JP2704758B2 - 制動油圧制御装置 - Google Patents

制動油圧制御装置

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JP2704758B2
JP2704758B2 JP1121889A JP12188989A JP2704758B2 JP 2704758 B2 JP2704758 B2 JP 2704758B2 JP 1121889 A JP1121889 A JP 1121889A JP 12188989 A JP12188989 A JP 12188989A JP 2704758 B2 JP2704758 B2 JP 2704758B2
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【発明の詳細な説明】 A.発明の目的 (1) 産業上の利用分野 本発明は、油圧供給源に接続される入力ポート、なら
びにブレーキ装置に接続される出力ポートを有し、入力
ポートの入力油圧を制動操作量に応じて制御して出力ポ
ートから出力すべく構成される油圧供給源油圧制御手段
を備える制動油圧制御装置に関する。
(2) 従来の技術 従来、かかる制動油圧制御装置は、たとえば特公昭52
−187号公報等により公知である。
(3) 発明が解決しようとする課題 ところで、上記従来のものは、油圧供給源油圧制御手
段によりブレーキ装置の制動圧を制御するものである
が、油圧供給源が何らかの理由により不調となり充分な
油圧供給源油圧を確保し得なくなったときにはブレーキ
装置に充分な制動圧を与えるのが困難となる。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、
油圧供給源が不調となって充分な油圧供給源油圧を確保
し得ない場合でも充分な制動圧が得られるようにした制
動油圧制御装置を提供することを目的とする。
B.発明の構成 (1) 課題を解決するための手段 本発明の第1の特徴に従う装置は、制動操作に応じて
前進すべくブレーキペダルに連動、連結された作動ピス
トンの前端面を臨ませてハウジング内に油圧室が形成さ
れる補助油圧発生手段と;油圧供給源油圧制御手段の出
力ポートに接続される出力油路に通じ得る入力油圧室と
ブレーキ装置に通じる出力油圧室とに両端面を臨ませて
フリーピストンがシリンダ体に摺動自在に嵌合されて成
る油圧伝達手段と;該油圧伝達手段およびブレーキ装置
間と補助油圧伝達手段の油圧室との間に介設され、前記
出力油路から分岐される分岐油路の油圧増大に応じて遮
断する開閉弁と;前記分岐油路の分岐部よりも油圧伝達
手段側で出力油路に介設され、予め設定された第1開弁
圧以上の差圧に応じて開弁して前記出力ポートから油圧
伝達手段側への作動油の流通のみを許容する第1一方向
弁と;油圧伝達手段側から前記出力ポート側への作動油
の流通のみを許容すべく第1一方向弁に並列に接続され
る第2一方向弁と;を含む。
また本発明の第2の特徴によれば、第2一方向弁は、
予め設定された第2回弁圧以上の差圧で開弁すべく構成
され、第1開弁圧よりも大きく設定される。
本発明の第3の特徴によれば、出力油路の途中には、
該出力油路の油圧供給源油圧制御手段側部分および油圧
伝達手段側部分を軸方向両端壁に開口させる収納室を有
するケーシングが介設され、該収納室には収納室内面と
の間に感情の外周通路を形成するスリーブが収納、固定
され、第2一方向弁としてのカップシールが、前記外周
通路を開閉すべく収納室内面に弾発的に接触してスリー
ブの外周に嵌着され、第1一方向弁はスリーブに穿設さ
れる貫通孔の途中に配設される。
(2) 作用 上記第1の特徴によれば、油圧供給源の油圧が正常で
ある通常の制動時には、制動操作に応じて油圧供給源油
圧制御手段が作動して該油圧供給源油圧制御手段の出力
ポートから油圧が出力され、出力ポートに通じる分岐油
路の油圧が高くなって開閉弁が遮断し、それに続いて第
1一方向弁前後の出力油路の差圧が第1開弁圧を超える
のに応じて第1一方向弁が開弁し、出力油路の油圧が油
圧伝達手段を介してブレーキ装置に作用して制動力を得
ることができる。また油圧供給源の油圧が異常に低下し
たときには、油圧供給源油圧制御手段における出力ポー
トの出力油圧が低下し、それに応じて開閉弁が開弁する
ことにより補助油圧発生手段の油圧室からブレーキペダ
ルの制動操作量に応じて出力される油圧がブレーキ装置
に作用して制動圧を確保することができる。しかもこの
開閉弁開弁時にブレーキ装置の油愛が油圧供給源側に逃
げることは油圧伝達手段により阻止される。また制動操
作状態から非制動操作状態に移行したときには油圧伝達
手段における入力油圧室の油圧が第2一方向弁を介して
逃がされ、油圧伝達手段のフリーピストンを元の位置に
戻すことができる。
また上記第2の特徴によれば、制動操作状態から非制
動操作状態に移行したときには開閉弁の開弁作動が油圧
伝達手段におけるフリーピストンの元の位置への作動よ
りも確実に早く行なわれ、油圧伝達手段における出力油
圧室の呼吸が可能となる。しかも第2一方向弁の開弁圧
が比較的低く設定されるので、非制動操作時に油圧伝達
手段における入力油圧室の油圧が温度変化等によりわず
かに増大してもその油圧増大分を、第2一方向弁を介し
て逃がすことができる。
さらに上記第3の特徴によれば、第1および第2一方
向弁をコンパクトに構成することができる。
(3) 実施例 以下、図面により本発明をフロントエンジン・フロン
トドライブ車両の制動油圧制御装置に適用したときの実
施例について説明する。
第1図は本発明の一実施例の油圧回路を示すものであ
り、車両の左前輪および右前輪には左前輪用ブレーキ装
置BFLおよび右前輪用ブレーキ装置BFRがそれぞれ装着さ
れ、左後輪および右後輪には左後輪用ブレーキ装置BRL
および右後輪用ブレーキ装置BRRがそれぞれ装着され
る。一方、ブレーキペダル1には、該ブレーキペダル1
踏込み量に応じた油圧を出力する補助油圧発生手段3が
連結され、通常制動時には、補助油圧発生手段3から出
力される油圧に応じて油圧供給源油圧制御手段4により
制御された油圧供給源2からの油圧が油圧伝達手段5FL,
5FRを介して各前輪用ブレーキ装置BFL,BFRに与えられる
とともに、油圧供給源油圧制御手段4からの油圧が油圧
伝達手段5Rおよび比例減圧弁6を介して各後輪用ブレー
キ装置BRL,BRRに与えられる。また油圧供給源2が不調
になったときの制動操作時には補助油圧発生手段3で発
生した油圧が各ブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRに与えら
れる。さらに各前輪用ブレーキ装置BFL,BFRに個別に対
応して設けられる流入電磁弁7FL,7FRおよび流出電磁弁8
FL,8FRならびに両後輪用ブレーキ装置BRL,BRRに共通に
設けられる流入電磁弁7Rおよび流出電磁弁8Rにより各ブ
レーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRの制動油圧を保持あるいは
減圧してアンチロック制御を行なうことができ、トラク
ション制御用切換制御弁手段9により制動時に各ブレー
キ装置BFL,BFR,BRL,BRRの制動油圧を増大してトラクシ
ョン制御を行なうことができる。
油圧供給源2は、リザーバRから作動油を汲上げる油
圧ポンプ11と、その油圧ポンプ11に接続されるアキュム
レータ12と、油圧ポンプ11の作動を制御するための圧力
スイッチ13とを備える。
補助油圧発生手段3は、両端閉塞の円筒状に形成され
る第1ハウジング14を備える。この第1ハウジング14に
設けられた第1シリンダ孔15には、第1作動ピストン17
と、第1作動ピストン17の前方に間隔をあけて配置され
る第2作動ピストン18と、さらに第2作動ピストン18の
前方に間隔をあけて配置される第3作動ピストン19とが
摺動可能に嵌合され、第1作動ピストン17および第2作
動ピストン18間には第1油圧室16が形成され、第2作動
ピストン18の前方すなわち第2作動ピストン18および第
3作動ピストン19間に第2油圧室20が形成され、第1シ
リンダ孔15の前端壁および第3作動ピストン19間には第
3油圧室21が形成される。
第1作動ピストン17には、第1シリンダ孔15の後端壁
を油密にかつ移動自在に貫通して外方に突出するピスト
ンロッド17aが一体に設けられており、ブレーキペダル
1に連結された押圧ロッド22の前端が該ピストンロッド
17aの後端に当接される。したがってブレーキペダル1
の制動操作に応じて第1作動ピストン17は第1シリンダ
孔15内を前進することになる。
第1シリンダ孔15の内面には、第2作動ピストン18の
後端に当接して第2作動ピストン18の後退限を規制する
ストッパ23が半径方向内方に張出して突設させており、
このストッパ23と第1作動ピストン17との間に第1作動
ピストン17を後方側に付勢する第1戻しばね24が縮設さ
れる。また第2作動ピストン18および第3作動ピストン
19を相互に離反する方向に付勢する第2戻しばね25が第
2油圧室20内に収納され、第3作動ピストン19を後方側
に付勢する第3戻しばね26が第1シリンダ孔15の前端壁
および第3作動ピストン19間に縮設される。これにより
第1作動ピストン17の前進作動に応じた第1油圧室16の
油圧発生により、第2および第3作動ピストン18,19が
前進作動する。ただし第2および第3戻しばね25,26の
セット荷重は、第1油圧室16の油圧に応じて作動する油
圧供給源油圧制御手段4からの油圧により後述の開閉弁
67FR,67FR,67Rが閉弁した後に、第2および第3作動ピ
ストン18,19が前進作動する程度に設定される。
また第1ハウジング14には第1油圧室16に通じる第1
出力ポート27と、第2油圧室20に通じる第2出力ポート
28と、第3油圧室21に通じる第3出力ポート29とが穿設
されるとともに、第1作動ピストン17、ならびに第2お
よび第3作動ピストン18,19が後退限に戻ったときのみ
各油圧室16,20,21をリザーバRに連通される連通ポート
30,31,32が穿設される。
油圧供給源油圧制御手段4は、第2ハウジング33と、
第2ハウジング33に摺動可能に嵌合されるスプール34、
反力ピストン35および押圧ピストン36とを備える。
第2ハウジング33は、両端閉塞の外筒部37と、該外筒
部37内に同軸に配置される両端開放の内筒部38とがその
中間部で相互に固設されて成るものであり、外筒部37に
は、出力ポート39、油圧供給源2に通じる入力ポート4
0、ならびにリザーバRに通じる解放ポート4Lが、前方
から後方側(第1図の左側から右側)に向けて順に間隔
をあけて設けられる。また内筒部38には第2シリンダ孔
42が設けられ、入力ポート40は第2シリンダ孔42内面に
開口される。しかも第2シリンダ孔42に摺動可能に嵌合
されるスプール34の外面には環状凹部46が設けられてお
り、該環状凹部46の軸方向長さは、スプール34が後方位
置にあるときに出力ポート39および解放ポート41間を連
通し、スプール34が前方位置にあるときには出力ポート
39および入力ポート40間を連通すべく設定される。
前記スプール34の後端には半径方向外方に張出す鍔部
34aが設けられており、この鍔部34aと第2ハウジング33
との間にばね48が縮設され、このばね48のばね力により
スプール34は後方側に向けて付勢されることになる。
反力ピストン35は、スプール34の前端への当接を可能
にしてスプール34の前方位置で第2シリンダ孔42に摺動
可能に嵌合される。一方、前記内筒部38の前端には帽状
部材49が嵌合されており、該帽状部材49は外筒部37の前
端壁との間に縮設されるばね50のばね力により後方側に
向けて付勢される。該帽状部材49と反力ピストン35との
間には該反力ピストン35の前面を臨ませる出力圧作用室
51が画成されており、該出力圧作用室51は帽状部材49に
穿設された連通孔52を介して出力ポート39に連通する。
第2シリンダ孔42のスプール34よりも前方側の内面に
設けられた段部と反力ピストン35との間にばね54が縮設
されており、該ばね54のばね力により反力ピストン35は
前方側に向けて付勢される。しかもばね54のセット荷重
は前記ばね50のセット荷重よりも小さく設定されてお
り、出力圧作用室51に油圧が作用していない状態では、
ばね50により付勢されて内筒部38の前端に当接している
帽状部材49に反力ピストン35の前端が当接している。
またスプール34には、解放ポート41に連通する連通路
56が該スプール34の前端面に開口して穿設されている。
したがって反力ピストン35の背面およびスプール34の前
面に油圧が作用することはない。
押圧ピストン36は、スプール34の後端に同軸に当接す
べく該スプール34の後方側で、第2ハウジング33におけ
る外筒部37に摺動可能に嵌合され、この押圧ピストン36
の背面は、外筒部37の後端壁との間に画成される入力圧
作用室55に臨む。
この油圧供給源油圧制御手段4では、出力圧作用室51
の油圧により反力ピストン35に作用する後方側に向けて
の油圧力と、入力圧作用室55の油圧により押圧ピストン
36に作用する前方側に向けての油圧力とのバランスによ
りスプール34が軸方向に移動するものであり、押圧ピス
トン36の入力圧作用室55に臨む受圧面積は反力ピストン
35の出力圧作用室51に臨む受圧面積よりも大きく設定さ
れる。したがって入力圧作用室55に導入される油圧を比
較的低くしてもスプール34を軸方向に駆動することが可
能となる。
ところで、油圧供給源油圧制御手段4の入力圧作用室
55に通じる油路76は比例減圧弁77を介して補助油圧発生
手段3の第1出力ポート27に接続される。この比例減圧
弁77は、第1出力ポート27からの油圧を或る値以上で比
例的に減圧して入力圧作用室55に作用せしめるものであ
り、従来周知の構造を有するものである。しかも比例減
圧弁77および入力圧作用室55間で油路76にはアキュムレ
ータ78が接続される。
このアキュムレータ78は、アキュムレータ本体90と、
前記油路76に通じる蓄圧室91を相互間に画成しながらア
キュムレータ本体90に摺動可能に嵌合されるアキュムレ
ータピストン92と、前記蓄圧室91の容積を収縮させる方
向にアキュムレータピストン92を付勢すべくアキュムレ
ータピストン92およびアキュムレータ本体90間に直列に
介設される第1および第2アキュムレータばね93,94と
を備える。
アキュムレータ本体90には、一端が閉塞された小径孔
95と、該小径孔95の他端に一端が段部96を介して同軸に
連なるとともに他端が閉塞された大径孔97とが穿設され
ており、アキャムレータピストン92は小径孔95に摺動可
能に嵌合される。しかもアキュムレータピストン92の一
端および小径孔95の一端閉塞端間に蓄圧室91が画成され
る。また大径孔97には、段部96に当接して前記一端側へ
の移動を規制されるばね受け部材98が軸方向移動可能に
収納されており、第1アキュムレータばね93はアキュム
レータピストン92およびばね受け部材98間に縮設され、
第2アキュムレータばね94はばね受け部材98と大径孔97
の他端閉塞端との間に縮設される。しかも第1アキュム
レータばね93のセット荷重は第2アキュムレータばね94
のセット荷重よりも小さく設定される。したがって蓄圧
室91に油圧が作用していない状態では、第2アキュムレ
ータばね94のばね力によりばね受け部材98は段部96に当
接した位置にある。
とこで、ブレーキペダル1の踏込み操作に応じた第1
作動ピストン17の前進作動により第1油圧室16で発生し
た油圧は比例減圧弁77で減圧された後、アキュムレータ
78に蓄圧されるとともに入力圧作用室55に作用すること
になるが、アキュムレータ78が作動する前に油圧供給源
油圧制御手段4が作動を開始するように、油圧供給源油
圧制御手段4の作動圧がアキュムレータ78の作動圧より
も低く設定される。すなわち油圧供給源油圧制御手段4
における押圧ピストン36の入力油圧室55に臨む受圧面積
をS1とし、アキュムレータピストン92の蓄圧室91に臨む
受圧面積をS2とし、油圧供給源油圧制御手段4における
ばね48のセット荷重をf1とし、アキュムレータ78におけ
る第1アキュムレータばね93のセット荷重をf2としたと
きに、次の第(1)式が成立するように設定される。
f1/S1<f2/S2 …(1) 油圧伝達手段5FL,5FR,5Rは、油圧供給源油圧制御手段
4の出力ポート39とブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRとの
間に設けられるものであり、油圧伝達手段5FL,5FRは油
圧供給源油圧制御手段4の出力ポート39に接続されるト
ラクション制御用切換制御弁手段9とブレーキ装置BFL,
BFRとの間に、また油圧伝達手段5Rは前記出力ポート39
とブレーキ装置BRL,BRRに接続される比例減圧弁6との
間に介設される。これらの油圧伝達手段5FL,5FR,5Rは、
油圧供給源2からの油圧が正常であるときには油圧供給
限油圧制御手段4からの油圧を各ブレーキ装置BFL,BFR,
BRL,BRRに伝達するが、油圧供給源2の油圧が異常に低
下したときには各ブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRから油
圧供給源2側に作動油が逆流するのを阻止し得る機能を
有するものであり、基本的に同一の構成を有するもので
あるので、代表して油圧伝達手段5FLの構成について次
に述べる。
油圧伝達手段5FLは、入力油圧室58および出力油圧室5
9に両端を臨ませながらフリーピストン60がシリンダ体6
1に摺動可能に嵌合され、フリーピストン60を入力油圧
室58側に付勢するばね62が出力油圧室59に収納配置され
て成る。
このような油圧伝達手段5FLの構成によれば、入力油
圧室58に作用する油圧に応じた油圧を出力油圧室59から
出力することが可能であるとともに出力油圧室59の油圧
が入力油圧室58側に流れることはなく、出力油圧室59は
ブレーキ装置BFLに接続される。
すなわちブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRは、シリンダ
体63と該シリンダ体63内に摺動可能に嵌合される制動ピ
ストン64とをそれぞれ備え、シリンダ体63および制動ピ
ストン64間に画成された制動油圧室65に作用する油圧に
応じた制動ピストン64の移動により制動力を発揮するも
のであり、前記出力油圧室59は制動油圧室65に連通され
る。
前輪用ブレーキ装置BFL,BFRに対応する油圧伝達手段5
FL,5FRの入力油圧室58には、流入電磁弁7FL,7FRおよび
流出電磁弁8FL,8FRが並列してそれぞれ接続され、後輪
用ブレーキ装置BRL,BRRに対応する油圧伝達手段5Rの入
力油圧室58には流入電磁弁7Rおよび流出電磁弁8Rが並列
に接続される。
流入電磁弁7FL,7FR,7Rは励磁時に遮断する電磁弁であ
り、また流出電磁弁8FL,8FR,8Rは励磁時に連通する電磁
弁である。而して流出電磁弁8FL,8FR,8Rは油圧伝達手段
5FL,5FR,5Rの入力油圧室58およびリザーバR間にそれぞ
れ介設される。また流入電磁弁7FL,7FRは油圧伝達手段5
FL,5FRの入力油圧室58および出力油路66F間に介設さ
れ、流入電磁弁7Rは油圧伝達手段5Rの入力油圧室58およ
び出力油路66Rに介設される。さらに各流入電磁弁7FL,7
FR,7Rに並列して油圧解放用一方向弁81FL,81FR,81Rが接
続されており、これらの一方向弁81FL,81FR,81Rは入力
油圧室58から出力油路66F,66R側への作動油の流通のみ
を許容するものである。
このような流入電磁弁7FL,7FR,7Rおよび流出電磁弁8
FL,8FR,8Rの励磁・消磁は制御手段80により制御される
ものであり、該制御手段80は、通常制動時には流入電磁
弁7FL,7FR,7Rおよび流出電磁弁8FL,8FR,8Rを消磁したま
まとするが、アンチロック制御時には、流入電磁弁7FL,
7FR,7Rおよび流出電磁弁8FL,8FR,8Rをともに励磁した減
圧制御状態と、流入電磁弁7FL,7FR,7Rを励磁するととも
に流出電磁弁8FL,8FR,8Rを消磁した圧力保持状態と、流
入電磁弁7FL,7FR,7Rおよび流出電磁弁8FL,8FR,8Rをとも
に消磁した増圧制御状態とを切換可能である。
出力油路66Fは、トラクション制御用切換制御弁手段
9の上開型電磁弁9aを介して油圧供給源油圧制御手段4
の出力ポート39に接続され、出力油路66Rは油圧供給源
油圧制御手段4の出力ポート39に直接接続される。
トラクション制御用切換制御弁手段9は、油圧供給源
油圧制御手段4の出力ポート39および出力油路66F間に
介設される常開型電磁弁9aと、油圧供給源2および出力
油路66F間に介設される常閉型電磁弁9bとから成る。こ
れらの電磁弁9a,9bの励磁・消磁も前記制御手段80によ
り制御されるものであり、制御手段80は、通常状態では
電磁弁9aを消磁して開弁するとともに電磁弁9bを消磁し
て閉弁しておき、また非制動状態でのトラクション制御
時には、電磁弁9aを励磁して閉弁するとともに電磁弁9b
を励磁して開弁する。さらに制御手段80は、アンチロッ
ク制御状態での増圧時すなわち流入電磁弁7FL,7FR,7R
よび流出電磁弁8FL,8FR,8Rをともに消磁した状態で電磁
弁9aの励磁・消磁を切換制御することも可能である。
またトラクション制御用切換制御弁手段9における常
閉型電磁弁9bは差圧一定形減圧弁83を介して油圧供給源
2に接続される。このため該電磁弁9bの開弁時に油圧供
給源2からの作動油は減圧弁83により減圧されて出力油
路66Fに供給されることになる。
比例減圧弁6は、従来周知の構造を有するものであ
り、油圧伝達手段5Rの出力油圧室59から出力される油圧
を或る値異常で比例的に減圧して後輪用ブレーキ装置B
RL,BRRの制動油圧室65に作用せしめる働きをする。
補助油圧発生手段3の第2出力ポート28は、開閉弁67
Rを介して比例減圧弁6および油圧伝達手段5R間に接続
され、補助油圧発生手段3の第3出力ポート29は開閉弁
67FLを介して左前輪用ブレーキ装置BFLおよび油圧伝達
手段5FL間に接続されるとともに、開閉弁67FRを介して
右後輪用ブレーキ装置BFRおよび油圧伝達手段5FR間に接
続される。各開閉弁67FL,67FR,67Rは同一の構成を有す
るものであり、開閉弁67FLの構成についてのみ以下に説
明する。
開閉弁67FLは、両端が閉塞された円筒状の開閉弁本体
68と、油圧伝達手段5FLの出力油圧室59に連通しながら
開閉弁本体68の一端壁に穿設される弁孔69と、その弁孔
69は閉塞可能な弁体70を一端に有するとともに他端をパ
イロット室71に臨ませながら開閉弁本体68に摺動可能に
嵌合される開閉用ピストン72と、該開閉用ピストン72を
パイロット室71側に付勢すべく開閉弁本体68および開閉
用ピストン72間に介設されるばね73とを備える。
開閉弁本体68の一端壁および開閉用ピストン72間には
弁孔69に連通可能な弁室74が画成され、該弁室74にばね
73が収納される。また開閉弁本体68には弁室74に連通す
るとともに第3出力ポート29に連通する入口ポート75が
穿設される。
かかる開閉弁67FLによれば、パイロット室71の油圧が
一定値よりも低いときには弁体70が弁孔69を開放する位
置まで開閉用ピストン72がパイロット室71側に移動して
開弁しており、パイロット室71の油圧が前記一定値以上
となると、開閉用ピストン72が弁体70で弁孔69を閉塞す
るように移動して閉弁する。
パイロット室71には出力油路66Fから分岐した分岐油
路84FLが連通される。したがって分岐油路84FLすなわち
パイロット室71の油圧が高い状態では開閉弁67FLは閉弁
して第3出力ポート29およびブレーキ装置BFL間が遮断
され、分岐油路84FLの油圧が低くなると開閉弁67FLが開
弁して第3出力ポート29およびブレーキ装置BFL間が連
通される。
また開閉弁67FRは、出力油路66Fから分岐した分岐油
路84FRの油圧が高いときに閉弁して第3出力ポート29お
よびブレーキ装置BFR間を遮断し、分岐油路84FRの油圧
が低いときに開弁して第3出力ポート29およびブレーキ
装置BFR間を連通する。さらに開閉弁67Rは、出力油路66
Rから分岐した分岐油路84Rの油圧が高い状態で閉弁し、
それにより補助油圧発生手段3の第2出力ポート28およ
びブレーキ装置BRL,BRR間が遮断され、前記分岐油路84R
の油圧が低くなると開閉弁67Rが開弁して第2出力ポー
ト28およびブレーキ装置BRL,BRR間が連通される。
出力油路66Fにおいて、分岐油路84FL,84FRの分岐部よ
りも油圧伝達手段5FL,5FR側には第1一方向弁85Fが介設
され、出力油路66Rにおいて分岐油路84Rの分岐部よりも
油圧伝達手段5R側には第1一方向弁85Rが介設される。
これらの第1一方向弁85F,85Rは、予め設定された第1
開弁圧ΔP1以上の差圧に応じて開弁して出力ポート39側
から油圧伝達手段5FL,5FR,5R側への作動油の流通のみを
許容するものである。
また上記第1一方向弁85F,85Rには第2一方向弁86F,8
6Rが並列に接続される。これらの第2一方向弁86F,86R
は、予め設定された第2開弁圧ΔP2以上の差圧に応じて
開弁して油圧伝達手段5FL,5FR,5R側から出力ポート39側
への作動油の流通のみを許容するものであり、第2開弁
圧ΔP2は第1開弁圧ΔP1よりも小さく(ΔP2<ΔP1)設
定される。
次にこの実施例の作用について説明する。先ず油圧供
給源2が正常に作動している状態での通常の制動操作時
を想定すると、流入電磁弁7FL,7FR,7Rおよび流出電磁弁
8FL,8FR,8Rは消磁状態(第1図示の状態)にあり、また
トラクション制御用切換制御弁手段9の両電磁弁9a,9b
も消磁状態(第1図示の状態)にある。したがって油圧
供給源油圧制御手段4の出力ポート39は出力油路66F,66
Rに連通し、一方の出力油路66Fは、流入電磁弁7FL,7FR
を介して油圧伝達手段5FL,5FRの入力油圧室58に連通し
た状態にあり、他方の出力油路66Rは流入電磁弁7Rを介
して油圧伝達手段5Rの入力油圧室58に連通した状態にあ
る。
かかる状態でブレーキペダル1を踏込むと、補助油圧
発生手段3の第1作動ピストン17が前進作動し、第1油
圧室16で発生した油圧が比例減圧弁77で減圧されて油圧
供給源油圧制御手段4の入力圧作用室55に作用するとと
もにアキュムレータ78の蓄圧室91に作用する。このとき
油圧供給源油圧制御手段4はアキュムレータ78よりも早
く作動開始するように設定されている。すなわち、油圧
供給源油圧制御手段4における押圧ピストン36の入力油
圧室55に臨む受圧面積S1、アキュムレータピストン92の
蓄圧室91に臨む受圧面積S2、油圧供給源油圧制御手段4
におけるばね48のセット荷重f1、ならびにアキュムレー
タ78における第1アキュムレータばね93のセット荷重f2
は、前述の第(1)式で示した不等式が成立するように
設定されている。
これにより油圧供給源油圧制御手段4では、アキュム
レータ78が蓄圧作動する前に押圧ピストン36が前進し、
その押圧ピストン36に後端が当接している状態にあるス
プール34が前進駆動される。このようにアキュムレータ
78の蓄圧作動に先立って油圧供給源油圧制御手段4の作
動を開始させることにより制動操作時に無駄な反力の発
生を回避し、ブレーキペダル1の踏力損失を防止して応
答性を向上することができる。
押圧ピストン36の前進に応じてスプール34が或る距離
だけ前進作動した時点で出力ポート39が入力ポート40に
連通し、油圧供給源2に連通した出力ポート39からの出
力油圧が急速に増大する。而して出力油路66F,66Rにお
いて第1一方向弁85F,85R前後の差圧が第1開弁圧ΔP1
に達する前に分岐油路84FL,84FR,84Rの油圧増大に応じ
て開閉弁67FL,67FR,67Rが先ず閉弁し、次いで前記差圧
が第1開弁圧ΔP1以上となるのに応じて、第1一方向弁
85F,85Rが開弁する。それにより、出力ポート39からの
油圧が出力油路66Fおよび流入電磁弁7FL,7FRを介して油
圧伝達手段5FL,5FRの入力油圧室58に作用してブレーキ
装置BFL,BFRで制動圧を得ることができ、また出力ポー
ト39からの油圧が出力油路66Rおよび流入電磁弁7Rを介
して油圧伝達手段5Rの入力油圧室58に作用し、該油圧伝
達手段5Rの出力油圧室59から出力される油圧が比例減圧
弁6で減圧されて後輪用ブレーキ装置BRL,BRRに与えら
れる。したがって制動時には、油圧伝達手段5FL,5FR,5R
の作動よりも前に開閉弁67FL,67FR,67Rの作動と同時に
制動圧を高めて応答性を向上することができる。
しかも出力ポート39からの出力油圧が急速に増大する
ことにより、各ブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRまでの各
部遊隙が比較的高い油圧の供給により除去されるととも
に各ブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRの制動ピストン64の
初期作動が円滑となる。
上記出力ポート39の入力ポート40への連通により出力
圧作用室51の油圧も上昇し、反力ピストン35が後方側に
駆動されてスプール34の前端に当接し、それによりスプ
ール38が後退して出力ポート39が入力ポート40と遮断さ
れる。さらにブレーキペダル1を踏込み操作することに
より第1油圧室16の油圧が増大するのに応じてスプール
34は再び前進し、出力ポート39が入力ポート40に連通す
る。このようにブレーキペダル1の制動操作に応じてス
プール34は出力ポート39を入力ポート40に連通する前方
位置と、出力ポート39を入力ポート40と遮断する後方側
の位置との間で往復移動し、それにより油圧供給源2の
油圧がブレーキペダル1の制動操作量に応じて制御され
て出力ポート39から出力されることになる。
このようにして制動操作量に応じて油圧供給源2から
の油圧を油圧供給源油圧制御手段4で制御して各ブレー
キ装置BFL,BFR,BRL,BRRに与えることができるが、油圧
伝達手段5FL,5FR,5Rではフリーピストン60により、各ブ
レーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRと、入力油圧室58から油圧
供給源2までの油圧回路とが隔絶されるので、油圧供給
源2で作動油に混入する可能性のあるガスが各ブレーキ
装置BFL,BFR,BRL,BRRに悪影響を及ぼすことはない。
この際、ブレーキペダル1の踏込み操作に応じて補助
油圧発生手段3における第1油圧室16の油圧による第2
作動ピストン18の前進方向油圧力が第2および第3戻し
ばね25,26のセット荷重を超えると、第2および第3油
圧室20,21の油圧が容積収縮により増大するが、開閉弁6
7FL,67FR,67Rが閉弁しているので、両油圧室20,21の油
圧が各ブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRに作用することは
ない。
この制動時に、左右後輪の制動力は左右前輪よりも低
いことが必要であり、比例減圧弁6により油圧供給源油
圧制御手段4からの油圧が減圧されることにより左右後
輪の制動力は左右前輪よりも一定の比率で低くなる。
また第1油圧室16の油圧が比例減圧弁77を介して入力
圧作用室55に作用するので、入力圧作用室55およびアキ
ュムレータ78に作用する油圧を低く抑え、油圧供給減油
圧制御手段4およびアキュムレータ78の負荷軽減に寄与
することができる。しかもブレーキペダル1を数回遊び
踏みしたときに、比例減圧弁77により第1油圧室16の油
圧を減圧して入力圧作用室55に作用させることにより、
油圧供給源油圧制御手段4以降の油圧上昇頻度を小さく
抑え、作動油循環量を小さくして作動油の無駄な消費を
抑えることができるとともに、油圧伝達手段5FL〜5R
おけるフリーピストン60の作動頻度を抑えて耐久性向上
に寄与することができる。
さらに第1油圧室16からの油圧をアキュムレータ78で
蓄圧することにより、ブレーキペダル1のペダルストロ
ークを確保することができ、それにより油圧供給源油圧
制御手段4においてペダルストロークを確保するための
構成が不要となり、油圧供給源油圧制御手段4を小型化
することが可能である。しかも急激な反力が作用したと
きにアキュムレータ78によるダンパ作用によりブレーキ
ペダル1に急激な反力が直接作用することを回避するこ
とができる。
かかる制動時に、ブレーキペダル1による踏力が過大
となり、車輪がロックしそうになったときには、ロック
しそうになっている車輪に対応する流入電磁弁7FL,7FR,
7Rを励磁して、出力油路66Fおよび油圧伝達手段5FL,5FR
間、ならびに出力油路66Rおよび油圧伝達手段5R間を遮
断する。これにより車輪がロック状態になることを回避
すべく制動力の増大が抑えられる。これでも車輪がロッ
ク状態に入りそうであるときには、対応する流出電磁弁
8FL,8FR,8Rを励磁して油圧伝達手段5FL〜5Rの入力油圧
室58をリザーバRに連通し、制動圧を低下させることに
より車輪のロック傾向を解消することができる。
上記ロック傾向の解消後には、流入電磁弁7FL,7FR,7R
を消磁するとともに流出電磁弁8FL,8FR,8Rを消磁する。
これにより油圧供給源油圧制御手段4の出力ポート39か
らの油圧を再び油圧伝達手段5FL,5FR,5Rに作用させて制
動圧を高めることができる。
このようなアンチロック制御状態での増圧時に、トラ
クション制御用切換弁手段9における電磁弁9aの作動を
断続制御することにより、両前輪のアンチロック制御を
より精密に行なうことができる。すなわち電磁弁9aを断
続的に閉弁することにより出力ポート39からの油圧が各
流入電磁弁7FL,7FRに急激に作用することを回避し、油
圧増大を緩やかにすることができ。また左右前輪の接地
路面の摩擦係数が異なる状態で摩擦係数の低い路面に接
地している前輪側でアンチロック制御を行なっていると
きに、摩擦係数の高い路面に設置している前輪での制動
圧の上昇を前記電磁弁9aの断続閉弁作動により抑え、車
体のヨーモーメントの発生を緩やかに抑えることも可能
である。
上記制動時に油圧ポンプ11等の故障により油圧供給源
2から高油圧が得られなくなった場合を想定する。この
場合、油圧供給源油圧制御手段4の出力ポート39からの
油圧低下に応じた各分岐油路84FL,84FR,84Rの油圧低下
により開閉弁67FL,67FR,67Rが開弁する。したがって補
助油圧発生手段3の第2および第3の油圧室20,21で生
じていた制動油圧が、各ブレーキ装置BFL〜BRRにそれぞ
れ直接作用することになり、制動力を確保することがで
きる。
この際、油圧伝達手段5FL〜5Rが各ブレーキ装置BFL
BRRおよび油圧供給源油圧制御手段4間に介設されてい
るので、各ブレーキ装置BFL〜BRRの制動圧が油圧供給源
油圧制御手段4側に逃げることはない。
制動操作終了後の非制動時には、出力ポート39の出力
油圧低下に応じた分岐油路84FL,84FR,84Rの油圧低下に
より先ず開閉弁67FL,67FR,67Rが開弁する。次いで、第
2一方向弁86F,86R前後の差圧が第2開弁圧ΔP2以上と
なるのに応じて第2一方向弁86F,86Rが開弁し、各油圧
伝達手段5FL〜5Rにおける入力油圧室58が油圧供給源油
圧制御手段4を介してリザーバRに連通する。したがっ
て油圧伝達手段5FL〜5Rにおけるフリーピストン60の入
力油圧室58側への移動に応じて出力油圧室59の呼吸が可
能となる。しかも各油圧伝達手段5FL〜5Rにおける入力
油圧室58の油圧を油圧解放用一方向弁81FL,81FR,81R
介して出力油路66F,66Rに逃がすことができるので、流
入電磁弁7FL,7FR,7Rでの流通抵抗が大きくても前記入力
油圧室58の油圧解放を速やかに行なってフリーピストン
60を素早く元の位置に戻すことができる。
ところで、非制動時に各油圧伝達手段5FL,5FR,5Rにお
いて温度上昇により入力油圧室58の油圧が上昇すること
も考えられ、その場合、油圧を逃がすことができないと
制動圧がかかることになる。しかるに、第2一方向弁86
F,86Rの第2開弁圧ΔP2は第1一方向弁85F,85Rの第1開
弁圧ΔP1よりも小さく、比較的小さい値に設定されてい
るので、前記入力油圧室58の油圧増大に応じて開弁し、
油圧増大分の作動油を逃がすことができる。
さらに非制動時に、エンジンの駆動力が過大となり、
駆動輪が過剰スリップを生じそうになると、トラクショ
ン制御用切換制御弁手段9の両電磁弁9a,9bが制御手段8
0により励磁される。これにより油圧供給源2からの油
圧が油圧伝達手段5FL,5FRの入力油圧室58に作用し、駆
動輪である左右前輪のブレーキ装置BFL,BFRで制動力が
発生し、過剰スリップの発生が回避される。この後は、
前述のアンチロック制御時と同様に、流入電磁弁7FL,7
FRおよび流出電磁弁8FL,BFRの励磁および消磁制御によ
り、制動力を制御可能である。
しかも油圧供給源2の出力押圧はかなり大きく設定さ
れるものであるが、この油圧供給源2の油圧が減圧弁83
により制御に適応した油圧まで減圧されるので、過大な
油圧によりトラクション制御が行なわれることはない。
したがって制御の応答性が低下したり、不円滑となるこ
ともない。
第2図は本発明の他の実施例を示すものである。
出力油路66F,66Rの途中には、ケーシング100が介設さ
れる。このケーシング100内には、出力油路66F,66Rの油
圧供給源油圧制御手段4(第1図参照)側部分66Fa,66
Raおよび油圧伝達手段5FL,5FR,5R(第1図参照)側部分
66Fb,66Rbを軸方向両端壁に開口させる収納室101が設け
られ、該収納室101内には収納室101内面との間に前記出
力油路66F,66Rの油圧供給源油圧制御手段4側部分66Fa,
66Raおよび油圧伝達手段5FL,5FR,5R側部分66Fb,66Rb
結ぶ環状の外周通路102を形成するスリーブ103が収納、
固定される。またスリーブ103には前記出力油路66F,66R
の油圧供給源油圧制御手段4側部分66Fa,66Raおよび油
圧伝達手段5FL,5FR,5R側部分66Fb,66Rbを結ぶ貫通孔110
が穿設される。
貫通孔110の途中には第1一方向弁104が配設される。
この第1一方向弁104は、貫通孔110の途中に設けられる
弁室105内に収納される球状の弁体106と、該弁体106を
閉弁方向に付勢するばね107とから成る。またスリーブ1
03の外面には第2一方向弁としてのカップシール108
が、外周通路102を開閉すべく嵌着される。
この実施例によれば、上記第1図の実施例と同様の効
果を奏することがでできる上に、第1一方向弁104およ
びカップシール108(第2一方向弁)をコンパクトに構
成することができる。
C.発明の効果 以上のように本発明の第1の特徴によれば、油圧供給
源の油圧が正常である通常の制動時には、制動操作に応
じて作動する油圧供給源油圧制御手段の出力ポートから
油圧が出力され、開閉弁を確実に遮断した後に第1一方
向弁を開弁し、ブレーキ装置に前記油圧を作用させて制
動力を得ることができ、応答性を向上することができ
る。また油圧供給源の油圧が異常に低下したときには、
開閉弁が開弁することにより補助油圧発生手段の油圧室
からブレーキペダルの制動操作量に応じて出力される油
圧がブレーキ装置に作用して制動圧を確保することがで
きる。しかもこの開閉弁開弁時にブレーキ装置の油圧が
油圧供給源側に逃げることは油圧伝達手段により阻止さ
れる。また制動操作状態から非制動操作状態に移行した
ときには油圧伝達手段における入力油圧室の油圧が第2
一方向弁を介して逃がされ、油圧伝達手段のフリーピス
トンを元に戻すことができる。
また本発明の第2の特徴によれば、制動操作状態から
非制動操作状態に移行したときには開閉弁を油圧伝達手
段の作動よりも確実に早く開弁し、油圧伝達手段におけ
る出力油圧室の呼吸が可能となる。しかも非制動操作時
に油圧伝達手段における入力油圧室の油圧が温度変化等
によりわずかに増大してもその油圧増大分を、第2一方
向弁を介して逃がすことができる。
さらに本発明の第3の特徴によれば、第1および第2
一方向弁をコンパクトに構成することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す油圧回路図、第2図は
本発明の他の実施例における第1および第2一方向弁を
示す断面図である。 1……ブレーキペダル、2……油圧供給源、3……補助
油圧発生手段、4……油圧供給源油圧制御手段、5FL,5
FR,5R……油圧伝達手段、14……ハウジング、16……油
圧室、17……作動ピストン、39……出力ポート、40……
入力ポート、58……入力油圧室、59……出力油圧室、60
……フリーピストン、61……シリンダ体、66F,66F……
出力油路、67FL,67FR,67R……開閉弁、84FL,84FR,84R
…分岐油路、85F,85R,104……第1一方向弁、86F,86R
…第2一方向弁、100……ケーシング、101……収納室、
102……外周通路、103……スリーブ、108……第2一方
向弁としてのカップシール、110……貫通孔、BFL,BFR,B
RL,BRR……ブレーキ装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田島 和利 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 平2−237859(JP,A) 特開 平2−237860(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油圧供給源に接続される入力ポート、なら
    びにブレーキ装置に接続される出力ポートを有し、入力
    ポートの入力油圧を制動操作量に応じて制御して出力ポ
    ートから出力すべく構成される油圧供給源油圧制御手段
    を備える制動油圧制御装置において、制動操作に応じて
    前進すべくブレーキペダルに連動、連結された作動ピス
    トンの前端面を臨ませてハウジング内に油圧室が形成さ
    れる補助油圧発生手段と;油圧供給源油圧制御手段の出
    力ポートに接続される出力油路に通じ得る入力油圧室と
    ブレーキ装置に通じる出力油圧室とに両端面を臨ませて
    フリーピストンがシリンダ体に摺動自在に嵌合されて成
    る油圧伝達手段と;該油圧伝達手段およびブレーキ装置
    間と補助油圧伝達手段の油圧室との間に介設され、前記
    出力油路から分岐される分岐油路の油圧増大に応じて遮
    断する開閉弁と;前記分岐油路の分岐部よりも油圧伝達
    手段側で出力油路に介設され、予め設定された第1開弁
    圧以上の差圧に応じて開弁して前記出力ポートから油圧
    伝達手段側への作動油の流通のみを許容する第1一方向
    弁と;油圧伝達手段側から前記出力ポート側への作動油
    の流通のみを許容すべく第1一方向弁に並列に接続され
    る第2一方向弁と;を含むことを特徴とする制動油圧制
    御装置。
  2. 【請求項2】第2一方向弁は、予め設定された第2開弁
    圧以上の差圧で開弁すべく構成され、第1開弁圧は第2
    開弁圧よりも大きく設定されることを特徴とする第
    (1)項記載の制動油圧制御装置。
  3. 【請求項3】出力油路の途中には、該出力油路の油圧供
    給源油圧制御手段側部分および油圧伝達手段側部分を軸
    方向両端壁に開口させる収納室を有するケーシングが介
    設され、該収納室には収納室内面との間に環状の外周通
    路を形成するスリーブが収納、固定され、第2一方向弁
    としてのカップシールが、前記外周通路を開閉すべく収
    納室内面に弾発的に接触してスリーブの外周に嵌着さ
    れ、第1一方向弁はスリーブに穿設される貫通孔の途中
    に配設されることを特徴とする第(1)項または第
    (2)項記載の制動油圧制御装置。
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