JP2010167114A - 前傾可能な車椅子 - Google Patents

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Abstract

【課題】車椅子利用者が車椅子より下乗する際に、介助者の助成の下、より容易に前下がり状態をとるとともにフットプレートを跳ね上げて折りたたむことなく下乗動作を遂行し得る構造簡単で、折りたたみ式にも対応可能で前傾可能な車椅子を提供すること。
【解決手段】車椅子に着座した車椅子利用者が下乗する際、介助者が本体フレーム1上の把手7を持ち上げると、ロック解除状態で後輪12の車軸13に支持された基台フレーム2の車軸の上方に設けた係合凹部23から本体フレーム1の係合凸部24から離れるように弾性伸縮部材20が伸長位置まで伸びてここでロックされ、この間に本体フレーム1が前傾位置へと傾動する。本体フレーム1は基台フレーム2と枢支軸14で連結されており、傾動時には、枢支軸を支点として回動し、前傾位置ではフットプレート5が接地又は接地近傍部位に至るまで下降するので、車椅子利用者は介助者の助成の下、このフットプレートを跳ね上げることなく、これを踏んで立ち上がることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、車椅子利用者が、特に車椅子より下乗する際に、より容易に前傾姿勢をとり得るように前傾可能な車椅子に関する。
車椅子利用者の体型や身体状況に応じて車椅子の着座部分を傾斜させる、いわゆるリクライニング式のものが、例えば特許文献1に見られる。この構成では、座部及び背部を一体的あるいは別個に適宜の角度状態に傾斜させ、この傾斜動のために2つの伸縮部材が設けられ、これらの伸縮部材の個々の動作によって座部及び背部が、前輪及び後輪を一体に支持するメインフレームに対して相対的に傾斜移動可能に調整がなされる。
又、車椅子の座部のみを傾斜させる構成のものは、例えば特許文献2及び3に示されている。特許文献2の構成では、座部が油圧式ダンパと緩衝付勢機構を含む昇降機構によって無荷重時に傾斜位置に座部を弾性的に保持し、利用者の着座時の体重によって着座位置まで緩衝をもって移動させるようになっている。同様に、特許文献3では、座部をシリンダーを利用して上下動させる構成が示されている。
特開2002−102291号公報 実用新案登録第3070372号公報 実用新案登録第3068541号公報
特許文献1の構成では、車椅子利用者が着座状態において、そのリクライニング操作により最適な姿勢をとり得る点において効果があり、又、車椅子からの下乗の際に座部を前下がり状態に傾斜することにより、その下乗動作を容易にすることは認められる。しかし、リクライニング操作可能な可動フレーム部分は前輪及び後輪を一体に支持するメインフレーム上に載置されているため、該メインフレームの車椅子の前側位置にも延出している関係上、座部を前下がり状態に移動させても、フットプレートが接地又は接地近傍部位まで傾斜させるのは、メインフレームが邪魔になって十分になし得ない構造である。従って、車椅子利用者が下乗する場合には、座部を前下がり状態でフットプレートを跳ね上げて折りたたんでからでないとスムーズな下乗動作を遂行できない問題があった。又、同文献1の構造では、メインフレーム上にリクライニング操作可能な可動フレーム部分をリンク連結する構造が複雑で、折りたたみ式の車椅子の設計も困難であるといった問題もあった。
又、特許文献2及び3では、座部のみを上下動ないし傾動させる構成のため、下乗の際にはフットプレートが邪魔になるため、この場合も、やはり跳ね上げて折りたたまなければならず、そのために介助者の追加作業も要するといった問題が依然として残るのであった。又、特許文献2では、その構造上、緩衝付勢機構が車椅子の両側の中間部位に配置されるために、特許文献1と同様に折りたたみ式の車椅子の設計に対応し得ないものであった。更に、特許文献3では、折りたたみ式の構造を示唆しているが、昇降用のシリンダー及びそれを支持する挿着具がやはり車椅子の両側の中間部位に配置されるために充分な折りたたみ式機能を発揮し得ないものであった。
従って、本発明は、上記従来構造の諸問題に鑑みなされたもので、その目的は車椅子利用者が下乗の際にフットプレートが接地又は接地近傍部位に至るまで座部及び背部を一体に前傾可能で構造が簡単であり、折りたたみ式の構造設計にも対応し得る前傾可能な車椅子を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明においては、
座部を支持する座部フレーム部と、背部を支持するとともに上方延出端に介助者用の把手を取着した背部フレーム部と、フットプレートを下端において支持するフットプレート支持フレーム部と、前輪を支持する前輪支持フレーム部とを含んで一体に構成した本体フレームと、前記前輪に比して大径の後輪の支軸に軸支されるとともに前記本体フレームと分離構成された基台フレームと、該本体フレームを正規位置から該フットプレートが接地又は接地近傍部位に至るまで該基台フレームと相対的に前傾した前傾位置まで傾動可能に基台フレームに枢支する枢支手段と、前記正規位置において該本体フレームを該基台フレームに担持させる担持手段と、該本体フレームと基台フレームとの間に設けられ該本体フレームを該正規位置から前傾位置へと傾動させるように縮小位置と伸長位置との間で動作可能な弾性伸縮手段と、該弾性伸縮手段を、該本体フレームの正規位置及び前傾位置にそれぞれ対応して該弾性伸縮手段の動作を拘束するロック手段とを具備してなる前傾可能な車椅子を提案するものである。
又、本発明においては、前記担持手段は、後輪の車軸の垂直上方において該基台フレームに形成された第1の係合部と、該本体フレームに形成されるとともに正規位置において前記第1の係合部と係合する第2の係合部とよりなり、前記第1及び第2の係合部のいずれか一方が略V字状をなす係合凹部で、他方が、それに対応する形状を有する係合凸部で形成され、これら係合凹部と係合凸部が横ずれ無しに相互に係合してなる構成とした前傾可能な車椅子を提案するものである。
更に本発明においては、前記弾性伸縮手段を、一端が本体フレームに回動自在に取着されるとともに内部にストローク規制部材を固着した外筒と、該外筒の長手軸線に沿って内挿されるとともに該外筒より延出した基端が基台フレームに回動自在に枢支された内筒と、これら外筒及び内筒の中心に沿って配置され基端が基台フレーム取着されるとともに内奥端にストッパを備えたネジ付きシャフトと、該シャフトに螺合するとともに該シャフトの基端における該シャフトの回転操作に伴って該シャフト上で調整移動可能なネジ付き部材と、該ネジ付き部材と前記ストローク規制部材との間に張設されたコイルばねとより構成し、前記ネジ付き部材の調整移動によって該コイルばねの張力が調整されるとともに該コイルばねの付勢によって該外筒が内筒と相対的に移動する最大ストロークが前記ストッパとストローク規制部材との当接により規定するようにした前傾可能な車椅子をも提案するものである。
又、更に本発明においては、前記ロック手段を、前記外筒に手動操作に基づいて進退自在に設けられたロックピンと、前記内筒の長手方向に沿って前記ロックピンと係合可能に設けられた第1及び第2の係合孔とを含む構成とし、前記ロックピンが前記第1の係合孔に係合することにより該弾性伸縮手段が該縮小位置にロックされるとともに、前記ロックピンが前記第2の係合孔に係合することにより該弾性伸縮手段が該伸長位置にロックするようにした前傾可能な車椅子をも提案するものである。
上記構成の通り、本発明に係る前傾可能な車椅子においては、座部及び背部フレーム部と、フットプレート支持フレーム部と、前輪支持フレーム部とを含んで一体に構成した本体フレームとし、これと分離構成した基台フレームを大径の後輪の車軸に軸支するとともに枢支手段によって両フレームを相互に連結する構成としたので、基台フレームが車椅子の前側部分に延出する構造がなくなり、本体フレームを前傾させる際にフットプレートを接地又は接地近傍部位まで容易に本体フレームを傾動させることが可能となった。そのため、車椅子利用者の下乗の際に正規位置にある本体フレームをロック手段によるロックを解除して後、介助者が背部フレーム部の上方延出端に取着された把手を持ち上げることにより弾性伸縮手段の伸長位置までの動作に伴って本体フレームが前傾状態に傾動し、この前傾位置で再度ロック手段により本体フレームを拘束すれば、座部及び背部が一体に前方に移動するとともにフットプレートが接地状態にまで下降するので、このフットプレートを跳ね上げて折りたたむことなく、これを踏んだ状態で利用者が車椅子より立ち上がることが可能となり、下乗動作が一層容易となるものである。又、正規位置においては、該本体フレームが担持手段を介して基台フレームに担持されて安定状態を保持し得るとともに本体フレームの傾動は上記の弾性伸縮手段によってスムーズに行なわれ、正規位置及び前傾位置では上記のロック手段によって本体フレームを位置規制するので傾動操作の安定性も確保されるものであり、更に、折りたたみ式の車椅子の設計にも対応し得る構造簡単で前傾可能な車椅子を提供し得る。
又、本発明の車椅子において、略V字状の係合凹部と、これに対応する形状の係合凸部のいずれか一方を基台フレームに形成した第1の係合部とし、他方を本体フレームに形成した第2の係合部として担持手段を構成したので、正規位置において該係合凹部に係合凸部が係合することにより横ずれすることなく安定状態を維持でき、しかも該第1の係合部を後輪の車軸の垂直上方において、その近傍に位置づけたので、これに第2の係合部との係合によって係る上方からの荷重は後輪の車軸に対して垂直下方に作用する。従って、該荷重が車軸で受け止められるため、基台フレームに備えた力が作用せず、位置の安定に一層効果を発揮する。
更に、弾性伸縮手段は、相互に入れ子式に組み合わされた外筒と内筒の内部に配設したコイルばね伸縮動作によって外筒を内筒と相対的に伸長させた最大ストロークの位置(伸長位置)を外筒内部に一体に設けたストローク規制部材とコイルばねを巻回させたネジ付シャフトの内奥端のストッパとの当接により規定する構成とし、又、該ネジ付シャフトをその基端において回転操作することで、コイルばねの張力調整を可能にしたことにより、コンパクトな構成でありながら、本体フレームの前傾動作を遂行するための機能を十分に果たし得るものである。
又、更にロック手段において手動操作に基づいて進退自在なロックピンを外筒に設け、これと係合する第1及び第2の係合孔を内筒に設けるとともにロックピンと選択的に係合させることにより弾性伸縮手段の縮小位置と伸長位置の切換え、ならびに、これら各位置におけるロック動作を容易になし得るものであり、このロックピンの手動操作は、車椅子利用者ならびに介助者の操作部位において遠隔操作で容易になし得るものである。
本発明に係る前傾可能な車椅子の実施形態を示すもので、正規位置にある状態の車椅子の概略側面図である。 図1に示す車椅子を前傾位置に傾動させた状態で示す概略側面図である。 図1に示す車椅子の背面側の態様を示す概略右側面図である。 本発明に係る前傾可能な車椅子に用いられる弾性伸縮手段としての伸縮部材の概要を示し、(a)は縮小位置、(b)は伸長位置にある状態の概略縦断面図である。 本発明に係る車椅子の構成中の担持手段及び弾性伸縮手段の詳細を示す要部拡大説明図である。 本発明に係る車椅子の構成中の担持手段の変形例を示す部分拡大説明図である。
以下、図面を参照して本発明に係る前傾可能な車椅子の実施形態を以下、説明する。図1は本発明に係る前傾可能な車椅子の実施形態を側面より見た概略図であり、1は本体フレーム、2は基台フレームで相互に分離して構成されている。本体フレーム1は座部3及び背部4をそれぞれ支持する座部フレーム部1a及び背部フレーム部1bと、下端においてフットプレート5を開閉自在に支持するフットプレート支持フレーム部1cと、キャスターとも称される小径の前輪6を支持する前輪支持フレーム部1dとを含んで一体に構成されている。該背部フレーム部1bはその上方延出端に介助者用の把手7及び後述する弾性伸縮手段をワイヤー8を介して操作する操作レバー9が取着されている。又、該本体フレーム1に一体に構成された車椅子利用者(図示せず)の肘掛用のフレーム部1eの前側には同じく弾性伸縮手段をワイヤー10を介して車椅子利用者が操作する操作レバー11が取着されている。
基台フレーム2は前輪6に比して大径の後輪12の支軸13に上端部が回動自在に軸支され、垂直下方に延出した縦フレーム部2aと、この縦フレーム部2aの下端部に一体に連結されるとともに縦フレーム部2aとともに略逆T字形をなし水平に延出した横フレーム部2bとよりなり、この横フレーム部2bの前端は、枢支手段を構成する枢支軸14及びこれを保持するブラケット15を介して本体フレーム1の横フレーム部1fに、前輪6に近接した部位で相対回動可能に枢支されている。従って、本体フレーム1は基台フレーム2に対し、枢支手段をなす枢支軸14を中心として図2で示すごとく全体に前方向に傾斜した前傾位置に傾動可能となっている。この傾動範囲は、図1に示すごとく本体フレーム1が車椅子利用者を着座させる正規位置と、図2に示すごとくフットプレート5が接地又は接地近傍部位に至るまで前傾した前傾位置との間で規定される。
16は図1及び2で示すように、基台フレーム2の横フレーム部2bの前側に取着された手動ブレーキ装置で、車椅子利用者が車椅子の移動停止状態を固定したい場合、このブレーキ装置16のレバーを図2で示すように矢印方向に手動操作して後輪12に接触させてブレーキをかける。特に、本体フレーム1を図2で示す前傾した状態に安定させるために該ブレーキ装置のレバーを操作して後輪12にブレーキをかけておくのが望ましい。このブレーキ装置16自体は、後輪12に接触可能に対応するローラ形のブレーキ部を備え、これがレバー操作で後輪12に対し押圧可能になった公知のものでよいので、その詳細は省略する。
本体フレーム1及び基台フレーム2は、ともに左右一対ずつ配置され、それら一対のフレームは、図3で示すごとくX字状をなすリンク部材17によりリンク連結され、当該車椅子を折りたたみ可能に構成している。
20は弾性伸縮手段をなす弾性伸縮部材で、図3で示すごとく左右一対のフレームに対応して左右一対配置されている。この弾性伸縮部材20は、その一端ないし下端が基台フレーム2の横フレーム部2bに回動軸21を介して回動自在に取着されるとともに他端ないし上端が本体フレーム1に回動軸22を介して回動自在に取着され、その取着部位は、この実施形態においては、背部フレーム部1bより更に下方に延出した後部フレーム1gの上端部に設定してあるが、本発明においては、その位置に限定されず、本体フレーム1上の他の部位にも設定可能である。前記弾性伸縮部材20の内部構造は図4において後述するが、図1及び図4(a)で示す縮小位置と図2及び図4(b)で示す伸長位置との間で伸縮動作可能となっている。
図1に示す縮小位置において、本体フレーム1は正規位置にあり、この状態で、本体フレーム1は基台フレーム2に係合して正規位置を維持する。すなわち、図3及び図5で示すように後輪12の車軸13の近傍で、その垂直上方において基台フレーム2の縦フレーム2a上端に形成された第1の係合部をなす略V字状の係合凹部23に対し、これと対応して本体フレーム1の後部フレーム部1gに形成された第2の係合部をなす略V字状に突出した係合凸部24が相互に横ずれ無しに係合する。これは係合凹部23と係合凸部24の相互のクサビ状の係合によって保証される。尚、横ずれを生じさせない係合部の形状は、この実施形態のV字状の構成が望ましいが、これ以外に、例えば係合面を平坦にして両側に横ずれ防止のリブを一体に形成した構成等、種々考えられる。尚又、係合凹部23を本体フレーム1側に、係合凸部24を基台フレーム2側に設けることも本発明に含まれる。
このように基台フレーム2側に形成した係合凹部23と本体フレーム1側に形成した係合凸部24とより、正規位置において本体フレーム1を基台フレーム2に担持させる担持手段が構成されている。そして、係合凹部23を後輪12の車軸13の垂直上方において、その近傍に位置付けたので、これに本体フレーム1側の係合凸部24との係合によってかかる上方からの荷重は後輪の車軸13に対して垂直下方に作用するので、該荷重が車軸13で受け止められる。従って、本体フレーム1から基台フレーム2に対して偏った力が作用せず、本体フレーム1を正規位置に安定した状態で保持できる。
図1に示す正規位置において、介助者が把手7を持ち上げると、本体フレーム1が図2に示す前傾位置に傾動する。弾性伸縮手段をなす弾性伸縮部材20
が伸張位置まで動作する間、本体フレーム1は、座部3及び背部4と一体に前傾し、かつフットプレート5が接地又は接地近傍部位まで下降するので、車椅子利用者は着座状態のまま本体フレーム1と一緒に前傾し、フットプレート5を踏んだ状態で立ち上がることができる。従って、その際にフットプレート5を跳ね上げて開く面倒がない。但し、車椅子利用者の身体状況によって介助者の助力なしで自力で立ち上がることが可能な場合には、予めフットプレートを開いておき、フットプレートを踏むことなく着地するのが安全上望ましい。いずれにしてもフットプレート5が接地状態にまで下降するので、本体フレーム1自体も前傾位置が安定し、車椅子利用者の安全を一層確保できる。尚、本発明において、本体フレーム1の前傾動作時にフットプレートが接地又は接地近傍部位に至る旨の特徴を説明している。これはフットプレートがフレーム(フットプレート支持フレーム部1c)の下端に設置された標準的な構造の場合に該当するが、該フットプレートを車椅子利用者の足の長さ等に合わせてフレーム上で上下に調整移動可能とした車椅子にあっては、該フットプレートを取着したフレーム(フットプレート支持フレーム部1c)の下端が接地または接地近傍部位に至る構成と同義に解されるべきである。このフレーム下端にはこれを保護するキャップあるいは接地板を取り付ける構造とするのが望ましい。
弾性伸縮手段をなす弾性伸縮部材20は、図5に2点鎖線で示す縮小位置において本体フレーム1を基台フレーム2上に係合させた正規位置に保持し、実線で示す伸長位置において本体フレーム1を基台フレーム2との係合より離脱させて傾動させるとともに、該弾性伸縮部材20が本体フレーム1を担持する。この間の動作において、弾性伸縮部材20自体も下端に回動軸21の回りに若干の角度揺動する。
弾性伸縮部材20の内部構造は、図4に示す通りであり、当該部材20は、一端ないし上端が本体フレーム1に回動軸22を介して回動自在に取着されるとともに内部にストローク規制部材25を固着した外筒26と、この外筒26の長手軸線に沿って、入れ子式に内挿されるとともに、この外筒より下方に延出した基端が基台フレーム2に回動軸21を介して回動自在に枢支された内筒27と、これら外筒26及び内筒27の長手軸線の中心に沿って配置され基端が基台フレーム2に取着されるとともに内奥端がストローク規制部材25の中心孔(番号付せず)を挿通し延出して、ここにストッパ29を固着したネジ付きシャフト30と、このシャフト30に螺合するネジ付き部材31と、このネジ付き部材31とストローク規制部材25との間に張設されるとともにネジ付きシャフト30に巻回されたコイルばね32を備えている。
内筒27の基端部分は、基台フレーム2に固定されたブラケット33と回動軸21を構成するボルトにより基台フレーム2に取着されている。ネジ付きシャフト30の基端部分は、基台フレーム2に形成されたバカ孔形状の貫通孔34に挿通されるとともに延出端に圧力調整ツマミ35を取着している。このツマミ35を回転すると内部のネジ付き部材31が長手軸方向にネジ付きシャフト30上を移動するので、コイルばね32の張力を調整することができる。
基台フレーム2の貫通孔34は、ネジ付きシャフト30の径よりも大の内径を有し、かつ、この貫通孔34の上下の開口端縁には、湾曲した座面を形成した軸受36が配置され、又、バカ孔形状の貫通孔34の構成と相俟って、この弾性伸縮部材20が回動軸21のまわりに回動ないし揺動した際にも内部のネジ付きシャフト30もこれに追従することができる。
尚、弾性伸縮部材20を取着する基台フレーム2の部分は、縦フレーム部2aとの干渉を避けるために横フレーム部2bより一体に水平方向に延出した張り出し部2cで構成されている。
図4(a)は、弾性伸縮部材20が縮小位置にある状態を、又、図4(b)は伸長位置にある状態を示す。縮小位置において、外筒26の下端開口部近傍に設けたロック機構37のロックピン38が内筒27の長手方向に離間して形成した第1及び第2の係合孔27a,27bの内、第1の係合孔27aに係合し、これによって内外筒がコイルばね32の付勢に抗して、この位置にロックされる。このロック機構37は、ロックピン38と、これを係合方向に付勢するばね39を有し、内筒27に形成した第1及び第2の係合孔27a,27bと共働して、弾性伸縮手段をなす弾性伸縮部材20の伸縮動作を縮小位置と伸長位置に選択的に拘束するロック手段を構成する。この縮小位置及び伸長位置に対応して本体フレーム1が正規位置及び前傾位置へ移動する。
ロック機構37は、それに連結されたケーブル40を図1に示すように介助者用の操作レバー9及び車椅子利用者用の操作レバー11にそれぞれ共通接続ボックス41ならびに個々のワイヤー8,10を介して接続させているので、これら操作レバー9,11のいずれかが操作されると、ロックピン38が係合している第1の係合孔27aよりばね39に抗して引出されてロック解除状態となる。これによって、弾性伸縮部材20の外筒26は内筒27と相対的にコイルばね32の付勢によりストローク規制部材25がストッパ29に当接するまで最大ストローク、矢印で示すように上方に移動し、本体フレーム1の前傾動作を遂行する。この最大ストロークはストローク規制部材25とストッパ29との当接により規定され、この位置が弾性伸縮部材20の伸長位置となる。この位置において、内筒27の第2の係合孔27bがロック機構27と対応し、操作レバー9,11を解除することによりロックピン38が、ばね39の付勢により第2の係合孔27bに係合し、その位置がロックされ、本体フレーム1が前傾位置状態に固定されるので、車椅子利用者は介助者の助成の下、安定した状態でフットプレート5を踏んで車椅子からの下乗動作をスムーズになし得る。尚、本体フレーム1が前傾位置状態になった際、図2に矢印で示すように車椅子利用者が手動ブレーキ装置16のレバーを操作して後輪12に対してブレーキをかけておけば、不用意に後輪12が移動することなく本体フレーム1の前傾位置状態をより安定して維持できる。
本体フレーム1を前傾位置より戻す際には、操作レバー9,11を再度操作するとロックピン38が第2の係合孔27bより離脱するので、車椅子利用者の体重により、あるいは介助者が本体フレーム1を下方に押圧することにより可能となる。すなわち、弾性伸縮部材20がコイルばね32の付勢に抗して縮小位置まで移動するので、ここで操作レバー9,11の解除によりロックピン38が第1の係合孔27aに係合して縮小位置に拘束され、これによって本体フレーム1は正規位置に戻る。尚、操作レバー9,11は一度操作した後、これを解放しておけば、ロック機構37のばね39が常時係合方向に作用しているので、次位の係合孔にロックピン38が対応すれば自動的にロック状態となる。
図6は、本体フレーム1と基台フレーム2との間の担持手段の構成部分の変形例を示すもので、前述した実施形態と対応する部分には同一の参照番号を付して説明する。図6において実線で示すように基台フレーム2の係合凹部23に対して本体フレーム1の係合凸部24が係合した本体フレームの正規位置の状態を示す。この基台フレーム2の延長部2dに手動掛止レバー45を支軸46で回動可能に枢支し、他方、本体フレーム1側には、係合凸部24の上方に掛止ピン47を突設し、本体フレーム1が正規位置にあるときに、この手動錠止レバー45を実線で示す掛止位置に介助者等が手動にて回動させ掛止ピン47を上方より押圧した態様で掛止させる。この掛止レバー45の支軸46の部分には、図示を省略してあるが摩擦ワッシャを介挿させてあり、該レバー45の回動に摩擦力を付与してあるため、正規位置において、本体フレーム1が基台フレーム2との係合状態から逸脱しようとする何等かの外力が作用しても掛止レバー45がこれを抑え、正規位置を、より確実に維持する。他方、本体フレーム1を傾動させる場合には、まず、手動操作により掛止レバー45を掛止位置から鎖線で示すように摩擦力に抗して回動させて解放すると、本体フレーム1が鎖線で示したごとく基台フレーム2との係合状態より解放されて上昇可能となる。
以上のように本発明に係る前傾可能な車椅子においては、基台フレーム2を後輪12に軸支して、前輪6を含む主要な車椅子の部分を支持する本体フレーム1と分離した構成としたので、この基台フレーム2が車椅子の前側に延出構成が解消され、従って、本体フレーム1の前傾動作を十分大きく取ることができる。このため、前傾位置においては、フットプレート5が接地又は接地近傍位置まで下降し得るので、車椅子利用者の下乗動作をよりスムーズに行なうことができるものである。又、全体のフレーム構造も簡素になし得るとともに折りたたみ式の構造にも十分に対応し得るものである。
以上、本発明の前傾可能な車椅子の実施形態を説明したが、本発明は、これに限定されるものでなく、種々の変形構成をも含み得るものである。例えば、弾性伸縮手段として機械的コイルばねの伸縮動作を利用した弾性伸縮部材を示したが、これに代えて内部に充填したガス圧を利用した、いわゆるガススプリングを採用することも可能である。
1 本体フレーム
2 基台フレーム
2a 縦フレーム部
2b 横フレーム部
13 車軸
14 枢支軸
15 ブラケット
20 弾性伸縮部材(弾性伸縮手段)
21 回動軸
22 回動軸
23 係合凹部
24 係合凸部

Claims (4)

  1. 座部を支持する座部フレーム部と、背部を支持するとともに上方延出端に介助者用の把手を取着した背部フレーム部と、フットプレートを下端において支持するフットプレート支持フレーム部と、前輪を支持する前輪支持フレーム部とを含んで一体に構成した本体フレームと、
    前記前輪に比して大径の後輪の支軸に軸支されるとともに前記本体フレームと分離構成された基台フレームと、
    該本体フレームを正規位置から該フットプレートが接地又は接地近傍部位に至るまで該基台フレームと相対的に前傾した前傾位置まで傾動可能に基台フレームに枢支する枢支手段と、
    前記正規位置において該本体フレームを該基台フレームに担持させる担持手段と、
    該本体フレームと基台フレームとの間に設けられ該本体フレームを該正規位置から前傾位置へと傾動させるように縮小位置と伸長位置との間で動作可能な弾性伸縮手段と、
    該弾性伸縮手段を、該本体フレームの正規位置及び前傾位置にそれぞれ対応して該弾性伸縮手段の動作を拘束するロック手段と、
    を具備してなる前傾可能な車椅子。
  2. 前記担持手段は、後輪の車軸の垂直上方において該基台フレームに形成された第1の係合部と、該本体フレームに形成されるとともに正規位置において前記第1の係合部と係合する第2の係合部とよりなり、前記第1及び第2の係合部のいずれか一方が略V字状をなす係合凹部で、他方が、それに対応する形状を有する係合凸部で形成され、これら係合凹部と係合凸部が横ずれ無しに相互に係合してなる請求項1に記載の前傾可能な車椅子。
  3. 前記弾性伸縮手段は、
    一端が本体フレームに回動自在に取着されるとともに内部にストローク規制部材を固着した外筒と、
    該外筒の長手軸線に沿って内挿されるとともに該外筒より延出した基端が基台フレームに回動自在に枢支された内筒と、
    これら外筒及び内筒の中心に沿って配置され基端が基台フレームに取着されるとともに内奥端にストッパを備えたネジ付きシャフトと、
    該シャフトに螺合するとともに該シャフトの基端における該シャフトの回転操作に伴って該シャフト上で調整移動可能なネジ付き部材と、
    該ネジ付き部材と前記ストローク規制部材との間に張設されたコイルばねと、
    よりなり、前記ネジ付き部材の調整移動によって該コイルばねの張力が調整されるとともに該コイルばねの付勢によって該外筒が内筒と相対的に移動する最大ストロークが前記ストッパとストローク規制部材との当接により規定されてなる請求項1又は2に記載の前傾可能な車椅子。
  4. 前記ロック手段は、
    前記外筒に手動操作に基づいて進退自在に設けられたロックピンと、
    前記内筒の長手方向に沿って前記ロックピンと係合可能に設けられた第1及び第2の係合孔と、
    を含み、前記ロックピンが前記第1の係合孔に係合することにより該弾性伸縮手段が該縮小位置にロックされるとともに、前記ロックピンが前記第2の係合孔に係合することにより該弾性伸縮手段が該伸長位置にロックされてなる請求項3に記載の前傾可能な車椅子。
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JP2013048869A (ja) * 2011-08-30 2013-03-14 Susumu Nagasaku 前傾可能な車椅子
CN114099163A (zh) * 2020-08-31 2022-03-01 比亚迪股份有限公司 一种轨道车辆的轮椅固定系统及轨道车辆

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