JP2001124116A - エレベーター巻上機用電磁ディスクブレーキの手動解放装置 - Google Patents

エレベーター巻上機用電磁ディスクブレーキの手動解放装置

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JP2001124116A
JP2001124116A JP30199899A JP30199899A JP2001124116A JP 2001124116 A JP2001124116 A JP 2001124116A JP 30199899 A JP30199899 A JP 30199899A JP 30199899 A JP30199899 A JP 30199899A JP 2001124116 A JP2001124116 A JP 2001124116A
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plate
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disc
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Masanobu Ito
正信 伊藤
Hiromi Iyoda
洋海 伊豫田
Noboru Arahori
荒堀  昇
Haruhiko Fukuda
治彦 福田
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Hitachi Mito Engineering Co Ltd
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Hitachi Ltd
Hitachi Mito Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】停電や何らかのトラブルで非常停止動作となっ
た場合に、乗かご内の乗客を救出するために強制的にブ
レーキを解放し、乗かごを乗降階床まで移動させる。 【解決手段】回転軸上にスプライン結合された少なくと
も1個の摩擦円板と、この摩擦円板を挟圧する位置に配
置されたアーマチュア及び少なくとも1個のプレート
と、前記アーマチュアを前記摩擦円板側に押圧する制動
ばねと、前記アーマチュアに対向し磁束を発生するコイ
ルを内蔵するフィールドコアとを備え、略門形のフレー
ムの各々の先端部に設けた2本のピン部材を装着し、こ
のピン部材を前記摩擦円板を挟むアーマチュア、プレー
トで形成される隙間に挿入し、前記2本のピン部材をそ
れぞれ支点、作用点として前記フレームを回動すること
により、前記摩擦円板の挟圧を解除し制動力を解放す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エレベーター巻上
機用電磁ディスクブレーキの手動解放装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のロープ式エレベーターは図7に示
すように、昇降路30下部のピット31に設置した巻上
機1の駆動シーブ2に巻き付けた主ロープ3を昇降路3
0上部のそらせ車32を介して両端にそれぞれ乗かご4
及びつり合おもり5をつるべ状に吊下げ、巻上機1に組
込んだ電動機6により乗かご4の昇降運転を行ってい
る。巻上機1には乗かご4及びつり合おもり5を停止・
保持するための電磁ディスクブレーキ8が取付けてあ
る。
【0003】上記電磁ディスクブレーキの一例は特開平
5−256332号公報に開示され、これを図8に示
す。電磁ディスクブレーキ8はコイル9を内蔵したフィ
ールドコア10が巻上機のケーシング12に取付けら
れ、フィールドコア10に隣接して摩擦円板13を間に
挟んでアーマチュア14とプレート15とが中心を貫く
回転軸7上に配置されている。さらに、アーマチュア1
4、プレート15は外周部分を貫く支持軸16を介して
フィールドコア10に連結され、摩擦円板13は回転軸
7に設けられたボス17のスプライン18に噛み合っ
て、スプライン18上を回転軸7方向に動くようにして
いる。また、フィールドコア10にはアーマチュア1
4、プレート15を摩擦円板13に押圧する制動ばね2
0が配置されている。
【0004】動作は次の通りである。
【0005】エレベーターの乗かご4を停止させる時、
コイル9の電流は遮断され、アーマチュア14は制動ば
ね20により押付けられ、摩擦円板13がアーマチュア
14とプレート15に挟圧されて、摩擦円板13が停止
して巻上機1の回転軸7にブレーキが掛かる。
【0006】一方、乗かご4の走行時には、コイル9に
通電し、アーマチュア14が制動ばね20に抗してフィ
ールドコア10に吸引され、アーマチュア14、プレー
ト15間の摩擦円板13は制動ばね20の押圧力から解
放され、回転軸7が自由に回転できる状態になる。とこ
ろで、上記従来のエレベーターは停電となった場合や何
らかのトラブルで非常停止動作となった場合、直ちに非
常制動が掛かり乗かごが停止する。短時間に停電やトラ
ブルが回復すれば問題ないが、回復に長時間かかる時は
乗かご内の乗客を救出しなければならない。この場合、
乗かごが乗降階床近辺に停止していれば乗客が降りるこ
とが可能であるが、乗降階床の途中であると、何らかの
方法で強制的にブレーキを解放し乗降階床まで移動する
必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のエレベーターは
上記のように、停電となった場合や何らかのトラブルで
非常停止動作となった場合に、乗かご内の乗客を救出す
るために何らかの方法で強制的にブレーキを解放し、乗
かごを乗降階床まで移動する必要がある。
【0008】本発明の目的は、停電となった場合や何ら
かのトラブルで非常停止動作となった場合に、乗かご内
の乗客を救出するために強制的にブレーキを解放し、乗
かごを乗降階床まで移動できるエレベーター巻上機用電
磁ディスクブレーキの手動解放装置を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のエレベーター巻上機用電磁ディスクブレー
キの手動解放装置は、回転軸上にスプライン結合された
少なくとも1個の摩擦円板と、この摩擦円板を挟圧する
位置に配置されたアーマチュア及び少なくとも1個のプ
レートと、前記アーマチュアを前記摩擦円板側に押圧す
る制動ばねと、前記アーマチュアに対向し磁束を発生す
るコイルを内蔵するフィールドコアと、このフィールド
コアに立設され、前記アーマチュア及びプレートの外周
部を貫通し、先端部で前記フィールドコアより最遠位置
のプレートと結合された支持軸とを備えたエレベーター
巻上機用電磁ディスクブレーキにおいて、略門形のフレ
ームの各々の先端部に設けた2本のピン部材を装着し、
このピン部材を前記摩擦円板を挟むアーマチュア、プレ
ートで形成される隙間に挿入し、前記2本のピン部材を
それぞれ支点、作用点として前記フレームを回動するこ
とにより、前記摩擦円板の挟圧を解除し制動力を解放す
るように構成した。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明のエレベーター巻上
機用電磁ディスクブレーキの手動解放装置の発明の実施
形態を図1乃至図6に基づいて説明する。なお、従来例
の図7乃至図8と同一部分については同一符号を付し、
説明を省略する。
【0011】本発明のエレベーター巻上機用電磁ディス
クブレーキ手動解放装置50は、図1乃至図2に示すよ
うに、2本のフレーム部材51の一端部と中間部を連結
部材52、53で接続固定し、全体として略門形形状を
形成するフレーム57と、このフレーム57部材51の
各々の他端部、つまりフレーム57の先端部にねじ締結
で固定される2本のピン部材54、55とで構成され
る。すなわち、ピン部材54、55はスタッドボルト状
のもので、これをフレーム部材51にねじ込み、ナット
56で固定する。この実施例では、フレーム57を2本
のフレーム部材51と連結部材52、53で形成した例
で示したが、1本のフレーム部材51を略コの字状に折
曲げ、中間部を1本の連結部材53で接続固定しても良
い。また、ピン部材54、55は丸棒あるいは角棒でも
良く、溶接等で固定しても良い。
【0012】この際、ピン部材54、55の位置設定は
次の通りである。
【0013】ピン部材54、55のピン径をd1、d
2、後述する電磁ディスクブレーキ21の摩擦円板13
a、13bを挟むアーマチュア14、プレート15a、
15bで形成される隙間間隔をa1、a2(図3参
照)、アーマチュア14とこのアーマチュア14から最
も遠いプレート15bとの隙間間隔をb(図3参照)、
2本のピン部材54、55の中心距離をcとする時、d
1<a1、d2<a2かつ、c+(d1/2)+(d2
/2)>bとなるように設定してある。
【0014】本発明の手動解放装置50を説明するため
のエレベーター巻上機用電磁ディスクブレーキ21は、
図3に示すように、コイル9を内蔵したフィールドコア
10が巻上機1のケーシング12に図示しないボルト等
で取付けられる。前記巻上機1は電動機単体あるいは歯
車付電動機と駆動シーブ2とで構成される。そして、前
記フィールドコア10に隣接してアーマチュア14−第
1の摩擦円板13a−第1のプレート15a−第2の摩
擦円板13b−第2のプレート15bの順に、中心を貫
く回転軸7方向に配置されている。さらに、フィールド
コア10に設けられた支持軸16は前記アーマチュア1
4及び第1・第2のプレート15a、15bの外周部分
を貫き、これらアーマチュア14及び第1・第2のプレ
ート15a、15bを回転方向に拘束、回転軸7方向に
可動に支持する。前記支持軸16は先端部で第2のプレ
ート15bを座金33を介しナット22で支持軸16方
向の位置決めを行っている。ナット23は前記位置決め
ナット22の緩み止めである。
【0015】前記アーマチュア14−第1のプレート1
5a間、第1のプレート15a−第2のプレート15b
間の間隔保持用のばね24が設けてあり、後述の制動ば
ね20より十分ばね力が小さいものである。第1・第2
の摩擦円板13a、13bは回転軸7に設けられたスプ
ラインボス(図示せず)の外周部のスプライン(図示せ
ず)と噛み合って、スプライン上を回転軸7方向に可動
になっている。前記アーマチュア14、第1のプレート
15a及び第2のプレート15bには、ライニング部材
25が装着されている。すなわち、アーマチュア14の
第1の摩擦円板13a側にはこの第1の摩擦円板13a
の片面に対向してライニング部材25がねじ締結、接着
等で装着される。同様に、第1のプレート15aの両面
には第1の摩擦円板13aの他面と第2の摩擦円板13
bの片面に対向して、さらに、第2のプレート15bの
片面には第2の摩擦円板13bの他面に対向してライニ
ング部材25がねじ締結、接着等で装着される。これら
のライニング部材25が第1の摩擦円板13a及び第2
の摩擦円板13bを挟圧して制動力を発生させている。
前記フィールドコア10には制動ばね20が配置され、
この制動ばね20でアーマチュア14、第1及び第2の
プレート15a、15bによって第1及び第2の摩擦円
板13a、13bを押圧するとともに、コイル9が内蔵
されて、アーマチュア14と磁路を形成し、コイル9の
電流通電・遮断によりこのアーマチュア14を回転軸7
方向に吸引動作(制動力解放動作)、釈放動作(制動力
付加動作)するようになっている。なお、上記制動時に
おける第1の摩擦円板13aを挟むアーマチュア14と
第1のプレート15a間の隙間間隔及び第2の摩擦円板
13bを挟む第1のプレート15aと第2のプレート1
5b間の隙間間隔をaとし、前記アーマチュア14とこ
のアーマチュア14から最も遠い第2のプレート15b
との隙間間隔をbとする。
【0016】次に、この手動解放装置50の動作を図3
乃至図5に基づいて説明する。
【0017】図3乃至図4に示すように、手動解放装置
50を電磁ディスクブレーキの半径方向外周部から2本
のピン部材54、55が摩擦円板を挟む各々の隙間に入
るように挿入する。この実施例では手動解放装置50を
紙面上方向から挿入している。すなわち、一方のレバー
51で説明すると、1本のピン部材54は第1の摩擦円
板13aを挟むアーマチュア14と第1のプレート15
a間の隙間に挿入され回転軸7の中心より下部に位置
し、もう1本のピン部材55は第2の摩擦円板13bを
挟む第1のプレート15aと第2のプレート15b間の
隙間に挿入され回転軸7の中心より上部に位置する。従
って、この時2本のピン部材54、55を結ぶ線は回転
軸7に対して角度θを有している。図3の状態で右方向
に手動解放装置50を回動すると図5のようになる。す
なわち、回転軸7に対する2本のピン部材54、55を
結ぶ線の角度がθからθ1と小さくなる。このことによ
り、前記説明した記号で、b=c×cosθ1+(d1
/2)+(d2/2)となるまではアーマチュア14が
左方向に移動しないが、b<c×cosθ1+(d1/
2)+(d2/2)になると、マチュア14が左方向に
移動し、第1及び第2の摩擦円板13a、13bへの挟
圧力が解除され、制動力が解放され始める。さらに手動
解放装置50を回動すると、図5に示すようにアーマチ
ュア14はフィールドコア10に接触するまで移動し、
第1及び第2の摩擦円板13a、13bとライニング部
材間に隙間が生じ、完全に制動力が解放される。
【0018】この図5の状態で手動解放装置50の回動
を中止し回動力をなくすと、制動ばねの復元力により前
記図3の状態になり制動付加状態となって乗かごは停止
保持される。
【0019】なお、図3に点線で示すようなピン部材5
4、55の配置にした場合は、紙面で左方向に手動解放
装置50を回動すると制動力が解放される。
【0020】本実施例によれば、停電となった場合や何
らかのトラブルで非常停止動作となった場合に、乗かご
内の乗客を救出するために強制的にブレーキを解放し、
乗かごを乗降階床まで移動できるエレベーター巻上機用
電磁ディスクブレーキの手動解放装置が得られる効果が
ある。
【0021】ところで、上記本発明の実施形態では、第
1及び第2の摩擦円板13a、13b、第1及び第2の
プレート15a、15bと複数で構成した例で説明した
が、図6に示すように、第1の摩擦円板13a、第1の
プレート15aがない単数での構成の場合でも上記実施
形態が成立することは明白である。つまり、この場合は
1個の摩擦円板を挟むアーマチュア14とプレート間に
2本のピン部材54、55がθ≒90度の位置関係で入
ることになり、上記説明したのと同様に制動力が解放で
きる。この場合、前記図2で示したアーマチュア14、
プレート15a、15bで形成される隙間間隔a1及び
bの関係は、b=a1とすれば、前記実施の形態で説明
した関係式はそのまま適用できる。
【0022】
【発明の効果】以上のように、停電となった場合や何ら
かのトラブルで非常停止動作となった場合に、乗かご内
の乗客を救出するために強制的にブレーキを解放し、乗
かごを乗降階床まで移動できるエレベーター巻上機用電
磁ディスクブレーキの手動解放装置が得られる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のエレベーター巻上機用電磁
ディスクブレーキの手動解放装置の正面図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】本発明の実施形態の手動解放装置を電磁ディス
クブレーキに取付けた状態を示す図。
【図4】図2の側面図。
【図5】本発明の実施形態の手動解放装置でエレベータ
ー巻上機用電磁ディスクブレーキの制動力の解放を示す
図。
【図6】摩擦円板が単数の場合の図3相当図。
【図7】従来のエレベーター装置を説明する正面図。
【図8】従来のエレベーター巻上機用電磁ディスクブレ
ーキの正面図。
【符号の説明】
7…回転軸、8,21,43…電磁ディスクブレーキ、
9…コイル、10…フィールドコア、13,13a,1
3b…摩擦円板、14…アーマチュア、15,15a,
15b…プレート、16…支持軸、18…スプライン、
20…制動ばね、50…手動解放装置、54,55…ピ
ン部材、57…フレーム、d1,d2…ピン部材54,
55の外径、a1,a2…摩擦円板13a、13bを挟
むアーマチュア14、プレート15a,15bで形成さ
れる隙間間隔、b…アーマチュア14とこのアーマチュ
ア14から最も遠いプレート15bとの隙間間隔、c…
2本のピン部材54,55の中心距離。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊豫田 洋海 茨城県ひたちなか市市毛1070番地 株式会 社日立製作所昇降機グループ内 (72)発明者 荒堀 昇 茨城県ひたちなか市市毛1070番地 株式会 社日立製作所昇降機グループ内 (72)発明者 福田 治彦 茨城県ひたちなか市堀口832番地の2 日 立水戸エンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 3F306 AA02 BA09 3J058 AA44 AA48 AA53 AA70 AA78 AA88 BA80 CC12 CC72 CC76 CC77 FA37

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸上にスプライン結合された少なく
    とも1個の摩擦円板と、この摩擦円板を挟圧する位置に
    配置されたアーマチュア及び少なくとも1個のプレート
    と、前記アーマチュアを前記摩擦円板側に押圧する制動
    ばねと、前記アーマチュアに対向し磁束を発生するコイ
    ルを内蔵するフィールドコアと、このフィールドコアに
    立設され、前記アーマチュア及びプレートの外周部を貫
    通し、先端部で前記フィールドコアより最遠位置のプレ
    ートと結合された支持軸とを備えたエレベーター巻上機
    用電磁ディスクブレーキにおいて、略門形のフレームの
    各々の先端部に設けた2本のピン部材を装着し、このピ
    ン部材を前記摩擦円板を挟むアーマチュア、プレートで
    形成される隙間に挿入し、前記2本のピン部材をそれぞ
    れ支点、作用点として前記フレームを回動することによ
    り、前記摩擦円板の挟圧を解除し制動力を解放するよう
    にしたことを特徴とするエレベーター巻上機用電磁ディ
    スクブレーキの手動解放装置。
  2. 【請求項2】 前記ピン部材は、ピン径をd1、d2、
    前記摩擦円板を挟むアーマチュア、プレートで形成され
    る隙間間隔をa1、a2、前記アーマチュアとこのアー
    マチュアから最も遠いプレートとの隙間間隔をb、2本
    のピン部材の中心距離をcとする時、d1<a1、d2
    <a2かつ、c+(d1/2)+(d2/2)>bとな
    るように設定したことを特徴とする請求項1記載のエレ
    ベーター巻上機用電磁ディスクブレーキの手動解放装
    置。
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