JP3700570B2 - 電磁ディスクブレーキおよびエレベーター装置の巻上機 - Google Patents

電磁ディスクブレーキおよびエレベーター装置の巻上機 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転軸の回転を電磁的に制動付加,解除する電磁ディスクブレーキおよびこれを用いたエレベーター装置の巻上機に関する。
【0002】
【従来の技術】
回転軸をばねで制動力を付加し電磁力で制動を解除する電磁ディスクブレーキは、作動の確実性,安全性の面などから制動手段を2系統設けることを要求されることがある。2系統の制動手段を有する電磁ディスクブレーキとしては、例えば特開平11−325128号公報に開示されている。これを図20,図21に示す。
【0003】
すなわち、電磁ディスクブレーキ1は、回転が拘束され略平坦な面を有する固定体としてのフィールドコア2と、このフィールドコア2の略平坦な面に垂直な線を中心軸aとして回転可能に設けられる回転軸3とともに回転し、フィールドコア2の略平坦な面から予め決められた距離D1だけ離れる位置に配置される回転体としての制動円板4と、フィールドコア2に設けられるコイル5に電流を流す時にフィールドコア2側に吸引され、またコイル5に電流を流さない時にフィールドコア2に設けられる弾性部材としての制動ばね6によって制動円板4側に押圧し、回転が規制されている制動体としてのアーマチャ7とを備える。
【0004】
前記アーマチャ7は円周方向に半月状に2分割され、分割制動体としての分割アーマチャ7a,7bが各々独立に制動作動する。そして、この電磁ディスクブレーキ1は、フィールドコア2の略平坦な面から一定の距離D2だけ離れる位置に固定されて配置される別の固定体として固定板8を有し、制動円板4は分割アーマチャ7a,7bと固定板8との間に配置される。前記固定板8は電動機あるいは巻上機のケーシング13に取付けられる。この時、フィールドコア2に設けられるコイル5は、一つの共通コイルとして設けられ、分割アーマチャ7a,7bは、この一つの共通コイルによって個別に吸引される。なお、前記フィールドコア2とコイル5とで電磁石9が構成され、このコイル5に通電すると対向するアーマチャ7a,7bとで磁路10を形成し、アーマチャ7a,7bとの間に電磁吸引力が発生する。
【0005】
また、固定板8とフィールドコア2は通しボルトとしての複数本の支持軸11a,11bにより結合されている。つまり、制動円板4とフィールドコア2の間には前記二つの半月状の分割アーマチャ7a,7bが介在し、支持軸11a,11bはそれぞれの分割アーマチャ7a,7bを貫通している。これにより分割アーマチャ7a,7bは回転を拘束されているが支持軸11a,11b方向には移動できるようになっている。摺動材12a,12bは固定板8側とアーマチャ7a,7b側あるいは制動円板4側に設けられるが、この公知例では固定板8側とアーマチャ7a,7b側に設けられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の電磁ディスクブレーキ1は、例えば図21に示すように、上下二つの半月状の分割アーマチャ7a,7bとすると、各々のアーマチャ7a,7bの重心Ga,Gbが回転軸3の中心Oでなくなり、この例の半月状の場合であると中心Oを通る垂直軸bの外周方向にずれる。このような状態でもアーマチャ7a,7bの支持軸11a,11b方向に動作が滑らかで、安定した制動力が得られることが必要である。そのためには、それぞれのアーマチャ7a,7bの重心Ga,Gbを通る垂直軸b,水平軸c,dの両軸に関しては、ばね6の押圧力によるモーメント及び摺動部の支持軸11a,11b部の摩擦力によるモーメントが平衡していなければならない。この場合、複数ある支持軸11a,11b部の摩擦力は均一とすると、モーメントの平衡は腕の長さ、つまり、重心Ga,Gbを通る垂直軸b,水平軸c,dから支持軸11a,11bの距離が平衡することになる。
【0007】
しかし、上記モーメントの平衡条件にない時は、アーマチャ7a,7bが磁極面に対して傾斜した動きで段階的モーションの制動付加,解放動作になること、あるいは、この傾斜により摺動部分である支持軸11a,11b部で摩擦力が大きくなって、アーマチャ7a,7bの動作が遅くなるなど、安定した制動力が得られない問題が発生する。
【0008】
したがって、このような問題が発生しないようにするには前述の通りであるが、従来の場合はアーマチャ7a,7bの重心Ga,Gbが軸芯Oと一致していないので、ばね6,電磁石9及び支持軸11a,11bの配置が難しくなること。
すなわち、一般にフィールドコア2及びコイル5は製作,加工性から円形状になるので、ばね6及び支持軸11a,11bの配置もフィールドコア2の中心からの円周線e,f上になる。また円形状の電磁石9は内外磁極間で均等な磁束を発生しているが、半月状のアーマチャ7a,7bに対向すると、それぞれの重心Ga,Gbに関し電磁吸引力によるモーメントが平衡とならない。
【0009】
上記円周線e,fは図21に示す場合、重心Ga,Gbを通る垂直軸bに関しては左右対称となり、重心Ga,Gbを通る水平軸c,dに関しては上下非対称となる。この状態で垂直軸b及び水平軸c,dの両方向軸に関してモーメントの平衡を考慮して、ばね6及び支持軸11a,11bの位置設定しなければならないという難しさがある。また、所定数のばね6及び支持軸11a,11bが配置できない場合もあり、配置できない場合は少し位置をずらして配置することになる。この結果、前述のように、ばね6,電磁石9及び支持軸11a,11bによるモーメントが平衡となり、アーマチャ7a,7bが磁極面に対して傾斜した動きで段階的モーションになることやこの傾斜により摺動部分である支持軸11a,11b部で摩擦力が大きくなって、アーマチャ7a,7bの動作が遅くなるなど、安定した制動力が得られないことになる。
【0010】
本発明の課題は上記のような問題点を解決するためになされたものであり、重心と回転軸の中心を一致させた分割アーマチャを形成し、制動ばね及び支持軸の配置が簡単で安定した制動力が得られる2系統の制動手段を有する電磁ディスクブレーキを得ることである。
【0011】
本発明のもう一つの課題は、上記本発明の電磁ディスクブレーキを有することで、安全で信頼性が高い巻上動作を行うことができるエレベーター装置の巻上機を得ることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る電磁ディスクブレーキは、回転軸と一体的に回転する制動円板と、この制動円板を挟圧する位置に配置され回転が拘束されるアーマチャ及びプレートと、前記アーマチャを前記制動円板側に押圧する制動ばねと、前記アーマチャに対向しコイルとフィールドコアとで構成され磁束を発生する電磁石と、前記フィールドコアに立設され、前記アーマチャ及びプレートの外周部を貫通し、先端部で前記プレートと結合される支持軸とを備え、前記アーマチャが円周方向に分割され、この分割アーマチャが独立に制動作用する電磁ディスクブレーキにおいて、前記アーマチャは、円周方向に少なくとも4個の偶数個の部分体を形成し、前記部分体を一つ置きにこの部分体の外周部で連結した第1のアーマチャと、残りの前記部分体をこの部分体の内周部で連結した第2のアーマチャとで構成するようにしたものである。
【0013】
請求項2に係る電磁ディスクブレーキは、回転軸と一体的に回転する制動円板と、この制動円板を挟圧する位置に配置され回転が拘束されるとアーマチャ及びプレートと、前記アーマチャを前記制動円板側に押圧する制動ばねと、前記アーマチャに対向しコイルとフィールドコアとで構成され磁束を発生する電磁石と、前記フィールドコアに立設され、前記アーマチャ及びプレートの外周部を貫通し、先端部で前記プレートと結合される支持軸とを備え、前記アーマチャが円周方向に分割され、この分割アーマチャが独立に制動作用する電磁ディスクブレーキにおいて、前記アーマチャは、円周方向に少なくとも4個の偶数個の部分体を形成し、前記部分体を一つ置きに連結したアーマチャ部材を2個用い、一方のアーマチャ部材の部分体と部分体との空間部を、他方のアーマチャ部材の部分体で互いに埋合せるように構成したものである。
【0014】
請求項3に係る電磁ディスクブレーキは、アーマチャを少なくとも一つの電磁石によって吸引されるようにしたものである。
【0015】
請求項4に係るエレベーター装置の巻上機は、昇降路内で乗かごとつり合おもりとを駆動シーブの回転によって昇降運転するエレベーター装置の巻上機において、上記いずれかの電磁ディスクブレーキを備えてなることである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る電磁ディスクブレーキおよびこれを有するエレベーター装置の巻上機の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0017】
図1乃至図18に基づいて説明する。
【0018】
図1は本発明の実施の形態による電磁ディスクブレーキの正面図であり、後記する図2のA−A断面を示す。
【0019】
図2は図1の右側面図、図3は図1のB−B視図で電磁石部分の側面図、図4は図1のC−C視図でアーマチャ部分の側面図であり、円周方向に4個の部分体で第1及び第2のアーマチャを構成した図、図5は図4の第1のアーマチャを示す図、図6は図4の第2のアーマチャを示す図である。図7は円周方向に6個の部分体で第1及び第2のアーマチャを構成した場合の電磁石部側面図で図3相当図、図8は円周方向に6個の部分体で第1及び第2のアーマチャを形成した図4相当図、図9は図8の第1のアーマチャを示す図5相当図、図10は図8の第2のアーマチャを示す図6相当図である。図11(a)は後記図12(a)〜図12(c)のアーマチャ部材で構成したアーマチャを示す図4相当図、図11(b)は図11(a)のD−D断面視図、図11(c)は図11(a)のE−E断面視図、図12(a)は別なアーマチャ部材を示す図5相当図、図12(b)は図12(a)のF−F断面視図、図12(c)は図12(a)のH−H断面視図、図13(a)は後記図14(a)〜図14(c)のアーマチャ部材で構成したアーマチャで図4相当図、図13(b)は図13(a)のI−I断面視図、図13(c)は図13(a)のJ−J断面視図、図14(a)は別なアーマチャ部材を示す図6相当図、図14(b)は図14(a)のK−K断面視図、図14(c)は図14(a)のL−L断面視図、図15(a)は電磁石を2個配置した図3相当図、図15(b)は電磁石を2個配置した場合のアーマチャの配置を示す図4相当図、図16(a)は電磁石を4個配置した図3相当図、図16(b)は電磁石を4個配置した場合のアーマチャの配置を示す一例で図4相当図、図16(c)は電磁石を4個配置した場合のアーマチャの配置を示す別な例で図4相当図、図17(a)は電磁石を3個配置した図3相当図、図17(b)は電磁石を3個配置した場合のアーマチャの配置を示す一例で図4相当図、図18(a)は電磁石を6個配置した図3相当図、図18(b)は電磁石を6個配置した場合のアーマチャの配置を示す一例で図4相当図、図18(c)は電磁石を6個配置した場合のアーマチャの配置を示す別な例で図4相当図である。
【0020】
図1乃至図6において、21は電磁ディスクブレーキであり、主な構成要素は電磁石22,制動ばね23、詳細を後述する第1及び第2のアーマチャ24a,24b,摺動材25a,25b,25,制動円板26,プレート27,支持軸28等で構成され、例えば電動機Mの回転軸29を制動付加,制動解除するように構成される。
【0021】
前記電磁ディスクブレーキ21の構造を説明する。コイル30とこれを内蔵したフィールドコア31とで構成される電磁石22が例えば電動機Mのケーシング32に取付けられる。そして、前記フィールドコア31に隣接して第1及び第2のアーマチャ24a,24b−制動円板26−プレート27の順に、電動機Mの回転軸29方向に配置されている。さらに、フィールドコア31に設けられた通しボルトととしての支持軸28は前記第1及び第2のアーマチャ24a,24b及びプレート27の外周部分を貫き、これら第1及び第2のアーマチャ24a,24b及びプレート27を回転方向に拘束,回転軸29方向に可動に支持する。前記支持軸28は先端部でプレート27をナット33で支持軸28方向の位置決めを行っている。ナット34は前記位置決めナット33の緩み止めである。前記第1及び第2のアーマチャ24a,24b−プレート27間の間隔保持用のばね35が設けてある。制動円26は回転軸29に設けられたスプラインボス36の外周部のスプライン37と噛み合って、スプライン37上を回転軸29方向に可動になっている。前記第1及び第2のアーマチャ24a,24bにはそれぞれ円弧状の摺動材25a,25b、プレート27には円弧状あるいは環状の摺動材25が装着されている。これらの摺動材25a,25b,25が制動円板26を挟圧して制動力を発生させている。なお、前記摺動材25a,25b,25は前記制動円板26側に装着しても良い。前記フィールドコア31には制動ばね23が配置され、この制動ばね23で第1及び第2のアーマチャ24a,24b、プレート27によって制動円板26を押圧するとともに、フィールドコア31にコイル30を内蔵した一つの電磁石22と第1及び第2のアーマチャ24a,24bとで磁路gを形成し、コイル30の電流通電・遮断によりこのアーマチャ24a,24bを回転軸29方向に吸引動作(制動解除動作になる),釈放動作(制動付加動作にる)するようになっている。
【0022】
なお、従来例の図20乃至図21では定板8が電動機あるいは巻上機のケーシング13に取付けられているが、本実施例では逆に電磁石22が電動機のケーシング32に取付けられ、プレート27が従来例の固定板8に相当し、動作,機能は同じである。
【0023】
前記アーマチャ24a,24bは図4に示すように、従来の円板状のものを円周方向に4個の部分体241〜244を形成し、この部分体241〜244を一つ置きにこの部分体241,243の外周部で結合して図5に示す第1のアーマチャ24aを構成し、残りの前記部分体242,244をこの部分体242,244の内周部で結合して図6に示す第2のアーマチャ24bを構成する。これらアーマチャ24a,24bの重心Gは、一枚の円板状のアーマチャと同様に回転軸29の軸心Oと一致する。そして、これらアーマチャ24a,24bには支持軸28が貫通する穴38が円周線h上に、かつ重心Gに関して対称位置に設けられ、同様に制動ばね23も前記アーマチャ24a,24bを押圧するように、図4の場合であると、穴38と同一円周線h上に配置され、かつ重心Gに関して対称位置に配置される。
【0024】
なお、前記第1及び第2のアーマチャ24a,24bは、円板状の材料から一体的に切出しても良いし、円板状の材料から4個の部分体241〜244に分割して、第1のアーマチャ24aは部分体241,243の外周部を別体の結合部材で連結、第2のアーマチャ24bは部分体242,244の内周部を別体の結合部材で連結しても良い。
【0025】
また、図7乃至図10に示すように、前記第1及び第2のアーマチャは円板状のものを円周方向に6個の部分体241〜246を形成し、この部分体241〜246を一つ置きにこの部分体241,243,245の外周部で結合して図9に示す第1のアーマチャ24cを構成し、残りの前記部分体242,244,246をこの部分体242,244,246の内周部で結合して図10に示す第2のアーマチャ24dを構成するようにしても良い。この場合もこれらアーマチャ24c,24dの重心Gは、一枚の円板状のアーマチャと同様に回転軸29の軸心Oと一致する。そして、これらアーマチャ24c,24dには、前記図4乃至図6と位置が異なるが支持軸28が貫通する穴38が円周線h上に、かつ重心Gに関して対称位置に設けられ、同様に、制動ばね23も前記アーマチャ24c,24dを押圧するように、図8の場合であると同一円周線h上に、かつ重心Gに関して対称位置に配置される。また、電磁石22による電磁吸引力は前記アーマチャ24c,24dの重心Gに関し対称位置となる部分体241〜246に作用し平衡がとれている。
【0026】
なお、前記アーマチャ24c,24dは、円板状の材料から一体的に切出しても良いし、円板状の材料から6個の部分体241〜246に分割して、第1のアーマチャ24cは部分体241,243,245の外周部を別体の結合部材で連結、第2のアーマチャ24dは部分体242,244,246の内周部を別体の結合部材で連結しても良いことは前記図4乃至図6の4個の部分体241〜244で形成した場合と同様である。
【0027】
要するに、前記図4及び図8で示したように、円板状のものを円周方向に4個以上の偶複数個の部分体を形成し、この部分体を一つ置きにこの部分体の外周部で結合して第1のアーマチャ24a,24cを構成し、残りの前記部分体をこの部分体の内周部で結合して第2のアーマチャ24b,24dを構成する。
【0028】
また、図11(a)〜図11(c)に示すように、前記図5に示した第1のアーマチャ24aを2個用い、これらの一方のアーマチャ部材24aaの部分体241と部分体243との空間部を、他方のアーマチャ部材24abの部分体241,243で互いに埋合せるように重ね、かつ、これら2個のアーマチャ部材24aa,24abが接触しないように構成しても良い。この際、図12(a)〜図12(c)に示すように、前記図5に示した第1のアーマチャ部材24aの外周に段部39を設け、この段部39を埋合せるように重ね合せると前記図11(b),図11(c)に示すように、あたかも1枚の円板で構成されるようになり、平面的に納まりが良い。もちろん、前記段部を設けないで同様に重ね合せ、前記図1で示した摺動部材25a,25b,25の高さ、あるいはアーマチャ部材24a,24bに相当する図11のアーマチャ部材24aa,24abが対向する電磁石22のフィールドコア31の高さを調整しても良い。
【0029】
また、図13(a)〜図13(c)に示すように、前記図6に示した第2のアーマチャ24bを2個用い、これらの一方のアーマチャ部材21baの部分体242と部分体244との空間部を、他方のアーマチャ部材24bbの部分体242,244で互いに埋合せるように重ね、かつ、これら2個のアーマチャ部材24ba,24bbが接触しないように構成しても良い。この際、図14(a)〜図14(c)に示すように、前記図6に示した第2のアーマチャ部材24bの内周に段部40を設け、この段部40を埋合せるように重ね合せると前記図13(b),図13(c)に示すように、あたかも1枚の円板で構成されるようになり、平面的に納まりが良い。もちろん、前記段部を設けないで同様に重ね合せ、前記図1で示した摺動部材25a,25b,25の高さ、あるいはアーマチャ部材24a,24bに相当する図13のアーマチャ部材24ba,24bbが対向する電磁石22のフィールドコア31の高さを調整しても良い。
【0030】
なお、前記図9乃至図10に示した第1及び第2のアーマチャ24c,24dについても、前記図11乃至図14と同様に組合わせて構成できることは明白である。
【0031】
要するに、円板状のものを円周方向に4個以上の偶複数個の部分体を形成し、この部分体を一つ置きにこの部分体の外周部あるいは内周部で結合してアーマチャ部材を2個用い、部分体と部分体との空間部を互いに埋合せるように重ね合わせてアーマチャを構成する。
【0032】
本実施例によれば、分割したアーマチャ24a,24b,24c,24dの重心Gを回転軸29の軸心Oと一致するようにしたので、この分割したアーマチャ24a,24b,24c,24dを支持する各支持軸28及び押圧力を与える制動ばね23を、例えば円周線状の重心Gに関する点対称位置に簡単に配置でき、同時に、制動ばね23の力及び支持軸28部分の摩擦力によるモーメントの平衡がとれ、アーマチャ7a,7bが磁極面に対して傾斜した動きで二段モーションになることやこの傾斜により摺動部分である支持軸28部で摩擦力が大きくなって、アーマチャ7a,7bの動作が遅くなるなど不安定な制動力となることを防止できる。すなわち、制動ばね23及び支持軸28の配置が簡単で安定した制動力が得られる2系統の制御手段を有する電磁ディスクブレーキを得られる効果がある。
【0033】
ところで、上記実施の形態の図3乃至図6及び図7乃至図10では、一つの電磁石22で第1のアーマチャ24a,24c及び第2のアーマチャ24b,24dとで磁路を形成し、コイル30の電流通電・遮断によりこのアーマチャ24a,24b,24c,24dを回転軸29方向に吸引動作するようにしていたが、図15(a),図15(b)に示すように、前記図4構成で第1及び第2のアーマチャ24a,24bの部分体241〜244の境界部に2個の電磁石41a,41bを設けても良いし、あるいは図16(a)〜図16(c)に示すように、前記図4構成で4個の電磁石41a〜41dを設けて、第1及び第2のアーマチャ24a,24bの部分体241〜244の境界部に対向するようにしても良いし、それぞれの部分体241〜244に4個の電磁石41a〜41dが対向するようにしても良い。更にまた、図17(a),図17(b)に示すように、前記図8の構成で第1及び第2のアーマチャ24c,24dの部分体241〜246の境界部に3個の電磁石41a〜41cを設けても良いし、あるいは図18(a)〜図18(c)に示すように、前記図8の構成で6個の電磁石41a〜41fを設けて、第1及び第2のアーマチャ24c,24dの部分体241〜246の境界部に対向するようにしても良いし、それぞれの部分体に6個の電磁石41a〜41fが対向するようにしても良い。
【0034】
図19は、本発明に係る電磁ディスクブレーキを有するエレベーター装置の該略図である。エレベーター装置は、昇降路50下部のピット51に設置した巻上機52の駆動シーブ53に巻き付けた主ロープ54を昇降路50上部のそらせ車55を介して両端にそれぞれ乗かご56及びつり合おもり57をつるべ状に吊下げ、巻上機52に組込んだ電動機58により乗かご56の昇降運転を行っている。巻上機52には乗かご56及びつり合おもり57を停止・保持するためのブレーキ装置59が取り付けてある。エレベーター装置の乗かご56を停止させる時は、ブレーキ装置59を制動付加状態にして巻上機52の回転軸60にブレーキを掛ける。また、乗かご56の走行時は、ブレーキ装置59を制動解除状態にして巻上機52の回転軸60が自由に回転できる状態になる。ここで、ブレーキ装置59として、先に説明した本発明の電磁ディスクブレーキ21を利用する。
【0035】
ブレーキ装置59及び電動機58は、昇降路50に設ける制御装置61によって制御される。乗かご56からは、図示を省略するが照明用の電線や操作用あるいは各種検出用の信号線などをまとめるテールコードが引き出され、テールコードは昇降路50の壁に設けられる接続箱及び配線を経由して制御装置61に接続される。
【0036】
上記エレベーター装置の巻上機52において、非常制動が作動する場合がある。ブレーキ装置59が二つのアーマチャで正常に動作の場合、ある程度の制動距離内で乗かご56を停止させること、過積載時においても乗かご56を保持することが必要である。この時要求される制動力は、定格積載時に乗かご56を保持する制動力の概ね2倍程度となる。
【0037】
そして、ブレーキ装置59の二つのアーマチャの内一方が動作不良を起こした場合、他方のアーマチャによって制動できることが要求される場合がある。この時必要な制動力は乗かご56(定格積載時)が重力によって加速しないことである。したがって、一つのアーマチャの制動力、つまり、二つのアーマチャで正常に動作の場合の半分の制動力で乗かご56を減速できるように摺動材の大きさや制動ばねの大きさを設定する。このように考えると、本実施形態のように、アーマチャを二つにすることにより、一方のアーマチャが故障しても他方のアーマチャによって乗かご56を減速させるのに必要な制動力が得られること、正常な状態においては二つのアーマチャが動作し、エレベーター装置に必要な基本制動力を得ることができ、安全な信頼性の高い巻上動作を行うことができる。
【0038】
【発明の効果】
以上のように、分割したアーマチャの重心を回転軸の軸心と一致するようにし、制動ばねの力によるモーメント及び支持軸部の摩擦力によるモーメントが平衡するようにしたので、制動ばね,電磁石及び支持軸の配置が簡単で安定した制動力が得られる2系統の制動手段を有する電磁ディスクブレーキを得られる効果がある。
【0039】
また、本発明のエレベーター装置の巻上機によれば、上記電磁ディスクブレーキを有することで、安全で信頼性が高い巻上動作を行うことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による電磁ディスクブレーキの正面図であり、後記する図2のA−A断面。
【図2】図1の右側面図。
【図3】図1のB−B視図で電磁石部分の側面図。
【図4】図1のC−C視図でアーマチャ部分の側面図であり、円周方向に4個の部分体で第1及び第2のアーマチャを構成した図。
【図5】図4の第1のアーマチャを示す図。
【図6】図4の第2のアーマチャを示す図。
【図7】6個の部分体で第1及び第2のアーマチャを構成した場合の電磁石部側面図で図3相当図。
【図8】円周方向に6個の部分体で第1及び第2のアーマチャを形成した図4相当図。
【図9】図8の第1のアーマチャを示す図5相当図。
【図10】図8の第2のアーマチャを示す図6相当図。
【図11(a)】後記図12のアーマチャ部材で構成したアーマチャを示す図4相当図。
【図11(b)】図11(a)のD−D視図。
【図11(c)】図11(a)のE−E視図。
【図12(a)】別なアーマチャ部材を示す図5相当図。
【図12(b)】図12(a)のF−F視図。
【図12(c)】図12(a)のG−G視図。
【図13(a)】後記図14のアーマチャ部材で構成したアーマチャで図4相当図。
【図13(b)】図13(a)のH−H視図。
【図13(c)】図11(a)のI−I視図。
【図14(a)】別なアーマチャ部材を示す図6相当図。
【図14(b)】図14(a)のH−H視図。
【図14(c)】図14(a)のH−H視図。
【図15(a)】電磁石を2個配置した図3相当図。
【図15(b)】電磁石を2個配置した場合のアーマチャの配置を示す図4相当図。
【図16(a)】電磁石を4個配置した図3相当図。
【図16(b)】電磁石を4個配置した場合のアーマチャの配置を示す一例で図4相当図。
【図16(c)】電磁石を4個配置した場合のアーマチャの配置を示す別な例で図4相当図。
【図17(a)】電磁石を3個配置した図3相当図。
【図17(b)】電磁石を3個配置した場合のアーマチャの配置を示す一例で図4相当図。
【図18(a)】電磁石を6個配置した図3相当図。
【図18(b)】電磁石を6個配置した場合のアーマチャの配置を示す一例で図4相当図。
【図18(c)】電磁石を6個配置した場合のアーマチャの配置を示す別な例で図4相当図。
【図19】本発明に係る電磁ディスクブレーキを有するエレベーター装置の巻上機の概略系統図である。
【図20】従来の電磁ディスクブレーキの正面図。
【図21】図20の分割アーマチャを説明する側面図。
【符号の説明】
7a,7b…分割アーマチャ、21…電磁ディスクブレーキ、24a,24c…第1のアーマチャ、24b,24d…第2のアーマチャ、24aa,24ba…一方のアーマチャ部材、24ab,24bb…他方のアーマチャ部材、241〜246…部分体、26…制動円板、27…プレート、29…回転軸、30…コイル、31…フィールドコア、50…昇降路、52…巻上機、53…駆動シーブ、56…乗かご、57…つり合おもり。

Claims (4)

  1. 回転軸と一体的に回転する制動円板と、この制動円板を挟圧する位置に配置され回転が拘束されるアーマチャ及びプレートと、前記アーマチャを前記制動円板側に押圧する制動ばねと、前記アーマチャに対向しコイルとフィールドコアとで構成され磁束を発生する電磁石とを備え、前記アーマチャが円周方向に分割され、この分割アーマチャが独立に制動作用する電磁ディスクブレーキにおいて、
    前記アーマチャは、円周方向に少なくとも4個の偶数個の部分体を形成し、前記部分体を一つ置きにこの部分体の外周部で連結した第1のアーマチャと、残りの前記部分体をこの部分体の内周部で連結した第2のアーマチャとで構成したことを特徴とする電磁ディスクブレーキ。
  2. 回転軸と一体的に回転する制動円板と、この制動円板を挟圧する位置に配置され回転が拘束されるアーマチャ及びプレートと、前記アーマチャを前記制動円板側に押圧する制動ばねと、前記アーマチャに対向しコイルとフィールドコアとで構成され磁束を発生する電磁石とを備え、前記アーマチャが円周方向に分割され、この分割アーマチャが独立に制動作用する電磁ディスクブレーキにおいて、
    前記アーマチャは、円周方向に少なくとも4個の偶数個の部分体を形成し、前記部分体を一つ置きに連結したアーマチャ部材を2個用い、一方のアーマチャ部材の部分体と部分体との空間部を、他方のアーマチャ部材の部分体で互いに埋合せるように構成したことを特徴とする電磁ディスクブレーキ。
  3. 前記アーマチャは、少なくとも一つの電磁石によって吸引されてなることを特徴とする請求項1乃至2記載の電磁ディスクブレーキ。
  4. 昇降路内で乗かごとつり合おもりとを駆動シーブの回転によって昇降運転するエレベーター装置の巻上機において、請求項1乃至3のいずれか記載の電磁ディスクブレーキを備えてなるエレベーター装置の巻上機。
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