以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。図1等に示すように、折り畳みコンテナ1は、相対する一対の長辺部と相対する一対の短辺部とを備える略矩形板状の底壁部2と、底壁部2の短辺部に対して回動可能に支持された第1側壁部としての短辺側壁部3と、底壁部2の長辺部に対して回動可能に支持された第2側壁部としての長辺側壁部4とを備えている。本実施形態では、底壁部2、短辺側壁部3、及び長辺側壁部4はポリプロピレンにより構成されている。
図3等に示すように、底壁部2には、各長辺部に沿って底壁部2から上方に突出する台壁部5が設けられている。台壁部5は、底壁部2の長辺部から上方に延びる内壁部11と、内壁部11の上縁部から外方に延出する上壁部12と、上壁部12の外縁部から下方に延びる外壁部13とを備え、下方に開口した断面略コ字状をなしている。また、台壁部5には、内壁部11、外壁部13、及び上壁部12で囲まれる内側の空間を台壁部5の長手方向において複数に区画するようにして、内壁部11と外壁部13とを連結する隔壁部14(図6等参照)が設けられている。但し、台壁部5の両側端部(底壁部2のコーナー部)においては、下方に開口するのではなく、底壁部2の短手方向において底壁部2の外周側に開口した枠形状をなしている。また、台壁部5の両側端部には、台壁部5内側面(内壁部11)から底壁部2内周側に突出するずれ防止凸部15が形成されている。
さらに、各台壁部5には、長辺側壁部4を回動可能に支持するための長辺側軸受部16が、台壁部5の延在方向(長手方向)に沿って互いに所定距離を隔てて複数箇所(本例では5箇所)に設けられている。本実施形態では、台壁部5のうち下方に開口している部位の両側端部(底壁部2外周側に開口している部位との連接部位)にそれぞれ長辺側軸受部16が形成されるとともに、台壁部5の延在方向中央部と、当該中央部と前記台壁部5の両側端部近傍に形成された各長辺側軸受部16との間の中間位置よりも若干中央部寄りの位置とに長辺側軸受部16が形成されている。図3、図8に示すように、長辺側軸受部16は、内壁部11の上部及び上壁部12を切り欠くようにして形成されている。より詳しくは、台壁部5の延在方向において、上壁部12における切欠き幅を内壁部11における切欠き幅よりも大きく形成し、上壁部12の切欠きの両側縁よりも内側に内壁部11を突出させるとともに、上壁部12の切欠きの両側縁に沿って、内壁部11と外壁部13とを連結する側面リブ17を設け、さらに、内壁部11から外壁部13側に向けて若干突出する鍔部18を設けることによって長辺側軸受部16が構成されている。尚、台壁部5の上壁部12には、上下に貫通する水抜き孔19が互いに所定距離を隔てて複数箇所に形成されている。
また、底壁部2の上面には、短辺側壁部3を回動可能に支持するための短辺側軸受部21が、短辺部に沿って互いに所定距離を隔てて複数箇所(本例では4箇所)に設けられている。短辺側軸受部21は、底壁部2に形成された長方形状の孔の周縁部から上方に突出し、上下に貫通するとともに底壁部2内周側にも一部開口した略C字状の囲いリブ22を形成するとともに、囲いリブ22のうち底壁部2内周側の壁部から囲いリブ22内周側に突出する鍔部23を形成することで構成されている。また、各囲いリブ22の底壁部2内周側の部位同士を連結する連続リブ24が設けられ、連続リブ24の上辺部と囲いリブ22の上辺部とが面一となっている。さらに、底壁部2の長手方向において、連続リブ24の底壁部2内周側の面、及び囲いリブ22のうち底壁部2内周側の壁部の底壁部2内周側の面と、台壁部5の両側端部に形成されたずれ防止凸部15の底壁部2内周側の面(台壁部5の延在方向中央部側の面)とが面一となっている。
尚、本実施形態の底壁部2は、碁盤目状に上下に貫通する開口部が形成された底板31(図3、図7等参照)と、底板31に形成された各開口部の周縁部から下方に延出する格子状の支持リブ32(図6、図7等参照)とを備えている。当該支持リブ32の形成範囲は、底壁部2の長手方向においては、連続リブ24や囲いリブ22よりも底壁部2の内周側であり、底壁部2の短手方向においては、底壁部2の側縁部(各長辺部)から台壁部5の内壁部11の厚み程度底壁部2内周側に変位した部位よりも底壁部2の内周側である。また、図7に示すように、台壁部5の外壁部13の下縁部は、底壁部2の底板31の下面とほぼ同じ高さ位置となっており、支持リブ32の下縁部よりも上方に位置している。
図1、図2等に示すように、長辺側壁部4は、略矩形状の壁本体41と、壁本体41の両側辺部において壁本体41の内側面(長辺側壁部4の起立状態では底壁部2内周側に向き、畳まれた状態では下側を向く面)から突出する係止壁42と、長辺側壁部4の起立状態において壁本体41の下辺部から下方に突出形成するヒンジ手段としての長辺側ヒンジ部43とを備えている。
壁本体41には、その外側面において格子状に補強リブ51が形成され、また、長手方向中央部の上側部位において、作業者が手をかけて折り畳みコンテナ1を持ち運ぶことができるように持ち手孔52が形成されている。また、壁本体41には、台壁部5の内側面から突出するずれ防止凸部15との接触を避けるべく切欠き部53(図2等参照)が形成されている。さらに、壁本体41の係止壁42との連接部近傍には、壁本体41に対してコ字状にスリットが形成されることにより、その内周側において壁本体41の厚み方向において撓むように構成された係止片54が設けられている。係止片54は、長辺側壁部4の延在方向(幅方向、長手方向)中央部側の部位が壁本体41と連結されて長辺側壁部4の側端部側に向けて延び、その先端部には、係止片54の内側面(長辺側壁部4の起立状態においては底壁部2内周側の面)から突出する係止爪55が設けられている。
係止壁42には、長辺側壁部4の長手方向において貫通する挿入孔56が上下に所定距離を隔てて複数形成されている。尚、係止壁42及び前記底壁部2の短辺側軸受部21は、長辺側壁部4が畳まれた(倒された)状態となったときに、互いに干渉しないように構成されている。また、長辺側壁部4が畳まれた状態においては、係止壁42の壁本体41からの延出方向先端部が、短辺側軸受部21の周辺の底壁部2(底板31)上面に当接し、短辺側軸受部21の上辺部や連続リブ24の上辺部が壁本体41の内側面に当接することとなる。
長辺側ヒンジ部43は、底壁部2の台壁部5に形成された複数の長辺側軸受部16にそれぞれ対応して複数箇所に形成されている。また、長辺側ヒンジ部43は、その先端部が長辺側壁部4の長手方向に拡張されて、長辺側軸受部16の内側に挿入状態とされるとともに、当該先端部において長辺側軸受部16の鍔部18の下面側に引っ掛かるフック部58(図6等参照)を備え、長辺側軸受部16に回動可能に支持されている。長辺側壁部4を起立させた状態では、壁本体41の下面と台壁部5の上面とが当接することとなり、長辺側壁部4が略鉛直に起立した状態からさらに外側に回動してしまうといった事態が防止される。また、長辺側壁部4が起立した状態では、長辺側ヒンジ部43が、長辺側軸受部16を構成する鍔部18と外壁部13との間に簡略的に挟持され、これにより、長辺側壁部4から手を離しても倒れないように(長辺側壁部4が自立できるように)なっている。また、本実施形態では、長辺側壁部4が畳まれた状態において、長辺側壁部4が台壁部5よりも下方に収納されるようになっている(台壁部5が、畳まれた長辺側壁部4よりも上方に突出している)。尚、本実施形態では、長辺側壁部4が、短辺側壁部3の両側方にまで延在しており、短辺側壁部3を先に畳まないと、長辺側壁部4を畳むことができないようになっている。
図1等に示すように、短辺側壁部3は、略矩形状の壁本体61と、壁本体61の両側部において壁本体61の外側面(短辺側壁部3の起立状態では底壁部2外周側に向き、畳まれた状態では上側を向く面)から突出する挿入突起62と、短辺側壁部3の起立状態において壁本体61の下辺部から下方に突出形成されたヒンジ手段としての短辺側ヒンジ部63とを備えている。尚、短辺側ヒンジ部63は、短辺側軸受部21の内側に挿入状態とされるとともに、当該先端部において短辺側軸受部21の鍔部23の下面側に引っ掛かるフック部(図示略)を備え、短辺側軸受部21に回動可能に支持されている。
壁本体61には、その外側面において格子状の補強リブ65が形成され、また、長手方向中央部の上側部位において、作業者が手をかけて折り畳みコンテナ1を持ち運ぶことができるように持ち手孔66が形成されている。また、壁本体61には、台壁部5の内側面から突出するずれ防止凸部15との接触を避けるべく切欠き部67(図1等参照)が形成されている。
挿入突起62は、長辺側壁部4の係止壁42に形成された複数の挿入孔56に対応して複数設けられ、長辺側壁部4を起立させた後、短辺側壁部3を起立させることで、挿入突起62が底壁部2内周側から挿入孔56に挿入される。これにより、長辺側壁部4の内側及び外側への傾倒変形を防止することができるとともに、短辺側壁部3の外側への傾倒変形を防止することができる。
さらに、短辺側壁部3の外側面上部には、短辺側壁部3とは別体として構成された係止パーツ71が収容されるパーツ収容部68(図1参照)が形成され、パーツ収容部68内を係止パーツ71が短辺側壁部3の高さ方向(短辺側壁部3の起立状態では上下方向)にスライド可能に設けられている。係止パーツ71は、短辺側壁部3の幅方向(長手方向)に沿って延在するパーツ本体72と、パーツ本体72の両側部から側方に突出する図示しない係止突部と、短辺側壁部3の起立状態においてパーツ本体72の下辺部から斜め下方に延出する弾性変形可能な板バネ部74とを備えている。板バネ部74は、短辺側壁部3の高さ方向においてその先端部が補強リブ65に圧接しており、これによりパーツ本体72は常に短辺側壁部3の上辺部側に付勢されている。また、パーツ本体72の外側面中央部には操作凹部75が形成されている。操作凹部75の短辺側壁部3の下辺部(短辺側ヒンジ部63が形成された辺部)側の面は、短辺側壁部3の起立状態において底壁部2外周側に下方傾斜している上、凹凸形状をなしている。尚、図示は省略するが、パーツ収容部68を構成する壁本体61の外側面には、短辺側壁部3の高さ方向に延びるガイドレールが形成され、パーツ本体72にはガイドレールに案内されるガイド凹部が形成されている。
壁本体61には、短辺側壁部3の起立状態において、係止パーツ71の係止突部(図示略)を底壁部2内周側に露出させる露出開口部69が形成されている。また、係止突部(図示略)の底壁部2外周側の面(外側面)は傾斜面となっている。そして、短辺側壁部3を起立させていくことで、係止突部(図示略)の外側面と、長辺側壁部4の係止片54の係止爪55とが当接し、さらに短辺側壁部3を起立させていくと、係止片54が撓みつつ、係止爪55が係止突部(図示略)よりも底壁部2内周側に回りこみ、係止突部(図示略)の底壁部2内周側の面と係止爪55とが当接する(係止状態とされる)。これにより、短辺側壁部3の内側への傾倒変形が防止される。また、短辺側壁部3を畳む(内側に倒す)際には、係止パーツ71の操作凹部75を下方に押圧操作して係止パーツ71を下方に変位させることで、係止突部(図示略)と係止爪55との係止状態が解除されるため、この状態で短辺側壁部3を内側に倒せば、短辺側壁部3を畳むことができる。尚、短辺側壁部3の起立状態では、係止片54の係止爪55が露出開口部69の内側に位置し、折り畳みコンテナ1の内側に突出することがないようになっている。また、短辺側壁部3が起立状態とされると、短辺側壁部3の下面と、連続リブ24及び囲いリブ22の上辺部とが当接状態とされ、短辺側壁部3のそれ以上の外側への回動変位が規制されることとなる。
次に、SNコンテナ81について、図4〜図6等を参照して説明する。SNコンテナ81は、相対する一対の長辺部と相対する一対の短辺部とを備える略矩形板状のベース壁部82と、ベース壁部82の周縁部から上方に突出する枠状の周壁部83と、周壁部83の上縁部全周域から周壁部83の外周方向に突出する張出し部84とを備え、これらが型成形により一体的に形成されている。本実施形態では、SNコンテナ81はポリプロピレンにより構成されている。
周壁部83は、ベース壁部82の相対する長辺部からそれぞれ上方に延出する長側壁部85と、ベース壁部82の相対する短辺部からそれぞれ上方に延出する短側壁部86とを備えている。また、周壁部83(各側壁部85、86)は、型抜きの都合上、上方に向けて周壁部83の外周側に若干傾斜して延びている。
各長側壁部85及び各短側壁部86の外側面には、張出し部84の下面からベース壁部82近傍位置にかけて上下に延びる支脚部87が形成されている。本実施形態では、各長側壁部85及び各短側壁部86にそれぞれ支脚部87が2つずつ設けられている。より詳しくは、長側壁部85に関しては、長側壁部85の短側壁部86とのコーナー部近傍に設けられる第1支脚部87aと、長側壁部85の長手方向(横幅方向)中央部を中心とした第1支脚部87aの対称位置よりも長側壁部85の中央部寄りの位置に設けられた第2支脚部87bとを備えている。また、相対する一対の長側壁部85は互いに対称形状をなしており、相対する一対の長側壁部85にそれぞれ設けられた第1支脚部87a及び第2支脚部87bは、第1支脚部87a同士、及び第2支脚部87b同士がそれぞれ相対(対向)する位置に設けられている。
また、相対する一対の短側壁部86に関しては、支脚部87の形成位置等が異なり、対称形状をなしていない。すなわち、相対する一対の短側壁部86のうち、長側壁部85の前記第2支脚部87bが形成された側の側辺部に連接する短側壁部86(図4〜図6では左側の短側壁部86)に関しては、短側壁部86の両側辺部近傍(両長側壁部85となすコーナー部近傍)に支脚部87(第3支脚部87c)が形成されている。その一方で、相対する一対の短側壁部86のうち、長側壁部85の前記第1支脚部87aが形成された側の側辺部に連接する短側壁部86(図4〜図6では右側の短側壁部86)に関しては、第3支脚部87cよりも短側壁部86の幅方向(長手方向)中央部寄りの位置に支脚部87(第4支脚部87d;図8、図9参照)が形成されている。尚、本実施形態では、第1支脚部87aが第2支脚部87bよりも横幅(長側壁部85の長手方向における幅)が大きく、第3支脚部87cが第4支脚部87dよりも横幅(短側壁部86の長手方向における幅)が大きくなっている。また、第1支脚部87a及び第3支脚部87cは、それぞれ長辺側壁部4及び短辺側壁部3の側辺部近傍に設けられることとされているが、周壁部83の各コーナー部(長辺側壁部4と短辺側壁部3との連接部)は湾曲形状(断面R形状)をなしており、成形性の観点から第1支脚部87a及び第3支脚部87cは、湾曲形状部分を避けた平坦部分に設けられている。
さらに、図4、図7に示すように、各支脚部87の直下方には、周壁部83(長側壁部85及び短側壁部86)の外面から外方に突出し、上下に延在する寄せリブ87が形成されている。寄せリブ87の周壁部83からの突出長は、支脚部87の周壁部83からの突出長よりも短く、支脚部87下面の周壁部83側の部位からベース壁部82の下面にかけて直線状に延びている。
また、周壁部83の内側面には、支脚部87の下部が進入(挿入)可能なポケット部89が形成されている。ポケット部89は、張出し部84を周壁部83内周側に開口させるように切欠くとともに、該切欠きに合わせて周壁部83内側面を外側に膨出させるようにして形成されている。ポケット部89は、周壁部83の上縁部から、周壁部83の高さの1/2程度の部位にかけて上下に延在するようにして形成されている。加えて、ポケット部89の底面と該底面に連接する周壁部83内側面とにかけて鉤状に凹み、寄せリブ87が進入可能な鉤凹部90が形成されている。
ポケット部89についてより詳しく説明すると、第1支脚部87aが進入可能な第1ポケット部89aは、長側壁部85の長手方向中央部を中心として第1支脚部87aの対称位置に設けられ、本実施形態では、第2支脚部87bに隣接して形成されている。第2支脚部87bが進入可能な第2ポケット部89bは、長側壁部85の長手方向中央部を中心として第2支脚部87bの対称位置に設けられ、本実施形態では、第1支脚部87aに隣接して形成されている。また、第3支脚部87cが進入可能な第3ポケット部89cは、第3支脚部87cが形成された短側壁部86に相対する短側壁部86において、第3支脚部87cの形成位置と対向する位置に設けられ、本実施形態では、第4支脚部87dに隣接して形成されている。第4支脚部87dが進入可能な第4ポケット部89dは、第4支脚部87dが形成された短側壁部86に相対する短側壁部86において、第4支脚部87dの形成位置と対向する位置に設けられ、本実施形態では、第3支脚部87cに隣接して形成されている。
このため、SNコンテナ81同士を同じ向きで上下に積み重ねた場合、第1〜第4支脚部87a、87b、87c、87dの位置と、第1〜第4ポケット部89a、89b、89c、89dの位置とが合致せず、各支脚部87の下面が張出し部84の上面に当接し、スタッキングされることとなる。尚、スタッキング状態においては、各寄せリブ87が周壁部83の内側面に略当接状態とされ、SNコンテナ81の位置ずれ(がたつき)が防止される。加えて、周壁部83と張出し部84との境界部のうち、SNコンテナ81同士をスタッキングする際に、寄せリブ87が当接し得る部位に関しては面取り加工が施されており、これにより、スタッキングをよりスムースに行うことができるとともに、周壁部83と張出し部84との境界部の損傷を抑止することができる。
一方、上側のSNコンテナ81を下側のSNコンテナ81に対して180度回転させた向きで積み重ねると、第1〜第4支脚部87a、87b、87c、87dの位置と、第1〜第4ポケット部89a、89b、89c、89dの位置とが合致し、第1〜第4支脚部87a、87b、87c、87dの下半分が、第1〜第4ポケット部89a、89b、89c、89dの内側に進入し、各支脚部87の下面が各ポケット部89の底面に当接する。これにより、下側のSNコンテナ81の内側に上側のSNコンテナ81の下半分が挿入された状態で支持され、ネスティングされることとなる。尚、ネスティング状態においては、各寄せリブ87の周壁部83からの突出方向先端部が各鉤凹部90に略当接状態とされ、SNコンテナ81の位置ずれ(がたつき)が防止される。
尚、SNコンテナ81はネスティングをスムースに行えるように、通常のボックス型のコンテナに比べ周壁部83が外側に比較的大きく傾くようにして形成される。これに起因して、SNコンテナ81のスタッキング状態において、下側のSNコンテナ81の周壁部83の内側面と、上側のSNコンテナ81の周壁部83(支脚部87よりも下方の部位)の外側面との間に比較的大きな隙間が形成されてしまい、がたつき生じてしまうおそれがある。このため、ネスティングに際して周壁部83の上縁部に干渉しない位置である支脚部87の直下方において周壁部83の外側面から突出する寄せリブ87を形成し、スタッキング時において、下側のSNコンテナ81の周壁部83の内側面に上側のSNコンテナ81の寄せリブ87を略当接させることで、がたつきが極力生じないように構成されている。
さて、本実施形態では、折り畳みコンテナ1とSNコンテナ81とを段積みするための構造に特徴がある。以下、当該特徴部分について説明する。
図2等に示すように、折り畳みコンテナ1の底壁部2に形成された台壁部5の上面には、位置決め手段としての位置決め部91が設けられている。位置決め部91は、台壁部5の上面(上壁部12)から上方に突出し、台壁部5の延在方向に対して直交する方向(底壁部2の短手方向)に延びる相対する一対のずれ止めリブ92と、一対のずれ止めリブ92の底壁部2外周側の縦辺部間を連結する連結リブ93と、一対のずれ止めリブ92のうち台壁部5の延在方向中央部側のずれ止めリブ92に連接して設けられる案内リブ94とを備えている。
一対のずれ止めリブ92間の距離は、第2支脚部87bの幅とほぼ同じ(若干大きい)となっており、一対のずれ止めリブ92間に第2支脚部87bの下端部を進入(挿入)させ、台壁部5の延在方向(長手方向)において、各ずれ止めリブ92と第2支脚部87bの両側面とを当接又は略当接させることができるようになっている。本実施形態の位置決め部91は、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナ1の上側に、折り畳みコンテナ1の外周とSNコンテナ81の外周とがほぼ一致するようにSNコンテナ81をバランスよく載せることで、第2支脚部87bが一対のずれ止めリブ92の間に挿入される(位置決めされる)ような位置に配置されている。
また、各台壁部5には、台壁部5の延在方向(長手方向)中央部を中心として対称位置に対称形状の位置決め部91が2つ設けられている。これらがそれぞれ第1の位置決め手段、第2の位置決め手段を構成する。従って、折り畳みコンテナ1の長手方向と、SNコンテナ81の長手方向とを合わせて折り畳まれた状態の折り畳みコンテナ1の上側にSNコンテナ81を載せさえすれば、所定の向きでSNコンテナ81を載せても、或いは、所定の向きから180度回転させた向きでSNコンテナ81を載せても、第2支脚部87bがどちらかの位置決め部91(すなわち、第1の位置決め手段又は第2の位置決め手段)によって位置決めされるようになっている。さらに、第2支脚部87bが位置決め部91に位置決めされた状態においては、使用されていない方(第2支脚部87bが挿入されていない方)の位置決め部91のずれ止めリブ92のうち案内リブ94が設けられていない方のずれ止めリブ92の外面に第1支脚部87aの側面が略当接するようになっている。
案内リブ94は、一対のずれ止めリブ92のうち台壁部5の延在方向中央部側のずれ止めリブ92から台壁部5の延在方向中央部側に延出するようにして設けられ、案内リブ94の上辺部は、ずれ止めリブ92の上端部から台壁部5(上壁部12)の上面にかけて下方傾斜して延びている。加えて、案内リブ94は、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナ1の上側に段積みされたSNコンテナ81の第2支脚部87bの周壁部83からの延出方向先端部(外周側端縁)よりも底壁部2内周側(内壁部11側)に設けられている。このため、図9に示すように、第2支脚部87bが各台壁部5に設けられた2つの位置決め部91の間の部位に位置するように、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナ1の上側にSNコンテナ81を一旦載せてから、SNコンテナ81を相対的にスライドさせることで、第2支脚部87bが案内リブ94の上辺部に摺接し、これによって第2支脚部87bがずれ止めリブ92の上辺部を乗り越えて、最終的に、位置決め部91の内側(一対のずれ止めリブ92の間)に案内されるようになっている。すなわち、段積みに際して、第2支脚部87bと位置決め部91との位置を完全に合致させなくても、SNコンテナ81を載せてからスライドさせて段積みする(スライドスタックする)ことができる。
また、長辺側壁部4には、位置決め部91に対応する部位において、位置決め部91との接触を回避するための許容凹部96が形成されている。このため、位置決め部91を許容凹部96の内側に相対的に挿入させるようにして、畳まれた状態にある長辺側壁部4を位置決め部91に阻害されることなく起立状態とすることができる。尚、本実施形態では、ずれ止めリブ92の底壁部2内周側の縦辺部は、台壁部5の内側面(内壁部11の底壁部2内周側の面)よりも若干台壁部5の外側面側に位置している(図2等参照)。従って、許容凹部96は、長辺側壁部4の内側面を構成する板状体を切欠くことなく、補強リブ51を切欠くようにして形成されている(組み立て状態にある折り畳みコンテナ1の内周側からでは許容凹部96が見えないようになっている;図1等参照)が、長辺側壁部4を起立状態としても、位置決め部91(ずれ止めリブ92)と壁本体41とが干渉しないようになっている。
尚、組み立てられた状態の折り畳みコンテナ1の上側に折り畳みコンテナ1を段積みすることも可能である。すなわち、組み立てられた状態の折り畳みコンテナ1の上側に折り畳みコンテナ1を段積みすると、枠状に構成された短辺側壁部3及び長辺側壁部4の内側に支持リブ32が進入して、下側の折り畳みコンテナ1の短辺側壁部3及び長辺側壁部4の上面と、上側の折り畳みコンテナ1の支持リブ32よりも外周側に位置する底壁部2の底板31の下面及び台壁部5の外壁部13の下辺部とが当接して支持された状態となり、下側の折り畳みコンテナ1の短辺側壁部3及び長辺側壁部4の内側面と、上側の折り畳みコンテナ1の支持リブ32の外周面とが当接して位置決めされた状態となる。
さらに、図10に示すように、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナ1の上側に折り畳みコンテナ1を段積みすることも可能である。すなわち、台壁部5の下部には、位置決め部91に対応する位置において、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナ1の上側に折り畳みコンテナ1を段積みする場合に、下側の折り畳みコンテナ1の位置決め部91との接触を回避する(内側に挿入状態とする)ための下面凹部98が形成されている。より具体的には、ずれ止めリブ92の底壁部2内周側の縦辺部は、台壁部5の内側面よりも内壁部11の厚み程度外側に変位した位置にあり、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナ1の上側に折り畳みコンテナ1を載せても、上側の台壁部5の内壁部11(底板31の外周縁部)と位置決め部91とは干渉しないが、上側の折り畳みコンテナ1の台壁部5の外壁部13や隔壁部14に関しては、当該外壁部13や隔壁部14が下側の折り畳みコンテナ1の台壁部5上面と当接する前に位置決め部91と当接してしまうおそれがある。このため、これを回避するべく、外壁部13や隔壁部14を切り欠くようにして下面凹部98を形成している。そして、一対の台壁部5の間に支持リブ32を進入させるようにして、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナ1の上側に折り畳みコンテナ1を段積みすると、下面凹部98の内側に位置決め部91が進入するようにして、下側の折り畳みコンテナ1の台壁部5上面と、上側の折り畳みコンテナ1の台壁部5(外壁部13及び隔壁部14)の下端部とが当接し、下側の折り畳みコンテナ1のずれ防止凸部15の上辺部と、上側の折り畳みコンテナ1の底壁部2(底板31)の下面とが当接して支持された状態となる。さらに、下側の折り畳みコンテナ1の台壁部5の内壁部と、上側の折り畳みコンテナ1の支持リブ32とが略当接し、下側の折り畳みコンテナ1のずれ防止凸部15の内側面(台壁部5の長手方向中央部側の面)と、上側の折り畳みコンテナ1の支持リブ32とが略当接して位置決めされた状態となる。尚、台壁部5の外壁部13には、台壁部5の延在方向中央部において、指掛け凹部99が形成されている。これにより、折り畳みコンテナ1が折り畳まれた状態にあっても、当該指掛け凹部99に指を掛けて折り畳みコンテナ1を運搬したり、積み降ろししたりすることができる。
尚、連結リブ93は、一対のずれ止めリブ92よりも側方に延出している。連結リブ93のうち台壁部5の延在方向中央部側に延出させた部位は、台壁部5の外側面(外壁部13)を正面に見た場合に、案内リブ94の輪郭と丁度重なるような形状をなしている。また、連結リブ93のうち台壁部5の延在方向側端部側に延出させた部位には、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナ1の上側にSNコンテナ81を段積みした場合に、第1支脚部87aの周壁部83からの延出方向先端部が略当接するようになっている。さらに、長辺側壁部4に形成された許容凹部96、及び、台壁部5に形成された下面凹部98は、連結リブ93に対応した形状をなしており、長辺側壁部4を起立させたり、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナ1の上側に折り畳みコンテナ1を段積みしたりした場合に、連結リブ93と許容凹部96及び下面凹部98との間に極力隙間が形成されないようになっている。
また、図11に示すように、組み立てた状態の折り畳みコンテナ1の上側にSNコンテナ81を段積みすることも可能である。すなわち、折り畳みコンテナ1は、底壁部2と各側壁部3、4とが別成形されるため、SNコンテナ81のように下方に向けて若干窄めるようにして形成する必要がなく、台壁部5の内側面と、起立状態にある長辺側壁部4の内側面の上縁部の位置とが変わらない(ずれ防止凸部15の内側面と、短辺側壁部3の内側面の位置とが変わらない)。このため、組み立てた状態の折り畳みコンテナ1の上側にSNコンテナ81を載せると、各支脚部87の下面が長辺側壁部4及び短辺側壁部3の上面に当接して支持されるとともに、各寄せリブ87が長辺側壁部4及び短辺側壁部3の内側面に当接して位置決めされることとなる。尚、SNコンテナ81の上側に折り畳みコンテナ1を段積みすることも可能である。
以上詳述したように、本実施形態によれば、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナ1の上側にSNコンテナ81を積み重ねた場合、一対の台壁部5の上面に支脚部87の下面が当接して支持状態とされ(段積み状態とされ)る。さらに、折り畳みコンテナ1の一対の台壁部5の間にSNコンテナ81のベース壁部82が進入することで、台壁部5の延在方向に対して直交する方向(底壁部2の短手方向)へのSNコンテナ81の位置ずれが防止され、台壁部5の上面に当接した支脚部87が、位置決め部91(ずれ止めリブ92)に対して、台壁部5の延在方向において当接又は略当接することで、台壁部5の延在方向(底壁部2の長手方向)へのSNコンテナ81の位置ずれが防止されるようになっている。従って、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナ1の上側にSNコンテナ81を段積みしたとしても、SNコンテナ81の位置ずれ(がたつき)を防止することができる。結果として、折り畳みコンテナ1及びSNコンテナ81の両方を扱う場所でのコンテナ1、81の運搬作業性、利便性等を向上させることができる。
また、SNコンテナ81のうち相対する一対の長側壁部85にそれぞれ形成された第2支脚部87bは、互いに対向する位置に設けられているとともに、位置決め部91が各台壁部5の延在方向中央部を中心として対称に設けられている。このため、折り畳まれた折り畳みコンテナ1の上側に、折り畳みコンテナ1の長手方向とSNコンテナ81の長手方向とを合わせるようにして、SNコンテナ81を特定の向きで積み重ねた場合、及び、SNコンテナ81を前記特定の向きとは180度回転した向きで積み重ねた場合のどちらでも、第2支脚部87bを位置決め部91で位置決めすることができる。従って、SNコンテナ81を段積みする際の向きの確認作業の簡素化等を図ることができ、結果として、段積み作業性の向上を図ることができる。
さらに、例えば、位置決め部91を、第1支脚部87aに対応して、台壁部5の延在方向両側部近傍に形成しようとすると、長辺側壁部4と台壁部5とを連結する長辺側軸受部16を台壁部5の延在方向両側部近傍に形成することができなくなってしまうことが懸念される。すなわち、長辺側ヒンジ部43を長辺側壁部4の両側部近傍に設けて長辺側壁部4の両側部を支持することができないため、長辺側壁部4の動作の安定性が低下したり、長辺側軸受部16を形成するとともに長辺側軸受部16に長辺側ヒンジ部43を連結することで台壁部5の両側部の強度を高めることができなくなったりする等の不具合を招くおそれがある。
これに対し、本実施形態によれば、位置決め部91は、第1支脚部87aよりも長辺側壁部4の延在方向中央部側に設けられる第2支脚部87bに対応して形成されている。このため、台壁部5に形成される長辺側軸受部16を極力台壁部5の延在方向両側部近傍に設けることができる。このように台壁部5の両側部近傍において長辺側軸受部16を設けたり、長辺側ヒンジ部43を連結したりすることで、長辺側壁部4をよりスムースに動作させることができたり、台壁部5の両側部近傍の強度を高めたりすることができる。
また、長辺側壁部4には、位置決め部91に対応する位置において、位置決め部91との接触を回避するための許容凹部96が形成されている。このため、長辺側ヒンジ部43を介して長辺側壁部4を回動動作させる際に長辺側壁部4と位置決め部91との干渉を避けることができ、長辺側壁部4をスムースに回動動作させることができる。また、長辺側壁部4の位置決め部91に対応する部位だけに許容凹部96を形成することで、長辺側壁部4を起立させたときに、長辺側壁部4と台壁部5との間に大きな隙間が形成されてしまい、外観品質の低下を招くといった事態を防止することができる。
さらに、位置決め部91は、一対のずれ止めリブ92のうち、底壁部2の外周側の縦辺部同士を連結する連結リブ93を備えていることにより、位置決め部91の強度の向上を図ることができる。また、長辺側壁部4を起立させたときに、一対のずれ止めリブ92の間において折り畳みコンテナ1の内側を臨む開口が形成されることに起因して外観品質の低下を招いてしまうといった事態を防止することができる。
加えて、位置決め部91に設けられた案内リブ94の存在により、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナ1の上側にSNコンテナ81を段積みする際に、一旦、第2支脚部87bが、各台壁部5に設けられた一対の位置決め部91の間に位置するようにSNコンテナ81を載せたとしても、その後、第2支脚部87bと位置決め部91とが近付くようにSNコンテナ81を相対的にスライドさせることで、第2支脚部87bが案内リブ94に案内されて(比較的スムースに案内リブ94に乗り上げて)第2支脚部87bを一対のずれ止めリブ92の間に位置させることができる。このため、段積み作業性(特に、比較的高く段積みする際の作業性)の向上を図ることができる。
また、折り畳みコンテナ1の下部には、位置決め部91に対応する位置において、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナ1の上側に折り畳みコンテナ1を段積みする場合に、下側の折り畳みコンテナ1の位置決め部91との接触を回避するための下面凹部98が形成されている。このため、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナ1の上側に段積みされた折り畳みコンテナ1が下側の折り畳みコンテナ1の位置決め部91(ずれ止めリブ92等)に乗り上げてしまうといった事態を回避することができる。従って、段積みされた折り畳みコンテナ1の嵩(積み重ねられた折り畳みコンテナ1全部の高さ)が増してしまうといった事態を防止するとともに、段積み状態の安定化を図ることができる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態では、台壁部5(上壁部12)の上面から上方に突出するずれ止めリブ92を設けることで位置決め手段を構成しているが、例えば、台壁部5の上面側に対し上方及び底壁部2内周側に開口する凹部を設けることによって位置決め手段を構成してもよい。この場合、台壁部5から上方に突出するずれ止めリブ92等が存在しないため、長辺側壁部4に許容凹部96を設けたり、台壁部5の下部に下面凹部98を設けたりする必要がなく、構成の簡素化が図られる。また、通常のボックス型のコンテナに関し、その下部に下面凹部98等を形成しなくても、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナ1の上側に段積みすることができる。さらには、スライドスタックも問題なく行うことができる。尚、当該構成を採用する場合、位置決め手段としての凹部に挿入されて位置決めされる第2支脚部が支持される上下位置と、第1支脚部が支持される上下位置とを合わせる(傾かないように積み重ねていく)べく、第1支脚部に対応する位置にも第1支脚部の下端部を挿入可能な凹部を形成する。
(b)上記実施形態では、折り畳みコンテナ1を折り畳み状態とする際に、短辺側壁部3が先に折り畳まれて底壁部2の上側に重なり、その後、長辺側壁部4が折り畳まれて短辺側壁部3の上側に重なるよう構成されているが、長辺側壁部4が先に折り畳まれて底壁部2の上側に重なり、その後、短辺側壁部3が長辺側壁部4の上側に重なるよう構成してもよい。この場合、台壁部5は、底壁部2の長辺部ではなく短辺部に沿って形成されることとなる。また、上記実施形態では、底壁部2が略矩形状に構成されているが、例えば、底壁部2が略正方形状に構成されることとしてもよい。
(c)上記実施形態では、各台壁部5に設けられる一対の位置決め部91の間に第2支脚部87bを載せることでその後、スライドスタックを行うことができるように構成されているが、一対の位置決め部91の間に第1支脚部87aを載せることでも、その後スライドスタックを行うことができるように構成してもよい。
具体例としては、第2支脚部87bの周壁部83からの突出長を、第1支脚部87aの周壁部83からの突出長よりも短くするとともに、位置決め部91の連結リブ93を、段積み状態において第2支脚部87bの周壁部83からの突出方向先端部に略当接する位置に設け、たとえ第1支脚部87aと位置決め部91との位置を合致させて折り畳みコンテナ1にSNコンテナ81を載せても第1支脚部87aの下面と連結リブ93とが当接し、位置決め部91の内側(一対のずれ止めリブ92の間)に第1支脚部87aが進入しないように構成する。また、一対のずれ止めリブ92のそれぞれに、一対のずれ止めリブ92の互いに対向する面とは反対側の面に案内リブ94を形成する。さらに、上記実施形態に比べ、第2支脚部87bの形成位置を、案内リブ94のずれ止めリブ92からの延出長以上、長側壁部85の長手方向中央部側とするとともに、位置決め部91を当該第2支脚部87bに対応させた位置に設ける。
当該構成を採用することで、一対の位置決め部91の間に第1支脚部87aを載せ、その後、SNコンテナ81をスライドさせると、第1支脚部87aが位置決め部91の案内リブ94に乗り上げた後、連結リブ93の上辺部に摺接しつつ位置決め部91を乗り越えて台壁部5の上面と当接状態とされるとともに、第2支脚部87bが案内リブ94に乗り上げた後、位置決め部91の内周側に挿入される。
尚、案内リブ94を両方のずれ止めリブ92に設ける場合、第2支脚部87bが位置決め部91に位置決めされた状態(段積み状態)において、第1支脚部87aが案内リブ94に乗り上げた状態とならないように、案内リブ94を形成した分だけ第2支脚部87bを長側壁部85の長手方向中央部側に寄せて設ける必要がある。但し、上記実施形態のように、一対のずれ止めリブ92のうち台壁部5の長手方向中央部側のずれ止めリブ92にだけ案内リブ94を形成し、第2支脚部87bを極力長側壁部85の側辺部側に設けることで、段積み状態の安定化を図ることができる。
(d)上記実施形態において、SNコンテナ81の支脚部87やポケット部89の形成位置は特に限定されるものではなく、スタッキング及びネスティングの両方ができるように構成されるとともに、折り畳まれた状態にある折り畳みコンテナ1の上側に段積みした場合に、一対の台壁部5に対してそれぞれいずれかの支脚部87が載置されるように構成されていればよい。
また、上記実施形態では、支脚部87と当該支脚部87が進入可能なポケット部89とが別の位置に設けられているが、例えば、支脚部87を上方かつ周壁部83の内周側に開口する中空状に構成し、支脚部87の内側空間によってポケット部89を構成するよう構成してもよい。この場合、SNコンテナ81同士を同じ向きで積み重ねることでネスティングができ、180度回転させた向きで積み重ねることでスタッキングができるようになる。
(e)上記実施形態では、第2支脚部87bの位置ずれを防止する位置決め部91が設けられているが、さらに、第1支脚部87aの位置ずれを防止する位置決め部を設けることとしてもよい。但し、第1支脚部87aに対応する位置決め部も設けるとなると、長辺側軸受部16の形成位置の確保が困難となり、長辺側軸受部16を台壁部5の長手方向中央部側に寄せたり、長辺側軸受部16の数を減らしたり小さくしたりする必要が生じるおそれがある。この場合、長辺側壁部4との連結が弱くなって、物品を収容した折り畳みコンテナ1を長辺側壁部4に形成された持ち手孔52に手を掛けて持ち上げた場合等に不具合が生じたり、段積み状態の不安定化を招いたりすることが懸念される。また、製造誤差等が生じた場合、第1及び第2支脚部87bのどちらかが対応する位置決め部91に上手く嵌らないことに起因して段積みが行えないといった事態を招くおそれがある。これに対し、上記実施形態のように第2支脚部87bの位置ずれを防止する位置決め部91のみを設けることによって、上記不具合を回避することができる。
(f)上記実施形態では、ヒンジ手段は、長辺側壁部4及び短辺側壁部3と一体的に形成された長辺側ヒンジ部43及び短辺側ヒンジ部63によって構成されているが、長辺側壁部4及び短辺側壁部3とは別体として形成されてもよい。
(g)上記実施形態では特に言及していないが、例えば、SNコンテナ81や折り畳みコンテナ1をバージン材料とリサイクル材料とで形成することとしてもよい。この場合、材料費を低減させることができる上、省資源化を図ることができる。また、SNコンテナ81の長手方向中央部よりも一方の短側壁部86側をバージン材料で形成し、他方の短側壁部86側を前記バージン材料とは色の異なるリサイクル材料で形成することとしてもよい。この場合、SNコンテナ81の向きを瞬時に判断することができ、スタッキングしたりネスティングしたりする際の作業性の向上を図ることができる。
(h)上記実施形態では、折り畳みコンテナ1及びSNコンテナ81はポリプロピレンにより構成されているが、ポリエチレン、PET、ポリアミド等その他の樹脂材料により構成されることとしてもよい。