JP5331698B2 - 冷間加工性に優れた高強度・高靭性のばね用鋼線材、その鋼線材の製造方法及びその鋼線材でばねを製造する方法 - Google Patents

冷間加工性に優れた高強度・高靭性のばね用鋼線材、その鋼線材の製造方法及びその鋼線材でばねを製造する方法 Download PDF

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Description

本発明は、冷間加工性に優れた高強度及び高靭性のばね用鋼線材、その鋼線材の製造方法、及びその鋼線材でばねを製造する方法に関するもので、より詳しくは、自動車用コイルばね、板ばね、トーションバー及びスタビライザーなどに使用されるばねで、高い強度と靭性を同時に保有するばねを製造するための鋼線材であって、後の工程でピーリングやシェービング加工処理のための軟化熱処理をする必要がないように、冷間加工性にも優れた鋼線材、その鋼線材を製造する方法及びその鋼線材を用いて高強度及び高靭性ばねを製造する方法に関する。
近年、化石燃料、特に石油燃料の使用量が急増するにつれて、上記石油燃料を燃焼させることで発生する汚染源による大気汚染の深刻化が全世界的に台頭し、他にも大型油槽船の油流出事故などの発生だけでなく、油価の急騰に従って、石油燃料による害悪を回避するために、なるべく石油燃料の使用量を節減する技術に関する研究が多角的に行われている。
上記石油燃料を多量使用する需要先として自動車を挙げることができるが、上記自動車製造業においても石油燃料の使用量を減らすための様々な試みと研究が引き続き進行している。現在は、石油燃料の使用量を減らすための伝統的な方法の1つである自動車の燃費を向上させる方法が開発され、適用している技術の主流であるといえる。このような燃費向上の方法としては、先ず、エンジンの燃焼効率と動力伝達効率などを向上させる方法をその1つとして挙げることができる。さらに他の方法としては、自動車の車体重量を減少させることで単位距離の移動時に必要なエネルギー量を減少させる方法を挙げることができる。
自動車の車体重量を減少させるためには、自動車の製造に必要な部品を比重の低い軽量材質に代える方法があり得るが、鉄製部品の優秀性に代わる程の部品が適用される分野はまだ多くない。従って、未だに自動車部品としては鉄製部品が使われる場合が多く、上記鉄製部品の軽量化によって自動車の燃費を向上しようとする試みが一般的である。
単位重量当たりの支持可能な荷重が定められているため、鉄製品を単純に軽量化させると、自動車の安全に致命的な問題を引き起こす可能性がある。従って、部品の軽量化は必然的に部品の高強度化の問題を解決した後に実現される。
特に、自動車用ばねは、高強度と類似した概念で、優れた永久変形の抵抗性を強く要求する部品である。永久変形の抵抗性は、ばねを長期間使用した後に完全に弾性復元されることができず、ばねの高さの変化が生じる永久変形という現象に対する抵抗性を意味する。ばねの永久変形の抵抗性を高めるために、従来からSiを多量に添加した鋼線材がばね用材料として使用されてきた。上記Siは鋼の降伏強度を高めることで永久変形を防止する役割を果たす。
また、Siは、周期律表上において4族に属する元素で、熱力学的にはCと類似した挙動をする元素である。上述したように、部品の高強度(高引張強度)化は、ばねにおいても例外ではなく、上記高強度化のために必須に添加される元素がCである。Cは、添加が容易であり、共に添加される他の合金元素とともに析出強度を促進するなどの作用を通じて鋼の強度を向上させる。しかし、Cが多量のSiとともに合金内に添加される場合は、CとSiの類似した熱力学的挙動により両元素は位置競争をするようになり、その結果、Cが合金から除去される脱炭現象が起こるようになる。
従来のSi添加されたばね鋼は、SAE9250などを挙げることができ、このようなばね用鋼材内のSiの含量が1.8〜2.0重量%に達するため、上記鋼種内でCの表面脱炭現象はさらに激しくなり、その結果、上記鋼種には表面脱炭層による疲労寿命の低下という問題まで発生し、これらをばねに使い難くなった。
このような問題点を解決するため、全体的な炭素含量を下向き調整しNiを添加することによって表層部に脱炭部が存在することを防止し、炭素含量の減少による強度低下を補うためにSiの含量をさらに上向き調整し、Moを追加添加することによって最大設計応力を1200MPaに増加させた高張力ばね鋼(特許文献1及び特許文献2、特許文献3及び特許文献4)が開発された。
しかしながら、この開発鋼は、合金設計の側面で降伏強度と変形抵抗性の向上のためにSiの含量を高めたものであるため、連続鋳造時にSi偏析帯が発生するという問題点が指摘された。このようなSi偏析帯は、主に鋼線材の中心部に形成されるので、このような偏析帯の生成はフェライトの生成を助長して中心部の微細組織の不均一性を引き起こす主な原因となり、大幅な物性変化を起こしてばねの靭性を低下させる主な原因となる。
また、既に開発された高応力ばね用鋼は、合金元素を多量に添加するので、製造コストが高くなるという問題の他、上記投入された多量の合金元素により鋼線材製造時に比較的低い速度で鋼線材を緩冷却しても、低温組織(ベイナイト+マルテンサイトの複合組織)が発生するという問題を有する。鋼線材製造時に低温組織が発生する場合は、後の工程での加工時に問題を引き起こす可能性もある。即ち、ベイナイトやマルテンサイトのような低温組織は、変態時に発生した内部の応力により硬度が非常に高くなる。このような低温組織は、鋼線材を後の工程でばね成形する前に、線径を調節するか、または、表面の品質を改善するためにピーリングまたはシェービング加工する場合に加工し難くなる原因となる。従って、上記加工を円滑に行うために、鋼線材に対して軟化熱処理などの熱処理を行うようになり、これら熱処理がさらに製造コスト上昇及び操業性を悪化させる要因となる。
さらに、一般的に強度と靭性は互いに逆の概念を持ち、これらを一挙に確保することが難しいという点も、上記高強度ばね用鋼材において解決すべき問題点である。即ち、通常ばねの強度向上のためには、鋼材の内部にマルテンサイトやベイナイトのような硬質組織を形成させることが必須であるが、上記マルテンサイトやベイナイトのような硬質組織は、一般的な場合では脆弱な特性を有しており、衝撃靭性などに劣っているためである。
上記したように、ばねには高い永久変形抵抗及び疲労強度を確保するために要求される高強度、及びそれとは別途に高い靭性が要求されるが、現在までこれら物性を備えたばね用鋼材は開発されていない実情にある。また、ばね用鋼線材の内部に低温組織が一部発生し、外注企業で軟化熱処理を行わなければならない場合が多いことから、経済的な問題点もある。
日本国特許出願公開第1998‐110247号公報 日本国特許出願公開第1996‐176737号公報 大韓民国特許出願第1997‐0073576号公報 大韓民国特許公開第1999‐0048929号公報
従って、本発明は、高強度及び高靭性を備えたばねを製造するための鋼線材であって、後の工程での冷間加工性にも優れた鋼線材及びその製造方法を提供することをその目的とする。
また、本発明は、上記鋼線材を用いて高強度及び高靭性を備えたばねを製造する方法を提供することをさらに他の目的とする。
上記の目的を達成するための本発明の一側面として、本発明の鋼線材は、重量%で、C:0.4〜0.7%、Si:1.5〜3.5%、Mn:0.3〜1.0%、Cr:0.01〜1.5%、Ni:0.01〜1.0%、Cu:0.01〜1.0%、B:0.005〜0.02%、Al:0.1%以下、O:0.0020%以下、P:0.02%以下、S:0.02%以下、N:0.02%以下、残部Fe及びその他の不可避な不純物を含む組成を有し、フェライト及びパーライトを形成する内部組織を有し、内部組織の旧オーステナイト結晶粒度が8μm以下であることを特徴とする。
この場合、上記鋼線材の内部組織中、ベイナイト及びマルテンサイト組織の面積分率の合計は1%未満であることが好ましい。
また、上記鋼線材の組成は、重量%で、V:0.5%以下及びTi:0.5%以下をさらに含むことが効果的である。
本発明の他の一側面として、冷間加工性に優れた高強度及び高靭性のばね用鋼線材の製造方法は、重量%で、C:0.4〜0.7%、Si:1.5〜3.5%、Mn:0.3〜1.0%、Cr:0.01〜1.5%、Ni:0.01〜1.0%、Cu:0.01〜1.0%、B:0.005〜0.02%、Al:0.1%以下、O:0.0020%以下、P:0.02%以下、S:0.02%以下、N:0.02%以下、残部Fe及びその他の不可避な不純物を含む組成を有するビレットを熱間圧延して鋼線材を製造するとき、最終圧延機から2番目以降の圧延機での圧延温度が850℃以下であることを特徴とする。
この場合、上記鋼線材の組成は、重量%で、V:0.5%以下及びTi:0.5%以下をさらに含むことが好ましい。
なお、上記圧延温度は、Ar3以上であることが効果的である。
また、上記圧延された鋼線材に対して700〜850℃の温度で冷却を開始し、室温まで5℃/秒以下の速度で冷却を行うことが好ましい。
本発明のさらに他の一側面として、冷間加工性に優れた高強度及び高靭性のばね用鋼線材を製造する方法は、重量%で、C:0.4〜0.7%、Si:1.5〜3.5%、Mn:0.3〜1.0%、Cr:0.01〜1.5%、Ni:0.01〜1.0%、Cu:0.01〜1.0%、B:0.005〜0.02%、Al:0.1%以下、O:0.0020%以下、P:0.02%以下、S:0.02%以下、N:0.02%以下、残部Fe及びその他の不可避な不純物を含む組成を有し、フェライト及びパーライトを形成する内部組織を有し、内部組織の旧オーステナイト結晶粒度が8μm以下である冷間加工性に優れた高強度及び高靭性のばね用鋼線材の製造方法であって、上記鋼線材に対して軟化熱処理することなく、ピーリング及びシェービングするステップと、上記鋼線材に対してオーステナイト化処理するステップと、上記オーステナイト化処理された鋼線材を油冷するステップと、上記油冷された鋼線材を焼戻し処理するステップと、上記焼戻し処理された鋼線材をばね状に冷間加工するステップと、を含むことを特徴とする。
上記冷間加工によるばね製造方法とは別途に、冷間加工性に優れた高強度及び高靭性のばね用鋼線材を製造する方法は、重量%で、C:0.4〜0.7%、Si:1.5〜3.5%、Mn:0.3〜1.0%、Cr:0.01〜1.5%、Ni:0.01〜1.0%、Cu:0.01〜1.0%、B:0.005〜0.02%、Al:0.1%以下、O:0.0020%以下、P:0.02%以下、S:0.02%以下、N:0.02%以下、残部Fe及びその他の不可避な不純物を含む組成を有し、フェライト及びパーライトを形成する内部組織を有し、内部組織の旧オーステナイト結晶粒度が8μm以下であることを特徴とする冷間加工性に優れた高強度及び高靭性のばね用鋼線材の製造方法であって、上記鋼線材に対して軟化熱処理することなく、ピーリング及びシェービングするステップと、上記鋼線材に対してばね状に熱間加工するステップと、上記熱間加工されたばねをオーステナイト化するステップと、上記オーステナイト化されたばねを油冷するステップと、上記油冷されたばねを焼戻し処理するステップと、を含むことを特徴とする。
この場合、上記オーステナイト化温度は、900〜1000℃であることが好ましい。
なお、上記焼戻し処理温度は、350〜450℃であることが好ましい。
本発明にれば、高い強度と靭性を有するばねを提供することができるだけでなく、上記ばねを提供するために製造された鋼線材の冷間加工性に優れており、特別な熱処理を行うことなく、ピーリング及びシェービング加工を行うことができるという有利な効果を有する。
通常の鋼線材において、冷却時に現れるCCTダイヤグラムを示したグラフである。 微細結晶粒を有する鋼線材に圧延した後、冷却時に現れるCCTダイヤグラムを示したグラフである。 最終圧延機から2番目以降の圧延機において圧延温度を下げた場合と、そうでない場合の結晶粒の大きさを比較したグラフである。
以下、本発明の実施形態を詳しく説明する。
一般的に、ばね鋼の開発において最も重要な性質である引張強度と衝撃靭性値は互いに相反する物性を示す。そのため、引張強度値の低下を最小限に維持しながら、その逆の衝撃靭性値を極大化することが最も重要な開発目標となる。従って、下記の本発明のばね用鋼材の組成は、引張強度は高く維持しながら衝撃靭性値を極大化させることができる組成である。
本発明の発明者らは、このような技術的思想を具現するために、鋼線材の組成を下記のように制御することによって、下記の組成を有する鋼線材をばねに製造するとき、内部にAl、B、V及びTiの酸/炭/窒化物系析出物を形成して強度を確保し、靭性を向上させるとともに、焼入れ性向上元素であるBを用いて熱処理時に焼入れ性を強化し、粒界強化も図って高い強度と靭性を同時に向上させるようにした。
以下、本発明の鋼線材の成分系について説明する。
C:0.4〜0.7重量%
Cは、ばねの強度を確保するために添加される必須元素である。上記Cの含量が0.4重量%未満である場合は、焼入れ性が確保されず、ばね用鋼材に要求される強度を確保することができない。また、Cの含量が0.7重量%を超過する場合は、焼入れ焼戻し処理時に双晶型マルテンサイト組織が形成されて素材の割れが発生するため、疲労強度が著しく低下するようになる。それだけでなく、高強度化による十分な靭性確保と、高Si添加により発生する素材の脱炭を抑制することが難しいので、Cの含量は0.4〜0.7重量%に制限することが好ましい。
Si:1.5〜3.5重量%
Siは、フェライト内に固溶されて母材強度を強化させ、変形抵抗性を改善する効果を有する。しかし、上記Siの含量が1.5重量%未満である場合は、Siがフェライト内に固溶されて母材強度を強化させ、変形抵抗性を改善する効果が十分でないため、Siの下限は1.5重量%に制限される必要がある。また、Siの含量が3.5重量%を超過する場合は、変形抵抗性の改善効果が飽和され、追加添加の効果を得ることができず、かつ、熱処理時に表面脱炭を助長するので、Siの含量は1.5〜3.5重量%に制限することが好ましい。
Mn:0.3〜1.0重量%
Mnは、鋼材内に存在する場合、鋼材の焼入れ性を向上させて強度を確保するのに有益な元素である。従って、上記Mnの含量が0.3重量%未満である場合は、高強度ばね用素材として要求される十分な強度及び焼入れ性を得ることが難しく、逆に、1.0重量%を超過する場合は靭性が低下するので、上記Mnの含量は0.3〜1.0重量%に制限することが好ましい。
Cr:0.01〜1.5重量%
Crは、耐酸化性、焼戻し軟化性、表面脱炭防止及び焼入れ性を確保するのに有用な元素である。しかし、Crの含量が0.01重量%未満である場合は十分な耐酸化性、焼戻し軟化性、表面脱炭防止及び焼入れ性の効果などを確保することが難しい。また、1.5重量%を超過する場合は変形抵抗性の低下を招き、かえって強度低下になる可能性もある。従って、Crの添加量は0.01〜1.5重量%であることが好ましい。
Ni:0.01〜1.0重量%
Niは、焼入れ性及び靭性を改善するために添加される元素である。Niの含量が0.01重量%未満である場合は焼入れ性及び靭性の改善の効果が十分でなく、1重量%以上である場合は残留オーステナイトの量が増加して疲労寿命を減少させ、高価のNi特性により急激な製造単価の上昇を引き起こすため、その添加量は0.01〜1重量%に制限する必要がある。
Cu:0.01〜1.0重量%
上記Cuの添加は脱炭防止及び耐食性向上に有効である。脱炭層はばね加工後に疲労寿命を著しく低下させる。このような効果は0.01重量%未満では微弱で、1.0重量%を超過して添加すると脆化による圧延欠陥の原因になりやすい。
B:0.005〜0.02重量%
上記Bの添加は表面に生成するさびを緻密化して耐食性を高め、焼入れ性の向上により粒界強度を高める効果を有する。0.005重量%未満では焼入れ性が確保されず、ばね用鋼材に要求される強度を確保することができない。0.02重量%を超過すると炭窒化物系析出物が粗大化され、疲労特性に悪影響を及ぼすようになる。
O:0.0020重量%以下
上記Oの含量は0.0020重量%以下に限定するが、0.0020重量%を超過すると酸化物系非金属介在物が粗大に形成され、疲労寿命が急激に低下するようになる。
Al:0.1重量%以下
上記Alの添加は結晶粒度を微細化し、靭性を向上させる。Alの含量が0.1重量%を超過するようになると酸化物系析出物の生成量が増大するとともに、その大きさも粗大化され、疲労特性に悪影響を及ぼすようになる。
P及びS:それぞれ0.02重量%以下
上記PとSの含量は0.02重量%以下に限定するが、Pは結晶粒界に偏析して靭性を低下させるのでその上限を0.02重量%に制限し、Sは低融点元素で粒界偏析して靭性を低下させて硫化物を形成させ、ばね特性に有害な影響を及ぼすので、その上限を0.02重量%に制限することが好ましい。
N:0.02重量%以下
窒素はホウ素と反応して容易にBNを形成させることができ、焼入れ効果を減少させる元素である。従って、窒素の含量はなるべく低いものが良いが、工程負荷を考慮すると、0.02重量%以下に制限することが好ましい。
上記した組成だけでも十分な効果を得ることができるが、上記有利な鋼組成に加えて、下記のようにVとTiを必要によって添加することによって鋼の強度と靭性をさらに向上させることができる。
V:0.005〜0.5重量%以下、Ti:0.005〜0.5重量%以下
上記VまたはTiは、本発明のばね鋼の組成のより好ましい元素の1つであり、単独または複合添加によって炭/窒化物を形成して析出硬化作用を起こすことでばね特性を改善する元素であって、その含量をそれぞれ0.005〜0.5重量%と0.005〜0.5重量%の範囲に限定する。含量が低い場合は、V及びTi系炭/窒化物の析出が低減し、結晶粒度の制御とばね特性(疲労特性と永久変形の抵抗性)の改善効果は十分に発揮されなくなる。その含量が高い場合は、製造単価が急激に上昇し析出物によるばね特性の改善効果が飽和し、オーステナイト熱処理時に母材に溶解されない粗大な合金炭化物量が増加するようになり、非金属介在物のような作用をするので、疲労特性及び析出強化の効果が低下するようになる。
上記した組成を有する鋼線材を用いてばねを製造する場合、上述したように強度と靭性に優れたばねを得ることができる。
但し、上述したように、ばねの強度を向上させるために組成を制御する場合は、鋼線材冷却時に低温組織が容易に生成され、鋼線材の硬度も同時に高くなるようになる。従って、冷間加工性に劣るようになるため上述した組成を有する鋼線材であっても一般的な製造方法では優れた冷間加工性を確保することができない。
本発明の発明者らは、このような問題の原因を把握するため検討した結果、通常のばね用鋼材の組成範囲では相対的にゆっくり冷却されるが、図1に図示したCCTダイヤグラム上において冷却曲線がフェライト(Ferrite)またはパーライト(Pearlite)領域を通過することができず、直ぐにベイナイト(Beinite)またはマルテンサイト(Martensite)領域へ進入するため、上記ベイナイトまたはマルテンサイトのような低温組織が多量に発生するようになることが確認できた。
従って、低温組織を発生させないためには、冷却速度をより遅くしてパーライトまたはフェライト領域を通過させる方法が考えられる。しかし、本発明のばね鋼の組成を含んだ通常のばね鋼の組成において冷却曲線を上記CCTダイヤグラム上のフェライトまたはパーライト領域を通過させるためには冷却速度を最大3℃/秒未満にしなければならないというのが本発明者らの検討結果である。しかし、現在採択されている鋼線材冷却設備の冷却能の多くは、5℃/秒またはそれ以下であり、このように低い冷却速度(3℃/秒未満)で冷却速度を正確に制御することは非常に難しい実情である。従って、冷却速度を遅くして冷間加工性に優れた鋼線材を製造することは、現段階では好ましくない。
残りの方法としては、上記図1に記載のパーライトノーズを左に移動させる場合、比較的高い冷却速度(即ち、CCTダイヤグラムの横軸が時間であるので、所要時間が少ない場合)でも冷却曲線が充分にパーライトまたはフェライト領域を通過できる方法を挙げることができる。このような場合、CCTダイヤグラムは図2に図示した形態になることができる。
主に、CCTダイヤグラムの形態は組成の影響を受けるが、本発明の発明者らの研究の結果、鋼線材の組成を固定しても結晶粒の大きさを調節することによって上記CCTダイヤグラムの形態を制御することができるということが確認できた。
即ち、一般的な鋼線材製造工程では鋼線材内部組織中、冷却前のオーステナイト結晶粒の大きさが12μm内外からなり、このような場合のCCTダイヤグラムの形態は上述した図1に図示された形態になる。しかし、本発明の主な条件の1つとして、冷却前のオーステナイト結晶粒の大きさを8μm以下に管理する場合、CCTダイヤグラムは図2に図示したようにパーライト及びフェライト領域が随分と左側(即ち、短い時間側)に移動した形態を有するようになる。その理由は、フェライトまたはパーライト結晶粒はオーステナイト結晶粒界において変態されるが、変態前のオーステナイト結晶粒度(Austenite Grain Size、略してAGS)が微細な場合には、上記フェライトまたはパーライト変態に必要な結晶粒界面が急激に増加し、フェライトまたはパーライト変態量が増加するようになるためである。
そのため、組成の変更することなく、比較的高い冷却速度でも硬度が高くないので、冷間加工性に優れた鋼線材を製造するためには冷却前のオーステナイト結晶粒度を8μm以下に制御することが重要である。従って、本発明の鋼線材は、上記した有利な組成を有する鋼線材であって、内部組織がフェライトとパーライトを形成し、内部組織中、旧オーステナイトの結晶粒の大きさが8μm以下であることを特徴とする。
また、ベイナイトとマルテンサイトのような低温組織は、なるべく形成されないことが良いが、ある程度までは不可避に形成される可能性があるので、その量は全体組織の面積に対する分率にして1%未満が好ましい。
オーステナイト結晶粒度を制御するためには様々な方法があり得る。即ち、オーステナイト結晶粒度は熱間圧延中の変形量、変形速度、熱間圧延温度などにより大きく左右される。これら熱間圧延条件によって静的再結晶、動的再結晶、準動的再結晶及び粒子成長が発生するようになるが、鋼線材熱間圧延のように加工される素材の断面形状が円形で圧延速度が高速の場合には、変形量と変形速度を変更することは難しい。従って、熱間圧延温度を調節して再結晶挙動及び粒子成長挙動を制御することが好ましい。
従来は、熱間圧延温度を制御して結晶粒を微細化させるために、全仕上げ圧延区間の温度を低く維持しながら圧延して、再結晶を抑制させながらオーステナイト結晶粒の形態をパンケーキ化及び微細化させる方法が多く使用された。しかし、このような場合、全仕上げ圧延過程中にロールに作用する負荷が加重されて設備負担が生じることによって動力消耗量及び設備寿命などに悪影響を及ぼすようになる。
しかし、本発明の発明者らによると、図3に図示したように全圧延区間内で圧延を行っても、実際にオーステナイト結晶粒度に影響を及ぼす圧延区間は最終圧延機から2番目以降での圧延区間であり、上記圧延機の圧延温度を750〜850℃に維持する場合、オーステナイト結晶粒度を8μm以下に調節することができる。図3において、四角マークは従来の製造パターンで鋼線材を製造する場合であって、□は温度挙動を、■はオーステナイト結晶粒度の変化を示す。同様に、円形マークは本発明による製造パターンで鋼線材を製造する場合であって、○は温度挙動を、●はオーステナイト結晶粒度の変化を示す。上記図3に示したように、本発明による製造パターンの場合、最終圧延機から2番目以降の圧延機での圧延温度を850℃以下に維持した結果、オーステナイト結晶粒度が最終5μm未満であった一方、従来の製造パターンの場合、最終圧延機から2番目以降の圧延機での圧延温度が950℃以上で、それにより製造された鋼線材の内部の結晶粒の大きさは12μm以上であった。これは圧延の前半部では準動的再結晶が発生して鋼線材の結晶粒の大きさが大きく変動しなかった一方、後半部(特に、最終圧延機から2番目以降の圧延機)では鋼線材の静的再結晶が生じて再結晶挙動が遅くなり、粒子成長が遅延されることによって圧延による結晶粒の微細化効果を得ることができるためである。
従って、最終圧延機から2番目以降の圧延機での圧延温度を850℃以下にすることが重要である。
但し、仕上げ圧延温度がAr3以下の場合は、オーステナイトが圧延により微細化される前にオーステナイト/フェライト変態が起こるようになり、粗大なフェライトが形成されるようになるので、上記仕上げ圧延温度はAr3を超過することが好ましい。
上記Ar3は鋼線材の組成によって変わるが、本発明の鋼線材の組成では約740℃程度で決定される。
上記の鋼線材製造工程において最終圧延機から2番目以降の圧延機の温度を制御すること以外に、他の工程は一般的な鋼線材工程と同様である。即ち、当業者であれば既に公知の様々な技術を用いてビレットを再加熱し、粗圧延及び仕上げ圧延(2機以上の最終圧延機での温度制御は必要)した後、冷却してばね用鋼線材を容易に製造することができる。
上記冷却時の鋼線材の冷却条件は、700〜850℃の温度で冷却を開始し、室温まで5℃/秒以下の速度で冷却することが好ましい。
その後、上記過程で製造された鋼線材は、後の工程で軟化熱処理することなく、ピーリング及びシェービング処理を経て、オーステナイト化処理され、油冷して焼戻し処理された後、ばね状に冷間加工されるか、ばね状に熱間加工されてばねに製造される。または、熱間(850〜1000℃)でばね状に加工し、オーステナイト化処理された後、油冷して焼戻し処理されることによってばねに製造されることができる。
上記ばね製造方法の概略的な温度範囲は通常のばね製造条件と同一であり、但し、軟化熱処理を行わないという点が本発明のばね製造方法の特徴である。
従って、上記ピーリング条件、シェービング条件、オーステナイト化温度、油冷温度及び焼戻し処理温度は通常のばね製造条件に準じる。
但し、オーステナイト化温度は、再結晶によって結晶粒が粗大化し過ぎることを防止するために900〜1000℃の温度で行うことが好ましい。即ち、上記オーステナイト化処理温度が900℃未満である場合は、その低い温度により冷却中に初析フェライトが生成されて好ましくなく、1000℃を超過する場合は脱炭及び結晶粒成長を助長するので好ましくない。上記オーステナイト化処理後、急冷して焼入れ工程を完了する。
焼入れされたばねは、強度は高いがマルテンサイト組織が靭性向上には好ましくないため、焼戻し工程が後続されるのが好ましい。上記焼戻し工程により内部組織はマルテンサイトから焼戻しマルテンサイトに変化するようになる。
好ましい焼戻し温度は350〜450℃である。もし、焼戻し温度が350℃未満であるとマルテンサイトの焼戻し効果が十分でないためばねの靭性が悪くなり、450℃を超過するとマルテンサイトがより高温組織に変態されてしまう恐れがあるため、焼戻し温度は350〜450℃が好ましい。
以下、実施例を通して本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。むしろ、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなくこれらの実施例を変更することは当業者にとって理解されるものであり、本発明の範囲は特許請求の範囲及びこれに均等なものによって決定される。
(実施例)
下記表1のような組成を有する鋼を鋳造してビレットを製作した後、下記表2の条件で熱間圧延を行って鋼線材を製造した。このように熱間圧延された鋼線材をばね状に加工した後、950℃で熱処理し、油冷して表3に図示したように390℃及び420℃の焼戻し温度で熱処理を行って試片を製造した。
ばね加工において、実施例1ないし実施例6の場合は、下記表2の結果から明らかなように、優れた冷間加工性を有しているので別途で軟化熱処理することなく、ピーリング及びシェービング加工を行った後ばね加工したが、比較例の場合は、冷間加工性の不足でそのままピーリング及びシェービング加工すると、材料の破損される恐れがあり、500〜700℃で120〜180分間維持して軟化熱処理した後、ピーリング及びシェービング加工し、その後、ばねに製造した。
表2の条件で製造された鋼線材の冷間加工性を検討するため引張試験を行った。引張試験片は圧延方向で採取してASTM‐Sub Sizeに加工し、引張試験はクロスヘッドスピードを2mm/minにして試し、その詳細な値を表2に示した。
Figure 0005331698
但し、上記表1において各成分の含量は重量%で示す(但し、NとOはppm単位)。
Figure 0005331698
但し、上記表2において低温組織の分率は面積分率を示し、鋼線材強度は引張強度を示す。また、上記最終圧延機から4番目の圧延機から最終圧延機までの温度は実質的に同一に維持して圧延した。
Figure 0005331698
上記表2の結果から明らかなように、冷却速度が3℃/秒及び5℃/秒の場合は、本発明の成分範囲を外れるだけでなく、圧延機の圧延温度条件も本発明で規定する範囲を外れる比較例1〜比較例4の場合は、低温組織の分率が2%以上と非常に高く示され、その結果、鋼線材強度も実施例1〜実施例6の場合よりも随分高い値を示していることが分かる。これに対し、実施例1〜実施例6の場合は、低温組織の分率が1%以下と冷間加工に適した範囲に属しており、その結果、鋼線材強度も1000MPa以下の良好な値を示していた。但し、冷却速度が7℃/秒の場合は、実施例においても1%以上の低温組織の分率を観察することができ、鋼線材の引張強度も1000MPa以上と比較的高いことが確認できた。このような比較例と実施例の差は、冷却前のオーステナイト結晶粒度から起因するものであって、室温でオーステナイト結晶粒度を確認することができる値である旧オーステナイト結晶粒度が比較例の場合は12μm以上である一方、本発明による実施例の場合は6μm以下と大きな差を示していた。
また、表3の結果から明らかなように、本発明の組成を満たす実施例の場合は、その引張強度が2000MPa以上と満足した値を示しているが、比較例1〜比較例4の場合は、その強度値が実施例に比べて著しく不足であることが確認できた。このような本発明の有利な効果は本発明の鋼組成に起因するものである。即ち、本発明で規定する鋼組成は、表面脱炭の効果を減らすためSiの添加量を減少させ、この減少により発生する強度の損失分に代わるためB、VとTiが複合添加された組成であるが、このような添加効果は、V(C,N)及びTi(C,N)のような析出物により焼入れ中に起こる結晶粒の微細化作用とホウ素の焼入れ性向上及び粒界強化作用を用いて強度と靭性の低下を減少させ、焼戻し中に図られた析出強化によって向上した強度に起因するものであるためである。

Claims (9)

  1. 質量%で、C:0.4〜0.7%、Si:1.5〜3.5%、Mn:0.3〜1.0%、Cr:0.01〜1.5%、Ni:0.01〜1.0%、Cu:0.01〜1.0%、B:0.005〜0.02%、Al:0.1%以下、O:0.0020%以下、P:0.02%以下、S:0.02%以下、N:0.02%以下、V:0.005〜0.5%、Ti:0.005〜0.5%、残部Fe及びその他の不可避な不純物からなる組成を有し、フェライト及びパーライトを形成する内部組織を有し、内部組織の旧オーステナイト結晶粒度が8μm以下である、冷間加工性に優れた高強度及び高靭性のばね用鋼線材。
  2. 前記鋼線材の内部組織中、ベイナイト及びマルテンサイト組織の面積分率の合計が1%未満である、請求項1に記載の冷間加工性に優れた高強度及び高靭性のばね用鋼線材。
  3. 質量%で、C:0.4〜0.7%、Si:1.5〜3.5%、Mn:0.3〜1.0%、Cr:0.01〜1.5%、Ni:0.01〜1.0%、Cu:0.01〜1.0%、B:0.005〜0.02%、Al:0.1%以下、O:0.0020%以下、P:0.02%以下、S:0.02%以下、N:0.02%以下、V:0.005〜0.5%、Ti:0.005〜0.5%、残部Fe及びその他の不可避な不純物からなる組成を有するビレットを熱間圧延して鋼線材を製造するとき、最終圧延機から2番目以降の圧延機での圧延温度が850℃以下である、冷間加工性に優れた高強度及び高靭性のばね用鋼線材の製造方法。
  4. 前記圧延温度は、Ar3以上である、請求項3に記載の冷間加工性に優れた高強度及び高靭性のばね用鋼線材の製造方法。
  5. 前記圧延された鋼線材に対して700〜850℃の温度で冷却を開始し、室温まで5℃/秒以下の速度で冷却を行う、請求項3に記載の冷間加工性に優れた高強度及び高靭性のばね用鋼線材の製造方法。
  6. 質量%で、C:0.4〜0.7%、Si:1.5〜3.5%、Mn:0.3〜1.0%、Cr:0.01〜1.5%、Ni:0.01〜1.0%、Cu:0.01〜1.0%、B:0.005〜0.02%、Al:0.1%以下、O:0.0020%以下、P:0.02%以下、S:0.02%以下、N:0.02%以下、V:0.005〜0.5%、Ti:0.005〜0.5%、残部Fe及びその他の不可避な不純物からなる組成を有し、フェライト及びパーライトを形成する内部組織を有し、内部組織の旧オーステナイト結晶粒度が8μm以下である冷間加工性に優れた高強度及び高靭性のばね用鋼線材を用いてばねを製造する強度及び高靭性ばねの製造方法であって、
    前記鋼線材に対して軟化熱処理することなく、ピーリング及びシェービングするステップと、
    前記鋼線材に対してオーステナイト化処理するステップと、
    前記オーステナイト化処理された鋼線材を油冷するステップと、
    前記油冷された鋼線材を焼戻し処理するステップと、
    前記焼戻し処理された鋼線材をばね状に冷間加工するステップと、を含む、高強度及び高靭性ばねの製造方法。
  7. 質量%で、C:0.4〜0.7%、Si:1.5〜3.5%、Mn:0.3〜1.0%、Cr:0.01〜1.5%、Ni:0.01〜1.0%、Cu:0.01〜1.0%、B:0.005〜0.02%、Al:0.1%以下、O:0.0020%以下、P:0.02%以下、S:0.02%以下、N:0.02%以下、V:0.005〜0.5%、Ti:0.005〜0.5%、残部Fe及びその他の不可避な不純物からなる組成を有し、フェライト及びパーライトを形成する内部組織を有し、内部組織の旧オーステナイト結晶粒度が8μm以下である、冷間加工性に優れた高強度及び高靭性のばね用鋼線材を用いてばねを製造する強度及び高靭性ばねの製造方法であって、
    前記鋼線材に対して軟化熱処理することなく、ピーリング及びシェービングするステップと、
    前記鋼線材に対してばね状に熱間加工するステップと、
    前記熱間加工されたばねをオーステナイト化するステップと、
    前記オーステナイト化されたばねを油冷するステップと、
    前記油冷されたばねを焼戻し処理するステップと、を含む、高強度及び高靭性ばねの製造方法。
  8. 前記オーステナイト化温度は、900〜1000℃である、請求項6または請求項7に記載の高強度及び高靭性ばねの製造方法。
  9. 前記焼戻し処理温度は、350〜450℃である、請求項6または請求項7に記載の高強度及び高靭性ばねの製造方法。
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