JP5325611B2 - 内視鏡装置 - Google Patents
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そして、電磁コイルにコイルスプリングの伸縮動作に対応して電流を通電することにより、錘が共振して挿入部の先端付近が微振動することにより、挿入部を体内にスムーズに挿入することができるという。
しかしながら、この内視鏡装置が工業用に用いられる場合には、挿入部を例えば10m以上というように長く被検体に挿入されたり、エルボー等の曲げのきつい屈曲部に挿入されたりすることがある。この場合には、先端構成部が振動し先端構成部の周辺の挿入性が向上しても、挿入部の大部分を占める、挿入部のうち先端構成部より基端側の部分が被検体の内周面に係止され、挿入部全体の挿入性が低下してしまうという問題があった。
本発明の内視鏡装置は、先端部に配置され観察機構が設けられた先端構成部を有する挿入部を備え、被検体内に該挿入部を挿入して用いられる内視鏡装置において、前記挿入部に、前記先端構成部より基端側の範囲に、振動を発生させる振動手段を有し、前記振動手段は、前記挿入部の外周面側に設けられ内部に流体を収容するチューブ体と、該チューブ体に対して前記流体を供給/排出可能な流体供給部と、前記チューブ体の外側に、該チューブ体内への前記流体の供給/排出によって少なくとも前記挿入部の長さ方向に直交する方向に移動する第1可動部材と、を有していることを特徴としている。
また、振動手段は、挿入部の外周面側に設けられたチューブ体の内部に流体供給部により流体を供給/排出することにより、チューブ体を膨張/収縮させチューブ体の外周面をその径方向に振動させる。
このため、チューブ体が設けられた部分の挿入部がチューブ体を介して被検体に当接する場合であっても、チューブ体の外周面がその径方向に振動させることで被検体に対してチューブ体と挿入部を離間させることができ、挿入部と被検体との摩擦抵抗を低減させることができる。
また、第1可動部材により、チューブ体の外周面を被検体から保護することができる。また、チューブ体の外周面に生じるチューブ体の径方向の振動を、第1可動部材の慣性力により確実に被検体に伝達することができる。
この発明によれば、チューブ体に備えられた一対の収容部に、流体供給部により流体を交互に供給/排出することにより、挿入部の長さ方向に直交する断面上において、挿入部を一対の収容部が設けられた方向に交互に振動させることができる。このため、挿入部の振動の振幅を大きくすることができ、挿入部と被検体との摩擦抵抗を効果的に低減させることが可能となる。
この発明によれば、チューブ体の径方向となる挿入部の振動方向を、挿入部の長さ方向の位置により変化させることができる。従って、被検体に対して挿入部を、この挿入部の外周面を螺旋状に廻るより多くの方向に離間させ、挿入部と被検体との摩擦抵抗をより確実に低減させることができる。
この発明によれば、一般的に挿入部の長さのうち大部分を占める、挿入部における先端構成部より基端側の範囲に、振動を発生させる振動手段を有する。従って、被検体が長かったり屈曲部を有したりする等、挿入が困難な場合であっても、挿入部に発生する振動のうち挿入部が当接する被検体の面の法線方向の成分により、被検体に対して挿入部を離間させることができ、挿入部を被検体内に挿入するときの摩擦抵抗を低減させ挿入部の挿入性を高めることができる。
また、振動手段は、挿入部の外周面側に設けられたチューブ体の内部に流体供給部により流体を供給/排出することにより、チューブ体を膨張/収縮させチューブ体の外周面をその径方向に振動させる。
このため、チューブ体が設けられた部分の挿入部がチューブ体を介して被検体に当接する場合であっても、チューブ体の外周面がその径方向に振動させることで被検体に対してチューブ体と挿入部を離間させることができ、挿入部と被検体との摩擦抵抗を低減させることができる。
また、チューブ体に備えられた一対の収容部に、流体供給部により流体を交互に供給/排出することにより、挿入部の長さ方向に直交する断面上において、挿入部を一対の収容部が設けられた方向に交互に振動させることができる。このため、挿入部の振動の振幅を大きくすることができ、挿入部と被検体との摩擦抵抗を効果的に低減させることが可能となる。
この発明によれば、チューブ体の径方向となる挿入部の振動方向を、挿入部の長さ方向の位置により変化させることができる。従って、被検体に対して挿入部を、この挿入部の外周面を螺旋状に廻るより多くの方向に離間させ、挿入部と被検体との摩擦抵抗をより確実に低減させることができる。
以下、本発明に係るAの第1実施形態を、図1から図4を参照しながら説明する。図1は、本実施形態の内視鏡装置1の斜視図である。
この内視鏡装置1は、管路や隙間等の被検体の内部に長尺の挿入部4を挿入して観察する装置である。本実施形態では、内視鏡装置1で管路(被検体)の内部を観察する場合を例にとって説明する。なお、被検体は、配管のようなパイプ形状に限ることなく、例えば内部に複雑な形状の貫通孔が形成されたエンジンや発電機装置等でも良い。
図1に示すように、本実施形態の内視鏡装置1は、先端部に配置された先端構成部2と先端構成部2の基端側に設けられ湾曲操作可能な湾曲部3を有する長尺の管状の挿入部4と、挿入部4の湾曲部3より基端側の全範囲にわたり配置された、振動を発生させる振動手段5と、を備えている。
挿入部4は公知の構成のものが用いられ、このリモコン9に設けられた湾曲操作スイッチ9aを操作することにより、不図示の操作ワイヤを不図示のモータにより牽引して湾曲部3を湾曲操作することができるように構成されている。
なお、LCDモニタ7及び表示ランプ8は、リモコン9に設けられるように構成しても良い。
また、先端構成部2には、ケース体6内に備えられた不図示の電源部が接続され照明光を照射する照明機構10と、CCD等の不図示の撮像素子を有しLCDモニタ7に接続された観察機構11とを、それぞれ露出した状態で前方に備えている。
そして、不図示の電源部から供給された電力により照明機構10から照明光が照射され、照射された照明光が管路内周面で反射されて反射光となったものを観察機構11で検出し、観察機構11で検出した映像をLCDモニタ7に表示することができるように構成されている。
図2から図4に示すように、振動手段5は、挿入部4の外周面側に設けられ内部に圧縮空気(流体)を収容するマルチルーメンチューブ14と、マルチルーメンチューブ14に対して空気を供給/排出可能な流体供給部15と、マルチルーメンチューブ14の外側に複数配置された可動リング(第1可動部材)16と、複数の可動リング16の外側を覆うように設けられた第1被覆チューブ17と、を有する。
一対の収容部18a、18bの先端部はマルチルーメンチューブ14の先端側までそれぞれ形成され、一対の収容部18a、18bの基端部はケース体6内まで延びている。一対の収容部18a、18b先端部は、壁部14bにより塞がれている。このように、マルチルーメンチューブ14及び一対の収容部18a、18bは、挿入部4の湾曲部3より基端側の範囲の全体にわたり設けられている。
また、図3に示すように、これら一対の収容部18a、18bは、方向Dに直交する断面において、挿入部4を挟んで互いに対向する位置に設けられるとともに、挿入部4の外周面側に、方向Dに対して螺旋状となるように設けられている。
この第2被覆チューブ19は可撓性を有し、その内部には湾曲部3を湾曲操作するための不図示の操作ワイヤや、不図示の信号線や電力線等が挿通される。
また、各可動リング16には、方向Dに向かい貫通する4つの通し孔16a、16b、16c、16dが周方向に等距離毎にそれぞれ形成されている。
各可動リング16の通し孔16aには、振動用ワイヤ20aがそれぞれ挿通されている。そして、振動用ワイヤ20aの先端部及び基端部は、湾曲部3の基端部に配置された湾曲駒23及び挿入部4の基端側に例えばはんだ付けによりそれぞれ固定されている。振動用ワイヤ20aにおいて、各通し孔16aに挿通された部分の先端側及び基端側には、可動リング16から一定距離離間させて、例えばはんだ付けにより形成されるストッパ部材24がそれぞれ固定されている。
同様に、各可動リング16の通し孔16b、16c、16dに、振動用ワイヤ20b、20c、20dがそれぞれ挿通されていて(振動用ワイヤ20b、20dは不図示)、各振動用ワイヤ20b、20c、20dには、ストッパ部材24がそれぞれ固定されている。
このように構成された各可動リング16は、挿入部4に対して、方向Dに沿って、さらに方向Dに直交する平面上で、それぞれ所定の範囲で移動可能となっている。なお、例えば、可動リング16をストッパ部材24で振動用ワイヤ20a〜20dに固定することにより、各可動リング16が方向Dに直交する方向にのみ移動可能となるように構成しても良い。
空気ボンベ27には、圧力調整バルブ27aが備えられ、内視鏡装置1の使用者は、主圧力センサ33で検出された空気の圧力を確認しながら、圧力調整バルブ27aにより主配管28内の空気の圧力を調整することが可能となっている。
同様に、制御部35がソレノイド36bを駆動することにより電磁弁31bを切替えて、第1分岐配管30bと第2分岐配管32bとを連通させることにより圧縮空気を収容部18bに供給することが可能となり、排出配管37bと第2分岐配管32bとを連通させることにより収容部18bに収容された圧縮空気を排出配管37bから排出することが可能となっている。
このように、流体供給部15により、一対の収容部18a、18bのそれぞれに対し独立して圧縮空気を供給可能とされている。
すなわち、例えば、リモコン9を操作して切替え速度を1Hzとすると、収容部18aに圧縮空気が供給され収容部18bから圧縮空気が排出された状態から0.5秒後に、収容部18aから圧縮空気が排出され収容部18bに圧縮空気が供給された状態になり、さらに0.5秒後に、収容部18aに圧縮空気が供給され収容部18bから圧縮空気が排出された状態になる。そして制御部35は、この圧縮空気を供給する収容部18a、18bの切替えを、この一定速度で繰り返し続ける。
また、基端側がケース体6に取付けられ可撓性を有する挿入部4は一定の剛性を有し、ある固有の共振周波数νで振動するときに共振するように構成されている。
まず、使用者は、主圧力センサ33の検出値を確認しながら圧力調整バルブ27aを操作し、主配管28内の圧縮空気の圧力が所定の圧力になるように調整する。そして、内視鏡装置1のリモコン9を操作して、電源部から照明機構10に電力を供給して先端構成部2の前方に照明光を照射させ、観察機構11が検出した映像をLCDモニタ7に表示させる。
次に、LCDモニタ7に表示される映像を確認しながら、図2に二点鎖線で示した管路Qに挿入部4の先端構成部2を挿入する。
より詳しくは、制御部35は、まず、電磁弁31aを切替えて、第1分岐配管30aと第2分岐配管32aとを連通させ収容部18aに圧縮空気を供給するとともに、電磁弁31bを切替えて、排出配管37bと第2分岐配管32bとを連通させ収容部18b内の圧縮空気を排出配管37bから排出する。すると、図2及び図3に示すように、収容部18aが膨張するとともに収容部18bが収縮し、各可動リング16は挿入部4に対して収容部18a側にそれぞれ移動する。
各可動リング16は前述したように一定の重量を有するので、各可動リング16は慣性力により図3(a)〜図3(c)に示す位置よりも収容部18a側に多少移動し、その後収容部18b側に戻される。
このときも、第1被覆チューブ17は、各可動リング16の慣性力により図3(a)〜図3(c)に示す位置P1〜P3よりも収容部18b側に多少移動し、その後収容部18a側に戻される。
なお、ストッパ部材24は、可動リング16から一定距離離間させて振動用ワイヤ20a〜20dに固定されているので、可動リング16は方向Dにも振動することとなる。
また、図3(c)に示す断面においても、第1被覆チューブ17の振動のうち、第1被覆チューブ17が当接する管路Qの面の法線方向T3の成分の振動、すなわち方向D3の振動により、管路Qに対して第1被覆チューブ17が離間するように移動させることができる。
一方、図3(b)に示す断面のように、第1被覆チューブ17が当接する管路Qの面の法線方向T2が、第1被覆チューブ17が振動する方向D2及び方向Dにそれぞれ直交する場合には、管路Qに対して第1被覆チューブ17が離間するように移動することは少なくなる。その代わりに、第1被覆チューブ17が当接する管路Qの面の法線方向が、法線方向D2に交差する方向である場合に、方向D2の振動により管路Qに対して第1被覆チューブ17が離間するように移動することとなる。
管路Qにエルボー等の曲げのきつい不図示の屈曲部が備えられている場合であっても、例えば、挿入部4を共振周波数νで振動させることにより挿入部4を共振させ、挿入部4の振幅をより大きくすることで、第1被覆チューブ17と管路Qとの摩擦抵抗を低減させて、挿入部4を屈曲部に挿入させていく。
そして、使用者は、挿入部4を挿入させながら観察機構11で検出した管路Qの内部の映像をLCDモニタ7で観察する。
なお、制御部35が、主圧力センサ33及び分岐圧力センサ34a、34bにより検出される圧力を監視し、その圧力が所定の圧力範囲から外れた場合には、例えば表示ランプ8に検出結果を表示しても良い。
また、振動手段5は、挿入部4の外周面に設けられた一対の収容部18a、18bの内部に流体供給部15により圧縮空気を供給/排出することにより、マルチルーメンチューブ14の一対の収容部18a、18bを膨張/収縮させ一対の収容部18a、18bをその径方向に振動させる。
このため、マルチルーメンチューブ14が設けられた挿入部4がマルチルーメンチューブ14及び第1被覆チューブ17を介して管路Qに当接する場合であっても、一対の収容部18a、18bをその径方向に振動させることで管路Qに対して第1被覆チューブ17や挿入部4等を離間させることができ、挿入部4と管路Qとの摩擦抵抗を低減させることができる。
また、マルチルーメンチューブ14において、挿入部4を挟んで互いに対向する位置に備えられた一対の収容部18a、18bに流体供給部15により圧縮空気を交互に供給/排出することにより、方向Dに直交する断面上において、挿入部4を一対の収容部18a、18bが設けられた方向に交互に振動させることができる。このため、挿入部4の振動の振幅を大きくすることができ、挿入部4と管路Qとの摩擦抵抗を効果的に低減させることが可能となる。
また、一対の収容部18a、18bは、挿入部4の湾曲部3より基端側の範囲の全体にわたり設けられているので、挿入部4と管路Qとの摩擦抵抗をより低減させ、挿入部4の挿入性を高めることができる。
また、本実施形態では、マルチルーメンチューブ14に一対の収容部18a、18が形成されていた。しかし、マルチルーメンチューブに形成される収容部の数は、1以上であれば幾つでも良い。また、1つの収容部が形成されたチューブを1つ又は複数、挿入部4の外周面側に設けても良い。
また、本実施形態では、一対の収容部18a、18bは、挿入部4の外周面側に方向Dに螺旋状となるように設けられていた。しかし、これに限ることなく、一対の収容部18a、18bは、挿入部4の外周面側に方向Dに沿うように設けられていても良い。
また、本実施形態では、第1可動部材としてリング状に形成された可動リング16を備えた。しかし、第1可動部材の形状はこれに限ることなく、例えば、第1可動部材の形状が一部を切欠いてC字状に形成されていても、第1可動部材の切欠かれた部分に収容部が入り込んで、収容部18a、18bの振動が第1可動部材に伝わらないことがないように構成すれば良い。すなわち、挿入部4の外周面側において、収容部18a、18bが設けられている部分以外に第1可動部材の切欠かれた部分が配置されるように構成されていれば良い。
次に、本発明に係る第2実施形態について説明するが、前記実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図5に本実施形態の内視鏡装置41の挿入部4の断面図を、図6にケース体6の断面を模式的に表す説明図を示す。
なお、説明の便宜上、図5において、挿入部4の一部及び後述する振動用ワイヤ51aを二点鎖線で示す。
図5及び図6に示すように、内視鏡装置41は、上記実施形態の内視鏡装置1の振動手段5に代えて振動手段45を備えている。
この振動手段45は、挿入部4の外周面側に、方向D及び方向Dに直交する方向に移動可能に支持された複数の可動リング(第2可動部材)46〜50と、可動リング46〜50を方向D及び方向Dに直交する方向に振動させるように操作する振動用ワイヤ51a〜51dと、振動用ワイヤ51a〜51dを牽引可能なワイヤ牽引部52と、複数の可動リング46〜50の外側を覆うように設けられた第1被覆チューブ17と、を有する。
なお、本実施形態では、挿入部4の第2被覆チューブ19の外周面を覆うように、可撓性を有し表面の摩擦抵抗が小さいポリ4フッ化エチレン樹脂等の材料で形成されたカバーチューブ53が配設されている。
可動リング46〜50は、それぞれに形成された通し孔以外は同形状のリング状に形成されている。そして、可動リング46〜50の内径は、それぞれ挿入部4の外径より大きく形成されている。
ここで、中心O3から通し孔48aと通し孔48bの中間地点に向かう方向E1及び方向E1の反対方向である方向E2を定め、中心O3を通り方向E1に沿う基準線L31を定める。同様に、中心O3から通し孔48aと通し孔48dの中間地点に向かう方向E3及び方向E3の反対方向である方向E4を定め、中心O3を通り方向E3に沿う基準線L32を定める。これら基準線L31及び基準線L32は、互いに直交するように配置されている。
同様に、図7(a)に示す可動リング46に、図7(c)の中心O3、仮想円C3及び基準線L31に対応する中心O1、仮想円C1及び基準線L1を記して説明する。さらに、仮想円C1と同じ半径で、仮想円C1を方向E1及び方向E2にそれぞれ距離K1より大きな一定の距離K2だけ移動した仮想円C11、C12を定める。
ただし、図7(b)における通し孔47aは、仮想円C21上であって、図7(c)における通し孔48aと基準線L31との距離よりも基準線L2との距離が短くなるように設定されている。また、図7(a)における通し孔46aは、仮想円C11上であって、図7(b)における通し孔47aと基準線L2との距離よりも基準線L1との距離が短くなるように設定されている。
図7(b)における通し孔47bは、仮想円C22上であって、図7(c)における通し孔48bと基準線L31との距離よりも基準線L2との距離が短くなるように設定されている。また、図7(a)における通し孔46bは、仮想円C12上であって、図7(b)における通し孔47bと基準線L2との距離よりも基準線L1との距離が短くなるように設定されている。
図7(b)における通し孔47cは、仮想円C21上であって、図7(c)における通し孔48cと基準線L31との距離よりも基準線L2との距離が短くなるように設定されている。また、図7(a)における通し孔46cは、仮想円C11上であって、図7(b)における通し孔47cと基準線L2との距離よりも基準線L1との距離が短くなるように設定されている。
そして、図7(b)における通し孔47dは、仮想円C22上であって、図7(c)における通し孔48dと基準線L31との距離よりも基準線L2との距離が短くなるように設定されている。また、図7(a)における通し孔46dは、仮想円C12上であって、図7(b)における通し孔47dと基準線L2との距離よりも基準線L1との距離が短くなるように設定されている。
同様に、図7(e)に示す可動リング50に、図7(c)の中心O3、仮想円C3及び基準線L32に対応する中心O5、仮想円C5及び基準線L5を記して説明する。さらに、仮想円C5と同じ半径で、仮想円C5を方向E3及び方向E4にそれぞれ前記距離K2だけ移動した仮想円C51、C52を定める。
ただし、図7(d)における通し孔49aは、仮想円C42上であって、図7(c)における通し孔48aと基準線L32との距離よりも基準線L4との距離が短くなるように設定されている。また、図7(e)における通し孔50aは、仮想円C52上であって、図7(d)における通し孔49aと基準線L4との距離よりも基準線L5との距離が短くなるように設定されている。
図7(d)における通し孔49bは、仮想円C41上であって、図7(c)における通し孔48bと基準線L32との距離よりも基準線L4との距離が短くなるように設定されている。また、図7(e)における通し孔50bは、仮想円C51上であって、図7(d)における通し孔49bと基準線L4との距離よりも基準線L5との距離が短くなるように設定されている。
図7(d)における通し孔49cは、仮想円C42上であって、図7(c)における通し孔48cと基準線L32との距離よりも基準線L4との距離が短くなるように設定されている。また、図7(e)における通し孔50cは、仮想円C52上であって、図7(d)における通し孔49cと基準線L4との距離よりも基準線L5との距離が短くなるように設定されている。
そして、図7(d)における通し孔49dは、仮想円C41上であって、図7(c)における通し孔48dと基準線L32との距離よりも基準線L4との距離が短くなるように設定されている。また、図7(e)における通し孔50dは、仮想円C51上であって、図7(d)における通し孔49dと基準線L4との距離よりも基準線L5との距離が短くなるように設定されている。
そして、振動用ワイヤ51a〜51dの先端部は各可動リング46〜50の先端側において湾曲駒23に、振動用ワイヤ51a〜51dの基端部は挿入部4の基端側に、例えばはんだ付けによりそれぞれ固定されている。
振動用ワイヤ51aにおいて、各通し孔46a、47a、48a、49a、50aに挿通された部分の先端側及び基端側には、各可動リング46〜50から一定距離離間させて、例えばはんだ付けにより形成されるストッパ部材24が固定されている。振動用ワイヤ51b〜51dにおいても、同様にストッパ部材24がそれぞれ固定されている。
このように構成された各可動リング46〜50は、挿入部4に対して、方向Dに沿って、さらに方向Dに直交する平面上で、それぞれ所定の範囲で移動可能となっている。なお、例えば、可動リング46〜50をストッパ部材24で振動用ワイヤ51a〜51dに固定することにより、各可動リング46〜50が方向Dに直交する方向のみ移動可能となるように構成しても良い。
そして、牽引モータ55は制御部59に接続されて、この制御部59はさらにリモコン9に接続されている。
そして、牽引モータ55を一方に回転させることで、振動用ワイヤ51a及び振動用ワイヤ51cを同時に牽引するとともに振動用ワイヤ51b及び振動用ワイヤ51dの牽引を解除し、牽引モータ55を他方に回転させることで、振動用ワイヤ51b及び振動用ワイヤ51dを同時に牽引するとともに振動用ワイヤ51a及び振動用ワイヤ51cの牽引を解除することが可能となっている。
すなわち、例えば、切替え速度を1Hzとすると、振動用ワイヤ51a、51cを同時に牽引するとともに振動用ワイヤ51b、51dの牽引を解除した状態から0.5秒後に、振動用ワイヤ51a、51cの牽引を解除するとともに振動用ワイヤ51b、51dを同時に牽引した状態になり、さらに0.5秒後に、振動用ワイヤ51a、51cを同時に牽引するとともに振動用ワイヤ51b、51dの牽引を解除した状態になる。
そして制御部59は、この牽引する振動用ワイヤ51a〜51dの切替えを、この一定速度で繰り返し続ける。
なお、図8(a)〜図8(e)及び図9(a)〜図9(e)中において、第1被覆チューブ17の図示を省略している。
まず、使用者は、内視鏡装置41のリモコン9を操作して、電源部から照明機構10に電力を供給して先端構成部2の前方に照明光を照射させ、観察機構11が検出した映像をLCDモニタ7に表示させる。
次に、LCDモニタ7に表示される映像を確認しながら、図5に二点鎖線で示した管路Qに挿入部4の先端構成部2を挿入する。
より詳しくは、牽引モータ55を他方に回転させて振動用ワイヤ51b及び振動用ワイヤ51dを同時に牽引した場合には、挿入部4及び振動手段45の断面は、図5に示すようになっている。そしてこの場合において、図5におけるB方向から見た可動リング46〜50を挿入部4とともに図8(a)〜図8(e)に示す。
振動用ワイヤ51b及び振動用ワイヤ51dが同時に牽引されると、各振動用ワイヤ51b、51dは、湾曲駒23に固定されている先端部と接続ワイヤ57に牽引されている基端部との間で緩み無く張られた状態となる。このとき、挿入部4及び可動リング48の位置は変わらないが、振動用ワイヤ51b、51dに追従して、5種類の可動リング46〜50の通し孔46b、47b、48b、49b、50b、及び通し孔46d、47d、48d、49d、50dの位置がそれぞれ挿入部4に沿って並ぶように、4種類の可動リング46、47、49、50がそれぞれ挿入部4の周りを回動したり方向Dに交差する方向に移動したりする。
また、図8(a)に示すように、可動リング46は、通し孔46b、46dがそれぞれ可動リング48の通し孔48b、48dの方向D側に配置されるように、図7(a)に示す基準位置から挿入部4回りに回転するとともに方向E1に、距離M1より大きな一定の距離M2だけ移動する。
同様に、図8(d)に示すように、可動リング49は、通し孔49b、49dがそれぞれ可動リング48の通し孔48b、48dの方向D側に配置されるように、図7(d)に示す基準位置から挿入部4回りに回転するとともに方向E3に距離M1だけ移動する。
そして、図8(e)に示すように、可動リング50は、通し孔50b、50dがそれぞれ可動リング48の通し孔48b、48dの方向D側に配置されるように、図7(e)に示す基準位置から挿入部4回りに回転するとともに方向E3に距離M2だけ移動する。
振動用ワイヤ51a及び振動用ワイヤ51cが同時に牽引されると、上記と同様に、各振動用ワイヤ51a、51cは、湾曲駒23に固定されている先端部と接続ワイヤ57に牽引されている基端部との間で緩み無く張られた状態となる。このとき、挿入部4及び可動リング48の位置は変わらないが、振動用ワイヤ51a、51cに追従して、5種類の可動リング46〜50の通し孔46a、47a、48a、49a、50a、及び通し孔46c、47c、48c、49c、50cの位置がそれぞれ挿入部4に沿って並ぶように、4種類の可動リング46、47、49、50がそれぞれ挿入部4の周りを回動したり方向Dに交差する方向に移動したりする。
また、図9(a)に示すように、可動リング46は、通し孔46a、46cがそれぞれ可動リング48の通し孔48a、48cの方向D側に配置されるように、図7(a)に示す基準位置から挿入部4回りに回転するとともに方向E2に距離M2だけ移動する。
同様に、図9(d)に示すように、可動リング49は、通し孔49a、49cがそれぞれ可動リング48の通し孔48a、48cの方向D側に配置されるように、図7(d)に示す基準位置から挿入部4回りに回転するとともに方向E4に距離M1だけ移動する。
そして、図9(e)に示すように、可動リング50は、通し孔50a、50cがそれぞれ可動リング48の通し孔48a、48cの方向D側に配置されるように、図7(e)に示す基準位置から挿入部4回りに回転するとともに方向E4に距離M2だけ移動する。
つまり、可動リング46及び可動リング47が振動する方向は方向E1及び方向E2であり、可動リング49及び可動リング50が振動する方向は方向E3及び方向E4である。すなわち可動リング46及び可動リング47は、可動リング49及び可動リング50と互いに異なる方向に振動する。
なお、ストッパ部材24は各可動リング46〜50から一定距離離間させて振動用ワイヤ51a〜51dに固定されているので、可動リング46〜50は方向Dにも振動することとなる。そして、複数の可動リング46〜50の外側を覆う第1被覆チューブ17も、可動リング46〜50と同様に振動する。
そして、使用者は、観察機構11で検出した管路Qの内部の映像をLCDモニタ7で観察する。
また、振動用ワイヤ51a〜51dを牽引するという簡単な操作で、複数の可動リング46〜50を方向Dに直交する方向に移動させることができる。
図10(a)に示す可動リング61はリング状に形成されている。そして、可動リング61に形成される一対の通し孔61a、61bは、可動リング61の中心O11を通る基準線L61の一方の側にそれぞれ配置されている。
また、図10(b)に示す可動リング62は、可動リング61と通し孔の位置のみ異なる。すなわち、可動リング62に形成される一対の通し孔62a、62bは、可動リング61の基準線L61に対応する基準線L62の他方の側にそれぞれ配置されている。
これらの可動リング61、62を挿入部4の外周面に、例えば、方向Dに交互に配置し、通し孔61a、62aに一つの振動用ワイヤを挿通し、通し孔61b、62bに他の振動用ワイヤを挿通する。そして、上記実施形態と同様に、これらの振動用ワイヤをそれぞれ牽引することで、挿入部4に対して、可動リング61を方向N1に、可動リング62を方向N2に、それぞれ移動させることができる。
また、本実施形態では、振動手段45として第1被覆チューブ17を備えた。しかし、第1被覆チューブ17を備えなくても、挿入部4を可動リング46〜50により振動させることができるので、第1被覆チューブ17は備えられなくても良い。
また、本実施形態では、通し孔に挿通された1つの振動用ワイヤを引張ったり、緩めたりすることでも可動リングを振動させることができる。このため、振動手段45に備えられる振動用ワイヤの数は1つ以上であれば幾つでも良い。
例えば、上記第1実施形態及び第2実施形態では、流体として圧縮空気を用いたが、これに限ることなく、ヘリウム等の気体、水や油等の液体を用いても良い。
また、本実施形態では、先端構成部2の基端側に湾曲部3を備えたが、この湾曲部3は備えられなくても良い。
また、上記第1実施形態及び第2実施形態では、内視鏡装置の湾曲部3を不図示の操作ワイヤを介して不図示のモータにより牽引することで湾曲操作していた。しかし、湾曲部3を湾曲させる方法はこれに限ることなく、モータに代えて、例えば、内部に流体を流入させることにより延在方向に短くなるように変形する公知のアクチュエータを用いても良い。
2 先端構成部
4 挿入部
5、45 振動手段
11 観察機構
14 マルチルーメンチューブ(チューブ体)
15 流体供給部
16 可動リング(第1可動部材)
18a、18b 収容部
46〜50、61〜63 可動リング(第2可動部材)
64 第2可動部材
46a〜46d、47a〜47d、48a〜48d、49a〜49d、50a〜50d 通し孔(貫通孔)
51a〜51d 振動用ワイヤ
52 ワイヤ牽引部
D 方向
Q 管路(被検体)
Claims (5)
- 先端部に配置され観察機構が設けられた先端構成部を有する挿入部を備え、被検体内に該挿入部を挿入して用いられる内視鏡装置において、
前記挿入部に、前記先端構成部より基端側の範囲に、振動を発生させる振動手段を有し、
前記振動手段は、
前記挿入部の外周面側に設けられ内部に流体を収容するチューブ体と、
該チューブ体に対して前記流体を供給/排出可能な流体供給部と、
前記チューブ体の外側に、該チューブ体内への前記流体の供給/排出によって少なくとも前記挿入部の長さ方向に直交する方向に移動する第1可動部材と、
を有していることを特徴とする内視鏡装置。 - 請求項1に記載の内視鏡装置において、
前記チューブ体は、前記流体を収容する一対の収容部が形成され、
これら一対の収容部は、前記挿入部の長さ方向に直交する断面において前記挿入部を挟んで互いに対向する位置に設けられ、前記流体供給部により前記一対の収容部のそれぞれに対し独立して前記流体を供給可能とされていることを特徴とする内視鏡装置。 - 請求項2に記載の内視鏡装置において、
前記一対の収容部は、前記挿入部の外周面側に、該挿入部の長さ方向に螺旋状となるように設けられていることを特徴とする内視鏡装置。 - 先端部に配置され観察機構が設けられた先端構成部を有する挿入部を備え、被検体内に該挿入部を挿入して用いられる内視鏡装置において、
前記挿入部に、前記先端構成部より基端側の範囲に、振動を発生させる振動手段を有し、
前記振動手段は、前記挿入部の外周面側に設けられ内部に流体を収容するチューブ体と、該チューブ体に対して前記流体を供給/排出可能な流体供給部と、を有し、
前記チューブ体は、前記流体を収容する一対の収容部が形成され、
これら一対の収容部は、前記挿入部の長さ方向に直交する断面において前記挿入部を挟んで互いに対向する位置に設けられ、前記流体供給部により前記一対の収容部のそれぞれに対し独立して前記流体を供給可能とされていることを特徴とする内視鏡装置。 - 請求項4に記載の内視鏡装置において、
前記一対の収容部は、前記挿入部の外周面側に、該挿入部の長さ方向に螺旋状となるように設けられていることを特徴とする内視鏡装置。
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