JP4619513B2 - マスタシリンダ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のブレーキ装置等に油液を供給するマスタシリンダに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のマスタシリンダとして、例えば、特開昭57−73248号公報に記載されているように、ディスクブレーキのシリンダやドラムブレーキのホイールシリンダに対して油液を供給する際、作動初期に大容量の油液を供給するために、油液供給側の圧力室のシリンダ径に比較して補給側の圧力室のシリンダ径を大径に形成してなる、大径シリンダと小径シリンダとを有する段付シリンダと、該段付シリンダ内に小径ピストンと径ピストンからなる段付ピストンを摺動可能に挿入し、しかも補給側の圧力室の内圧が予め設定された値以上となったとき、該補給側の圧力室からリザーバに油液を逃がすリリーフ弁を備えたものが知られている。
【0003】
また、上記公報に記載されたマスタシリンダでは、リリーフ弁に補給側の圧力室を常時リザーバに連通すべく切欠を設け、この切欠によるごく小径の連通路によって、補給側の圧力室に残圧がかかるのを防止するとともに、同補給側の圧力室のエアー抜きを行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のマスタシリンダには、以下の問題があった。
すなわち、従来のマスタシリンダでは、リリーフ弁に設けられた切欠によるごく小径の連通路によって、補給側の圧力室とリザーバ内とを常時連通しているので、極緩のブレーキ操作時では、補給側の圧力室の油液が連通路を介してリザーバ内に逃げて油液供給側の圧力室に送られなくなり、段付シリンダを用いた最も大きいメリットであるストローク短縮効果が得られなくなるという問題があった。
【0005】
また、通常のブレーキ操作時(ブレーキペダルを比較的速い速度で踏圧する操作時)では、前述したごく小径の連通路による影響をあまり受けず、補給側の圧力室の油液が油液供給側の圧力室にスムーズに送られてストロークの短縮効果が得られため、結局、通常のブレーキ操作時と極緩のブレーキ操作時では、ストローク短縮効果が得られる場合と得られない場合が生じ、ブレーキペダルの踏み方によってブレーキフィーリング(ブレーキの効き方)が大きく異なってしまうという問題もあった。
【0006】
さらに、ブレーキ操作時にリリーフ弁が開状態になった際に、補給側圧力室の圧力がリザーバ内と同圧になるまでの時間も、上記ごく小径の連通路によって左右されるため、結果的にブレーキペダルの作動速度によって、ベダルストロークと踏み圧の関係が変化することとなり、この点も前記ブレーキフィリングを異ならせる一つの大きな要因となっていた。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、極緩の速度でブレーキ操作をしたときでもあるいは通常の速度でブレーキ操作をしたときでも、ストローク短縮効果が得られ、しかも、ブレーキペダルの踏み方が異なる場合でもブレーキフィーリングが変わらず、一定のブレーキフィリングが得られるマスタシリンダを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、大径シリンダおよび小径シリンダからなる段付シリンダと、該段付シリンダの大径シリンダ、小径シリンダ内にそれぞれ摺動可能に挿入された大径ピストンおよび小径ピストンからなる段付ピストンと、段付シリンダ内を大径ピストン側の圧力室と小径ピストン側の圧力室に区画すべく前記小径シリンダと前記小径ピストンとの間に設けられ、かつ大径ピストン側の圧力室から小径ピストン側の圧力室への流体の流れのみを許容するカップシールまたは逆止弁とを備えるマスタシリンダにおいて、前記大径シリンダに形成されて前記大径ピストン側の圧力室とリザーバとを連通し、その連通が前記段付ピストンの作動により遮断される第1の連通手段と、前記段付ピストンが前方へ移動する作動状態になって、前記第1の連通手段が遮断された後に、前記段付ピストンの作動状態に応じて、前記第1の連通手段とは別に、前記大径ピストン側の圧力室をリザーバへ連通させる第2の連通手段と、を備え、前記第2の連通手段は、前記段付ピストンを移動させる力が所定値を越えるとき大径ピストン側の圧力室をリザーバへ連通させるものであって、前記段付ピストンからの押圧力を受けて変形する弾性部材と、大径ピストン側の圧力室をリザーバへ連通させる連通路に設けられ、前記弾性部材の変形量に応じて前方へ移動することで開弁作動するとともに、前記大径ピストン側の圧力室の圧力が閉弁方向に作用する開閉弁とを有し、前記連通路は、前記段付ピストン内に形成されて前記開閉弁を閉弁方向に付勢するスプリングが介装される孔を有し、該孔が前記大径ピストン側の圧力室に常に連通することを特徴としている。
【0010】
請求項に係る発明は、大径シリンダおよび小径シリンダからなる段付シリンダと、該段付シリンダの大径シリンダ、小径シリンダ内にそれぞれ摺動可能に挿入された大径ピストンおよび小径ピストンからなる段付ピストンと、段付シリンダ内を大径ピストン側の圧力室と小径ピストン側の圧力室に区画すべく前記小径シリンダと前記小径ピストンとの間に設けられ、かつ大径ピストン側の圧力室から小径ピストン側の圧力室への流体の流れのみを許容するカップシールまたは逆止弁とを備えるマスタシリンダにおいて、前記大径シリンダに形成されて前記大径ピストン側の圧力室とリザーバとを連通し、その連通が前記段付ピストンの作動により遮断される第1の連通手段と、前記段付ピストンが前方へ移動する作動状態になって、前記第1の連通手段が遮断された後に、前記段付ピストンの作動状態に応じて、前記第1の連通手段とは別に、前記大径ピストン側の圧力室をリザーバへ連通させる第2の連通手段と、を備え、前記第2の連通手段は、段付ピストンの前方への移動量が所定値以上に達したときに大径ピストン側の圧力室をリザーバへ連通させるものであって、前記大径ピストン側の圧力室の後方側に形成され前記リザーバに連通する油溜まり室と、前記大径ピストン側の圧力室をリザーバへ連通させる連通路の一部を形成すべく前記段付ピストンに一体に設けられかつ段付ピストンの外周面に開口された開口部を有する油液通路と、該油液通路の開口部を段付ピストンの移動に応じて前記油溜まり室に対して開閉するよう、前記段付シリンダの内周面に前記段付ピストンの外周面に向けて設けられたシールとを有する構成であることを特徴としている。
【0011】
請求項3に係る発明は、大径シリンダおよび小径シリンダからなる段付シリンダと、該段付シリンダの大径シリンダ、小径シリンダ内にそれぞれ摺動可能に挿入された大径ピストンおよび小径ピストンからなる段付ピストンと、段付シリンダ内を大径ピストン側の圧力室と小径ピストン側の圧力室に区画すべく前記小径シリンダと前記小径ピストンとの間に設けられ、かつ大径ピストン側の圧力室から小径ピストン側の圧力室への流体の流れのみを許容するカップシールまたは逆止弁とを備えるマスタシリンダにおいて、前記大径シリンダに形成されて前記大径ピストン側の圧力室とリザーバとを連通し、その連通が前記段付ピストンの作動により遮断される第1の連通手段と、前記段付ピストンが前方へ移動する作動状態になって、前記第1の連通手段が遮断された後に、前記段付ピストンの作動状態に応じて、前記第1の連通手段とは別に、前記大径ピストン側の圧力室をリザーバへ連通させる第2の連通手段と、を備え、前記第2の連通手段は、大径ピストン側の圧力室をリザーバへ連通させる連通路に介装される弁を有し該弁は、小径ピストン側の圧力室の圧力を受ける第1の受圧部および大径ピストン側の圧力室の圧力を受ける第2の受圧部が同一部材に形成され、該第1および第2の受圧部が開弁方向に圧力を受け移動し、前記小径ピストン側の圧力室の圧力により開状態あるいは閉状態を繰り返しながら、前記大径ピストン側の圧力室の圧力がリザーバの内部と同圧になるまで弁することを特徴としている。
【0012】
本発明によれば、段付ピストンが前方へ移動する作動状態になったとき、第1の連通手段が閉になった後に、段付ピストンの作動状況の変化に応じて、大径ピストン側の圧力室をリザーバへ連通させる第2の連通手段を備えており、従来のように、ごく小径の連通路によって大径ピストン側の圧力室をリザーバへ常時連通させている場合に比べて、大径ピストン側の圧力室とリザーバとを一定の条件のときしか連通しないため、大径ピストン側の圧力室から小径ピストン側の圧力室へブレーキ動作初期に送り込まれる油液は安定する。したがって、ブレーキペダルの操作速度によるストローク変化が少なく、ブレーキペダルの操作速度が多少変わっても一定のブレーキフィーリング(ブレーキの効き方)が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のマスタシリンダの各実施の形態を図面を参照して説明する。
<第1の実施の形態>
図1ないし図4は本発明の第1の実施の形態を示すマスタシリンダである。
図1において符号1はマスタシリンダ本体であり、このマスタシリンダ本体1には大径シリンダ2A、小径シリンダ2Bからなる段付シリンダ2が形成されるとともに、ボス2C、2Dが形成され、該段付シリンダ2内には、プライマリピストン3と、セカンダリピストン4が軸線方向に沿って摺動自在に挿入されている。プライマリピストン3は、大径ピストン3Aと小径ピストン3Bからなる段付ピストンとして構成され、セカンダリピストン4は、小径ピストンとして構成されている。
【0014】
プライマリピストン3にはロッド5の後端側が固着され(この明細書では、ピストンの作動方向を基準に、図1において左方を前方、右方を後方と定める)、ロッド5の頭部にはバネ受けを兼ねたセカンダリピストン4との連結部材6が摺動自在に設けられ、該連結部材6とプライマリピストン3に固着されたバネ受け7との間にはプライマリピストン用の戻しバネ8が介装されている。また、段付シリンダの前端とセカンダリピストン4に固着されたバネ受け9との間にもセカンダリピストン用の戻しバネ10が介装されている。
【0015】
一方、プライマリピストン3の小径ピストン3Bの前端には小径カップシール11が組み込まれ、この小径カップシール11によって、段付シリンダ2内を大径ピストン側の圧力室12と小径ピストン側の圧力室13に区画している。また、この小径カップシール11は、大径ピストン側の圧力室12から小径ピストン側の圧力室13への流体の流れは許容するが、その逆方向の流体の流れは規制するようになっている。
【0016】
プライマリピストン3の大径ピストン3Aの前端には、大径ピストン側の圧力室13の後端を仕切る大径カップシール14が組み込まれている。また、セカンダリピストン4の前端および後端にもそれぞれ小径カップシール15、16が組み込まれ、これによりセカンダリピストン4の前方及び中間部に対応する、小径シリンダ2B内に圧力室17と補給室18を画成している。
ここで、小径ピストン側の圧力室13と大径ピストン側の圧力室12とは、非作動状態(後述する連結棒が操作されない状態)において、マスタシリンダ本体1に形成されたポート穴19によって連通されている。
【0017】
また、21は油液を貯蔵するリザーバで、このリザーバ21は前記ボス2C、2Dにそれぞれグロメットシール22、22を介して液密に組み込まれている。リザーバ21の内部と大径ピストン側の圧力室12とは、非作動状態において、マスタシリンダ本体1に形成された第1の連通手段を構成するポート穴23によって連通されている。
【0018】
また、このマスタシリンダにおいては、段付ピストンであるマスタシリンダ3が前方へ移動する作動状態になったとき、前記大型カップシールがポート穴23を通り過ぎることで、該ポート穴23が閉になった後に、前記段付ピストン3の作動状況の変化に応じて、ポート穴23からなる第1の連通手段とは別に、大径ピストン側の圧力室12をリザーバへ連通させる第2の連通手段25を備える。
【0019】
第2の連通手段25は、プライマリピストン3を移動させる力が所定値を越えるとき作動するものであって、プライマリピストン3からの押圧力を受けて変形するゴム等の材料からなる弾性部材26と、大径ピストン側の圧力室13をリザーバへ連通させる連通路27に設けられ、前記弾性部材26の変形量に応じて作動する開閉弁28とを有する構成とされている。
【0020】
弾性部材26は、プライマリピストン3と該プライマリピストン3の後端に同軸状でかつプライマリピストン3に対して相対移動可能に設けられた連結棒29との間に挟み込まれた、円盤状のリアクションディスク30からなっている。リアクションディスク30は、プライマリピストン3と連結棒29との間で強く挟み込まれると、図4に示すように、プライマリピストン3の後端に形成された凹部3aに膨出するように変形する。
【0021】
連通路27は、前記プライマリピストン3の小径ピストン3Bの後端部に該小径ピストン3Bを横断するように形成された横孔27a、該横孔27aに連通しかつ小径ピストン3Bの後端部に開口するよう小径ピストン3Bの軸線方向に沿って形成された縦孔27b、該縦孔27bに連通するようプライマリピストン3の大径ピストン3Aにその軸線方向に沿って形成された縦孔27c、該縦孔27cに連通するように大径ピストン3Aを横断して形成された横孔27d、段付シリンダ2の大径シリンダ2Aの内周面と大径ピストン3Aおよび連結棒29の外周面によって画成される油溜まり室27e、並びに室27eに連通するようマスタシリンダ本体1に形成されたポート穴27fから構成されている。
【0022】
そして、プライマリピストン3の大径ピストン3Aに形成された縦孔27cに前記開閉弁28が組み付けられている。開閉弁28は、縦孔27cの前側大径部の底部からなる弁座28aに当接可能とされた弁本体28bと、該弁本体28bと小径ピストン3Bの後端面との間に介装されて弁本体を28bを常時後方へ付勢するスプリング28cと、前端を弁本体28bに連結されて縦孔27cの中央小径部にスライド自在に挿通された弁棒28dと、プライマリピストン3の後端の凹部3aに組み込まれた受圧板28eとから構成されている。そして、閉弁時において弁棒28dの後端が前記凹部3aに突出するようになっていて、この弁棒28dの突出端が受圧板28eを介して前記リアクションディスク30の変形した膨出部30aによって押圧されることにより、当該開閉弁28は開状態に切り替わるようになっている。
【0023】
前記セカンダリピストン4にも、開閉弁28と同様な構成の開閉弁33が組み付けられている。この開閉弁33は、非作動状態において弁棒33aの後端が、前記小径シリンダ2Bの軸線に直交するようにマスタシリンダ本体1に組み付けられた規制ロッド34に押圧されることにより開状態になっていて、セカンダリピストン4が前方へ移動する作動状態になったときには、弁棒33aの後端が規制ロッド34によって押圧されずスプリング33bの付勢力によって後方へ押圧されて閉状態になる。開閉弁33が開状態になると圧力室17と補給室18とは連通され、開閉弁33が閉状態になると圧力室17と補給室18とは遮断される。
なお、補給室18はリザーバの内部と常に連通されている。
【0024】
また、符号35、36は圧力室13、17内の油液を、図示せぬディスクブレーキのシリンダやドラムブレーキのホイールシリンダ供給する吐出ポートである。
【0025】
次に、上述した構成のマスタシリンダの作用について説明する。
図1に示す非作動状態にあるとき、小径ピストン側の圧力室13はポート穴19を介して大径ピストン側の圧力室12に連通しており、大径ピストン側の圧力室12は、ポート穴23を介してリザーバ21に連通している。
また、前側の圧力室17は、開閉弁33が弁棒33aを規制ロッド34に押圧されることで開状態になっているので、補給室18を介してリザーバ21と連通している。
つまり、圧力室13、17はいずれもリザーバ21に連通しており、吐出ポート35、36からディスクブレーキのシリンダやドラムブレーキのホイールシリンダ等へは油液は供給されない。
【0026】
そして、今、運転者等により図示せぬブレーキペダルが踏まれた場合であって、その踏力が弱くかつストロークが小さい場合には、図2に示すように、リアクションディスク30が変形されるものの、大径ピストン3Aの前端部の凹部3aへ張り出す膨出部30aの突出量が小さく、受圧板28e、弁棒28dを介しても、スプリング28cの付勢力に抗して弁本体28bを弁座28aから離間するように移動させることができず、結局、開閉弁28は閉状態が維持される。
【0027】
一方、連結棒29を介してプライマリピストン3がある距離前方へ移動すると、図2に示すようにポート穴23を大径カップシール14が通過するので、大径ピストン側の圧力室12とリザーバ21との連通が遮断され、また、ポート穴19を小径カップシール11が通過するので、小径ピストン側の圧力室13と大径ピストン側の圧力室12との連通が遮断される。このとき、大径ピストン側の圧力室12の油液は図中矢印で示すように、小径カップシール11の背面を通って小径ピストン側の圧力室13へ送られる。この送られた油液量分、小径ピストン側の圧力室13から吐出ポート35を介して図示せぬホイールシリンダへ送られる油液が増えるため、段付ピストンを有しないマスタシリンダに比べて、図3に示すごとくブレーキペダルの操作するストロークが短くなる。
【0028】
また、このとき、セカンダリピストン4も前方へ移動し、弁棒33aが規制ロッド34に押圧されなくなるので、開閉弁33は閉状態になる。したがって、圧力室17と補給室18との連通が遮断され、セカンダリピストンの移動に相当する油液が吐出ポート36を介して図示せぬホイールシリンダへ送られる。
【0029】
続いてブレーキペダルがさらに踏み込まれ、その踏力が強くかつストロークが大きい場合、あるいは前記とは別に単独でブレーキペダルが踏まれた場合であって、その踏力が強くかつストロークが大きい場合には、図4に示すごとく、リアクションディスク30の膨出部30aの突出量が大きくなり、受圧板28e、弁棒28dを介して、スプリング28cの付勢力に抗して弁本体28bを弁座28aから離間するように移動させて、開閉弁28を開状態にする。このため、連通路27を介して大径ピストン側の圧力室12とリザーバ21とが連通することとなり、大径ピストン側の圧力室12から小径ピストン側の圧力室13へ油液が送られなくなると同時に、大径ピストン側の圧力室12の圧力がリザーバ21の内部と同圧になるため、従来の段付ピストンを有なさいマスタシリンダと同一のピストンの押圧力で、同一の圧力を発生させることができる(図3(b)参照)。
【0030】
一方、ブレーキペダルの踏圧操作が解除された場合には、戻しバネ8、10の付勢力によって、プライマリピストン3及びセカンダリピストン4がそれぞれ後方へ移動され、図1に示す初期位置に戻る。
【0031】
上記構成のマスタシリンダによれば、段付ピストンを有しかつリリーフ弁に切欠を設けてごく小径の連通路により補給側の圧力室とリザーバ内とを常時連通する従来のものに比べて、外部より加えられるピストン押圧力に応じて、その押圧力が所定値を越えたときのみに大径ピストン側の圧力室12とリザーバを連通するため、大径ピストン側の圧力室12から小径ピストン側の圧力室13へ初期に送り込まれる油液量が安定する。また、ブレーキペダルの作動速度によるストローク変化が少なくなり、安定したベダルフィーリングが得られる。
【0032】
また、段付ピストンを有しないタイプのマスタシリンダに比べて、ブレーキがき始めるまでのベダルストロークを小さくできる。さらに、ブレーキペダルの踏圧操作が解除されて初期位置に戻る際あるいは戻った際に、大径ピストン側の圧力室12、小径ピストン側の圧力室13は、比較的大径のポート穴19、23を介してリザーバ21に連通するため、前述のリリーフ弁に切欠を設けてごく小径の連通路により補給側の圧力室とリザーバ内とを常時連通する従来のものに比べて、エア抜きが良好に行え、しかも大径ピストン側の圧力室12に圧がかかったままとなる残圧状態になるおそれも少なくなる。
【0033】
<第2の実施の形態>
図5ないし図7は本発明の第2の実施の形態を示すマスタシリンダである。
なお、説明を簡略にするため、この第2の実施の形態において、前述した第1の実施の形態と同一構成要素には同一符号を付してその一部の説明を省略する。
これは後述する第3の実施の形態においても同様である。
【0034】
この第2の実施の形態の特徴は、段付ピストンであるプライマリピストン3が前方へ移動する作動状態になったとき、第1の連通手段であるポート穴40が閉になった後に、プライマリピストン3の作動状況の変化に応じて、前記第1の連通手段とは別に備える、大径ピストン側の圧力室13をリザーバ21へ連通させる第2の連通手段41を、前述とは別の構造にした点である。
【0035】
すなわち、前述の第の実施の形態の第2の連通手段25は、プライマリピストン3の押圧力が所定値以上になったときに、作動して大径ピストン側の圧力室13をリザーバ21へ連通させるようになっていたが、この第2の実施の形態の第2の連通手段41は、プライマリピストン3の前方への移動量が所定値に達したときに作動して、大径ピストン側の圧力室13をリザーバ21へ連通させるようになっている。
【0036】
つまり、前記第2の連通手段41は、大径ピストン側の圧力室13をリザーバ21へ連通させる連通路42の一部を形成すべくプライマリピストン3に一体に設けられかつプライマリピストン3の外周面に開口された開口部42baを有する油液通路42bと、油液通路42bの開口部42baをプライマリピストン3の移動に応じて開閉するよう、前記段付シリンダ2の内周面にプライマリピストン3の外周面に向けて設けられたシール43とを有する構成となっている。
【0037】
具体的に説明すると、図5に示すように、大径ピストン側の圧力室13とリザーバ21とは、非作動状態において、マスタシリンダ本体1に形成されたポート穴40によって連通されている。
該ポート穴40とは別に、前記大径ピストン側の圧力室13をリザーバ21へ連通させる前記連通路42が形成されている。
【0038】
連通路42は、プライマリピストン3の小径ピストン3Bから大径ピストン3Aにまたがるように、大径ピストン側の圧力室12に開口してそこから該プライマリピストン3の内部に侵入するよう斜めに延びる傾斜油液通路42a、該傾斜油液通路42aに連通しかつ大径ピストン3Aを横断するように形成されるとともに大径ピストン3Aの外周面に開口された開口部42baを有する横孔からなる油液通路42b、該油液通路42bと連通し段付シリンダ2の大径シリンダ2Aの内周面と大径ピストン3Aの外周面によって画成される油溜まり室42c、並びに、油溜まり室42cをリザーバ21へ連通するようにマスタシリンダ本体1に形成されたポート穴42dから構成されている。
【0039】
前記シール43は、前記段付シリンダ2の後端部内周面にプライマリピストン3の外周面にシール面を向けて設けられたものである。そして、このシール43は、非作動状態並びにプライマリピストン3が非作動距離から所定距離移動するまでは、前記油液通路42bの開口部42baを液密に塞ぐように、その長さ及び取付位置が設定されている。
【0040】
次に、上述した構成のマスタシリンダの作用について説明する。
図5に示す非作動状態にあるとき、小径ピストン側の圧力室13はポート穴19を介して大径ピストン側の圧力室12に連通しており、大径ピストン側の圧力室12は、ポート穴40を介してリザーバ21に連通している。
つまり、圧力室13はリザーバ21に連通しており、吐出ポート35、36からディスクブレーキのシリンダやドラムブレーキのホイールシリンダ等へは油液は供給されない。
【0041】
そして、今、運転者により図示せぬブレーキペダルが踏まれた場合であって、ストロークが所定長にまで達せず、油液通路42bの開口部42baがシール43によって液密に塞がれたままのときには、第2の連通手段41は閉じられており、この第2の連通手段41を通して、大径ピストン側の圧力室12がリザーバ21に連通されることはない。
【0042】
一方、プライマリピストン3がある距離前方へ移動すると、図6に示すようにポート穴40を大径カップシール14が通過するので、大径ピストン側の圧力室12とリザーバ21との連通が遮断され、また、ポート穴19を小径カップシール11が通過するので、小径ピストン側の圧力室13と大径ピストン側の圧力室12との連通が遮断される。このとき、大径ピストン側の圧力室12の油液は小径カップシール11の背面を通って小径ピストン側の圧力室13へ送られる。この送られた油液量分、小径ピストン側の圧力室13から吐出ポート35を介して図示せぬホイールシリンダへ送られる油液が増えるため、段付ピストンを有しないマスタシリンダに比べて、前述した第1の実施の形態と同様に、図3に示すごとくブレーキペダルの操作ストロークが短くなる。
【0043】
続いてブレーキペダルがより深く踏み込まれ、ストロークが所定長に達した場合には、図7に示すようにプライマリピストン3の移動とともに油液通路42bの開口部42baが移動し、シール43を通過する。すると、油液通路42bが開放され、結局、傾斜油液通路42a、開放された油液通路42b、油液溜まり室42c、及びポート穴42dからなる連通路42を介して、大径ピストン側の圧力室12はリザーバ21と連通することとなり、大径ピストン側の圧力室12から小径ピストン側の圧力室13へ油液が送られなくなると同時に、大径ピストン側の圧力室12の圧力がリザーバ21の内部と同圧になるため、従来の段付ピストンを有なさいマスタシリンダと同一のピストンの押圧力で、同一の圧力を発生させることができる。
【0044】
一方、ブレーキペダルの踏圧操作が解除された場合には、戻しバネ8、10の付勢力によって、プライマリピストン3及びセカンダリピストン4がそれぞれ後方へ移動され、図5に示す初期位置に戻る。
【0045】
上記構成のマスタシリンダによれば、段付ピストンを有しかつリリーフ弁に切欠を設けてごく小径の連通路により補給側の圧力室とリザーバ内とを常時連通する従来のものに比べて、プライマリピストン3のストローク量に応じて、そのストローク長が所定長さを越えたときのみ大径ピストン側の圧力室12とリザーバ21を連通するため、前述の第1の実施の形態と同様に、大径ピストン側の圧力室12から小径ピストン側の圧力室13へ初期に送り込まれる油液量が安定する。また、ブレーキペダルの作動速度によるストローク変化が少なくなり、安定したベダルフィーリングが得られるという効果を奏する。
【0046】
<第3の実施の形態>
図8ないし図10は本発明の第3の実施の形態を示すマスタシリンダである。
この第3の実施の形態の特徴は、段付ピストンであるプライマリピストン3が前方へ移動する作動状態になったとき、第1の連通手段であるポート穴40が閉になった後に、プライマリピストン3の作動状況の変化に応じて、前記第1の連通手段とは別に備える、大径ピストン側の圧力室13をリザーバ21へ連通させる第2の連通手段51を、前述とは別の構造にした点である。
【0047】
すなわち、この第3の実施の形態の第2の連通手段51は、大径ピストン側の圧力室12をリザーバ21へ連通させる連通路52に介装され、かつ、小径ピストン側の圧力室13の圧力および大径ピストン側の圧力室12の圧力と、リザーバ21内の圧力との差圧によって開閉する弁53で構成されている。
【0048】
具体的に説明すると、図8に示すように、大径ピストン側の圧力室13とリザーバ21とは、非作動状態において、マスタシリンダ本体55に形成されたポート穴40によって連通されている。
また、マスタシリンダ本体55にはポート穴40とは別に、前記大径ピストン側の圧力室13をリザーバ21へ連通させる前記連通路52が形成されている。
【0049】
連通路52は、前記マスタシリンダ本体55に一体に形成された弁収納部56と、この弁収納部56の一端側(例えば、前端側)にリザーバ21を連通させるようマスタシリンダ本体55に一体に形成された油液通路57と、弁収納部56の他端側(例えば、後端側)に大径ピストン側の圧力室12を連通させるようマスタシリンダ本体55に一体に形成された油液通路58とから構成されている。
【0050】
連通路52を開閉する前記弁53は、互いに同軸状に設けられた小径部60と大径部61とを有するもので、該弁53は、小径部60および大径部61が弁収納部56の小径部56aと大径部56bにそれぞれ軸線方向に摺動自在に嵌挿されている。小径部56aの端面は第1の受圧部62とされ、そこには前記油液通路58を介して大径ピストン側の圧力室12の圧力が導入され、また、小径部56aと大径部56bとの間の段差面は第2の受圧部63とされ、そこには弁収納部56に一体に形成された油液通路64を介して小径ピストン側の圧力室13の圧力が導入され、さらに、弁53の前端面は第3の受圧部65とされ、油液通路57を介してリザーバ21の圧力が導入されるようになっている。なお、ここでは、リザーバ21内はほぼ大気圧と同圧であり、以下に示す弁53の操作には余り影響を与えない。
【0051】
弁53は、蓋体55aとの間に介装されたスプリング66よって第1、第2の受圧部62、63に対向する方向(図8において右方)へ付勢されている。
また、弁53には大径部61を横断する油液通路67並びに該油液通路67に連通するよう大径部61および小径部60の軸線方向に沿って弁53の後端面まで延びる油液通路68が形成されている。さらに弁収納部56には、弁53の大径部61に対向するようにシール部69が取り付けられている。
【0052】
そして、この弁53では、スプリング66の付勢力と、第1の受圧部62が大径ピストン側の圧力室12の圧力によって受ける力及び第2の受圧部63が小径ピストン側の圧力室13の圧力によって受ける力の足した力のバランスによって弁位置が決定され、スプリング66の付勢力の方が強い場合には、弁53は図8中右方へ移動されて油液通路67はシール部材69によって液密に塞がれる一方、第1の受圧部62が大径ピストン側の圧力室12の圧力から受ける力と第2の受圧部63が小径ピストン側の圧力室13の圧力から受ける力の和がスプリング66の付勢力より強い場合には、弁53は図8中左方へ移動し、図10に示すように油液通路67がシール部材69の取付位置よりも同図中左方へ移動して開放される。
【0053】
このように油液通路67が開放されると、マスタシリンダ本体55に一体に形成された油液通路58、弁53に形成された油液通路68、67、弁収納部56、及びマスタシリンダ本体55に形成された油液通路57を介して、大径ピストン側の圧力室12がリザーバ21と連通される。
【0054】
次に、上述した構成のマスタシリンダの作用について説明する。
図8に示す非作動状態にあるとき、小径ピストン側の圧力室13はポート穴19を介して大径ピストン側の圧力室12に連通しており、大径ピストン側の圧力室12は、ポート穴40を介してリザーバ21に連通している。
つまり、圧力室13はリザーバ21に連通しており、吐出ポート35等からディスクブレーキのシリンダやドラムブレーキのホイールシリンダ等へは油液は供給されない。
【0055】
そして、今、運転者により図示せぬブレーキペダルが踏まれた場合であって、その踏力が弱くかつストロークが小さい場合には、大径ピストン側の圧力室13及び小径ピストン側の圧力室12に発生する圧力も小さく、それら圧力室12、13の圧力による弁53の図8中左方への押圧力がスプリング66の付勢力(セット荷重)より小さいため、弁53はスプリング66よって図8中右方へ押圧され、油液通路67はシール69によって液密に塞がれたままとなる。したがって、第2の連通手段51は閉じられたままであり、この第2の連通手段51を通して、大径ピストン側の圧力室12がリザーバ21に連通されることはない。
【0056】
一方、プライマリピストン3がある距離前方へ移動すると、図9に示すようにポート穴40を大径カップシール14が通過するので、大径ピストン側の圧力室12とリザーバ21との連通が遮断され、また、ポート穴19を小径カップシール11が通過するので、小径ピストン側の圧力室13と大径ピストン側の圧力室12との連通が遮断される。このとき、大径ピストン側の圧力室12の油液は小径カップシール11の背面を通って小径ピストン側の圧力室13へ送られる。この送られた油液量分、小径ピストン側の圧力室13から吐出ポート35を介して図示せぬホイールシリンダへ送られる油液が増えるため、段付ピストンを有しないマスタシリンダに比べて、前述した第1の実施の形態と同様に、図3に示すごとくブレーキペダルの操作ストロークが短くなる。
【0057】
続いてブレーキペダルが踏まれ、その踏力が強くかつストロークが大きい場合、あるいは前記とは別に単独でブレーキペダルが踏まれた場合であって、その踏力が強くかつストロークが大きい場合には、図10に示すように大径ピストン側の圧力室12及び小径ピストン側の圧力室13で発生する圧力も大きくなり、それら圧力によって弁53を図8中左方へ移動させる押圧力がスプリング66のセット荷重よりも大きくなり、結果的に、弁53が左方へ移動し、油液通路67がシール部材69の取付位置よりも同図中左方へ移動して開放される。
【0058】
このように油液通路67が開放されると、第2の連通手段51によって大径ピストン側の圧力室13がリザーバ21と連通されることとなり、大径ピストン側の圧力室12から小径ピストン側の圧力室13へ油液が送られなくなると同時に、大径ピストン側の圧力室12の圧力が下がるが、小径ピストン側の圧力室13の圧力により弁53は図10中左右方向へ移動しながら開状態あるいは閉状態を繰り返しながら、最終的に、大径ピストン側の圧力室12の圧力はリザーバ21の内部と同圧になる。このため、従来の段付ピストンを有なさいマスタシリンダと同一のピストンの押圧力で、同一の圧力を発生させることができる。
【0059】
一方、ブレーキペダルの踏圧操作が解除された場合には、戻しバネ8、10の付勢力によって、プライマリピストン3及びセカンダリピストン4がそれぞれ後方へ移動され、図8に示す初期位置に戻る。
【0060】
上記構成のマスタシリンダによれば、段付ピストンを有しかつリリーフ弁に切欠を設けてごく小径の連通路により補給側の圧力室とリザーバ内とを常時連通する従来のものに比べて、大径ピストン側の圧力室12及び小径ピストン側の圧力室13の圧力による弁の押圧力がスプリング66のセット荷重を超えたときのみ大径ピストン側の圧力室12をリザーバ21に連通するため、前述の第1の実施の形態と同様に、大径ピストン側の圧力室12から小径ピストン側の圧力室13へ初期に送り込まれる油液量が安定する。また、ブレーキペダルの作動速度によるストローク変化が少なくなり、安定したベダルフィーリングが得られるという効果を奏する。
【0061】
以上本発明の各実施の形態によるマスタシリンダについて詳述してきたが、具体的な構成はこの一実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、上述した各実施の形態によるマスタシリンダにおいては、ブレーキペダルを踏むことによって各ピストン3、4を作動させ、各吐出ポート35、36からブレーキ装置にそれぞれ油液を供給する、いわゆるタンデム型のマスタシリンダを例に挙げて説明したが、本発明は勿論これに限られることなく、1個のブレーキ装置に油液を供給する、いわゆるシングル型マスタシリンダにも適用できる。
【0062】
また、上述した実施の形態によるマスタシリンダでは、段付シリンダ2内を大径ピストン側の圧力室12と小径ピストン側の圧力室13に区画すべく小径ピストン3Bの端部に、大径ピストン側の圧力室12から小径ピストン側の圧力室13への流体の流れのみを許容する小径カップシール11を設けた例について説明したが、これに限られることなく、小径カップシールに替わってシール性のある逆止弁を設けても良い。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、段付ピストンを有しかつリリーフ弁に切欠を設けてごく小径の連通路により補給側の圧力室とリザーバ内とを常時連通する従来のものに比べて、段付ピストンの作動状況が一定の条件を満たしたときのみ、大径ピストン側の圧力室とリザーバとを連通するため、大径ピストン側の圧力室から小径ピストン側の圧力室へブレーキ動作初期に送り込まれる油液は安定する。したがって、ブレーキペダルの操作速度によるストローク変化が少なく、ブレーキペダルの操作速度が多少変わっても一定のブレーキフィーリングが得られる。
【0064】
また、段付ピストンを有しないタイプのマスタシリンダに比べて、ブレーキがき始めるまでのベダルストロークを小さくできる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態によるマスタシリンダの構成を示す側断面図である。
【図2】 同マスタシリンダの作用を示す側断面図である。
【図3】 同マスタシリンダの作用を示すもので、(a)は小径ピストン側の圧力室の液圧とプライマリピストンのストロークの関係を示す図、(b)は小径ピストン側の圧力室の液圧とプライマリピストンの押圧力の関係を示す図である。
【図4】 同マスタシリンダの作用を示す側断面図である。
【図5】 本発明の第2の実施の形態によるマスタシリンダの構成を示す側断面図である。
【図6】 同マスタシリンダの作用を示す側断面図である。
【図7】 同マスタシリンダの作用を示す側断面図である。
【図8】 本発明の第3の実施の形態によるマスタシリンダの構成を示す側断面図である。
【図9】 同マスタシリンダの作用を示す側断面図である。
【図10】 同マスタシリンダの作用を示す側断面図である。
【符号の説明】
1 マスタシリンダ本体
2 段付シリンダ
2A 大径シリンダ
2B 小径シリンダ
3 プライマリピストン(段付ピストン)
3A 大径ピストン
3B 小径ピストン
4 セカンダリピストン
11 小径カップシール
12 大径ピストン側の圧力室
13 小径ピストン側の圧力室
23 ポート穴(第1の連通手段)
25 第2の連通手段
26 弾性部材
27 連通路
28 開閉弁
30 リアクションディスク
40 ポート穴(第1の連通手段)
41 第2の連通手段
42 連通路
51 第2の連通手段
52 連通路
53 弁
66 スプリング

Claims (3)

  1. 大径シリンダおよび小径シリンダからなる段付シリンダと、
    該段付シリンダの大径シリンダ、小径シリンダ内にそれぞれ摺動可能に挿入された大径ピストンおよび小径ピストンからなる段付ピストンと、
    段付シリンダ内を大径ピストン側の圧力室と小径ピストン側の圧力室に区画すべく前記小径シリンダと前記小径ピストンとの間に設けられ、かつ大径ピストン側の圧力室から小径ピストン側の圧力室への流体の流れのみを許容するカップシールまたは逆止弁とを備えるマスタシリンダにおいて、
    前記大径シリンダに形成されて前記大径ピストン側の圧力室とリザーバとを連通し、その連通が前記段付ピストンの作動により遮断される第1の連通手段と、
    前記段付ピストンが前方へ移動する作動状態になって、前記第1の連通手段が遮断された後に、前記段付ピストンの作動状態に応じて、前記第1の連通手段とは別に、前記大径ピストン側の圧力室をリザーバへ連通させる第2の連通手段と、を備え、
    前記第2の連通手段は、前記段付ピストンを移動させる力が所定値を越えるとき大径ピストン側の圧力室をリザーバへ連通させるものであって、
    前記段付ピストンからの押圧力を受けて変形する弾性部材と、
    大径ピストン側の圧力室をリザーバへ連通させる連通路に設けられ、前記弾性部材の変形量に応じて前方へ移動することで開弁作動するとともに、前記大径ピストン側の圧力室の圧力が閉弁方向に作用する開閉弁とを有し、
    前記連通路は、前記段付ピストン内に形成されて前記開閉弁を閉弁方向に付勢するスプリングが介装される孔を有し、該孔が前記大径ピストン側の圧力室に常に連通することを特徴とするマスタシリンダ。
  2. 大径シリンダおよび小径シリンダからなる段付シリンダと、
    該段付シリンダの大径シリンダ、小径シリンダ内にそれぞれ摺動可能に挿入された大径ピストンおよび小径ピストンからなる段付ピストンと、
    段付シリンダ内を大径ピストン側の圧力室と小径ピストン側の圧力室に区画すべく前記小径シリンダと前記小径ピストンとの間に設けられ、かつ大径ピストン側の圧力室から小径ピストン側の圧力室への流体の流れのみを許容するカップシールまたは逆止弁とを備えるマスタシリンダにおいて、
    前記大径シリンダに形成されて前記大径ピストン側の圧力室とリザーバとを連通し、その連通が前記段付ピストンの作動により遮断される第1の連通手段と、
    前記段付ピストンが前方へ移動する作動状態になって、前記第1の連通手段が遮断された後に、前記段付ピストンの作動状態に応じて、前記第1の連通手段とは別に、前記大径ピストン側の圧力室をリザーバへ連通させる第2の連通手段と、を備え、
    前記第2の連通手段は、段付ピストンの前方への移動量が所定値以上に達したときに大径ピストン側の圧力室をリザーバへ連通させるものであって、
    前記大径ピストン側の圧力室の後方側に形成され前記リザーバに連通する油溜まり室と、
    前記大径ピストン側の圧力室をリザーバへ連通させる連通路の一部を形成すべく前記段付ピストンに一体に設けられかつ段付ピストンの外周面に開口された開口部を有する油液通路と、
    該油液通路の開口部を段付ピストンの移動に応じて前記油溜まり室に対して開閉するよう、前記段付シリンダの内周面に前記段付ピストンの外周面に向けて設けられたシールとを有する構成であることを特徴とするマスタシリンダ。
  3. 大径シリンダおよび小径シリンダからなる段付シリンダと、
    該段付シリンダの大径シリンダ、小径シリンダ内にそれぞれ摺動可能に挿入された大径ピストンおよび小径ピストンからなる段付ピストンと、
    段付シリンダ内を大径ピストン側の圧力室と小径ピストン側の圧力室に区画すべく前記小径シリンダと前記小径ピストンとの間に設けられ、かつ大径ピストン側の圧力室から小径ピストン側の圧力室への流体の流れのみを許容するカップシールまたは逆止弁とを備えるマスタシリンダにおいて、
    前記大径シリンダに形成されて前記大径ピストン側の圧力室とリザーバとを連通し、その連通が前記段付ピストンの作動により遮断される第1の連通手段と、
    前記段付ピストンが前方へ移動する作動状態になって、前記第1の連通手段が遮断された後に、前記段付ピストンの作動状態に応じて、前記第1の連通手段とは別に、前記大径ピストン側の圧力室をリザーバへ連通させる第2の連通手段と、を備え、
    前記第2の連通手段は、大径ピストン側の圧力室をリザーバへ連通させる連通路に介装される弁を有し該弁は、小径ピストン側の圧力室の圧力を受ける第1の受圧部および大径ピストン側の圧力室の圧力を受ける第2の受圧部が同一部材に形成され、該第1および第2の受圧部が開弁方向に圧力を受け移動し、前記小径ピストン側の圧力室の圧力により開状態あるいは閉状態を繰り返しながら、前記大径ピストン側の圧力室の圧力がリザーバの内部と同圧になるまで弁することを特徴とするマスタシリンダ。
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