JP2627444B2 - 車両用制動油圧制御装置 - Google Patents

車両用制動油圧制御装置

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JP2627444B2 JP9846689A JP9846689A JP2627444B2 JP 2627444 B2 JP2627444 B2 JP 2627444B2 JP 9846689 A JP9846689 A JP 9846689A JP 9846689 A JP9846689 A JP 9846689A JP 2627444 B2 JP2627444 B2 JP 2627444B2
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【発明の詳細な説明】 A.発明の目的 (1) 産業上の利用分野 本発明は車両用制動油圧制御装置に関する。
(2) 従来の技術 従来、車両用制動油圧制御装置では、たとえば実開昭
62−77068号公報等で開示されるように、ブレーキペダ
ルの踏込み操作量に応じてマスタシリンダから出力され
る油圧を油圧式制動油圧制御装置により制御してブレー
キ装置に供給するようにしている。
(3) 発明が解決しようとする課題 ところが、上記従来のような油圧式制動油圧制御装置
では、構成が複雑となり、しかも精密な制御をし得ると
は言い難い。
そこで本出願人は、油圧供給源の油圧を制動操作量に
応じた電気量により制御してブレーキ装置に与えるよう
にした油圧供給源油圧制御手段を備えた車両用制動油圧
制御装置を、{特開昭63−1550号(特開平1−178062号
公報参照)}で既に提案している。この提案によれば、
簡単な構成により精密な制御が可能であり、しかもアン
チロック制御やトラクション制御を容易に行なうことが
できる。
しかるに上述のような油圧供給源油圧制御手段を備え
るものでは、油圧供給源油圧制御手段を電気的に作動さ
せるための作動部の作動頻度が大きくなり、耐久性上好
ましくない。
また上記提案の制動油圧制御装置では、複数のブレー
キ装置の制動油圧をそれらのブレーキ装置に個別に対応
した油圧供給源油圧制御手段により制御するようにして
おり、電気作動部を備えることから比較的高価となる油
圧供給源油圧制御手段が複数個必要であり、コスト低減
の観点からは複数のブレーキ装置に共通に単一の油圧供
給源油圧制御手段が配設されることが望ましい。しかる
に、全てのブレーキ装置の制動油圧を単一の油圧供給源
油圧制御手段だけで単純に制御するようにしたのでは、
複数のブレーキ装置の制動油圧を独立に制御することが
不可能であり、制御性能が低下することになる。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、
制動油圧を電気的に制御して精密な制御を可能とした上
で、複数のブレーキ装置の独立制御を可能としつつ上記
耐久性の問題を解消し得るようにした単純な構成の車両
用制動油圧制御装置を提供することを目的とする。
B.発明の構成 (1) 課題を解決するための手段 本発明の第1の特徴によれば、複数のブレーキ装置の
少なくとも1つずつに個別に接続される複数の制動油圧
路を備え、それらの制動油圧路の油圧を相互に独立して
制御可能な車両用制動油圧制御装置において、制動操作
量を検出する操作量センサと;出力ポート、油圧供給源
に通じる入力ポート、ならびにリザーバに通じる解放ポ
ートを有するハウジングに、出力ポートと入力ポートお
よび解放ポートとの間の連通、遮断を軸方向移動に応じ
て切換えるべく摺動子が摺動自在に嵌合されるととも
に、該摺動子に前記操作量センサの出力に対応した摺動
変位量を与えるべく電気作動部が連結されて成り、各制
動油圧路に共通した単一の油圧供給源油圧制御手段と;
該油圧供給源油圧制御手段の前記出力ポートおよびリザ
ーバと、各制動油圧路との間にそれぞれ介設され、制動
油圧路および出力ポート間を接続する状態と制動油圧路
およびリザーバ間を接続する状態とを切換可能な複数の
電磁切換弁手段と;を含む。
また本発明の第2の特徴によれば、上記第1の特徴の
構成に加えて、電磁切換弁手段は、制動油圧路と、リザ
ーバおよび出力ポートとの間をともに遮断可能に構成さ
れる。
(2) 作用 上記第1の特徴によれば、油圧供給源油圧制御手段の
作動制御、ならびに電磁切換弁手段の切換制御を組合わ
せて制動油圧を制御することができ、油圧供給源油圧制
御手段における電気作動部と、電磁切換弁手段とに負荷
を分担させることが可能となる。しかも単一の油圧供給
源油圧制御手段による1チャンネル制御により制動操作
量に応じた制動油圧を得ることができ、また比較的安価
に構成可能な複数の電磁切換弁手段により複数のブレー
キ装置の制動油圧を独立に制御することが可能となる。
また上記第2の特徴によれば、ブレーキ装置に与える
制動油圧を保持することができる。
(3) 実施例 以下、図面により本発明をフロントエンジン・フロン
トドライブ車両の制動油圧制御装置に適用したときの一
実施例について説明する。
車両の左前輪および右前輪には左前輪用ブレーキ装置
BFLおよび右前輪用ブレーキ装置BFRがそれぞれ装着さ
れ、左後輪および右後輪には左後輪用ブレーキ装置BRL
および右後輪用ブレーキ装置BRRがそれぞれ装着され
る。一方、ブレーキペダル1には、該ブレーキペダル1
の踏込み量に応じた油圧を出力する補助油圧発生手段3
が操作量センサとしての踏力センサSを介して連結さ
れ、通常制動時には、該踏力センサSで検出される制動
操作量に応じて油圧供給源油圧制御手段4により制御さ
れた油圧供給源2からの油圧が一方向油圧伝達手段5FL,
5FRを介して各前輪用ブレーキ装置BFL,BFRに与えられる
とともに、油圧供給源油圧制御手段4からの油圧が一方
向油圧伝達手段5Rおよび比例減圧弁6を介して各後輪用
ブレーキ装置BRL,BRRに与えられる。また油圧供給源2
が不調になったときには補助油圧発生手段3で発生した
油圧が各ブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRに与えられる。
さらに各前輪用ブレーキ装置BFL,BFRに個別に対応して
設けられる電磁切換弁手段VFL,VFRならびに両後輪用ブ
レーキ装置BRL,BRRに共通に設けられる電磁切換弁手段V
Rにより各ブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRの制動油圧を保
持あるいは源圧してアンチロック制御を行なうことがで
きる。また非制動時に各ブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRR
の制動油圧を油圧供給源油圧制御手段4により増大させ
てトラクション制御を行なうこともできる。
油圧供給源2は、リザーバRから作動油を汲上げる油
圧ポンプ11と、その油圧ポンプ11に接続されるアキュム
レータ12と、油圧ポンプ11の作動を制御するための圧力
スイッチ13とを備える。
補助油圧発生手段3は、マスタシリンダとして従来周
知のものであり、両端閉塞の円筒状に形成される第1ハ
ウジング14に設けられた第1シリンダ孔15に、第1マス
タピストン18と、さらに第1マスタピストン18の前方に
間隔をあけて配置される第2マスタピストン19とが摺動
可能に嵌合され、第1マスタピストン18および第2マス
タピストン19間に第1油圧室20が形成され、第1シリン
ダ孔15の前端壁および第2マスタピストン19間には第2
油圧室21が形成される。
第1マスタピストン18には、第1シリンダ孔15の後端
壁を油密にかつ移動自在に貫通して外方に突出するピス
トンロッド18aが一体に設けられており、ブレーキペダ
ル1に連結された押圧ロッド22の前端が該ピストンロッ
ド18aの後端に当接される。したがってブレーキペダル
1の制動操作に応じて第1マスタピストン18は第1シリ
ンダ孔15内を前進することになる。しかも押圧ロッド22
の中間部には踏力センサSが介設されており、該踏力セ
ンサSによりブレーキペダル1の踏力すなわち制動操作
量が検出される。
第1マスタピストン18および第2マスタピストン19間
には両者18,19を相互に離反する方向に付勢する第1戻
しばね25が縮設され、第1シリンダ孔15の前端壁および
第2マスタピストン19間には、第2マスタピストン19を
後方側に付勢する第2戻しばね26が縮設される。
また第1ハウジング14には第1油圧室20に通じる第1
出力ポート28と、第2油圧室21に通じる第2出力ポート
29とが穿設されるとともに、第1および第2マスタピス
トン18,19が後退限に戻ったときのみ各油圧室20,21をリ
ザーバRに連通させる連通ポート31,32が穿設される。
油圧供給限油圧制御手段4は、軸方向一端が閉塞した
第2シリンダ孔34を有する第2ハウジング35と、第2シ
リンダ孔34に摺動可能に嵌合される摺動子としてのスプ
ール38と、該スプール38に当接しながら第2シリンダ孔
34内に摺動自在に嵌合される反力ピストン39と、該反力
ピストン39を軸方向一方側に押圧する駆動力を発揮すべ
く第2ハウジング35の軸方向他端側面に取付けられる電
気作動部40とを備える。
スプール38の一端および第2シリンダ孔34の一端壁間
には出力室42が画成され、該出力室42にはスプール38を
軸方向他方側に付勢するばね43が収納される。
また第2シリンダ孔34の内面、スプール38および反力
ピストン39により、反力ピストン39の前面が臨む環状の
出力圧作用室44が画成される。しかもスプール38には出
力室42に通じる連通路45が軸方向全長にわたって穿設さ
れ、反力ピストン39には該連通路45を出力圧作用室44に
連通させる連通孔46が穿設される。而して出力室42に通
じる出力圧作用室44の油圧により反力ピストン39には軸
方向他方側(図面の右方側)に向けて油圧力が作用し、
スプール38はばね43のばね力により反力ピストン39に追
随しながら移動することになる。
一方、電気作動部40は、印加される電気量に対応した
推力を発揮するリニアソレノイド(図示せず)を内蔵す
るものであり、該リニアソレノイドにより駆動される駆
動ロッド41が反力ピストン39に一体に設けられるピスト
ンロッド39aに同軸に当接される。したがってスプール3
8には、軸方向一方側に向けて電気作動部40の推力が作
用するとともに、軸方向他方側に向けて出力圧作用室44
の油圧力が作用し、該推力および油圧力のバランスによ
りスプール38が軸方向に移動する。
第2ハウジング35には、出力室42に常時連通する出力
ポート47と、リザーバRに通じる解放ポート48と、油圧
供給源2に通じる入力ポート49とが、相互間に間隔をあ
けて軸方向一方側から順に穿設される。
一方、スプール38には、入力ポート49および連通路45
間を連通可能な第1弁孔51と、解放ポート48および連通
路45間を連通可能な第2弁孔52とが設けられ、両弁孔5
1,52の配置は、スプール38が軸方向一方側に移動したと
きには第1弁孔51が入力ポート49および連通路45間を連
通する状態にあるのに対し、スプール38が軸方向他方側
に移動している状態では第2弁孔52が解放ポート48およ
び連通路45間を連通する状態となるように設定される。
ところで、電気作動部40の印加電気量は制御手段54に
より制御されるものであり、該制御手段54は、踏力セン
サSにより検出された踏力に応じて電気作動部40の推力
を制御すべく構成される。
一方向油圧伝達手段5FL,5FR,5Rは油圧供給源2から油
圧供給源油圧制御手段4を経てブレーキ装置BFL,BFR,B
RL,BRRに至る油圧経路の途中に設けられるものであり、
一方向油圧伝達手段5FL,5FRは電磁切換弁手段VFL,VFR
ブレーキ装置BFL,BFRとの間に、また一方油圧伝達手段5
Rは電磁切換弁手段VRとブレーキ装置BRL,BRRに接続され
る比例減圧弁6との間に介設される。これらの一方向油
圧伝達手段5FL,5FR,5Rは、油圧供給源2からの油圧が正
常であるときには油圧供給源油圧制御手段4からの油圧
を各ブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRに伝達するが、油圧
供給源2の油圧が異常に低下したときには各ブレーキ装
置BFL,BFR,BRL,BRRから油圧供給源2側に作動油が逆流
するのを阻止し得る機能を有するものであり、基本的に
同一の構成を有するものであるので、代表して一方向油
圧伝達手段5FLの構成について次に述べる。
一方向油圧伝達手段5FLは、入力油圧室58および出力
油圧室59に両端を臨ませながらフリーピストン60がシリ
ンダ体61に摺動可能に嵌合され、フリーピストン60を入
力油圧室58側に付勢するばね62が出力油圧室59に収納配
置されて成る。
このような一方向油圧伝達手段5FLの構成によれば、
入力油圧室58に作用する油圧に応じた油圧を出力油圧室
59から出力することが可能であるとともに出力油圧室59
の油圧が入力油圧室58側に流れることはなく、出力油圧
室59はブレーキ装置BFLに接続される。
すなわちブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRは、シリンダ
体63と該シリンダ体63内に摺動可能に嵌合される制御ピ
ストン64とをそれぞれ備え、シリンダ体63および制動ピ
ストン64間に画成された制動油圧室65に作用する油圧に
応じた摺動ピストン64の移動により制動力を発揮するも
のであり、前記出力油圧室59は制動油圧室65に連通され
る。
前輪用ブレーキ装置BFL,BFRに対応する一方向油圧伝
達手段5FL,5FRの入力油圧室58には、電磁切換弁手段
VFL,VFRがそれぞれ接続され、後輪用ブレーキ装置BRL,
RRに対応する一方向油圧伝達手段5Rの入力油圧室58には
電磁切換弁手段VRが接続される。
各電磁切換弁手段VFL,VFR,VRは、相互に並列な流入弁
7FL,FR,7Rおよび流出弁8FL,8FR,8Rを備えるものであ
る。しかも流入弁7FL,7FR,7Rは励磁時に遮断する電磁弁
であり、また流出弁8FL,8FR,8Rは励磁時に連通する電磁
弁である。而して流出弁8FL,8FR,8Rは一方向油圧伝達手
段5FL,5FR,5Rの入力油圧室58に個別に通じる制御油圧路
57FL,57FR,57RおよびリザーバR間にそれぞれ介設され
る。また流入弁7FL,7FR,7Rは前記制動油圧路57FL,57FR,
57Rおよび油圧供給源油圧制御手段4の出力ポート47間
に介設される。
しかも各流入弁7FL,FR,7Rおよび流出弁8FL,8FR,8R
励磁および消磁切換は制御手段66により制御される。
比例減圧弁6は、従来周知の構造を有するものであ
り、一方向油圧伝達手段5Rの出力油圧室59から出力され
る油圧を比例的に減圧してブレーキ装置RRL,BRRの制動
油圧室65に作用せしめる働きをする。
補助油圧発生手段3の第1出力ポート28は、開閉弁67
Rを介して比例減圧弁6および一方向油圧伝達手段5R
に接続され、補助油圧発生手段3の第2出力ポート29は
開閉弁67FLを介して左前輪用ブレーキ装置BFLおよび一
方向油圧伝達手段5FL間に接続されるとともに、開閉弁6
7FRを介して右前輪用ブレーキ装置BFRおよび一方向油圧
伝達手段5FR間に接続される。各開閉弁67FL,67FR,67R
同一の構成を有するものであり、開閉弁67FLの構成につ
いてのみ以下に説明する。
開閉弁67FLは、両端が閉塞された円筒状の開閉弁本体
68と、一方向油圧伝達手段5FLの出力油圧室59に連通し
ながら開閉弁本体68の一端壁に穿設される弁孔69と、そ
の弁孔69を閉塞可能な弁体70を一端に有するとともに他
端をパイロット室71に臨ませながら開閉弁本体68に摺動
可能に嵌合させる開閉用ピストン72と、該開閉用ピスト
ン72をパイロット室71側に付勢すべく開閉弁本体68およ
び開閉用ピストン72間に介設されるばね73とを備える。
開閉弁本体68の一端壁および開閉用ピストン72間には
弁孔69に連通可能な弁室74が画成され、該弁室74にばね
73が収納される。また開閉弁本体68には弁室74に連通す
るとともに第2出力ポート29に連通する入口ポート75が
穿設される。
かかる開閉弁67FLによれば、パイロット室71の油圧が
一定値よりも低いときには弁体70が弁孔69を開放する位
置まで開閉用ピストン72がパイロット室71側に移動して
開弁しており、パイロット室71の油圧が前記一定値以上
となると、開閉用ピストン72が弁体70で弁孔69を閉塞す
るように移動して閉弁する。
またパイロット室71は油圧供給源油圧制御手段4の出
力ポート47に連通する。したがって出力ポート47の油圧
が高い状態では開閉弁67FLは閉弁して第2出力ポート29
およびブレーキ装置BFL間が遮断され、油路66の油圧が
低くなると開閉弁67FLが開弁して第2出力ポート29およ
びブレーキ装置BFL間が連通される。
また開閉弁67Rは、油圧供給源油圧制御手段4におけ
る出力ポート47の油圧が高い状態で閉弁し、それにより
補助油圧発生手段3の第1出力ポート28およびブレーキ
装置BRL,BRR間が遮断され、前記出力ポート47の油圧が
低くなると開閉弁67Rが開弁して第1出力ポート28およ
びブレーキ装置BRL,BRR間が連通される。
また開閉弁67Rおよび補助油圧発生手段3の第1出力
ポート28間にはアキュムレータ55が接続される。
次にこの実施例の作用について説明する。先ず油圧供
給源2が正常に作動している状態での通常の制動操作時
を想定すると、流入弁7FL,7FR,7Rおよび流出弁8FL,8FR,
8Rは消磁状態(図示の状態)にある。したがって油圧供
給源油圧制御手段4の出力ポート47は流入弁7FL,7FR
介して一方向油圧伝達手段5FL,5FRの入力油圧室58に連
通した状態にあるとともに流入弁7Rを介して一方向油圧
伝達手段5Rの入力油圧室58に連通した状態にある。
かかる状態でブレーキペダル1を踏込むと、その踏力
が踏力センサSにより検出され、該踏力センサSの検出
値に応じて油圧供給源油圧制御手段4における電気作動
部40の作動量が制御手段54により制御される。それによ
り、油圧供給源油圧制御手段4では、駆動ロッド41が制
御操作量に応じた推力で前進し、スプール38が前進駆動
されて出力室42が油圧供給源2に連通するので、出力ポ
ート47の出力油圧が高くなり、それに応じて各開閉弁67
FL,67FR,67Rが閉弁作動することになる。
次いで、出力室42に通じる出力圧作用室44の油圧も上
昇し、反力ピストン39が後方側に駆動されるのに応じて
スプール38も後退して出力室42が入力ポート49と遮断さ
れる。さらにブレーキペダル1を踏込み操作することに
より駆動ロッド41の推力が増大してスプール38は再び前
進し、出力室42が油圧供給源2に連通する。このように
ブレーキペダル1の制動操作量に応じてスプール38は油
圧供給源2を出力室42に連通する前進位置と、出力室42
をリザーバRに連通する後退位置との間で往復移動し、
それにより油圧供給源2の油圧がブレーキペダル1の制
動操作量に応じて制御されて出力ポート47から出力され
ることになる。
この際、ブレーキペダル1の踏込み操作に応じて補助
油圧発生手段3における第1マスタピストン18および第
2マスタピストン19が第1および第2戻しばね25,26を
圧縮しながら前進し、第1および第2油圧室20,21の油
圧が容積収縮により増大するが、開閉弁67FL,67FR,67R
が閉弁しているので、両油圧室20,21の油圧がブレーキ
装置BFL,BFR,BRL,BRRに作用することはない。
ブレーキペダル1の踏込み操作量に応じて油圧供給源
油圧制御手段4で制御された油圧は出力ポート47から流
入弁7FL,7FRを介して一方向油圧伝達手段5FL,5FRの入力
油圧室58に作用し、それによりブレーキ装置BFL,BFR
制動圧を得ることができ、また出力ポート47から流入弁
7Rを介して一方向油圧伝達手段5Rの入力油圧室58に作用
し、該一方向油圧伝達手段5Rの出力油圧室59から出力さ
れる油圧が比例減圧弁6で減圧されて後輪用ブレーキ装
置BRL,BRRに与えられる。
このようにして制動操作量に応じて油圧供給源2から
の油圧を制御して各ブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRに与
えることができるが、一方向油圧伝達手段5FL,5FR,5R
はフリーピストン60により、各ブレーキ装置BFL,BFR,B
FL,BRRと、入力油圧室58から油圧供給源2までの油圧回
路とが隔絶されるので、油圧供給源2で作動油に混入す
る可能性のあるガスが各ブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRR
に悪影響を及ぼすことはない。
この制動時に、左右後輪の制動力は左右前輪よりも低
いことが必要であり、比例減圧弁6により油圧供給源油
圧制御手段4からの油圧が減圧されることにより左右後
輪の制動力は左右前輪よりも一定の比率で低くなる。
また第1油圧室20の油圧をアキュムレータ55で蓄圧す
ることにより、ブレーキペダル1のペダルストロークを
確保することができ、また急激な反力が作用したときに
アキュムレータ55によるダンパ作用によりブレーキペダ
ル1に急激な反力が直接作用することを回避することが
できる。
かかる制動時に、ブレーキペダル1による踏力が過大
となり、車輪がロックしそうになったときには、ロック
しそうになっている車輪に対応する流入弁7FL,7FR,7R
励磁して、出力ポート47および一方向油圧伝達手段5FL,
5FR間、ならびに出力ポート47および一方向油圧伝達手
段5R間を遮断する。これにより車輪がロック状態になる
ことを回避すべく制動力の増大が抑えられる。これでも
車輪がロック状態に入りそうであるときには、対応する
流出弁8FL,8FR,8Rを励磁して一方向油圧伝達手段5FL〜5
Rの入力油圧室58をリザーバRに連通し、制動圧を低下
させることにより車輪のロック傾向を解消することがで
きる。
上記制動時に油圧ポンプ11等の故障により油圧供給源
2から高油圧が得られなくなった場合を想定する。この
場合、油圧供給源油圧制御手段4の出力ポート47からの
油圧低下に応じて開閉弁67FL,67FR,67Rが開弁する。し
たがって補助油圧発生手段3の第1および第2油圧室2
0,21で生じていた制動油圧が、各ブレーキ装置BFL〜BRR
にそれぞれ直接作用することになり、制動力を確保する
ことができる。この際、一方向油圧伝達手段5FL〜5R
各ブレーキ装置BFL〜BRRおよび油圧供給源油圧制御手段
4間に介設されているので、各ブレーキ装置BFL〜BRR
制動圧が油圧供給源油圧制御手段4側に逃げることはな
い。
制動操作終了後の非制動時には、出力ポート47の油圧
低下により開閉弁67FL,67FR,67Rが開弁し、各一方向油
圧伝達手段5FL〜5Rにおける出力油圧室59を補助油圧発
生手段3を介してリザーバRに連通させることができ
る。それにより、一方向油圧伝達手段5FL〜5Rにおける
フリーピストン60の入力油圧室58側への移動に応じて出
力油圧室59に負圧が発生することが回避され、またその
ためにリザーバを特別に設けることが不要となる。
さらに非制動時に、エンジンの駆動力が過大となり、
駆動輪が過剰スリップを生じそうになったときには、制
御手段54により油圧供給源油圧制御手段4の電気作動部
40を作動せしめる。これにより油圧供給源2からの高油
圧が油圧供給源油圧制御手段4で制御されて出力ポート
47から出力され、一方向油圧伝達手段5FL,5FRの入力油
圧室58に作用し、駆動輪である左右前輪のブレーキ装置
BFL,BFRで制動力が発生し、過剰スリップの発生が回避
される。この後は、前述のアンチロック制御時と同様
に、流入弁7FL,7FRおよび流出弁8FL,8FRの励磁および消
磁制御により、制動力を制御可能である。
このようにして各ブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRの制
動圧を電気的に制御することができ、制動圧をより精密
に制御することが可能となる。しかも電気作動部40の作
動制御と、各電磁切換弁手段VFL,VFR,VRの切換制御とを
組合わせて制動圧制御を行なうことができるので、電気
作動部40および電磁切換弁手段VFL,VFR,VRの作動頻度を
小さくし、負荷分担により耐久性向上を果たすことがで
きる。しかも油圧供給源油圧制御手段4が、一方向油圧
伝達手段5FLを介して左前輪用ブレーキ装置BFLに接続さ
れる制動油圧路57FLと、一方向油圧伝達手段5FRを介し
て右前輪用ブレーキ装置BFRに接続される制動油圧路57
RLと、一方向油圧伝達手段5Rを介して左、右後輪用ブレ
ーキ装置BRL,BRRに接続される制動油圧路57Rとに共通に
して1だけ設けられ、電磁切換弁手段VFL,VFR,VRが各制
動油圧路57FL,57FR,57Rに個別に対応して設けられるの
で、単一の油圧供給源油圧制御手段4により制御チャン
ネルを最少限の1チャンネルとして制動操作量に応じた
制動油圧を得ることを可能とした上で、比較的安価に構
成し得る複数の電磁切換弁手段VFL,VFR,VRにより制動油
圧の相互に独立した制御を可能とすることができ、制御
性能を低下させることなく全体を単純かつ安価に構成す
ることができる。
C.発明の効果 以上のように本発明の第1の特徴に従う装置は、制動
操作量を検出する操作量センサと;出力ポート、油圧供
給源に通じる入力ポート、ならびにリザーバに通じる解
放ポートを有するハウジングに、出力ポートと入力ポー
トおよび解放ポートとの間の連通、遮断を軸方向移動に
応じて切換えるべく摺動子が摺動自在に嵌合されるとと
もに、該摺動子に前記操作量センサの出力に対応した摺
動変位量を与えるべく電気作動部が連結されて成り、各
制動油圧路に共通した単一の油圧供給源油制御手段と;
該油圧供給源油圧制御手段の前記出力ポートおよびリザ
ーバと、各制動油圧路との間にそれぞれ介設され、制動
油圧路および出力ポート間を接続する状態と制動油圧路
およびリザーバ間を接続する状態とを切換可能な複数の
電磁切換弁手段と;を含むので、油圧供給源油圧制御手
段の作動制御と電磁切換弁手段の切換制御とを組合わせ
て制動油圧を制御することにより、油圧供給源油圧制御
手段における電気作動部と、電磁切換弁手段とに負荷を
分担させることが可能となり、耐久性向上に寄与するこ
とが可能となる。また単一の油圧供給源油圧制御手段に
よる1チャンネル制御により制動操作量に応じた制動油
圧を得るとともに、比較的安価に構成し得る複数の電磁
切換弁手段により制動油圧の相互に独立した制御を可能
とし、制御性能を低下させることなく全体を単純かつ安
価に構成することができる。
さらに本発明の第2の特徴によれば、電磁切換弁手段
は、制動油圧路と、リザーバおよび出力ポートとの間を
ともに遮断可能に構成されるので、ブレーキ装置に与え
る制動油圧を保持することができ、アンチロック制御お
よびトラクション制御時の精密な制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示す油圧回路図である。 2……油圧供給源、4……油圧供給源油圧制御手段、35
……ハウジング、38……摺動子としてのスプール、40…
…電気作動部、47……出力ポート、48……解放ポート、
49……入力ポート、57FL,57FR,57R……制動油圧路、 BFL,BFR,BRL,BRR……ブレーキ装置、S……操作量セン
サとしての踏力センサ、R……リザーバ、VFL,VFR,VR
…電磁切換弁手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田島 和利 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−151566(JP,A) 実開 昭63−40270(JP,U) 実開 昭61−158563(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のブレーキ装置の少なくとも1つずつ
    に個別に接続される複数の制動油圧路を備え、それらの
    制動油圧路の油圧を相互に独立して制御可能な車両用制
    動油圧制御装置において、制動操作量を検出する操作量
    センサと;出力ポート、油圧供給源に通じる入力ポー
    ト、ならびにリザーバに通じる解放ポートを有するハウ
    ジングに、出力ポートと入力ポートおよび解放ポートと
    の間の連通、遮断を軸方向移動に応じて切換えるべく摺
    動子が摺動自在に嵌合されるとともに、該摺動子に前記
    操作量センサの出力に対応した摺動変位置量を与えるべ
    く電気作動部が連結されて成り、各制動油圧路に共通し
    た単一の油圧供給源油圧制御手段と;該油圧供給源油圧
    制御手段の前記出力ポートおよびリザーバと、各制動油
    圧路との間にそれぞれ介設され、制動油圧路および出力
    ポート間を接続する状態と制動油圧路およびリザーバ間
    を接続する状態とを切換可能な複数の電磁切換弁手段
    と;を含むことを特徴とする車両用制動油圧制御装置。
  2. 【請求項2】前記電磁切換弁手段は、制動油圧路と、リ
    ザーバおよび出力ポートとの間をともに遮断可能に構成
    されることを特徴とする第(1)項記載の車両用制動油
    圧制御装置。
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