JP5331353B2 - 差動液圧マスターシリンダ - Google Patents

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Description

この発明は、差動液圧マスターシリンダに関し、特に、但しそれに限られることなく、車両ブレーキシステムへ使用される差動液圧マスターシリンダに関する。さらにこの発明は、このような差動液圧マスターシリンダを含む車両ブレーキ回路に関する。
液圧ブレーキが作動する際には、ブレーキアクチュエータによってブレーキ力が加えられる前に、システム内のあらゆる遊び又は緩みを最初に除くことが必要である。例えば、ディスクブレーキを有するブレーキシステムでは、ブレーキが作動しない時、ディスクブレーキキャリパ内のピストンは上記キャリパ内に引き込まれ、パッドがディスク上を摺動しないことを保証しているが、これは"フォールバック(fall back)"として知られている。ブレーキが作動すると、あらゆるブレーキ力が生じる前に、パッドをディスクに接触させるため最初にピストンを前進させることが必要である。ブレーキ作動の初期段階の間、あらゆる遊びを除去するため、大量の液圧流体が比較的短い行程を移動することが好ましい。このことは、マスターシリンダ内で大径ピストン及びシリンダ装置を用いることによって最も達成される。しかしながら、大径ピストン及びシリンダの使用は、望ましいブレーキ力を生成するのに必要な高圧力を作り出すために、大きなペダル踏力が要求されることを意味する。
上記した問題を克服するために、ブレーキ作動の初期段階の間に遊びを除去するために低圧力で大量の液圧流体を供給する第1の大径チャンバと、ブレーキ操作の後期段階の間に高圧力で液圧流体を供給する第2の小径チャンバとを有する差動ブレーキマスターシリンダが開発されている。適切な設計により、ブレーキを作動させるのに必要な全行程を低減すると同時に、許容限界内で必要なペダル踏力を維持するよう、差動マスターシリンダが構成されることができる。
大部分の差動マスターシリンダにおいて、大径チャンバは大径シリンダ内に位置する大径ピストンによって形成され、小径チャンバは小径シリンダ内の小径ピストンによって提供される。2つのピストンは段付きピストンとして一体に形成されてもよく、又はそれらが別のピストンであり2つのシリンダが段付きボア(内腔)として形成されてもよい。
差動マスターシリンダの操作の間、いったんブレーキシステムの自由遊び(free play)が除去されて液圧が上昇し始めると、作動している大径チャンバから小径チャンバへ切り替えることが必要である。このことは、大径チャンバ内の流体圧力が所定の値に達した時に大径チャンバと周囲圧力にある源とを接続するために開く、圧力逃しバルブ装置によって一般に達成される。好都合なことに、前記バルブは大径チャンバと流体容器とを接続する流体流路内に位置している。前記流体流路は完全にマスターシリンダの本体内に位置していてもよく、又はその内部に前記バルブが位置している流体流路の少なくとも一部が、ピストンを貫通して延びていてもよい。
差動ブレーキマスターシリンダ内の両方の作動チャンバがブレーキラインで流体接続されているため、大径チャンバからの流体がブレーキラインに到達できるようにする一方で、いったん前記圧力逃しバルブが開くと流体が大径チャンバ内に戻ることを防止する逆止めバルブ装置を組み込むことも必要である。いくつかの公知の装置において、大径チャンバから移動した流体は小径ピストン内のダクトを通り、さらにピストン上のリップシールを越えて流れ、小径チャンバ及びブレーキラインに入る。圧力逃しバルブが開くと、前記リップシールが確実に押されてシリンダの壁に接し、液圧流体がシールを越えて大きいチャンバ内に逆向きに流れるのを防止する。しかしながら、前記リップシールは応答がゆっくりであるため、過渡期を増大させる。この問題を回避するため、大きい作動チャンバとブレーキラインとを流体流路で接続するとともに、圧力逃しバルブが開いた時に流体が大きいチャンバ内に逆流するのを防止するため、前記流路内に一方向バルブを設けることが知られている。いくつかの公知の装置において、流体が小径チャンバを通ってブレーキラインに入るよう、小さいピストンを貫いて流体流路が形成される。他の公知の装置において、流体流路はマスターシリンダの本体内に設けられる。
圧力逃しバルブ及び逆止めバルブが共にピストンアセンブリ内に位置する差動ブレーキマスターシリンダの例は、フレニ ブレンボS.P.A.の国際特許出願公開番号WO2004/022398に記述されている。一方、曙ブレーキ工業株式会社に譲渡された米国特許4,455,831は、マスターシリンダの本体内に形成された流体流路内に圧力逃しバルブが位置する一方で、逆止めバルブがピストンアセンブリ内に位置する差動ブレーキマスターシリンダを記述する。
大径チャンバから小径チャンバへの円滑な移動を確実にするため、圧力逃しバルブ及び逆止めバルブの両方が同時に動作することが不可欠である。又、所定の圧力に達した時に、圧力逃しバルブが迅速かつ円滑に開き、振動しないことが好ましい。このことは、すべての差動マスターシリンダにおける問題であるが、ピストンアセンブリ内にバルブが位置し、バルブの大きさが必然的に制限される場合に特に問題となり得る。
このため、上記した問題を克服し、又は少なくとも軽減する改善された差動ブレーキマスターシリンダが要望されている。
本発明の第1の態様に従い、第1の作動チャンバと、前記第1の作動チャンバより小さな直径を有する第2の作動チャンバとが備えられたシリンダ本体を有する差動液圧マスターシリンダであって、前記シリンダはさらに、前記第1の作動チャンバと周囲圧力にある源とを流体接続するための第1の流体流路と、前記第1の作動チャンバ内の圧力が閾値に達した時に前記周囲圧力にある源と前記第1の作動チャンバとを接続するため開くよう配置され、前記第1の流体流路内の圧力逃しバルブと、前記第1の作動チャンバと出口とを流体接続するための第2の流体流路と、前記第2の流体流路内に位置し、液圧流体が前記第1の作動チャンバから前記出口へ流れるのを許容し液圧流体が逆方向に流れるのを防止するように配置された逆止めバルブとを有し、前記逆止めバルブと前記圧力逃しバルブとがそれぞれ可動バルブ部材を含み、少なくとも前記圧力逃しバルブが開いた時に、前記2つのバルブの前記可動バルブ部材が機械的に相互接続される差動液圧マスターシリンダが提供される。
前記機械的な相互接続は、前記可動バルブ部材の間で力を移動するのに適合していてもよい。
前記機械的な相互接続は、前記可動バルブ部材の間に実質的に剛体の連結具を有していてもよい。前記可動バルブ部材は、共通のバルブスプールに設けられていてもよい。
使用時に前記圧力逃しバルブが開き始めた時、前記逆止めバルブの前記可動バルブ部材を横切って圧力差が生じ、その圧力差は前記逆止めバルブの可動バルブ部材に力を生じさせ、その力が前記機械的な相互接続を介して前記圧力逃しバルブの可動バルブ部材に伝達され、前記圧力逃しバルブを完全に開く方向に前記圧力逃しバルブの可動バルブ部材を移動させるように前記マスターシリンダが構成されていてもよい。
使用時に、前記逆止めバルブの前記可動バルブ部材を横切る圧力差が前記閾値と等しいか又は前記閾値より大きい間、前記圧力逃しバルブが開き続けるように前記マスターシリンダが構成されていてもよい。
前記第1及び第2の流体流路の全体が前記シリンダ本体内に備えられていてもよい。
前記圧力逃しバルブは、前記可動バルブ部材と、前記第1の流体流路内にあって対応するシール部材とを有してもよく、使用時に、前記可動バルブ部材が前記対応するシール部材に接して前記第1の流体流路を閉塞する閉鎖位置から、及び前記対応するシール部材と離間する開放位置から移動できるよう前記バルブが構成されている。前記対応するシール部材は、前記第1の流体流路の一部を形成する第1のバルブチャンバ内に取り付けられた弾性リングシールであってもよく、前記可動バルブ部材は実質的に剛体であってもよい。
一の実施形態において、前記逆止めバルブ可動部材は、前記第2の流体流路の一部を形成する第2のバルブチャンバ内に位置するピストンを有し、前記ピストンは前記第2のバルブチャンバの表面に接するためのリップシールを支持し、前記装置は、使用時に流体が前記リップシールを越えて前記第1の作動チャンバから前記出口へ流れることができるが、前記リップシールが前記第2のバルブチャンバの前記表面と係合することにより流体が逆方向に流れることを防止するようになっている。
他の実施形態において、前記逆止めバルブは、前記可動バルブ部材と、前記第2の流体流路内にあって対応するシール部材とを有し、使用時に、前記可動バルブ部材が前記対応するシール部材に接して前記第2の流体流路を閉塞する閉鎖位置から、及び前記可動バルブ部材が前記対応するシール部材と離間する開放位置から移動できるよう、前記逆止めバルブが構成されている。この実施形態において前記対応するシール部材は、前記第2の流体流路の一部を形成する第2のバルブチャンバ内に取り付けられた弾性リングシールであり、前記可動バルブ部材は実質的に剛体であってもよい。
前記逆止めバルブの前記可動部材がその対応するシール部材から離間している時、前記圧力逃しバルブの前記可動バルブ部材は、その対応するシール部材に密閉接触して前記第1の流体流路を閉塞し、その逆の場合も同様であるよう、前記液圧マスターシリンダが構成されていてもよい。
前記圧力逃しバルブは、前記可動バルブ部材をバルブ閉鎖位置に付勢するバルブスプリングを有してもよく、前記バルブを開く前記閾値圧力は前記バルブスプリングによって加えられるバネ力によって決定される。前記バネ力が調整可能であってもよい。前記バネ力を変えるため前記シリンダ本体に調整可能に取り付けられている閉塞部材に対し、前記スプリングが作用してもよい。前記マスターシリンダはさらに、当該マスターシリンダから離れて前記閾値圧力を調整できるよう構成される機構を有してもよい。
本発明の第1の態様に従う差動液圧マスターシリンダは、穴によって流体的に相互接続される第1及び第2のバルブチャンバを前記シリンダ本体に有してもよく、前記第1のバルブチャンバは前記第1の流体流路の一部を形成し、前記第2のバルブチャンバは前記第2の流体流路の一部を形成し、前記シリンダはさらに、前記穴を通って前記第1及び第2のバルブチャンバのそれぞれに入るバルブスプールを有し、前記バルブスプールは、前記第1のバルブチャンバ内に前記圧力逃しバルブの前記可動バルブ部材を支持するとともに前記第2のバルブチャンバ内に前記逆止めバルブの前記可動バルブ部材を支持し、前記バルブスプールは、前記圧力逃しバルブ可動部材が前記第1のバルブチャンバ内でシールに接して前記第1の流体流路を閉塞する初期位置から、前記圧力逃しバルブ部材が前記シールから離間して前記第1の流体流路が開く位置まで軸方向に移動可能であり、前記バルブスプールはバルブスプリングによって前記初期位置に付勢されている。この場合、前記逆止めバルブの前記可動バルブ部材は、前記バルブスプールに取り付けられ又は前記バルブスプールと一体のピストンを有してもよく、前記ピストンは前記第2のバルブチャンバの表面に接するためのリップシールを支持し、前記装置は、使用時に流体が前記リップシールを越えて前記出口へ流れることができるが、前記リップシールが前記第2のバルブチャンバの前記表面と係合することにより流体が逆方向に流れることを防止するようになっている。その代わり、前記逆止めバルブは、前記可動バルブ部材と、前記第2のバルブチャンバ内にあって対応するシール部材とを有してもよく、使用時に、前記可動バルブ部材が前記対応するシール部材に接して前記第2の流体流路を閉塞する閉鎖位置から、及び前記可動バルブ部材が前記対応するシール部材と離間し前記第2の流体流路を通る流路が開かれる開放位置から移動できるよう、前記逆止めバルブが構成されている。前記対応するシール部材は弾性リングシールであってもよい。前記バルブスプールがその初期位置にある時、前記逆止めバルブの前記可動バルブ部材は、その対応するシール部材から離間していてもよい。この実施形態において、前記シリンダ本体に調整可能に取り付けられている閉塞部材によって、前記第1のバルブチャンバが一端に閉塞されてもよく、前記バルブスプリングは前記閉塞部材と前記バルブスプールとの間に作用し、前記装置は、前記バルブスプリングによって前記バルブスプールに加えられるバネ力が前記シリンダ本体内の前記閉塞部材の位置を調整することによって変更可能になっている。
本発明の第1の態様に従う液圧マスターシリンダにおいて、前記第1及び第2の作動チャンバは、前記シリンダ本体内の段付きボア及びピストンアセンブリによって規定されてもよく、前記ピストンアセンブリは、前記段付きボアの対応する寸法の大径部に収容されて前記第1の作動チャンバを規定する大径ピストン部を有するとともに、前記段付きボアの対応する寸法の小径部に収容されて前記第2の作動チャンバを規定する小径ピストン部を有する。この場合、前記第1及び第2の流体流路、前記圧力逃しバルブ及び前記逆止めバルブの少なくとも一部が前記ピストンアセンブリ内に設けられていてもよい。
本発明の第1の態様に従う差動液圧マスターシリンダは、車両ブレーキシステムへの使用に適合してもよい。
本発明の第2の態様に従い、本発明の第1の態様に従う液圧マスターシリンダを含む車両ブレーキシステムが提供される。
本発明の第1の態様に従う液圧マスターシリンダの2つの実施形態は、一例として添付の図面を参照して記述される。
最初に図1を参照し、本発明に従う差動液圧マスターシリンダ10の第1の実施形態が示される。
この実施形態において、マスターシリンダ10は、車両用の液圧ブレーキシステム(図示せず)の一部を構成すると共に、前記マスターシリンダと1又はそれ以上のブレーキアクチュエータ(図示せず)とを流体接続するためのブレーキライン11を取付け可能な出口を有する。前記マスターシリンダは、あらゆる適切な液圧ブレーキシステムと共に使用可能であるが、一般的にはディスクブレーキを組み込んだブレーキシステムに使用される。本発明に従うマスターシリンダ10は、レース用車両のブレーキシステムとの使用に特に適しているが、本発明はこの応用に限定されるものではない。
液圧マスターシリンダ10は、段付きに形成されたシリンダ本体12と、段付きピストンアセンブリ16と共同して2つの作動チャンバ18,20を規定する円筒状のブラインドボア(blind bore)14とを有する。第1の作動チャンバ18は、段付きピストンアセンブリ16の対応する大径ピストン部24と連結する(in conjunction with)段付きボア14の大径部22によって規定される。第2の作動チャンバ20は、対応する小径ピストン部28と共同する段付きボアの小径部26によって規定される。詳細は後述するように、作動チャンバ18,20の両方は出口を通って、前記マスターシリンダと1又はそれ以上のブレーキアクチュエータ(図示せず)とを動作可能に接続するブレーキライン11に流体接続される。
各ピストン部24、28は、前記段付きボアの対応する部分22、26よりわずかに小径であり、リップシール30、32を支持する。ブレーキを動作させるためピストン部24、28が図1の矢印Aの方向に前進した時に、前記リップシールはボアの表面にぴったり嵌り、液圧流体が前記シールを越えて逆流するのを防止する。環状閉塞部材34は、段付きボアの大径部22の開口端で凹部36内に位置し、溝40に噛み合うバネクリップ38によって所定位置に保持される。ピストンアセンブリ16は、作動システムと接続するため前記環状閉塞部材を貫いて延びる一体の作動ロッド42を有し、それによって、車両の運転者は公知の方法でブレーキを作動させるため、ボア14に沿ってピストンアセンブリ16を前進させることができる。一般に、前記作動システムは、ブレーキを作動させるため運転者の足によって押されるブレーキペダル(図示せず)を有するが、その代わりに前記作動システムが手で操作されるレバー又はあらゆる他の適切な機構を有することができる。作動ロッド42はベアリング44によって前記環状閉塞部材に支持され、さらにシール46、48が前記環状閉塞部材34に設けられ、部材34と作動ロッド42との間、又は部材34と凹部36の底面との間で液圧流体が漏れるのを防止する。
伸縮バネ50がシリンダ本体12とピストンアセンブリ16との間で作用し、ブレーキが作動していない時、矢印Aと反対方向であるブレーキ解除方向にピストンを付勢する。作動ロッド42の周囲で、閉塞部材34と大径ピストン部24の後面との間にシム52が取り付けられ、ブレーキ解除方向へのピストンアセンブリの移動を、図1の完全に解除された位置に規制する。ブレーキ解除方向のピストンの行程を調整するため、異なる厚みのシム52を使用することができる。伸縮バネ50は、段付きボア14の閉端に取り付けられたロッド54の周りに組み込まれ、ピストンアセンブリ16内の軸方向めくら穴56に収容されている。1又はそれ以上の穴58が大径及び小径ピストン部24、28のそれぞれを貫通して延び、ピストンアセンブリ16が伸縮バネによってブレーキ解除方向に移動させられた時、その穴を通って液圧流体が流れることができる。図に示されないが、リップシール30、32とその対応するピストン部24、28との間に薄い金属製のワッシャが配置され、ブレーキが加えられて作動チャンバ18,20内の流体が加圧された時に前記シールが穴58内に押し出されるのを防止するようにしてもよい。
シリンダ本体12の第1のダクト60は、液圧流体リザーバ(図示せず)と流体接続されている。図のようにピストンアセンブリが完全に解除された位置にあっても、穴62は前記第1のダクトと、大径ピストン部24の背面にある段付きボアの大径部22領域とを流体接続する。ピストンアセンブリ16が完全に解除された位置にある時、入口ポート64は、大径ピストン部24上のリップシール30の丁度前の位置で第1のダクト60とボア14の大径部22とを接続する。前記ピストンアセンブリ16が完全に引き込まれた位置にある時、システム内の損失を補充するため、入口ポート64を通って液圧流体が第1のチャンバ18に入ることができる。移動ポート66は第1及び第2のチャンバ18、20とを相互連結し、ピストンアセンブリが完全に解除された位置にある時に、小径ピストン部28上のリップシール32の丁度前の位置で第2のチャンバ20に開口している。ブレーキが作動していない時、損失を補充するため、移動ポート66を通って液圧流体が第1のチャンバ18から第2のチャンバ20に入ることができる。
第1のチャンバ内の流体圧力がいったん所定の閾値に達すると、ブレーキ作動の間に作動している第1のチャンバ18から作動している第2のチャンバ20へ切り替えるため、一般に68で示される切替バルブ装置がシリンダ本体12内に設けられる。前記切替バルブ装置は、機械的に連結された圧力逃しバルブ70及び逆止めバルブ72を有する。
圧力逃しバルブ70は、シリンダ本体12に形成された第1のバルブチャンバ74内に位置し、逆止めバルブ72は、同様にシリンダ本体12に形成されて第1のバルブチャンバ74と軸方向に並ぶ第2のバルブチャンバ76内に位置している。第1のバルブチャンバ74の有効部分は、第2のバルブチャンバ76の有効部分より小さな直径を有する。2つのバルブチャンバ74、76は、小径の軸方向穴78によって流体的に相互接続されると共に、軸方向穴78に通じるダクト80によって第1の作動チャンバ18に流体接続されている。ダクト80の外端はプラグ81によって閉塞されている。
第1のダクト60は第1のバルブチャンバ74に通じ、そのため第1のバルブチャンバ74は第1の作動チャンバ18と前記流体リザーバとを接続する第1の流体流路の一部を形成し、前記第1の流路は、第1の作動チャンバ18と軸方向穴78との間のダクト80、軸方向穴78、第1のバルブチャンバ74及び第1のダクト60を含む。
シリンダ本体12内の更なるダクト82によって、第2のバルブチャンバ76が第2の作動チャンバ20並びに出口及びブレーキライン11に流体接続されている。このように第2のバルブチャンバは第1の作動チャンバと前記出口とを接続する第2の流体流路の一部を形成し、前記第2の流体流路はダクト80、軸方向穴78、第2のバルブチャンバ76及び更なるダクト82を含む。一般に前記出口は、ブレーキライン11が常法で取り付けられることが可能なネジ結合を持つポートを有する。"出口"という用語は前記マスターシリンダとブレーキライン11との間の接続を定義するのに便利な方法としてここで用いられるが、ブレーキ液が前記出口を通ってブレーキライン11へ入ったり出たりして双方向へ流れることができることは理解されるであろう。
切替バルブ装置は、軸方向穴78を貫通して第1のバルブチャンバ74及び第2のバルブチャンバ76の両方へ延びる軸方向の主体部86を有するバルブスプール84を含む。ネジ又はあらゆる他の適切な方法により、硬質の圧力逃しバルブ部材88が第1のバルブチャンバ74内で前記バルブスプールの主体部に取り付けられる。圧力逃しバルブ部材88は、径方向外側に突出してその表面に軸方向のシール面88aが形成される環状フランジを有する。図1に示すように、バルブスプール84が前記第1の流体流路を閉塞する初期位置にある時、圧力逃しバルブ部材88上のシール面88aは、第1のバルブチャンバ74の内側端の溝に取り付けられた環状弾性シール90に接してシールを形成するように配置される。
圧力逃しバルブ部材88と、ネジ96によって第1のバルブチャンバ74の外側端に取付けられる調整式閉塞部材94との間に作用するらせんコイルスプリング92によって、バルブスプール84が前記初期位置に付勢されている。閉塞部材94は、閉塞部材96とチャンバ壁との間で液圧流体が漏れるのを防止するためのシール98を支持する。シリンダ本体12における閉塞部材94の軸方向の位置は、閉塞部材を内側又は外側へねじ込んでスプリング92によって圧力逃しバルブ部材88に加えられるバネ力を調整し、それにより圧力逃しバルブが開く閾値圧力を調整することによって、調整することができる。
逆止めバルブピストン100は、第2のバルブチャンバ76内に位置するバルブスプール主体86の端部に一体に形成されている。逆止めバルブピストン100は第2のバルブチャンバよりわずかに小径であり、前記ピストンから外側を向くと共に第2のバルブチャンバ76の表面に嵌るリップシール102を支持し、リップシール102は、流体がそれを越えて軸方向穴78及び第1の作動チャンバ18へ向かって流れるのを防止する。逆止めバルブピストン100を軸方向に貫通して複数の穴104が形成され、その穴を通って流体がリップシール102を越え、第2のバルブチャンバ76、ダクト82及びブレーキライン11に入るように流れることができる。バルブスプール84の初期位置に関して、ピストン100とバルブスプール84とが軸方向を右に移動して以下に記述するように圧力逃しバルブ70を開くよう、図のように逆止めバルブピストン100が第2のバルブチャンバ76の内側端から軸方向に離間している。逆止めバルブピストン100及びバルブリップシール102は、逆止めバルブ72の可動バルブ部材とみなすことができる。
シリンダ本体12とネジで噛み合う更なる閉塞部材106により、第2のバルブチャンバ76がその外側端で閉塞される。更なる閉塞部材106は、流体が閉塞部材106を越えて漏れるのを防止するため第2のバルブチャンバの内面に接するシール108を支持する。
記述された実施形態において、2つの閉塞部材94、106及びバルブスプリング92を取去ることにより、切替バルブスプールアセンブリ84を引き出すことができる。その後、圧力逃しバルブ部材88がバルブスプール主体86から取り外されて第1のバルブチャンバ74を通って引き出されることができ、一方でバルブスプール主体86が第2のバルブチャンバ76を通って取り外される。図1に示すように、バルブスプール主体86は、圧力逃しバルブ部材88を取り外すのに役立つ工具と協同するための構造(formations)110を備えていてもよい。しかしながら、バルブスプール84が種々の異なる方法で組立てられることができるのは理解されるであろう。例えば、圧力逃しバルブ部材88と逆止めバルブピストン100の双方がバルブスプール主体86に取り付けられる別々の部材として形成されてもよく、又は逆止めバルブピストン100が主体86に取り付けられる分離した部材として形成され、圧力逃しバルブ部材88が一体に形成されてもよい。圧力逃しバルブと逆止めバルブとの間の機械的相互連結を有する切替バルブ装置68を構成する多くの他の装置は、当業者にとって明らかであろう。
差動ブレーキマスターシリンダ10の操作が記述される。
図1に示す完全に解除された位置のピストンアセンブリ16において、作動チャンバ18、20の双方が流体リザーバと流体接続され、システムは周囲の圧力にある。圧力逃しバルブ70が閉じられるよう、バルブスプール84及び圧力逃しバルブ部材88がバルブスプリング50によって初期位置に付勢されている。
車両の運転者がブレーキを作動させると、ピストンアセンブリ16は矢印Aの方向へ移動して段付きボア14に沿って前進する。大ピストン24上のリップシール30が入口ポート64を越えて前進し、小ピストン上のリップシール32が移動ポート66を越えて前進すると、第1及び第2の作動チャンバ18、20が前記リザーバから液圧的に独立し、前記チャンバ18、20及びブレーキライン11内の圧力が形成され始める。
ブレーキ作動の初期段階の間、作動チャンバ18、20及びブレーキライン11内の圧力は、システム内の遊びが除かれるにつれ、かなり低いままである。この段階で、ピストンアセンブリ14の比較的短い行程に渡って遊びが除去されるのを確実にするため、大量の流体が第1の作動チャンバ18から移動する。第1の作動チャンバ18から移動した流体は、一方向逆止めバルブ72を通り、第2の流体流路80、78、76、82に沿ってブレーキライン11に入るように流れる。
システム内の遊びが取り除かれると、例えばブレーキパッドをブレーキディスクに接触させるため、あらゆる関連するブレーキキャリパ内のピストンが前進してシステム内のあらゆる空気が圧縮されると、ブレーキ力が生じるに従って作動チャンバ18、20及びブレーキライン11内の流体圧力は急速に上昇し始める。第1の作動チャンバ18内の圧力が、遊びが除去されたことを示す所定の閾値に達すると、圧力逃しバルブ部材88に働く流体圧力は、バルブスプリング92によって加えられたバネ力を超えるのに十分な力をバルブスプール84に加え、図に示すように前記バルブスプールは右に移動する。圧力逃しバルブ部材88のシール面とシール90との間に隙間が生じる程にバルブスプール84が十分に移動すると、第1及び第2のバルブチャンバの間の軸方向穴78を含む第1の流体流路が開かれ、第1の作動チャンバ18と前記リザーバとを流体接続させる。圧力逃しバルブ70が開き始め、軸方向穴78内の流体圧力が低下すると、一方向バルブピストン100とリップシール102との間で圧力差が生じる。図に示すように、この圧力差は、バルブスプリングの付勢力に対抗してバルブスプール84を右に付勢する力を生じさせ、圧力逃しバルブ70が迅速に開くのを助けると共にブレーキ作動プロセスの残りの間、圧力逃しバルブを開き続ける。
圧力逃しバルブ70が開くとともに、第1の作動チャンバ18内の圧力は周囲の圧力まで低下し、ブレーキに働く流体圧力はもっぱら第2の小径作動チャンバ20によって生成される。過大なペダル踏力を必要とせずに、好ましいブレーキ力を得るための充分に高い流体圧力が得られるよう、第2の作動チャンバ20は寸法を作られている。第2のバルブチャンバ76の表面に接させられるリップシール102により、第2の作動チャンバ20からの流体が第2の流体流路80、78、76、82に沿って逆流するのが防止され、そのため第2の作動チャンバ20及びブレーキライン11は、第1の作動チャンバ18及び周囲の圧力下にある液圧回路の部分から流体的に独立する。
運転者がブレーキ作動力をピストンアセンブリ16に加える限り、ブレーキ作動が続く。運転者がピストンアセンブリ16からブレーキ作動力を除くと、伸縮バネ50及びブレーキキャリパーピストンのフォールバックによって、ピストンアセンブリがブレーキ解除方向に付勢される。ピストンアセンブリ16が完全に解除された位置に向かって後退するに従い、第2のバルブチャンバ76内の逆止めバルブピストン100及びリップシール102に作用する圧力が閾値以下に低下し、バルブスプリング92が圧力逃しバルブ70及び第1の流体流路を閉塞する初期位置にバルブスプール84を移動させることができるまで、圧力逃しバルブ70は開き続ける。ピストンアセンブリ16がブレーキ解除方向に移動するに従い、流体がリップシール30、32を越え、ピストン部24、28の穴58を通って流れることができる。ピストンアセンブリ16が完全に解除された位置に戻ると、入口及び移動ポート64、66は暴露され、作動チャンバ18、20の双方が再び前記リザーバと流体接続され、周囲の圧力になる。
本発明に従う差動ブレーキマスターシリンダ120の他の実施形態が図2に示される。第1の実施形態10におけるのと同一又は同一機能を果たす構成部分を示すため、同一の参照数字が用いられる。
第2の実施形態に従うブレーキマスターシリンダ120は、逆止めバルブ72を除いて第1の実施形態10と本質的に同一である。第2の実施形態の逆止めバルブ72は、第2のバルブチャンバ76内に位置するバルブスプール主体86の端に一体に形成された可動バルブ部材122を有する。逆止めバルブ部材122は、軸方向のシール面122aを有して径方向に延びるフランジを備え、シール面122aは、前記逆止めバルブが閉じられた時、第2のバルブチャンバ76の内側端にある溝126に取り付けられた弾性環状シール124に接してシールを形成するよう配置されている。図2に示すように、圧力逃しバルブ72が閉じられるバルブスプール84の初期位置において、逆止めバルブ部材のシール面122aは弾性シール124から離間し、流体が逆止めバルブ部材122とシール124の間から第2の流体流路を通って、第1の作動チャンバ18からブレーキライン11に流れることができる。ブレーキの作動の間、第1の作動チャンバ18内の流体の圧力が閾値に達すると、圧力逃しバルブ部材88の内面に働く圧力がバルブスプール84を右に移動させ、図に示すように圧力逃しバルブ70を開く。圧力逃しバルブが開き始めると、第1の作動チャンバ18、ダクト80、及び軸方向穴78内の圧力が第1及び第2のバルブチャンバ74、76の間で低下し、逆止めバルブ部材122を横切って圧力差が生じる。図に示すように、この圧力差は、バルブスプールを右に移動させて圧力逃しバルブ70を完全に開くと共に、逆止めバルブ及び第2の流体流路を閉塞するように逆止めバルブ部材122をシール124に接触させる力をバルブスプール84に生じさせる。第1の実施形態と同様に、逆止めバルブ部材122を横切る圧力差は、ブレーキ作動プロセスの残りの間、圧力逃しバルブ70を開き続ける。
第2の実施形態に従う差動マスターシリンダ120はそれ以外の点では第1の実施形態10と同一であり、第1の実施形態10と同様な方法で作動し、詳細については読者は上記の第1の実施形態の記述を参照することが望ましい。
本発明に従う差動マスターシリンダ10、120の特に有利な点は、逆止めバルブ72と圧力逃しバルブ70とが機械的にかつ動作可能に連結されているため、圧力逃しバルブ70が開き始める時に逆止めバルブピストン100又は部材122に加えられる力が、圧力逃しバルブを完全に開くのを助けるために用いられると共に、ブレーキ作動プロセスの残りの段階の間、それを開き続けるために用いられることである。このことは、閾値圧力に達すると、圧力逃しバルブ70が迅速かつ確実に開くことを保証する。圧力逃しバルブ70を開き続けることは、ブレーキ作動段階の残りのすべてを通して周囲の圧力にある第1の作動チャンバ18としてのマスターシリンダの効率をも向上させる。一方、分離した圧力逃しバルブ及び逆止めバルブ装置を有する従来技術の差動ブレーキマスターシリンダにおいて、第1の作動チャンバ内の圧力が閾値に向かって又は閾値未満に低下すると圧力逃しバルブが閉じ、そのため第1の作動チャンバ内にはピストンアセンブリの前進に打ち勝つ残圧が常に存在する。
第2の実施形態において、圧力逃しバルブ70及び逆止めバルブ72の可動バルブ部材88、122の機械的連結は、双方のバルブが同時に作動することをも確実にする。
本実施形態の切替バルブ装置68は前記ピストンアセンブリでなくマスターシリンダの本体12に設けられているため、バルブ70,72をより大きく形成することができると共に、作動中にそれらの信頼性をより高めることができるゴム又は弾性シール86、102、124を組み込むことができる。マスターシリンダ本体12内に切替バルブ装置68を設ける更なる利点は、圧力逃しバルブ70を調整可能に製造できることである。典型的には、圧力逃しバルブ70は50-100 PSI (344.7-689.5KPa)の範囲の閾値圧力で開くように構成され、閉塞部材94を出入させてバルブスプリング92によって圧力逃しバルブ部材88及びバルブスプール84へ加えられる力を変えることにより、実際の閾値を調整することができる。このことは、状況や運転者の好みを調整するあらゆる特定の車両に合わせるため、マスタ−シリンダを微調整可能にする。閾値圧力を変える手段として、異なって格付けされた(rated)スプリングを使用できるよう、本実施形態はさらにバルブスプリング92を容易に交換することを可能とする。
圧力逃しバルブ70が開く閾値圧力を調整可能であることは、運転者がしばしばブレーキを"フェザーする(feather)"ことを好むレース用車両にとって特に利点がある。つまり運転者は、ブレーキ力が丁度働く地点でブレーキを保持することを望む。このことは、運転者がブレーキを保持することを望む点が、しばしば圧力逃しバルブ70が開く地点に一致し又は近いため、差動マスターシリンダにとって問題となり得る。圧力逃しバルブ70が開くと、ペダルを通したブレーキの触感に顕著な変化を生じさせるため、運転者がこの地点でブレーキをフェザーするのは困難であろう。圧力逃しバルブ70が開く閾値圧力を調整可能であることは、大きい作動チャンバから小さい作動チャンバへの切替又は移動が、ブレーキをフェザーするためブレーキシステムで運転者が保持するのに必要なのと異なる作動圧力で生じるように決められることができることを意味する。特に有利な装置において、車両内から、又は車両の外から送信される制御信号に応じ、遠隔で閾値圧力を調整可能な機構を提供することができる。
本発明は、現在のところ最も有用で好ましい実施形態と考えられるものに関して記述されてきたが、本発明は開示された装置に限定されず、本発明の精神及び範囲内に含まれる種々の変形及び均等な構成を含むことを意図することは理解されるべきである。マスターシリンダの詳細な設計の種々の態様が変更可能であることは当業者であれば容易に理解されるであろう。例えば、大径及び小径ピストン24、28が一体の段付きピストンの一部としてでなく、分離した装置として設けられることができる。さらに、2つのバルブチャンバが直接流体連絡している必要はない。その代わり、前記圧力逃しバルブが開いた時に前記逆止めバルブの可動部材が圧力差に曝されるという条件で、各チャンバが第1の作動チャンバと別々の流体接続を有することができる。さらに、記述された実施形態では、切替バルブがシリンダ本体内に有利に設けられるが、少なくとも第1及び第2の流体流路並びに切替バルブの少なくとも一部がピストンアセンブリ内に設けられることができる。
本発明に従う差動液圧マスターシリンダの第1の実施形態の長軸に沿う断面図。 本発明に従う差動液圧マスターシリンダの第2の実施形態の長軸に沿う断面図。

Claims (14)

  1. 第1の作動チャンバと、前記第1の作動チャンバより小さな直径を有する第2の作動チャンバとが備えられたシリンダ本体を有する差動液圧マスターシリンダであって、
    前記シリンダはさらに、前記第1の作動チャンバとリザーバとを流体接続するための第1の流体流路と、前記第1の作動チャンバ内の圧力が閾値に達した時に前記リザーバと前記第1の作動チャンバとを接続するため開くよう配置され、前記第1の流体流路内の圧力逃しバルブと、前記第1の作動チャンバと出口とを流体接続するための第2の流体流路と、前記第2の流体流路内に位置し、液圧流体が前記第1の作動チャンバから前記出口へ流れるのを許容し、少なくとも前記圧力逃しバルブが開いた時に液圧流体が逆方向に流れるのを防止するように配置された逆止めバルブとを有し、
    前記逆止めバルブと前記圧力逃しバルブとがそれぞれ可動バルブ部材を含み前記2つのバルブの前記可動バルブ部材が機械的に相互接続されることにより、前記圧力逃しバルブが開き始める時に前記逆止めバルブに加えられる力が、前記圧力逃しバルブを完全に開くのを助けるように作用し、
    前記逆止めバルブ可動部材は、前記第2の流体流路の一部を形成する第2のバルブチャンバ内に位置するピストンを有し、前記ピストンは前記第2のバルブチャンバの表面に接するためのリップシールを支持し、
    前記装置は、使用時に流体が前記リップシールを越えて前記第1の作動チャンバから前記出口へ流れることができるが、前記リップシールが前記第2のバルブチャンバの前記表面と係合することにより流体が逆方向に流れることを防止するようになっている差動液圧マスターシリンダ。
  2. 前記機械的な相互接続は、前記可動バルブ部材の間に実質的に剛体の連結具を有する請求項1記載の差動液圧マスターシリンダ。
  3. 前記可動バルブ部材は、共通のバルブスプールに設けられている請求項2記載の差動液圧マスターシリンダ。
  4. 使用時に前記圧力逃しバルブが開き始めた時、前記逆止めバルブの前記可動バルブ部材を横切って圧力差が生じ、その圧力差は前記逆止めバルブの可動バルブ部材に力を生じさせ、その力が前記機械的な相互接続を介して前記圧力逃しバルブの可動バルブ部材に伝達され、前記圧力逃しバルブを完全に開く方向に前記圧力逃しバルブの可動バルブ部材を移動させるように前記マスターシリンダが構成されている請求項1〜3のいずれか1に記載の差動液圧マスターシリンダ。
  5. 使用時に、前記逆止めバルブの前記可動バルブ部材を横切る圧力差が前記閾値と等しいか又は前記閾値より大きい間、前記圧力逃しバルブが開き続けるように前記マスターシリンダが構成されている請求項4記載の差動液圧マスターシリンダ。
  6. 前記第1及び第2の流体流路の全体が前記シリンダ本体内に備えられている請求項1〜5のいずれか1に記載の差動液圧マスターシリンダ。
  7. 前記圧力逃しバルブは、前記可動バルブ部材と、前記第1の流体流路内にあって対応するシール部材とを有し、使用時に、前記可動バルブ部材が前記対応するシール部材に接して前記第1の流体流路を閉塞する閉鎖位置から、及び前記対応するシール部材と離間する開放位置から移動できるよう前記バルブが構成されてい請求項1〜6のうちいずれか1に記載の差動液圧マスターシリンダ。
  8. 前記対応するシール部材は、前記第1の流体流路の一部を形成する第1のバルブチャンバ内に取り付けられた弾性リングシールであり、前記可動バルブ部材は実質的に剛体である請求項7記載の差動液圧マスターシリンダ。
  9. 前記圧力逃しバルブは、前記可動バルブ部材をバルブ閉鎖位置に付勢するバルブスプリングを有し、前記バルブを開く前記閾値圧力は前記バルブスプリングによって加えられるバネ力によって決定され、前記バネ力が調整可能であ請求項1〜8のうちいずれか1に記載の差動液圧マスターシリンダ。
  10. 前記バネ力を変えるため前記シリンダ本体に調整可能に取り付けられている閉塞部材に対し、前記スプリングが作用する請求項9に記載の差動液圧マスターシリンダ。
  11. 前記マスターシリンダはさらに、当該マスターシリンダから離れて前記閾値圧力を調整できるよう構成される機構を有する請求項10に記載の差動液圧マスターシリンダ。
  12. 穴によって流体的に相互接続される第1のバルブチャンバを前記シリンダ本体に備え、前記第1のバルブチャンバは前記第1の流体流路の一部を形成し、
    前記シリンダはさらに、前記穴を通って前記第1及び第2のバルブチャンバのそれぞれに入るバルブスプールを有し、前記バルブスプールは、前記第1のバルブチャンバ内に前記圧力逃しバルブの前記可動バルブ部材を支持するとともに前記第2のバルブチャンバ内に前記逆止めバルブの前記可動バルブ部材を支持し、
    前記バルブスプールは、前記圧力逃しバルブ可動部材が前記第1のバルブチャンバ内でシールに接して前記第1の流体流路を閉塞する初期位置から、前記圧力逃しバルブ部材が前記シールから離間して前記第1の流体流路が開く位置まで軸方向に移動可能であり、前記バルブスプールはバルブスプリングによって前記初期位置に付勢されている請求項1に記載の差動液圧マスターシリンダ。
  13. 前記シリンダ本体に調整可能に取り付けられている閉塞部材によって、前記第1のバルブチャンバが一端に閉塞され、前記バルブスプリングは前記閉塞部材と前記バルブスプールとの間に作用し、
    前記装置は、前記バルブスプリングによって前記バルブスプールに加えられるバネ力が前記シリンダ本体内の前記閉塞部材の位置を調整することによって変更可能になっている請求項12に記載の差動液圧マスターシリンダ。
  14. 請求項1ないし13のいずれか1に記載の差動液圧マスターシリンダを含む車両ブレーキシステム。
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