JP5331531B2 - リパーゼ測定用乾式分析要素 - Google Patents
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Description
好ましくは、トリグリセリドの平均粒径は0.3μm以下である。
好ましくは、100MPa以上の圧力で高圧乳化することによってトリグリセリドの乳化分散溶液が作製される。
好ましくは、トリグリセリドの乳化分散溶液に、5g/m2以上の親水性ポリマーが含まれている。
好ましくは、トリグリセリドの乳化分散溶液に、10g/m2以上の親水性ポリマーが含まれている。
好ましくは、セルロース誘導体は、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、又はメチルセルロースである。
好ましくは、トリグリセリドの乳化分散溶液に、少なくともヒドロキシプロピルセルロースまたはゼラチンが含まれている。
好ましくは、モノグリセリドリパーゼは、バチルス・ステアロサーモフィラスH-165由来のモノグリセリドリパーゼである。
好ましくは、グリセリン測定試薬は、グリセロキナーゼ、グリセロリン酸オキシダーゼ、ペルオキシダーゼおよび発色試薬を含む。
好ましくは、展開層は、布または多孔質膜からなる。
好ましくは、多孔質膜は、ポリスルホン又はアセチルセルロースからなる多孔質膜、または微小ビーズから形成された多孔質膜である。
本発明の炭素差12〜22の長鎖アルキル脂肪酸のトリグリセリド、モノグリセリドリパーゼ、及びグリセリン測定試薬を含有し、水不透過性支持体と少なくとも1つ以上の展開または試薬層からなる体液中の膵リパーゼ測定用乾式分析要素の製造方法は、トリグリセリドを平均粒径1μm以下の乳化分散溶液として塗布する工程を含むことを特徴とする。
〔高圧ホモジナイザー〕
そこで、本発明のトリオレイン等のグリセリド(リパーゼ基質)は、既知の乳化方法を用いて微細油滴状に乳化することが出来る。本発明に用いられる乳化方法として、高圧ホモジナイザーの使用が挙げられる。高圧ホモジナイザーには、処理液の流路が固定されたチャンバーを有するチャンバー型高圧ホモジナイザー及び均質バルブを有する均質バルブ型高圧ホモジナイザーがある。これらの中では、均質バルブ型高圧ホモジナイザーは、処理液の流路の幅を容易に調節することができるので、操作時の圧力及び流量を任意に設定することができ、その操作範囲が広いため特に食品や化粧品などの乳化分野で広く用いられている。これに対し、操作の自由度は低いが、圧力を高める機構が作りやすいため、超高圧を必要とする用途にはチャンバー型高圧ホモジナイザーが用いられる。
本発明のグリセリド微細に乳化するもう一つの有力な方法として超音波ホモジナイザーの使用を挙げることが出来る。具体的には、予備混合物に15〜40kHzの周波数で超音波を照射する方法が知られていた。しかしながら、超音波を発生させる装置は未だ十分なスケールで照射できるものは商業的に販売されておらず、小さい装置では処理可能な液媒体の体積に限界があった。従って、このような超音波を発生させる装置を用いた乳化物の製造方法では、小量で調製された乳化物の性能は大変優れているが、処理可能な量が小さくなってしまい、工業的な量産は困難であった。
また、せん断法または超音波乳化とせん断法と組み合わせても1μmより小さなトリグリセリドの良好な乳化物を作製することができる。
本発明における平均粒径は、体積平均粒径(Mean Volume Diameter)とする。本発明の水中油滴型エマルションの粒径(体積平均粒径)は市販の粒度分布計等で計測することができる。エマルションの粒度分布測定法としては、光学顕微鏡法、共焦点レーザー顕微鏡法、電子顕微鏡法、原子間力顕微鏡法、静的光散乱法、レーザー回折法、動的光散乱法、遠心沈降法、電気パルス計測法、クロマトグラフィー法、超音波減衰法等が知られており、それぞれの原理に対応した装置が市販されている。
前記体積平均粒径の測定方法は、油相成分の濃度が0.1〜1質量%の範囲内になるように純水で希釈を行い、測定用セル部に入れる。体積平均粒径は、分散媒屈折率として1.3313(純水)、分散媒の粘度として0.8846mPa・S(純水)を用いて求めることができる。
展開層には親水性ポリマーも含有させることができる。この親水性ポリマーには、澱粉、セルロースおよびセルロース誘導体(メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等)、アガロース、ゼラチン(例、酸処理ゼラチン、脱イオンゼラチン等)、ゼラチン誘導体(例、フタル化ゼラチン、ヒドロキシアクリレートグラフトゼラチン等)、アクリルアミド重合体、アクリルアミドと各種ビニル性モノマーとの共重合体、ビニルピロリドン重合体、ビニルピロリドンと各種ビニル性モノマーとの共重合体、アクリレート重合体およびアクリレートと各種ビニル性モノマーとの共重合体等を挙げることができる。上記親水性ポリマーのうちではビニルピロリドン誘導体とセルロース誘導体が好ましい。特に、好ましいのはセルロース誘導体である。本発明で使用するグリセリン測定試薬で、ペルオキシダーゼとロイコ色素を用いる時、ポリビニルピロリドンは、非特異的な発色が発生しやすいからである。
上記の展開層に添加する親水性ポリマーを、特に、トリグリセリドの乳化分散溶液に添加することがトリグリセリドの転写抑制に好ましく、特に好ましい親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、セルロース誘導体、ゼラチンである。
好ましくは、セルロース誘導体は、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースから選択される。さらに好ましくは、親水性ポリマーとして、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチンを含む。トリグリセリドの乳化分散溶液における親水性ポリマーの添加量は好ましくは、親水性ポリマーの合計で5g/m2以上、より好ましくは10g/m2以上である。
本発明で使用するトリグリセリドは、膵リパーゼへの特異性を向上させるために、長鎖アルキル鎖の脂肪酸からなるトリグリセリドである。長鎖アルキル鎖は飽和でも不飽和でもよい。好ましくは、不飽和脂肪酸のトリグリセリドである。不飽和脂肪酸の膵リパーゼの反応性が相対的に低い。長鎖アルキル鎖の脂肪酸のアルキル鎖長は、膵リパーゼへの選択性から炭素数12以上22以下であればよく、好ましくは炭素数16以上20以下である。以下に例を示す。
本発明の乾式分析要素に組み込まれる試薬系には、モノグリセリドリパーゼを加える。モノグリセリドリパーゼは、トリグリセリドおよびジグリセリドと実質的に反応せず、長鎖脂肪酸のモノグリセリドに反応するものが好ましい。特に好ましいのは、特開昭63-245672、特開平4-316500号公報に記載の、バチルス・ステアロサーモフィラスH-165由来のモノグリセリドリパーゼである。
本発明で採用している測定反応系は、測定対象であるリパーゼによって基質であるトリグリセリドが分解して生成するモノグリセリドをモノグリセリドリパーゼで分解する。好ましいグリセリン発色系は、このグリセロールをグリセロールキナーゼによってL−α−グリセロリン酸とし、L−α−グリセロリン酸をL−α−グリセロリン酸オキシダーゼによってジヒドロキシアセトンリン酸に変えるとともに過酸化水素を発生させ、この過酸化水素によりペルオキシダーゼの作用で発色色素を発色させるものである。
層構成は、少なくとも1つ以上の展開層または試薬層、並びに、より測定精度と強度を高めるために、また、製造工程における搬送性を向上させるために支持体を含む。最もシンプルな形態は支持体と試薬層の機能も持つ展開層からなる。層の数は多くしてもよい。
本発明のリパーゼ測定用乾式分析要素の支持体層を構成するものとしては、光透過性でかつ水不透過性である支持体が用いることができる。展開層側から測定する場合には光不透過性の支持体を用いてもよい。支持体は、乾式分析要素の強度を与え、製造効率を向上させる。光不透過性・水不透過性支持体の例としては、ポリエチレンテレフタレート、ビスフェノールAのポリカルボネート、ポリスチレン、セルロースエステル(例、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート等)等のポリマーからなる厚さ約50μmから約1mm、好ましくは約80μmから約300μmの範囲のフィルムもしくはシート状の透明支持体を挙げることができる。好ましい材料は、強度、光学特性からポリエチレンテレフタレートである。
支持体の上には(場合によっては下塗層等の他の層を介して)試薬層が設けてよい。試薬層はアナライトであるリパーゼと反応して光学的に検出可能な変化を生じる後述の試薬組成物の少なくとも一部が親水性ポリマーバインダー中に実質的に一様に分散されている吸水性で水浸透性の層である。
本発明では多孔性展開層に布製の展開層を用いることが好ましいが、ポリスルホン、アセチルセルロースからなる多孔質膜または、微小ビーズから形成する多孔質膜、ガラス繊維濾紙、濾紙など布以外の材質を使用することも可能である。
この布製の多孔性展開層としては特開昭55−164356号公報、特開昭57−66359号公報等に記載の織物布地展開層(例:ブロード、ポプリン等の平織布地等)、特開昭60−222769号公報等に記載の編物布地展開層(例:トリコット編布地、ダブルトリコット編布地、ミラニーズ編布地等)、特開平1−172753号公報に記載のアルカリエッチング液でエッチング処理した織物布地又は編物布地からなる展開層、等がある。好ましいものは編物布であり、特にトリコット編物が好ましい。布の材質としてはポリエステル、綿、ナイロン、絹、ビニロン、レーヨン、ポリアミド、アクリル、ウール、ポリプロピレン、麻等が用いられ、好ましいものはポリエステルである。展開層の厚さは50〜400μm程度、好ましくは200〜400μm程度が適当である。布の空隙率は20〜90%程度、好ましくは40〜85%程度である。
トリグリセリドの乳化分散物は、添加液の経時安定性を増すため親水性ポリマーを添加することができる。塗布安定性を増すために、動的・静的表面張力を適正化するため界面活性剤を加えることができる。ノニオン界面活性剤が使用されることが多いが、添加される共役酵素への影響が小さい場合はアニオン界面活性剤を使用できる。
トリグリセリドの等の試薬の添加方法の中で、ギーサーにより塗布し乾燥する工程が均一で効率の高い生産方法を与える。この工程において、乾燥は温風乾燥が好ましい。乾燥風は温度20〜60℃が好ましく、特に、25〜40℃が好ましい。露点は0℃から10℃が好ましい。風量は0.5〜10m/秒が好ましい。乾燥時間は溶剤が実質的に乾燥すればよく、一方、長時間の乾燥では、共役酵素が失活する場合があるので、1分から60分が好ましい。複数の乾燥ゾーンを用い、それぞれのゾーンで、乾燥風の温度、露点、風速、風向、時間を制御し、良好な乾燥条件を設定することもできる。
(トリオレインの支持体または他のスライドへの転写(汚染)は「基質の添加」の巻き取り工程で最も大きくなる。よって、トリオレイン転写実験は、最もトリオレイン転写が大きい「基質の添加」までを実施した塗布物を用いて行った。)
ゼラチン下塗りがされている厚さ180μmのポリエチレンテレフタレート無色透明平滑フイルム上に添加試薬を下記の乾燥塗布量となるように、水溶液として127g/m2で塗布し、乾燥させたのち、続いて、水を均一供給し湿潤させ、その上に50デニール相当のポリエチレンテレフタレート紡績糸を36ゲージ編みしたトリコット編み物布地または多孔質膜(アセチルセルロース)を軽く圧力をかけて積層し、乾燥温度20℃でゼラチンを固めたのち、45℃で乾燥させた。なお、pH緩衝剤PIPESを含む塗布液は1N-NaOH水溶液でpH5.5に調整したものを用いた。
PIPES(同仁化学) 1.5 g/m2
塩化マグネシウム(和光純薬工業)0.52 g/m2
ATP−2ナトリウム塩(オリエンタル酵母)1.4 g/m2
ポリオキシエチレントリデシルエーテルHLB14.8(第一工業製薬)0.3 g/m2
ポリエチレンアルキル分岐デシルエーテルHLB15.9 (第一工業製薬)0.06 g/m2
ロイコ色素 0.21 g/m2
ワサビペルオキシダーゼ(東洋紡)14 kU/m2
グリセロールキナーゼ(旭化成)3.8 kU/m2
L-α-グリセロリン酸オキシダーゼ(旭化成)19 kU/m2
1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン 0.12 g/m2
上記の布地上に下記組成の試薬をエタノールに溶解し塗布し、乾燥温度32℃、露点0℃の風で、温風乾燥させた。このエタノール溶液の塗布量は220g/m2とし、乾燥塗布量は下記の通りである。
塩化カルシウム(和光純薬)0.18 g/m2
ポリビニルピロリドンK90(BASF) 2.0 g/m2
トリオレイン(95%、MP Biomedicals)1.1 g/m2
さらに、下記試薬を水に溶解し、145g/m2で塗布、乾燥し、膵リパーゼ乾式分析要素を作製した。なお、pH緩衝剤HEPESを含む塗布液は1N-NaOH水溶液でpH8.0に調整したものを用いた。乾燥塗布量は下記の通りである。
HEPES(同仁化学) 6.1 g/m2
直鎖ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(和光純薬) 1.0 g/m2
デオキシコール酸ナトリウム(和光純薬) 4.6 g/m2
タウロデオキシコール酸ナトリウム 1.5 g/m2
メトロース 2.1 g/m2
モノグリセリドリパーゼ(旭化成) 4400 U/m2
ブタコリパーゼ(ロシュ)0.1 g/m2
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡)8500 U/m2
アラビアゴム(和光純薬)の10%水溶液50gに、トリオレイン(95%、MP Biomedicals)1.43gを添加し、超音波分散を行った。
得られた乳化物中のトリオレインの体積平均粒径を、動的光散乱粒径分布測定装置であるナノトラックUPA(日機装製)で測定し、1.693μmであった。分散物は、室温で放置すると、1時間以内に乳化分散物が再凝集することが観察された。
精製水175mlにポリビニルピロリドンK90(BASF製)4.0g、ゼラチン(新田ゼラチン製)6.0g、および直鎖ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(和光純薬製)0.5gを60℃にて30分溶解した後、液温度を40℃に下げ、この水溶液中にトリオレイン(95%、MP Biomedicals)5.0gを撹拌しながら添加した。上記油水混合粗分散液を、超音波ホモジナイザーUS−600T(日本精機製)にて3分間分散した後、スターバーストミニ超高圧ホモジナイザー(スギノマシン製)を用い245MPaの圧力にて5回処理することで、微細乳化を行った。
精製水223.5mlにポリビニルピロリドンK90(BASF製)10.0g、ゼラチン(新田ゼラチン製)15.0g、および直鎖ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(和光純薬製)1.25gを50℃にて30分溶解した後、液温度を40℃に下げ、この水溶液中にトリオレイン(95%、MP Biomedicals)12.5gを撹拌しながら添加した。上記油水混合粗分散液を、PHYSCOTRON乳化装置(株式会社マイクロテック・ニチオン)にて8000rpm、14分、さらに12000rpm、11分間分散し、微細乳化を行った。
精製水223.5mlにポリビニルピロリドンK90(BASF製)10.0g、ゼラチン(新田ゼラチン製)15.0g、および直鎖ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(和光純薬製)1.25gを50℃にて30分溶解した後、液温度を40℃に下げ、この水溶液中にトリオレイン(95%、MP Biomedicals)12.5gを撹拌しながら添加した。上記油水混合粗分散液を、T.K.HOMODISPER f-model(特殊機化工業)にて6000rpm、20分分散し、微細乳化を行った。得られた乳化物中のトリオレインの体積平均粒径を、動的光散乱粒径分布測定装置であるナノトラックUPA(日機装製)で測定し、700nmであった。分散物は、40℃で放置後、6時間安定だった。また、4℃で冷蔵すると2週間、安定だった。
実施例2-1
比較例1において、基質に上記実施例1-1〜1-3で作製したトリオレイン乳化分散液を添加(下記)した。またこの乳化分散塗布液は塗布の工程安定性から134g/m2とし、乾燥塗布量は下記の通りとした。その他は比較例1と同じとし展開層には布を用いた。
実施例2-2
展開層に多孔質膜(アセチルセルロース)を用いる以外は実施例2-1.と同様である。
ポリビニルピロリドンK90 (BASF) 1.96g/m2
塩化カルシウム(無水) (和光純薬工業) 0.18g/m2
実施例1のトリオレイン乳化分散液(以下に塗布量としての処方量を示す)
・ポリビニルピロリドンK90 (BASF) 0.9g/m2
・750ゼラチン (新田ゼラチン) 1.3g/m2
・トリオレイン(95%、MP Biomedicals) 1.1g/m2
・直鎖ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(和光純薬) 0.11 g/m2
実施例3-1
比較例1において、基質に上記実施例1-1〜1-3で作製したトリオレイン乳化分散液を添加(下記)した。またこの乳化分散塗布液は塗布の工程安定性から134g/m2とし、乾燥塗布量は下記の通りとした。その他は比較例1と同じとし展開層には布を用いた。
実施例3-2
展開層に多孔質膜(アセチルセルロース)を用いる以外は実施例3-1.と同様である。
ヒドロキシプロピルセルロース−L(日本曹達株式会社) 9.8g/m2
塩化カルシウム(無水) (和光純薬工業) 0.18g/m2
実施例1のトリオレイン乳化分散液(以下に塗布量としての処方量を示す)
・ポリビニルピロリドンK90 (BASF) 0.9g/m2
・750ゼラチン (新田ゼラチン) 1.3g/m2
・トリオレイン(95%、MP Biomedicals) 1.1g/m2
・直鎖ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(和光純薬) 0.11 g/m2
比較例2および実施例1-1、1-2、1-3で作製したトリオレインの乳化液の、安定性を観察した結果を下表に示す。
例1.リパーゼ分析要素(「基質の添加」まで)からのトリオレインの転写(漏れ)
(1)リパーゼ分析要素(「基質の添加」まで)の布面からFDC、TGスライド布面への転写:
実施例の塗布品を4X3cmに切り取った。TGスライドのマウントを割り、1.2×1.3cmの塗布物を取り出した後、そのTG塗布物で上記実施例の塗布品の布面を擦り、トリオレインを転写させた。その後、マウント加工機で再マウント後、FDC7000アナライザーを用い、7%ヒトアルブミン生食液を点着し、転写したトリオレインに応じた4分後の発色量〔反射濃度ODr(4min)として測定〕を測定し、またコントロールとして、試薬の添加を実施していない布についても同様の布面の拭き取りを行った後、同様の測定し、両測定の差(ΔODr)を算出した。
比較例1、実施例2-1及び実施例3-1のトリオレインまで添加した製造中間品を、支持体側を搬送ロール(ステンレス製)に付着する方向で、30m/分で搬送した。その結果を示す。
Claims (17)
- 炭素差12〜22の長鎖アルキル脂肪酸のトリグリセリド、モノグリセリドリパーゼ、及びグリセリン測定試薬を展開または試薬層に含有し、水不透過性支持体と少なくとも1つ以上の展開または試薬層からなる体液中の膵リパーゼ測定用乾式分析要素の製造方法において、トリグリセリドを平均粒径1μm以下の乳化分散溶液として展開または試薬層に塗布する工程を含む、乾式分析要素の製造方法。
- トリグリセリドの平均粒径が0.5μm以下である、請求項1に記載の方法。
- トリグリセリドの平均粒径が0.3μm以下である、請求項1又は2に記載の方法。
- 100MPa以上の圧力で高圧乳化することによってトリグリセリドの乳化分散溶液が作製される、請求項1から3の何れかに記載の方法。
- トリグリセリドの乳化分散溶液に親水性ポリマーが含まれている、請求項1から3の何れかに記載の方法。
- トリグリセリドの乳化分散溶液に、5g/m2以上の親水性ポリマーが含まれている、請求項1から5の何れかに記載の方法。
- トリグリセリドの乳化分散溶液に、10g/m2以上の親水性ポリマーが含まれている、請求項1から6の何れかに記載の方法。
- 親水性ポリマーが、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、セルロース誘導体、ゼラチン、又はこれらの組み合わせから選択される親水性ポリマーである、請求項5から7の何れかに記載の方法。
- セルロース誘導体が、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、又はメチルセルロースである、請求項8に記載の方法。
- トリグリセリドの乳化分散溶液に、少なくともヒドロキシプロピルセルロースまたはゼラチンが含まれている、請求項5から9の何れかに記載の方法。
- トリグリセリドがトリオレインである、請求項1から10の何れかに記載の方法。
- モノグリセリドリパーゼが、バチルス・ステアロサーモフィラスH-165由来のモノグリセリドリパーゼである、請求項1から11の何れかに記載の方法。
- グリセリン測定試薬が、グリセロキナーゼ、グリセロリン酸オキシダーゼ、ペルオキシダーゼおよび発色試薬を含む、請求項1から12の何れかに記載の方法。
- 体液中の膵リパーゼ測定用乾式分析要素が、水不透過性支持体、試薬層および展開層を含む構成を有している、請求項1から13の何れかに記載の方法。
- 展開層が、布または多孔質膜からなる、請求項1から14の何れかに記載の方法。
- 多孔質膜が、ポリスルホン又はアセチルセルロースからなる多孔質膜、または微小ビーズから形成された多孔質膜である、請求項15に記載の方法。
- 請求項1から16の何れかに記載の方法で製造された、体液中の膵リパーゼ測定用乾式分析要素。
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