JP3992997B2 - マスタシリンダ - Google Patents

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    • B60VEHICLES IN GENERAL
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    • B60T11/00Transmitting braking action from initiating means to ultimate brake actuator without power assistance or drive or where such assistance or drive is irrelevant
    • B60T11/10Transmitting braking action from initiating means to ultimate brake actuator without power assistance or drive or where such assistance or drive is irrelevant transmitting by fluid means, e.g. hydraulic
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  • Transmission Of Braking Force In Braking Systems (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のブレーキ装置等にブレーキ液を供給するマスタシリンダに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のマスタシリンダとして、ディスクブレーキやドラムブレーキ等のブレーキ装置に対してブレーキ液を供給する際、作動初期に大容量のブレーキ液を供給する、いわゆるファーストフィルを行うことで、ストローク初期の無効液量分を補い、その結果、ペダルストロークを短縮可能なものがある。
【0003】
このマスタシリンダは、大径シリンダ部および小径シリンダ部を有する段付シリンダと、該段付シリンダの大径シリンダ部内に摺動可能に挿入される大径ピストン部および小径シリンダ内に摺動可能に挿入される小径ピストン部を有する段付ピストンと、段付シリンダ内を大径ピストン側の大径与圧室とブレーキ装置に連通する小径ピストン側の小径液圧室とに区画するとともに大径与圧室側から小径液圧室側へのブレーキ液の流れのみを許容する逆止開閉部とを備え、段付ピストンの小径液圧室側への摺動による大径与圧室の体積減少により逆止開閉部を開いて大径与圧室側から小径液圧室側へ液補給を行うようになっている。
【0004】
このマスタシリンダには、段付ピストンの小径液圧室側への摺動による大径与圧室の体積減少により逆止開閉部を開かせて大径与圧室側から小径液圧室側へ液補給を行わせるとともに、大径与圧室の液圧が、ブレーキ装置と小径液圧室とを結ぶ連通流路から分岐した分岐流路を介して導入される液圧に応じた解除液圧になると大径与圧室の液圧をリザーバ側に開放する制御弁が設けられている。
【0005】
一方、近年、ブレーキペダルの踏み込みに応じたマスタシリンダのブレーキ液圧に対しこれを制御してブレーキ装置に伝達するためにマスタシリンダの小径液圧室とブレーキ装置とを結ぶ連通流路に液圧制御ユニットを設けることが行われている。この液圧制御ユニットとしては、例えば、制動時に車輪がスリップ傾向にあるか否かを判定し、スリップ傾向にある場合に、スリップ傾向を回避する液圧に減圧してブレーキ液圧をブレーキ装置に伝達するABSユニット等がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような液圧制御ユニットには、内部に絞りが設けられている。このように液圧制御ユニットの内部に絞りが設けられていると、通常の昇圧速度が低い制動時にはこの絞りの影響はないが、昇圧速度の高い急制動時にストローク初期の無効液量分を補うために、逆止開閉部を開いて大径与圧室側から小径液圧室側さらにはブレーキ装置側へ液補給を行おうとしても、十分にブレーキ装置側にブレーキ液が補給される前に、液圧制御ユニットと小径液圧室とを結ぶ連通流路およびこの連通流路から分岐する分岐流路の液圧が絞りによって急激に高まり、制御弁の設定開弁圧となるため、十分にブレーキ装置側にブレーキ液が補給される前に、大径与圧室の液圧がリザーバ側に開放されてしまうのである。このため、ストローク初期の無効液量分を十分に補うことができないという問題があった。その結果、ペダルストロークが伸び、ペダルフィーリングが悪化してしまう。
【0007】
本発明は、ブレーキ装置との間に液圧制御ユニットが設けられる場合の急制動時であっても、ストローク初期の無効液量分を十分に補うことができるマスタシリンダの提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1記載のマスタシリンダは、第1のシリンダ部および第2のシリンダ部と、前記第1のシリンダ部内に摺動可能に挿入される第1のピストン部と、前記第2のシリンダ部内に摺動可能に挿入される第2のピストン部と、前記第1のピストン部の摺動により拡縮される与圧室と、前記第2のピストン部の摺動により拡縮され、液圧制御ユニットを介してブレーキ装置に連通する液圧室と、前記与圧室と前記液圧室とを区画すると共に前記与圧室側から前記液圧室側へのブレーキ液の流れのみを許容する逆止開閉部と、前記与圧室とリザーバとを連通する第1の流路と、液室を有し、該液室の圧力が所定の解除液圧になると前記第1の流路を遮断状態から連通状態とする制御弁と、前記液室と前記液圧室とを常時連通し、前記液圧室で発生した液圧を前記液室に導入する第2の流路と、前記第1の流路の前記制御弁の上流側または前記第2の流路に設けられた絞りと、を有することを特徴としている。
【0009】
これにより、急制動時において、ストローク初期の無効液量分を補うために逆止開閉部を開いて与圧室側から液圧室側へ液補給を行おうとした場合に、液圧制御ユニットと液圧室とを結ぶ連通流路およびこの連通流路から分岐する、液室と液圧室とを常時連通する第2の流路の液圧が液圧制御ユニットの絞りによって急激に高まっても、第1の流路の前記制御弁の上流側または第2の流路に設けられた絞りが、制御弁の液圧が急激に高まり設定開弁圧となって開いてしまうのを防止することになる。
本発明の請求項2記載のマスタシリンダは、第1のシリンダ部および第2のシリンダ部と、前記第1のシリンダ部内に摺動可能に挿入される第1のピストン部と、前記第2のシリンダ部内に摺動可能に挿入される第2のピストン部と、前記第1のピストン部の摺動により拡縮される与圧室と、前記第2のピストン部の摺動により拡縮され、液圧制御ユニットを介してブレーキ装置に連通する液圧室と、前記与圧室と前記液圧室とを区画すると共に前記与圧室側から前記液圧室側へのブレーキ液の流れのみを許容する逆止開閉部と、前記与圧室とリザーバとを連通する第1の流路と、液室および該液室の液圧を受けて移動するバルブピストンを有し、前記液室の圧力が所定の解除液圧になるとこの液圧を受けて前記バルブピストンが移動し、前記第1の流路を遮断状態から連通状態とする制御弁と、前記液室と前記液圧室とを常時連通し、前記液圧室で発生した液圧を前記液室に導入する第2の流路と、前記第1の流路の前記制御弁の上流側または前記第2の流路に設けられた絞りと、を有することを特徴としている。
本発明の請求項3記載のマスタシリンダは、第1のシリンダ部および第2のシリンダ部と、前記第1のシリンダ部内に摺動可能に挿入される第1のピストン部と、前記第2のシリンダ部内に摺動可能に挿入される第2のピストン部と、前記第1のピストン部の摺動により拡縮される与圧室と、前記第2のピストン部の摺動により拡縮され、液圧制御ユニットを介してブレーキ装置に連通する液圧室と、前記与圧室と前記液圧室とを区画すると共に前記与圧室側から前記液圧室側へのブレーキ液の流れのみを許容する逆止開閉部と、前記与圧室とリザーバとを連通する第1の流路と、液室、該液室の液圧を受けて移動するバルブピストンおよび該バルブピストンの移動により前記第1の流路を連通遮断する開閉弁機構を有し、前記液室の圧力が所定の解除液圧になるとこの液圧を受けて前記バルブピストンが移動し、前記開閉弁機構が前記第1の流路を遮断状態から連通状態とする制御弁と、前記液室と前記液圧室とを常時連通し、前記液圧室で発生した液圧を前記液室に導入する第2の流路と、前記第1の流路の前記制御弁の上流側または前記第2の流路に設けられた絞りと、を有することを特徴としている。
本発明の請求項4記載のマスタシリンダは、第1のシリンダ部および第2のシリンダ部と、前記第1のシリンダ部内に摺動可能に挿入される第1のピストン部と、前記第2のシリンダ部内に摺動可能に挿入される第2のピストン部と、前記第1のピストン部の摺動により拡縮される与圧室と、前記第2のピストン部の摺動により拡縮され、液圧制御ユニットを介してブレーキ装置に連通する液圧室と、前記与圧室と前記液圧室とを区画すると共に前記与圧室側から前記液圧室側へのブレーキ液の流れのみを許容する逆止開閉部と、
前記与圧室とリザーバとを連通する第1の流路と、液室と該液室の液圧および前記第1の流路の前記与圧室の液圧を受けて移動するバルブピストンとを有し、前記液室および前記第1の流路の前記与圧室の圧力が所定の解除液圧になると前記バルブピストンが移動し、前記第1の流路を遮断状態から連通状態とする制御弁と、前記液室と前記液圧室とを常時連通し、前記液圧室で発生した液圧を前記液室に導入する第2の流路と、前記第1の流路の前記制御弁の上流側または前記第2の流路に設けられた絞りと、を有することを特徴としている。
【0010】
本発明の請求項5記載のマスタシリンダは、請求項1乃至4の何れか一項に記載のものに関して、前記第1の流路の前記制御弁の上流側または前記第2の流路の絞りは、前記液圧制御ユニット内の流通抵抗と同等の流通抵抗となる流路断面積とされていることを特徴としている。
【0011】
このように、第1の流路の前記制御弁の上流側または第2の流路の絞りが、液圧制御ユニット内に設けられた絞りと同等の流通抵抗となる流路断面積とされているため、ストローク初期の無効液量分を補うために逆止開閉部を開いて与圧室側から液圧室側へ液補給を行おうとした場合に、液圧制御ユニットと液圧室とを結ぶ連通流路およびこの連通流路から分岐する第2の流路の液圧が液圧制御ユニットの絞りによって急激に高まっても、第1の流路の前記制御弁の上流側または第2の流路に設けられた絞りが、制御弁の液圧が急激に高まり設定開弁圧となって開いてしまうのを確実に防止することになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態のマスタシリンダを図1を参照して説明する。
【0013】
図1中、符号1は、本実施形態のマスタシリンダを示すもので、マスタシリンダ1は、負圧式倍力装置を介して導入されるブレーキペダルの入力に応じた力でブレーキ液圧を発生させるマスタシリンダ本体11と、マスタシリンダ本体11の上部に取り付けられて該マスタシリンダ本体11に対しブレーキ液を給排するリザーバ12とを有している。
【0014】
マスタシリンダ本体11は、横方向に沿う略有底筒状の段付シリンダ15と、該段付シリンダ15の開口部側(図における右側)に摺動可能に嵌合されたプライマリピストン(段付ピストン)16と、段付シリンダ15のプライマリピストン16より底部15a側(図における左側)に摺動自在に嵌合されたセカンダリピストン17とを有している。
【0015】
段付シリンダ15は、該段付シリンダ15の底部15aが形成されるとともに横方向に沿って穴部20が形成された有底円筒状の第1部材21と、該第1部材21の穴部20内に底部15a側から順次嵌合される略円筒状の第2部材22、第3部材23、第4部材24および第5部材25と、第5部材25の底部15aに対し反対側に該第5部材25を覆うように設けられる第6部材26と、該第6部材26の底部15aに対し反対側に設けられるとともに第1部材21に螺合されて第2部材22〜第6部材26を第1部材21内に保持する第7部材27とを有している。
【0016】
第2部材22の内側に、上記セカンダリピストン17が摺動可能に嵌合されている。セカンダリピストン17は一端側から穴部30が形成された有底円筒状をなしており、該穴部30を第1部材21の底部15aに対向させるようにして第2部材22に嵌合されている。
【0017】
ここで、第1部材21の底部15a側とセカンダリピストン17の底部15a側すなわち穴部30側とで囲まれた部分が、セカンダリ側小径液圧室32となっている。
【0018】
第2部材22には、一端側が該第2部材22の径方向における内周面に開口するとともに他端側が第1部材21の流路33を介してリザーバ12に常時連通するポート34が形成されており、セカンダリピストン17には、上記ポート34とセカンダリ側小径液圧室32とを連通可能なリリーフポート35が形成されている。
【0019】
第2部材22と第1部材21との間には、セカンダリ側小径液圧室32とポート34との連通を遮断可能なカップシール36が設けられている。このカップシール36はセカンダリ側小径液圧室32の液圧がリザーバ12側の液圧以上の場合にこれらの連通を遮断するもので、セカンダリ側小径液圧室32の液圧がリザーバ12側の液圧より低い場合にはこれらを連通させ液補給を可能とする。
【0020】
セカンダリピストン17の穴部30と第1部材21の底部15aとの間には、図示せぬブレーキペダル側(図1における右側)から入力がない初期状態(このときの各部の位置を初期位置と以下称す)でこれらの間隔を決めるセカンダリピストンスプリング38が設けられている。この初期位置にあるとき、セカンダリピストン17は、リリーフポート35をポート34に連通させており、その結果、セカンダリ側小径液圧室32をリザーバ12に連通させている。
【0021】
この状態からセカンダリピストン17が第1部材21の底部15a側に移動すると、セカンダリ側小径液圧室32の液圧がリザーバ12側の液圧以上の状態においては、該セカンダリピストン17はそのリリーフポート35がカップシール36で閉塞されてポート34との連通が遮断され、その結果、セカンダリ側小径液圧室32とリザーバ12との連通が遮断されることになり、これにより、さらにセカンダリピストン17が底部15a側に移動することでセカンダリ側小径液圧室32からブレーキ装置にブレーキ液を供給する。
【0022】
第4部材24は、第1部材21の底部15a側の小径シリンダ部(第2のシリンダ部)40および第1部材21の底部15aに対し反対側の、小径シリンダ部40より大径の大径シリンダ部(第1のシリンダ部)41とを有する段付形状をなしており、小径シリンダ部40の内側に、上記プライマリピストン16が摺動可能に嵌合されている。
【0023】
プライマリピストン16は一端側に、セカンダリピストン17に対向配置される穴部43が形成されるとともに他端側にも負圧式倍力装置10のロッド10aが挿入される穴部44が形成されており、第4部材24の小径シリンダ部40に摺動可能に挿入される小径ピストン部(第2のピストン部)46と、第4部材24の大径シリンダ部41に摺動可能に挿入される大径ピストン部(第1のピストン部)47とを有している。この大径ピストン部47は、第5部材25にも摺動可能に挿入されている。
【0024】
セカンダリピストン17の底部15aに対し反対側と、プライマリピストン16の底部15a側すなわち穴部43側と第3部材23とで囲まれた部分が、プライマリ側小径液圧室(液圧室)49となっている。
【0025】
ここで、第3部材23には、第1部材21との間に、穴部(連通流路)50を介してプライマリ側小径液圧室49に常時連通する小径液圧室連通流路(連通流路)51が形成されている。
【0026】
第2部材22と第3部材23とセカンダリピストン17との間には、プライマリ側小径液圧室49と流路33及びポート34との連通を遮断するカップシール53が設けられている。
【0027】
また、第3部材23の小径液圧室連通流路51より底部15a側と第1部材21との間には、小径液圧室連通流路51と流路33及びポート34との連通を常時遮断するOリング54が設けられている。
【0028】
プライマリピストン16と第4部材24の大径シリンダ部41側とで囲まれた部分が、大径与圧室(与圧室)56となっている。
【0029】
第4部材24には、一端側が小径シリンダ部40の径方向の内周面に開口するとともに他端側が大径与圧室56に常時連通するポート57が形成されており、プライマリピストン16の小径ピストン部46には、上記ポート57と穴部43すなわちプライマリ側小径液圧室49とを連通可能なリリーフポート58が形成されている。なお、ポート57は、第3部材23と第4部材24との間の与圧室連通流路59にも常時連通している。
【0030】
第3部材23と第4部材24とプライマリピストン16の小径ピストン部46との間には、プライマリ側小径液圧室49と大径与圧室56側との連通を遮断可能なカップシール(逆止開閉部)61が設けられている。このカップシール61は、プライマリ側小径液圧室49の液圧が大径与圧室56の液圧以上の場合にこれらの連通を遮断するもので、逆に大径与圧室56の液圧がプライマリ側液圧室49の液圧より高い場合にはこれらを連通可能とする。このカップシール61は、言い換えれば、段付シリンダ15内を大径ピストン部47側の大径与圧室56と小径ピストン部46側のプライマリ側小径液圧室49とに区画するとともに大径与圧室56側からプライマリ小径液圧室49側へのブレーキ液の流れのみを許容するものである。
【0031】
第3部材23の小径液圧室連通流路51より底部15aに対し反対側と第1部材21との間には、小径液圧室連通流路51と大径与圧室56側との連通を常時遮断するOリング62が設けられている。
【0032】
セカンダリピストン17とプライマリピストン16との間には、図示せぬブレーキペダル側(図1における右側)から入力がない初期状態でこれらの間隔を決めるプライマリ初期位置決機構64が設けられている。このプライマリ初期位置決機構64は、セカンダリピストン17に当接する当接部材65と、プライマリピストン16側に延出するように該当接部材65に固定された軸部材66と、該軸部材66を所定の範囲で移動可能に保持するとともにプライマリピストン16の穴部43の底に当接する当接部材67と、当接部材65,67同士を相反方向に付勢するプライマリピストンスプリング68とを有している。
【0033】
プライマリ初期位置決機構64がプライマリピストンスプリング68の付勢力で当接部材65,67同士を軸部材66で規定される最も離れた位置に位置させるとき、プライマリピストン16は、初期位置に配置され、このとき、リリーフポート58をポート57に連通させており、プライマリ側小径液圧室49を大径与圧室56に連通させている。
【0034】
初期状態から底部15a側に移動すると、プライマリ側小径液圧室49の液圧が大径与圧室56の液圧以上の場合に、プライマリピストン16は、そのリリーフポート58がカップシール61で閉塞されてポート57との連通が遮断され、プライマリ側小径液圧室49と大径与圧室56側との該リリーフポート58を介しての連通を遮断することになり、この状態からさらに底部15a側に移動すると、プライマリ側小径液圧室49からブレーキ装置にブレーキ液を供給する。なお、リリーフポート58を閉塞させた状態であっても大径与圧室56の液圧がプライマリ側小径液圧室49の液圧以上のときは、カップシール61を介して大径与圧室56のブレーキ液がプライマリ側小径液圧室49に流れるようになっている。
【0035】
第4部材24は、第1部材21との間に、第1部材21の流路70を介してリザーバ12に常時連通する大気圧の液補給室71を形成している。この第4部材24の液補給室71より底部15a側と第1部材21との間には、大径側与圧室56と液補給室71との連通を常時遮断するOリング72が設けられている。
【0036】
第5部材25には、一端側が径方向における内周面に開口するとともに他端側が液補給室71に常時連通するポート74が形成されており、プライマリピストン16には、一端側が大径ピストン部47の径方向における外周面に開口することでポート74すなわち液補給室71に連通可能であるとともに他端側が大径ピストン部47と小径ピストン部46との境界の段部75すなわち大径与圧室56に常時連通するリリーフポート76が形成されている。
【0037】
第4部材24と第5部材25とプライマリピストン16の大径ピストン部47との間には、大径与圧室56と液補給室71との連通を遮断可能なカップシール78が設けられている。このカップシール78は、大径与圧室56の液圧が液補給室71の液圧以上の場合にこれらの連通を遮断するもので、逆に液補給室71の液圧が大径与圧室56の液圧より高い場合にはこれらを連通させて液補給を行う。
【0038】
初期位置にあるとき、プライマリピストン16は、リリーフポート76をポート74に連通させており、大径与圧室56を液補給室71に連通させている。そして、プライマリピストン16が、初期状態から底部15a側すなわちプライマリ側小径液圧室49側に摺動すると、大径与圧室56側の液圧が液補給室71の液圧以上の場合、そのリリーフポート76がカップシール78で閉塞されてポート74との連通が遮断され、大径与圧室56と液補給室71との該リリーフポート76を介しての連通を遮断することになり、さらにプライマリ側小径液圧室49側に摺動すると、プライマリピストン16は大径ピストン部47が大径与圧室56の体積を減少させることで、大径与圧室56の液圧を高め、該大径与圧室56とプライマリ側小径液圧室49との間に設けられたカップシール61を開いて、大径与圧室56側からプライマリ側小径液圧室49へ液補給を行うことになる。
【0039】
第5部材25と第6部材26とプライマリピストン16の大径ピストン部47との間には、カップシール79が設けられ、第1部材21と第6部材26との間にはOリング80が設けられている。
【0040】
なお、リリーフポート35,58,76は、液流通抵抗を抑えるためすべて直径がφ2と大きくされかつそれぞれ数箇所設けられている。また、セカンダリピストン17のリリーフポート35近傍のカップシール36と接触する周囲部分、およびプライマリピストン16のリリーフポート76近傍のカップシール78と接触する周囲部分には、本出願人が先に出願を行った特願平10−294502号に記載されたテーパ面が形成されている。これらにより、トラクションコントロール装置と組み合わせ、該トラクションコントロール装置がプライマリ側小径液圧室49およびセカンダリ側小径液圧室32から強制的にブレーキ液を吸入する際に、ブレーキ液をトラクションコントロール装置に大きな流量で流すことができるようになっている。
【0041】
本実施形態では、第1部材21に、穴部50および小径液圧室連通流路51を介してプライマリ側小径液圧室49に常時連通する小径液圧室連通ポート(連通流路)82と、与圧室連通流路59を介して大径与圧室56に常時連通する与圧室連通ポート83と、液補給室71に常時連通する液補給室連通ポート84とが形成されている。そして、小径液圧室連通ポート82には、外部配管からなる外部連通流路(連通流路)85aが連通されており、また、与圧室連通ポート83には、外部配管からなる連結流路(第1の流路)85bが連通されていて、さらに、液補給室連通ポート84には、外部配管からなる連結流路85cが連通されている。
【0042】
外部連通流路85aには、ディスクブレーキやドラムブレーキ等のブレーキ装置120が接続されており、また、ブレーキ装置120よりもマスタシリンダ本体11側にブレーキペダルの踏み込みに応じたマスタシリンダ本体11のブレーキ液圧に対しこれを制御してブレーキ装置120に伝達するための液圧制御ユニット121が設けられている。なお、この液圧制御ユニット121には内部に絞り122が設けられている。ここで、この液圧制御ユニット121は、例えば、制動時に車輪がスリップ傾向にあるか否かを判定し、スリップ傾向にある場合に、スリップ傾向を回避する液圧に減圧してブレーキ液圧をブレーキ装置120に伝達するABSユニットである。
【0043】
そして、外部連通流路85aには、そのマスタシリンダ本体11と液圧制御ユニット121との間から分岐するように分岐流路(第2の流路)85dが連通されており、この分岐流路85dと上記した連結流路85bと連結流路85cとには、マスタシリンダ本体11とは別体の制御弁86が連結されている。
【0044】
制御弁86は、マスタシリンダ1の一部を構成するもので、有底円筒状のバルブシリンダ本体87と、該バルブシリンダ本体87内に摺動可能に嵌合されるバルブピストン88と、該バルブピストン88の一端側に設けられて該バルブピストン88をバルブシリンダ本体87の底部87a方向に押圧するバルブスプリング89と、バルブシリンダ本体87の開口側を閉塞させるとともにバルブピストン88との間にバルブスプリング89を保持する蓋部材90と、バルブシリンダ本体87に蓋部材90を固定するCリング91とを有している。なお、バルブシリンダ本体87と蓋部材90とでバルブシリンダ92が構成されている。
【0045】
バルブピストン88は、先端側に第1軸部93が形成され、該第1軸部93に隣り合ってこれより大径の第2軸部94が形成され、また、該第2軸部94に隣り合ってこれより小径の第3軸部95が形成され、さらに、該第3軸部95に隣り合って第2軸部94より大径の第4軸部96が形成され、最後に、該第4軸部96に隣り合ってこれより小径でバルブスプリング89内に挿入される第5軸部97が形成されている。そして、第1軸部93の先端にはシール部材99が設けられている。また、第2軸部94と第4軸部96とには、バルブシリンダ本体87の内面との隙間を常時シールする2つのOリング(リングシール)100,101が設けられている。
【0046】
バルブシリンダ本体87の底部87aには、バルブピストン88のシール部材99で開閉されるポート102が形成されており、該ポート102が連結流路85bを介して与圧室連通ポート83に連通されている。また、バルブシリンダ本体87の側部87bの底部87a側には、バルブシリンダ本体87、バルブピストン88のバルブスプリング89に対し反対側外周を形成する第1軸部93、第2軸部94およびシール部材100で囲まれた液室(リリーフ室)104に常時連通するポート105が形成されており、該ポート105が連結流路85cを介して液補給室連通ポート84に連通されている。さらに、バルブシリンダ本体87の側部87bには、バルブシリンダ本体87、バルブピストン88の第2軸部94、第3軸部95、第4軸部96、シール部材100およびシール部材101で囲まれた液室106に常時連通するポート107が形成されており、該ポート107が分岐流路85dを介して外部連通流路85aに連通されている。ここで、バルブピストン88のシール部材99とバルブシリンダ本体87のポート102とが、液室104と大径与圧室56に連通された連結流路85bとの間を連通遮断する開閉弁機構108を構成している。
【0047】
そして、本実施形態においては、液圧制御ユニット121とプライマリ側小径液圧室49とを結ぶ外部連通流路85aから分岐した分岐流路85dに、絞り123が設けられている。この分岐流路85dに設けられた絞り123は、具体的には、液圧制御ユニット121内に設けられた絞り122(液圧制御ユニット121内の流路において液圧制御の非作動時に最小の流路断面積となる部分)と同等の流通抵抗となる流路断面積とされている。これによって、プライマリ側小径液圧室49の圧力が上昇した場合に、流路上絞り122を介してプライマリ側小径液圧室49に対し反対側に設けられたブレーキ装置120と、流路上絞り123を介してプライマリ側小径液圧室49に対し反対側に設けられた制御弁86の液室106とが同様に昇圧することになる。
【0048】
制御弁86は、バルブピストン88を、ポート102に導入される大径与圧室56の液圧と液室106に導入されるプライマリ側小径液圧室49の液圧とバルブスプリング89の付勢力でバランスさせる。このときのバランスは次式で表される。
【0049】
すなわち、図2に示すように、Oリング101によるシール断面積をA1、Oリング100によるシール断面積をA2(ただし、A2<A1)、シール部材99によるシール断面積をA3とし、液室106の液圧をPa、大径与圧室56の液圧をPb、バルブスプリング89のセット荷重をFとすると、Pa×(A1−A2)+Pb×A3=Fとなる。
【0050】
つまり、Pa×(A1−A2)+Pb×A3>Fになると、制御弁86は開弁して大径与圧室56の液圧をリザーバ12側に逃がすのである。このように、制御弁86は、液圧制御ユニット121とプライマリ側小径液圧室49とを結ぶ外部連通流路85aから分岐した分岐流路85dを介して導入される液圧に応じた解除液圧になると大径与圧室56の液圧をリザーバ12側に逃がす。
【0051】
ブレーキ作動の初期において、大径与圧室56の液圧が上昇を開始すると、プライマリ側小径液圧室49もカップシール61が開かれることで該大径与圧室56の液圧と同圧で上昇する。このとき、プライマリ側小径液圧室49に対し、液圧制御ユニット121の絞り122を介して連通されたブレーキ装置120と絞り123を介して連通された制御弁86とが、双方の絞り122,123により同等に液圧が上昇することになり、ブレーキ装置120に対してはストローク初期の無効液量分を補う大容量のブレーキ液を供給する、いわゆるファーストフィルを良好に行うことになる。つまり、液圧制御ユニット121の絞り122によってプライマリ側小径液圧室49の液圧が高まっても、ブレーキ装置120にブレーキ液を供給する前に液室106の液圧が高まるのを絞り123によって抑え、すぐにPa×(A1−A2)+Pb×A3>Fとなって制御弁86が開弁してしまうのを防止する。
【0052】
そして、ブレーキ装置120に対してストローク初期の無効液量分を補う大容量のブレーキ液を供給し、Pa×(A1−A2)+Pb×A3>Fとなると、制御弁86のバルブピストン88がバルブスプリング89の付勢力に抗して微小に移動してポート102を微小に開き、大径与圧室56の液圧解除を開始させる。このとき、Pa×(A1−A2)+Pb×A3=Fの式を満足させるようにプライマリ側小径液圧室49の液圧Paの上昇に応じて徐々に大径与圧室56の液圧Pbが下がるように、言い換えれば、プライマリ側小径液圧室49の液圧上昇に相関して大径与圧室56の液圧Pbが低下するように、大径与圧室56の液圧Pbを液補給室71を介してリザーバ12側に逃がすことになる。
【0053】
ここで、高昇圧時すなわちブレーキペダル2を比較的速い速度で踏圧する操作時においては、負圧式倍力装置からの入力はリニアに上昇することになり、プライマリ側小径液圧室49の液圧Paは一定割合で上昇することになるため、制御弁86は、大径与圧室56の液圧Pbを設定した勾配に沿って徐々に低下するようにリザーバ12側に逃がすことになる。この勾配は任意に設定可能であり、車両に合わせたチューニングが可能である。
【0054】
そして、大径与圧室56の液圧が解除され大気圧になると、バランス式は、Pa×(A1−A2)>Fとなり、制御弁86は開状態が維持されるため、プライマリ側小径液圧室49のみでブレーキ液圧を制御することになる。
【0055】
次に、本実施形態のマスタシリンダ1の作動について説明する。
【0056】
運転者によりブレーキペダルが踏み込まれ、ブレーキペダルに連結された負圧式倍力装置によりプライマリピストン16が底部15a方向に押されると、プライマリピストンスプリング68を介してセカンダリピストン17も同時に移動する。そして、プライマリピストン16のリリーフポート58がカップシール61により閉じられた時点で大径与圧室56が液圧を上昇させ、セカンダリピストン17のリリーフポート35がカップシール36により閉じられた時点でセカンダリ側小径液圧室32が液圧を上昇させる。プライマリ側小径液圧室49については、リリーフポート58,76のいずれか一方が閉じた時点で液圧を上昇させることになる(設計上は、リリーフポート58,76は同時に閉じられるようになっているが、寸法バラツキ等により前後することがある)。
【0057】
そして、液圧が上昇すると、プライマリ側小径液圧室49については、プライマリピストン16のストローク量×(大径与圧室56の外径−プライマリ側小径液圧室49の外径)分の液量が、カップシール61を押し開いて大径与圧室56からプライマリ側小径液圧室49に送り込まれ、ストローク初期の無効液量分(主にキャリパロールバック分)を補う。その後、プライマリ側小径液圧室49の小径化に伴う液量不足を補うため、大径与圧室56からプライマリ側小径液圧室49にブレーキ液が送り込まれつつ、大径与圧室56とプライマリ側小径液圧室49とが同圧で与圧室解除液圧まで上昇する。
【0058】
そして、与圧室解除液圧まで上昇すると、それまで閉状態にあった制御弁86が大径与圧室56の液圧を解除する。このとき、制御弁86は、上記したようにプライマリ側小径液圧室49の液圧Paの上昇に応じて徐々に大径与圧室56の液圧Pbが下がるように、大径与圧室56の液圧Pbを液補給室71を介してリザーバ12側に逃がすことになる。
【0059】
そして、大径与圧室56の液圧が解除され大気圧になると、制御弁86は開状態が維持され、プライマリ側小径液圧室49のみでブレーキ液圧を制御することになる。
【0060】
以上に述べた本実施形態のマスタシリンダ1によれば、ストローク初期の無効液量分を補うためにカップシール61を開いて大径与圧室56側からプライマリ側小径液圧室49側へ液補給を行おうとした場合に、液圧制御ユニット121とプライマリ側小径液圧室49とを結ぶ外部連通流路85aおよびこの外部連通流路85aから分岐する分岐流路85dの液圧が液圧制御ユニット121の絞り122によって急激に高まっても、分岐流路85dに設けられた絞り123が、急制動時において制御弁86の液室106の液圧が急激に高まり設定開弁圧となって制御弁86が開いてしまうのを防止することになる。したがって、マスタシリンダ本体11とブレーキ装置120との間に液圧制御ユニット121が設けられる場合であっても、ストローク初期の無効液量分を十分に補うことができる。その結果、ペダルストロークの伸びを防止でき、安定したペダルフィーリングを得ることが可能となる。
【0061】
しかも、分岐流路85dの絞り123が、液圧制御ユニット121内に設けられた絞り122と同等の流通抵抗となる流路断面積とされているため、急制動時において分岐流路85dの液圧が液圧制御ユニット121の絞り122によって急激に高まっても、分岐流路85dに設けられた絞り123が、液室106の液圧が急激に高まり設定開弁圧となって制御弁86が開いてしまうのを確実に防止することになる。したがって、マスタシリンダ本体11とブレーキ装置120との間に液圧制御ユニット121が設けられる場合であっても、ストローク初期の無効液量分を十分かつ確実に補うことができる。
【0062】
ここで、図3に示すように、連結流路85bに上記と同様の絞り123’を設けても上記と同様の効果を得ることができる。
【0063】
なお、上述した本実施形態のマスタシリンダ1では、段付シリンダ15内を大径ピストン部47側の大径与圧室56と小径ピストン部46側のプライマリ側小径液圧室49とに区画し、かつ大径与圧室56からプライマリ側小径液圧室49へのブレーキ流の流れのみを許容するカップシール61を設けた例について説明したが、これに限られることなく、カップシール61に替わって弁体の移動により開閉する逆止弁(逆止開閉部)を設けても良い。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1乃至4のいずれか一項記載のマスタシリンダによれば、急制動時において、ストローク初期の無効液量分を補うために逆止開閉部を開いて与圧室側から液圧室側へ液補給を行おうとした場合に、液圧制御ユニットと液圧室とを結ぶ連通流路およびこの連通流路から分岐する、液室と液圧室とを常時連通する第2の流路の液圧が液圧制御ユニットの絞りによって急激に高まっても、第1の流路の制御弁の上流側または第2の流路に設けられた絞りが、制御弁の液圧が急激に高まり設定開弁圧となって開いてしまうのを防止することになる。したがって、ブレーキ装置との間に液圧制御ユニットが設けられる場合であっても、ストローク初期の無効液量分を十分に補うことができる。その結果、ペダルストロークの伸びを防止でき、安定したペダルフィーリングを得ることが可能となる。
【0065】
本発明の請求項5記載のマスタシリンダによれば、第1の流路の制御弁の上流側または第2の流路の絞りが、液圧制御ユニット内に設けられた絞りと同等の流通抵抗となる流路断面積とされているため、ストローク初期の無効液量分を補うために逆止開閉部を開いて与圧室側から液圧室側へ液補給を行おうとした場合に、液圧制御ユニットと液圧室とを結ぶ連通流路およびこの連通流路から分岐する第2の流路の液圧が液圧制御ユニットの絞りによって急激に高まっても、第1の流路の制御弁の上流側または第2の流路に設けられた絞りが、制御弁の液圧が急激に高まり設定開弁圧となって開いてしまうのを確実に防止することになる。したがって、ブレーキ装置との間に液圧制御ユニットが設けられる場合であっても、ストローク初期の無効液量分を十分かつ確実に補うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態のマスタシリンダの構成を示す側断面図である。
【図2】 本発明の一実施形態のマスタシリンダの制御弁の側断面図であってバルブピストンのシール部分の断面積を示すものである。
【図3】 本発明の一実施形態のマスタシリンダの構成の別の例を示す側断面図である。
【符号の説明】
11 マスタシリンダ本体
12 リザーバ
15 段付シリンダ
16 プライマリピスト
40 小径シリンダ部(第2のシリンダ部)
41 大径シリンダ部(第1のシリンダ部)
46 小径ピストン部(第2のピストン部)
47 大径ピストン部(第1のピストン部)
49 プライマリ側小径液圧室(液圧室)
50 穴部(連通流路)
51 小径液圧室連通流路(連通流路)
56 大径与圧室(与圧室)
61 カップシール(逆止開閉部)
82 小径液圧室連通ポート(連通流路)
85a 外部連通流路(連通流路)
85b 連結流路(第1の流路)
85d 分岐流路(第2の流路)
86 制御弁
106 液室
120 ブレーキ装置
121 液圧制御ユニット
122 絞り(液圧制御ユニットの絞り)
123 絞り(分岐流路(第2の流路)の絞り)
123’ 絞り(連結流路(第1の流路)の絞り)

Claims (5)

  1. 第1のシリンダ部および第2のシリンダ部と、
    前記第1のシリンダ部内に摺動可能に挿入される第1のピストン部と、
    前記第2のシリンダ部内に摺動可能に挿入される第2のピストン部と、
    前記第1のピストン部の摺動により拡縮される与圧室と、
    前記第2のピストン部の摺動により拡縮され、液圧制御ユニットを介してブレーキ装置に連通する液圧室と、
    前記与圧室と前記液圧室とを区画すると共に前記与圧室側から前記液圧室側へのブレーキ液の流れのみを許容する逆止開閉部と、
    前記与圧室とリザーバとを連通する第1の流路と、
    液室を有し、該液室の圧力が所定の解除液圧になると前記第1の流路を遮断状態から連通状態とする制御弁と、
    前記液室と前記液圧室とを常時連通し、前記液圧室で発生した液圧を前記液室に導入する第2の流路と、
    前記第1の流路の前記制御弁の上流側または前記第2の流路に設けられた絞りと、を有することを特徴とするマスタシリンダ。
  2. 第1のシリンダ部および第2のシリンダ部と、
    前記第1のシリンダ部内に摺動可能に挿入される第1のピストン部と、
    前記第2のシリンダ部内に摺動可能に挿入される第2のピストン部と、
    前記第1のピストン部の摺動により拡縮される与圧室と、
    前記第2のピストン部の摺動により拡縮され、液圧制御ユニットを介してブレーキ装置に連通する液圧室と、
    前記与圧室と前記液圧室とを区画すると共に前記与圧室側から前記液圧室側へのブレーキ液の流れのみを許容する逆止開閉部と、
    前記与圧室とリザーバとを連通する第1の流路と、
    液室および該液室の液圧を受けて移動するバルブピストンを有し、前記液室の圧力が所定の解除液圧になるとこの液圧を受けて前記バルブピストンが移動し、前記第1の流路を遮断状態から連通状態とする制御弁と、
    前記液室と前記液圧室とを常時連通し、前記液圧室で発生した液圧を前記液室に導入する第2の流路と、
    前記第1の流路の前記制御弁の上流側または前記第2の流路に設けられた絞りと、を有することを特徴とするマスタシリンダ。
  3. 第1のシリンダ部および第2のシリンダ部と、
    前記第1のシリンダ部内に摺動可能に挿入される第1のピストン部と、
    前記第2のシリンダ部内に摺動可能に挿入される第2のピストン部と、
    前記第1のピストン部の摺動により拡縮される与圧室と、
    前記第2のピストン部の摺動により拡縮され、液圧制御ユニットを介してブレーキ装置に連通する液圧室と、
    前記与圧室と前記液圧室とを区画すると共に前記与圧室側から前記液圧室側へのブレーキ液の流れのみを許容する逆止開閉部と、
    前記与圧室とリザーバとを連通する第1の流路と、
    液室、該液室の液圧を受けて移動するバルブピストンおよび該バルブピストンの移動により前記第1の流路を連通遮断する開閉弁機構を有し、前記液室の圧力が所定の解除液圧になるとこの液圧を受けて前記バルブピストンが移動し、前記開閉弁機構が前記第1の流路を遮断状態から連通状態とする制御弁と、
    前記液室と前記液圧室とを常時連通し、前記液圧室で発生した液圧を前記液室に導入する第2の流路と、
    前記第1の流路の前記制御弁の上流側または前記第2の流路に設けられた絞りと、を有することを特徴とするマスタシリンダ。
  4. 第1のシリンダ部および第2のシリンダ部と、
    前記第1のシリンダ部内に摺動可能に挿入される第1のピストン部と、
    前記第2のシリンダ部内に摺動可能に挿入される第2のピストン部と、
    前記第1のピストン部の摺動により拡縮される与圧室と、
    前記第2のピストン部の摺動により拡縮され、液圧制御ユニットを介してブレーキ装置に連通する液圧室と、
    前記与圧室と前記液圧室とを区画すると共に前記与圧室側から前記液圧室側へのブレーキ液の流れのみを許容する逆止開閉部と、
    前記与圧室とリザーバとを連通する第1の流路と、
    液室と該液室の液圧および前記第1の流路の前記与圧室の液圧を受けて移動するバルブピストンとを有し、前記液室および前記第1の流路の前記与圧室の圧力が所定の解除液圧になると前記バルブピストンが移動し、前記第1の流路を遮断状態から連通状態とする制御弁と、
    前記液室と前記液圧室とを常時連通し、前記液圧室で発生した液圧を前記液室に導入する第2の流路と、
    前記第1の流路の前記制御弁の上流側または前記第2の流路に設けられた絞りと、を有することを特徴とするマスタシリンダ。
  5. 前記第1の流路の前記制御弁の上流側または前記第2の流路の絞りは、前記液圧制御ユニット内の流通抵抗と同等の流通抵抗となる流路断面積とされていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のマスタシリンダ。
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