以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態に係る画像形成装置及びセンサ制御装置について説明をする。
<第1の実施形態>
図1に示す複写機100は画像形成装置の一例を構成するものであり、例えば、原稿dから読み取って得た画像データに基づいて所定の用紙Pに画像を形成するものである。複写機100は装置本体部101を有している。装置本体部101には、画像書込み部30、画像形成部4、画像読取部31、画像処理部32、給紙カセット51,52,53、手差し給紙トレイ54、排紙トレイ55、第1給紙部61,62,63,64、第2給紙部66、定着装置7、排紙部8、自動両面コピー給紙部(ADU)82、操作&表示部9が設けられている。
画像読取部31は、原稿dを走査露光して画像を読み取り、画像データD1(図2参照)を出力する。画像読取部31にはスキャナが使用される。画像データD1は、画像読取部31から得られる他、パソコン等からの画像信号、ネットワークからの外部信号、ファクシミリからの画像信号等を入力してデジタル処理したものでもよい。
装置本体部101の上部には、自動原稿送り装置DFが搭載されている。自動原稿送り装置DFの原稿台上に載置された原稿dは、矢印方向に搬送され、画像読取部31の光学系により原稿dの片面又は両面の画像が読みとられ、CCD(固体撮像素子)を使用したイメージセンサ1Aに読み込まれる。イメージセンサ1Aにより光電変換されたアナログの画像信号は、画像処理部32において、アナログ処理、A/D変換処理、シェーディング補正処理、画像圧縮処理等を行った後、画像データD1となって画像書込み部30に転送される。
画像書込み部30においては、レーザーダイオード(LD)から出射されたレーザー出力光が画像形成部4で像担持体の一例を構成する感光体ドラム41に照射され、静電潜像を形成する。画像書込み部30に隣接する画像形成部4においては、用紙Pの所定の面に画像を形成するために、帯電、露光、現像、転写、分離、クリーニング等の処理が行われる。感光体ドラム41の下方には転写部42が設けられる。転写部42は、例えば、転写ベルト42a及び帯電器42bを有して構成される。転写ベルト42aは帯電器42bを介して感光体ドラム41と反対の電位に帯電される。
この例では、画像形成部4に関して、白黒用の画像形成機能について説明しているが、もちろん、イエロー(Y)色、マゼンタ(M)色、シアン(C)色、黒(K)色のカラー用の画像形成機能を備えた画像形成部4を構成するようにしてもよい。
画像形成部4の下方には用紙搬送部の一例を構成する給紙カセット51〜53及び第1給紙部61〜64が備えられ、転写部42に用紙Pを搬送するようになされる。給紙カセット51〜53は収納部材の一例を構成し、所定の載置向きに揃えられた用紙Pを収納する。以下で、給紙カセット51はトレイ1に対応し、給紙カセット52はトレイ2に対応させている。
装置本体部101の図示の右側面の側には、手差し給紙トレイ54が設けられる。給紙カセット51〜53又は、手差し給紙トレイ54から第1給紙部61〜64により給送された用紙Pは、第2給紙部66(レジストローラ等)により用紙搬送制御を受けて転写部42に搬送される。第2給紙部66は用紙Pの搬送タイミングと画像転写位置とを合わせる機能を有している。転写部42は、感光体ドラム41に形成されたトナー画像を所定の用紙Pに転写する。例えば、転写部42は、搬送タイミングが合わせ込まれた用紙Pの所定の面に画像を転写(担持)する。
画像を担持した用紙Pは、定着装置7により定着され、排紙部8から排紙トレイ55等に排紙される。定着装置7の下流側には、搬送路切換板81及び自動両面コピー給紙部82が設けられる。定着後の用紙Pは、両面印刷モードが設定されている場合であって、排紙される前に、搬送路切換板81により自動両面コピー給紙部82に送り込まれ、片面画像処理済みの用紙Pが再び画像形成部4において、両面画像処理された後に、排紙部8から排紙トレイ55へ排出するようになされる。
この例で感光体ドラム41の下流側には巻き付き検出部の一例となる光学センサ(以下巻き付きセンサ部13という)が設けられる。ここに、感光体ドラム41の下流側とは、当該感光体ドラム41と転写部42の転写ベルトのニップ位置を基準にして、ニップ位置に用紙Pが進入する側を上流側としたとき、当該ニップ位置から用紙Pが排紙される側をいう。巻き付きセンサ部13は、第2給紙部66によって転写部42へ搬送される用紙Pが感光体ドラム41に巻き付いたか否かを検出して用紙巻き付き検出信号S13を発生する。
続いて、図2を参照して、複写機100の制御系の構成例について説明する。図2に示す複写機100は、操作&表示部9及び装置本体部101を有して構成される。操作&表示部9は操作部及び表示部の一例を構成し、装置本体部101の外側、例えば、装置本体部101の上面(操作面)に設けられる。装置本体部101の内部には、トレイセンサ部11,12、巻き付きセンサ部13、操作パネル制御部59及び制御ユニット90が設けられる。
操作&表示部9は画像濃度や、複写枚数、用紙サイズ、紙種、斤量、給紙カセット選択等の画像形成条件を設定するように操作される。操作&表示部9は、操作データD92を制御ユニット90の操作パネル制御部59へ出力し、又は、その操作パネル制御部59から表示データD91を入力する。
操作データD92は、例えば、画像形成部4によって画像が形成される用紙Pに関して、給紙カセット選択を指示するためのデータである。また、操作データD92は操作部92で設定される用紙Pの表裏指定に基づくデータである。表示データD91は、例えば、基本設定画面や、トレイ選択画面、設定メニュー画面、ユーザ設定画面、コピー設定画面等(図示せず)を表示するためのデータである。操作&表示部9には液晶表示装置や、タッチパネル、テンキー等の入力ツールが使用される。
この例で、操作&表示部9のトレイ選択画面では、表示データD91に基づいて用紙Pの載置向きの変更を促す画像が表示される。例えば、「トレイ1の用紙を表裏反転し、再セットしてください。」等の文字情報が表示される(図3参照)。この例で、文字情報は、トレイ1(給紙カセット51)が再セットされると上述の表示が終了する。
操作&表示部9は操作パネル制御部59に接続される。操作パネル制御部59は操作パネル制御信号S25に基づいて操作&表示部9の入出力を制御する。例えば、操作パネル制御部59は操作&表示部9から操作データD92を入力して制御部25へ転送する。また、操作パネル制御部59は制御部25から表示データD91を入力して操作&表示部9へ転送する。操作パネル制御信号S25は、制御部25から操作パネル制御部59に出力される。例えば、制御部25は、給紙カセット51等の内部に収納された用紙Pの表裏反転載置又は前後反転載置をユーザに促す画像を表示するので、当該給紙カセット51等内に収納された用紙Pの表裏反転載置又は前後反転載置の指示を確認できるようになる。
一方、トレイセンサ部11は図1に示した給紙カセット51に設けられる。トレイセンサ部11は給紙カセット51内に用紙Pが収納(セット)されたこと、又は、給紙カセット51が引き出されたことを検出してトレイセット信号S11を発生する。例えば、トレイセット信号S11がハイ・レベルで用紙Pセット、ロー・レベルで用紙非セットの状態を示す信号となる。
トレイセンサ部12は図1に示した給紙カセット52に設けられる。トレイセンサ部12は給紙カセット52内に用紙Pが収納(セット)されたこと、又は、トレイ2が引き出されたことを検出してトレイセット信号S12を発生する。例えば、トレイセット信号S12がハイ・レベルで用紙Pセット、ロー・レベルで用紙非セットの状態を示す信号となる。図示せずも、トレイ3センサ部は図1に示した給紙カセット53に設けられる。
巻き付きセンサ部13は、図1に示した転写部42へ搬送される用紙Pが感光体ドラム41に巻き付いたか否かを検出して用紙巻き付き検出信号S13を制御部25に出力する。上述のトレイセンサ部11、トレイセンサ部12及び巻き付きセンサ部13には反射型や透過型の光学センサが使用される。
制御ユニット90は、制御部25及びデータ処理部26,27を有して構成される。制御部25は巻き付きセンサ部13及びデータ処理部26,27に接続される。制御部25は、給紙カセット51(トレイ1)又は給紙カセット52(トレイ2)から繰り出される用紙Pの搬送時に、巻き付きセンサ部13から用紙巻き付き検出信号S13を入力し、用紙巻き付き検出信号S13をアナログ・デジタル処理してジャム発生回数を示すデータ(以下ジャム発生データD31又はD32という)を生成する。制御部25には中央演算処理装置(CPU)が使用される。
ジャム発生データD31は、給紙カセット51から繰り出された用紙Pが感光体ドラム41に巻き付いた累積回数(以下ジャム発生回数という)を示す。ジャム発生データD31は、給紙カセット51に対応してデータ処理部26に出力される。また、ジャム発生データD32は、給紙カセット52から繰り出された用紙Pが感光体ドラム41に巻き付いた累積回数(以下ジャム発生回数という)を示す。ジャム発生データD32は、給紙カセット52に対応してデータ処理部27に出力される。
上述のトレイセンサ部11はトレイ1用のデータ処理部26に接続される。データ処理部26は、カウンタ21及びトレイ1情報用のメモリ23を有して構成される。カウンタ21は給紙カセット51から繰り出された用紙Pのジャム発生回数をカウントする。用紙Pのトレイ1に係るジャム発生回数を示すジャム発生データD31は、制御部25からカウンタ21及びメモリ23に出力される。メモリ23にはトレイ1の用紙Pの巻き付き履歴としてトレイ1情報等の履歴データが記録される。トレイ1情報には、給紙カセット51内に用紙Pが収納されたことを示すトレイセット情報や、給紙カセット51から繰り出された用紙Pのジャム発生データD31等が含まれる。
トレイセンサ部12はトレイ2用のデータ処理部27に接続される。データ処理部27は、カウンタ22及びトレイ2情報用のメモリ24を有して構成される。カウンタ22は給紙カセット52から繰り出された用紙Pのジャム発生回数をカウントする。用紙Pのトレイ2に係るジャム発生回数を示すジャム発生データD32は、制御部25からカウンタ22及びメモリ24に出力される。
メモリ24にはトレイ2の用紙Pの巻き付き履歴としてトレイ2情報等の履歴データが記録される。トレイ2情報には、給紙カセット52内に用紙Pが収納されたことを示すトレイセット情報や、給紙カセット52から繰り出された用紙Pのジャム発生データD32等が含まれる。上述した巻き付き履歴の保存は、制御部25において、ドラム巻き付き状態から用紙Pの表裏反転を判断し、用紙Pの設置指示等を実行できるようにするためである。
上述の制御部25は、巻き付きセンサ部13から出力される用紙巻き付き検出信号S13に基づいて給紙カセット51等内に収納された用紙Pの載置向きの変更を促す表示制御を実行する。例えば、制御部25は、給紙カセット51から繰り出された用紙Pが感光体ドラム41に巻き付いたジャム発生回数と比較基準回数とを比較し、ジャム発生回数が比較基準回数を越えた場合に、給紙カセット51内に収納された用紙Pの表裏反転載置又は前後反転載置を促す画像を表示するように操作パネル制御部59を介して操作&表示部9を制御する。
この表示制御によって、カット紙のバリ(図4の中でPbで示す)の発生方向を原因とする用紙Pのドラム巻き付き現象を低減できるようになると共に、感光体ドラム41から用紙Pを取り除くジャム処理作業を極力低減できるようになる。なお、制御部25は給紙カセット51内に収納された用紙Pの載置向きの変更操作を検出し、ここに検出された変更操作に基づいて累積回数をゼロに戻すためにカウンタ21をリセットする。このように制御部25がカウンタ21を制御すると、新たに、用紙Pが感光体ドラム41に巻き付いたか否かを検出して得られる用紙巻き付き検出信号S13に基づいてジャムの発生等を検出(監視)できるようになる。
もちろん、給紙カセット51,52,53のように複数設けられる場合であって、制御部25は、給紙カセット51,52,53毎に用紙Pが感光体ドラム41に巻き付いた回数を累積し、給紙カセット51,52,53毎に収納された用紙Pの載置向きの変更操作を検出し、ここに検出された変更操作に基づいて給紙カセット51,52,53毎に累積した回数をリセットするようになされる。これにより、新たに、用紙Pが給紙カセット51,52,53毎に感光体ドラム41に巻き付いたか否かを検出して得られる用紙巻き付き検出信号S13に基づいて給紙カセット51,52,53毎にジャムの発生等を検出(監視)できるようになる。
続いて、図3を参照して、操作&表示部9におけるトレイ選択画面の表示例について説明する。図3に示す操作&表示部9は、表示部91及び操作部92から構成される。操作部92は、テンキーや、押しボタン等の入力ツールを有して構成される。操作部92は用紙Pの表裏及び前後の指定を登録する際に操作される。
表示部91は、液晶表示装置及びタッチパネルから構成され、所定の大きさの表示画面を有している。表示部91の表示画面には、トレイ選択画面G1が表示される。トレイ選択画面G1には、メッセージ領域A1や「トレイ1」、「トレイ2」、「トレイ3」のそれぞれに対応したアイコンボタンK1,K2,K3が設けられている。「トレイ1」は給紙カセット51に対応し、「トレイ2」は給紙カセット52に対応し、「トレイ3」は給紙カセット53に対応している。
メッセージ領域A1には「トレイ1の用紙を表裏反転し、再セットしてください。」等の用紙Pの表裏反転設置を指示する旨の文字情報が表示される。この文字情報は、トレイセット後、同一トレイからの給紙による巻き付きJAMが一定回数発生に到達した場合、この例では、給紙カセット51から繰り出された用紙Pが感光体ドラム41に巻き付いたジャム発生回数が比較基準回数を越えた場合に表示される。
その際に、「トレイ1」のアイコンボタンK1の表示色が他のアイコンボタンK2,K3に対して変化している(図中、梨地で示す)。例えば、アイコンボタンK2,K3が白地に黒色表示されるのに対して、アイコンボタンK1が白地に青色表示される。もちろん、表示色は、これに限られることはなく、他のアイコンボタンK2,K3の表示色と区別が付き、注意を喚起できるような赤色や黄色等であってもよい。これにより、制御部25は表示部91を介して、各トレイ内の用紙Pを表裏反転設置するような指示を実行することができる。
続いて、図4A〜Cを参照して、用紙Pの転写例について説明する。図4A〜Cにおいて、矢印は用紙Pの給紙方向Iである。図4Aに示す用紙Pはカット紙であって、用紙Pの切断面にバリPb(突起物)が発生し、そのバリPbが上方を向いている場合である。バリPbは、大きなサイズ、例えば、A2版紙をA3版紙に裁断して使用しようとした場合に、裁断刃が一定方向に押し切る形態で押下力が紙に作用するために、裁断後の用紙Pの切断面に突起物となって現れるものである。
このバリPbが上方を向いている場合は、感光体ドラム41に用紙巻き付き現象は生じない。これは、図20Bに示した場合に比べて、図4Bに示す感光体ドラム41と用紙Pとの間に隙間が生じる。用紙Pと転写ベルト42a側との間は放電が連続的に発生し、用紙Pと感光体ドラム41側の電位は低下し、感光体ドラム41と用紙Pとの間の吸着力が低下して、感光体ドラム41から用紙Pが分離し易くなるためである。
図4Cに示す感光体ドラム41の下流側には、巻き付きセンサ部13が設けられる。巻き付きセンサ部13は、第2給紙部66によって転写部42へ搬送される用紙Pが感光体ドラム41に巻き付いたか否かを検出するように動作する。用紙PのバリPbが上方を向いている場合は、感光体ドラム41から分離された用紙Pが巻き付きセンサ部13の下方、すなわち、センサ領域を通過して行くので、「用紙Pが正常に分離された」を示す、例えば、ハイ・レベルの用紙巻き付き検出信号S13が制御部25に出力される。
反対に、用紙PのバリPbが下方を向いている場合(図16A参照)は、感光体ドラム41から分離されずに用紙Pが感光体ドラム41に巻き付く現象が発生し易く、用紙Pが巻き付きセンサ部13の上方、すなわち、センサ領域以外を通過して行くので、一定時間経過後、「用紙Pが感光体ドラム41に巻き付いた」を示す、例えば、ロー・レベルの用紙巻き付き検出信号S13が制御部25に出力される。
続いて、図5A〜Cを参照して、用紙Pの表裏反転例について説明する。図5Aに示す用紙Pはカット紙であって、用紙PのバリPb(図5Aでは図示せず)が紙面奥側を向いて図示しない給紙カセットに収納された場合である。この場合、便宜上、用紙Pの中に記述したR字が正常に読める向きとなっている。
この例では、図3に示したトレイ選択画面G1で「トレイ1の用紙を表裏反転し、再セットしてください。」等の文字情報が表示された場合、ユーザにより、図5Bに示す用紙Pを表裏反転するようになされる。図5Bにおいて、矢印は用紙Pの表裏反転方向IIである。この例では、用紙繰出し用の第1給紙部61(搬送ローラ)を基準にして、用紙Pの束をそっくり時計方向に回転して表裏を反転している。もちろん、反時計方向に用紙Pの束を回転して表裏を反転してもよい。
図5Cに示す用紙Pは表裏反転された後の状態である。用紙PのバリPbが用紙Pの紙面奥側から紙面手前側に向き直って図示しない給紙カセットに収納された場合である。この場合、用紙Pの中に記述したR字が反転して正常に読めない向きとなっている。このように用紙Pを表裏反転設置することで、用紙Pが感光体ドラム41に到達した際に、バリPbが上方(感光体41側)を向くようになり、図20Bに示したような用紙巻き付き現象が発生しなくなる。
続いて、図6〜図8を参照して、複写機100における用紙Pの表裏反転設置の表示制御例について説明する。この実施形態では、画像形成部4が感光体ドラム41に画像を形成し、転写部42が感光体ドラム41に形成された画像を所定の用紙Pに転写する場合である。この場合であって、給紙カセット51,52等をセット後、同一の給紙カセット51,52又は53から給紙による用紙巻き付きジャム(JAM)が発生した場合、制御部25が感光体ドラム41への用紙Pの巻き付きを検知し、及び、用紙Pの巻き付き履歴を管理し、当該巻き付き履歴の状況から、用紙Pの表裏反転設置を指示するような表示制御を実行する。
この例では、給紙カセット51をトレイ1とし、給紙カセット52をトレイ2として、所定回数を越える用紙巻き付きジャム(JAM)が発生した場合に、表示部91のトレイ選択画面G1に「トレイ1の用紙を表裏反転し再セットしてください。」の文字情報を表示する場合を例に挙げる。上述のドラム巻き付き履歴はトレイ1やトレイ2等のトレイ毎に保存される。なお、表裏指定がされている用紙Pを取り扱う場合であって、ドラム巻き付きを検出した場合は、表裏反転指示を表示しない。
これらを表示制御条件にして、図6に示すステップST1で制御部25は、ドラム巻き付きジャムの発生に対応して制御を分岐する。このとき、巻き付きセンサ部13は、第2給紙部66によって搬送される用紙Pが感光体ドラム41に巻き付いた場合に、ロー・レベルの用紙巻き付き検出信号S13を制御部25に出力する。
ドラム巻き付きジャムが発生した場合は、ステップST2に移行してロー・レベルの用紙巻き付き検出信号S13を入力した制御部25は、用紙Pが給紙カセット51、すなわち、トレイ1からの給紙か否かを判別する。この際の判断基準は、操作部92で設定されたトレイ1の選択に基づく操作データD92の入力履歴等を確認することで行われる。
用紙Pがトレイ1からの給紙である場合は、ステップST3に移行して制御部25は、図2に示したカウンタ21をカウントアップ(UP)して、トレイ1のドラム巻き付きジャム(JAM)発生回数のカウントを開始する。トレイ1のドラム巻き付きジャム(JAM)発生回数は、巻き付き履歴としてメモリ23に記録される。
そして、ステップST4に移行して制御部25は、トレイ1のドラム巻き付きジャム発生回数が所定回数を越えたか否かを判別する。この際に制御部25は、カウンタ21のカウント値と比較基準回数とを比較することで、トレイ1のドラム巻き付きジャム発生回数が所定回数に到達したか、未だ到達していないかを基準にして判断する。
トレイ1のドラム巻き付きジャム発生回数が所定回数以上となった場合は、ステップST5に移行して制御部25が用紙Pに関して表裏指定の有無に対応して制御を分岐する。その際の制御部25は、操作部92で設定された用紙Pに関して表裏指定に基づく操作データD92の入力履歴等を確認することで指定有無を判断する。
用紙Pに関して表裏指定が無い場合は、ステップST6に移行して制御部25が操作&表示部9を表示制御して、図3に示した表示部91に「トレイ1の用紙を表裏反転し、再セットしてください。」の文字情報を表示するようになされる。
その後、ステップST7に移行して制御部25はジャム解除を待つ。ジャム解除はユーザによって行われ、ジャム解除作業が終了した場合は、図8に示すステップST8に移行して制御部25は、トレイ1再セットの検知を待つ。このとき、トレイセンサ部11は、用紙Pの再セットを検知すると、トレイセット信号S11をデータ処理部26に出力する。
その後、ステップST9で制御部25は、表示部91における「トレイ1の用紙を表裏反転し、再セットしてください。」の文字情報の表示を終了する。そして、ステップST10で制御部25はカウンタ21をクリアして、トレイ1のドラム巻き付きジャム発生回数をゼロ更新する。なお、ステップST9における文字情報の表示終了と、ステップST10におけるカウンタ21のクリアとは同時に実行しても、また、カウンタ21のクリアを先に実行し、その後、文字情報の表示を終了してもよい。その後、ステップST25に移行する。
上述のステップST4でトレイ1のドラム巻き付きジャム発生回数が所定回数に到達していない(未満である)場合、又は、ステップST5で用紙Pに関して表裏指定が有る場合は、ステップST11に移行して制御部25は、ジャム解除を待つ。ユーザによってジャム解除作業が終了した場合は、図8に示すステップST25に移行する。
また、ステップST2で制御部25は、用紙Pが給紙カセット52、すなわち、トレイ2からの給紙か否かを判別する。この際に制御部25は、操作部92で設定されたトレイ2の選択に基づく操作データD92の入力履歴等を確認することで給紙先を判断する。用紙Pがトレイ2からの給紙である場合は、図7に示すステップST12に移行して制御部25は、カウンタ22をカウントアップ(UP)して、トレイ2のドラム巻き付きジャム発生回数のカウントを開始する。
そして、ステップST14に移行して制御部25は、トレイ2のドラム巻き付きジャム発生回数が所定回数を越えたか否かを判別する。この際の制御部25は、カウンタ22のカウント値と比較基準回数とを比較することで、トレイ2のドラム巻き付きジャム発生回数が所定回数に到達したか、未だ到達していないかを基準にして判断する。
トレイ2のドラム巻き付きジャム発生回数が所定回数以上となった場合は、ステップST14に移行して制御部25は、用紙Pに関して表裏指定の有無に対応して制御を分岐する。その際の制御部25は、操作部92で設定された用紙Pに関して表裏指定に基づく操作データD92の入力履歴等を確認することで指定有無を判断する。
用紙Pに関して表裏指定が無い場合は、ステップST15に移行して制御部25が操作&表示部9を表示制御して、図3に示した表示部91に「トレイ2の用紙を表裏反転し、再セットしてください。」の文字情報を表示するようになされる。
その後、ステップST16に移行して制御部25はジャム解除を待つ。ユーザによってジャム解除作業が終了した場合は、ステップST17に移行して制御部25は、トレイ1再セットの検知を待つ。このとき、トレイセンサ部12は、用紙Pの再セットを検知すると、トレイセット信号S12をデータ処理部27に出力する。
その後、ステップST18で制御部25は、表示部91における「トレイ2の用紙を表裏反転し、再セットしてください。」の文字情報の表示を終了する。そして、ステップST19で制御部25はカウンタ22をクリアして、トレイ2のドラム巻き付きジャム発生回数をゼロ更新する。その後、ステップST25に移行する。
上述のステップST13でトレイ2のドラム巻き付きジャム発生回数が所定回数に到達していない(未満である)場合及び、ステップST14で用紙Pに関して表裏指定が有る場合は、ステップST20に移行して制御部25は、ジャム解除を待つ。ユーザによってジャム解除作業が終了した場合は、図8に示すステップST25に移行する。
なお、ステップST1でドラム巻き付きジャムが発生していない場合は、図8に示すステップST21に移行して、制御部25は、トレイ1の開閉の有無に基づいて制御を分岐する。このとき、給紙カセット51の出し入れが有って、トレイ1開閉有りを示すトレイセット信号S11をトレイセンサ部11から入力した場合は、ステップST22に移行する。
ステップST22で制御部25はカウンタ21をクリアして、トレイ1のドラム巻き付きジャム発生回数をゼロ更新する。その後、ステップST23に移行して、制御部25は、トレイ2の開閉有無に基づいて制御を分岐する。このとき、給紙カセット52の出し入れが有って、トレイ2開閉有りを示すトレイセット信号S12をトレイセンサ部12から入力した場合は、ステップST24に移行する。ステップST24で制御部25はカウンタ22をクリアして、トレイ2のドラム巻き付きジャム発生回数をゼロ更新する。その後、ステップST25に移行する。
ステップST25で制御部25は用紙反転表示制御の終了を判別する。この際の判断基準は、例えば、電源オフ情報を検出して用紙反転表示制御を終了するか否かを判別する。所定時間を経過しても、電源オフ情報が検出されない場合は、ステップST1に戻って上述した制御を繰り返すようになされる。電源オフ情報が検出された場合は、用紙反転表示制御を終了する。
このように第1の実施形態としての複写機100によれば、第2給紙部66によって転写部42へ搬送される用紙Pが感光体ドラム41に巻き付いたか否かを検出して用紙巻き付き検出信号S13を制御部25に出力する巻き付きセンサ部13を備える。制御部25は、巻き付きセンサ部13から出力される用紙巻き付き検出信号S13に基づいて給紙カセット51等に収納された用紙Pの載置向きの変更を促す表示制御を実行する。
従って、用紙Pが感光体ドラム41に所定回数巻き付いた場合に、「トレイ1の用紙を表裏反転し、再セットしてください。」等の用紙Pの載置向きの変更を促す画像を表示できるようになる。この表示を通して、給紙カセット51等に収納された用紙Pの表裏反転載置の指示を確認できるようになる。これにより、カット紙のバリPbの発生方向を原因とする用紙Pのドラム巻き付き現象を低減できるようになると共に、感光体ドラム41に巻き付いた用紙Pを取り除くジャム処理作業を極力低減できるようになる。
<第2の実施形態>
続いて、図9を参照して、第2の実施形態としての分離センサ部14の配置例及びその機能例について説明する。図9に示す複写機100には、用紙分離検出部の一例を構成する分離センサ部14が備えられる。分離センサ部14は、感光体ドラム41からの用紙Pの分離性を監視(検出)する。なお、第1の実施形態と同じ符号及び同じ名称のものは、同じ機能を有するのでその説明を省略する。
この例で、分離センサ部14は、転写部42の下流側であって、用紙Pを仰ぎ見る転写部42に隣接した位置に配設される。分離センサ部14には制御部25が接続される。分離センサ部14は、感光体ドラム41から分離される用紙Pを検出して用紙分離検出信号S14を制御部25に出力する。分離センサ部14には距離測定が可能な測距センサや、超音波センサが使用される。
図9において、用紙Pが上方に浮くほど分離性が悪いことを示している。ここに分離性とは、用紙Pが感光体ドラム41から容易に分離される度合いをいう。カット紙のバリPbが上方を向いている場合は分離性が良く、反対に、カット紙のバリPbが下方を向いている場合は分離性が悪い。ここで、分離センサ部14の取り付け位置と用紙Pの先端部との間の距離を用紙離隔距離としたとき、分離センサ部14は、用紙離隔距離に応じた用紙分離検出信号S14を発生する。
例えば、用紙Pが感光体ドラム41に巻き付く異常状態を検出した場合、分離センサ部14は、用紙Pの先端部が給紙方向Iに対して上方に起き上がることから、用紙離隔距離”大”を示す用紙分離検出信号S14を発生する。また、分離センサ部14は、用紙Pが感光体ドラム41に巻き付かない正常状態を検出した場合は、用紙Pの先端部が起き上がらないことから用紙離隔距離”小”を示す用紙分離検出信号S14を発生する。なお、上述の2つの状態の中間の状態を検出した場合は、用紙Pの先端部がやや起き上がることから用紙離隔距離”中”を示す用紙分離検出信号S14を発生する。
制御部25は、分離センサ部14から出力される用紙分離検出信号S14に基づいて、第1の実施形態で説明したような給紙カセット51等に収納された用紙Pの載置向きの変更を促す表示制御を実行する。例えば、制御部25は、用紙離隔距離”大”を示す用紙分離検出信号S14が検出された場合は、用紙Pが感光体ドラム41に巻き付く異常状態を認識する。用紙離隔距離”小”を示す用紙分離検出信号S14が検出されている間は、用紙Pが感光体ドラム41に巻き付かない正常状態を認識する。用紙離隔距離”中”を示す用紙分離検出信号S14が検出され始めた場合は、用紙Pが感光体ドラム41に巻き付く状態に陥る可能性があることを認識できるようになる。
制御部25は、これらの状態を判別する場合に、用紙分離検出信号S14と予め設定される用紙離隔距離判別用の閾値と比較することで、用紙離隔距離”大”、”中”、”小”を判別する。制御部25は、用紙離隔距離”大”の検出回数が所定回数を越えた場合に、「トレイ1の用紙を表裏反転し、再セットしてください。」等の用紙Pの載置向きの変更を促す画像を表示するように制御する。この制御により、表示部91は、表示データD91に基づいて「トレイ1の用紙を表裏反転し、再セットしてください。」等を表示するようになる。
このように、第2の実施形態としての複写機100によれば、感光体ドラム41から分離される用紙Pを検出する分離センサ部14を備え、制御部25は、分離センサ部14から出力される用紙分離検出信号S14に基づいて、図1に示した給紙カセット51等に収納された用紙Pの載置向きの変更を促す表示制御を実行するので、用紙Pが感光体ドラム41から分離する状態に対応して、「トレイ1の用紙を表裏反転し、再セットしてください。」等の用紙Pの載置向きの変更を促す画像を表示できるようになる。
この表示を通して、給紙カセット51等に収納された用紙Pの表裏反転載置又は前後反転載置の指示を確認できるようになる。これにより、カット紙のバリPbの発生方向を原因とする用紙Pのドラム巻き付き現象を低減できるようになると共に、感光体ドラム41から用紙Pを取り除くジャム処理作業を極力低減できるようになる。なお、分離センサ部14は、第1の実施形態の複写機100に組み合わせて適用しても、また、第2の実施形態のように単独で複写機100に適用する場合であってもどちらでもよい。
<第3の実施形態>
続いて、図10を参照して、第3の実施形態としての操作&表示部9におけるトレイ選択画面G1の表示例について説明する。この実施形態では、例えばコート紙のように表裏指定がされている用紙Pを取り扱う場合であって、ドラム巻き付きを検出した場合に、用紙Pの前後反転を指示する表示がなされる。
図10に示す複写機100には、操作部92が備えられる。操作部92は、図1に示した給紙カセット51,52,53毎に用紙表裏の設定を操作パネル制御部59を介して制御部25に登録するように操作される。操作パネル制御部59は、操作部92によって、給紙カセット51等毎に用紙表裏の設定が登録された場合であって、制御部25は、累積した回数が比較基準回数を越えた場合に、給紙カセット51等内に収納された用紙Pの前後反転載置を促す画像を表示部91に表示する。
この例で、表示部91の表示画面には第1の実施形態と同様にしてトレイ選択画面G1が表示される。トレイ選択画面G1には、メッセージ領域A1や「トレイ1」、「トレイ2」、「トレイ3」のそれぞれに対応したアイコンボタンK1,K2,K3が設けられている。メッセージ領域A1には「トレイ1の用紙を前後反転し、再セットしてください。」等の用紙Pの前後反転設置を指示する旨の文字情報が表示される。
この文字情報は、用紙表裏の設定が登録された場合であって、トレイセット後、同一トレイからの給紙による巻き付きJAMが一定回数発生に到達した場合、例えば、給紙カセット51から繰り出された用紙Pが感光体ドラム41に巻き付いたジャム発生回数が比較基準回数を越えた場合に表示される。その際に、第1の実施形態と同様にして「トレイ1」のアイコンボタンK1の表示色が他のアイコンボタンK2,K3に対して変化している(図中、梨地で示す)。
続いて、図11A〜Cを参照して、用紙Pの前後反転例について説明する。図11Aに示す用紙Pはカット紙であって、用紙PのバリPb(図11Aでは図示せず)が紙面奥側を向いて図示しない給紙カセットに収納された場合である。この場合、便宜上、用紙Pの中に記述したR字が正常に読める向きとなっている。
この例では、図10に示したトレイ選択画面G1で「トレイ1の用紙を前後反転し、再セットしてください。」等の文字情報が表示された場合、図11Bに示す用紙Pを前後反転するようになされる。図11Bにおいて、矢印は用紙Pの前後反転方向IIIである。この例では、用紙繰出し用の搬送ローラ61を基準にして、用紙Pの束をそっくり、同一平面上で反時計方向に180°回転して前後を反転している。もちろん、時計方向に用紙Pの束を回転して前後を反転してもよい。
図11Cに示す用紙Pは前後反転された後の状態である。用紙PのバリPbが紙面上側から紙面下側に向き直って図示しない給紙カセットに収納された場合である。この場合、用紙Pの中に記述したR字が逆転して正常に読めない向きとなっている。このように用紙Pを前後反転設置することで、用紙PのバリPbが後端部で下側に位置するようになり、図20Bに示したような用紙巻き付き現象が発生しなくなる。
このように第3の実施形態としての複写機100によれば、制御部25は、操作部92によって、図1に示した給紙カセット51,52,53毎に用紙表裏の設定が登録された場合であって、ジャム発生回数が比較基準回数を越えた場合に、給紙カセット51等に収納された用紙Pの前後反転載置を促す画像を表示部91に表示する。
従って、給紙カセット51等に収納された用紙Pの前後反転載置の指示を確認できるようになる。これにより、カット紙のバリPbの発生方向を原因とする用紙Pのドラム巻き付き現象を低減できるようになると共に、感光体ドラム41から用紙Pを取り除くジャム処理作業を極力低減できるようになる。
<第4の実施形態>
続いて、図12及び図13を参照して、第4の実施形態としての用紙Pの前後反転制御例について説明する。
この実施形態では、用紙P’に既に画像が形成されており、例えば、住所や、名前等の特定事項を所定の位置にプリントする前後指定(追い刷り)がある場合である。この場合、制御部25は、トレイ1内等の用紙P’について、前後反転指示及び、プリント画像の前後反転制御を実行する。
図12Aに示す追い刷り用の用紙P’には、例えば、用紙P’の右上側に「ABCD」の文字画像が既に印刷され、その左下側には「1234」の文字画像が形成されている。いずれの文字画像の向きは、例えば、住所や、名前等の特定事項をプリントすると正常にR字が読める向きである。
このような刷り用の用紙P’は、図12Bに示す用紙繰出し用の搬送ローラ61を基準にして、図1に示した複写機100の給紙カセット51等に収納される。この例で、用紙前後の設定が図10に示す操作部92を介して登録された場合であって、トレイセット後、同一トレイからの給紙による巻き付きJAMが一定回数発生に到達した場合、図10に示したトレイ選択画面G1で「トレイ1の用紙を前後反転し、再セットしてください。」等の文字情報が表示される。
そこで、ユーザは、図12Cに示す用紙P’を前後反転するように操作する。図12Cにおいて、矢印は用紙P’の前後反転方向IVである。この例でも、用紙繰出し用の搬送ローラ61を基準にして、用紙P’の束をそっくり、同一平面上で反時計方向に回転して前後を反転している。もちろん、時計方向に用紙P’の束を回転して前後を反転してもよい。
この例では、図13Aに示すように、「ABCD」の文字画像と、「1234」の文字画像とが前後で反転するようにした用紙P’が、図13Bに示す用紙繰出し用の搬送ローラ61を基準にして、図1に示した複写機100の給紙カセット51等に収納し直される。図13Bに示すR字は反転している。第3の実施形態では、無地の用紙P’を想定しているため、画像自体の位置反転は必要なかった。しかし、追い刷り用の用紙P’で、このままでは、住所や、名前等の特定事項をプリントすると正常に読めなくなる。
この例では、図10に示した制御部25が、図1に示した給紙カセット51等に収納された用紙P’の前後反転の変更操作を検出し、ここに検出された変更操作に基づいて感光体ドラム41に形成する画像の位置を前後反転するようになされる。用紙P’の前後反転の変更操作は、例えば、図1に示したトレイセンサ部11から制御ユニット90に出力されるトレイセット信号S11に基づいて検出する。
図13Cに示す例によれば、「ABCD」の文字画像と、「1234」の文字画像とが前後で反転された用紙P’に、前後に反転されたR字が正常に読める位置に形成されている。例えば、1ページの画像データを展開可能なメモリに、「1234」や、「ABCD」等の文字画像がプリントされた刷り用の用紙P’に対応して、プリントしようとする住所や、名前等の特定事項を書込んで展開する。
前後反転がなければ、画像書き出し開始位置は、「ABCD」の文字画像がプリントされた側であって、住所や、名前等の特定事項を文字開始部分から文字終了位置に向けて画像を形成する。しかし、前後反転がなされた場合、画像書き出し開始位置は、「1234」の文字画像がプリントされた側であって、住所や、名前等の特定事項を文字終了部分から文字開始位置に向けて画像を形成するように、メモリからの画像データの読み出し順序を変更して画像を形成するようになされる。
このように第4の実施形態としての複写機100によれば、制御部25は、給紙カセット51等に収納された用紙P’の前後反転の変更操作を検出し、ここに検出された変更操作に基づいて感光体ドラム41に形成する画像の位置を前後反転するので、用紙前後の設定が登録されている場合であっても、画像の位置を前後反転する前の位置に合わせることができる。
なお、表裏指定及び前後指定がされている用紙Pを取り扱う場合であって、ドラム巻き付きを検出した場合は、用紙Pの表裏反転及び前後反転のいずれの指示も表示しないようになされる。ジャム発生が極めて少ないためである。
<第5の実施形態>
続いて、図14を参照して、第5の実施形態としての画像形成システム#1の構成例について説明する。図14に示す画像形成システム#1は、複写機200及び大容量の給紙装置300を有して構成され、給紙装置300から給紙される用紙Pに画像を形成する。複写機200は、画像形成部4、制御部25及び給紙制御部75を有している。画像形成部4は、感光体ドラム41及び転写部42を有して当該感光体ドラム41に画像を形成する。転写部42は、感光体ドラム41に形成された画像を所定の用紙Pに転写する。
この例でも、転写部42の下流側には巻き付きセンサ部13が設けられる。巻き付きセンサ部13は、給紙装置300によって転写部42へ搬送される用紙Pが感光体ドラム41に巻き付いたか否かを検出して用紙巻き付き検出信号S13を制御部25に出力する。制御部25は、第1〜第4の実施形態と異なり、巻き付きセンサ部13から得られる用紙巻き付き検出信号S13に基づいて給紙カセット401等内に収納された用紙Pの搬送方向を反転する用紙反転搬送制御を実行する。用紙反転搬送制御は給紙制御部75を介して実行する。なお、第1の実施形態で説明した同じ符号及び同じ名称ものは、同じ機能を有するので、その説明を省略する。
複写機200には用紙搬送部の一例を構成する給紙装置300が接続される。給紙装置300は、画像形成前に用紙Pの表裏を自動的に反転して給紙可能な機能を有している。給紙装置300は、大容量の用紙Pを収納する複数、この例では3つの給紙カセット401,402,403を有して転写部42に用紙Pを搬送する。
給紙装置300は、給紙カセット401,402,403の他に搬送路68a,68b,68c、用紙反転搬送路70及び、搬送路切り替え器74aを有している。用紙反転搬送路70は搬送路68b,68c及び搬送路切り替え器74bから構成され、搬送路68bは表裏非反転時と表裏反転時とで兼用される。搬送路切り替え器74aは、搬送路68a,68b及び共通搬送路66bが交差する位置に設けられ、図示しないソレノイド等により、搬送路切り替え制御を実行する(図15参照)。
給紙カセット401は、例えば、第1給紙部65a、吸着ベルト67a及び用紙載置可動台69aを有して構成される。給紙装置300において、用紙反転搬送路70は、用紙Pの表裏を反転する部分である。図中の点線は、ストレート給紙路Vを示し、ストレート給紙制御時の用紙Pの動きである。ストレート給紙制御とは、給紙カセット401の用紙載置可動台69a上の用紙Pを吸着ベルト67aで吸着し、吸着された用紙を第1給紙部65a(搬送ローラ)を介して搬送路68aに繰出し、用紙反転搬送路70を経由することなく、当該搬送路68aから共通搬送路66bを介して第2給紙部66(レジストローラ)に搬送する制御をいう。
図中の一点鎖線は、表裏反転給紙路VIであり、表裏反転給制御時の用紙Pの動きである。表裏反転給紙制御とは、給紙カセット401の用紙載置可動台69a上の用紙Pを吸着ベルト67aで吸着し、吸着された用紙を第1給紙部65a(搬送ローラ)を介して搬送路68aに繰出し、用紙反転搬送路70を経由して、用紙Pをスイッチバックし、搬送路68b、共通搬送路66bを介し、第2給紙部66(レジストローラ)に給紙する制御をいう。
給紙カセット402は、例えば、第1給紙部65b、吸着ベルト67b及び用紙載置可動台69bを有して構成される。ストレート給紙制御では、給紙カセット402の用紙載置可動台69b上の用紙Pが吸着ベルト67bで吸着され、吸着された用紙Pが第1給紙部65b(搬送ローラ)を介して繰出され、用紙反転搬送路70を経由することなく、共通搬送路66bを介して第2給紙部66(レジストローラ)に搬送される。
表裏反転給紙制御では、給紙カセット402の用紙載置可動台69b上の用紙Pを吸着ベルト67bで吸着し、吸着された用紙を第1給紙部65b(搬送ローラ)を介して用紙反転搬送路70の搬送路68bに繰出し、用紙Pをスイッチバックして、共通搬送路66bを介して第2給紙部66(レジストローラ)に搬送する。
給紙カセット403は、例えば、第1給紙部65c、吸着ベルト67c及び用紙載置可動台69cを有して構成される。ストレート給紙制御では、給紙カセット403の用紙載置可動台69c上の用紙Pが吸着ベルト67cで吸着され、吸着された用紙Pが第1給紙部65c(搬送ローラ)を介して繰出され、用紙反転搬送路70の搬送路68cを経由することなく、搬送路68b、共通搬送路66bを介して第2給紙部66(レジストローラ)に搬送される。搬送路切り替え器74bは、給紙カセット403の下流側であって、搬送路68bと、搬送路68cとの間に配置される。
表裏反転給紙制御では、給紙カセット402の用紙載置可動台69b上の用紙Pを吸着ベルト67bで吸着し、吸着された用紙を第1給紙部65b(搬送ローラ)及び、搬送路切り替え器74bを介して用紙反転搬送路70の搬送路68cに繰出し、用紙Pをスイッチバックして、搬送路68b及び共通搬送路66bを介して第2給紙部66(レジストローラ)に搬送する。
制御部25は、用紙巻き付き検出信号S13を入力し、用紙巻き付き検出信号S13を計数して用紙Pが感光体ドラム41に巻き付いた回数を累積する。制御部25は、累積した回数と比較基準回数とを比較し、累積した回数が比較基準回数を越えた場合に、給紙カセット401等から搬送される用紙Pの搬送方向を反転するように用紙反転搬送路70を制御する。用紙反転搬送路70の制御は給紙制御部75を介して実行する。この制御によって、用紙Pが感光体ドラム41に所定回数巻き付いた場合に、給紙カセット401等から繰り出された用紙Pの搬送方向を用紙反転搬送路70で自動的に表裏反転して転写部42へ給紙できるようになる(用紙反転搬送制御)。
続いて、図15を参照して、複写機200の制御系の構成例について説明する。図15に示す複写機200は装置本体部102を有して構成される。装置本体部102の内部には、トレイセンサ部11,12、巻き付きセンサ部13、給紙制御部75及び制御ユニット90が設けられる。第1の実施形態で説明した同じ符号及び同じ名称ものは、同じ機能を有するので、その説明を省略する。
給紙制御部75は制御部25及び給紙装置300に接続される。給紙装置300は、モータ71,72及びソレノイド73を有している。給紙制御部75は給紙制御データD75に基づいて給紙装置300の入出力を制御する。例えば、給紙制御部75は給紙制御データD75に基づいてモータ71,72及びソレノイド73を制御する。給紙制御データD75は、制御部25から給紙制御部75に出力される。給紙制御部75は、例えば、給紙制御データD75をデコードして、モータ制御信号S71,S72や、ソレノイド制御信号S73を生成する。
モータ71はモータ制御信号S71に基づいてストレート給紙路Vに示したように用紙Pを搬送する。ソレノイド73はソレノイド制御信号S73に基づいて用紙反転搬送路70の手前に設けられた搬送路切り替え器74aを制御する。例えば、給紙カセット401が選択されている場合であって、ストレート給紙制御が実行される場合、ソレノイド73はソレノイド制御信号S73に基づいて用紙反転搬送路70を非選択とするために、搬送路切り替え器74aを駆動して、搬送路68aを共通搬送路66bに接続するように切り替える。
モータ71はモータ制御信号S71に基づいて所定の方向に回転し、図14に示した給紙カセット401の用紙載置可動台69a上の用紙Pが吸着ベルト67aで吸着されると、吸着された用紙を第1給紙部65a(搬送ローラ)を介して搬送路68aに繰出し、当該搬送路68aから共通搬送路66bを介して第2給紙部66(レジストローラ)に搬送するように動作する。
また、給紙カセット401が選択されている場合であって、表裏反転給紙制御が実行される場合、ソレノイド73はソレノイド制御信号S73に基づいて用紙反転搬送路70を選択するために、搬送路切り替え器74aを駆動して、搬送路68aを搬送路68bに接続するように切り替え制御する。モータ72は、モータ71によって用紙反転搬送路70に搬送された用紙Pをスイッチバックするために、モータ制御信号S72に基づいて用紙Pの搬送方向を反転するように回転する。これにより、用紙反転搬送路70を利用して表裏反転給紙路VIに示すように用紙Pをスイッチバック搬送できるようになる。
一方、トレイセンサ部11は図14に示した給紙カセット401に設けられる。トレイセンサ部11は給紙カセット401内に用紙Pが収納(セット)されたこと、又は、給紙カセット401が引き出されたことを検出してトレイセット信号S11を発生する。
トレイセンサ部12は図14に示した給紙カセット402に設けられる。トレイセンサ部12は給紙カセット402内に用紙Pが収納(セット)されたこと、又は、給紙カセット402が引き出されたことを検出してトレイセット信号S12を発生する。図示せずも、トレイ3用のセンサ部は図14に示した給紙カセット403に設けられる。
巻き付きセンサ部13は、図14に示した転写部42へ搬送される用紙Pが感光体ドラム41に巻き付いたか否かを検出して用紙巻き付き検出信号S13を制御部25に出力する。上述のトレイセンサ部11、トレイセンサ部12及び巻き付きセンサ部13には反射型や透過型の光学センサが使用される。
制御ユニット90は、制御部25及びデータ処理部26,27を有して構成される。制御部25は巻き付きセンサ部13及びデータ処理部26,27に接続される。制御部25は、給紙カセット401又は給紙カセット402から繰り出される用紙Pの搬送時に、巻き付きセンサ部13から用紙巻き付き検出信号S13を入力し、用紙巻き付き検出信号S13をアナログ・デジタル処理してジャム発生回数を示すデータ(以下ジャム発生データD31又はD32という)を生成する。制御部25には中央演算処理装置(CPU)が使用される。
ジャム発生データD31は、給紙カセット401から繰り出された用紙Pが感光体ドラム41に巻き付いた累積回数(以下ジャム発生回数という)を示す。ジャム発生データD31は、給紙カセット401に対応してデータ処理部26に出力される。また、ジャム発生データD32は、給紙カセット402から繰り出された用紙Pが感光体ドラム41に巻き付いた累積回数(以下ジャム発生回数という)を示す。ジャム発生データD32は、給紙カセット402に対応してデータ処理部27に出力される。
上述のトレイセンサ部11はトレイ1用のデータ処理部26に接続される。データ処理部26は、カウンタ21及びトレイ1情報用のメモリ23を有して構成される。カウンタ21は給紙カセット401から繰り出された用紙Pのジャム発生回数をカウントする。用紙Pのトレイ1に係るジャム発生回数を示すジャム発生データD31は、制御部25からカウンタ21及びメモリ23に出力される。メモリ23にはトレイ1情報等の履歴データが記録される。トレイ1情報には、給紙カセット401内に用紙Pが収納されたことを示すトレイセット情報や、給紙カセット401から繰り出された用紙Pのジャム発生データD31等が含まれる。
トレイセンサ部12はトレイ2用のデータ処理部27に接続される。データ処理部27は、カウンタ22及びトレイ2情報用のメモリ24を有して構成される。カウンタ22は給紙カセット402から繰り出された用紙Pのジャム発生回数をカウントする。用紙Pのトレイ2に係るジャム発生回数を示すジャム発生データD32は、制御部25からカウンタ22及びメモリ24に出力される。メモリ24にはトレイ2情報等の履歴データが記録される。トレイ2情報には、給紙カセット402内に用紙Pが収納されたことを示すトレイセット情報や、給紙カセット402から繰り出された用紙Pのジャム発生データD32等が含まれる。
上述の制御部25は、巻き付きセンサ部13から出力される用紙巻き付き検出信号S13に基づいて給紙カセット401等内に収納された用紙Pの表裏反転給紙制御を実行する。例えば、制御部25は、給紙カセット401から繰り出された用紙Pが感光体ドラム41に巻き付いたジャム発生回数と比較基準回数とを比較し、ジャム発生回数が比較基準回数を越えた場合に、給紙制御部75を介して、給紙カセット401内に収納された用紙P等の表裏反転給紙制御を実行する。
続いて、図16〜図18を参照して、画像形成システム#1における自動表裏反転給紙例について説明する。この実施形態では、感光体ドラム41への用紙Pの巻き付きを検知し、及び、用紙Pの巻き付き履歴を管理し、当該巻き付き履歴の状況から、給紙装置300の給紙カセット401等内に収納された用紙Pの表裏反転給紙制御を実行する。
この例では、給紙カセット401をトレイ1とし、給紙カセット402をトレイ2として、トレイ1ストレート給紙制御が選択されている場合であって、所定回数を越える用紙巻き付きジャム(JAM)が発生した場合は、トレイ1反転給紙制御を実行する。反対に、トレイ1反転給紙制御が選択されている場合であって、所定回数を越える用紙巻き付きジャム(JAM)が発生した場合は、トレイ1ストレート給紙制御を実行する。トレイ2についても同様に実行する。なお、表裏指定がされている用紙Pを取り扱う場合は、ドラム巻き付きを検出しても、表裏反転給紙制御を実行しない場合を例に挙げる。
これらを給紙制御条件にして、図16に示すステップST31で複写機200の制御部25は、トレイ1からの給紙又はトレイ2からの給紙に対応して制御を分岐する。トレイ1からの給紙が選択されている場合は、ステップST32に移行して制御部25は、トレイ1ストレート給紙制御又はトレイ1反転給紙制御に対応して制御を分岐する。給紙制御部75は、制御部25から給紙制御データD75を入力してトレイ1ストレート給紙制御を実行する。
トレイ1ストレート給紙制御によれば、給紙カセット401の用紙載置可動台69a上の用紙Pが吸着ベルト67aで吸着され、ここに吸着された用紙Pが第1給紙部65a(搬送ローラ)を介して搬送路68aに繰出され、用紙反転搬送路70を経由することなく、当該搬送路68aから共通搬送路66bを介して第2給紙部66(レジストローラ)に搬送される。
トレイ1ストレート給紙制御を実行された場合は、ステップST33に移行して制御部25は、トレイ1のドラム巻き付きジャムの発生に対応して制御を分岐する。このとき、巻き付きセンサ部13は、例えば、第1給紙部65aによって搬送される用紙Pが感光体ドラム41に巻き付いた場合に、ロー・レベルの用紙巻き付き検出信号S13を制御部25に出力する。
そして、ステップST34で制御部25は、カウンタ21のカンウトアップ(UP)を開始して、トレイ1のドラム巻き付きジャム(JAM)発生回数をカウントする。トレイ1のドラム巻き付きジャム(JAM)発生回数は、巻き付き履歴としてメモリ23に記録される。
ドラム巻き付きジャム発生回数をカウントした場合は、ステップST35に移行してロー・レベルの用紙巻き付き検出信号S13を入力した制御部25は、ドラム巻き付きジャム発生回数が所定回数を越えたか否かを判別する。この際に制御部25は、カウンタ21のカウント値と比較基準回数とを比較することで、トレイ1のドラム巻き付きジャム発生回数が所定回数に到達したか、未だ到達していないかを基準にして判断する。
トレイ1のドラム巻き付きジャム発生回数が所定回数以上となった場合は、ステップST36に移行して制御部25が用紙Pに関して表裏指定の有無に対応して制御を分岐する。その際に制御部25は、第1の実施形態で説明したように、操作部92で設定された用紙Pに関して表裏指定に基づく操作データD92の入力履歴等を確認にして判断する。
用紙Pに関して表裏指定が無い場合は、ステップST37に移行して制御部25は、トレイ1表裏反転給紙制御を実行する。給紙制御部75は、制御部25から給紙制御データD75を入力してトレイ1表裏反転給紙制御を実行する。トレイ1表裏反転給紙制御によれば、給紙カセット401の用紙載置可動台69a上の用紙Pが吸着ベルト67aで吸着され、ここに吸着された用紙Pが第1給紙部65a(搬送ローラ)を介して搬送路68aに繰出され、用紙反転搬送路70を経由して、用紙Pがスイッチバックされ、搬送路68b、共通搬送路66bを介して、用紙Pが第2給紙部66(レジストローラ)に搬送される。
その後、ステップST38に移行して制御部25はカウンタ21をクリアして、トレイ1のドラム巻き付きジャム発生回数をゼロ更新する。その後、ステップST39に移行してジャム解除を待つ。ジャム解除はユーザによって行われ、ジャム解除作業が終了した場合は、ステップST69に移行する。巻き付きジャムの解除操作では、ユーザが装置本体部101で図示しない前面パネル等を開けて、感光体ドラム41に巻き付いた用紙Pを取り除くことで行われる。
なお、上述のステップST35でトレイ1のドラム巻き付きジャム発生回数が所定回数に到達していない(未満である)場合及び、ステップST36で用紙Pに関して表裏指定が有る場合は、ステップST40に移行して制御部25は、ジャム解除を待つ。ユーザによってジャム解除作業が終了した場合は、ステップST69に移行する。また、ステップST33で用紙Pが感光体ドラム41に巻き付いていない場合は、ステップST69に移行する。
更にまた、ステップST32でトレイ1ストレート給紙制御ではなく、トレイ1反転給紙制御が選択されている場合は、ステップST41に移行してトレイ1表裏反転給紙制御を実行する。給紙制御部75は、制御部25から給紙制御データD75を入力してトレイ1表裏反転給紙制御を実行する。トレイ1表裏反転給紙制御によれば、給紙カセット401の用紙載置可動台69a上の用紙Pが吸着ベルト67aで吸着され、ここに、吸着された用紙Pが第1給紙部65a(搬送ローラ)を介して搬送路68aに繰出され、用紙反転搬送路70を経由して、用紙Pがスイッチバックされ、搬送路68b、共通搬送路66bを介して、用紙Pが第2給紙部66(レジストローラ)に給紙するようになされる。
そして、ステップST42で制御部25は、トレイ1のドラム巻き付きジャムの発生に対応して制御を分岐する。このとき、巻き付きセンサ部13は、例えば、第1給紙部65aによって搬送される用紙Pが感光体ドラム41に巻き付いた場合に、ロー・レベルの用紙巻き付き検出信号S13を制御部25に出力する。
そして、ステップST43で制御部25は、カウンタ21のカンウトアップ(UP)を開始して、トレイ1のドラム巻き付きジャム(JAM)発生回数をカウントする。トレイ1のドラム巻き付きジャム(JAM)発生回数は、巻き付き履歴としてメモリ23に記録される。
ドラム巻き付きジャムが発生した場合は、ステップST44に移行してロー・レベルの用紙巻き付き検出信号S13を入力した制御部25は、ドラム巻き付きジャム発生回数が所定回数を越えたか否かを判別する。この際に制御部25は、カウンタ21のカウント値と比較基準回数とを比較することで、トレイ1のドラム巻き付きジャム発生回数が所定回数に到達したか、未だ到達していないかを基準にして判断する。
トレイ1のドラム巻き付きジャム発生回数が所定回数以上となった場合は、ステップST45に移行して制御部25は、トレイ1ストレート給紙制御を実行する。給紙制御部75は、制御部25から給紙制御データD75を入力してトレイ1ストレート給紙制御を実行する。トレイ1ストレート給紙制御によれば、給紙カセット401の用紙載置可動台69a上の用紙Pが吸着ベルト67aで吸着され、ここに吸着された用紙Pが第1給紙部65a(搬送ローラ)を介して搬送路68aに繰出され、用紙反転搬送路70を経由することなく、当該搬送路68aから共通搬送路66bを介して第2給紙部66(レジストローラ)に搬送される。
その後、ステップST46に移行して制御部25はカウンタ21をクリアして、トレイ1のドラム巻き付きジャム発生回数をゼロ更新する。その後、ステップST47に移行してジャム解除を待つ。ジャム解除はユーザによって行われ、ジャム解除作業が終了した場合は、ステップST69に移行する。
更に、上述のステップST31でトレイ1以外からの給紙が選択されている場合は、図17に示すステップST48に移行して制御部25は、トレイ2からの給紙が選択されているか否かを判別する。トレイ2からの給紙が選択されている場合は、ステップST49に移行して制御部25は、トレイ2ストレート給紙制御又はトレイ2反転給紙制御に対応して制御を分岐する。給紙制御部75は、制御部25から給紙制御データD75を入力してトレイ2ストレート給紙制御を実行する。トレイ2ストレート給紙制御によれば、給紙カセット402の用紙載置可動台69b上の用紙Pが吸着ベルト67bで吸着され、ここに吸着された用紙Pが第1給紙部65b(搬送ローラ)を介して繰出され、用紙反転搬送路70を経由することなく、当該搬送路68bから共通搬送路66bを介して第2給紙部66(レジストローラ)に搬送される。
トレイ2ストレート給紙制御が選択された場合は、ステップST50に移行して制御部25は、トレイ2のドラム巻き付きジャムの発生に対応して制御を分岐する。このとき、巻き付きセンサ部13は、例えば、第1給紙部65bによって搬送される用紙Pが感光体ドラム41に巻き付いた場合に、ロー・レベルの用紙巻き付き検出信号S13を制御部25に出力する。
そして、ステップST51で制御部25は、カウンタ22のカンウトアップ(UP)を開始して、トレイ2のドラム巻き付きジャム(JAM)発生回数をカウントする。トレイ2のドラム巻き付きジャム(JAM)発生回数は、巻き付き履歴としてメモリ24に記録される。
ドラム巻き付きジャムが発生した場合は、ステップST52に移行してロー・レベルの用紙巻き付き検出信号S13を入力した制御部25は、ドラム巻き付きジャム発生回数が所定回数を越えたか否かを判別する。この際に制御部25は、カウンタ22のカウント値と比較基準回数とを比較することで、トレイ2のドラム巻き付きジャム発生回数が所定回数に到達したか、未だ到達していないかを基準にして判断する。
トレイ2のドラム巻き付きジャム発生回数が所定回数以上となった場合は、ステップST53に移行して制御部25が用紙Pに関して表裏指定の有無に対応して制御を分岐する。その際に制御部25は、第1の実施形態で説明したように、操作部92で設定された用紙Pに関して表裏指定に基づく操作データD92の入力履歴等を確認して判断する。
用紙Pに関して表裏指定が無い場合は、ステップST54に移行して制御部25は、トレイ2表裏反転給紙制御を実行する。給紙制御部75は、制御部25から給紙制御データD75を入力してトレイ2表裏反転給紙制御を実行する。トレイ2表裏反転給紙制御によれば、給紙カセット402の用紙載置可動台69b上の用紙Pが吸着ベルト67bで吸着され、ここに吸着された用紙Pが第1給紙部65b(搬送ローラ)を介して搬送路68bに繰出され、用紙反転搬送路70を経由して、用紙Pをスイッチバックし、搬送路68b、共通搬送路66bを介し、第2給紙部66(レジストローラ)に搬送される。
その後、ステップST55に移行して制御部25はカウンタ22をクリアして、トレイ2のドラム巻き付きジャム発生回数をゼロ更新する。そして、ステップST56に移行してジャム解除を待つ。ジャム解除はユーザによって行われ、ジャム解除作業が終了した場合は、ステップST69に移行する。巻き付きジャムの解除操作では、ユーザが装置本体部101で図示しない前面パネル等を開けて、感光体ドラム41に巻き付いた用紙Pを取り除くことで行われる。
なお、上述のステップST52でトレイ2のドラム巻き付きジャム発生回数が所定回数に到達していない(未満である)場合及び、ステップST53で用紙Pに関して表裏指定が有る場合は、ステップST57に移行して制御部25は、ジャム解除を待つ。ユーザによってジャム解除作業が終了した場合は、ステップST69に移行する。
また、ステップST49でトレイ2ストレート給紙制御ではなく、トレイ2表裏反転給紙制御が選択されている場合は、ステップST58に移行してトレイ2表裏反転給紙制御を実行する。給紙制御部75は、制御部25から給紙制御データD75を入力してトレイ2表裏反転給紙制御を実行する。トレイ2表裏反転給紙制御によれば、給紙カセット402の用紙載置可動台69b上の用紙Pが吸着ベルト67bで吸着され、ここに吸着された用紙Pが第1給紙部65b(搬送ローラ)を介して搬送路68bに繰出され、用紙反転搬送路70を経由して、用紙Pをスイッチバックし、搬送路68b、共通搬送路66bを介し、第2給紙部66(レジストローラ)に搬送される。
そして、ステップST59で制御部25は、トレイ2のドラム巻き付きジャムの発生に対応して制御を分岐する。このとき、巻き付きセンサ部13は、例えば、第1給紙部65bによって搬送される用紙Pが感光体ドラム41に巻き付いた場合に、ロー・レベルの用紙巻き付き検出信号S13を制御部25に出力する。
そして、ステップST60で制御部25は、カウンタ22のカンウトアップ(UP)を開始して、トレイ2のドラム巻き付きジャム(JAM)発生回数をカウントする。トレイ2のドラム巻き付きジャム(JAM)発生回数は、巻き付き履歴としてメモリ24に記録される。
ドラム巻き付きジャムが発生した場合は、ステップST61に移行してロー・レベルの用紙巻き付き検出信号S13を入力した制御部25は、ドラム巻き付きジャム発生回数が所定回数を越えたか否かを判別する。この際に制御部25は、カウンタ22のカウント値と比較基準回数とを比較することで、トレイ2のドラム巻き付きジャム発生回数が所定回数に到達したか、未だ到達していないかを基準にして判断する。
トレイ2のドラム巻き付きジャム発生回数が所定回数以上となった場合は、ステップST62に移行して制御部25は、トレイ2ストレート給紙制御を実行する。給紙制御部75は、制御部25から給紙制御データD75を入力してトレイ2ストレート給紙制御を実行する。トレイ2ストレート給紙制御によれば、給紙カセット402の用紙載置可動台69b上の用紙Pが吸着ベルト67bで吸着され、ここに吸着された用紙Pが第1給紙部65b(搬送ローラ)を介して繰出され、用紙反転搬送路70を経由することなく、当該搬送路68aから共通搬送路66bを介して第2給紙部66(レジストローラ)に搬送される。
その後、ステップST63に移行して制御部25はカウンタ22をクリアして、トレイ2のドラム巻き付きジャム発生回数をゼロ更新する。その後、ステップST64に移行してジャム解除を待つ。ジャム解除はユーザによって行われ、ジャム解除作業が終了した場合は、ステップST69に移行する。
上述のステップST48でトレイ2からの給紙が選択されていない場合は、図18のステップST65に移行して、制御部25はトレイ1の開閉の有無に基づいて制御を分岐する。このとき、給紙カセット401の出し入れが有って、トレイ1開閉有りを示すトレイセット信号S11をトレイセンサ部11から入力した場合は、ステップST66に移行する。
ステップST66で制御部25はカウンタ21をクリアして、トレイ1のドラム巻き付きジャム発生回数をゼロ更新する。その後、ステップST67に移行して、制御部25は、トレイ2の開閉有無に基づいて制御を分岐する。このとき、給紙カセット402の出し入れが有って、トレイ2開閉有りを示すトレイセット信号S12をトレイセンサ部12から入力した場合は、ステップST68に移行する。ステップST68で制御部25はカウンタ22をクリアして、トレイ2のドラム巻き付きジャム発生回数をゼロ更新する。その後、ステップST69に移行する。
ステップST69で制御部25はトレイ1ストレート給紙制御、トレイ1表裏反転給紙制御、トレイ2ストレート給紙制御及びトレイ2表裏反転給紙制御の終了を判別する。この際に制御部25は、例えば、電源オフ情報を検出して上述の給紙制御を終了するか否かを基準にして判断する。所定時間を経過しても、電源オフ情報が検出されない場合は、ステップST31に戻って上述した給紙制御を繰り返すようになされる。電源オフ情報が検出された場合は、上述の給紙制御を終了する。
このように第5の実施形態としての画像形成システム#1によれば、複写機200の制御部25は、トレイ1ストレート給紙制御実行時、巻き付きセンサ部13から出力される用紙巻き付き検出信号S13に基づいて所定回数以上のドラム巻き付きジャム発生回数が検出された場合に、給紙カセット401等内に収納された用紙Pの搬送方向を反転するトレイ1表裏反転給紙制御を実行する。
また、トレイ1表裏反転給紙制御実行時、巻き付きセンサ部13から出力される用紙巻き付き検出信号S13に基づいて所定回数以上のドラム巻き付きジャム発生回数が検出された場合に、給紙カセット401等内に収納された用紙Pの搬送方向を元へ戻すトレイ1ストレート給紙制御を実行する。トレイ2についても同様に実行される。
従って、用紙Pが感光体ドラム41に所定回数巻き付いた場合に、給紙装置300の給紙カセット401等から繰り出された用紙Pの搬送方向を自動的に表裏反転し、又は、その給紙方向を元に戻して転写部42へ給紙できるようになる。これにより、カット紙のバリPbの発生方向を原因とする用紙Pのドラム巻き付き現象を低減できるようになると共に、感光体ドラム41から用紙Pを取り除くジャム処理作業を極力低減できるようになる。
なお、複写機200においても、第2の実施形態で説明した分離センサ部14を備え、分離センサ部14から出力される用紙分離検出信号S14に基づいて給紙カセット401等から搬送される用紙Pの搬送方向を反転し、又は、そのまま当該搬送方向を維持するように制御部25によって、用紙反転搬送路70を制御するようにしてもよい。
このように複写機200を構成すると、用紙Pが感光体ドラム41に所定回数巻き付いた場合に、制御部25が給紙カセット401等から繰り出された用紙Pの自動表裏反転制御又はその前後反転載置の表示制御を実行できるようになる。