JP4054586B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機,プリンタ,ファックス等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機,プリンタ,ファックス、インクジェットプリンタ等の画像形成装置において、紙やOHP用フィルムや板や布などの転写材(記録媒体)を分離する分離装置が知られている。
【0003】
第1の分離装置は、図12に示すように、感光ドラム(像担持体)10上から転写材Pを分離する分離帯電器21である。転写材Pは、給紙部(不図示)から1枚ずつ搬送され、転写帯電器(不図示)により、感光ドラム(像担持体)11上のトナー像が転写される。トナー像転写後の転写材Pは、分離帯電器21に電流を印加することにより、感光ドラム10から静電的に分離される。
【0004】
ここで上述の第1の分離装置を例に、分離部の動作について詳しく述べる。
【0005】
図12において、感光ドラム10上に形成されたトナー像は、感光ドラム10と転写帯電器20との間の転写部において、転写材Pに転写された後、分離帯電器21に電流が印加されることによって感光ドラム10表面から分離される。
【0006】
この分離が良好に行われない場合、転写材Pが感光ドラム10に接触したまま移動するため、感光ドラム10表面に対向配置されている他部材(例えばクリーニング装置23)に突入して、他部材を破損をすることがある。
【0007】
また破損にいたらない場合でも、転写材Pは、クリーニング装置23を破損しないように設けられている分離爪22に接触しながら搬送される場合があり、この場合には、画像上に分離爪痕が発生して画像不良となっていた。
【0008】
この画像不良を防止するため、分離部以降の搬送部に転写材の検知手段、例えば光学センサ17を設け、設計段階で決定された規定の時間経過後、例えば図12の画像形成装置では給紙部から1枚ずつ送られてきた転写材Pをレジストローラ(不図示)で一旦停止させ、画像形成信号発令後、レジストローラが回転して転写材Pを転写部15に供給するが、図4に示すように、このレジストローラ19を作動させるレジストローラクラッチ(不図示)の動作信号発生(図4の符号a)から500ms後(図4の符号b)、光学センサ17の状態がHigh(図4の符号d)か、Low(図4の符号e)かの判別を行い、例えばLowが転写材Pがない状態を示し、さらに光学センサ17の状態がLowであれば何らかの原因により転写材Pが光学センサ17に届いていないため、ジャムと検知し、画像形成装置を停止していた。
【0009】
また図1の画像形成装置において、感光ドラム10から転写材Pを分離するために使用する分離帯電器21に印加する電流値は、画像形成装置の置かれている雰囲気(温度、湿度)を判別して、その雰囲気に応じて電流値を変更するものは存在したが、その雰囲気内では一定の電流値であった。
【0010】
さらに感光ドラム10から転写材Pを分離することに利用する分離帯電器21を清掃する装置は存在したが、清掃部材を作動させる時期は、一定枚数通紙後や電源投入から一定時間後のように定期的なものであった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述の画像形成装置において、感光ドラム10から転写材Pを分離する際に、分離帯電器21に印加される電流が適切でない場合には、転写材Pが搬送基準面Hから浮き上がって搬送されることになり、転写材P上の画像部が分離爪22に接触して画像不良が発生したり、転写材Pが分離爪22と感光ドラム10との間に入り込んでジャムが発生したりした。
【0012】
また、同一の雰囲気内では分離帯電器21に印加する電流値がほぼ一定に固定されているため、感光ドラム11の状態によっては、その電流値がこれらから転写材Pを分離するのに適切でない場合があり、この場合にも分離不良が生じて上述の画像不良やジャムが発生していた。
【0013】
また、通紙枚数(画像形成枚数)が多くなり分離帯電器21が汚れた場合、転写材Pに対して正規の分離電流を印加できなくなり、分離不良が生じて、同じく画像不良やジャムが発生していた。
【0014】
本発明は、上述事情に鑑みてなされたものであり、常に良好な分離性能を発揮できるようにした画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、表面にトナー像を担持する像担持体から転写材にトナー像を転写し、トナー像転写後の転写材を分離装置によって前記像担持体から分離する画像形成装置において、前記像担持体の下流側に配置されて、正常な分離性能に対応して定めた基準搬送面からの距離の範囲内で通過する転写材を検知して、前記基準搬送面からの距離を越えて通過する記録材を検知しない光学センサと、正常な分離に対応して記録材の先端が前記光学センサによって検知される時刻と、前記像担持体から分離された記録材が実際に前記光学センサによって検知される時刻との差分に転写材の搬送速度を乗じて浮き幅を求めることを所定枚数の転写材で行い、前記所定枚数の転写材における前記浮き幅の検知結果に基づいて、前記所定枚数ごとに転写材分離時の条件とトナー像現像時の条件とのうちの少なくとも一方を変更する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0017】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記分離装置は、前記制御手段によって印加する電流値を変化される分離帯電器であって、前記所定枚数の転写材における所定の浮き幅以上の枚数が所定の枚数に達すると、前記電流値を変化させて分離性能を向上させることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図面において同一の符号を付したものは、同一の構成又は作用をなすものであり、これらについての重複説明は適宜省略した。
【0023】
<参考例1>
図1に、本発明に係る画像形成装置の一例を示す。同図に示す画像形成装置は、電子写真方式のレーザプリンタであり、同図はその概略構成を模式的に示す縦断面図である。
【0024】
同図に示す画像形成装置は、像担持体としてドラム型の電子写真感光体(以下「感光ドラム」という。)10を備えている。ここでは、感光ドラム10は、プラスの帯電特性を有するa−Si(アモルファスシリコン)を使用している。
【0025】
感光ドラム10は、駆動手段(不図示)によって同図中の時計回りに回転駆動され、一次帯電器(帯電手段)11によって表面が所定の極性・電位に一様に帯電される。帯電後の感光ドラム10表面は、露光装置(露光手段)12としてのレーザスキャナによって画像情報に応じたレーザ光が照射されて静電潜像が形成される。なお、この画像情報は、リーダ部18によって原稿画像を読み取ることによって得られる。
【0026】
感光ドラム10表面に形成された静電潜像は、現像器(現像手段)13によってトナーが付着され、トナー像として現像(顕像化)される。
【0027】
一方、画像形成装置本体(不図示)の下部には、給紙カセットが配設されていて、この中には転写材P(例えば紙、透明フィルム)が積層状態で収納されている。この転写材Pは、給紙ローラ14が図1中の反時計回りに回転することによって最上位のものから順に1枚ずつ給送されてレジストローラ対19に送られる。転写材Pは、その先端を停止中のレジストローラ対19のニップ部に当接させ、所定量のループが形成されて斜行が矯正された後、停止される。斜行が補正された転写材は、所定のタイミングで回転を開始するレジストローラ対19によって感光ドラム10と転写帯電器20との間の転写部15に供給される。
【0028】
転写材Pは、この転写部15を通過する際に、感光ドラム1上に形成されている上述のトナー像が、転写帯電器20よって転写される。トナー像転写時の転写材Pは感光ドラム10に静電吸着されるが、トナー像転写後には、分離帯電器21及び分離爪22によって感光ドラム10から分離される。
【0029】
感光ドラム10から正常に分離された転写材Pは、正規のタイミングで反射型の光学センサ(分離後センサ)17に到達する。さらに、定着装置16に搬送され、ここで加熱・加圧されて、未定着であったトナー像が転写材P表面に定着される。トナー像定着後の転写材Pは、排紙トレイ(不図示)に排出され、これにより画像形成が終了する。一方、トナー像転写後の感光ドラム10は、転写材Pに転写されないで表面に残ったトナー(残留トナー)がクリーニング装置23のクリーニングブレードによって除去され、次の画像形成に供される。
【0030】
上述の画像形成装置において、転写材Pの搬送経路中の、転写材Pの搬送方向に沿っての分離帯電器21の下流側には、反射型の光学センサ17が配設されている。この光学センサ17によって、搬送基準面からの転写材Pの浮き量(浮き量については後に説明する。)を検知し、その検知結果に基づいて、分離帯電器21に印加する電流値を制御手段(不図示)によって変化させるようにしている。
【0031】
以下、浮き量を適正化するための動作を、図2のフローチャートを参照しながら説明する。
【0032】
画像形成スタート(コピースタート)がスタートされた後(S1)、転写材Pの浮き量を測る。浮き量とは、図3に示すように、搬送基準面Hからの転写材Pまでの距離をいい、図4に示すように、レジストローラ対19のクラッチON信号を基準信号aとして、計算で求めた記録材Pの先端が光学センサ17を通過する時点b(図4の例では500ms)から5ms後cにおける、搬送基準面Hからの転写材Pの浮き高さとする。すなわち、レジストローラ対19から光学センサ17までの距離をA、転写材Pの搬送速度をvとしたときに、上述のクラッチON信号から、(A/v)+5ms後の浮き量を検知するのである。
【0033】
ここで、感光ドラム10から転写材Pを分離するのに適切な電流が印加されている場合、転写材Pの浮き量は0〜1mmであるが、適切な電流が印加されていない場合、転写材Pは搬送路から1mm以上浮く。
【0034】
そこで、転写材Pの浮き量が0〜1mmである場合(図2のS3の「Y」)は、正常な分離性能なので分離時の条件はそのままとする。これに対して、1〜3mmであった場合(S3の「N」、S4の「Y」)、分離性能が十分でないので、分離性能を正常にする目的で分離帯電器21に印加する電流を−10μA変化させる(S5)。これは、感光ドラム10がプラスの帯電特性を有するa−Si(アモルフアスシリコン)である場合、電流をマイナス側に変化させると分離しやすいことが知られていることによる。なお、感光ドラム10がマイナスの帯電極性を有するOPC(有機光半導体)の場合はプラス側に変化させるのがよい。
【0035】
図5に示すように、転写材P(紙)が1mm浮くのは適正値より12μAずれている場合である。ここで分離電流を−10μA変化させることにより、電流値は適正値+2μAとなり、転写材Pの浮き量を0.2mm程度まで低減することができる。
【0036】
図2に戻り、転写材Pの浮き量が3mm以上だった場合(S4の「N」、S6、S7の「Y」)、分離帯電器21の異常も考えられるので、分離帯電器清掃手段(不図示)により分離帯電器21を清掃し(S8:例えば分離帯電器21の放電ワイヤに付着している異物を払拭する。)、分離性能の正常化を図る。また分離帯電器21の清掃後、再度通紙した際、再度転写材Pの浮き幅が3mm以上であった場合(S7の「N」)、画像形成装置本体の操作パネル(不図示)に例えば「分離帯電器の能力が低下していること」を表示し(S9)、サービスコールをしてもらう。これによりサービスマンは分離帯電器21の異常を知ることができ、分離帯電器の交換を行うことにより正常な分離性能を得ることができる。
【0037】
上述の反射型の光学センサ17は、分離ジャム検知手段も兼ねており、レジストローラ対19のクラッチON信号を規準信号とし、{レジストローラ対19〜光学センサ17間距離(x)/転写材Pの搬送速度(v)}+ジャムマージン、のタイミングで、光学センサ17が転写材Pを検知したとき(図4のd)は正常であるとし、一方、検知できなかった場合(図4のe)、分離ジャムとし画像形成装置の動作を停止し、ジャムであることをユーザに報知し、ジャム処理を促すようにしている。
【0038】
<参考例2>
図1に示す一次帯電器11によって感光ドラム10表面の電位が一定にされた後、露光装置12によって静電潜像が形成され、この静電潜像に現像器13によってトナーが付着されてトナー像として現像する画像形成装置においては、図6に示すように、感光ドラム10上のトナー像の濃度が高いほど分離時の転写材Pの分離性が良いことが知られている。なお図6においては、分離性能を転写材(記録媒体)浮き量としており、浮き量が大きいほど分離性能が悪いこととなる。
【0039】
参考例2では、感光ドラム10上に現像されたトナー像を転写部15において転写材Pに転写する画像形成装置において、光学センサ17が検知する転写材Pの浮き量に応じて、現像器13に印加する現像バイアスを変更するようにしている。具体的には、分離性能が悪くて浮き量が多い場合には、積極的にカブリを発生させて感光ドラム10上のトナー像の濃度を高くし、これにより、分離性能を向上させて浮き量を小さくする。
【0040】
以下、さらに詳述する。
【0041】
図1に示す光学センサ17によって、搬送基準面からの転写材Pの浮き量を測定する。感光ドラム10から紙を分離するのに適切な電流が印加されている場合、転写材Pの浮き量は0〜1mmであるが、適切な電流が印加されていない場合、転写材Pは搬送基準面から1mm以上浮き上がる。
【0042】
ここで、転写材Pの浮き量が0〜1mmである場合は、正常な分離性能なので画像形成条件は変更しないで、そのまま画像形成を続ける。これに対して、浮き量が1〜3mmであった場合、分離性能が十分でないので分離性能を正常にする目的で、目視できないほどのトナーが余分に感光ドラム10表面にのるように、現像バイアスのDC成分を変化させる。つまり、積極的にカブリ状態にするのである。
【0043】
現像バイアスのDC成分は、一次帯電器11により印加される暗部ドラム電位と露光装置12により露光される明部ドラム電位の中間に設定され、明部ドラム電位の部位のみにトナーが現像される。この状態ではカブリ0となる。ここで、現像バイアスDC成分を設定値より暗部ドラム電位側に振ると暗部ドラム電位の部位にもトナーが現像されてカブリが発生する。一般にはカブリが発生すると出力される画像が黒くなり、画像不良になるため、カブリ0になるように現像バイアスは設定される。
【0044】
しかし、カブリが発生すると分離性能が良くなることが知られているので、ここでは分離性能向上の目的で積極的にカブリが発生する現象バイアス値に制御する。しかし、大幅に現像バイアスを暗部ドラム電位側に振るとカブリが目視できるようになり画像不良となる可能性があるので、ここでは目視できない程度のカブリ(濃度0〜0.2程度)を得るように現像バイアスを−80A変化させる。図7に示すように、画像カブリ濃度0.2程度にするには−80A変化させる必要がある。
【0045】
図6からわかるように、画像濃度が0から0.2に変化すると、転写材Pの浮き量が1.7mm程度滅少することが期待でき、それにより分離性能向上を図ることができる。
【0046】
参考例2においても、転写材Pの浮き量が3mm以上だった場合、分離帯電器21の異常も考えられる。
【0047】
そこで、前述の参考例1と同様、分離帯電器清掃手段(不図示)により分離帯電器21を清掃し、分離性能の正常化を図る。また分離帯電器21の清掃後、再度通紙した際、再度転写材Pの浮き幅が3mm以上であった場合、画像形成装置本体の操作パネル(不図示)に例えば「分離帯電器の能力が低下していること」を表示し、サービスコールをしてもらう。これによりサービスマンは分離帯電器21の異常を知ることができ、分離帯電器の交換を行うことにより正常な分離性能を得ることができる。
【0048】
<実施の形態1>
本実施の形態においては、図8に示すように、光学センサ17は、転写材Pが1mm以上、搬送基準面から浮いた場合、これを検知をしないこととする。ここでレジストローラ対19のクラッチON信号を規準信号としセンサ通過時間を測定する。ここで、転写材Pが1mm以上浮いていない場合、センサ通過時間Tは、レジストローラ対19〜光学センサ17間距離(x)/転写材Pの搬送速度(v)となる。
【0049】
しかし、転写材Pが1mm以上浮いて搬送された場合、センサ通過時間は、Tより大きい値T´となる。ここで{(T´−T)×v}を計算すると、図8に示す転写材Pの浮き幅が測定できる。ここで、転写材Pの浮き幅が大きいほど、分離爪でのジャムや画像欠陥になる可能性が高く分離性能が低下している。
【0050】
そこで、所定の枚数毎に各センサ通過タイミング毎の頻度を算出し、{(T´−T)×v}×(頻度/枚数)におけるT´が0〜∞までの合算値(HA値)を算出する。HA値が大きいほど転写材Pの浮き幅が大きいことになる。つまり分離不良率が大きい。そこで、HA値に対するしきい値Sを設け、HA値が所定のしきい値Sを超えると、分離帯電器21に印加する電流値を変化させる。
【0051】
ここで、図9に、分離性能が正常な場合と低下した場合の転写材Pの浮き幅との関係を、100枚通紙して比較して示す。横軸に転写材P(紙)の浮き幅、縦軸に度数を示す。ここで、同図中のaの山は正常な分離を行った山で、転写材Pの浮き幅は0mmである。一方、同図中のbの山は分離性能が低下したために発生した山であり、転写材Pの浮き幅は0より大きい値となっており、右に行くほど浮き幅が大きいことを示す。ここで、HA値をみてみると、分離性能が正常の場合0であるが、若干低下すると0.5、さらに低下すると46.1となっている。HA値が0.5程度ではそれほど分離性能が落ちていないので問題ないが、46.1程度になった場合には、分離性能を上げる必要がある。そこでHA値のしきい値Sを例えば10に設定し、10を超えると分離帯電器21に印加する電流値を−10μA変化させる。そのようにすることで、図9中の分離性能低下の山から分離性能正常の山になることが期待でき、分離性能の向上が図れる。
【0052】
本実施の形態では、HA値を算出し、しきい値を超えると分離性能の低下を示すので、分離性能向上のための動作を施したが、より簡単に、「浮き幅何mm以上が何枚あると動作を行う」といった形態にしてもよい。
【0053】
実施の形態1においては、転写材Pを感光ドラム10から分離する場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、転写材Pを図10に示す搬送ベルト24から分離する場合や、図11に示す中間転写ベルト26から分離する場合にも基本的な構成はそのままでほぼ同様に適用することができる。なお、図10中の符号25は、転写材を搬送ベルト24表面に吸着させるための吸着帯電器を示し、また、図11中の符号26は、中間転写ベルト26を示している。
【0054】
図10に示す例では、レジストローラ対19によって供給された転写材は、吸着帯電器25によって搬送ベルト24に吸着され、搬送ベルト24の同図中の反時計回りの回転によって搬送される。感光ドラム10上に形成されたトナー像は、転写帯電器20によってこの転写材に転写される。トナー像転写後の転写材は、分離帯電器21によって搬送ベルト24から分離され、光学センサ17によって前述の浮き量や浮き幅が検知される。そしてこの検知結果に基づいて、例えば、転写材の分離時に分離帯電器21に印加する電流を変更する。
【0055】
図11に示す例では、4個の現像器13を備えており、感光ドラム10には、これら現像器13によって、イエロー,マゼンタ,シアン,ブラックのトナー像が順次に形成され、中間転写ベルト26上に順次に一次転写されて、中間転写ベルト26で重ね合わされる。これら中間転写ベルト26上の4色のトナー像は、転写帯電器(不図示)によって、転写材P上に一括で二次転写され、その後、分離帯電器21によって中間転写ベルト26から分離され、光学センサ17によって前述の浮き量や浮き幅が検知される。そしてこの検知結果に基づいて、例えば、転写材Pの分離時に分離帯電器21に印加する電流を変更する。なお、本例では、中間転写ベルト26がトナー像を担持する像担持体となる。
【0056】
図10及び図11に示す画像形成装置においても、前述の実施の形態と同様の効果を奏する。
【0057】
さらに、画像形成装置がインクジェットプリンタであり、転写材が紙の場合は、転写材にインクを飛ばして画像を形成するヘッド(不図示)から転写材を分離する分離装置に対しても、本発明を適用することができる。すなわち、分離後の転写材の浮き量や浮き幅を検知し、その検知結果におうじて分離時時に、分離帯電器に印加する電流を変更するようにする。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、転写材分離後の転写材の浮き幅を検知して、その検知結果に基づいて制御手段により、分離時の条件や現像時の条件を変更することにより、分離後の転写材の姿勢を常に良好なものとすることができるので、例えば、分離爪によって画像をこすられる画像不良や、分離爪と像担持体との間に転写材が侵入して発生するジャムを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の概略構成を模式的に示す図である。
【図2】分離後の転写材の浮き量を制御するための流れを示すフローチャートである。
【図3】転写材の浮き量を説明する図である。
【図4】転写材の浮き量を検知するタイミングを説明するタイムチャートである。
【図5】分離電流の適正値からの変化量と、浮き量との関係を示す図である。
【図6】画像濃度と転写材浮き量(記録媒体浮き量)との関係を示す図である。
【図7】画像カブリ濃度と、現像バイアス(DC成分)変化量との関係を示す図である。
【図8】転写材の浮き幅を説明する図である。
【図9】転写材(紙)の浮き幅と度数との関係を示す図である。
【図10】トナー像転写後の転写材を搬送ベルトから分離する方式の画像形成装置の概略構成を模式的に示す図である。
【図11】トナー像転写後の転写材を中間転写ベルトから分離する方式の画像形成装置の概略構成を模式的に示す図である。
【図12】従来の、トナー像転写後の転写材を感光ドラムから分離する方式の画像形成装置の概略構成を模式的に示す図である。
【符号の説明】
10 像担持体(感光ドラム)
13 現像手段(現像器)
17 検知手段(光学センサ)
21 分離装置(分離帯電器)
26 像担持体(中間転写ベルト)
H 搬送基準面
P 転写材
Claims (2)
- 表面にトナー像を担持する像担持体から転写材にトナー像を転写し、トナー像転写後の転写材を分離装置によって前記像担持体から分離する画像形成装置において、
前記像担持体の下流側に配置されて、正常な分離性能に対応して定めた基準搬送面からの距離の範囲内で通過する転写材を検知して、前記基準搬送面からの距離を越えて通過する記録材を検知しない光学センサと、
正常な分離に対応して記録材の先端が前記光学センサによって検知される時刻と、前記像担持体から分離された記録材が実際に前記光学センサによって検知される時刻との差分に転写材の搬送速度を乗じて浮き幅を求めることを所定枚数の転写材で行い、前記所定枚数の転写材における前記浮き幅の検知結果に基づいて、前記所定枚数ごとに転写材分離時の条件とトナー像現像時の条件とのうちの少なくとも一方を変更する制御手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記分離装置は、前記制御手段によって印加する電流値を変化される分離帯電器であって、
前記所定枚数の転写材における所定の浮き幅以上の枚数が所定の枚数に達すると、前記電流値を変化させて分離性能を向上させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
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