JP5321206B2 - 加湿装置およびその防カビ方法 - Google Patents

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Description

本発明は、加湿フィルタおよび加湿装置の風路におけるカビの繁殖を抑制できる加湿装置に関するものである。
従来、この種の加湿装置は、加湿フィルタに熱水を滴下することにより、加湿フィルタを熱除菌するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
以下、その加湿装置について図8を参照しながら説明する。
図8に示すように、加湿装置は、水槽101内の水面に触れることなく設けられた加湿フィルタとしての気化エレメント102、前記水槽101内の水を汲み上げて前記気化エレメント102に供給する汲み上げポンプ103、前記気化エレメント102を通して送風を外部に放出する送風ファン104を備えてなる。また、前記水槽101内の水位を一定水位に保つように構成し、当該水槽101内の水を加熱するヒータ105と、この加熱された水槽101内の熱水を気化エレメント102に上方に導く水管106とを設け、前記気化エレメント102に対してその上部から熱水を供給するという構成とすることにより、気化エレメント102を除菌できる。
また、この種の加湿装置には、加湿装置が停止した後、加湿フィルタや加湿装置周辺が所定の湿度になるまで送風し、乾燥させるものが知られている。
以下、その加湿装置について図9を参照しながら説明する。
図9に示すように、加湿装置201は空気調和装置に組込まれており、室外の空気を室内へ給気する給気通路202において、給気用送風機203の風下側に設置され、図示しない給水槽に臨ませた多数枚の加湿板で形成されたものである。給水槽への給水を制御する給水管の途中には電磁弁204を設けており、空気調和装置の暖房運転停止時には、電磁弁204を閉止し給水を止めると同時に、給気用送風機203が、図示しない湿度センサが所定の湿度となるまで、運転を続け、加湿板や加湿装置201の周囲におけるカビ等の発生を防止することができる。
特許第3837651号公報 特許第2960155号公報
このような従来の加湿装置においては、水槽内の水を加熱して得た熱水を加湿フィルタに滴下する構成となっていたので、加湿フィルタの素材や形状によっては、熱による変形や劣化などを生じるという課題を有していた。また、熱水を作るために、エネルギーが多量に必要であるという課題があった。また、加湿フィルタ以外の部分は除菌できないという課題があった。
また、加湿装置が停止した後、加湿フィルタや加湿装置周辺が所定の湿度になるまで送風し、乾燥させる構成の場合には、装置外部の温湿度によって乾燥時間が変動し、たとえば、室内空気温度が低い冬場においては、空気が含むことのできる湿分が少ないために、加湿装置の内部を乾燥し、カビ等の発生を抑制する効果を得るまでに多大な時間を要することがあった。
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、室内空気の温湿度条件に左右されることなく、少ないエネルギーで、しかも加湿フィルタを変形や劣化させずに風路や加湿フィルタにおけるカビ等の発生を抑制できる加湿装置を提供することを目的とする。
そして、この目的を達成するために、本発明は、吸込口と吹出口を有する本体と、この吸込口と吹出口を連通する風路内に、空気を加湿するための加湿フィルタと、前記加湿フィルタに水を供給するための水供給手段と、前記加湿フィルタに空気を送る送風手段と、空気を加熱する空気加熱手段とを備えた加湿装置において、前記吸込口と吹出口の少なくとも一方を遮蔽し、前記風路を閉空間とした後、送風手段を作動させ、さらにその後に空気加熱手段を作動させて前記加湿装置内を一時的にクラドスポリウム属真菌の発生しない温湿度状態に保つことを特徴とする加湿装置の防カビ方法であり、これにより所期の目的を達成するものである。
本発明によれば、吸込口と吹出口を有する本体と、この吸込口と吹出口を連通する風路内に、空気を加湿するための加湿フィルタと、前記加湿フィルタに水を供給するための水供給手段と、前記加湿フィルタに空気を送る送風手段と、空気を加熱する空気加熱手段とを備えた加湿装置において、前記吸込口と吹出口の少なくとも一方を遮蔽し、前記風路を閉空間とした後、送風手段を作動させ、さらにその後に空気加熱手段を作動させて前記加湿装置内を一時的にクラドスポリウム属真菌の発生しない温湿度状態に保つことにより、室内空気の温湿度条件に左右されることなく、少ないエネルギーで、しかも加湿フィルタを変形や劣化させずに、風路や加湿フィルタにおけるカビ等の発生を抑制できる加湿装置を得ることができる。
本発明の実施の形態1の加湿装置を示す概略断面図 同加湿装置の別の状態図を示す概略断面図 本発明の実施の形態2の遮蔽手段を示す概略断面図 本発明の実施の形態3の加湿装置を示す概略断面図 本発明の実施の形態4のヒートショックによるCladosporium cladosporioidesの繁殖抑制効果を示す図 同温湿度ショックによるCladosporium cladosporioidesの繁殖抑制効果を示す図 同温湿度ショックによるAurepbasidium puluansの繁殖抑制効果を示す図 従来の加湿装置を示す概略断面図 同加湿装置を示す概略断面図
本発明の請求項1記載の加湿装置の防カビ方法は、吸込口と吹出口を有する本体と、この吸込口と吹出口を連通する風路内に、空気を加湿するための加湿フィルタと、前記加湿フィルタに水を供給するための水供給手段と、前記加湿フィルタに空気を送る送風手段と、空気を加熱する空気加熱手段とを備えた加湿装置において、前記吸込口と吹出口の少なくとも一方を遮蔽し、前記風路を閉空間とした後、送風手段を作動させ、さらにその後に空気加熱手段を作動させて前記加湿装置内を一時的にクラドスポリウム属真菌の発生しない温湿度状態に保つことを特徴とする加湿装置の防カビ方法である。吸込口と吹出口の少なくとも一方を遮蔽することにより、送風手段としてのファン・モータや空気加熱手段としてのヒータに入力したエネルギーが装置外へ排出されてしまうというロスを抑制し、カビの発生抑制が望まれる部分のみ、温湿度を意図的に制御することができ、少ないエネルギーで浮遊カビや付着カビに温湿度ショックを与えることができる。また、より短時間で必要十分な温湿度に制御することができる。また、加熱手段を最後に作動させることにより、加熱手段の周囲における過熱を防止することができる。さらに、加湿装置の設置された室内空気の温湿度や、加湿装置内部の湿潤の程度に左右されることなく、浮遊カビや付着カビに温湿度ショックを与えることができる。これにより、加湿装置内部の風路や加湿フィルタ等におけるカビの活動を停止させ、長期間にわたって加湿装置を清潔に使用することができるという効果を奏する。
また、本発明の請求項2記載の加湿装置は、吸込口と吹出口を有する本体と、この吸込口と吹出口を連通する風路内に、空気を加湿するための加湿フィルタと、前記加湿フィルタに水を供給するための水供給手段と、前記加湿フィルタに空気を送る送風手段と、空気を加熱する空気加熱手段とを備えた加湿装置において、前記吸込口と吹出口の少なくとも一方を遮蔽する遮蔽手段を設け、前記風路を閉空間とした後、送風手段を作動させ、さらにその後に空気加熱手段を作動させて前記加湿装置内を一時的にクラドスポリウム属真菌の発生しない温湿度状態に保つことを特徴とする。吸込口と吹出口の少なくとも一方を遮蔽手段で遮蔽して、カビの発生抑制が望まれる風路内を閉空間とすることにより、風路内の温湿度を意図的に制御することができ加湿装置の設置された室内空気の温湿度や、加湿装置内部の湿潤の程度に左右されることなく、より短時間で必要十分な温湿度に制御して、少ないエネルギーで浮遊カビや付着カビに温湿度ショックを与えることができる。これにより、加湿装置内部の風路や加湿フィルタ等におけるカビの活動を停止させ、長期間にわたって加湿装置を清潔に使用することができるという効果を奏する。
また、風路内の少なくとも一部を、40℃以上55℃以下かつ99%RH以上100%RH以下の状態に1時間以上維持することにより、加湿装置内部の浮遊カビや付着カビに与える温湿度ショックの暴露時間を増やし、カビの活動を停止させ、加湿装置を清潔に使用することができるという効果を奏する。
また、加湿フィルタの表面温度を、40℃以上55℃以下にすることにより、水を煮沸して熱水を作成する場合に比べて低温であるために、加湿フィルタが変形や劣化を起こしにくく、また、使用者が触れても火傷などの心配がない。
また、空気加熱手段で加熱した空気を、送風手段によって風路内に送風することにより、風路内部全体をより速く、効率的に、カビの発生しない温湿度にできるという効果を与えることができる。また、加湿フィルタ以外の風路内部にも、カビの活動を停止させる効果を与えることができる。
また、風路内の、加湿フィルタの上流側に空気加熱手段を配置することにより、湿潤した加湿フィルタの温度を上昇させて水を気化させ、風路内の温湿度を効率的に上昇させることができる。
また、風路内に蒸気発生手段を設けたことにより、水を微粒化し、風路内の湿度を効率的に上昇させることができるために、短時間で所定の温湿度を達成することができるという効果を奏する。
また、蒸気発生手段から発生する蒸気を、加湿フィルタにあてることにより、加湿フィルタにおける湿度を効率的に上昇させることができる。また、加湿フィルタは水の気化を促進するために、加湿フィルタにあたった蒸気は短時間で気化し、風路内においてもすばやく所定の温湿度を達成することができるという効果を奏する。
また、風路内の温度を検出する温度検知手段を設けたことにより、風路内の空気温度を検知することができ、必要十分な温度に制御することができる。
また、風路内の湿度を検出する湿度検知手段を設けたことにより、風路内の空気湿度を検知することができ、必要十分な湿度に制御することができる。
また、風路内を40℃以上55℃以下かつ99%RH以上100%RH以下に保った後、乾燥することにより、運転停止時でもカビや菌が繁殖しにくい環境を作り出し、より長期間にわたって加湿装置を清潔に使用することができるという効果を奏する。
また、風路内を一定時間経過毎に40℃以上55℃以下かつ99%RH以上100%RH以下にするための運転時間検知手段を設けたことにより、自動的にカビの活動を抑制し、使用者が意識しなくても容易に清潔な加湿装置を得ることができるという効果を奏する。
また、加湿フィルタが回転することにより加湿フィルタの全体を均一な温湿度にすることができるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1に示すように、加湿装置は、加湿フィルタ11と、前記加湿フィルタに水を供給するための水供給手段としての貯水槽12と、前記加湿フィルタに空気を送る送風手段としてのファン・モータ13と、空気を加熱する空気加熱手段としてのニクロム線ヒータ14からなる。吸込口15から吸い込まれた空気は、湿潤した前記加湿フィルタ11を通過し、加湿された後に、前記ファン・モータ13を経由して吹出口16から装置外へと排出される仕組みである。遮蔽手段として、吸込口15にはスライド式の風路開閉手段17を、吹出口16には方向転換式の風路開閉手段18を設けている。吹出口16に設けた風路開閉手段18は、ファン・モータ13上部の、加湿装置内循環用風路における遮蔽手段も兼用している。
加湿フィルタ11が加湿装置内部の風路19に配置され、ニクロム線ヒータ14によって、前記加湿フィルタ11を含む風路の少なくとも一部をカビの発生しない温湿度に制御することにより、室内空気の温湿度条件に左右されることなく、少ないエネルギーで、しかも加湿フィルタを変形や劣化させずに風路や加湿フィルタにおけるカビ等の発生を抑制できる加湿装置を得ることができる。
空気加熱手段としては、ニクロム線ヒータ14の他にも、赤外線ヒータやセラミックヒータなどを利用しても良い。
従来から行われている乾燥によるカビ抑制の方法では、装置外部の温湿度によって乾燥時間が変動し、たとえば、冬場など吸込空気温度が低い場合には、一定量の空気が含むことのできる水分量が少なく、乾燥に多大な時間を要することがある。本発明の湿熱を利用する方法であれば、加湿装置がどのような温度下に設置されていても、加湿装置に備えられた空気加熱手段を利用することにより、つねに安定して効果を得ることができる。
また、空気加熱手段で加熱した空気を、送風手段によって、風路内に送風する構成としても良い。前記構成とすることにより、風路内部全体をより速く、効率的に、カビの発生しない温湿度にできる。送風量を少なくすれば、風路内の温度はより効率よく上昇し、同時に湿度も上昇するため、少ないエネルギーで高い効果を得ることができる。
さらに、空気加熱手段を、風路内の、加湿フィルタ11の上流側に配置すれば、湿潤した加湿フィルタ11の温度を上昇させて水を気化させ、風路内の温湿度を効率的に上昇させることができる。加湿フィルタ11は、加湿装置の中でもカビが発生しやすいため、とくに加湿フィルタ11に対して、その温湿度環境を制御することが、長期間にわたって加湿装置を清潔に保つために有効である。
風路内の温度としては、40℃以上55℃以下とするのが良い。ニクロム線ヒータ14を加熱手段として用いる場合には、たとえば閉空間における20℃の空気1m3を約5分間で45℃とするためには、ヒータの入力を120Wとすれば良い。このとき、加湿フィルタ11の表面温度が当該温度となっていれば、カビの繁殖が促進されやすい加湿フィルタ11においても、効果的なカビの抑制効果を得ることができる。たとえば、加湿装置内部に繁殖するカビとしてもっとも有名なクラドスポリウム属真菌の場合、40℃100%RHの条件であれば約1時間、55℃100%RHであれば約6分で死滅する。
図2には、遮蔽手段としての風路開閉手段17、18により吸込口15および吹出口16を遮蔽し、加湿装置内部を閉空間としたときの状態図を示す。
風路内を閉空間とすることにより、装置外へ排出される温度や湿度を抑制することができるため、より少ないエネルギーで浮遊カビや付着カビに温湿度ショックを与えることができる。風路開閉手段17、18による遮蔽は、吸込口15または吹出口16のいずれか一方にのみ行っても良い。この場合、風路外に逃れる空気が増大するため、一定の温湿度条件に到達するまでに時間を要するが、効果としては同様に得ることができる。
風路内を閉空間とするためには、それぞれの機能に対する風路または空間を設けるのではなく、ひとつの風路を分岐しながら、開閉手段により使い分けるのが良い。これにより、少ないスペースで効果を得ることができる。
遮蔽手段により風路を閉空間とした後、送風手段を作動させ、さらにその後に空気加熱手段を作動させるという順序によって、加湿装置の風路内をカビの発生しない温湿度に制御すれば、送風手段としてのファン・モータ13や空気加熱手段としてのヒータに入力したエネルギーが装置外へ排出されてしまうというロスを抑制することができる。また、加熱手段を最後に作動させることにより、加熱手段の周囲における過熱を防止することができる。なお、各手段を停止する際には、この逆の順序を踏んでも良いが、好ましくは、風路開閉手段17、18を開放した後に、空気加熱手段を停止し、最後に送風手段を停止するのが良い。まず初めに風路開閉手段17、18を開放することによって、加湿装置内部に滞留している温湿度を装置外へ排出でき、空気加熱手段を停止した後の風路内結露を防止することができる。また、空気加熱手段を停止した後には、送風手段によって残熱を取り除くことにより、空気加熱手段を長期間にわたって安定的に使用できるようになる。
風路内をカビの発生しない温湿度に制御した後、乾燥すれば、運転停止時でもカビや菌が繁殖しにくい環境を作り出し、より長期間にわたって加湿装置を清潔に使用することができる。乾燥の方法としては、たとえば、風路開閉手段17、18を開放した後に、送風手段と加熱手段、あるいは送風手段のみを稼動させれば良い。
遮蔽手段としての風路開閉手段17、18は、図3に一例を示すように、シャッターや簾のような(A)巻き込み式や、板をスライドさせて通風路を開閉する(B)スライド式、また、空調機器に使用されるいわゆるダンパーのような、板の一部に支点を設け、そこを中心に(C)方向転換させる方式などを利用することができる。方向転換式においては、開閉に要するスペースを小さくするために、窓のブラインドとして用いられるような(D)細かい板を連ねて方向転換させるものでも良い。また、図示しないが、加湿装置の外部に併設して機能する蓋状のものでも良い。
また、加湿フィルタ11が回転すれば、加湿フィルタ11の全体を均一な温湿度にすることができる。加湿フィルタ11は、空気や水ともっともよく接触する部位であり、加湿装置の中でもカビが発生しやすいため、とくに加湿フィルタ11に対して、その温湿度環境を制御することが、長期間にわたって加湿装置を清潔に保つために有効である。加湿フィルタ11の素材は、湿熱に対する耐久性が高いものを選ぶのが良い。たとえば、ポリエステルやアクリル、ナイロンなどの合成樹脂繊維、シリカやアルミナなどを含むセラミック素材などが挙げられる。金属を用いても高い耐久性が得られ、さらに銀や銅、亜鉛などの抗菌性金属を含めば、カビだけでなく、加湿フィルタ11表面における菌類の繁殖も容易に抑制することができる。
(実施の形態2)
図4において、図1および図2と同様の構成要素については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図4は別の形態の加湿装置を示し、加湿フィルタ11と、前記加湿フィルタに水を供給するための水供給手段としての貯水槽12と、蒸気発生手段としての超音波振動子20と、前記加湿フィルタに空気を送る送風手段としてのファン・モータ13と、空気を加熱する空気加熱手段としてのニクロム線ヒータ14からなる。また、風路内、加湿フィルタの下流側には温度検知手段としてのサーミスタ21および湿度検知手段としての湿度センサ22を設け、さらに、ファン・モータ13の近傍には時間検知手段としてのタイマー23を設けている。吸込口15から吸い込まれた空気は、湿潤した前記加湿フィルタ11を通過し、加湿された後に、前記ファン・モータ13を経由して吹出口16から装置外へと排出される仕組みである。
吸込口15には、巻き込み式の風路開閉手段17を、吹出口16には方向転換式の風路開閉手段18を設けている。吹出口16に設けた風路開閉手段18は、ファン・モータ13上部の、加湿装置内循環用風路における開閉手段も兼用している。
蒸気発生手段は、超音波振動子20の他にも、たとえば、水加熱用のシーズヒータ、赤外線ヒータなどがある。超音波振動子20を水槽内に設置し、1.6MHzの周波数で振動させれば、水は約5μmの粒子となって水面に浮遊する。また、水加熱ヒータを貯水槽12内に設置し、水を加熱しても、約5μm程度の水が湯気となって水面に浮遊する。また、赤外線ヒータ、とくに近赤外線ヒータを貯水槽12から離した位置に設置し、水面に向かって照射しても、同様に湯気を得ることができる。
蒸気発生手段によって発生する蒸気は、少量の空気を送ることにより容易にその発生方向を変換することができる。たとえば、超音波振動子20を、風路内の、加湿フィルタ11の上流側に蒸気が発生するように設置し、ファン・モータ13を作動させれば、蒸気は加湿フィルタ11にあたるようになる。
また、風路内の温度を検出する温度検知手段を設けることにより、効率的に温度制御ができるようになる。また、過熱を防ぐことにより、エネルギーのロスを減らす効果も期待できる。特に図4に示すように、加湿フィルタ11の下流側に設けることにより、加湿フィルタ11の温湿度を確保することが容易になる。温度検知手段としては、サーミスタ21のほかにも、熱電対などを用いることができる。
また、風路内の湿度を検出する湿度検知手段を設けることにより、効率的に湿度制御ができるようになる。湿度検知手段としては、たとえば、高分子膜湿度センサや、セラミック湿度センサ、温度検知手段と組み合わせた乾湿温度計などを用いることができる。
また、風路内を一定時間経過毎にカビの発生しない温湿度にするための時間検知手段を設けることにより、自動的にカビの活動を抑制し、使用者が意識しなくても容易に清潔な加湿装置を得ることができる。運転時間検知手段は、たとえばファンの回転数を蓄積したり、モータの稼動時間を計測したりするタイマー23によって得ることができる。
(実施の形態3)
加湿装置内部に繁殖するカビとして最も有名なクラドスポリウム属真菌(Cladosporium cladosporioides、NBRC6348、以下クラドスポリウム)を用いて、ヒートショックによる増殖抑制試験を行った。以下にその方法を記す。
ポテトデキストロース寒天培地(以下PDA培地)により試験管で斜面培養したクラドスポリウムのコロニーを、滅菌水1mLでピペッティングして胞子を回収した。50mL容の遠沈管に胞子回収液1mLと24mLの滅菌水を加え、室温、200rpmの条件で10分間振とうし、供試液を得た。1.5mL容のマイクロチューブに供試液1mLを入れ、ブロックヒーターを用いて、ヒートショックを与えた後、シャーレに入れたPDA培地上に塗布し、25℃で4日間静地培養した。その後、目視でコロニー数をカウントし生存菌数を算出した。ヒートショック後の生存菌数をヒートショック前の生存菌数で除し、生存率を算出した。
図5に示す通り、25℃または35℃で2時間ヒートショックを与えても、クラドスポリウムの生存率はほぼ100%であり、クラドスポリウムの繁殖を抑制することはできなかった。しかし、40℃のヒートショックでは1時間で約80%を抑制でき、2時間では約90%を抑制させることができた。また、45℃のヒートショックでは、0.5時間の暴露でほぼ全滅させることができた。
このように、クラドスポリウムは浸水条件においても、40℃以上のヒートショックを1時間以上与えることにより死滅させることが可能であることがわかり、加湿装置内部の風路や加湿フィルタが濡れている場合も、乾燥させることなく抑制することが可能である。これは、加湿装置内部の風路等に付着した水滴の中に存在するカビも抑制できることを示している。
同様に、クラドスポリウムを用いて、温湿度ショックによる増殖抑制試験を行った。その方法を以下に記す。
ポテトデキストロース寒天培地(以下PDA寒天培地)により試験管で斜面培養したコロニーを滅菌水1mLでピペッティングすることにより、胞子を回収した。50mL容の遠沈管に胞子回収液1mLと24mLの滅菌水を加え、室温、200rpmで10分間振とうし、供試液を得た。25mL容の遠沈管に供試液0.1mLを入れ、約2時間かけて完全に風乾させた後、予め25、35、40または45℃かつ99%RHに設定された恒温恒湿槽に入れて、乾燥胞子に温湿度ショックを与えた。その後、遠沈管に滅菌水5mLを入れて撹拌することにより、乾燥胞子を滅菌水中に分散させ、シャーレに入れたPDA寒天培地上に塗布して25℃で4日間静地培養した。そして、目視でコロニー数をカウントし生存菌数を算出した。温湿度ショック後の生存胞子数を温湿度ショック前の生存胞子数で除し、生存率を算出した。
図6に示す通り、クラドスポリウムは40℃、99%RH条件下に1時間暴露させることによりほぼ全滅させることができた。
また、加湿装置内部にも多く存在する中温菌である、オーレオバシジウム(Aureobasidium puluans、NBRC6353)を用いて実験を行った。図7に示す通り、40℃、99%RH条件下に1時間暴露させることにより、ほぼ全滅させることができた。
以上より、加湿装置内部に浮遊しているカビや、風路や加湿フィルタ等に付着しているカビは40℃以上の温度、99%RH以上100%RH以下の湿度条件に1時間暴露させることにより、ほぼ完全に死滅させることができることがわかった。
本発明にかかる加湿装置およびその防カビ方法は、風路や加湿フィルタにおけるカビ等の発生を抑制できるものであるので、家庭用・業務用の加湿装置、加湿機能付空気清浄装置、空気調和装置などにおいて有用である。
11 加湿フィルタ
12 貯水槽
13 ファン・モータ
14 ニクロム線ヒータ
15 吸込口
16 吹出口
17 風路開閉手段
18 風路開閉手段
19 風路
20 超音波振動子
21 サーミスタ
22 湿度センサ
23 タイマー
101 水槽
102 気化エレメント
103 汲み上げポンプ
104 送風ファン
105 ヒータ
106 水管
201 加湿装置
202 給気通路
203 給気用送風機
204 電磁弁

Claims (13)

  1. 吸込口と吹出口を有する本体と、この吸込口と吹出口を連通する風路内に、空気を加湿するための加湿フィルタと、前記加湿フィルタに水を供給するための水供給手段と、前記加湿フィルタに空気を送る送風手段と、空気を加熱する空気加熱手段とを備えた加湿装置の防カビ方法であって、前記吸込口と吹出口の少なくとも一方を遮蔽し、前記風路を閉空間とした後、送風手段を作動させ、さらにその後に空気加熱手段を作動させて前記加湿装置内を一時的にクラドスポリウム属真菌の発生しない温湿度状態に保つことを特徴とする加湿装置の防カビ方法。
  2. 吸込口と吹出口を有する本体と、この吸込口と吹出口を連通する風路内に、空気を加湿するための加湿フィルタと、前記加湿フィルタに水を供給するための水供給手段と、前記加湿フィルタに空気を送る送風手段と、空気を加熱する空気加熱手段とを備えた加湿装置において、前記吸込口と吹出口の少なくとも一方を遮蔽する遮蔽手段を設け、前記風路を閉空間とした後、送風手段を作動させ、さらにその後に空気加熱手段を作動させて前記加湿装置内を一時的にクラドスポリウム属真菌の発生しない温湿度状態に保つことを特徴とする加湿装置。
  3. 風路内の少なくとも一部を、40℃以上55℃以下かつ99%RH以上100%RH以下の状態に1時間以上維持する請求項に記載の加湿装置。
  4. 加湿フィルタの表面温度を、40℃以上55℃以下にする請求項記載の加湿装置。
  5. 空気加熱手段によって加熱した空気を、送風手段によって風路内に送風する請求項2乃至いずれかに記載の加湿装置。
  6. 風路内の、加湿フィルタの上流側に空気加熱手段を配置する請求項2乃至いずれかに記載の加湿装置。
  7. 風路内に蒸気発生手段を設けた請求項2乃至いずれかに記載の加湿装置。
  8. 蒸気発生手段から発生する蒸気を、加湿フィルタにあてる請求項記載の加湿装置。
  9. 風路内の温度を検出する温度検知手段を設けた請求項2乃至いずれかに記載の加湿装置。
  10. 風路内の湿度を検出する湿度検知手段を設けた請求項2乃至いずれかに記載の加湿装置。
  11. 風路内を40℃以上55℃以下かつ99%RH以上100%RH以下に保った後、乾燥する請求項2に記載の加湿装置。
  12. 風路内を一定時間経過毎に40℃以上55℃以下かつ99%RH以上100%RH以下にするための運転時間検知手段を設けた請求項2または11のいずれかに記載の加湿装置。
  13. 加湿フィルタが回転する請求項2、4、8のいずれかに記載の加湿装置。
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