JP5320572B2 - 介護支援装置 - Google Patents
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Description
前記いずれの介護補助装置にあっても、基台(台車)上に被介護者を乗せて移動させるために基台(台車)が広くなっており、例えば、ベッド上の座位姿勢の被介護者を立ち上げ、車椅子に移動させるような操作には、ベッド上の被介護者と介護補助装置との間に距離が生じ、スムーズな立ち上げ、移動ができない課題がある。
また、基台(台車)上に被介護者を乗せて移動させるため基台(台車)が広く(大きく)なっていること、および被介護者を座らせたり立たせたりするときの車台の安定性を十分に得るために、車台に取り付けられる前方側の車輪と後方側の車輪との間隔をある程度広くしている。このため、車台の小回り性が悪くなり、介助補助装置移動の弊害となる場合がある。また、介護者や被介護者に身体的な負担を強いる場合もある。
垂直部と水平部とで略L字状に形成され、その角部近傍が該支柱フレームに支軸にて回動可能に取り付けられた回動フレームと、
該回動フレームの垂直部上部に、被介護者が入れる間隔で前方に突出された2本の脇支持部材と、
回動フレームの水平部を付勢可能に取付け、回動フレームの一方向の回動で付勢力が増大し、回動フレームを他方向に回動復帰させる付勢力として水平部に付与するコイルばねと、
回動フレームの水平部に連結され、回動フレームの回動をロックするメカニカルロック装置と、を備え、
回動フレームを回動させ、垂直部を傾斜させコイルばねの付勢力を増大させた位置でメカニカルロック装置で回動フレームの回動をロックし、垂直部の脇支持部材を、座位姿勢の被介護者の両脇の下に位置させて、メカニカルロック装置のロックを解除し、コイルばねの付勢力で回動フレームを回動復帰させ、垂直部を立ち上がらせ、脇支持部材で両脇が支えられた被介護者を立位姿勢とすることを特徴とする。
この構成により、被介護者は握持部を手に持って支えとすることができる。
また、本発明にかかる介護支援装置の前記回動フレームの垂直部は、平行リンク機構で構成され、垂直部に設けられた胸当てクッションおよび/又は握持部は、垂直部が、傾斜状態から直立方向に、又は直立状態から傾斜方向に移動しても、垂直部に設置した初期設定角度を保持することを特徴とする。
この脇支持部材5、5の後方側には、把持部5a、5bが後方に突出して設けられている。この把持部5a、5bは、脇支持部材5、5を両側の脇の下に入れて被介護者を支持して立ち上げたり、着座させる時に、被介護者が手で持って支えとするものである。
胸当てクッション6は、二本の脇支持部材5、5の間に位置して設けられ、脇支持部材5、5を両側の脇の下に入れて被介護者を支持したとき、被介護者が胸付近を当接して体重を預ける時保護するものである。
なお、この脇支持部材5、5の基部間には、ベルト34が吊り懸けられている(図1参照)。
このフレーム4a、4bの内側には、図8に示すように前記支軸9を中心に回動する係止片13、13が、捩りばね15により付勢されて前記軸部材12に当接されている。この係止片13の軸部材12との当接面には、係止凹部14が設けられている。本例では3箇所に所定間隔で設けられている。従って、軸部材12は、長孔10a、10bに沿って移動自在であるが、係止片13の係止凹部14が軸部材12に係合すると、その位置が保持される。本例では係止凹部14が3箇所設けられているので、軸部材12は長孔10a、10bの該係止凹部14に対応する3箇所の位置で位置保持可能となる。しかし、捩りばね15の付勢力以上の外力を加えることで係止片13は可動可能となるので、軸部材12に長孔10a、10bに沿って移動させる捩りばね15の付勢力以上の外力を加え、係止凹部14より外出させることで移動することは可能となる。これにより長孔10a、10bに沿って位置の移動調整ができることとなる。
なお、長孔10a、10bの下縁の、前記係止片13の係止凹部14に対応する位置に浅い凹部(図示省略)を設けてもよい。本例では係止片13に3箇所所定間隔で係止凹部14が設けられているので、長孔10a、10bの下縁にも3箇所に所定間隔で凹部(図示省略)が設けられることとなる。これにより軸部材12は、係止片13の係止凹部14と長孔10a、10bの下縁の凹部とで係止されることとなり、位置保持がより確実になる。しかし、この長孔10a、10bの下縁の凹部は、あった方が好ましいが、必ずしも必要ではない。
この支持部材16a、16bの上部には、長手方向(縦方向)にガイド長孔17a、17bが設けられている。この両者の支持部材16a、16bはサイズ、形状は同じで、対向して配置されている。前記水平部3Bのフレーム4a、4bの長孔10a、10bを貫通した軸部材12の両端部は、この支持部材16a、16bのガイド長孔17a、17bに嵌入している。
また、この支持部材16a、16bの上端間には、ハンドル19が連結されており、このハンドル19で支持部材16a、16bを前後方向に回動可能となっている。従って、回動フレーム3の水平部3Bのフレーム4a、4bに形成された長孔10a、10bを貫通した軸部材12の端部は、この支持部材16a、16bのガイド長孔17a、17bに嵌入しているので、ハンドル19で支持部材16a、16bを前後方向に回動すると、それに伴い軸部材12も長孔10a、10bに沿って前後に移動する。これによりハンドル19の操作で軸部材12の長孔10a、10b内での保持位置を前後に調整できる。詳しくは、軸部材12は、長孔10a、10bにおいて係止片13の係止凹部14の係合によりその位置が保持されているが、ハンドル19に、軸部材12を長孔10a、10bの前後方向に移動させる捩りばね15の付勢力以上の外力を加え、支持部材16a、16bを前後方向に移動させると、軸部材12は係止凹部14の係合から外ずれ長孔10a、10bに沿って前後方向に移動でき、これにより別の係止凹部14に係合させることができ、長孔10a、10bの範囲内で軸部材12の保持位置を前後に調整することができる。
図示の実施の形態では、コイルばね22は露出した場合で示しているが、これは図11に示すようにシリンダ24内に収容するのが、露出しないので好ましい。即ち、上端を軸部材12に枢着して垂下したロッド21を、シリンダ24に出入自在とし、このシリンダ24内のロッド21の下端にばね受け23を固設し、シリンダ24内においてばね受け23とシリンダ24の天部24a(規制部材)との間にコイルばね22を設ける構成としてもよい。この時のシリンダ24の下端部は、前記軸18に回動自在に支持させると好ましい。
ダンパ装置27は、シリンダ27aとロッド27bに加わる伸縮速度を緩和するように機能する周知構造を持つ。これにより回動フレーム3を回動させ、垂直部3Aに設けた脇支持部材5、5で被介護者を支持して立ち上げるとき、回動フレーム3の回動を緩和して被介護者をゆっくりと立ち上げるように作用する。
前記レバー29には、図4および図9に示すようにワイヤ30の一端が固着され、このワイヤ30の他端は、回動フレーム3の垂直部3Aに設けられた操作レバー31に止着されている。この操作レバー31は、垂直部3Aにピン33で回動可能に枢着され、先端にはノブ32が取り付けられている。従って、ノブ32を手に持って操作レバー31を回動させることでワイヤ30を牽引し、メカニカルロック装置28のレバー29の操作が可能となっている。
軸部材12がフレーム4a、4bの長孔10a、10bの最も右側(回動フレーム3の支軸9に最も近い位置)に位置するときは、回動フレーム3が時計方向に回動して傾動する際の水平部3Bによる軸部材12の上方への移動量は小さいため、ロッド21の上方への移動も少なく、ロッド21の上動により圧縮されるコイルばね22の圧縮量も少ないので、このコイルばね22の反発力も小さい。また、軸部材12と回動フレーム3の支軸9との間隔も短いので、梃子の原理の作用も小さい。従って、この場合には、脇支持部材5、5に負荷される比較的軽量の被介護者の体重を支えながら立ち上がらせたり、着座させる場合に適する。
これに対し、軸部材12がフレーム4a、4bの長孔10a、10bの最も左側(回動フレーム3の支軸9から最も遠い位置)に位置するときは、回動フレーム3が時計方向に回動して傾動する際の水平部3Bによる軸部材12の上方への移動量は大きいため、ロッド21の上方への移動量も大きく、ロッド21の上動により圧縮されるコイルばね22の圧縮量も大きいので、このコイルばね22の反発力も大きい。また、軸部材12と回動フレーム3の支軸9との間隔も長いので、梃子の原理の作用も大きい。従って、この場合には、脇支持部材5、5に負荷された被介護者の比較的大きな体重を支えながら立ち上がらせたり、着座させる場合に適する。このような点を考慮して被介護者の体重等を目測し軸部材12の位置を決定する。
そこで、介護者は回動フレーム3を回動させ、図5、図6および図9に示すように傾動させることにより脇支持部材5、5を下降させる。このため脇支持部材5は、着座している被介護者の脇近傍の高さ位置となる。この回動フレーム3を傾斜させる回動によりコイルばね22は圧縮され反発力が生ずるため、回動フレーム3を元の位置方向に回動させようとするので、回動フレーム3を回動させ、脇支持部材5が所定位置となるまで傾動したときには、ノブ32により操作レバーを操作し、メカニカルロック装置28のレバー29を操作してロックをする。これにより回動フレーム3の傾動位置は保持される。
この回動フレーム3を傾斜させる回動では、コイルばね22を圧縮させつつの回動なので、回動フレーム3の傾動操作では、ある程度の外力(操作力)が必要となる。従って、この回動フレーム3を傾斜させる回動では、ベルト34(図1参照)に足を掛けて押し下げることによって、回動フレーム3を傾斜させる回動操作を容易としている。
まず、回動フレーム3の垂直部3Aが直立状態となって、被介護者は、回動フレーム3の垂直部3A上部の脇支持部材5、5に両脇が支えられ、胸当てクッション6に体重を預けた図13に示す立位姿勢となっている。
そこで、ノブ32で操作レバー31を操作し、メカニカルロック装置28のレバー29を介しロックを解除し、被介護者は自身の全体重を脇支持部材5、5および胸当てクッション6に掛けながら、あるいは介護者がベルト34に足を掛けて下方に押し下げ(踏み込み)る。それにより回動フレーム3は支軸9を中心に回動し、垂直部3Aも傾斜し、脇支持部材5、5および胸当てクッション6も下方に移動してくるので、脇支持部材5、5および胸当てクッション6に体重を預けている被介護者は、図13に示すような立位姿勢から徐々に座位姿勢となるので、被介護者は、その後側におかれているベットや車椅子に着座することができる。この時の回動フレーム3が所定位置(着座できる位置)まで傾動したときは、操作レバー31の操作でメカニカルロック装置28のレバー29を作動させ、メカニカルロック装置28をロックする。これにより回動フレーム3の回動がロックされるので、安全、確実に着座することができる。
なお、このベットや車椅子への着座は、例えば、図13に示すように立位姿勢の被介護者の後側に、例えば、車椅子を位置させ、被介護者は両脇を掛けている脇支持部材5、5から外すことで、自分から車椅子に着座してもよい。
2a、2b 支柱フレーム
3 回動フレーム
3A 回動フレームの垂直部
3B 回動フレームの水平部
4a、4b 水平部を構成するフレーム
5 脇支持部材
5a、5b 握持部
6 胸当てクッション
9 支軸
10a、10b 長孔
12 軸部材
13 係止片
14 係止凹部
15 捩りばね
16a、16b 支持部材
17a、17b ガイド長孔
19 ハンドル
20 規制部材としての天板
21 ロッド
22 コイルばね
23 ばね受け
24 シリンダ
24a 規制部材としての天部
25 水平軸
26 水平支軸
27 ダンパ装置
28 メカニカルロック装置
29 レバー
30 ワイヤ
31 操作レバー
32 ノブ
Claims (9)
- 基台上に平行して立設された支柱フレームと、
垂直部と水平部とで略L字状に形成され、その角部近傍が該支柱フレームに支軸にて回動可能に取り付けられた回動フレームと、
該回動フレームの垂直部上部に、被介護者が入れる間隔で前方に突出された2本の脇支持部材と、
回動フレームの水平部を付勢可能に取付け、回動フレームの一方向の回動で付勢力が増大し、回動フレームを他方向に回動復帰させる付勢力として水平部に付与するコイルばねと、
回動フレームの水平部に連結され、回動フレームの回動をロックするメカニカルロック装置と、を備え、
回動フレームを回動させ、垂直部を傾斜させコイルばねの付勢力を増大させた位置でメカニカルロック装置で回動フレームの回動をロックし、垂直部の脇支持部材を、座位姿勢の被介護者の両脇の下に位置させて、メカニカルロック装置のロックを解除し、コイルばねの付勢力で回動フレームを回動復帰させ、垂直部を立ち上がらせ、脇支持部材で両脇が支えられた被介護者を立位姿勢とすることを特徴とする介護支援装置。 - 前記回動フレームの水平部は、基端が垂直部の下端に固着され水平方向に互いに平行して延出する1対のフレームで構成され、この両フレームには長手方向に長孔が対応して設けられ、この両フレーム間には軸部材が長孔に挿通されて長孔に沿って移動自在に架設され、前記フレームには該軸部材との当接面に複数の係止凹部が設けられた係止片が、回動可能に設けられ、該係止片は、ばねに付勢されて前記軸部材に当接され、軸部材は、長孔内において係止片の係止凹部が係合された位置で位置保持され、前記コイルばねは、該軸部材に連結され、その付勢力は軸部材を介し回動フレームに付与されることを特徴とする請求項1記載の介護支援装置。
- 前記一方の支柱フレームと前記水平部の一方のフレームとの間および前記他方の支柱フレームと前記水平部の他方のフレームとの間に、両者で対となる支持部材が、下端を支柱フレームまたは基台に回動可能に立設され、該支持部材の上端間にはハンドルが連結され、該ハンドルで支持部材を前後方向に回動操作可能とし、該支持部材の上部には、垂直方向にガイド長孔が対応して設けられ、前記水平部の対のフレームの長孔間に架設された軸部材は、フレームの長孔を貫通し両端が支持部材のガイド長孔に嵌入されており、前記ハンドルで支持部材を前後方向に回動操作することによって、軸部材をフレームの長孔に沿って前後に移動可能としたことを特徴とする請求項2記載の介護支援装置。
- 前記軸部材には、ロッドが上端を軸部材に回動自在に取付けて垂下され、回動フレームの一方向の回動で付勢力が増大し、回動フレームを他方向に回動復帰させる付勢力を水平部に付与するコイルばねは、該ロッドに挿入されて下端がロッド下端に設けられたばね受けに支持されて設けられ、該コイルばねの上方には、コイルばねの上方移動を制止する規制部材が設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載の介護支援装置。
- 前記回動フレームの水平部には、回動フレームの回動動作を制御するダンパ装置が連結されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の介護支援装置。
- 前記回動フレームの垂直部には、両脇支持部材間の上側に隣接して胸当てクッションが設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の介護支援装置。
- 前記回動フレームの垂直部には、脇支持部材の後方近傍に、握持部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の介護支援装置。
- 前記回動フレームの垂直部は、平行リンク機構で構成され、垂直部に設けられた脇支持部材は、垂直部が、傾斜状態から直立方向に、又は直立状態から傾斜方向に移動しても、垂直部に設置した初期設定角度を保持することを特徴とする請求項1記載の介護支援装置。
- 前記回動フレームの垂直部は、平行リンク機構で構成され、垂直部に設けられた胸当てクッションおよび/又は握持部は、垂直部が、傾斜状態から直立方向に、又は直立状態から傾斜方向に移動しても、垂直部に設置した初期設定角度を保持することを特徴とする請求項6または7に記載の介護支援装置。
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