トランジスターとして説明したトランジスターをN型トランジスターにしたり、N型トランジスターとして説明されたトランジスターをP型トランジスターにする変形実施も可能である。
また、以上では差動信号増幅部がカレントミラー回路である場合を例にとり説明したが、差動信号増幅部としては種々の回路構成が考えられる。
例えば図16(A)は、本実施形態の差動信号増幅部(差動信号増幅回路)が、図1等で説明したカレントミラー負荷の差動信号増幅部(カレントミラー回路)である場合の例である。図16(A)では、トランジスターTA1、TA2のゲート及びトランジスターTA1のドレインがノードN1に共通接続され、トランジスターTA1のドレインがノードN2に接続されている。図16(B)は、差動信号増幅部が、定電流負荷の差動信号増幅部である場合の例である。図16(B)では、トランジスターTF1、TF2のゲートが定電圧VSに設定され、トランジスターTF1、TF2のドレインが、各々、ノードN1、N2に接続されている。図16(C)は、差動信号増幅部が、クロスカップル負荷の差動信号増幅部である場合の例である。図16(C)では、トランジスターTG1のドレイン及びトランジスターTG2のゲートがノードN1に接続され、トランジスターTG2のドレイン及びトランジスターTG1のゲートがノードN2に接続されている。図16(D)は、差動信号増幅部がラッチ型の差動信号増幅部である場合の例である。図16(D)では、トランジスターTH1、TH3のドレイン及びトランジスターTH2、TH4のゲートがノードN1に接続され、トランジスターTH2、TH4のドレイン及びトランジスターTH1、TH3のゲートがノードN2に接続されている。またトランジスターTH5のゲートにはイネーブル信号XSEが入力される。