JP7066249B1 - 介護用車椅子 - Google Patents

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Abstract

【課題】前傾した着座位姿勢でのみならず、後傾した着座位姿勢でも被介護者の前方に向けて支障なく走行させることができるコンパクトな介護用車椅子を提供する。【解決手段】介護用車椅子1は、座席部3と、座席部3をキャスタ4で走行させるためのハンドル部5と、ハンドル部5を着脱自在に取り付けるために座面部2の前方D1側に設けられた第1ハンドル取付部6とを備える。座席部3の第1ハンドル取付部6と反対側には、ハンドル部5を、座面部2に着座した被介護者に対して逆向きで、着脱自在に取り付けるための第2ハンドル取付部21が設けられる。【選択図】図1

Description

本発明は、病院や介護施設でベッドと他の施設との間における移動に適した介護用車椅子に関する。
従来、被介護者が着座する座面を有する座席と、座席を移動自在に支持する車輪と、介護者が操作して介護用車椅子に駆動力を付与するためのハンドルとを備えた介護用車椅子が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の介護用車椅子では、ベッドに座った被介護者の介護用車椅子への移乗は、次のようにして行われる。
すなわち、まず、ベッドに端座位姿勢で座っている被介護者の股の間に介護用車椅子を移動させ、被介護者の脇の下に介護用車椅子のアームを保持させて、被介護者の胸部から腹部にかけてアームの胸当てが密着するように被介護者を前傾姿勢させる。そして、昇降機構によりアームを上昇させて、被介護者を持ち上げる。さらに、被介護者の臀部とベッドとの間に座面を滑らすようにして移動させ、アームを下降させて被介護者を座面に降ろして座らせる。
一方、被介護者をトイレ等に降ろす際には、まず、被介護者を乗せた介護用車椅子のアームの位置を正面から右側面に移動させる。次に、介護用車椅子をトイレの個室に移動させる。そして、上記とほぼ逆の手順により、被介護者を、トイレの便座に座らせることができる。
特許第4746147号公報
しかしながら、上記特許文献1の介護用車椅子によれば、被介護者を、介護者側に向けて前傾した着座位姿勢で、介護用車椅子をベッド・トイレ間で移動をさせることはできるが、被介護者をその移動時のままの着座位姿勢で介護用車椅子を被介護者の前方に進めるためには、介護者がハンドルと反対側から、被介護者が保持するためのアームを操作して介護用車椅子に駆動力を付与しなければならない。
そうすると、ハンドルが進行方向に突出した状態で介護用車椅子が進行するので、進行時に不都合を生じる。また、ハンドルの分だけ、介護用車椅子の長さが長くなり、取り扱いも不便である。
また、上記のように介護用車椅子を被介護者の前方に進める場合でも、被介護者は前傾した着座位姿勢のままであるため、被介護者を通常の車椅子のような後傾した楽な姿勢で移動させることはできない。
本発明の目的は、かかる従来技術の課題に鑑み、前傾した着座位姿勢でのみならず、後傾した着座位姿勢でも被介護者の前方に向けて支障なく走行させることができるコンパクトな介護用車椅子を提供することにある。
本発明の介護用車椅子は、
被介護者が前方に向いて着座する座面部を有する座席部と、
前記座席部を移動自在に支持するキャスタと、
介護者が駆動力を付与して前記座席部を前記キャスタで走行させるためのハンドル部と、
前記ハンドル部を前記座席部に着脱自在に取り付けるために前記座面部の前記前方側に設けられた第1ハンドル取付部とを備え、
前記ハンドル部は、前記第1ハンドル取付部に取り付けられた状態において、
前記座面部に着座した被介護者が左右の肘をそれぞれ掛ける第1、第2肘掛部と、
前記第1、第2肘掛部の前記前方側に設けられ、被介護者又は介護者が把持可能な第1、第2グリップと、
前記第1、第2肘掛部の前記前方側と反対側に設けられ、被介護者又は介護者が把持可能な第3、第4グリップとを備え、
前記座席部の前記第1ハンドル取付部と反対側には、前記ハンドル部を、前記座面部に着座した被介護者に対して逆向きで、着脱自在に取り付けるための第2ハンドル取付部が設けられることを特徴とする。
本発明によれば、被介護者をベッド・トイレ間で移動させるなどの特定移動時においては、ハンドル部が第1ハンドル取付部に取り付けられた状態の座席部に対して、被介護者は、前方に向いた姿勢で着座する。このとき、被介護者は、ハンドル部の第1、第2肘掛部に肘を掛け、第1、第2グリップを把持することにより、上体を安定させながら着座位姿勢を維持することができる。また、介護者は、後方側から第3、第4グリップを把持して駆動力を付与することにより、介護用車椅子を前方に向けて走行させることができる(馬型車椅子モード)。
一方、ハンドル部を第1ハンドル取付部から逆向きにして第2ハンドル取付部に付け替えた場合、介護者が後方側から第1、第2グリップを把持して駆動力を付与することにより、被介護者が前方を向いて着座した状態で、前方に向けて介護用車椅子を通常の車椅子のようにして走行させることができる(通常車椅子モード)。
本発明において、前記ハンドル部は、該ハンドル部が前記第1ハンドル取付部に取り付けられた状態における前記第1、第2肘掛部の前方側に、前記座席部に着座した被介護者が胸を預ける胸当部を備えてもよい。これによれば、ハンドル部を第1取付部に取り付けた状態で座席部に着座した被介護者は、胸当部に胸を預けることにより、上体をより安定に維持しながら着座位姿勢を維持することができる。一方、ハンドル部を第2取付部に取り付けた状態では、胸当部を被介護者の背もたれとして機能させることができる。
本発明において、前記座面部は、その前後方向に垂直かつ水平方向に延びた回動軸を介して回動自在に支持されており、前記座席部は、前記座面部が前記回動軸の周りで回動する角度を制限するとともに、所定の回動中立位置からの回動量が大きいほど大きい該回動中立位へ向かう回動力を該座面部に付与する回動抑制手段を備えてもよい。
これによれば、座面部が回動抑制手段により回動中立位置に位置づけられている場合に、被介護者を座面部に対して着座させようとするとき、被介護者から座面部に加えられる力の大きさ及び位置(回動軸の周りのモーメント)に応じて座面部が回動し、かつ回動量が多くなるほど回動中立位置方向への回動力を回動抑制手段が座面部に付与する。被介護者を座面部から離座させようとするときにも、同様に回動中立位置方向への回動力が座面部に付与される。
これにより、被介護者の着座・離座の進行段階に応じて座面部が回動しつつ被介護者を対応する回動角度及び回動力で支持する。したがって、被介護者の着座・離座を、回動抑制手段により、補助することができる。また、着座した状態の被介護者を、着座位姿勢に応じて座面部が適切な回動角度及び回動力で支持するので、着座位姿勢における被介護者の快適性を向上させることができる。
本発明において、前記ハンドル部は、前記第1、第2肘掛部から前記第1、第2グリップと反対方向にそれぞれ延びた第1、第2サイド部と、該第1、第2サイド部に対して角度を有する方向に延びた前記第3、第4グリップと、該第1、第2サイド部と該第3、第4グリップのそれぞれの間の第1、第2湾曲部とを備え、前記ハンドル部は、前記第3、第4グリップが、それぞれ前記第1、第2サイド部を軸として上方に向いた上方回動位置と相互に内方に向いた内方回動位置との間で回動し得るように構成されてもよい。
これによれば、ハンドル部が第1ハンドル取付部に取り付けられているとき、第3、第4グリップを上方回動位置に回動させることにより、介護者は第3、第4グリップを把持して座席部を走行させることができる。また、ハンドル部が第2ハンドル取付部に取り付けられているとき、第3、第4グリップを内方回動位置に回動させることにより、第3、第4グリップにより被介護者が座面部から前方に逸脱するのを防止することができる。
本発明において、前記座面部の高さを任意に設定するための高さ調整手段を備えてもよい。これによれば、被介護者をベッド等における端座位と介護用車椅子における着座位姿勢との間で移動させる作業や、着座位姿勢での介護用車椅子の走行などの作業の種類に応じて、また、被介護者の体格に応じて、座面部の高さを適切に設定することができる。
本発明の一実施形態に係る介護用車椅子のハンドル部を第1ハンドル取付部に取り付けた状態の斜視図である。 図1の介護用車椅子において、座面部を上昇させ、座面部が前方に傾いた状態を示す正面図である。 図1の介護用車椅子において、ハンドル部を第2ハンドル取付部に取り付けて座面部を上昇させ、座面部が前方に傾いた状態を示す斜視図である。 被介護者をベッドから図1の介護用車椅子に滑り移乗させるときの様子を示す模式図である。 被介護者を便座から図1の介護用車椅子に滑り移乗させる際に、被介護者の足を床から介護用車椅子の足支持部に乗せ替える様子を示す模式図である。 被介護者を便座から図1の介護用車椅子に滑り移乗させる際に、被介護者の上体を押す様子を示す模式図である。 図1の介護用車椅子における馬型車椅子モードでの被介護者の移動座位姿勢が安全な前傾座位姿勢となっているときの様子を示す模式図である。 図1の介護用車椅子における馬型車椅子モードでの被介護者の移動座位姿勢が快適な後傾座位姿勢となっているときの様子を示す模式図である。 図1の介護用車椅子の馬型車椅子モードで使用している様子を示す模式図である。 図1の介護用車椅子を通常車椅子モードで使用している様子を示す模式図である。
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る介護用車椅子を示す。同図に示すように、この介護用車椅子1は、被介護者が前方D1に向いて着座する座面部2を有する座席部3と、座席部3を移動自在に支持するキャスタ4と、介護者が駆動力を付与して座席部3をキャスタ4で走行させるためのハンドル部5と、ハンドル部5を座席部3に着脱自在に取り付けるために座席部3の前方D1側に設けられた第1ハンドル取付部6とを備える。
なお、本明細書では、座面部2に対して、第1ハンドル取付部6が位置する側の方向を前方D1、その反対方向を後方D2とし、これらの方向に沿った方向を前後方向Dとしている。
座席部3は、下部にベースフレーム7を備える。キャスタ4は、自在に向きの変わる小さな車輪であり、ベースフレーム7の四隅の4箇所に設けられる。座席部3としては、座面部2の高さを任意に設定する高さ調整手段としての電動昇降装置(リフティングコラム)8付きのものが採用される。ベースフレーム7の両側には、座面部2に着座した被介護者の両足を支持する足支持部9が設けられる。
座面部2は、前後方向Dに垂直かつ水平方向に延びた回動軸10を介して回動自在に支持される。回動軸10は、座面部2の前後方向Dにおける中心部を通る位置に設けられる。座席部3には、座面部2が回動軸の周りで回動する角度範囲を制限するとともに、所定の回動中立位置からの回動量が大きいほど大きい該回動中立位へ向かう付勢力を座面部2に付与する回動抑制手段を備える。
すなわち、座面部2は、回動中心において支持され、回動中立位置に向けて付勢されたシーソーのような構造となっている。回動中立位置は、必ずしも回動角度範囲の中央の角度位置ではなくてもよく、回動角度範囲の一方の端の角度位置に近寄せた角度位置であってもよい。
回動抑制手段として、本実施例では、座席部3の下部から座面部2の後方D2側端部にかけて配置されたガススプリング11が用いられる。ただし、ガススプリング11の下端部は、図2に示すように、電動昇降装置8の上端部に固定される。
したがって、電動昇降装置8により昇降される座面部2の昇降に連動してガススプリング11も昇降するので、ガススプリング11により座面部2に付与される付勢力は、電動昇降装置8の昇降により影響を受けることはない。ガススプリング11としては、伸縮量を固定するストロークロック機構や、この固定量を任意に設定できるフリーロック機構を有するものを用いることができる。
伸縮量の固定は、例えば、座面部2の回動角度範囲が中立位置から±6°程度となるように行うことができる。図2では、座面部2が前方D1へ6°程度傾いた状態が示されている。
ベースフレーム7の前端部には、座席部3の電動昇降装置8を動作させるための2つのフットスイッチ12が設けられる。一方のフットスイッチ12で座面部2をフットスイッチ12の押下時間分上昇させ、他方のフットスイッチ12で座面部2を同様にして下降させることができる。図1では、座面部2を最も下降させた状態が示されており、図2では、座面部2を上昇させた状態が示されている。
ハンドル部5は、ハンドル部5が第1ハンドル取付部6に取り付けられた第1取付状態(図1、図2の取付状態)において、座面部2に着座した被介護者が左右の肘をそれぞれ掛けるために前後方向Dに延びた第1、第2肘掛部13、14と、前記第1取付状態における第1、第2肘掛部13、14の前方D1側に設けられ、被介護者又は介護者が両手でそれぞれ把持する第1、第2グリップ15、16とを備える。
前記第1取付状態における第1、第2肘掛部13、14の後方D2側には、被介護者又は介護者が両手でそれぞれ把持する第3、第4グリップ17、18が設けられる。また、ハンドル部5は、前記第1取付状態における第1、第2肘掛部13、14の前方D1側に、座席部3に着座した被介護者が胸を預ける胸当部19と、胸当部19の中央から下方に延びた支柱部20を備える。
座席部3の第1ハンドル取付部6と反対側には、ハンドル部5を前記第1取付状態とは被介護者に対して逆向きで着脱自在に取り付けるための第2ハンドル取付部21が設けられる。第1、第2ハンドル取付部6、21は、ハンドル部5の支柱部20の下端部を上方から挿入して固定できるように構成される。
支柱部20は、ハンドル部5に固定されたスリーブ22に挿入してハンドル部5に取り付けられる。この取付けは、ハンドル部5からの支柱部20先端までの長さを調整できるように行われる。
この調整は、上下方向に沿って支柱部20の複数か所に設けられた雌ねじ孔に対してスリーブ22に設けられたアジャストボルト23を選択的に螺合させることにより行われる。この調整により、座面部2に対するハンドル部5の高さを、被介護者の体格や、介護用車椅子1による被介護者の搬送モードに合わせることができる。
ハンドル部5は、第1、第2肘掛部13、14から第1、第2グリップ15、16と反対方向にそれぞれ延びた第1、第2サイド部24、25と、第1、第2サイド部24、25に対してそれぞれほぼ90度の角度を有する方向に延びた第3、第4グリップ17、18と、第1、第2サイド部24、25と第3、第4グリップ17、18のそれぞれの間の第1、第2湾曲部26、27とを備える。
ハンドル部5は、第3、第4グリップ17、18が、それぞれ第1、第2サイド部24、25を軸として上方に向いた上方回動位置と相互に内方に向いた内方回動位置との間で回動し得るように構成される。図1、図2では、第3、第4グリップ17、18が、内方回動位置に位置するときの様子が示されている。
この構成において、介護用車椅子1は、ハンドル部5を第1ハンドル取付部6に取り付けた第1取付状態(図1、図2参照)における馬型車椅子モードと、ハンドル部5を第2ハンドル取付部21に取り付けた第2取付状態(図3参照)における通常車椅子モードで使用することができる。
馬型車椅子モードは、被介護者が前方D1に向いて前傾した姿勢で着座した状態で、介護者が後方D2側から第3、第4グリップ17、18を把持して介護用車椅子1を走行させる使用モードである。この使用モードは、例えば、ベッドとトイレとの間で被介護者を移動させるのに適した使用モードである(図9参照)。
通常車椅子モードは、被介護者が前方D1に向いて後傾した姿勢で着座した状態で、介護者が後方D2側から第1、第2グリップ15、16を把持して押して介護用車椅子1を走行させる使用モードであり、通常の車椅子として介護用車椅子1を使用するのに適した使用モードである(図3参照)。
介護者が、ベッドやトイレの便座で介護者の補助により端座している被介護者を、介護用車椅子1に移乗させる場合には、図4に示すように、まず、介護者(A)が、ハンドル部5を操作して、端座している被介護者(B)の両膝の間で、介護用車椅子1の座面部2の後方D2側をベッド28又は便座30に近接させ、キャスタ4をロックする。
次に、介護者が、フットスイッチ12を操作して電動昇降装置8を駆動し、座面部2の高さをベッド28又は便座30の高さに合わせる。そして、図5に示すように、介護者が被介護者の足29を床から介護用車椅子1の足支持部9に乗せ替える。
次に、図6に示すように、被介護者の上体を押して、被介護者をベッド28又は便座30から座面部2上に滑り移乗させる。このとき、座面部2がガススプリング11により回動中立位置の方向に付勢されているので、被介護者の移乗段階に応じて座面部2が回動しつつ被介護者を適切な回動角度及び回動力で支持する。
このような滑り移乗動作によって、介護者によるリフト介護動作を必要とすることなく(重筋作業無し)ベッド28又は便座30から介護用車椅子1への移乗が行われる。そして、介護者は、フットスイッチ12を操作して、座面部2の位置を上昇させ、被介護者が適切な移動座位姿勢となるように座面部2の位置を調整する。
このとき、被介護者の体重が座面部2の前方D1側に付与されるので、図7に示すような、座面部2が前方D1側に前傾した状態となる。これにより、被介護者(B)の姿勢は、移動時の姿勢である移動座位姿勢が、安全な前傾した前傾座位姿勢となる。このとき、被介護者は、第1、第2グリップ15、16を把持することによって、より安全な前傾座位姿勢をとることができる。
また、介護者は、被介護者が、図8に示すような後傾した快適な移動座位姿勢となるように座面部2の位置を設定することもできる。このときも、被介護者(B)は、第1、第2グリップ15、16を把持することにより、安全な後傾座位姿勢をとることができる。
このとき、被介護者の体重が座面部2の後方D2側にやや多く付与され、被介護者がやや後傾した着座位姿勢をとると、ガススプリング11の付勢力に抗して座面部2が後方D2に例えば1°程度傾く。これにより、被介護者は、より安全かつ楽な後傾座位姿勢をとることができる。
このようにして、介護用車椅子1を馬型車椅子モードで走行させる準備が完了すると、介護者は、キャスタ4のロックを解除し、馬型車椅子モードでの走行を開始することができる。この馬型車椅子モードでは、図8において2点鎖線で示すように第3、第4グリップ17、18を上方に回動させ、介護者が、これらを把持しながら、介護用車椅子1を走行させることができる。
この間、被介護者は、第1、第2グリップ15、16を把持し、必要に応じて胸を胸当部19に預けることにより、また、ガススプリング11による座面部2を介した支持により、安定した移動座位姿勢を維持することができる。この馬型車椅子モードでの走行時の様子が、図9に示されている。
馬型車椅子モードでの移動座位姿勢にある被介護者を、ベッドやトイレにおける端座位姿勢への移乗動作は、上記のベッドや便座から介護用車椅子1への移乗を行う場合と逆の手順により行われる。この場合も、滑り移乗動作に際して、被介護者の移乗段階に応じて座面部2が回動しつつ被介護者を適切な回動角度及び回動力で支持するので、介護者によるリフト介護動作を必要とすることなく(重筋作業無し)移乗が行われる。
一方、介護用車椅子1を通常車椅子モードで使用する場合には、図3に示すように、ハンドル部5が第1ハンドル取付部6から第2ハンドル取付部21に逆向きにして付け替えられる。このとき、ハンドル部5は、馬型車椅子モードのときと反対の方向を向いている。
また、介護者は、フットスイッチ12を操作して、座面部2の位置を上昇させ、被介護者の移動座位姿勢が、図10に示すような後傾した快適な移動座位姿勢となる位置に設定することができる。
したがって、前方D1を向いた移動座位姿勢で着座した被介護者は、ハンドル部5の相互に内方を向いた第3、第4グリップ17、18を把持するとともに、ハンドル部5の胸当部19に背中をもたれかけることにより、やや後傾した状態で、姿勢を安定させることができる。
このとき、座面部2は、被介護者の後傾した姿勢に応じ、ガススプリング11の付勢力に抗して後方D2側に、例えば6°程度傾き、被介護者の後傾姿勢に適合して被介護者を適切に支持するので、被介護者の姿勢はより安定した状態となる。
この安定した被介護者の移動座位姿勢の状態で、介護者は、介護用車椅子1の後方D2側から第1、第2グリップ15、16を把持し、介護用車椅子1を走行させることができる。介護用車椅子1が意図せずして停止した場合には、走行していた方向への被介護者の逸脱が、第3、第4グリップ17、18によって防止される。
以上のように、本実施形態によれば、被介護者をベッド・トイレ間で移動させるなどの特定移動時においては、ハンドル部5を第1ハンドル取付部6に取り付けた馬型車椅子モードで被介護者の安全かつ楽な前傾座位姿勢を維持しつつ走行させることができる。また、ハンドル部5を第2ハンドル取付部21に付け替えることにより、被介護者を後傾座位姿勢に維持しつつ通常車椅子モードで安全に走行させることができる。
また、座面部2を回動可能に支持し、その中立位置からの回動を、ガススプリング11で抑制するようにしたので、被介護者のベッドなどとの間での移乗の容易化を図ることができる。また、同様の理由から、被介護者の馬型車椅子モードでの前傾座位姿勢や、通常車椅子モードでの後傾座位姿勢の移動座位姿勢を適切に維持することができる。
また、ハンドル部5に胸当部19を設けたので、介護用車椅子1を馬型車椅子モードで使用する場合には、被介護者は胸当部19に胸を預けることにより、前傾座位姿勢を安定させることができる。また、通常車椅子モードで使用する場合には、被介護者は胸当部19に背中をもたれかけさせることにより、後傾座位姿勢を安定させることができる。
また、ハンドル部5の第3、第4グリップ17、18を上方回動位置と相互に内方に向いた内方回動位置との間で回動し得るように構成したので、介護用車椅子1を馬型車椅子モードで使用する場合には、介護者が上方に向けられた第3、第4グリップ17、18を把持して介護用車椅子1を走行させることができる。
一方、介護用車椅子1を通常車椅子モードで使用する場合には、被介護者が内方に向けられた第3、第4グリップ17、18を把持することにより、着座位姿勢を安定に維持できるとともに、第3、第4グリップ17、18にて被介護者が走行方向へ逸脱するのを防止することができる。
また、座席部3が電動昇降装置(リフティングコラム)8を備えるので、ベッド等における端座位と介護用車椅子1における着座位との間で被介護者を移乗させる作業や、介護用車椅子1の走行時の被介護者の着座位姿勢に応じて、また、被介護者の体格に応じて、座面部2の高さを適切に設定することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、回動中立位へ向かう回動力を座面部2に付与する回動抑制手段として、座面部2と電動昇降装置8の上端との間において、座面部2の回動軸の前方D1側と後方D2側に設けた付勢手段で構成したものを採用してもよい。付勢手段としては、圧縮コイルばねや捩りコイルばねを用いることができる。
1…介護用車椅子、2…座面部、3…座席部、4…キャスタ、5…ハンドル部、6…第1ハンドル取付部、7…ベースフレーム、8…電動昇降装置、9…足支持部、10…回動軸、11…ガススプリング、12…フットスイッチ、13…第1肘掛部、14…第2肘掛部、15…第1グリップ、16…第2グリップ、17…第3グリップ、18…第4グリップ、19…胸当部、20…支柱部、21…第2ハンドル取付部、22…スリーブ、23…アジャストボルト、24…第1サイド部、25…第2サイド部、26…第1湾曲部、27…第2湾曲部、28…ベッド、29…足、30…便座、D…前後方向、D1…前方、D2…後方。

Claims (5)

  1. 被介護者が前方に向いて着座する座面部を有する座席部と、
    前記座席部を移動自在に支持するキャスタと、
    介護者が駆動力を付与して前記座席部を前記キャスタで走行させるためのハンドル部と、
    前記ハンドル部を前記座席部に着脱自在に取り付けるために前記座面部の前記前方側に設けられた第1ハンドル取付部とを備え、
    前記ハンドル部は、前記第1ハンドル取付部に取り付けられた状態において、
    前記座面部に着座した被介護者が左右の肘をそれぞれ掛ける第1、第2肘掛部と、
    前記第1、第2肘掛部の前記前方側に設けられ、被介護者又は介護者が把持可能な第1、第2グリップと、
    前記第1、第2肘掛部の前記前方側と反対側に設けられ、被介護者又は介護者が把持可能な第3、第4グリップとを備え、
    前記座席部の前記第1ハンドル取付部と反対側には、前記ハンドル部を、前記座面部に着座した被介護者に対して逆向きで、着脱自在に取り付けるための第2ハンドル取付部が設けられることを特徴とする介護用車椅子。
  2. 前記ハンドル部は、該ハンドル部が前記第1ハンドル取付部に取り付けられた状態における前記第1、第2肘掛部の前方側に、前記座席部に着座した被介護者が胸を預ける胸当部を備えることを特徴とする請求項1に記載の介護用車椅子。
  3. 前記座面部は、その前後方向に垂直かつ水平方向に延びた回動軸を介して回動自在に支持されており、前記座席部は、前記座面部が前記回動軸の周りで回動する角度を制限するとともに、所定の回動中立位置からの回動量が大きいほど大きい該回動中立位置へ向かう回動力を該座面部に付与する回動抑制手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の介護用車椅子。
  4. 前記ハンドル部は、前記第1、第2肘掛部から前記第1、第2グリップと反対方向にそれぞれ延びた第1、第2サイド部と、該第1、第2サイド部に対して角度を有する方向に延びた前記第3、第4グリップと、該第1、第2サイド部と該第3、第4グリップのそれぞれの間の第1、第2湾曲部とを備え、
    前記ハンドル部は、前記第3、第4グリップが、それぞれ前記第1、第2サイド部を軸として上方に向いた上方回動位置と相互に内方に向いた内方回動位置との間で回動し得るように構成されることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の介護用車椅子。
  5. 前記座面部の高さを任意に設定するための高さ調整手段を備えることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の介護用車椅子。
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