JP2019166260A - 箱形脱臭容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】電源やそれによって作動する装置等を要することなく、収納部4内に収納された消臭対象物からの臭気成分を吸着して消臭できるようにする。【解決手段】消臭対象物を収納して脱臭する箱形脱臭容器Aとして、内部に、消臭対象物を出し入れ可能に収納する収納部4を有する容器構造体1と、この容器構造体1内に収納部4に通気可能に設けられ、多孔質吸着体、金属イオン錯体、アルカリ化合物の少なくとも1つからなる脱臭機能成分を含む塗膜からなる臭気成分吸着層10とを備え、臭気成分吸着層10は、容器構造体1内の空間の容積に対する臭気成分吸着層10の面積である気積率が40〜60m2/m3となるように設けられている。【選択図】図6
Description
本発明は、消臭対象物を収納して脱臭する箱形脱臭容器に関する。
従来より、靴や衣類等から臭いを除去するための脱臭装置としては、イオン照射装置によってイオンを照射したり、送風装置から風を当てたりするものが一般的に用いられている。例えば特許文献1に示されるように、除湿装置、脱臭装置及び温風発生装置からなる機能ユニットを有する靴収納箱が知られており、この靴収納箱は、靴を収納する箱体内の空気を機能ユニットの除湿装置及び脱臭装置を通して再び箱体内に戻して靴の除湿及び乾燥を行うようにしている。一方、消臭対象物にスプレー剤を噴霧して消臭することも知られている。
しかし、上記のようにイオン照射装置や送風装置を備えている脱臭装置では、それらの電源を確保できるところでしか使用することができず、例えば一般住宅で靴の収納が行われる玄関には電源コンセントの設置が少なく、その制約によって利便性の面で難がある。
また、消臭対象物を温風等の熱により乾燥させて消臭する場合、靴等の革製品では熱により傷みが進行することがある。
一方、スプレー剤を用いて消臭する場合には、液状のスプレー剤が消臭対象物に付着するので、革製品や毛製品では染み等の不具合が生じる虞れがある。しかも、スプレー剤が芳香成分を含んでいると、その芳香成分と脱臭しようとする臭気成分との混合によって逆に臭いが拡大することも生じる。
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもので、その目的は、電源やそれによって作動する装置等を要することなく、収納部内に収納された消臭対象物からの臭気成分を吸着して消臭できるようにすることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、脱臭機能成分を含む臭気成分吸着層を容器内に気積率(空間の容積に対する臭気成分吸着層の面積の比)の大きい割合で配置し、その吸着層による臭気成分の吸着効果により電源等を要することなく消臭するようにした。
具体的には、第1の発明は、消臭対象物を収納して脱臭するようにした箱形脱臭容器であって、内部に、上記消臭対象物を出し入れ可能に収納する収納部を有する容器構造体と、この容器構造体内に上記収納部と通気可能に設けられ、脱臭機能成分を含む臭気成分吸着層とを備え、この臭気成分吸着層は、容器構造体内の空間の容積に対する臭気成分吸着層の面積である気積率が40〜60m2/m3となるように設けられていることを特徴とする。この気積率は、40m2/m3未満であると、臭気成分吸着層のみによる臭気成分の吸着効果が不十分となる一方、60m2/m3を超えると、臭気強度が臭気成分の検知閾値よりも十分に下がり、却って吸着層を過剰に使用することになるので、40〜60m2/m3とされている。
この第1の発明では、脱臭機能成分を含む臭気成分吸着層が容器構造体内に収納部と通気可能に設けられているので、その臭気成分吸着層が、収納部に収納されている消臭対象物から揮発する臭気成分と接触してそれを吸着するか或いは吸着後に分解するかして、脱臭効果が持続する。
そして、その臭気成分吸着層の容器構造体内の空間に対する気積率は40〜60m2/m3とされて極めて大きいので、脱臭容器内の密閉空間に40m2/m3以上という大量の臭気成分吸着層が設けられていることとなり、収納部に収納された消臭対象物から発生して容器構造体内に充満する臭気成分だけでなく、その消臭対象物の臭気成分そのものも吸着して低減することができる。
しかも、このような大量の臭気成分吸着層により容器構造体内の空間で臭気濃度の勾配が生じるので、消臭対象物から臭気成分が連続して揮発し易くなり、時間の経過と共に臭気を感じなくなる程度まで臭気成分を吸着することができる。
こうして容器構造体内に設けられた大量の臭気成分吸着層のみで臭気成分を吸着して低減するので、電源やそれによって作動する装置等は全く不要となり、その制約がなくなる。
また、臭気成分吸着層では、臭い成分を物理的又は化学反応的に吸着するので、スプレー剤の噴霧等のように他の臭いと混合したりすることはなく、臭いの拡大が生じることはない。
第2の発明は、第1の発明において、臭気成分吸着層の脱臭機能成分は、多孔質吸着体、金属イオン錯体及びアルカリ化合物から選択される少なくとも1つからなることを特徴とする。
この第2の発明では、臭気成分吸着層に含まれる望ましい脱臭機能成分が得られる。例えば消臭対象物が靴で、その臭気成分が吉草酸であると、その臭気成分の吸着に有効なアルカリ化合物や金属イオン錯体が脱臭機能成分として用いられる。また、多様な臭気成分に対しては多孔性吸着体が用いられ、これらを混合して用いることもできる。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、臭気成分吸着層は、容器構造体の内壁面に形成されていることを特徴とする。これにより、容器構造体内に臭気成分吸着層を設けるのに好ましい構造が得られる。
第4の発明は、第1〜第3の発明のいずれか1つにおいて、容器構造体とは別体の吸着層形成部材が容器構造体内に収容され、この吸着層形成部材に臭気成分吸着層が設けられていることを特徴とする。これにより、容器構造体内に臭気成分吸着層を設けるのに好ましい構造が得られる。
第5の発明は、第4の発明において、容器構造体の壁部の少なくとも一部は、外側壁部と、該外側壁部の内部に配置され、内部に収納部を有する内側壁部との2重壁構造に設けられ、その外側及び内側壁部間には、内側壁部内の収納部と通気可能に連通する空間が形成されており、吸着層形成部材は、上記外側及び内側壁部間の空間に配置されていることを特徴とする。
この第5の発明では、吸着層形成部材を容易に配置することが可能となる。また、臭気成分吸着層の気積率を40〜60m2/m3とすることが容易に実現できる。
第6の発明は、第4又は第5の発明において、吸着層形成部材は、襞状に折り曲げられたシート片からなることを特徴とする。
この第6の発明のように、吸着層形成部材を襞状に折り曲げられたシート片とすることで、臭気成分吸着層の気積率を40〜60m2/m3とするのをより一層容易に実現することができる。
以上説明のように、本発明によると、容器構造体内に、脱臭機能成分を含む塗膜からなる臭気成分吸着層を気積率が40〜60m2/m3となるように設けたことにより、電源や作動装置等を要することなく、かつ他の臭いと混合による臭いの拡大を招くことなく、容器構造体内に充満する臭気成分だけでなく、その消臭対象物の臭気成分そのものも吸着して低減することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
図1及び図2は本発明の実施形態に係る箱形脱臭容器Aを示し、この容器Aは、例えば靴等の消臭対象物(図示せず)を収納した状態でその臭気成分を吸着して消臭するものである。箱形脱臭容器Aは、例えば矩形箱状の容器構造体1を備え、この容器構造体1は基部2と蓋部6とを備えている。
上記基部2は、いわゆる「身」に相当する例えば矩形箱状のもので、外側壁部2aと内側壁部2bとの2重壁構造に設けられている。外側壁部2aは、例えば金属、セラミックス、プラスチック、合板等の非通気性材料からなり、その一端部には開口が形成されている。
内側壁部2bは、外側壁部2aと相似形状であるがそれよりも小さいもので、外側壁部2aの内部に配置されている。この内側壁部2bは、外側壁部2aに対し一定の間隔があくように図外の連結部によって一体的に連結支持されている。この内側壁部2bの一端部にも開口が外側壁部2aの開口と対応するように形成され、両壁部2a,2bの開口は同じ平面上に位置している。内側壁部2bの内部に収納部4(収納空間)が形成されており、この収納部4に靴等の消臭対象物を内側壁部2bの開口を通して出し入れ可能に収納するようになっている。
上記のように、外側壁部2aと内側壁部2bとの間には、各々の他端側部(開口と反対側の底部)も含み一定の間隔(例えば3mm)の空間3が空けられている。内側壁部2bは、多数の通気孔(図示せず)を有する例えば金属やプラスチック製のメッシュ等の通気性材料からなっており、外側及び内側壁部2a,2b間の空間3と内側壁部2b内の収納部4とは、内側壁部2bの通気孔を介して空気や臭気成分等をやり取りできるように通気可能に連通している。尚、内側壁部2bを非通気性材料とし、それに連通孔をあけることで、外側及び内側壁部2a,2b間の空間3と収納部4とを通気可能に連通させるようにしてもよく、或いはその連通孔を上記通気性材料の内側壁部2bに形成して通気性を高めるようにしてもよい。
図3にも示すように、上記蓋部6は、基部2の外側及び内側壁部2a,2bの両開口を開閉する矩形状のもので、外側壁部2aと同じ非通気性材料からなる。蓋部6の外周部には同じ方向に延びる一定幅の覆い部6aが起立状に形成されており、蓋部6が外側及び内側壁部2a,2bの開口を閉じたときに、この覆い部6aが外側壁部2aの開口周囲の外周面に重なり、その状態で蓋部6が外側及び内側壁部2a,2bの開口を閉じ、容器構造体1内に空間を形成するようになっている。
上記基部2において、外側壁部2aと内側壁部2bとの間の空間3には例えば複数の吸着層形成部材8,8,…が収容されている。この各吸着層形成部材8は、図4に拡大して示すように、襞状(プリーツ状)に折り曲げられたシート状基材9と、その基材9の表裏面に脱臭機能成分を含む吸着剤の塗装等によって形成され、同脱臭機能成分を含む臭気成分吸着層10(図4等では点部分で表している)とを備えたシート片からなる。この臭気成分吸着層10は、内側壁部2b内の収納部4内に対し、上記内側壁部2bの通気孔や連通孔を介して通気可能に連通しており、この連通によって収納部4内の空気や臭気成分が臭気成分吸着層10に接触するようになっている。尚、シート状基材9を通気性材料で構成してもよく、またその表裏面の一方のみに臭気成分吸着層10を形成することもできる。また、臭気成分吸着層10は、塗装だけではなく、基材9への含浸、サンドイッチ法(不織布のような基材9の場合に複数の基材9,9,…間に挟みこむ)等、他の方法を採用することもできる。
上記臭気成分吸着層10の脱臭機能成分は、活性炭やゼオライト、シリカゲル等の多孔質吸着体、銅イオンや銀イオン等の金属イオン錯体、重曹等のアルカリ化合物から選択される。それらのうちの1種類が使用され、或いは複数種類が混合されて使用され、消臭対象物の臭気成分に対して有効となる脱臭機能成分を用いればよい。さらに好ましくは、吸湿性能を有するものであればよい。消臭対象物が例えば靴である場合には、臭気成分は主に吉草酸であり、その吉草酸を吸着するのに重曹(アルカリ化合物)や銅、銀等の金属イオン(金属イオン錯体)が用いられる。消臭対象物による多種多様な臭気成分に対しては、活性炭やゼオライト等の多孔性吸着体が望ましい。
そして、上記臭気成分吸着層10は、容器構造体1内において基部2の外側壁部2aと蓋部6とで区画形成される空間の容積に対する臭気成分吸着層10の面積である気積率が40〜60m2/m3となるように設けられている。この気積率が40m2/m3と未満であると、臭気成分吸着層10のみによる臭気成分の吸着効果が不十分となる。一方、気積率が60m2/m3を超えると、臭気強度が臭気成分の検知閾値よりも十分に下がり、吸着層を過剰に使用して、吸着剤が無駄になる。このことから、気積率は40〜60m2/m3とされている。
したがって、この実施形態においては、箱形脱臭容器Aの容器構造体1の基部2が外側壁部2aと内側壁部2bとの2重壁構造に形成され、両壁部2a,2b間の空間3に吸着層形成部材8,8,…が挿入され、各吸着層形成部材8の表面に脱臭機能成分を含む臭気成分吸着層10が形成され、その臭気成分吸着層10は内側壁部2b内の収納部4に通気可能に連通している。そのため、収納部4に靴等の消臭対象物が収納されている状態で、その消臭対象物から揮発する臭気成分が上記臭気成分吸着層10に接触することとなり、臭気成分は臭気成分吸着層10に吸着されるか或いは吸着後に分解されるかして、脱臭効果が持続される。
このとき、上記臭気成分吸着層10の容器構造体1内の空間に対する気積率は40〜60m2/m3とされて極めて大きく、容器構造体1内の密閉空間に40m2/m3以上という大量の臭気成分吸着層10が設けられていることとなる。その結果、収納部4に収納された消臭対象物から発生して容器構造体1内に充満する臭気成分だけでなく、その消臭対象物の臭気成分そのものも吸着して低減することができる。
しかも、このような大量の臭気成分吸着層10により、容器構造体1内の密閉空間内においては、消臭対象物やその近傍の臭気成分の濃度が高く、そこから離れて臭気成分吸着層10に近付くに連れて臭気成分の濃度が低くなるという臭気濃度の勾配が生じる。このような臭気濃度の勾配に起因して、消臭対象物から臭気成分が連続して揮発し易くなり、時間の経過と共に臭気を感じなくなる程度まで臭気成分を吸着することができる。
そして、このように、容器構造体1内に設けられた大量の臭気成分吸着層10のみで臭気成分を吸着して低減するので、電源やそれによって作動する装置等は全く不要となり、それらを用いることの種々の制約はなくなる。
また、臭気成分吸着層10では、臭い成分を物理的に吸着するので、スプレー剤の噴霧等のように他の臭いと混合したりすることはなく、臭いの拡大が生じることもない。
さらに、容器構造体1における基部2が外側壁部2aと内側壁部2bとの2重壁構造とされ、両壁部2a,2b間の空間3に吸着層形成部材8,8,…が配置され、その各吸着層形成部材8に臭気成分吸着層10が形成されているので、臭気成分吸着層10の気積率が上記のように40〜60m2/m3という大量であっても、その大量の臭気成分吸着層10の形成を容易に実現することができる。そして、各吸着層形成部材8を襞状に折り曲げられたシート片とすることで、気積率の40〜60m2/m3の実現がより一層容易になる。
(その他の実施形態)
尚、上記実施形態では、容器構造体1の基部2における外側及び内側壁部2a,2b間の空間3に配置されたシート状の吸着層形成部材8のみに臭気成分吸着層10を形成しているが、これに加え、基部2の外側壁部2a内壁面、内側壁部2b外壁面及びその内壁面の少なくとも1つに吸着剤の塗布によって同様の臭気成分吸着層10を形成してもよく、その大量の臭気成分吸着層10の形成がさらに容易になる。
尚、上記実施形態では、容器構造体1の基部2における外側及び内側壁部2a,2b間の空間3に配置されたシート状の吸着層形成部材8のみに臭気成分吸着層10を形成しているが、これに加え、基部2の外側壁部2a内壁面、内側壁部2b外壁面及びその内壁面の少なくとも1つに吸着剤の塗布によって同様の臭気成分吸着層10を形成してもよく、その大量の臭気成分吸着層10の形成がさらに容易になる。
また、上記実施形態では、容器構造体1の基部2における外側及び内側壁部2a,2b間の空間3に挿入される吸着層形成部材8は、襞状に折り曲げられたシート状としているが、他の形状に変更してもよい。また、容器構造体1の基部2を2重壁構造とせず、その内部に、襞状に折り曲げられたシート状の吸着層形成部材8や、他の形状の吸着層形成部材を収納部4に臨むように配置することもできる。
さらに、本発明は、容器構造体1とは別体の吸着層形成部材8を設けず、容器構造体1の基部2内壁面や蓋部6内壁面に直接に吸着剤を塗布して臭気成分吸着層10を形成する構造も含んでいる。しかし、気積率が40〜60m2/m3という大量の臭気成分吸着層10を形成するためには、表面積を大に確保できる点で、上記実施形態のように、容器構造体1の基部2を2重壁構造とし、両壁部2a,2b間の空間3に、襞状に折り曲げられたシート状の吸着層形成部材8,8,…を挿入して、その各吸着層形成部材8の表面に臭気成分吸着層10を形成するのが好ましい。
また、上記実施形態では、容器構造体1の基部2のみを2重壁構造として、その内部に吸着層形成部材8を配置しているが、同様にして蓋部6も2重壁構造として、その内部に吸着層形成部材を配置することもできる。
さらに、上記実施形態では、容器構造体1を基部2と、その開口を開閉する蓋部6とで構成しているが、本発明はこのような構成に限定されず、容器構造体1の収納部4に消臭対象物を出し入れ可能に収納できる構造であればよい。
次に、具体的に実施した実施例について説明する。
[実験1]
(実施例)
脱臭容器は容量40Lのデシケータとした。また、大建工業株式会社製の天井材用途の製品名「ダイロートン」からなる基材に活性炭塗料(大阪ガスケミカル株式会社製の製品名「白鷺C」)を40g/m2となるように塗布して臭気成分吸着層を形成し、その臭気成分吸着層が形成されたものを消臭材(吸着層形成部材)として脱臭容器に入れた。臭気成分吸着層の容器内の空間に対する気積率は60m2/m3とした。
(実施例)
脱臭容器は容量40Lのデシケータとした。また、大建工業株式会社製の天井材用途の製品名「ダイロートン」からなる基材に活性炭塗料(大阪ガスケミカル株式会社製の製品名「白鷺C」)を40g/m2となるように塗布して臭気成分吸着層を形成し、その臭気成分吸着層が形成されたものを消臭材(吸着層形成部材)として脱臭容器に入れた。臭気成分吸着層の容器内の空間に対する気積率は60m2/m3とした。
消臭対象物を靴とし、その靴の臭いの原因物質である臭気成分はイソ吉草酸及びノルマル吉草酸とした。そして、これらイソ吉草酸及びノルマル吉草酸を靴用のインソールに滴下し、そのインソールが挿入された靴を上記脱臭容器に入れて静置した。
(比較例1)
消臭材は、実施例のように、臭気成分吸着層が塗布により基材に形成されたものではなく、アミノ酸系消臭剤からなる置き型の消臭材とした。その他は実施例と同じである。
消臭材は、実施例のように、臭気成分吸着層が塗布により基材に形成されたものではなく、アミノ酸系消臭剤からなる置き型の消臭材とした。その他は実施例と同じである。
(比較例2)
消臭材は、アミノ酸系消臭剤に重曹と炭酸ソーダとを組み合わせた置き型の消臭材とした。他は実施例と同じである。
消臭材は、アミノ酸系消臭剤に重曹と炭酸ソーダとを組み合わせた置き型の消臭材とした。他は実施例と同じである。
(比較例3)
アミノ酸系消臭剤に香料を加えた消臭スプレーをインソールに直接噴霧し、そのインソール挿入の靴を脱臭容器内に入れて静置した。その他は実施例と同じである。
アミノ酸系消臭剤に香料を加えた消臭スプレーをインソールに直接噴霧し、そのインソール挿入の靴を脱臭容器内に入れて静置した。その他は実施例と同じである。
(比較例4)
タルクにミョウバンを加えた消臭パウダーをインソールに直接振りかけ、そのインソール挿入の靴を脱臭容器内に入れて静置した。その他は実施例と同じである。
タルクにミョウバンを加えた消臭パウダーをインソールに直接振りかけ、そのインソール挿入の靴を脱臭容器内に入れて静置した。その他は実施例と同じである。
(比較例5)
イオンを照射する脱臭ユニットを脱臭容器内に入れ、その脱臭容器内にインソール挿入の靴を入れて静置した。その他は実施例と同じである。
イオンを照射する脱臭ユニットを脱臭容器内に入れ、その脱臭容器内にインソール挿入の靴を入れて静置した。その他は実施例と同じである。
(比較例6)
脱臭容器内に消臭材を全く入れず(ブランク)、その脱臭容器内にインソール挿入の靴を入れて静置した。その他は実施例と同じである。
脱臭容器内に消臭材を全く入れず(ブランク)、その脱臭容器内にインソール挿入の靴を入れて静置した。その他は実施例と同じである。
以上の実施例及び比較例1〜6について、脱臭容器に靴を入れてから6時間が経過した後の脱臭容器内の臭いを確認し、その臭気強度を測定した。
悪臭物質の臭いの度合いを示す方法の1例として、6段階の臭気強度が定められており(悪臭防止法の特定悪臭物質規制基準等)、具体的には以下のとおりである。
臭気強度0:無臭
臭気強度1:やっと感知できる程度の臭い(検知閾値)
臭気強度2:何の臭いか判る程度の弱い臭い(認知閾値)
臭気強度3:楽に感知できる臭い
臭気強度4:強い臭い
臭気強度5:強烈な臭い
臭気強度1:やっと感知できる程度の臭い(検知閾値)
臭気強度2:何の臭いか判る程度の弱い臭い(認知閾値)
臭気強度3:楽に感知できる臭い
臭気強度4:強い臭い
臭気強度5:強烈な臭い
測定の結果は図5のとおりであった。この結果を考察すると、比較例1〜6はいずれも臭気強度が1以上であるのに対し、実施例の臭気強度は1(検知閾値)よりも低くなっている。このことから、臭気成分吸着層の容器内の空間に対する気積率を60m2/m3と大きくすることによって、消臭対象物から発生して容器内に充満する臭気成分だけでなく、その消臭対象物の臭気成分そのものも吸着して低減できることが判る。
[実験2]
実験1と同様に、脱臭容器は容量40Lのデシケータとした。また、実験1と同様の基材に活性炭塗料を40g/m2となるように塗布して臭気成分吸着層を形成し、それを消臭材(吸着層形成部材)として脱臭容器に入れた。
実験1と同様に、脱臭容器は容量40Lのデシケータとした。また、実験1と同様の基材に活性炭塗料を40g/m2となるように塗布して臭気成分吸着層を形成し、それを消臭材(吸着層形成部材)として脱臭容器に入れた。
また、実験1と同様に、靴の臭いの原因物質であるイソ吉草酸及びノルマル吉草酸を靴用インソールに滴下して、そのインソールが挿入された靴を脱臭容器に入れて静置し、6時間経過後の脱臭容器内の臭いを確認し、その臭気強度を測定した。
このとき、上記脱臭容器に入れる消臭材の大きさや面積を変えることで、臭気成分吸着層の容器内の空間に対する気積率と、その活性炭の量とを変え、それらの各々の臭気強度を測定した。
また、これとは別に、脱臭容器内でファンにより一定速度の気流を生じさせて、その気流を靴(インソール)に当てた状態、及び脱臭容器内で靴(インソール)を加熱した状態でそれぞれ脱臭を行い、その各々につき、上記と同様にして、臭気成分吸着層の容器内の空間に対する気積率若しくは活性炭の量を変え、それら各々の臭気強度を測定した。
その結果を図6に示す。図6中、「気流あり」の数値は気流の流速(m/秒)である。図6の結果について考察すると、臭気成分吸着層に当てる気流があれば、また臭気成分吸着層を加熱すれば、気積率が20m2/m3以下でも臭い強度を2未満にすることができる(特に気流の場合には、流速が大きいほど臭気強度が小さくなり、同じ流速では気積率が大きいほど臭気強度が小さくなっている)。
しかし、気流や加熱の条件がなくても、臭気成分吸着層の気積率が大きくなるほど臭気強度が低くなって高い脱臭性能を発揮するようになっている。そのうち、気積率が40m2/m3以上であれば、臭気強度が2(認知閾値)未満となっている。また、気積率が60m2/m3のときには臭気強度1となっており、この臭気強度1では殆ど臭いを感じないので、気積率を60m2/m3よりも大きくすることの必要性は低い。従って、気積率が40〜60m2/m3であれば、気流や加熱の条件がなくてもそれらと同等レベルの臭気強度を得ることができることが明らかとなった。
本発明は、電源や装置等を要することなく、容器のみで内部に充満する臭気成分や消臭対象物の臭気成分を吸着して低減できることから、極めて有用で産業上の利用可能性が高い。
A 箱形脱臭容器
1 容器構造体
2 基部
2a 外側壁部
2b 内側壁部
3 空間
4 収納部
6 蓋部
8 吸着層形成部材
9 シート状基材
10 臭気成分吸着層
1 容器構造体
2 基部
2a 外側壁部
2b 内側壁部
3 空間
4 収納部
6 蓋部
8 吸着層形成部材
9 シート状基材
10 臭気成分吸着層
Claims (6)
- 消臭対象物を収納して脱臭するようにした箱形脱臭容器であって、
内部に、上記消臭対象物を出し入れ可能に収納する収納部を有する容器構造体と、
上記容器構造体内に上記収納部内と通気可能に設けられ、脱臭機能成分を含む臭気成分吸着層とを備え、
上記臭気成分吸着層は、容器構造体内の空間の容積に対する臭気成分吸着層の面積である気積率が40〜60m2/m3となるように設けられていることを特徴とする箱形脱臭容器。 - 請求項1において、
臭気成分吸着層の脱臭機能成分は、多孔質吸着体、金属イオン錯体及びアルカリ化合物から選択される少なくとも1つからなることを特徴とする箱形脱臭容器。 - 請求項1又は2において、
臭気成分吸着層は、容器構造体の内壁面に形成されていることを特徴とする箱形脱臭容器。 - 請求項1〜3のいずれか1つにおいて、
容器構造体とは別体の吸着層形成部材が容器構造体内に収容され、
上記吸着層形成部材に臭気成分吸着層が設けられていることを特徴とする箱形脱臭容器。 - 請求項4において、
容器構造体の壁部の少なくとも一部は、外側壁部と、該外側壁部の内部に配置され、内部に収納部を有する内側壁部との2重壁構造に設けられ、
上記外側及び内側壁部間には、内側壁部内の収納部と通気可能に連通する空間が形成されており、
吸着層形成部材は、上記外側及び内側壁部間の空間に配置されていることを特徴とする箱形脱臭容器。 - 請求項4又は5において、
吸着層形成部材は、襞状に折り曲げられたシート片からなることを特徴とする箱形脱臭容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018058107A JP2019166260A (ja) | 2018-03-26 | 2018-03-26 | 箱形脱臭容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018058107A JP2019166260A (ja) | 2018-03-26 | 2018-03-26 | 箱形脱臭容器 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2023273121A1 (zh) * | 2021-06-30 | 2023-01-05 | 无锡小天鹅电器有限公司 | 收纳装置 |
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2018
- 2018-03-26 JP JP2018058107A patent/JP2019166260A/ja active Pending
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WO2023273121A1 (zh) * | 2021-06-30 | 2023-01-05 | 无锡小天鹅电器有限公司 | 收纳装置 |
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