JP5327828B2 - エレベータ巻上機のブレーキ開放装置およびそれを備えたエレベータシステム - Google Patents

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Description

本発明は、エレベータ巻上機のブレーキを非常時に手動操作で開放する装置に関し、より詳しくは、より小さな操作力でブレーキを開放できるように改良する技術に関する。
従来、エレベータの巻上機にはブレーキが設けられており、乗りかごを昇降させるときにはこのブレーキに通電してブレーキを電磁的に開放し、トラクションシーブが回転できるようにしている。
これにより、停電等によってブレーキに通電できなくなるとブレーキが作動したままとなり、乗りかごを昇降させることができなくなるため、階床間に停止した乗りかごを最寄りの階床に着床させる救出運転の際にはブレーキを手動で開放する必要がある。
そこで、救出運転の際にブレーキを手動で開放するためのブレーキ開放装置が本願の出願人によって先に提案されている(下記特許文献1,2を参照)。
このブレーキ開放装置の構造について図12および図13を参照して概説すると、エレベータ昇降路1の頂部に設けられている巻上機2にはブレーキ3が設けられ、最上階の乗場ホール4の壁面に設けられた操作レバー5から延びる操作ワイヤ6が接続されている。
これにより、停電等によってブレーキが作動したままとなり、乗りかご7を昇降させることができなくなった場合には、救出作業員が操作レバー5を操作してブレーキを手動で開放する。
すると、トラクションシーブ8が回転できる状態となり、乗りかご7と釣合錘9との重量アンバランスによって乗りかご7が自然に上昇しあるいは降下するので、乗りかご7を最寄り階に着床させることができる。
特開2004−307181号公報 特開2007− 62900号公報
ところで、上述した巻上機2のブレーキ3は、図13に示したように、左右方向に水平に延びる支軸10,11によって前後方向に揺動自在に支持された前後一対のブレーキアーム12,13と、これらのブレーキアームの上端12a,13aが軸支された変位部材14とを有している。
また、巻上機2の上部に固定されている左右一対のフレーム15a,15bには、平面視でコ字形のブラケット16が取り付けられ、操作ワイヤ6のアウタチューブ6aの先端が係止具17によって接続されている。
さらに、変位部材14の後端上部14aには、操作ワイヤ6のインナワイヤ6bが図示されない係止具によって接続されている。
これにより、救出運転を行う作業員が操作レバー5を操作してインナワイヤ6bを引き寄せると、変位部材14が矢印Aで示したように前方に変位してブレーキアーム12,13がそれぞれ揺動するので、ブレーキ3を開放することができる。
このとき、前後一対のブレーキアーム12,13は、図示されない付勢手段によって常にブレーキ作動側に付勢されているため、ブレーキ3を開放する際には所定の値を上回る操作力で変位部材14を前方に変位させる必要がある。
また、操作ワイヤ6は、最上階の乗場ホールから昇降路の頂部に設けられている巻上機2へと湾曲しながら延びているため、アウタチューブ6aとインナワイヤ6bとの間には互いの摺動に伴う摩擦力が作用する。
これにより、乗りかご7を救出運転する救出作業員は、大きな力で操作レバー5を操作しなければならない。
さらに、巻上機2が昇降路の頂部に設けられているため、救出作業員が最上階の乗場ホール4からブレーキ3の作動状態を視認することは困難である。
そこで本発明の目的は、上述した従来技術が有する問題点を解消し、エレベータの巻上機に設けられているブレーキをより小さな操作力で開放できるばかりでなく、ブレーキの作動状態を容易に視認できるように改良されたブレーキ開放装置を提供することにある。
上記の課題を解決するための本発明に記載した手段は、
エレベータ巻上機のブレーキを非常時に操作手段を用いて開放する装置であって、
前記巻上機に対し支軸によって揺動自在に支持されるとともに、前記操作手段がその第1揺動部に接続され、かつ前記ブレーキを開放するときに変位する変位部材がその第2揺動部に接続された揺動レバーを備え、
前記支軸と前記第1揺動部との間の距離が、前記支軸と前記第2揺動部との間の距離よりも大きく設定されていることを特徴とする。
すなわち、本発明に記載したエレベータ巻上機のブレーキ開放装置は、揺動レバーを「てこ」として作用させることにより「てこの原理」によってブレーキの変位部材を変位させてブレーキを開放する構造である。
これにより、例えば揺動レバーの支軸と第1揺動部との間の距離を、支軸と第2揺動部との間の距離の2倍に設定すると、上記した従来のブレーキ開放装置に比較して半分の大きさの操作力でブレーキの変位部材を変位させてブレーキを開放することができる。
このとき、操作手段は、上述した従来のブレーキ開放装置のように、最上階の乗場ホールに設けた操作レバーによって操作される操作ワイヤとすることもできるし、バッテリ駆動の電動アクチュエータとすることもできる。
さらに、この電動アクチュエータには、エレベータの運行を遠隔監視している監視センターから作動させることができるようにする制御手段を付設することができる。
揺動レバーの支軸は、水平方向に延びるように、あるいは鉛直方向に延びるように、さらには水平方向に対し傾斜して延びるように配設することができる。
このとき、揺動レバーの支軸が水平に延びるようにし、かつ揺動レバーの揺動端が巻上機から上方に突出するように配設すれば、最上階の乗場ホールから揺動レバーの上端の揺動、したがってブレーキ装置の作動状態を容易に視認することができる。
あるいは、揺動レバーの支軸が鉛直方向に延びるようにし、かつ揺動レバーの揺動端が巻上機から側方に突出するように配設すれば、最上階の乗場ホールから揺動レバーの揺動端の揺動、したがってブレーキ装置の作動状態を容易に視認することができる。
さらに、揺動レバーの揺動端に光線を反射する塗料を塗布し、あるいは自動車若しくは自転車等の後部に取り付けられている光線反射部材や光線反射テープ等の光線反射手段を取り付ければ、懐中電灯のような照明手段を用いることにより、最上階の乗場ホールから揺動レバーの揺動状態を容易に視認することができる。
さらに、揺動レバーの周囲をカバー部材で覆うことにより、巻上機やブレーキ開放装置の点検作業を行う作業員が揺動レバーに不用意に触れてブレーキが開放されてしまうことを防止できるとともに、塵芥等が付着して作動不良となることを防止できる。
このとき、カバー部材を透明な材料から構成すれば、最上階の乗場ホールから揺動レバーの揺動状態を容易に視認することができる。
加えて、揺動レバーには、ブレーキの変位部材を変位させない所定の揺動位置へと揺動レバーを揺動復帰させるための付勢手段を設けることができる。
これにより、操作ワイヤのアウタチューブとインナワイヤとの間の摺動摩擦によってインナワイヤが戻らなくなり、ブレーキの変位部材が変位したままとなってブレーキが開放されたままとなることを確実に防止することができる。
本発明によれば、エレベータの巻上機に設けられているブレーキをより小さな操作力で開放することができるばかりでなく、ブレーキの作動状態を容易に視認できるように改良されたブレーキ開放装置を提供することができる。
以下、図1乃至図11を参照し、本発明のエレベータ巻上機のブレーキ開放装置、およびそれを備えたエレベータシステムの各実施形態および変形例について詳細に説明する。
なお、以下の説明においては、前述した従来の装置を含めて同一の部分には同一の符号を用いて重複した説明を省略する。
第1実施形態
まず最初に図1〜図3を参照し、第1実施形態のブレーキ開放装置およびそれを備えたエレベータシステムについて説明する。
第1実施形態のエレベータシステム100は、図12に示した従来技術と同様に、エレベータ昇降路1の頂部に配設された巻上機2を備えている。
巻上機2にはブレーキ3が設けられ、トラクションシーブ8を回転不能に制動できるようになっている。
そして、このブレーキ3には、最上階の乗場ホール4の壁面に設けられた操作レバー5から延びる操作ワイヤ6が、図1〜図3に示したブレーキ開放装置20を介して接続されている。
このブレーキ開放装置20は、図1〜図3に示したように、巻上機2の上部に固定されている左右一対のフレーム15a,15b間に掛け渡されて左右方向に水平に延びる、図示されないブラケットに支持された支軸21と、この支軸21によってその下端が軸支されて上方に延びつつ前後方向に揺動自在な揺動レバー22とを有している。
また、左右一対のフレーム15a,15bの前端部分に掛け渡された平面視でコ字形のブラケット23には、操作ワイヤ6のアウタチューブ6aの前端が係止具17によって係止されている。
さらに、揺動レバー22の揺動端(第1揺動部)には、操作ワイヤ6のインナワイヤ6bの前端が係止具18によって係止されている。
加えて、前後一対のブレーキアーム12,13の上端12a,12bがそれぞれ軸支されている変位部材24の後端には、揺動レバー22の前面に当接する半球状の当接部25が設けられ、揺動レバー22のうち支軸21よりもわずかに上方の部分(第2揺動部)に当接するようになっている。
これにより、最上階の乗場ホール4の壁面に設けられている操作レバー5を操作して、図3中に矢印Bで示したようにインナワイヤ6bを前方に引き寄せると、揺動レバー22が支軸21の回りに揺動するため、変位部材24の当接部25が揺動レバー22に押されて前方に変位する。
これに伴い、前後一対のブレーキアーム12,13が支軸10,11の回りに揺動するので、巻上機2のブレーキ3が開放されトラクションシーブ8が回転できるようになる。
このとき、図3に示したように、揺動レバー22のうちインナワイヤ6bの前端が係止されている部分(第1揺動部)22aと支軸21との間の距離はL1となっている。
また、揺動レバー22のうち変位部材24の当接部25が当接する部分(第2揺動部)22bと支軸21との間の距離はL2となっている。
そして、距離L1と距離L2との比率は約3:1となっている。
これにより、「てこの原理」によって、インナワイヤ6bが第1揺動部22aを前方に引き寄せる力の約3倍の力が第2揺動部22bに作用する。
したがって、図13に示した従来のブレーキ開放装置に比較すると、ブレーキ3を開放するために操作レバー5に加える操作力の大きさは約3分の1で済むことになる。
さらに、図1に示したように、支軸21から鉛直方向上方に延びている揺動レバー22の上端22cは、巻上機2の本体部分よりも上方に突出している。
そして、図2に示したように、揺動レバー22の上端22cの側面には光線反射部材26が取り付けられている。
これにより、最上階の乗場ホール4において操作レバー5を操作する作業員が、巻上機2に向かって照明の光を照射すると、揺動レバー22の上端の揺動、したがってブレーキ3の作動状態を容易に視認することができる。
第1変形例
次に図4および図5を参照し、第1変形例のブレーキ開放装置30およびそれを備えたエレベータシステム110について説明する。
上述した第1実施形態のブレーキ開放装置20は、揺動レバーの上端を前方に引き寄せる構造であったが、本第1変形例のブレーキ開放装置30は、揺動レバーの上端を後方に引き寄せる構造となっている。
具体的に説明すると、このブレーキ開放装置30は、左右一対のフレーム15a,15b間に掛け渡されて左右方向に水平に延びる、図示されないブラケットに支持された支軸31と、この支軸31によってその長手方向の中間部が軸支されて上下方向に延びつつ前後方向に揺動自在な揺動レバー32とを有している。
また、揺動レバー32の後方において左右一対のフレーム15a,15bに掛け渡された平面視でコ字形のブラケット33には、後方から前方へと延びる操作ワイヤ6のアウタチューブ6aの前端が係止具17によって係止されている。
さらに、揺動レバー32の上端には、操作ワイヤ6のインナワイヤ6bの前端が係止具18によって接続されている。
加えて、揺動レバー32の下端には、変位部材24の半球状の当接部25が当接している。
これにより、最上階の乗場ホール4の壁面に設けられている操作レバー5を操作して、図5中に矢印Dで示したようにインナワイヤ6bを後方に引き寄せると、揺動レバー32の下端が前方に揺動して変位部材24の当接部25を前方に変位させる。
これに伴い、前後一対のブレーキアーム12,13が支軸10,11の回りに揺動するので、巻上機2のブレーキ3が開放されトラクションシーブ8が回転できるようになる。
このとき、図5に示したように、揺動レバー32のうちインナワイヤ6bの前端が接続されている部分(第1揺動部)32aと支軸31との間の距離はL1となっている。
また、揺動レバー32のうち変位部材24の当接部25が当接する部分(第2揺動部)32bと支軸31との間の距離はL2となっている。
そして、距離L1と距離L2との比率は約2.5:1となっている。
これにより、インナワイヤ6bが第1揺動部22aを後方に引き寄せる力の約2.5倍の力が第2揺動部32bに作用する。
したがって、図13に示した従来のブレーキ開放装置に比較すると、ブレーキ3を開放するために操作レバー5に加える操作力の大きさは約2.5分の1で済むことになる。
第2変形例
次に図6を参照し、第2変形例のブレーキ開放装置40およびそれを備えたエレベータシステム120について説明する。
上述した第1実施形態のブレーキ開放装置20および第1変形例のブレーキ開放装置30においては、揺動レバー22,32が左右方向に水平に延びる支軸21,32によって揺動自在に軸支されて上下方向に延びるように配設されていた。
これに対し、この第2変形例のブレーキ開放装置40は、揺動レバーが鉛直方向に延びる支軸によって揺動自在に軸支され、水平面内で前後方向に揺動する構造となっている。
具体的に説明すると、このブレーキ開放装置40は、巻上機2の左側のフレーム15aに固定されたブラケット41に取り付けられて鉛直方向に延びる支軸42と、この支軸42によってその基端(左端)が軸支されて水平面内で揺動自在な揺動レバー43とを有している。
また、左右一対のフレーム15a,15bの前端部分に掛け渡された平面視でコ字形のブラケット44の右端部分には、操作ワイヤ6のアウタチューブ6aの前端が係止具17によって接続されている。
さらに、揺動レバー43の揺動端(右端)には、操作ワイヤ6のインナワイヤ6bの前端が係止具18によって接続されている。
加えて、変位部材24の半球状の当接部25が、揺動レバー43の長手方向の中間部分のうち支軸42に近い部分に当接している。
これにより、最上階の乗場ホール4の壁面に設けられている操作レバー5を操作して、図6中に矢印Bで示したようにインナワイヤ6bを前方に引き寄せると、揺動レバー43が前方に揺動して変位部材24の当接部25を前方に変位させる。
これに伴い、前後一対のブレーキアーム12,13が支軸10,11の回りに揺動するので、巻上機2のブレーキ3が開放されトラクションシーブ8が回転できるようになる。
このとき、図6に示したように、揺動レバー43のうちインナワイヤ6bの前端が接続されている部分(第1揺動部)43aと支軸42との間の距離はL1となっている。
また、揺動レバー43のうち変位部材24の当接部25が当接する部分(第2揺動部)43bと支軸42との間の距離はL2となっている。
そして、距離L1と距離L2との比率は約3:1となっている。
これにより、インナワイヤ6bが第1揺動部43aを前方に引き寄せる力の約3倍の力が第2揺動部41bに作用する。
したがって、図13に示した従来のブレーキ開放装置に比較すると、約3分の1の操作力でブレーキ3を開放することができる。
また、本第2変形例のブレーキ開放装置40の揺動レバー43は、巻上機2の上部に固定されている左右一対のフレーム15a,15bの間の空間内において水平面内で揺動する構造である。
これにより、左右一対のフレーム15a,15bよりも上方に突出する部分が存在しないので、昇降路1の天井面の極めて近い位置に巻上機2を配設することが可能となる。
第3変形例
次に図7を参照し、第3変形例のブレーキ開放装置50およびそれを備えたエレベータシステム130について説明する。
上述した第2変形例のブレーキ開放装置40は、揺動レバーの揺動端を前方に引き寄せる構造であったが、本第3変形例のブレーキ開放装置50は、揺動レバーの揺動端を後方に引き寄せる構造となっている。
具体的に説明すると、このブレーキ開放装置50は、左右一対のフレーム15a,15bに掛け渡されて左右方向に水平に延びるブラケット51と、このブラケット51の長手方向中央部よりも右側の部分に支持されて鉛直方向に延びる支軸52と、この支軸52によってその長手方向の中間部分が軸支されて水平面内で前後方向に揺動自在な揺動レバー53とを有している。
また、揺動レバー53の後方において左右一対のフレーム15a,15b間に掛け渡された平面視でコ字形のブラケット54には、後方から前方へと延びる操作ワイヤ6のアウタチューブ6aの前端が係止具17によって接続されている。
さらに、揺動レバー53の右側の揺動端には、操作ワイヤ6のインナワイヤ6bの前端が係止具18によって接続されている。
加えて、揺動レバー53左側の揺動端には、変位部材24の半球状の当接部25が当接している。
これにより、最上階の乗場ホール4の壁面に設けられている操作レバー5を操作して、図7中に矢印Dで示したようにインナワイヤ6bを後方に引き寄せると、揺動レバー53が揺動して変位部材24の当接部25を前方に変位させる。
これに伴い、前後一対のブレーキアーム12,13が支軸10,11の回りに揺動するので、巻上機2のブレーキ3が開放されトラクションシーブ8が回転できるようになる。
このとき、図7に示したように、揺動レバー53のうちインナワイヤ6bの前端が接続されている部分(第1揺動部)53aと支軸52との間の距離はL1となっている。
また、揺動レバー53のうち変位部材24の当接部25が当接する部分(第2揺動部)53bと支軸52との間の距離はL2となっている。
そして、距離L1と距離L2との比率は約2:1となっている。
これにより、インナワイヤ6bが第1揺動部53aを後方に引き寄せる力の約2倍の力が第2揺動部53bに作用する。
したがって、図13に示した従来のブレーキ開放装置に比較すると、約2分の1の操作力でブレーキ3を開放することができる。
第4変形例
次に図8を参照し、第4変形例のブレーキ開放装置60およびそれを備えたエレベータシステム140について説明する。
この第4変形例のブレーキ開放装置60は、図3に示した第1実施形態のブレーキ開放装置20に対し、変位部材を変位させない所定の揺動位置へと揺動レバーを揺動復帰させるための付勢手段を追加したものとなっている。
具体的に説明すると、ブレーキ開放装置60は、左右方向に水平に延びる支軸61と、この支軸61によってその下端近傍が軸支されて上方に延びつつ前後方向に揺動自在な揺動レバー62とを有している。
また、巻上機2の上面に固定されたブラケット63に支持されて前方に延びるピン64は、揺動レバー62の下端62aに貫設された挿通孔に挿通されている。
そして、ピン64に遊嵌された圧縮コイルばね65が揺動レバー62の下端を前方に付勢している。
これにより、揺動レバー62の上端62bは圧縮コイルばね65によって付勢されて後方に変位しようとし、操作ワイヤ6のインナワイヤ6bを後方に引き寄せる。
したがって、操作ワイヤ6のアウタチューブ6aとインナワイヤ6bとの間の摺動摩擦によってインナワイヤ6bが前方に引き寄せられたまま戻らなくなり、変位部材24が前方に変位したままとなってブレーキ2が開放されたままとなることを確実に防止することができる。
第5変形例
次に図9を参照し、第5変形例のブレーキ開放装置70およびそれを備えたエレベータシステム150について説明する。
上述した第4変形例のブレーキ開放装置60は、その揺動レバー62の下端62aを前方に付勢することにより、インナワイヤ6bを常に後方に引き寄せる構造であった。
これに対し、本第5変形例においては、揺動レバーの上端近傍を後方に付勢することによってインナワイヤ6bを常に後方に引き寄せる構造である。
具体的に説明すると、第5変形例のブレーキ開放装置70は、左右方向に水平に延びる支軸71と、この支軸71によってその下端が軸支されて上方に延びつつ前後方向に揺動自在な揺動レバー72とを有している。
また、巻上機2の左側のフレーム15aに固定されたブラケット73に支持されて前方に延びるピン74は、揺動レバー72の上端部近傍に貫設された挿通孔に挿通されている。
そして、ピン74に遊嵌された圧縮コイルばね75が、揺動レバー62の上端部近傍を後方に付勢している。
これにより、揺動レバー72の上端は、圧縮コイルばね75に付勢されて常に後方に変位し、操作ワイヤ6のインナワイヤ6bを後方に引き寄せる。
したがって、操作ワイヤ6のアウタチューブ6aとインナワイヤ6bとの間の摺動摩擦によってインナワイヤ6bが前方に引き寄せられたまま戻らなくなり、変位部材24が前方に変位したままとなってブレーキ2が開放されたままとなることを確実に防止することができる。
第2実施形態
次に図10を参照し、第2実施形態のブレーキ開放装置80およびそれを備えたブレーキシステム200について説明する。
図10に示した第2実施形態のブレーキ開放装置80は、図1に示した第1実施形態のブレーキ開放装置20の全体をカバー部材81で覆った構造となっている。
これにより、巻上機2の点検作業を行う作業員が揺動レバー等に不用意に触れてブレーキ3を開放してしまうことを防止できるとともに、揺動レバー等に塵芥が付着して作動不良となることを確実に防止することができる。
第6変形例
次に図11を参照し、第6変形例のブレーキ開放装置90およびそれを備えたエレベータシステム210について説明する。
本第6変形例のブレーキ開放装置90は、図1に示した第1実施形態のブレーキ開放装置20の全体を透明なカバー部材91で覆った覆った構造となっている。
これにより、巻上機2の点検作業を行う作業員が揺動レバー等に不用意に触れてブレーキ3を開放してしまうことを防止できるとともに、揺動レバー等に塵芥が付着して作動不良となることを確実に防止することができる。
さらに、透明なカバー部材91を介して揺動レバー22の上端に設けられている光線反射部材26を視認することができるから、最上階の乗場ホール4から揺動レバー22、したがってブレーキ3の状態を容易に視認することができる。
以上、本発明に係るエレベータ巻上機のブレーキ開放装置およびそれを備えたエレベータシステムの各実施形態および各変形例について詳しく説明したが、本発明は上述した実施形態によって限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
例えば、図6に示した第2変形例のブレーキ開放装置40においては、その揺動レバー41が巻上機2の左右一対のフレーム15a,15bの間に配設されている。
このとき、揺動レバー41の揺動端を屈曲させつつ右方に延長させて巻上機2の側方に突出させるとともに、その先端下面に光線反射手段を取り付けることにより、最上階の乗場ホール4において操作レバー5を操作する作業員が揺動レバー41の揺動、したがってブレーキ3の作動状態を容易に視認できるようにすることができる。
第1実施形態のブレーキ開放装置およびそれを備えたエレベータシステムを示す側面図。 図1に示したブレーキ開放装置および巻上機の平面図。 図1に示したブレーキ開放装置の作動を模式的に示す要部断面側面図。 第1変形例のブレーキ開放装置および巻上機の平面図。 図4に示したブレーキ開放装置の作動を模式的に示す要部断面側面図。 第2変形例のブレーキ開放装置の作動を模式的に示す平面図。 第3変形例のブレーキ開放装置の作動を模式的に示す平面図。 第4変形例のブレーキ開放装置の作動を模式的に示す要部断面側面図。 第5変形例のブレーキ開放装置の作動を模式的に示す要部断面側面図。 第2実施形態のブレーキ開放装置およびそれを備えたエレベータシステムを示す側面図。 第6変形例のブレーキ開放装置およびそれを備えたエレベータシステムを示す側面図。 従来のエレベータ巻上機のブレーキ開放装置の全体構造を示す側面図。 従来のエレベータ巻上機のブレーキ開放装置の要部を示す斜視図。
符号の説明
1 エレベータの昇降路
2 巻上機
3 ブレーキ
4 乗場ホール
5 操作レバー
6 操作ワイヤ
7 乗りかご
8 トラクションシーブ
9 釣合錘
10,11 ブレーキの支軸
12,13 ブレーキアーム
14 変位部材
15a,15b フレーム
16 ブラケット
20 第1実施形態のブレーキ開放装置
21 支軸
22 揺動レバー
23 ブラケット
24 変位部材
25 当接部
30 第1変形例のブレーキ開放装置
31 支軸
32 揺動レバー
40 第2変形例のブレーキ開放装置
41 揺動レバー
43 支軸
50 第3変形例のブレーキ開放装置
52 支軸
53 揺動レバー
53a 第1揺動部
53b 第2揺動部
60 第4変形例のブレーキ開放装置
61 支軸
62 揺動レバー
63 ブラケット
64 ピン
65 コイルばね(付勢手段)
70 第5変形例のブレーキ開放装置
71 支軸
72 揺動レバー
73 ブラケット
74 ピン
75 コイルばね(付勢手段)
80 第2実施形態のブレーキ開放装置
81 カバー部材
90 第6変形例のブレーキ開放装置
91 カバー部材
100 第1実施形態のブレーキ開放装置を備えたエレベータシステム
110 第1変形例のブレーキ開放装置を備えたエレベータシステム
120 第2変形例のブレーキ開放装置を備えたエレベータシステム
130 第3変形例のブレーキ開放装置を備えたエレベータシステム
140 第4変形例のブレーキ開放装置を備えたエレベータシステム
150 第5変形例のブレーキ開放装置を備えたエレベータシステム
200 第2実施形態のブレーキ開放装置を備えたエレベータシステム
210 第6変形例のブレーキ開放装置を備えたエレベータシステム

Claims (7)

  1. エレベータ巻上機のブレーキを非常時に操作手段を用いて開放する装置であって、
    前記巻上機に対し支軸によって揺動自在に支持されるとともに、前記操作手段がその第1揺動部に接続され、かつ前記ブレーキを開放するときに変位する変位部材がその第2揺動部に接続された揺動レバーを備え、
    前記支軸と前記第1揺動部との間の距離が、前記支軸と前記第2揺動部との間の距離よりも大きく設定され、
    前記操作手段は、最上階の乗場に設けた操作レバーによって操作される操作ワイヤであり、
    前記揺動レバーおよび前記変位部材を覆うカバー部材をさらに備え
    前記揺動レバーの前記支軸、前記第2揺動部および前記第1揺動部は、前記ブレーキの軸方向に直交する方向に沿うブレーキの外方に配置され、前記揺動レバーの前記支軸、前記第2揺動部および前記第1揺動部は、前記ブレーキの軸方向に直交する方向に沿ってこの順で外方に向かって配置されていることを特徴とするエレベータ巻上機のブレーキ開放装置。
  2. 前記揺動レバーは、その支軸が水平方向に延びており、かつその揺動端が前記巻上機から上方に突出するように配設されていることを特徴とする請求項1に記載したエレベータ巻上機のブレーキ開放装置。
  3. 前記揺動レバーは、その支軸が鉛直方向に延びており、かつその揺動端が前記巻上機から側方に突出するように配設されていることを特徴とする請求項1に記載したエレベータ巻上機のブレーキ開放装置。
  4. 前記揺動レバーは、その揺動端に光線反射手段を有していることを特徴とする請求項2または3のいずれかに記載したエレベータ巻上機のブレーキ開放装置。
  5. 前記カバー部材が透明な材料から構成されていることを特徴とする請求項1に記載したエレベータ巻上機のブレーキ開放装置。
  6. 前記変位部材を変位させない所定の揺動位置へと前記揺動レバーを揺動復帰させるための付勢手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載したエレベータ巻上機のブレーキ開放装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載したエレベータ巻上機のブレーキ開放装置を備えることを特徴とするエレベータシステム。
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