JP3992942B2 - 浴室用空調機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴室用空調機に関するものである。特に、オゾン発生器を備えた浴室用空調機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術に係る浴室用空調機の一例が、例えば、特開平11−14116号公報に記載されている。この公報に記載されているように、従来の浴室用空調機は、オゾン発生器が浴室に吹き出される空調空気中にオゾンを発生させ、このオゾンによって浴室の殺菌や脱臭、あるいは乾燥のために浴室に収められる衣類の殺菌や脱臭や漂白を行っている(以降においては、殺菌や脱臭や漂白をまとめて殺菌を言う)。
高濃度のオゾンは、人体に悪影響を与える。また、オゾンは低濃度であってもその独特の臭気(青臭い臭い)が人間を不快にする。このため、浴室用空調機のオゾン発生器を作動させて浴室や衣類を殺菌する際には、浴室に入室しないようにするとともに、浴室の扉を閉じて浴室外にオゾンが漏れないようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
浴室の扉等には、浴室換気用の空気が通過するギャラリが開口されている。また、浴室の壁と扉の間には隙間が存在する。このため、浴室用空調機のオゾン発生器が発生したオゾンは、ギャラリや浴室壁と扉の間の隙間から浴室外の室内ないし屋内(例えば、脱衣室)に漏れ出す。このため、浴室外に漏れたオゾンが人体に悪影響を与えてしまう。また、漏れたオゾンの量が少なかったとしても、その臭気は人間を不快にしてしまう。
【0004】
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、浴室外の室内にオゾンが漏れて人体に悪影響を与えたり、オゾンの臭気が人間を不快にしてしまうことを防止できる浴室用空調機を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段および作用と効果】
請求項1に記載の浴室用空調機は、浴室内から空気を吸い込むとともにその空気を浴室内に吹き出す空調ファンと、空調ファンが吹き出す空気中にオゾンを発生させるオゾン発生器と、浴室内の空気を屋外に排出するとともに浴室の隣室内から浴室内へ向かう空気の流れを作る排出ファンと、空調ファン、オゾン発生器及び排出ファンに接続されたコントローラを備えている。そして、コントローラは、空調ファン及びオゾン発生器が作動するのと連動して排出ファンを作動させる。
上記の浴室用空調機は、オゾン発生器が作動した場合に排出ファンも作動する。排出ファンが作動すると、浴室外の室内空気がギャラリや浴室壁と扉との隙間から浴室内に導入され、浴室内の空気が屋外に排出される空気の流れが生じるので、浴室内の空気が浴室外に漏れることがない。よって、浴室からオゾンが浴室外室内に漏れて人体に悪影響を与えたり、その臭気が人間を不快にしてしまうことが防止される。
【0006】
請求項2に記載の浴室用空調機は、浴室内から空気を吸い込むとともにその空気を浴室内に吹き出す空調ファンと、空調ファンが吹き出す空気中にオゾンを発生させるオゾン発生器と、浴室内の空気を屋外に排出するとともに浴室の隣室内から浴室内へ向かう空気の流れを作る排出ファンと、浴室の隣室内に設けられたオゾンセンサーと、空調ファン、オゾン発生器、排出ファン及びオゾンセンサーに接続されたコントローラとを備えている。そして、コントローラは、空調ファン及びオゾン発生器の作動中にオゾンセンサーがオゾンを検知した場合に、空調ファン及びオゾン発生器を停止させることなく排出ファンを作動させる。
上記の浴室用空調機は、浴室の隣室内(例えば、脱衣室)にオゾンが漏れるとオゾンセンサーがこれを検知して排出ファンが作動し、浴室からのオゾンの漏れを止めることができる。このため、オゾン発生器の作動中に常時排出ファンを作動させる必要がなく、より効率的に排出ファンをコントロールすることができる。浴室からのオゾンの漏れを止めることができると、オゾンが人体に悪影響を与えたり、その臭気が人間を不快にしてしまうことが防止される。
【0007】
請求項2に記載の浴室用空調機において、報知手段を付設し、オゾンセンサーがオゾンを検知した場合に報知手段を作動させる処理をコントローラに付加しても良い。
上記の浴室用空調機は、オゾンセンサーがオゾンを検知した場合に報知手段が作動する。報知手段が作動すると、使用者は浴室からオゾンが漏れたことを認識し、浴室から離れた場所に移動する等の対処行動を取ることができる。
【0009】
請求項1に記載の浴室用空調機において、前記排出ファンの作動は、弱モードで行われることが好ましい。
ここで弱モードとは、排出ファンが強く空気を排出する強モードよりも空気の排出が弱く行われる(例えば、強モードの半分の排出能力)作動状態を意味する。
上記の浴室用空調機は、オゾン発生器が作動した場合の排出ファンの作動が弱モードで行われる。このため、排出ファンが強く作動してオゾンが浴室外に排出されすぎてしまい、浴室や衣類の殺菌効果が低下してしまうことが防止される。
【0010】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態) 本発明を浴室用空調機の一種である暖房機に適用した第1実施形態について、図面を参照しながら説明する。最初に、暖房機10およびその周辺装置の構成と動作を簡単に説明する。
暖房機10は、図1に示されているように、浴室12の天井14に設置される。浴室12の内部には、入浴のためのバスタブ16や衣類17を掛けるためのパイプ18が設けられている。浴室12の隣室は、脱衣室13とされている。浴室12の扉15には、ギャラリ15aが開口されており、浴室12と脱衣室13とを連通させている。屋外に設置されている給湯器22は、ガスの燃焼熱で水を加熱して温水とする。この温水は、給湯器22に内蔵されているポンプ(図示省略)によって加圧され、供給配管23を通って暖房機10に送られる。暖房機10は、浴室12から吸い込んだ空気を給湯器22から送られてきた温水で加熱して温風とし、浴室12に戻す。浴室12に戻された温風によって浴室12は暖房、乾燥される。暖房機10で空気を加熱したために温度が低下した温水は、戻り配管24を通って給湯器22に戻される。給湯器22に戻された温水は、再び加熱されて暖房機10に送られる。すなわち、温水は給湯器22と暖房機10との間を循環する。また、暖房機10は、浴室12の空気を吸い込んで排出ダクト28を通して排出するとともに、扉15のギャラリ15aから脱衣室13の空気を導入することにより、浴室12を換気する機能も有している。
【0011】
扉15の横の壁面に、リモコン27が取り付けられている。リモコン27は、使用者が操作して暖房機10に指示信号を出力する操作端末であるとともに、暖房機10の運転状態を表示する機能も有している。リモコン27と暖房機10に内蔵されているコントローラ38(後述する)との間は信号線29によって結ばれている。また、コントローラ38と給湯器22との間は信号線25によって結ばれている。暖房機10のコントローラ38と給湯器22は、相互の運転状況を信号線25を介して伝達し、給湯器22は、暖房機10の運転状態に合わせて適切に運転される。なお、図示は省略しているが、暖房機10や給湯器22には、これらを駆動するための電力がブレーカや電気配線を経由して外部から供給されている。
【0012】
暖房機10の構成について、図2を参照しながら説明する。暖房機10は、空調ファン32、熱交換器34、排出ファン36、コントローラ38、オゾン発生器44等を内蔵している。暖房機10の下面に、空気吸い込み口43と空気吹き出し口46が開口している。空気吸い込み口43と空気吹き出し口46には、それぞれに複数の板状のフィンが並んだルーバー(43a、46a)が設けられている。空気吸い込み口43のルーバ43aは固定されているが、空気吹き出し口46のルーバー46aは、リモコン27からの操作によって、図示しない機構に駆動されてその方向が変化する。ルーバー46aの方向が変化すると、空気吹き出し口46から吹き出される空気の方向が変わり、浴室12のさまざまな場所に対して空気が吹き出される。
【0013】
熱交換器34は、空気流路と温水流路を備えており、空気と温水との間で熱交換を行う機能を有している。給湯器22から供給配管23を通して送られてきた温水は、熱交換器34の温水流路を通過する。暖房機10の内部には、矢印47で示されているように、空気吸い込み口43から熱交換器34の空気流路、空調ファン32、空気吹き出し口46までを連通する空気流路が形成されている。熱交換器34の空気流路を通過する空気は、温水流路を通過する温水に加熱されて温風となる。空調ファン32は、電動モータ32aによって回転駆動され、空気吹き出し口46の方向に空気を送風する。また、矢印48で示されているように、空気吸い込み口43から排出ファン36、排出ダクト28を経て屋外までを連通する空気流路が形成されている。排出ファン36は、電動モータ36aに回転駆動され、排出ダクト28の方向に空気を送風する。
【0014】
オゾン発生器44は、空調ファン32と空気吹き出し口46との間に設けられている。オゾン発生器44は、対向して配置された電極板間に高電圧を印加して放電を起こし、電極板間の空気中からオゾンを発生させる。
コントローラ38は、CPU、RAM、ROM、入力処理回路、出力処理回路等から構成されており、入力信号を所定のプログラムに従って処理し、制御信号として出力する。このコントローラ38には、信号線29を経由してリモコン27からの指示信号が入力されるとともに、コントローラ38からは暖房機10の運転状態がリモコン27に対して出力される。コントローラ38からは、空調ファン32、排出ファン36、オゾン発生器44に、それぞれ信号線55、信号線54、信号線53を介して制御信号が出力される。
【0015】
暖房機10は、「暖房」、「乾燥」、「換気」、「殺菌」の各運転モードで運転される。これらの運転モードは、リモコン27を使用者が操作して選択する。以下、各運転モードでの暖房機10の運転動作について図2を参照しながら説明する。
(暖房モード) 熱交換器34に温水が供給され、空調ファン32が作動する。空調ファン32が作動すると、空気吸い込み口43から浴室12の空気が吸い込まれ、熱交換器34の空気流路を通過する。熱交換器34の空気流路を通過する空気は、給湯器22から供給されて温水流路を通過している温水に加熱されて温風となる。熱交換器34に加熱されて温風となった空気は、空気吹き出し口46から浴室12に戻され、浴室12を暖房する。浴室12が暖房されていると、冬季のように気温が低い状態であっても、入浴者は快適に入浴することができる。なお、空調ファン32の風量は、リモコン27に設けられた設定スイッチによって、例えば「強」、「中」、「弱」の3段階に任意に設定できる。
【0016】
(乾燥モード) 本運転モードは、浴室12や、浴室12に収容された衣類17を乾燥するために用いられる。この乾燥モードでは、上述した暖房モードでの熱交換器34と空調ファン32の作動に加えて、排出ファン36が作動する。排出ファン36が作動すると、図3に示されているように、空気吸い込み口43から浴室12の空気が吸い込まれ、排出ダクト28を経由して屋外に排出されるとともに、扉15に開口しているギャラリ15aから脱衣室13の空気が浴室12内に導入される。すなわち、浴室12が換気される。排出ファン36の作動によって浴室12の空気が換気されると、浴室12に湿気がこもることがない。このため、浴室12内は高温、かつ低湿度の状態となり、浴室12や衣類17が乾燥される。
【0017】
(換気モード) 排出ファン36のみが作動する。排出ファン36が作動すると、浴室12の換気が行われる。浴室12が換気されると、浴室12内に湿気がこもることが防止される。換気モードでの暖房機10の運転は、浴室12内の湿度が高くなっている入浴後に行うことが効果的である。
【0018】
(殺菌モード) 熱交換器34に温水が供給されない状態で、空調ファン32とオゾン発生器44が作動する。オゾン発生器44が作動すると、空調ファン32が送風する空気中にオゾンが発生される。このため、オゾンを含んだ空気が空気吹き出し口46から浴室12に吹き出される。オゾンを含んだ空気が浴室12に吹き出されると、浴室12の殺菌(浴室12の殺菌や脱臭、衣類17の殺菌や脱臭や漂白)が行われる。
また、オゾン発生器44が作動するとともに、排出ファン36も作動する。排出ファン36が作動すると、図3に示されているように、空気吸い込み口43から浴室12の空気が吸い込まれ、排出ダクト28を経由して屋外に排出され、同時に扉15のギャラリ15aや、扉15と浴室12の壁12aとの隙間15b等から脱衣室13の空気が浴室12内に導入される。このように排出ファン36が作動していると脱衣室13から浴室12へ向かっての空気の流れが生じるので、浴室12内のオゾンを含んだ空気が脱衣室13に漏れることはない。よって、浴室12から脱衣室13にオゾンが漏れて人体に悪影響を与えたり、その臭気によって不快になることが防止される。
なお、排出ファン36が強く作動すると、浴室12内のオゾン濃度が低下してしまい、浴室12や衣類17が殺菌されなくなってしまうので、排出ファン36の作動は弱く(例えば、最大能力の50%)行われることが望ましい。
【0019】
(第2実施形態) 本発明の第2実施形態に係る暖房機70について説明する。なお、以下においては、第1実施形態と重複する説明は省略し、本第2実施形態として特徴的な部分についてのみを述べる。
図4に示されているように、脱衣室13にオゾンセンサー73が装着されている。オゾンセンサー73は、公知の技術として種々のタイプのものが知られているが、例えば、電解液(塩基性溶液や酸性溶液等)中に一対の電極が設けられており、電解液に溶け込んだオゾンの濃度に比例して電極間を流れる電流が変化し、この電流がオゾン濃度の検知信号として出力される。オゾンセンサー73が検知したオゾン濃度は、信号線74を介してコントローラ38に出力される。また、リモコン27にブザー(図示省略)が設けられている。
コントローラ38は、オゾンセンサー73から送信されてくるオゾン濃度が所定レベルを越えた値を検知した場合に排出ファン36とリモコン27のブザーに作動信号を出力するようにそのプログラムが構成されている。このコントローラ38が排出ファン36を作動させる所定レベルのオゾン濃度とは、例えば、人間がオゾンの存在を臭気として感知する下限である0.01(PPM)と設定する。なお、オゾンは空気よりも重い性状を有するので、オゾンセンサー73は脱衣室13(浴室外の室内)の低い位置に装着し、オゾンの検知を容易とすることが望ましい。これに代えて、オゾンセンサー73を浴室外の室内に設置されるリモコン27に内蔵させてもよい。
【0020】
以上のように構成された暖房機70が殺菌モードで運転される場合の動作について説明する。
暖房機70が殺菌モードで運転されると、オゾン発生器44が作動して浴室12内の空気はオゾンを含んだ状態となる。浴室12内のオゾンを含んだ空気は、扉15に開口されているギャラリ15aや、浴室12の壁12aと扉15との隙間15bを通過して脱衣室13に漏れ出す。脱衣室13に漏れたオゾンはオゾンセンサー73に検知され、その値が所定レベルを越えている場合には排出ファン36とリモコン27のブザーが作動する。排出ファンが作動すると、浴室12の空気が屋外に排出されるとともに、脱衣室13から空気が浴室12に導入される。このため、浴室12のオゾンが脱衣室13に漏れることが止められる。浴室12からオゾンが漏れなくなり脱衣室13のオゾン濃度が低下すると、排出ファン36は停止される。また、上述したように、オゾンセンサー73が所定レベルを越えるオゾンを検知するとリモコン27のブザーが作動するので、使用者は脱衣室13にオゾンが漏れていることを認識できる。
【0021】
以上、本発明の実施例に係る暖房機について説明したが、本発明は上記の実施例になんら限定されるものではなく、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
例えば、排出ファンの作動をオゾン発生器やオゾンセンサーと連動させずに、オゾンセンサーがオゾンを検知した場合に、リモコンに設けたブザー等の報知手段が作動するように暖房機を構成してもよい。
このように暖房機を構成すると、使用者は浴室からオゾンが漏れていることを報知手段の作動によって認識することができる。オゾンが浴室から漏れていることを認識した使用者は、リモコンから操作して暖房機を換気モードで運転すれば、浴室からのオゾンの漏れを止めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る暖房機が浴室に設置された状態の斜視図
【図2】図1の暖房機の内部構成図
【図3】図1の暖房機が浴室に設置された状態の断面図
【図4】第2実施形態に係る暖房機が浴室に設置された状態の断面図
【符号の説明】
10:暖房機(第1実施形態)
12:浴室
13:脱衣室
14:天井
15:扉、15a:ギャラリ、15b:隙間
16:バスタブ
17:衣類
18:パイプ
22:給湯器
23:供給配管
24:戻り配管
25:信号線
27:リモコン
28:排出ダクト
29:信号線
32:空調ファン、32a:電動モータ
34:熱交換器
36:排出ファン、36a:電動モータ
38:コントローラ
43:空気吸い込み口、43a:ルーバー
44:オゾン発生器
46:空気吹き出し口、46a:ルーバー
47:空調空気の流れ方向を示す矢印
48:排出空気の流れ方向を示す矢印
53、54、55:信号線
70:暖房機(第2実施形態)
73:オゾンセンサー
74:信号線

Claims (2)

  1. 浴室内から空気を吸い込むとともにその空気を浴室内に吹き出す空調ファンと、空調ファンが吹き出す空気中にオゾンを発生させるオゾン発生器と、浴室内の空気を屋外に排出するとともに浴室の隣室内から浴室内へ向かう空気の流れを作る排出ファンと、空調ファン、オゾン発生器及び排出ファンに接続されたコントローラを備えており、
    コントローラは、空調ファン及びオゾン発生器が作動するのと連動して排出ファンを作動させることを特徴とする浴室用空調機。
  2. 浴室内から空気を吸い込むとともにその空気を浴室内に吹き出す空調ファンと、空調ファンが吹き出す空気中にオゾンを発生させるオゾン発生器と、浴室内の空気を屋外に排出するとともに浴室の隣室内から浴室内へ向かう空気の流れを作る排出ファンと、浴室の隣室内に設けられたオゾンセンサーと、空調ファン、オゾン発生器、排出ファン及びオゾンセンサーに接続されたコントローラを備えており、
    コントローラは、空調ファン及びオゾン発生器の作動中にオゾンセンサーがオゾンを検知した場合に、空調ファン及びオゾン発生器を停止させることなく排出ファンを作動させることを特徴とする浴室用空調機。
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