JP2004211959A - 浴室空調装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】浴室11内に臨む空気の吸込口6と、浴室11内に臨む空気の吹出口7と、前記吸込口6及び前記吹出口7に設けられ前記吸込口6及び前記吹出口7を閉鎖可能なルーバ10A,10Bと、浴室11内の空気を屋外へ排気するための換気口8と、前記吸込口6から前記吹出口7に至る循環用通路と、前記吸込口6から前記換気口8に至る排気用通路と、浴室11内に送風又は浴室11内の空気を循環するファン24と、前記ファン24による空気流の通路を前記循環用通路と前記排気用通路との一方若しくは双方に切り替えるダンパー9と、前記循環用通路に設けられ正負イオンを発生するイオン発生装置23と、前記循環用通路に設けられたセラミックヒータ30とを備えたことを特徴とする浴室空調装置1。
【選択図】 図9
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、衣類及び浴室内を乾燥又は換気又は暖房するために使用される浴室空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、夫婦共稼ぎの増加におり夜間等を利用して洗濯物を室内にて乾かしたいとの要望が増大してきた。また冬場等寒い時期に浴槽の湯に浸かる前の浴室内が冷えており、入浴前の浴室を暖めておきたいという要望が増加してきている。
【0003】
そこで、従来から衣類及び浴室内を乾燥又は換気・暖房するための浴室空調装置が種々提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、負イオン発生手段を内蔵し、負イオンを含んだ空気を浴室内に送風するものも知られている(例えば、特許文献2参照。)。負イオンは精神を安定させ、呼吸器の機能を高める効能を持つと言われている。
【0005】
一方、浴室は高温多湿の空間であり、入浴後換気を行なってもしばらくは湿気が残るため、タイルや天井にカビが生え、非衛生になりやすい。そのため、浴室の清掃時に塩素系の薬剤を散布してカビを取り除かねばならず、清掃に手間を要するだけでなく、薬剤の刺激臭で気分が悪くなるという問題があった。
【0006】
そこで、オゾン発生装置などの空間殺菌装置を浴室内に設置し、空気中に浮遊するカビの胞子を殺すことにより、タイルや天井へのカビの付着を防ぎ、カビの生えない清潔な浴室環境を実現する提案がなされている(例えば、特許文献3〜6参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−333153号公報
【特許文献2】
特開2002−130945号公報
【特許文献3】
特開2002−253647号公報
【特許文献4】
特開2002−333158号公報
【特許文献5】
特開2002−333162号公報
【特許文献6】
特開2002−162106号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、オゾンガスは人間に有害な物質なので、オゾン発生装置は浴室に人が出入りしない時間帯を選んで運転させることが必要であり、処理後も残留オゾンガスが安全な濃度に低下するまで浴室に入室できないなど不都合な点が多々あった。
【0009】
そこで、正負イオンを発生するイオン発生装置を浴室に設けて、正負イオンを浴室空間に供給して空気中の浮遊菌を不活化することにより、カビの発生を抑えることが提案されている。正負イオンは人体に無害なので、時間帯を選ばず、また人が浴室内にいるときでも安心して放出することができる。
【0010】
正負イオン発生の原理は、誘電体が介在するように対向させた一対の電極間に家庭用交流電源などから取った交流電圧を昇圧して印加することにより、コロナ放電を起こし、空気中の酸素ないしは水分が電離によりエネルギーを受けてイオン化し、H+(H2O)m(mは任意の自然数)と、O2 −(H2O)n(nは任意の自然数)が主体のイオンを放出するものである。これらH+(H2O)m及びO2 −(H2O)nは、浮遊菌の表面に付着し、化学反応して活性種であるH2O2または・OHを生成する。H2O2または・OHは、極めて強力な活性を示すため、これらにより、空気中の浮遊細菌を取り囲んで不活化することができる。ここで、・OHは活性種の1種であり、ラジカルのOHを示している。
【0011】
正負のイオンは浮遊細菌の細胞表面で式(1)〜式(3)に示すように化学反応して、活性種である過酸化水素(H2O2)または水酸基ラジカル(・OH)を生成する。ここで、式(1)〜式(3)において、m、m’、n、n’は任意の自然数である。これにより、活性種の分解作用によって浮遊細菌が破壊される。従って、効率的に空気中の浮遊細菌を、不活化、除去することができる。
H+(H2O)m+O2 −(H2O)n→・OH+1/2O2+(m+n)H2O ・・・(1)
H+(H2O)m+H+(H2O)m’+O2 −(H2O)n+O2 −(H2O)n’ → 2・OH+O2+(m+m’+n+n’)H2O ・・・(2)
H+(H2O)m+H+(H2O)m’+O2 −(H2O)n+O2 −(H2O)n’ → H2O2+O2+(m+m’+n+n’)H2O ・・・(3)
【0012】
また、上記式(1)〜式(3)は、空気中の有害物質表面でも同様に作用を生じさせることができるため、活性種である過酸化水素(H2O2)または水酸基ラジカル(・OH)が、ホルムアルデヒドやアンモニアなどの化学物質を、酸化若しくは分解して、二酸化炭素や、水、窒素などの無害な物質に変換することにより、実質的に無害化することが可能である。
【0013】
その他、正イオンと負イオンには、インフルエンザウィルス、コクサッキーウィルスなどのウィルス類も不活化する働きがあり、これらウィルスの混入による汚染が防止できる。
【0014】
また、正イオンと負イオンには、臭いの元となる分子を分解する働きがあることも確かめられており、空間の脱臭にも利用できる。
【0015】
したがって、この技術を浴室空調装置に利用すれば、浴室の雰囲気中のカビや菌を不活化し、浮遊菌数を一定の水準以下に抑えておくことが可能である。正負イオンには浴室のタイルや天井に付着したカビや菌を不活化する作用は小さいが、このように浮遊菌数を抑えることで、カビや菌の付着を抑えることができる。
【0016】
ところが、多湿の環境下で使用される浴室空調装置は、装置内部にカビなどが繁殖しやすく、そのまま浴室に送風すると、かえってカビの胞子を浴室に飛散させることになり、カビ臭さの要因となるだけでなく、カビ発生の防止効果が思うように得られないことにもつながる。
【0017】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、装置内の除菌を行なうことができる浴室空調装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の浴室空調装置は、浴室内に臨む空気の吸込口と、浴室内に臨む空気の吹出口と、前記吸込口から前記吹出口に至る循環用通路と、浴室内の空気を循環する循環用送風機と、前記循環用通路に設けられ正負イオンを発生するイオン発生装置とを備えたことを特徴とする。
【0019】
また、浴室内に臨む空気の吸込口と、浴室内に臨む空気の吹出口と、浴室内の空気を屋外へ排気するための換気口と、前記吸込口から前記吹出口に至る循環用通路と、前記吸込口から前記換気口に至る排気用通路と、浴室内に送風又は浴室内の空気を循環する送風機と、前記循環用通路に設けられ正負イオンを発生するイオン発生装置とを備えたことを特徴とする。
【0020】
そして、前記循環用通路に前記送風機の空気流の通路を形成し、前記ルーバにより前記吸込口及び前記吹出口を閉じた状態で、前記イオン発生装置を駆動し、正負イオンを含む空気を前記浴室空調装置内で循環させる装置内空気の除菌モードを備えたことを特徴とする。
【0021】
そして、この装置内空気の除菌モードの運転を一定時間行うことを特徴とする。
【0022】
あるいは、浴室空調装置内の湿度を検出する湿度センサーを備え、該湿度センサーの検出した湿度が所定の基準値以下になるまで前記装置内空気の除菌モードの運転を行う。
【0023】
そして、所定の時間間隔で前記ルーバを開くことにより、浴室内に浮遊するカビや雑菌の不活化にも効果が期待できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る浴室空調装置の斜視図であり、図2は、浴室への取り付け状態を示す模式図である。この浴室空調装置1は、天井板2の開口部3の内部に装着する本体4と、天井板2の下方に位置するように本体4に取り付けられるパネル5とによって大略構成される。天井板2の開口部3は、パネル5が浴室11内部の浴槽12の上に位置するように形成されている。
【0025】
パネル5中央には、幅の異なる窓状の開口部が左右に並んで2つ設けられている。つまり、左側に幅の広い吸込口6が形成され、右側に幅の狭い吹出口7が形成されている。そして、吸込口6の幅方向に並んで6枚のルーバ10Aが設けられ、吹出口7の幅方向に並んで3枚のルーバ10Bが設けられている。ルーバ10Aとルーバ10Bは、セットで別々に動作させることが可能であり、ルーバ10A,10Bの傾きによって、吸込口6と吹出口7を完全に閉じたり、浴室11内から本体4内に吸い込まれる空気の流れや吹出口7を通過して浴室11内に吹き出される空気の流れを所定の方向に固定したり、広範囲にスイングさせたりすることができる。
【0026】
浴槽12の隣は洗い場13であり、天井板2の洗い場13の上方に位置する部分には点検口15及び蓋16が設けられている。ドア17には通風口となるガラリ18が形成されている。浴室11の外側の壁面には浴室空調装置1のコントローラ19及び配電盤20が配置されており、コントローラ19及び配電盤20は浴室空調装置1に電力線及び制御線によりそれぞれ接続されている。また、本体4は排気ダクト21,22に接続されており、本体4にて吸引した浴室11の空気を屋外に排気できるようになっている。
【0027】
図3は、浴室空調装置1の概略断面図である。本体4内の上部左方には、水平方向に回転する軸流式のファン24が設けられている。ファン24は、本体4上面の外側に設けられたファンモータ25の軸に固定されている。さらに、本体4内は、ファンケーシングを兼ねる間仕切り部材27により、下部左方の部屋28と、上部及び右方の部屋29とに仕切られている。間仕切り部材27は、ファン24の下面と向かい合う部分が部屋27に臨む導入開口部27Aとして、パネル5の吹出口7に向かい合う部分が排出開口部27Bとしてそれぞれ筒状に形成されている。パネル5の吸込口6を介して浴室11内と部屋28とが連通し、導入開口部27Aを介して部屋28,29が連通し、排出開口部27Bの下流端に重なる吹出口7を介して部屋29と浴室11内とが連通している。部屋28はファン24の上流域、部屋29はファン24の下流域となる。
【0028】
本体4内には、吸込口6から部屋28,29を経て吹出口7へ至る循環用通路と、吸込口6から部屋28,29を経て換気口8へ至る排気用通路とが形成される。循環用通路と排気用通路との分岐部には、ファン24の空気流をどちらか一方若しくは双方に切り替えるダンパー9が設けられている。
【0029】
部屋29のダンパー9より下流側に位置する循環用通路、すなわち導入開口部27B内に、セラミックヒータ30等の加熱手段による熱源が設けられている。なお、浴室空調装置1の熱源は、種々多様であり、電気式に限られるものではない。セラミックヒータ30のさらに下流側には、正負イオンを発生するイオン発生装置23が設けられている。なお、イオン発生装置23の設置位置は、セラミックヒータ30の上流側でもよい。部屋29のダンパー9よりも上流側には、湿度センサー31が設けられている。
【0030】
図6は、浴室空調装置1の制御ブロック図を示している。マイコンから成る制御部32は配電盤20に接続され電源の供給を受けて、ファン24の回転数、ダンパー9の位置、ルーバ10A,10Bの傾きやスイング、セラミックヒータ30やイオン発生装置23への通電を制御する。従って、これらの動作をコントローラ19を使って個別に制御することにより、さまざまな運転モード(空調モード)が実現される。代表的な運転モードには、暖房、換気、涼風、乾燥という4つがある。また、制御部32は時間を計測するタイマー33を内蔵しており、使用者は所定の時刻に電源が入る入タイマーと電源が切れる切タイマーを切り替えて作動させることができる。
【0031】
図7は、コントローラ19の平面図である。コントローラ19正面の上側の部分には、時刻や運転状態などの液晶表示を行う表示部34が形成されている。表示部34の下には、各種のボタンが配置されている。すなわち、停止ボタン35は運転を停止するとき、暖房ボタン36は暖房モードで浴室11を暖房するとき、乾燥ボタン37は乾燥モードで衣類を乾燥するとき、涼風ボタン38は涼風モードで扇風機として使用するとき、換気ボタン39は換気モードで浴室11を乾燥するとき、タイマーボタン40はタイマー時間を増減するときにそれぞれ使用する。また、コントローラ19正面の右下には、イオン発生装置23から正負イオンが発生しているときに点灯するクラスターイオンランプ41、イオン発生装置23から負イオンが発生しているときに点灯するマイナスイオンランプ42、イオン発生装置23の駆動が停止されているときに点灯するイオン発生停止中ランプ43が縦に並んで配置されている。これらのランプはLEDから構成されている。
【0032】
次に、浴室空調装置1の各運転モードについて図3〜図5を参照して説明する。暖房モードは、寒い冬の時期に浴室11を入浴前に暖めておく運転モードであり、このモードが選択されると、制御部32は、図3に示すように、ダンパー9によって換気口8を閉じてファンモータ25を駆動することにより、ファン24の空気流を循環用通路に切換え、矢印Aのように浴室11内の空気を循環させる。さらに、セラミックヒータ30に通電される。セラミックヒータ30で加熱された空気は浴室11内に送られ、浴室11内の温度が上昇する。これにより、入浴前後の急激な温度変化による血圧上昇や不快感を防ぐことができる。
【0033】
換気モードは、強力な換気機能で浴室11を乾燥させる運転モードであり、このモードが選択されると、制御部32は、図4に示すように、ダンパー9によって空気排出部27Aの入口を閉じてファンモータ25を駆動することにより、ファン24の空気流を排気用通路に切換え、矢印Bのように浴室11内の空気を屋外に排気する。このとき、セラミックヒータ30には通電しない。浴室11内の湿った空気は、屋外に排気され、浴室11内が乾燥する。なお、イオン発生装置23を任意で駆動してもよく、この場合は、正負イオンがダクト21内に送られ、ダクト21内に浮遊するカビや雑菌が不活化される、ダクト21内にカビが発生するのを防止することができる。
【0034】
涼風モードは、夏場など蒸し暑い時期の入浴中に浴室空調装置1を扇風機として使用するモードであり、このモードが選択されると制御部32は、図5に示すように、ダンパー9を中間の位置に固定してファンモータ25を駆動することにより、ファン24の空気流が循環用通路と排気用通路の双方に流れるように切換え、矢印Aのように浴室11内の空気を循環させるとともに、矢印Bのように一部を屋外に排気する。このとき、セラミックヒータ30には通電しない。これにより、浴室11内にゆるやかに送風され、入浴者は涼むことができる。この涼風モードにおいて、イオン発生装置23に通電させ、正負イオンを発生させることも可能であり、セラミックヒータ30等の熱源による熱の影響を受けずに充分に正負イオンを浴室11内に供給できる。
【0035】
乾燥モードは、浴室11に衣類などの洗濯物を吊るして乾燥させる運転モードであり、このモードが選択されると、制御部32は、上記涼風モードと同様、図5のように、ファン24の空気流が循環用通路と排気用通路の双方に流れるように切換える。さらに、セラミックヒータ30とイオン発生装置23に通電される。セラミックヒータ30で加熱された空気は浴室11内に送られ、浴室11内の温度が上昇する。洗濯物から蒸発した水分は、屋外に排気され、洗濯物が乾燥する。また、イオン発生装置23から発生した正負イオンが浴室11内に送られ、浴室11内に浮遊するカビや雑菌が不活化されるので、浴室11や洗濯物にカビが発生するのを防止することができる。乾燥モード時に正負イオンの発生を行ったが、乾燥モード等の終了後にセラミックヒータ30の通電をオフして、浴室11内に正負イオンを発生させると、セラミックヒータ30等の熱源による熱の影響を受けずに充分に正負イオンを浴室11内に供給でき、より効果的である。
【0036】
この入浴後や暖房、乾燥モードの運転後などは、浴室空調装置1内の循環用通路は浴室11内の湿気により湿度が上昇しているため、放置しているとカビが発生しやすくなるが、本発明では浴室空調装置1内の除菌・乾燥を行うことにより、カビの発生を防止する。そこで、浴室空調装置1内の除菌・乾燥モードについて説明する。
【0037】
図8は浴室空調装置1内の除菌・乾燥モードの一例のフローチャートである。ステップ#1で、制御部32が上記乾燥モードの終了を検知すると、ステップ#2でタイマー33が作動する。ステップ#3で図9のようにルーバ10A,10Bを閉じて、浴室空調装置1内の循環用通路を短絡した状態で、ステップ#4でファン24を駆動するとともに、ステップ#5,#6でセラミックヒータ30とイオン発生装置23にそれぞれ通電する。これにより、イオン発生装置23から発生した正負イオンを含む温風が浴室空調装置1内の循環用通路を図9の矢印Cのように循環し、浴室空調装置1内が乾燥するとともに、浮遊するカビや雑菌が不活化されるので、浴室空調装置1内にカビが発生するのを防止することができる。
【0038】
ステップ#7で一定時間経過したことが判断されると、ステップ#8,#9でセラミックヒータ30とイオン発生装置23への通電をオフした後、ステップ#10でファン24の駆動を停止する。なお、浴室11の大きさなどによって、浴室空調装置1内の除菌・乾燥に要する時間が異なるため、この一定時間は使用者側で設定できるようにしてもよい。
【0039】
図10は、浴室空調装置1内の除菌・乾燥モードの他の例のフローチャートであり、浴室空調装置1内の除菌・乾燥モードの運転終了を時間ではなく、雰囲気の湿度に基づいて行うようにしたものである。ステップ#11で、制御部32が上記乾燥モードの終了を検知すると、ステップ#12で湿度センサー31が作動する。そして、ステップ#12〜#16で、図8のステップ#2〜#6と同様に浴室空調装置1内の除菌・乾燥モードの運転を行う。湿度センサー31が検出した循環用通路の湿度は制御部32に出力され、制御部32は、ステップ#17でこれを所定の基準値と比較し、それよりも湿度が小さくなったと判断すると、ステップ#18,#19でセラミックヒータ30とイオン発生装置23への通電をオフした後、ステップ#20でファン24の駆動を停止する。この例によると、カビの発生と湿度の相関からより現実的な除菌・乾燥が達成できる。
【0040】
以上の説明では、浴室空調装置1内の除菌・乾燥モードとして、セラミックヒータ30等の熱源へ通電し温風を用いたが、熱源を使用せず、イオン発生装置23から正負イオンを発生させ、装置内を正負イオンを含んだ空気で循環させる除菌モードとすることも可能である。なお、浴室空調装置1内の除菌・乾燥モードや除菌モードは単独のモードとして設けてもよく、各種空調モード後に行うようにしてもよい。また、最初に温風を循環させて、イオン発生装置23の放電面23Aを乾燥させ、その後、正負イオンを含んだ空気を循環させて除菌運転を行うようにしてもよい。
【0041】
また、浴室空調装置1を使用していない場合でも、浴槽12に張った水が蒸発したりして浴室11内の湿度は上昇し、カビの発生が考えられる。したがって、湿度センサー31だけは作動させ、常に浴室11内又は浴室空調装置1内の湿度を検出し、湿度が適正値を超えた場合には、浴室空調装置1内の除菌・乾燥モードの運転を行うようにしてもよい。この場合、ルーバ10A,10Bは所定の時間で開閉を交互に繰り返すことで、浴室11内と浴室空調装置1内の双方の除菌・乾燥が行なえる。
【0042】
以上、浴室11内の空気を循環させるための循環手段と浴室11内の空気を屋外に排気するための換気手段とを備えた浴室空調装置1を例に説明したが、発明の要旨を変更しない範囲で実施形式の変更が可能である。例えば、換気手段を有さない浴室暖房装置にも本発明は適用可能である。
【0043】
本発明の第2の実施形態について図面を参照して説明する。この実施形態は、イオン発生装置23を可動式にして、装置内の除菌・乾燥モードの運転時にイオン発生部が循環用通路の上流部に移動させるものである。以下、具体例を説明する。
【0044】
図11は、第2の実施形態に係る浴室空調装置の横断面図である。第1の実施形態と共通の部分には同一符号を付している。イオン発生装置23は、間仕切り部材27の排出開口部27Bの下端部に回転可能に取り付けられていて、図11(A)のように、循環用通路の下流端部で空気流に直交する位置と、図11(B)のように、循環用通路の上流端部で空気流に直交する位置の2つの姿勢を180°回転によってとることができるようになっている。
【0045】
このように構成された浴室空調装置1においては、衣類乾燥、涼風、暖房、浴室乾燥の通常の運転モードでは、イオン発生装置23は図11(A)の位置に固定されていて、浴室空調装置1内の除菌・乾燥モードに入ると、図11(B)の位置に回転して移動する動作が行われる。この浴室空調装置1内の除菌・乾燥運転モードは、第1の実施形態(図8、図10)と同様に実行される。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によると、装置内空気の除菌が可能となり、衣類乾燥若しくは暖房若しくは換気運転時にカビや雑菌を浴室内に送風することがない。したがって、衣類乾燥若しくは暖房若しくは換気運転時のカビ臭さや浴室にカビが発生するのを効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る浴室空調装置の一例を示す斜視図である。
【図2】浴室に浴室空調装置を設置した様子を示す模式図である。
【図3】暖房モードにおける浴室空調装置の概略断面図である。
【図4】換気モードにおける浴室空調装置の概略断面図である。
【図5】涼風モード及び乾燥モードにおける浴室空調装置の概略断面図である。
【図6】浴室空調装置の簡単な制御ブロック図である。
【図7】コントローラの平面図である。
【図8】浴室空調装置内の除菌・乾燥モードの制御フローチャートの一例を示している。
【図9】浴室空調装置内の除菌・乾燥モードにおける浴室空調装置の概略断面図である。
【図10】浴室空調装置内の除菌・乾燥モードの制御フローチャートの他の例を示している。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る浴室空調装置の乾燥モード(A)と浴室空調装置内の除菌・乾燥モード(B)における浴室空調装置の概略断面図である。
【符号の説明】
1 浴室空調装置
4 本体
5 パネル
6 吸込口
7 吹出口
8 換気口
9 ダンパー
10A,10B ルーバ
11 浴室
23 イオン発生装置
30 セラミックヒータ
31 湿度センサー
Claims (6)
- 浴室内に臨む空気の吸込口と、浴室内に臨む空気の吹出口と、前記吹出口を閉鎖可能なルーバと、前記吸込口から前記吹出口に至る循環用通路と、浴室内の空気を循環する循環用送風機と、前記循環用通路に設けられ正負イオンを発生するイオン発生装置とを備えたことを特徴とする浴室空調装置。
- 浴室内に臨む空気の吸込口と、浴室内に臨む空気の吹出口と、前記吸込口及び前記吹出口に設けられ前記吸込口及び前記吹出口を閉鎖可能なルーバと、浴室内の空気を屋外へ排気するための換気口と、前記吸込口から前記吹出口に至る循環用通路と、前記吸込口から前記換気口に至る排気用通路と、浴室内に送風又は浴室内の空気を循環する送風機と、前記循環用通路に設けられ正負イオンを発生するイオン発生装置とを備えたことを特徴とする浴室空調装置。
- 前記循環用通路に前記送風機の空気流の通路を形成し、前記ルーバにより前記吸込口及び前記吹出口を閉じた状態で、前記イオン発生装置を駆動し、正負イオンを含む空気を前記浴室空調装置内で循環させる装置内空気の除菌モードを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の浴室空調装置。
- 前記装置内空気の除菌モードの運転を一定時間行うことを特徴とする請求項3に記載の浴室空調装置。
- 浴室空調装置内の湿度を検出する湿度センサーを備え、該湿度センサーの検出した湿度が所定の基準値以下になるまで前記装置内空気の除菌モードの運転を行うことを特徴とする請求項3に記載の浴室空調装置。
- 所定の時間間隔で前記ルーバを開くことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の浴室空調装置。
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