JP2007333240A - 防カビ方法、防カビ装置、及び、防カビ機能を有する換気装置 - Google Patents

防カビ方法、防カビ装置、及び、防カビ機能を有する換気装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2007333240A
JP2007333240A JP2006162547A JP2006162547A JP2007333240A JP 2007333240 A JP2007333240 A JP 2007333240A JP 2006162547 A JP2006162547 A JP 2006162547A JP 2006162547 A JP2006162547 A JP 2006162547A JP 2007333240 A JP2007333240 A JP 2007333240A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chamber
room space
opening
gas
mildew
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006162547A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsuko Narasaki
敦子 楢崎
Mikihiro Oida
幹弘 笈田
Katsuji Matsuda
勝治 松田
Kiyoshi Kamei
清 亀井
Hidenao Saito
秀直 斎藤
Hideji Hirohama
秀次 廣濱
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Inax Corp
Rengo Co Ltd
Seems Inc
Original Assignee
Inax Corp
Rengo Co Ltd
Seems Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Inax Corp, Rengo Co Ltd, Seems Inc filed Critical Inax Corp
Priority to JP2006162547A priority Critical patent/JP2007333240A/ja
Publication of JP2007333240A publication Critical patent/JP2007333240A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】防カビ効果の発現が速く、防カビ効果を部屋空間の隅々まで及ぼすことのできる防カビ手段を提供する。
【解決手段】浴室天井Cの裏面に配設した換気装置1は、ハウジング2内を送風装置4を配置した吸引室3と防カビ剤の揮発手段6を配置した揮発室5とに区画され、排気通路11、揮発室5の流入口5b及び放出口5cに開閉手段が設けられる。換気工程の間、揮発室5は密閉状態に保たれ、揮発手段6から気化した防カビ剤ガスを充満させる。防カビ工程は、排気通路11を閉止し、揮発室5の流入口5b及び放出口5cを開放し、送風装置4で空気を揮発室5内へ送り込み、高濃度防カビ剤ガスを一気に押し出す。浴室の防カビ剤ガス濃度が急激に増加し短時間で防カビ効果が発現する。高濃度防カビ剤ガスは素早く拡散する。所定時間経過後又は扉の開閉検知により防カビ剤ガスを強制的に排出する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、浴室、シャワー室、化粧室、厨房など、比較的密閉性が高く多湿環境になりやすい部屋空間におけるカビの発生を抑制するための技術に関する。
特許文献1に、ダクトケーシングの内部に、循環用ファンと空気加熱用ヒータと防カビ剤の噴霧装置とを備える浴室用空調装置が記載されている。この空調装置は、循環用ファンで浴室内の空気を吸引し、ヒータで加熱したのち、噴霧装置から防カビ剤を噴霧して、防カビ剤を混入させた加熱空気を浴室内へ循環させることにより、浴室内におけるカビの発生を防止するとされている。
特開平9−4863号公報
特許文献1に記載の空調装置は、浴室を循環する空気中に防カビ剤を噴霧するものであるため、起動後、浴室内の防カビ剤濃度が徐々に上昇する機構となっている。それ故、浴室空気中の防カビ剤濃度が所定値に達するまでに多少の時間を要する。また、噴霧した防カビ剤は、物体表面に付着することでカビの発生防止効果を発揮すると記載されている。しかるに、噴霧によりミスト(またはエアロゾル)の形態で循環空気中に分散された防カビ剤は拡散しにくいため、循環空気流が直接及ばない範囲に付着させることは困難と考えられる。つまり、主に浴室内で直に目視できる範囲、例えば壁面や床面等の露出している箇所には防カビ効果を及ぼせるが、表に露出していない箇所、例えば浴槽エプロンの裏面側、収納棚の下面側、鏡の裏面側などには防カビ効果が及ばないおそれがある。
さらにミスト状態とは、粒径が微細ではあるが液体の状態であり、防カビ剤ミストが付着した部分でしか防カビ効果を発揮できないおそれがある。また万一、人体に接触した場合、高濃度であるため、特に目に付着したり吸引したりすると、刺激や疼痛等を与えるおそれがある。しかも噴霧装置から防カビ剤を吐出させる際、噴霧ノズルの不具合やミスト同士の合体等により、防カビ剤が粒径の微細なミスト状とはならず、比較的粒径の大きい液滴状態で循環空気中に供給される可能性があるが、そのような場合、上記問題はより顕著になる。
本発明は、前記課題を解決することのできる防カビ方法、防カビ装置、及び、防カビ機能を有する換気装置を提供する。
(防カビ方法)
本発明が採用する防カビ方法の特徴とするところは、請求項1に記載するとおり、部屋空間に隣接して又は部屋空間の内部に、開閉手段を有する放出口を備える揮発室を設け、放出口を閉止した状態で揮散性防カビ剤を気化させて揮発室内に高濃度の防カビ剤ガスを充満させたのち、部屋空間と外部との間での空気の流通を阻止した状態で、放出口を開放して揮発室内の高濃度防カビ剤ガスを部屋空間へ放出することである。
前記方法において、請求項2に記載の如く、部屋空間を一定時間換気して湿度を低下させた後に、高濃度防カビ剤ガスを揮発室内から部屋空間へ放出することが望ましい。
さらに請求項3に記載の如く、揮発室に開閉手段を有する流入口と、揮発室内の気体を強制的に部屋空間へ送り出す送風手段とを設け、揮発室内から部屋空間へ高濃度防カビ剤ガスを放出させる際には、揮発室の流入口及び放出口を開放すると共に送風手段を動作させて、揮発室内と部屋空間との間で空気を強制的に流通させてもよい。
また、請求項4に記載するように、高濃度防カビ剤ガスを揮発室内から部屋空間へ放出させた後、部屋空間の出入口が開放されたことを検知すると、即座に部屋空間の換気を実行するように設定してもよい。
(防カビ装置)
本発明が上に述べた防カビ方法を実施するために採用した防カビ装置の特徴とするところは、請求項5に記載する如く、部屋空間に隣接して又は部屋空間の内部に設けられた揮発室と、揮発室内に収納される揮散性防カビ剤の揮発手段と、揮発室に設けられ前記部屋空間に連絡する放出口と、当該放出口の開閉手段とを備えることである。
前記防カビ装置において、請求項6に記載するように、前記揮発室内の気体を強制的に前記部屋空間へ送り出す送風手段を設けてもよい。
さらに請求項7に記載するように、前記放出口の開閉手段及び前記送風手段の動作時間を制御する手段を設けてもよい。
(換気装置)
本発明が採用する防カビ機能を有する換気装置の特徴は、請求項8に記載するごとく、部屋空間に隣接して設けられ排気通路が接続された吸引室と、当該吸引室内に配設され部屋空間の空気を排気通路へ送り出す送風装置と、排気通路の開閉手段とを有する換気装置であって、揮発室、当該揮発室内に収納される揮散性防カビ剤の揮発手段、送風装置の排気通路側と揮発室内とを連絡する流入口、揮発室内と部屋空間とを連絡する放出口、並びに、流入口及び放出口それぞれの開閉手段を備える防カビ装置が、吸引室に隣接して又は吸引室の内部に設けられ、送風装置、排気通路の開閉手段、揮発室の流入口の開閉手段及び放出口の開閉手段それぞれの動作を操作する制御手段を有することである。
前記換気装置において、請求項9に記載するように、送風装置、排気通路の開閉手段、揮発室の流入口の開閉手段及び放出口の開閉手段それぞれの動作時間を設定するタイマーを設けることができる。
さらに請求項10に記載するように、部屋空間の出入口に設けられる扉の開閉を検知する手段を設け、当該検知手段による扉の開動作検知に基づき、送風装置、排気通路の開閉手段、揮発室の流入口の開閉手段及び放出口の開閉手段それぞれの動作を制御するように設定してもよい。
本発明は、カビが発生しやすい部屋、例えば浴室・シャワー室・化粧室・トイレ・厨房・倉庫・車庫などの比較的密閉性が高く多湿環境となる部屋を主たる適用対象として想定しているが、その他の種類の部屋空間に適用することを妨げるものではない。また本発明において使用する揮散性防カビ剤は揮発性液体や昇華性固体である。すなわち本発明における揮散性とは、蒸発もしくは昇華したものが拡散する性質と定義され、このような性質を有する防カビ剤には、例えば、芥子油(マスタードオイル)やワサビの辛み成分として知られるイソチオシアン酸アリル(略称:AITC)、ヒノキチオール、テルペン、フィトンチッド等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。特にAITCのような常温で液体の防カビ剤の場合、取り扱い性を向上させたり表面積を変えて揮発速度を変化させたりするため、液体の保持が可能な多孔質担体に含浸させてもよい。あるいは、油ゲル化剤と混合してゲルを形成したり、熱溶融したワックスなどの樹脂と混合して冷却する際にペレット状・ブロック状等の任意の形状に成型した固形物としてもよい。さらには、熱溶融したワックスなどの樹脂と混合した溶融状態で多孔質担体に含浸した後、冷却固化して粒状物などとすることも考えられる。一方、ヒノキチオールのような常温で固体の防カビ剤の場合は、そのまま用いてもよいし、加熱溶融して液状化した後、上記の液体防カビ剤と同様に、多孔質担体に含浸させたり、ワックスなどの樹脂と混合して成型した固形物としてもよい。防カビ剤の揮発手段を例示すれば、上記のような手段で固体状とした防カビ剤を収納したカートリッジ、あるいは比較的体積の小さい細片・細粒状に形成した防カビ剤を、防カビ剤ガスが透過する材質で製作された袋に収納した分包が考えられ、これらは自然揮発(蒸発又は昇華)を利用するものである。また、揮発室内へ防カビ剤を噴霧するスプレー装置や超音波式霧化機も採用可能であり、これらは、液体状の防カビ剤をミスト化することにより、揮発室内での気化を容易にするものである。
請求項1に記載した本発明に係る防カビ方法によれば、揮発室に充満させた高濃度の防カビ剤ガスを、部屋空間と外部との間での空気の流通を阻止した状態で部屋空間へ放出するので、部屋空間の防カビ剤ガス濃度を急激に増大させることができる。つまり、防カビ効果の発現が速い。またガス状態で防カビ剤を放出するから、部屋空間全体に容易に拡散して防カビ剤ガスの空気中濃度がほぼ一様になる。従って、部屋空間内の表側に露出している物体表面のみならず、表側からは目視できない物体裏面側にも防カビ剤を行き渡らせることが可能なので、部屋空間の隅々にまで防カビ効果を及ぼすことができる。しかも、防カビ剤はガス状態であるから、空気で希釈されて液体(ミスト)状態よりも刺激性が低くなり、人に対する安全性も高くなると考えられる。
請求項2に記載の防カビ方法によれば、部屋空間を一定時間換気して湿度を低下させた後に高濃度防カビ剤ガスを部屋空間へ放出するから、湿度低下によるカビの発生抑止効果が得られると共に、部屋空間内の水分によって防カビ剤が吸着され、防カビ効果が低減するのを抑制することができる。もし仮に、多湿環境にある部屋空間内へ、換気することなく防カビ剤ガスを放出した場合、空気中にミスト状態で漂う水分や濡れている壁面や床面上に残存する水分に防カビ剤が吸着され、防カビ剤ガスが有効に用いられず、浪費されるおそれがある。これに対し、予め換気を行っておけば、部屋空間内に存在するカビの胞子等に直接防カビ剤ガスを吸着させることが出来る上に、壁面等の露出している箇所については乾燥させてカビを発生しにくくでき、また乾燥しにくい箇所については残存する水分に防カビ剤が吸着して、防カビ効果を及ぼしやすくなる。
請求項3に記載の防カビ方法によれば、送風手段によって揮発室内から部屋空間との間で空気を強制的に流通させるので、防カビ剤ガスを部屋空間内へ急速に拡散させることができ、それだけ防カビ効果の発現が迅速になる。
請求項4に記載の防カビ方法は、高濃度防カビ剤ガスを放出した後、部屋空間の出入口が開放されたことを検知すると即座に部屋空間の換気を実行するように設定したので、使用者が入室すると、直ちに防カビ剤が部屋空間から排除される。従って、いつでも使用者が希望するときに防カビ剤ガスの影響を排除して、すぐに部屋を使用することができる。
請求項5に記載した本発明に係る防カビ装置によれば、放出口を閉止した状態を維持することにより、揮発室内に揮散性防カビ剤を揮発させて高濃度ガスを充満させ、しかる後、放出口を開放することにより、高濃度防カビ剤ガスを部屋空間内へ放出させることができる。
請求項6に記載する防カビ装置によれば、揮発室内の気体を強制的に部屋空間へ送り出す送風手段を設けたので、高濃度防カビ剤ガスを部屋空間内へ急速に拡散させることが可能である。
請求項7に記載する防カビ装置によれば、防カビ効果を発揮するのに必要な時間だけ、放出口の開閉手段及び送風手段が動作する時間を設定できるから、効率的な使用が可能となる。
請求項8に記載の本発明に係る換気装置によれば、部屋空間の換気を行う際には、揮発室の流入口及び放出口を閉止して、揮発室内に防カビ剤ガスを充満させると共に、防カビ剤ガスが部屋空間へ流出しないようにできる。そして、揮発室内に充満させた高濃度防カビ剤ガスを部屋空間へ放出する際には、揮発室の流入口及び放出口を開放すると同時に、送風装置により揮発室と部屋空間との間で空気を強制的に流通させるから、防カビ剤ガスが急速に部屋空間に拡散し、防カビ効果をきわめて短時間に発現させる。しかもこのとき排気通路を閉止するから、防カビ剤の部屋空間外への流出が阻止され、防カビ剤の無駄な消費を防止する。また本発明換気装置では、換気用の送風装置を、揮発室と部屋空間との間の空気流通用に利用するので、部材点数が少なくなり、装置の小型化が可能である。
請求項9に記載の換気装置によれば、送風装置、排気通路の開閉手段、揮発室の流入口の開閉手段及び放出口の開閉手段の各動作時間をタイマーで制御することにより、部屋空間を一定時間換気したのち、部屋空間へ高濃度防カビ剤ガスを放出し、一定時間空気を流動させる一連の工程を、自動制御することが可能である。
請求項10に記載の換気装置によれば、請求項4に記載の防カビ方法を実行することが可能である。すなわち、高濃度防カビ剤ガスの放出後、部屋空間の扉の開閉を検知したときには、揮発室の流入口及び放出口を閉止し、排気通路を開放すると同時に、送風装置を起動させて即座に換気を開始する。これにより、いつでも使用者の希望時には防カビ剤ガスの影響を排除して、すぐに部屋を使用することができる。
[第1の実施形態]
図1に、本発明の適用対象を浴室Yとした場合の実施形態を示す。なお同図において、Cは天井、Dは出入口の扉又はドア、Eは浴槽、Fは床面、Wは壁面である。一般に浴室Yは、出入口の扉Dを閉めると比較的密閉性の高い空間を形成し、入浴後の室内は温暖で多湿なカビの非常に発生しやすい環境となる。そこで本例では、天井Cの裏面に配設した換気装置1に防カビ装置を組み込んで、防カビ機能を発揮させる。
図2に示すように、本実施形態の換気装置1は、内側が排気通路11である排気ダクト10が接続されたハウジング2の内部を、排気通路11に連絡する吸引室3と、気密性の高い揮発室5とに区画し、吸引室3には送風装置4を配置し、揮発室5内には防カビ剤の揮発手段6を配置したものである。ハウジング2の下面は浴室天井Cに形成した開口部に臨み、当該開口部を覆うように、多数の通気路20aを持ったカバーパネル20が装着される。
送風装置4にはいわゆる換気扇、ファン、ブロア等が用いられ、その構造についても特に制限はなく、軸流ファン、遠心ファン、シロッコファン等を使用可能である。吸引室3と排気通路11との境界部には開閉手段7が設けられる。また揮発室5における送風装置4の排気通路11側に臨む領域には開閉手段8を備える流入口5bが形成され、浴室Yに臨む領域には開閉手段9を備える放出口5cが形成される。前記開閉手段7,8,9はいずれも電気的に動作するシャッター・弁・ダンパー等で構成するとよい。なお図示は省略したが、送風装置4及び開閉手段7,8,9の動作を制御する制御装置が適所に設けられる。
揮発室5内に配置される防カビ剤の揮発手段6は、例えば通気孔を有するケースに、多孔質担体に含浸させたり、油ゲル化剤と混合してゲル化させたり、ワックスなどと混合して成型したり、ワックスなどと混合したのち溶融状態で多孔質担体に含浸させ冷却固化させたりする等の手段により固体状とした防カビ剤を収納したカートリッジ形のものや、通気性を持つ袋に比較的体積の小さい細片・細粒状に形成した防カビ剤を収納した分包形が考えられる。これらを揮発室5内に配置して所定時間放置すれば、固体状の防カビ剤から自然揮発(蒸発又は昇華)して、揮発室内空間5aが高濃度の防カビ剤ガスで充満する。上述した固体状の防カビ剤を使用する揮発手段6は、構成が簡素なので設備コストが安くて済み、防カビ剤の交換・補充が容易であるという利点を持つ。揮発手段6に、防カビ剤を噴霧するスプレー装置や、超音波式霧化機を採用することも可能である。これらは、ミスト状で揮発室内空間5aへ放散した防カビ剤は短時間で気化するから、揮発室5内を高濃度防カビ剤ガスで充満させるのに要する時間が短くて済むという利点を有する。なお使用する防カビ剤の種類は、揮散性を有し、且つ、人体に対する毒性がなるべく低いもの、例えばイソチオシアン酸アリル、ヒノキチオール、テルペン、フィトンチッド等の天然成分由来の物質が望ましい。イソチオシアン酸アリルは、防カビ効果に優れるほか、強い抗菌作用を発揮して細菌の増殖を抑制する効果も有する。ヒノキチオール・テルペン・フィトンチッドは、人体に対する毒性が非常に小さいという利点が有る。
ところで揮発室5の必要容積は、使用する防カビ剤の種類と、浴室Yの容積との関係で決定される。例えばイソチオシアン酸アリルを防カビ剤として選定した場合、有効な防カビ効果を発揮するイソチオシアン酸アリルの空気中濃度は0.25〜1.0ppm(好ましくは0.5ppm)と考えられる。揮発室5中に常温(20°C)で放置したときのイソチオシアン酸アリルの飽和濃度は約7000ppmとなるから、浴室Yの容積をVとすると、浴室Y内のイソチオシアン酸アリル濃度を0.25〜1.0ppmとするのに必要とされる揮発室5の容積Vxは、Vx=V×(1/28000〜1/7000)となる。
前記の如く構成された換気装置1は、浴室Yの換気工程を行う際には、制御装置の働きにより、図2(A)の如く、排気通路11の開閉手段7を開放すると共に、揮発室5の流入口5bの開閉手段8及び放出口5cの開閉手段9を閉止した状態で、送風装置4を稼働させる。これにより、浴室Y内の空気を吸引室3に吸い込み、排気通路11を通じ外部へ送り出して浴室Yを換気する。その間、揮発室5は密閉状態に保たれ、揮発手段6から気化した防カビ剤ガスで揮発室内空間5aが充満する。
しかるのち浴室Yの防カビ工程を行う際には、図2(B)に示す如く、排気通路11の開閉手段7を閉止して浴室Yと外部との間で空気が流通するのを阻止すると共に、揮発室5の流入口5bの開閉手段8及び放出口5cの開閉手段9を開放し、この状態で送風装置4を稼働させる。これにより浴室Yから吸引室3内へ吸い込んだ空気を、流入口5bから揮発室5内へ送り込み、放出口5cから浴室Yへ放出させる空気の流動が生じる。前述したように揮発室内空間5aには高濃度防カビ剤ガスが充満しているから、上記の空気流動により、高濃度防カビ剤ガスは浴室Y内へ一気に押し出される。従って、浴室Yにおける防カビ剤ガスの空気中濃度が急激に増加し、短時間で防カビ効果を発現させることができる。また、高濃度防カビ剤ガスは素早く浴室Yの隅々まで拡散するので、優れた防カビ効果を発揮する。
図2(B)に示す防カビ工程を所望時間実行したならば、揮発室5を図2(A)に示す密閉状態に戻す。これにより、揮発室5内に防カビ剤ガスが再び充満し、次の防カビ工程に備えることができる。
[第2の実施形態]
前述した換気装置1の動作をタイマー制御する態様について、図3〜6を参照して説明する。図3に示すように、入浴が終了して浴室から人が退出した後、給湯スイッチが設けられている場合には、そのOFF動作を検知して、換気装置1を始動させる。あるいは換気装置1の始動スイッチをONにする。これにより、図4に示すように、排気通路11が開かれ、揮発室5が密閉状態になされると共に、送風装置4が起動して、浴室Yの換気を所定時間(例えば2時間)行う。その結果、浴室Y内の湿度が低下し(望ましくは60%以下にする)、壁面Wや床面Fの乾きやすい箇所については乾燥が進むので、カビが発生しにくくなる。この間、揮発室5内には、高濃度防カビ剤ガスGが充満する。
所定時間が経過したならば、図5に示すように、排気通路11を閉止すると共に、揮発室5の流入口5b及び放出口5cを開放し、送風装置4により送り込まれる空気流によって、揮発室5内の高濃度防カビ剤ガスGを浴室Y内へ急速に押し出す。高濃度防カビ剤ガスGは迅速に拡散して、浴室Yの隅々まで防カビ効果を及ぼす。上記状態を所定時間(例えば1時間)維持することにより、図6に示すように、浴室Y内空間に防カビ剤ガスGが一様に分散し、且つ、防カビ剤ガスGの空気中濃度を確実に所要値以上に到達させることができる。所定時間が経過したならば送風装置4を停止させる。また同時に、流入口5b及び放出口5cを閉止して揮発室5を密閉状態とし、防カビ剤の消費を抑制するようにしてもよい。
しかるのち浴室Yに人が入室すると、浴室Y内には防カビ剤ガスが残存しているから、人によっては不快に感じるおそれがある。そこで本例では、浴室Yの扉Dにセンサーやリミットスイッチ等から成る扉開閉動作の検知手段を設け、防カビ剤ガスの放出後、扉Dの開動作を検知したときには、図4に示す換気工程に戻るよう設定した。つまり排気通路11を開き、揮発室5を密閉状態にすると共に、送風装置4を起動させ、即座に浴室Yを換気して防カビ剤ガスを排除する。このガス排除工程は、所定時間(例えば10分)行った後、送風装置4を自動的に停止させるよう設定してもよい。
なお上記ガス排出工程は、防カビ剤ガスを部屋空間内へ放出した後、所定時間が経過したならば、扉の開閉が無くても、自動的に実行されるよう設定することも可能である。
[第3の実施形態]
図7は、換気装置とは独立させて設けた防カビ装置Xの一例を示すものである。この防カビ装置Xは、浴室等の部屋空間内の適所に設置して使用される。当該防カビ装置Xの構造は、揮発室5を形成するケーシングに、例えば電磁弁等から成る開閉手段8を備えた流入口5b及びダンパー等より成る開閉手段9を備えた放出口5cを設け、内部空間5aに防カビ剤の揮発手段6と、送風手段Mとを配置したものである。なお図示は省略したが、流入口5bの開閉手段8、放出口5cの開閉手段9、及び、送風手段Mの動作を関連づけて制御する制御装置と、防カビ装置Xの始動・停止スイッチとが設けられる。
上記防カビ装置Xの動作は前記実施態様に準じる。すなわち、この防カビ装置Xを浴室に設置した場合を例に採って説明すると、通常の入浴時又は換気時には、流入口5b及び放出口5cを閉止して揮発室内空間5aを密閉状態に保ち、空間5aに高濃度防カビ剤ガスを充満させる。入浴が終了して換気装置を停止させた後、防カビ装置Xを始動させる。これにより、流入口5b及び放出口5cが開放されると共に、内部の送風手段Mが起動して、充満させた高濃度防カビ剤ガスが浴室内へ迅速に送り出される。しかるのち、所定時間が経過したならば、あるいは防カビ装置Xの停止スイッチを操作することにより、送風手段Mを停止させると共に流入口5b及び放出口5cを閉止して初期状態に戻し、再び空間5aに高濃度防カビ剤ガスを充満させる。
上記防カビ装置Xにおいて、内部の送風手段Mは場合により省略することができる。例えば、防カビ剤ガスの比重が空気より重い場合、防カビ装置Xを部屋空間のなるべく上部(天井など)に設置すれば、放出口5cを開放すると、防カビ剤ガスが自重で揮発室5内から部屋空間へ流出し、しかるのち、自然拡散で部屋全体に行き渡ると考えられる。従って、防カビ工程の実行時間を十分に確保できる条件下では、送風手段Mは必ずしも必要とはされない。
[その他の実施形態]
本発明の適用対象とする部屋空間は浴室に限定されるものではなく、カビの発生を防止することが要求される部屋であれば適用対象となる。但し当該部屋空間は、換気装置を備えるか、又は、換気の容易な環境であることが望ましい。また、本発明に係る防カビ装置は、単独で室内に設置する場合及び換気装置に組み込んだ場合について説明したが、空調装置や空気清浄機と組み合わせて用いることも考えられる。さらに、単独で構成する場合は、持ち運び可能な形態も考えられる。
本発明の第1の実施形態に係るものであって、防カビ機能を有する換気装置を浴室天井に設置した状況を概略的に示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る防カビ機能を有する換気装置を示すものであって、図(A)は換気工程を行っている状態の正面断面図、図(B)は防カビ工程を行っている状態の正面断面図である。 本発明の第2の実施形態に関するものであって、防カビ機能を有する換気装置の動作態様を説明するフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に関するものであって、防カビ機能を有する換気装置による浴室の換気工程を示す正面断面図である。 本発明の第2の実施形態に関するものであって、防カビ機能を有する換気装置による浴室の防カビ工程を示す正面断面図である。 本発明の第2の実施形態に関するものであって、防カビ機能を有する換気装置による浴室の防カビ工程が維持されている状態を示す正面断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る防カビ装置を示す正面断面図である。
符号の説明
1…換気装置 2…ハウジング 3…吸引室 4…送風装置 5…揮発室 5a…揮発室内空間 5b…流入口 5c…放出口 6…防カビ剤の揮発手段 7…開閉手段 8…開閉手段 9…開閉手段 10…排気ダクト 11…排気通路 20…カバーパネル 20a…通気路 X…防カビ装置 Y…浴室 C…天井 D…扉 E…浴槽 F…床面 M…送風手段 W…壁面 G…防カビ剤ガス

Claims (10)

  1. 部屋空間におけるカビの発生を抑制するための方法であって、部屋空間に隣接して又は部屋空間の内部に、開閉手段を有する放出口を備える揮発室を設け、放出口を閉止した状態で揮散性防カビ剤を気化させて揮発室内に高濃度の防カビ剤ガスを充満させたのち、部屋空間と外部との間での空気の流通を阻止した状態で、放出口を開放して揮発室内の高濃度防カビ剤ガスを部屋空間へ放出することを特徴とする防カビ方法。
  2. 部屋空間を一定時間換気して湿度を低下させた後に、高濃度防カビ剤ガスを揮発室内から部屋空間へ放出する請求項1に記載の防カビ方法。
  3. 揮発室に開閉手段を有する流入口と、揮発室内の気体を強制的に部屋空間へ送り出す送風手段とを設け、揮発室内から部屋空間へ高濃度防カビ剤ガスを放出させる際には、揮発室の流入口及び放出口を開放すると共に送風手段を動作させて、揮発室内と部屋空間との間で空気を強制的に流通させる請求項1又は2に記載の防カビ方法。
  4. 高濃度防カビ剤ガスを揮発室内から部屋空間へ放出させた後、部屋空間の出入口が開放されたことを検知すると、即座に部屋空間の換気を実行するように設定した請求項1乃至3のいずれかに記載の防カビ方法。
  5. 部屋空間内におけるカビの発生を抑制するための装置であって、部屋空間に隣接して又は部屋空間の内部に設けられた揮発室と、揮発室内に収納される揮散性防カビ剤の揮発手段と、揮発室に設けられ前記部屋空間に連絡する放出口と、当該放出口の開閉手段とを備えることを特徴とする防カビ装置。
  6. 前記揮発室内の気体を強制的に前記部屋空間へ送り出す送風手段を設けた請求項5に記載の防カビ装置。
  7. 前記放出口の開閉手段及び前記送風手段の動作時間を制御する手段を設けた請求項6に記載の防カビ装置。
  8. 部屋空間に隣接して設けられ排気通路が接続された吸引室と、当該吸引室内に配設され部屋空間の空気を排気通路へ送り出す送風装置と、排気通路の開閉手段とを有する換気装置であって、揮発室、当該揮発室内に収納される揮散性防カビ剤の揮発手段、送風装置の排気通路側と揮発室内とを連絡する流入口、揮発室内と部屋空間とを連絡する放出口、並びに、流入口及び放出口それぞれの開閉手段を備える防カビ装置が、吸引室に隣接して又は吸引室の内部に設けられ、送風装置、排気通路の開閉手段、揮発室の流入口の開閉手段及び放出口の開閉手段それぞれの動作を操作する制御手段を有することを特徴とする防カビ機能を有する換気装置。
  9. 送風装置、排気通路の開閉手段、揮発室の流入口の開閉手段及び放出口の開閉手段それぞれの動作時間を設定するタイマーを設けた請求項7に記載の防カビ機能を有する換気装置。
  10. 部屋空間の出入口に設けられる扉の開閉を検知する手段を設け、当該検知手段による扉の開動作検知に基づき、送風装置、排気通路の開閉手段、揮発室の流入口の開閉手段及び放出口の開閉手段それぞれの動作を制御するように設定した請求項7又は8に記載の防カビ機能を有する換気装置。
JP2006162547A 2006-06-12 2006-06-12 防カビ方法、防カビ装置、及び、防カビ機能を有する換気装置 Pending JP2007333240A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006162547A JP2007333240A (ja) 2006-06-12 2006-06-12 防カビ方法、防カビ装置、及び、防カビ機能を有する換気装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006162547A JP2007333240A (ja) 2006-06-12 2006-06-12 防カビ方法、防カビ装置、及び、防カビ機能を有する換気装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007333240A true JP2007333240A (ja) 2007-12-27

Family

ID=38932880

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006162547A Pending JP2007333240A (ja) 2006-06-12 2006-06-12 防カビ方法、防カビ装置、及び、防カビ機能を有する換気装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007333240A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101012282B1 (ko) 2010-11-08 2011-02-08 주식회사 창조종합건축사사무소 건축물의 벽체에 형성된 환기 구조
CN112325443A (zh) * 2020-09-27 2021-02-05 中广核工程有限公司 应急排气方法、系统、计算机设备及存储介质

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0413029A (ja) * 1990-04-27 1992-01-17 Matsushita Electric Ind Co Ltd 換気装置
JPH11130608A (ja) * 1997-10-27 1999-05-18 Minato Sangyo Kk 抗菌剤組成物
JP2002188897A (ja) * 2000-12-20 2002-07-05 Matsushita Electric Ind Co Ltd 空調装置のカビ生長抑制方法
JP2004045006A (ja) * 2002-07-10 2004-02-12 Daiichi Seidenki Kk 空気加圧送風装置
JP2004211959A (ja) * 2002-12-27 2004-07-29 Sharp Corp 浴室空調装置
JP2004257657A (ja) * 2003-02-26 2004-09-16 Gastar Corp 浴室除菌装置および浴室除菌方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0413029A (ja) * 1990-04-27 1992-01-17 Matsushita Electric Ind Co Ltd 換気装置
JPH11130608A (ja) * 1997-10-27 1999-05-18 Minato Sangyo Kk 抗菌剤組成物
JP2002188897A (ja) * 2000-12-20 2002-07-05 Matsushita Electric Ind Co Ltd 空調装置のカビ生長抑制方法
JP2004045006A (ja) * 2002-07-10 2004-02-12 Daiichi Seidenki Kk 空気加圧送風装置
JP2004211959A (ja) * 2002-12-27 2004-07-29 Sharp Corp 浴室空調装置
JP2004257657A (ja) * 2003-02-26 2004-09-16 Gastar Corp 浴室除菌装置および浴室除菌方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101012282B1 (ko) 2010-11-08 2011-02-08 주식회사 창조종합건축사사무소 건축물의 벽체에 형성된 환기 구조
CN112325443A (zh) * 2020-09-27 2021-02-05 中广核工程有限公司 应急排气方法、系统、计算机设备及存储介质
CN112325443B (zh) * 2020-09-27 2021-08-31 中广核工程有限公司 应急排气方法、系统、计算机设备及存储介质

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9278365B2 (en) Volatile material dispenser and method of emitting a volatile material
US5556030A (en) Air freshener and/or deodorizer dispensing system
US4601886A (en) Air treatment apparatus
US2614820A (en) Air perfuming device
MXPA06006603A (es) Metodo y dispositivo para la evaporacion por membrana de sustancias volatiles.
TW201106994A (en) Method and apparatus for dispensing a fragrance
KR100776279B1 (ko) 공조장치 및 공조장치에 대한 곰팡이의 생장억제방법
US10265431B2 (en) Volatile diffuser pods and related systems
JP2007333240A (ja) 防カビ方法、防カビ装置、及び、防カビ機能を有する換気装置
JP3742930B2 (ja) 空気調和機
JPH0442578B2 (ja)
JP2008113830A (ja) 芳香性気体供給装置及びポータブルトイレ
WO2023086974A1 (en) Scent control device and methods for treating an environment
JPH05153892A (ja) 小空間用防虫器
US20210356147A1 (en) Air Freshener Device
US8434694B2 (en) Door mounted room deodorizer
JP2006223353A (ja) 揮発性物質供給装置、加湿装置及び空気調和装置
JPH0530762Y2 (ja)
JPH11514247A (ja) 流体物を使う燻蒸装置
JP2020028711A (ja) カビを抑制するための装置及び方法
JP3198323B2 (ja) 換気空気または空調空気に香料を添加する方法および装置
JP2019166260A (ja) 箱形脱臭容器
AU2006100624A4 (en) Improved Deodorising Vapour System
JPH07136079A (ja) 手乾燥装置
JP2002130994A (ja) 空気調和機及びその制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081217

A977 Report on retrieval

Effective date: 20101216

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101224

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110221

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20110323

A521 Written amendment

Effective date: 20110323

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20110523

A521 Written amendment

Effective date: 20110616

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20111222

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20120517

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02