JPH09322913A - 車椅子 - Google Patents

車椅子

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JPH09322913A
JPH09322913A JP8143846A JP14384696A JPH09322913A JP H09322913 A JPH09322913 A JP H09322913A JP 8143846 A JP8143846 A JP 8143846A JP 14384696 A JP14384696 A JP 14384696A JP H09322913 A JPH09322913 A JP H09322913A
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JP
Japan
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handle
backrest
wheelchair
state
grip
Prior art date
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JP8143846A
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English (en)
Inventor
Hiroyasu Yamamoto
博康 山本
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Aprica Kassai KK
Original Assignee
Aprica Kassai KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 介護者が握って車椅子を推進させるために用
いられるハンドルが、リクライニング可能な座席の背も
たれ部とともに倒されたとき、ハンドルの上端部に形成
された握り部の位置が低くなり、介護者は背をかがめな
いと握り部を握れないという不具合に遭遇することがあ
る。 【解決手段】 握り部11を、ハンドル本体10の上端
部から相対的に後方へ張り出す状態と相対的に前方へ張
り出した状態とを選択的にとり得るようにする。背もた
れ部9およびハンドル7が起こされたときには握り部1
1を後方へ張り出した状態とするが、背もたれ部9およ
びハンドル7が倒されたときには握り部11を前方へ張
り出した状態とし、握り部11を位置をできるだけ上方
へもたらし、介護者が自然な姿勢で握り部11を握れる
ようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車椅子に関する
もので、特に、車椅子に備えるハンドルの構造の改良に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】病人、身障者等の病弱者が、自力で、ま
たは介護者の力を借りて、移動するための器具として、
車椅子が用いられている。車椅子は、通常、地面上を転
動する複数の車輪と、これら車輪を回転可能に取り付け
る車体と、車体によって保持される座席とを備えてい
る。座席には、座部と背もたれ部とが形成され、ここに
病弱者が着座する。また、車椅子には、背もたれ部に沿
って立ち上がるように車体によって保持されたハンドル
が設けられ、ハンドルの上端部には、介護者が握って推
進する力や方向転換などの操縦する力を与えるための握
り部が形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、このような車椅
子に備える座席は、背もたれ部の傾斜角度が固定であ
り、背もたれ部がリクライニング可能とされているもの
はなかった。
【0004】しかしながら、座席に着座している病弱者
にとっては、背もたれ部がリクライニング可能である方
がより快適であろう。たとえば、上半身を立てた姿勢の
まま、長時間、座席に座っていることは、病弱者にとっ
て苦痛であろう。このような苦痛を低減するため、少な
くとも病弱者が自力で車椅子を推進していないときに
は、背もたれ部を倒して上半身を寝かした姿勢とするこ
とが効果的である。
【0005】したがって、背もたれ部がリクライニング
可能とされた構造が車椅子に採用されればよい。
【0006】また、前述したように、ハンドルは、背も
たれ部に沿って立ち上がるように設けられているので、
このように背もたれ部がリクライニング可能にされたと
きには、通常、ハンドルもリクライニング可能とされる
であろう。しかしながら、ハンドルがリクライニング可
能とされると、その上端部に形成された握り部の位置が
ハンドルのリクライニング状態の変更に応じて変更され
ることになる。そのため、たとえばハンドルが倒された
ときには、握り部が低く位置してしまい、背をかがめな
いと介護者が握り部を握れないという不具合に遭遇する
ことがある。
【0007】そこで、この発明の目的は、座席の背もた
れ部だけでなく、ハンドルもリクライニング可能とされ
た車椅子において、上述した問題を解決しようとするこ
とである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、複数の車輪
と、これら車輪を回転可能に取り付ける車体と、この車
体によって保持される、座部および背もたれ部を有する
座席と、背もたれ部に沿って立ち上がるように車体によ
って保持されるハンドル本体およびハンドル本体の上端
部に設けられる握り部を有するハンドルとを備える、車
椅子に向けられるものであって、上述した技術的課題を
解決するため、次のような構成を備えることを特徴とし
ている。
【0009】すなわち、背もたれ部およびハンドルは、
それぞれ、当該車椅子の幅方向に延びる軸のまわりに回
動可能なように車体に取り付けられ、他方、握り部は、
ハンドル本体の上端部から相対的に後方へ張り出す状態
と相対的に前方へ張り出す状態とを選択的にとり得るよ
うにハンドル本体に対して取り付けられている。
【0010】この発明において、好ましくは、握り部
は、L字状に延びる棒材の一方端側に形成され、この棒
材の他方端側は、ハンドル本体の上端部に対して、その
軸線まわりに回動可能に連結される。そして、この棒材
のハンドル本体に対する回動は、握り部が後方へ張り出
す状態と前方へ張り出す状態とをそれぞれとったとき、
禁止するようにされる。
【0011】上述した棒材の回動を禁止するため、たと
えば、棒材およびハンドル本体の双方を貫通するように
ねじ込まれるボルト状部材が用いられたり、棒材および
ハンドル本体の一方に保持され、ばねにより変位可能な
ように付勢される係合ピンと、棒材およびハンドル本体
の他方に設けられ、係合ピンがばねの付勢に基づき変位
することにより嵌合する係合穴との組合せが用いられた
りする。
【0012】
【発明の効果】この発明によれば、上述のように、背も
たれ部およびハンドルが、それぞれ、当該車椅子の幅方
向に延びる軸のまわりに回動可能なように車体に取り付
けられながら、握り部は、ハンドル本体の上端部から相
対的に後方へ張り出す状態と相対的に前方へ張り出す状
態とを選択的にとり得るようにハンドル本体に対して取
り付けられているので、背もたれ部およびハンドルが起
こされたときには、握り部を相対的に後方へ張り出す状
態とし、他方、背もたれ部およびハンドルが倒されたと
きには、握り部を相対的に前方へ張り出す状態とすれ
ば、これらの状態のいずれにおいても、握り部の位置を
ほとんど変えないようにすることができる。
【0013】したがって、ハンドルが倒されたときに
は、握り部を相対的に前方へ張り出す状態にすれば、介
護者が無理な姿勢をとることなく、この握り部を握るこ
とができるようになる。
【0014】この発明において、握り部が、L字状に延
びる棒材の一方端側に形成され、この棒材の他方端側
が、ハンドル本体の上端部に対して、その軸線まわりに
回動可能に連結されることにより、握り部の向きを変え
るための機構を簡単な構成で実現することができる。
【0015】そして、握り部が後方へ張り出す状態と前
方へ張り出す状態とをそれぞれとったとき、棒材のハン
ドル本体に対する回動を禁止する手段が設けられている
と、握り部を所望の向きで固定することができ、握り部
を握っての車椅子の推進や操縦を行ないやすくすること
ができる。また、このような棒材のハンドル本体に対す
る回動を禁止する手段は、たとえば、前述したように、
ボルト状部材が用いられたり、あるいは、係合ピンと係
合穴との組合せが用いられたりすることにより、簡単な
構成で実現できる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1および図2には、この発明の
一実施形態による車椅子1の全体の外観が側面図で示さ
れている。車椅子1は、実質的に左右対称の構造を有し
ている。そのため、以下の説明は左右一方側の構造につ
いてのみ行ない、他方側の構造については省略すること
がある。
【0017】図1および図2を参照して、車椅子1は、
複数の車輪、すなわち、左右の主車輪2、左右の転向車
輪3、および左右の転倒防止車輪4を備えている。転向
車輪3は、転向可能なキャスタをもって構成される。
【0018】これら主車輪2、転向車輪3および転倒防
止車輪4は、それぞれ、回転可能な状態で、車体5に取
り付けられる。この車体5によって、また、座席6およ
びハンドル7が保持される。座席6は、座部8および座
部8の後端部から立ち上がる背もたれ部9を有する。ま
た、ハンドル7は、背もたれ部9に沿って立ち上がるハ
ンドル本体10およびハンドル本体10の上端部に設け
られる握り部11を有する。これらハンドル本体10お
よび握り部11は、通常、左右に1つずつ配置される。
【0019】このような車椅子1の座席6に病弱者12
が座った状態において、病弱者12が自らの手で主車輪
2を回すことによって、車椅子1が推進され、また方向
転換などの操縦をすることができる。方向転換に応じ
て、転向車輪3がその方向を自在に変更する。また、万
が一、車椅子1が後方へ倒れるように傾いたときには、
転倒防止車輪4が地面13に接地し、車椅子1の後方へ
の転倒を防止する。
【0020】同様の推進および操縦は、図示しない介護
者が、ハンドル7の握り部11を握って、車椅子1に対
して所望の力を加えることによっても行なうことができ
る。
【0021】なお、車椅子1がたとえば電動により推進
されるようにしてもよい。
【0022】この車椅子1に備える座席6の背もたれ部
9は、リクライニング可能に構成されている。背もたれ
部9の最も起こされた状態が図1に示され、最も倒され
た状態が図2に示されている。図3および図4は、座席
6およびハンドル7の側面図であり、それぞれ、図1お
よび図2に示した状態に対応する状態を示している。
【0023】図3および図4に示すように、座部8の後
端部と背もたれ部9の下端部とは、この車椅子1の幅方
向に延びる第1の軸14のまわりに互いに回動可能に連
結されている。また、背もたれ部9は、第1の軸14に
平行であってこの第1の軸14より上方に位置する第2
の軸15のまわりに回動可能なように車体5に取り付け
られている。より具体的には、車体5には、固定プレー
ト16が取り付けられ、この固定プレート16によって
第2の軸15が支持される。
【0024】また、座部8は、この車椅子1の前後方向
に移動可能なように車体5に保持されている。より詳細
には、座部8は、その比較的前方部においてのみ、車体
5に備える横棒17によって下方から支えられ、その比
較的後方部では、下方への変位を許容する状態とされて
いる。横棒17は、座部8との接触面積をできるだけ小
さくして、座部8の前後方向への移動が円滑に行なわれ
るように、たとえば断面円形とされる。なお、同様の目
的で、横棒17が回転可能なローラで構成されてもよ
い。
【0025】また、ハンドル7も、背もたれ部9と同
様、この車椅子1の幅方向に延びる第3の軸18のまわ
りに回動可能なように車体5に取り付けられている。よ
り具体的には、この第3の軸18は、前述した固定プレ
ート16に支持されている。この実施形態では、ハンド
ル7の回動と背もたれ部9の回動とは、互いに連動する
ようにされ、そのため、背もたれ部9に取り付けられた
ガイドスリーブ19内にハンドル本体10が軸方向にス
ライド可能に受け入れられる。このような構成によれ
ば、背もたれ部9の傾斜角度を変更するための操作は、
たとえばハンドル7の握り部11を介して行なうことが
できる。
【0026】また、背もたれ部9の傾斜角度を変更すれ
ば、その回動に応じて、座部8は前後方向に移動する。
すなわち、前述したように、座部8の後端部と背もたれ
部9の下端部とを互いに回動可能に連結する第1の軸1
4とは異なる第2の軸15によって背もたれ部9が車体
5に備える固定プレート16に対して回動可能に取り付
けられ、しかもこの第2の軸15が第1の軸14より上
方に位置しているので、背もたれ部9が、たとえば図3
に示すような起きた状態から図4に示すような倒された
状態とされたとき、背もたれ部9の下端部は、座部8を
前方へ移動させるように変位する。
【0027】したがって、背もたれ部9を倒したとき、
病弱者12の体重のために車椅子1全体の重心が後方へ
移動する度合いが、座部8の前方への移動によって低減
され、そのため、車椅子1が後方へ転倒しやすい状態と
されることを防止できる。それゆえ、背もたれ部9がリ
クライニング可能とされるにもかかわらず、この車椅子
1を安全性に優れたものとすることができる。
【0028】上述した背もたれ部9の回動と座部8の移
動との連動は、可逆的に生じる。すなわち、背もたれ部
9が、たとえば図4に示すような倒された状態から図3
に示すような起こされた状態とされたときには、背もた
れ部9の下端部は、座部8を後方へ移動させるように変
位する。
【0029】なお、上述のような利点を望まないなら
ば、座部8の移動が生じない状態で、背もたれ部9が回
動されるように構成されてもよい。
【0030】背もたれ部9の上端部に形成されるヘッド
レスト20は、図1に示すように、背もたれ部9が起こ
されたときには、病弱者12の首のほぼ後ろに位置して
いるが、図2に示すように、背もたれ部9が倒されたと
きには、病弱者12の頭を適正に支える位置にもたらさ
れることができる。ヘッドレスト20は、特に、病弱者
12が寝かされたときに必要であり、この条件を満たす
ようにヘッドレスト20の位置を設定すれば、背もたれ
部9の高さ寸法を小さくすることができ、車椅子1全体
のコンパクト化に寄与することができる。なお、ヘッド
レスト20は、その高さ位置が調節可能とされてもよ
い。
【0031】再び図3および図4を参照して、座部8
は、前述したように、その比較的前方部において車体5
に備える横棒17に保持され、その比較的後方部では、
下方への変位を許容する状態とされているので、座席6
に着座している病弱者12の体重は、座部8の比較的後
方部を下方へ変位させる方向に働き、これが、第1の軸
14を介して、背もたれ部9の下端部を下方へ変位させ
るように作用する。そして、背もたれ部9を回動可能に
取り付ける第2の軸15が第1の軸14より上方に位置
しているので、上述のように背もたれ部9の下端部を下
方へ変位させる力は、背もたれ部9を起こすように作用
する。したがって、病弱者12が着座したままでも、背
もたれ部9の傾斜角度を変更する操作を比較的軽い力で
行なうことができる。
【0032】なお、上述のような利点を望まないなら
ば、座部8は、その比較的後方部が下方へ変位し得る状
態とされていなくてもよい。
【0033】また、この実施形態では、背もたれ部9の
下端部が他の部分に対して後方へ曲げられていて、その
端部に第1の軸14が位置している。このような構成に
よれば、図3と図4とを参照すればわかるように、第1
の軸14は、背もたれ部9が第2の軸15のまわりに回
動する範囲の一方終端において、第2の軸15より前方
側に位置し(図4)、同じく他方終端において、第2の
軸15より後方側に位置する(図3)ようにすることが
できる。このように構成されると、背もたれ部9の回動
範囲において、第1の軸14の高さ変化をあまり生じな
いようにすることができ、その結果、座部8の後端部の
高さ変化を小さくすることができる。そのため、背もた
れ部9を図3に示すように起こしたとき、座部8の後端
部が大きく落ち込む状態となることを防止できる。
【0034】なお、上述したような利点を望まないなら
ば、背もたれ部9の回動範囲において、第1の軸14が
第2の軸15の前方側または後方側においてのみ位置す
るようにされてもよい。
【0035】背もたれ部9の変更された傾斜角度を固定
するため、この実施形態では、ハンドル7の傾斜角度を
固定することが行なわれる。図5には、ハンドル7の傾
斜角度を固定するための機構の一例が示されている。
【0036】ハンドル本体10の基部には、角度調節プ
レート21が固定される。角度固定プレート21には、
たとえば3つの凹部22、23および24が一方側に張
り出すように形成された溝25が形成される。溝25
は、第3の軸18を中心とする円弧に沿って延びる。溝
25内には、係合ロッド26が挿通され、係合ロッド2
6は、固定プレート16に設けられた長穴27内に受け
入れられて保持される。長穴27は、溝25の延びる方
向に対して交差する方向に延び、それによって、係合ロ
ッド26は、溝25の延びる方向に対して交差する方向
に変位可能とされる。また、係合ロッド26と固定プレ
ート16上の固定ピン28との間には、たとえばコイル
状の引っ張りばねのようなばね29が張られ、それによ
って、係合ロッド26が凹部22〜24のいずれかに嵌
まり込むように付勢される。
【0037】図5に示すように、係合ロッド26が凹部
22に嵌合したとき、図1および図3に示すように、ハ
ンドル7が最も起こされた状態で固定される。このハン
ドル7の固定によって、背もたれ部9もその傾斜角度が
固定される。
【0038】背もたれ部9の傾斜角度を変更したいとき
には、まず、係合ロッド26を凹部22から脱出させる
ように操作する。これによって、背もたれ部9の傾斜角
度が変更可能な状態となる。次いで、たとえばハンドル
7の握り部11を持ちながら、ハンドル7の傾斜角度を
変更して、背もたれ部9の傾斜角度を変更する。この操
作の結果、係合ロッド26を凹部24に嵌合させたと
き、図2および図4に示すように、ハンドル7が最も倒
された状態で固定される。また、係合ロッド26を凹部
23に嵌合させたとき、図示しないが、図1および図3
に示す状態と図2および図4に示す状態との中間の状態
で固定される。
【0039】なお、背もたれ部9の傾斜角度の変更段階
数は、図示した実施形態では、3段階であったが、単に
2段階あるいは4以上の段階であってもよい。
【0040】上述した係合ロッド26の凹部22〜24
への嵌合は、ばね29により付勢されているので、係合
ロッド26を凹部22〜24から脱出させる力を除け
ば、自動的に達成される。したがって、ハンドル7およ
び背もたれ部9の傾斜角度を変更する操作の間、係合ロ
ッド26に加える力を除去しておけば、係合ロッド26
を、凹部22〜24のいずれか次に来るものに自動的に
嵌合させることができる。
【0041】なお、背もたれ部9およびハンドル7の変
更された角度を固定するための機構は、上述したものに
限定されず、他の構造のものに置き換えることもでき
る。また、背もたれ部9およびハンドル7の変更された
傾斜角度を固定するため、この実施形態では、ハンドル
7の傾斜角度を固定することを行なったが、背もたれ部
9自身の傾斜角度を固定するようにしてもよい。また、
背もたれ部9の回動とハンドル7の回動とが互いに独立
して生じるようにされ、背もたれ部9の傾斜角度を固定
するための機構とハンドル7の傾斜角度を固定するため
の機構とが各々独立して設けられてもよい。
【0042】この発明に係る特徴的構成として、図示の
実施形態では、ハンドル7の握り部11は、ハンドル本
体10の上端部から相対的に後方へ張り出す状態と相対
的に前方へ張り出す状態とを選択的にとり得るようにハ
ンドル本体10に対して取り付けられている。握り部1
1が相対的に後方へ張り出す状態は、図1および図3に
示されかつ図4に実線で示されている。また、握り部1
1が相対的に前方へ張り出す状態は、図2に示されかつ
図4に想像線で示されている。
【0043】このように、ハンドル7の握り部11が、
ハンドル本体10の上端部から相対的に後方へ張り出す
状態と相対的に前方へ張り出す状態とを選択的にとり得
るようにされていると、次のような利点が奏される。す
なわち、図1および図3に示すように、背もたれ部9お
よびハンドル7が起こされたときには、握り部11を後
方へ張り出す状態とし、他方、図2および図4に示すよ
うに、背もたれ部9およびハンドル7が倒されたときに
は、握り部11を前方へ張り出す状態とすれば、これら
の状態のいずれにおいても、握り部11の位置をほとん
ど変えないようにすることができる。したがって、ハン
ドル7が倒されたときには、握り部11を図4に実線で
示す状態から想像線で示すように前方へ張り出す状態に
すれば、介護者が無理な姿勢をとることなく、この握り
部11を握ることができる。つまり、ハンドル7が倒さ
れたとき、後方へ張り出す握り部11が、図4に実線で
示すように、低く位置してしまうときには、やや背をか
がめないと介護者が握り部11を握れないという不具合
に遭遇するが、図4に想像線で示すように、握り部11
を前方へ張り出す状態に変更すれば、このような不具合
は解消される。
【0044】上述した構成を実現するため、この実施形
態では、握り部11は、L字状に延びる棒材30の一方
端側すなわち横方向部分に形成され、棒材30の他方端
側すなわち縦方向部分は、ハンドル本体10の上端部に
対して、その軸線まわりに回動可能に連結される。図6
には、棒材30の上述の縦方向部分とハンドル本体10
の上端部との組み合わせ状態が示されている。
【0045】図6を参照して、ハンドル本体10の上端
部には、断面円形の芯パイプ31が突出状態で固定され
る。他方、棒材30の少なくとも縦方向部分は、断面円
形の中空のパイプ状とされ、ここに芯パイプ31が受け
入れられる。これによって、棒材30は、ハンドル本体
10に対して、その縦方向部分の軸線まわりに回動可能
とされる。
【0046】また、握り部11が後方へ張り出す状態と
前方へ張り出す状態とのそれぞれにおいて、棒材30の
ハンドル本体10に対する回動を禁止するため、ボルト
状部材32が用いられる。ボルト状部材32は、好まし
くは、指で摘んで容易にこれを回すことを可能にするた
め、たとえばローレット切りされた頭部33を備える。
棒材30の縦方向部分には、180度の角度間隔を隔て
て、ボルト状部材32の軸部34を挿通させる穴35お
よび36が設けられる。また、芯パイプ31の、穴35
および36と整列する位置には、ボルト状部材32の軸
部34を挿通させる穴37が設けられ、この穴37と整
列するように、芯パイプ31の内側には、ナット状部材
38が固定される。ナット状部材38には、ボルト状部
材32の軸部34に形成された雄ねじに螺合する雌ねじ
が形成されている。なお、穴37に雌ねじが形成されて
もよく、この場合には、ナット状部材38は省略される
こともある。
【0047】図6に示すように、穴37に穴35が整列
した状態で、穴35からボルト状部材32が挿入され、
ナット状部材38にねじ込まれたとき、たとえば、握り
部11が後方へ張り出す状態で棒材30の回動が禁止さ
れる。他方、ボルト状部材32をナット状部材38から
緩め、穴35および37から抜いた後、棒材30を18
0度回動させたとき、握り部11が前方へ張り出す状態
となり、かつ穴37に穴36が整列する状態となる。こ
の状態で、穴36からボルト状部材32を挿入し、ナッ
ト状部材38にねじ込んだとき、握り部11が前方へ張
り出す状態で棒材30の回動が禁止される。
【0048】図7は、この発明の他の実施形態を説明す
るためのもので、握り部11が後方へ張り出す状態と前
方へ張り出す状態とのそれぞれにおいて、棒材30のハ
ンドル本体10に対する回動を禁止するための他の手段
を示す、図6に相当する図である。図7において、図6
に示す要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、
重複する説明は省略する。
【0049】図7に示すように、ハンドル本体10の上
端部に突出状態で固定された芯パイプ31には、保持穴
39が設けられ、保持穴39内には、係合ピン40がそ
の軸線方向に変位可能なように保持される。芯パイプ3
1内には、たとえば板ばねからなるばね41が配置さ
れ、このばね41によって、係合ピン40が芯パイプ3
1の径方向であって外方へ変位するように付勢される。
【0050】他方、棒材30の縦方向部分には、180
度の角度間隔を隔てて、係合ピン40を受け入れる係合
穴42および43が設けられる。係合ピン40は、上述
したばね41の付勢に基づき変位することにより、これ
ら係合穴42および43のいずれかに嵌合する。
【0051】係合穴42および43は、好ましくは、棒
材30の外周面側においてテーパを形成しており、それ
によって、係合ピン40が係合穴42および43のいず
れかに嵌合している状態において、係合ピン40の先端
部を指で押圧することにより、これをばね41の弾性に
抗して内方へ変位させることが容易なように構成されて
いる。他方、好ましくは、係合ピン40の先端部には、
図示したような球面またはテーパ面が形成され、それに
よって、上述のように、係合ピン40を押圧して内方へ
変位させた状態において、棒材30を芯パイプ31に対
して回動させる力を与えたとき、この球面またはテーパ
面に案内されて係合ピン40がさらに引っ込み、棒材3
0の芯パイプ31に対する回動が許容されるように構成
されている。
【0052】図7に示すように、係合穴42に係合ピン
40が嵌合したとき、たとえば、握り部11が後方へ張
り出す状態で棒材30の回動が禁止される。他方、上述
のように、係合ピン40を指で押圧しながら、棒材30
を180度回動させたとき、握り部11が前方へ張り出
す状態となり、かつ係合ピン40がもう1つの係合穴4
3に嵌合する状態となる。これによって、握り部11が
前方へ張り出す状態で棒材30の回動が禁止される。
【0053】上述した図6および図7に示した各構成で
は、芯パイプ31がハンドル本体10側に固定された
が、芯パイプ31に相当の要素が棒材30側に固定さ
れ、ボルト状部材32または係合ピン40に相当の要素
がハンドル本体10側に位置するように変更されてもよ
い。
【0054】また、図6および図7に示した各構成で
は、棒材30をハンドル本体10に結合した状態のま
ま、棒材30を回動させて握り部11の方向を変えるよ
うにしていたが、これに代えて、握り部11を、ハンド
ル本体10から一旦分離し、その向きを変えた後、再び
ハンドル本体10に結合させるようにしてもよい。この
後者の場合、棒材30とハンドル本体10との結合部分
において、たとえば断面四角形または六角形というよう
な断面非円形の嵌合構造を採用すれば、握り部11の棒
材30に対する回動も禁止されることができる。
【0055】以上、この発明を図示した実施形態に関連
して説明したが、この発明の範囲内において、種々の変
更を加えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態による車椅子1を示す側
面図であり、背もたれ部9およびハンドル7が最も起こ
された状態を示している。
【図2】図1に相当の図であり、背もたれ部9およびハ
ンドル7が最も倒された状態を示している。
【図3】図1に示した状態にある座席6およびハンドル
7を図解的に示す側面図である。
【図4】図2に示した状態にある座席6およびハンドル
7を図解的に示す側面図である。
【図5】ハンドル7の変更された傾斜角度を固定するた
めの機構を図解的に示す側面図である。
【図6】ハンドル7の握り部11の向きを変えかつ変え
られた向きを固定するための機構を示す、ハンドル本体
10および棒材30の連結部分の断面図である。
【図7】この発明の他の実施形態を説明するためのもの
で、ハンドル7の握り部11の向きを変えかつ変えられ
た向きを固定するための機構の他の例を示す、ハンドル
本体10および棒材30の連結部分の断面図である。
【符号の説明】
1 車椅子 2 主車輪 3 転向車輪 5 車体 6 座席 7 ハンドル 8 座部 9 背もたれ部 10 ハンドル本体 11 握り部 12 病弱者 14,15,18 軸 16 固定プレート 21 角度固定プレート 26 係合ロッド 30 棒材 31 芯パイプ 32 ボルト状部材 35,36,37 穴 38 ナット状部材 39 保持穴 40 係合ピン 41 ばね 42,43 係合穴

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の車輪と、前記車輪を回転可能に取
    り付ける車体と、前記車体によって保持される、座部お
    よび背もたれ部を有する座席と、前記背もたれ部に沿っ
    て立ち上がるように前記車体によって保持されるハンド
    ル本体および前記ハンドル本体の上端部に設けられる握
    り部を有するハンドルとを備える、車椅子において、 前記背もたれ部および前記ハンドルは、それぞれ、当該
    車椅子の幅方向に延びる軸のまわりに回動可能なように
    前記車体に取り付けられ、 前記握り部は、前記ハンドル本体の上端部から相対的に
    後方へ張り出す状態と相対的に前方へ張り出す状態とを
    選択的にとり得るように前記ハンドル本体に対して取り
    付けられていることを特徴とする、車椅子。
  2. 【請求項2】 前記握り部は、L字状に延びる棒材の一
    方端側に形成され、前記棒材の他方端側は、前記ハンド
    ル本体の上端部に対して、その軸線まわりに回動可能に
    連結されていて、前記握り部が前記後方へ張り出す状態
    と前記前方へ張り出す状態とをそれぞれとったとき、前
    記棒材の前記ハンドル本体に対する回動を禁止する手段
    をさらに備える、請求項1に記載の車椅子。
  3. 【請求項3】 前記回動を禁止する手段は、前記棒材お
    よび前記ハンドル本体の双方を貫通するようにねじ込ま
    れるボルト状部材を備える、請求項2に記載の車椅子。
  4. 【請求項4】 前記回動を禁止する手段は、前記棒材お
    よび前記ハンドル本体の一方に保持され、ばねにより変
    位可能なように付勢される係合ピンと、前記棒材および
    前記ハンドル本体の他方に設けられ、前記係合ピンが前
    記ばねの付勢に基づき変位することにより嵌合する係合
    穴とを備える、請求項2に記載の車椅子。
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