JP4767402B2 - マスタシリンダ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブレーキ装置を作動させる液圧を発生させるマスタシリンダに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のマスタシリンダとして、例えば、特開平2ー136363号公報に開示されたものがある。
このマスタシリンダは、一端側が外部に開口するシリンダと、このシリンダ内に摺動可能に設けられるとともに同シリンダとの間で液圧を発生させる圧力室を形成する、奥側のセカンダリピストンおよび開口側のプライマリピストンとを有しており、シリンダの内周面には、開口側から順に、奥側のセカンダリピストンガイドリング、中央のスリーブ、開口側のプライマリピストンガイドリングが嵌挿され、シリンダの一端側には、前記プライマリピストンガイドリングに当接して該プライマリピストンガイドリング、スリーブおよびセカンダリピストンのシリンダからの抜け止めを行なうホルダを備えるものである。
【0003】
なお、前記セカンダリピストンガイドリングおよびプライマリピストンガイドリングは、前記セカンダリピストンおよびプライマリピストンをそれぞれ軸線方向に摺動自在に案内するとともに、それらピストンの外周面との間で液補給室を形成し、かつ、一側が該液補給室に開口し他側がその外周面に開口する連通ポートを形成している。また、スリーブは、前記セカンダリピストンガイドリングおよびプライマリピストンガイドリングに形成した連通ポートを、リザーバに連通させる連通路を形成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のマスタシリンダにあっては次の問題があった。
上述のマスタシリンダには、シリンダ内に嵌挿した、プライマリピストンガイドリング、スリーブおよびセカンダリピストンガイドリングにセット時の荷重が加わるのを避けるため、またそれら部材に軸線方向のがたつきが生じるのを避けるために、セカンダリピストンガイドリングとスリーブとの間に弾性部材を介在させているが、ブレーキペダル等によってプライマリピストンが奥方へ押圧されるブレーキ作動時に、ブレーキペダル等の操作力によっては、ピストンからの圧力負荷によりスリーブがシリンダ開口方向の押し戻されてホルダを押圧する。このとき、ホルダが瞬間的に変形してしまうことがあるため、ホルダの強度を増加させていた。しかしながら、強度を増加させるために肉厚化させているので、マスタシリンダが大型化してしまい、また、高強度の材料を使用しているので、製造コストが増加してしまうという問題があった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ホルダの変形を防止してマスタシリンダ全体を小型化し得るとともに、製造コストを削減し得るマスタシリンダを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、請求項1記載のマスタシリンダは、リザーバの内部に個別に連通する軸線方向に離間した二カ所の連通路を有し、一端側が外部に開口するシリンダと、該シリンダ内に前記開口から順に嵌挿される、奥側のセカンダリピストンガイドリング、中央のスリーブ、開口側のプライマリピストンガイドリングと、それらセカンダリピストンガイドリング、スリーブおよびプライマリピストンガイドリング内に軸線方向に沿って摺動自在に嵌挿され、これらとの間でプライマリ圧力室とセカンダリ圧力室とを複数のカップシールを介して画成する2つのピストンと、前記シリンダの一端側において、前記プライマリピストンガイドリングに当接して該プライマリピストンガイドリングの前記シリンダからの抜け止めを行なう抜止手段とを備えるマスタシリンダにおいて、前記スリーブは、一部材で形成されてその軸線方向の各端部が前記二カ所の連通路を介してそれぞれ前記リザーバの大気圧を受けるように配置され、前記スリーブの外周面と前記シリンダの内周面との間には、前記プライマリ圧力室に通じる液室が形成され、該液室は、前記スリーブの外周面と前記シリンダの内周面とが全周で接し得る軸線方向範囲の両端側に離間して前記カップシールのうち前記プライマリ圧力室を画成する一対のカップシールの近傍に設けられる一対の同径の環状のシール部材により前記二カ所の連通路と連通するのを防ぐように形成され、前記スリーブのシリンダ開口側の端部と前記プライマリピストンガイドリングの奥側の端部との間に弾性部材を介在させるとともに、前記抜止手段が、前記プライマリピストンガイドリングの前記シリンダ開口側の端部に当接するホルダと、該ホルダを前記シリンダに保持するべく前記ホルダと別部材で構成されて前記シリンダに締め込まれる止めリングとからなることを特徴している。
また、本発明の請求項2記載のマスタシリンダは、前記スリーブ、セカンダリピストンガイドリング、及び前記プライマリピストンガイドリングのいずれかが樹脂製であることを特徴としている。
【0007】
このように、スリーブのシリンダ開口側の端部と、プライマリピストンガイドリングの奥側の端部との間に弾性部材を介在させているため、抜止手段をシリンダに取り付けるときに、たとえ、予め設定された設定力以上の力で取り付けた場合であっても、前記スリーブの後端部と前記プライマリピストンガイドリングの前端部との間に介在させた弾性部材が適宜変形して取り付け力を緩和する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態のマスタシリンダを図1を参照して以下に説明する。
【0009】
図1は、マスタシリンダ10の全体構成を示すもので、図中符号11は一端が開口する略有底筒状のシリンダを、符号12は、シリンダ11の開口部側(図における右側)に軸線方向に沿って摺動可能に嵌挿されたプライマリピストン(ピストン)を、符号13は、シリンダ11のプライマリピストン12より底部側(図における左側)に軸線方向に沿って摺動自在に嵌挿されたセカンダリピストン(ピストン)を、それぞれ示している。
【0010】
また、符号14は、プライマリピストン12とセカンダリピストン13との間に配置され、図示せぬブレーキペダル側(図における右側)から入力がない初期状態(このときの各部の位置を初期位置と以下称す)でこれらの間隔を決める初期間隔維持機構部を、符号15は、セカンダリピストン13とシリンダ11の底部との間に配置され、ブレーキペダル側から入力がない初期状態でこれら間隔を決める初期間隔維持機構部を、符号16は、プライマリピストン12、セカンダリピストン13およびシリンダ11で画成されるプライマリ圧力室を、符号17は、セカンダリピストン13およびシリンダ11の底部側で画成されるセカンダリ圧力室、をそれぞれ示している。
【0011】
ここで、このマスタシリンダ10には、プライマリピストン12のセカンダリピストン13に対し反対側から例えばブースタで助勢されたブレーキペダルの踏込み力が入力されることになり、これによりプライマリピストン12はプライマリ圧力室16側(図1における左側)に前進し、セカンダリピストン13はセカンダリ圧力室17側(図1における左側)に前進する一方、ブレーキペダルの踏込み力が解除されることで、それぞれ逆側(各図における右側)に後退する。なお、以下における前後は、この方向を用いるものとする。
【0012】
シリンダ11の内部にはシリンダ穴20が形成され、このシリンダ穴20には、一端側の開口から順に、シリンダ穴20の最も底部に近接する側に同シリンダ穴20と同軸をなすとともに内周側にセカンダリピストン13が摺動自在に嵌合される略円環状のセカンダリピストンガイドリング22と、セカンダリピストンガイドリング22の後側に隣接されシリンダ穴20と同軸をなすとともに、内周側にセカンダリピストン13およびプライマリピストン12が摺動自在に嵌合される略円筒状のスリーブ24と、スリーブ24の後側に該スリーブ24と同軸をなすとともに内周側にプライマリピストン12が摺動自在に嵌合される略円筒状のプライマリピストンガイドリング25が嵌挿されている。
【0013】
また、シリンダ11の一端側には、プライマリピストンガイドリング25の後側に当接して該プライマリピストンガイドリング25、並びにそれに続くスリーブ24およびセカンダリピストンガイドリング22のシリンダ11からの抜け止めを行なう抜止手段26を備える。抜止手段26は、前記スリーブ24の先端外周に嵌合するとともにプライマリピストンガイドリング25の後端に当接するホルダ26Aと、ホルダ26Aのフランジ部を外側から押さえるようシリンダ11の一端側の凹部内周に形成された雌ねじ部11Aに螺合される止めリング26Bとからなっている。
【0014】
シリンダ11にはリザーバが取り付けられる取付部28が形成されており、取付部28には、取り付けられたリザーバの内部に個別に連通する二カ所の連通路29,30が、前後方向に配列されて形成されている。
【0015】
前記前側の連通路29すなわちセカンダリ側の連通路29は、リザーバ側が穴形状をなす一方、リザーバに対し反対側がセカンダリピストンガイドリング22の外周面とシリンダ11のシリンダ穴20の内周面との間で環状をなしている。ここで、セカンダリピストンガイドリング22には、径方向に貫通する連通ポート31が周方向に所定のピッチで複数形成されており、これら連通ポート31は、連通路29の環状部分に常時連通させられている。セカンダリピストンガイドリング22の内周側には、セカンダリピストン13の外径よりも大径の環状溝部33が形成されており、これにより、セカンダリピストンガイドリング22の環状溝部33とセカンダリピストン13の外周面との間には環状の液補給室34が形成されている。そして、すべての連通ポート31は、環状溝部33の内周面に開口しており、これにより液補給室34に常時連通させられている。
【0016】
図1に示すように、他方の後側すなわちプライマリ側の連通路30も、リザーバ側が穴形状をなす一方、リザーバに対し反対側が、プライマリピストンガイドリング25およびスリーブ24の外周面と、ホルダ26Aおよびシリンダ11のシリンダ穴20の内周面等との間で環状をなしている。ここで、プライマリピストンガイドリング25のスリーブ24に軸線方向において嵌合する部分には、径方向に貫通する連通ポート36が周方向に所定の等ピッチで複数形成されており、スリーブ24には、各連通ポート36に対応するように、スリーブ24の後端部から軸線方向に凹んで連通路30の一部を構成する凹部37が複数形成されている。
【0017】
ここで、図1に示すように、プライマリピストンガイドリング25の内周側には、プライマリピストン12の外径よりも大径の環状溝部42が形成されており、これにより、プライマリピストンガイドリング25の環状溝部42とプライマリピストン12の外周面との間には環状の液補給室43が形成されている。そして、プライマリピストンガイドリング25の連通ポート36は、環状溝部42の内周面に開口しており、これにより液補給室43に常時連通させられている。
【0018】
また、前記スリーブ24には、セカンダリピストン13とスリーブ24との隙間を介してプライマリ圧力室16に常時通じるとともに他方でシリンダ11を介して図示せぬブレーキ配管に通じる液室45が形成されており、スリーブ24の前側および中央側の外周部には、シリンダ11のシリンダ穴20とスリーブ24との隙間を介して液室45が連通路29および連通路30に連通するのを防ぐ環状のシール部材46およびシール部材47が設けられている。
【0019】
スリーブ24とセカンダリピストン13との間には、セカンダリピストン13とスリーブ24との隙間を介して液補給室34と液室45とが連通するのを防ぐ、その軸線を含む面における断面が凹形状の環状のシール部材50が設けられている。このシール部材50は断面形状における開口側を液室45側に配置している。
【0020】
シリンダ11のシリンダ穴20の内周面とセカンダリピストンガイドリング22とセカンダリピストン13との間には、これらの隙間を介して液補給室34とセカンダリ圧力室17とが連通するのを防ぐ、すなわち液補給室34とセカンダリ圧力室17とを区画するための、その軸線を含む面における断面が凹形状の環状のカップシール51が、セカンダリピストン13の外周面に摺接可能となるように保持されている。このカップシール51は断面形状における開口側をセカンダリ圧力室17側に配置している。なお、セカンダリ圧力室17は、シリンダ11に形成された通路52を介して図示せぬブレーキ配管に通じている。
【0021】
前記ホルダ26Aとプライマリピストンガイドリング25とプライマリピストン12との間には、これらの隙間を介して液補給室43が外部に連通するのを防ぐ、その軸線を含む面における断面が凹形状の環状のシール部材53が設けられている。このシール部材53は断面形状における開口側を液補給室43側に配置している。
【0022】
スリーブ24の内周側とプライマリピストンガイドリング25とプライマリピストン12との間には、これらの隙間を介して液補給室43とプライマリ圧力室16とが連通するのを防ぐ、すなわち液補給室43とプライマリ圧力室16とを区画するための、その軸線を含む面における断面が凹形状の環状のカップシール54が、プライマリピストン12の外周面に摺接可能となるように保持されている。このカップシール54は断面形状における開口側をプライマリ圧力室16側に向け配置している。
【0023】
セカンダリピストン13の前部には、軸線方向に沿って穴部56が形成されており、該穴部56内に前記初期間隔維持機構部15が設けられている。
初期間隔維持機構部15は、一端側がシリンダ11の底面に当接されるとともに他方がセカンダリピストン13の穴部56の底面に当接されてこれらを相反する方向に付勢するスプリング57を有している。
【0024】
セカンダリピストン13の前端部近傍には、穴部56からセカンダリピストン13の外周面に径方向に貫通することによりセカンダリ圧力室17に常時開口するとともに、該セカンダリピストン13の位置によってはセカンダリ圧力室17を液補給室34に連通可能なリリーフポート58が周方向に複数等ピッチで形成されている。ここで、セカンダリピストン13のリリーフポート58から前側の外周部には、外径が他の部分に比して小径とされた環状の段部59が形成されている。
【0025】
プライマリピストン12には、その後部に軸線方向に沿って穴部61が形成されており、該穴部61に図示せぬブースタの出力軸が配置されることになる。そして、ブレーキペダルの踏込みを該ブースタで助勢した出力が、出力軸を介して入力されるようになっている。
【0026】
プライマリピストン12の前部にも軸線方向に沿って穴部62が形成されており、該穴部62内に前記初期間隔維持機構部14が設けられている。
初期間隔維持機構部14は、セカンダリピストン13の後側に当接されて初期間隔維持機構部15の一部も構成するリテーナ64と、該リテーナ64にプライマリピストン12側に延出するようにかつ該リテーナ64に対して前方への相対移動は自由かつ所定位置からの後方への相対移動は不可能に嵌合された連結ロッド65と、該連結ロッド65のプライマリピストン12側の端部に嵌合されるとともにプライマリピストン12の穴部62の底部側に当接されるリテーナ66と、リテーナ64とリテーナ66とを相反する方向に付勢するスプリング67とを有している。
【0027】
以上の両初期間隔維持機構部14,15によりプライマリピストン12およびセカンダリピストン13は初期位置が既定の位置に決められる。
【0028】
プライマリピストン12の前端部近傍には、穴部62からプライマリピストン12の外周面に径方向に貫通することにより、プライマリ圧力室16に常時開口するとともに、該プライマリピストン12の位置によってはプライマリ圧力室16を液補給室43に連通可能なリリーフポート69が周方向に複数等ピッチで形成されている。ここで、プライマリピストン12のリリーフポート69から前側の外周部には、外径が他の部分に比して小径とされた環状の段部70が形成されている。
【0029】
また、前記スリーブ24のシリンダ開口側の端部と、前記プライマリピストンガイドリング25の奥側の端部との間には弾性部材72が介在されている。
弾性部材72は、セカンダリピストンガイドリング22やスリーブ24等に過大なセット荷重が加わるのを避けるため、またセカンダリピストンガイドリング22やスリーブ24等の軸線方向へのがたつきを押さえるためのものであり、例えば側面視波形に形成された金属製のワッシャや、樹脂製のワッシャ等が用いられる。
【0030】
以上のような構成のマスタシリンダ10の作動を説明する。
ブレーキペダルへの入力が開始されると、ブースタで助勢された出力が、プライマリピストン12に入力されるとともに該プライマリピストン12および初期間隔維持機構部14を介してセカンダリピストン13に入力され、プライマリピストン12が初期位置から前進するとともにセカンダリピストン13が初期位置から前進する。すると、カップシール54が、リリーフポート69を介してのプライマリ圧力室16と液補給室43との連通を遮断し、プライマリ圧力室16にあるブレーキ液をプライマリピストン12で押圧して液圧を発生させることになるとともに、カップシール51が、リリーフポート58を介してのセカンダリ圧力室17と液補給室34との連通を遮断し、セカンダリ圧力室17にあるブレーキ液をセカンダリピストン13で押圧して液圧を発生させることになる。
【0031】
他方、ブレーキペダルの入力が解除されると、プライマリピストン12およびセカンダリピストン13が図1に示す初期位置に戻ることになる。
【0032】
また、前記シリンダ11のシリンダ穴20内に、ガイドリング22、25やスリーブ24を組み込むとき、つまり、シリンダ11の一端側の開口から順に、セカンダリピストンガイドリング22、スリーブ24およびプライマリピストンガイドリング25を嵌挿し、外側から抜止手段26のホルダ26Aを嵌め込んだ後止めリング26Bによって締め付けるときに、たとえ、予め設定された設定力以上の力で締め付ける場合であっても、前記スリーブ24の後端部と前記プライマリピストンガイドリング25の前端部との間に介在させた弾性部材72が適宜変形して締め付け力を緩和するから、それらセカンダリピストンガイドリング22、スリーブ24およびプライマリピストンガイドリング25に過大なセット荷重が加わるのを避けることができ、それら部材22、24、25が座屈や割れ等損傷されるのを未然に防止できる。
【0033】
一方、前記止めリング26Bの締め付け力が設定力よりも多少小さい場合であっても、前記スリーブ24の後端部と前記プライマリピストンガイドリング25の前端部との間に弾性部材72を介在させているため、それらセカンダリピストンガイドリング22、スリーブ24およびプライマリピストンガイドリング25の軸線方向へのがたつきを防止することができる。
【0034】
また、ブレーキペダル等によってプライマリピストン12が奥方(前方)へ押圧されるブレーキ作動時に、プライマリピストン12との間の摩擦力によってスリーブ24が奥方へ移動する力を受けるが、スリーブ24の奥側端部は直接セカンダリピストンガイドリング22に当接しているため、スリーブ24が奥方へ移動することはない。したがって、従来例で見られた、スリーブ24とプライマリピストン12との間に形成されるプライマリ圧力室16の容積が増すことはなくなる。
【0035】
ちなみに、ブレーキ作動時に弾性部材72の変形によってプライマリピストンガイドリング25が奥方へ移動するおそれはあるが、たとえ、プライマリピストンガイドが奥方へ移動したところで、プライマリ圧力室16は、スリーブとプライマリピストンとの間がカップシール54によってシールされているので、プライマリ圧力室16の容積が変化することはない。
【0036】
加えて、上記実施の形態では、スリーブ24の外周側の前側および中央側とシリンダ穴20の内周面との間にシール部材46、47を設けてあるので、たとえ、ブレーキ作動時にプライマリ圧力室16が高圧になっても、このプライマリ圧力室16の液圧によってスリーブ24が奥側(前側)やシリンダ開口側(後側)へ移動される力を受けることはない。
【0037】
また、このように、ブレーキ時の液圧が高くなりその液圧によって、スリーブ24やセカンダリピストンガイドリング22およびプライマリピストンガイドリング25に軸線方向の力が加わることがないため、それらスリーブ24やガイドリング22、25を樹脂製の部品で構成しても、樹脂のクリープによる抜止手段26の止めリング26Bのシリンダ11に対する締込みが緩む心配がない。
【0038】
なお、これら前記シール部材46、47のうちいずれかがセカンダリピストンガイドリング22側やあるいはプライマリピストンガイドリング25側にある場合には、プライマリ圧力室16のブレーキ液圧が高くなるときに、該プライマリ圧力室16のブレーキ液圧によって、スリーブ24は奥側(前側)やシリンダ開口側(後側)へ移動されるような力を受ける。
【0039】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明のマスタシリンダによれば、スリーブのシリンダ開口側の端部とプライマリピストンガイドリングの奥側の端部との間に弾性部材を介在させているから、抜止手段をシリンダに取り付けるときに、たとえ、予め設定された設定力以上の力で取り付けた場合であっても、前記スリーブの後端部と前記プライマリピストンガイドリングの前端部との間に介在させた弾性部材が適宜変形して取り付け力を緩和するから、セカンダリピストンガイドリング、スリーブおよびプライマリピストンガイドリングに過大なセット荷重が加わるのを避けることができる。また、前記スリーブ、セカンダリピストンガイドリング、及び前記プライマリピストンガイドリングのいずれかを樹脂製とした場合でも、樹脂のクリープによる抜止手段のシリンダに対する取付けが緩む心配がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態のマスタシリンダの全体構成を示す断面図である。
【符号の説明】
10 マスタシリンダ
11 シリンダ
12 プライマリピストン(ピストン)
13 セカンダリピストン(ピストン)
16 プライマリ圧力室
17 セカンダリ圧力室
22 セカンダリピストンガイドリング
24 スリーブ
25 プライマリピストンガイドリング
26 抜止手段
26A ホルダ
26B リング
72 弾性部材
Claims (2)
- リザーバの内部に個別に連通する軸線方向に離間した二カ所の連通路を有し、一端側が外部に開口するシリンダと、
該シリンダ内に前記開口から順に嵌挿される、奥側のセカンダリピストンガイドリング、中央のスリーブ、開口側のプライマリピストンガイドリングと、
それらセカンダリピストンガイドリング、スリーブおよびプライマリピストンガイドリング内に軸線方向に沿って摺動自在に嵌挿され、これらとの間でプライマリ圧力室とセカンダリ圧力室とを複数のカップシールを介して画成する2つのピストンと、
前記シリンダの一端側において、前記プライマリピストンガイドリングに当接して該プライマリピストンガイドリングの前記シリンダからの抜け止めを行なう抜止手段とを備えるマスタシリンダにおいて、
前記スリーブは、一部材で形成されてその軸線方向の各端部が前記二カ所の連通路を介してそれぞれ前記リザーバの大気圧を受けるように配置され、
前記スリーブの外周面と前記シリンダの内周面との間には、前記プライマリ圧力室に通じる液室が形成され、該液室は、前記スリーブの外周面と前記シリンダの内周面とが全周で接し得る軸線方向範囲の両端側に離間して前記カップシールのうち前記プライマリ圧力室を画成する一対のカップシールの近傍に設けられる一対の同径の環状のシール部材により前記二カ所の連通路と連通するのを防ぐように形成され、
前記スリーブのシリンダ開口側の端部と前記プライマリピストンガイドリングの奥側の端部との間に弾性部材を介在させるとともに、
前記抜止手段が、前記プライマリピストンガイドリングの前記シリンダ開口側の端部に当接するホルダと、該ホルダを前記シリンダに保持するべく前記ホルダと別部材で構成されて前記シリンダに締め込まれる止めリングとからなることを特徴とするマスタシリンダ。 - 前記スリーブ、セカンダリピストンガイドリング、及び前記プライマリピストンガイドリングのいずれかが樹脂製であることを特徴とする請求項1に記載のマスタシリンダ。
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