以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置1の構成を概念的に示す断面図である。この基板処理装置1は、第1処理流体としてのアルカリ性薬液、第2処理流体としての酸性薬液、第3処理流体としての有機溶剤の蒸気、および純水(pure water)を用いて、基板の一例である半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」という。)Wから汚染物質を除去するための洗浄処理を実行するための装置である。この実施形態では、酸性薬液としてSC1(ammonia−hydrogen peroxide mixture:アンモニア過酸化水素水混合液)が用いられ、アルカリ性薬液としてふっ酸(HF)が用いられ、有機溶剤としてIPA(isopropanol)が用いられる。
この基板処理装置1は、隔壁2により区画された処理室3内に、ウエハWをほぼ水平に保持して回転させるためのスピンチャック4と、スピンチャック4に保持されたウエハWの表面(上面)にSC1を供給するための第1ノズル5と、スピンチャック4に保持されたウエハWの表面にふっ酸を供給するための第2ノズル6と、スピンチャック4に保持されたウエハWの表面に純水を供給するための純水ノズル7と、スピンチャック4を収容するカップ8とを備えている。
スピンチャック4は、ほぼ鉛直に配置されたスピン軸(図示しない)の上端に固定された円盤状のスピンベース10と、スピンベース10の下方に配置されて、スピン軸を駆動するためのスピンモータ12と、スピンベース10の周縁部に配置された複数の挟持部材11とを備えている。複数の挟持部材11は、スピン軸の中心軸線を中心とする円周上にほぼ等角度間隔で配置されている。
なお、スピンチャック4としては、挟持式のものに限らず、たとえば、ウエハWの裏面を真空吸着することにより、ウエハWを水平な姿勢で保持し、さらにその状態で鉛直な軸線まわりに回転することにより、その保持したウエハWを回転させることができる真空吸着式のもの(バキュームチャック)が採用されてもよい。第1ノズル5は、たとえば、連続流の状態で処理液を吐出するストレートノズルであり、その吐出口を下方に向けた状態で、ほぼ水平に延びる第1アーム13の先端部に取り付けられている。第1アーム13の基端部は、カップ8の側方においてほぼ鉛直に延びる第1支持軸14の上端部に支持されている。第1支持軸14には、モータ(図示しない)を含む第1ノズル駆動機構15が結合されている。第1ノズル駆動機構15から第1支持軸14に回転力を入力して、第1支持軸14を回動させることにより、スピンチャック4の上方で第1アーム13を揺動させることができる。
第1ノズル5には、SC1供給源(図示しない)からSC1が供給されるSC1供給管16が接続されている。SC1供給管16の途中部には、SC1供給管16を開閉するためのSC1バルブ17が介装されている。SC1バルブ17が開かれると、SC1供給管16から第1ノズル5にSC1が供給され、第1ノズル5からSC1が吐出される。
スピンチャック4にウエハWが保持され、そのウエハWの上方に第1ノズル5が配置された状態で、第1ノズル5からSC1を吐出させることにより、ウエハWの表面にSC1を供給することができる。そして、この第1ノズル5からウエハWの表面へのSC1の供給時に、第1アーム13を所定の角度範囲内で揺動させることにより、ウエハWの表面におけるSC1の供給位置を、ウエハWの回転中心からウエハWの周縁部に至る範囲内を円弧状の軌跡を描きつつ移動させることができる。
第2ノズル6は、例えば、連続流の状態で処理液を吐出するストレートノズルであり、その吐出口を下方に向けた状態で、ほぼ水平に延びる第2アーム18の先端部に取り付けられている。第2アーム18の基端部は、カップ8の側方においてほぼ鉛直に延びる第2支持軸19の上端部に支持されている。第2支持軸19には、モータ(図示しない)を含む第2ノズル駆動機構20が結合されている。第2ノズル駆動機構20から第2支持軸19に回転力を入力して、第2支持軸19を回動させることにより、スピンチャック4の上方で第2アーム18を揺動させることができる。
第2ノズル6には、ふっ酸供給源(図示しない)からふっ酸が供給されるふっ酸供給管21が接続されている。ふっ酸供給管21の途中部には、ふっ酸供給管21を開閉するためのふっ酸バルブ22が介装されている。ふっ酸バルブ22が開かれると、ふっ酸供給管21から第2ノズル6にふっ酸が供給され、第2ノズル6からふっ酸が吐出される。
スピンチャック4にウエハWが保持され、そのウエハWの上方に第2ノズル6が配置された状態で、第2ノズル6からふっ酸を吐出させることにより、ウエハWの表面にふっ酸を供給することができる。そして、この第2ノズル6からウエハWの表面へのふっ酸の供給時に、第2アーム18を所定の角度範囲内で揺動させることにより、ウエハWの表面におけるふっ酸の供給位置を、ウエハWの回転中心からウエハWの周縁部に至る範囲内を円弧状の軌跡を描きつつ移動させることができる。
純水ノズル7は、スピンチャック4の上方に、スピンチャック4に対して固定的に配置されている。純水ノズル7には、純水供給ライン(図示しない)から純水が供給される純水下供給管23が接続されている。純水下供給管23の途中部には、純水下供給管23を開閉するための純水下バルブ24が介装されている。純水下バルブ24が開かれると、純水下供給管23から純水ノズル7に純水が供給され、純水ノズル7から純水が吐出される。スピンチャック4にウエハWが保持された状態で、純水ノズル7から純水を吐出させることにより、ウエハWの表面の中央部に純水を供給することができる。
スピンチャック4の上方には、ウエハWとほぼ同じ径を有する円板状の遮断板25が設けられている。遮断板25の上面には、スピンチャック4のスピン軸と共通の軸線に沿う回転軸26が固定されている。この回転軸26は中空に形成されていて、その内部には、ウエハWの中心部に向けて、純水、IPA蒸気、および不活性ガスとしての窒素ガスを供給するための上供給路27が形成されている。この上供給路27の下端は、遮断板25の下面の中心に開口して中心吐出口28が形成されている。上供給路27には、純水供給ライン(図示しない)から純水が供給される純水上供給管29と、窒素ガス供給源から窒素ガスが供給される窒素ガス供給管30と、IPA供給源(図示しない)からIPA蒸気が供給されるIPA供給管31とが接続されている。純水上供給管29の途中部には、純水上供給管29を開閉するための純水上バルブ32が介装されている。窒素ガス供給管30の途中部には、窒素ガス供給管30を開閉するための窒素ガスバルブ33が介装されている。IPA供給管31の途中部には、IPA供給管31を開閉するためのIPAバルブ34が介装されている。
窒素ガスバルブ33およびIPAバルブ34が閉じられた状態で、純水上バルブ32が開かれると、純水上供給管29から上供給路27に純水が供給されて、中心吐出口28から純水が吐出される。スピンチャック4にウエハWが保持された状態で、中心吐出口28から純水を吐出させることにより、ウエハWの表面の中央部に純水を供給することができる。
純水上バルブ32およびIPAバルブ34が閉じられた状態で、窒素ガスバルブ33が開かれると、窒素ガス供給管30から上供給路27に窒素ガスが供給されて、中心吐出口28から窒素ガスが吐出される。スピンチャック4にウエハWが保持された状態で、中心吐出口28から窒素ガスを吐出させることにより、ウエハWの表面の中央部に窒素ガスを供給することができる。
また、純水上バルブ32および窒素ガスバルブ33が閉じられた状態で、IPAバルブ34が開かれると、IPA供給管31から上供給路27にIPA蒸気が供給されて、中心吐出口28からIPA蒸気が吐出される。スピンチャック4にウエハWが保持された状態で、中心吐出口28からIPA蒸気を吐出させることにより、ウエハWの表面の中央部にIPA蒸気を供給することができる。このように、中心吐出口28から純水、窒素ガスおよびIPA蒸気を選択的に吐出させることができる。
遮断板25の回転軸26には、遮断板25をスピンチャック4に保持されたウエハWの表面に近接した近接位置とスピンチャック4の上方に大きく退避した退避位置との間で昇降させるための遮断板昇降駆動機構35が結合されている。カップ8は、有底円筒容器状の下カップ40と、この下カップ40の上方で、下カップ40に対して昇降可能なスプラッシュガード41とを備えている。
カップ8の底部には、処理液(純水)を廃液するとともにカップ8内を排気するための排気液溝42が、ウエハWの回転軸線(スピンチャック4のスピン軸の中心軸線)を中心とする円環状に形成されている。排気液溝42を区画する底壁には、カップ8内の雰囲気を排気するための排気孔(図示しない)が形成されている。
また、カップ8の底部には、排気液溝42を取り囲むように、SC1を回収するための第1回収溝43およびふっ酸を回収するための第2回収溝44が2重円環状に形成されている。排気液溝42の外側に第2回収溝44が形成され、第2回収溝44の外側に第1回収溝43が形成されている。排気液溝42には集合排気管45が接続されている。第1回収溝43にはSC1回収管47が接続されている。第2回収溝44にはふっ酸回収管48が接続されている。
集合排気管45は処理室3の外方に延びて、その下流端が排気切換器50に接続されている。排気切換器50には、第1個別排気管60、第2個別排気管70および第3個別排気管80が接続されている。排気切換器50は、集合排気管45を流通する排気の流通先を、3つの個別排気管60,70,80の間で切り換えるためのものである。第1個別排気管60の下流端は、SC1を含む排気を処理するためのSC1排気処理設備61に接続されている。第2個別排気管70の下流端は、ふっ酸排気処理設備71に接続されている。第3個別排気管80の下流端は、IPA排気処理設備81に接続されている。
集合排気管45の途中部には、排気に含まれる処理液を除去するための気液分離器51が介装されている。気液分離器51には、排気から除去された処理液(純水など)を廃棄するための廃液管53が接続されている。廃液管53は廃液処理設備(図示しない)に接続されている。
排気源としての排気処理設備61,71,81は常に負圧に維持されているため、排気液溝42内が強制的に排気されている。このため、カップ8内からの排気が、排気液溝42に集められた処理液(純水など)とともに、集合排気管45を通って気液分離器51に導かれ、気液分離器51によって処理液が除去される。その後、排気は排気切換器50へと導かれた後、3つの個別排気管60,70,80のうち1つの個別排気管を通って、排気処理設備61,71,81に向けて導かれる。一方、気液分離器51により排気から分離された処理液は、廃液管53を通って、廃液処理設備(図示しない)へと導かれる。
スプラッシュガード41は、互いに大きさが異なる3つの傘状部材90,91,92を上下方向に重ねて構成されている。スプラッシュガード41には、例えば、サーボモータやボールねじ機構などを含むガード昇降駆動機構93が結合されている。このガード昇降駆動機構93によって、スプラッシュガード41をカップ8に対して上下方向に昇降させることができる。各傘状部材90,91,92は、ウエハWの回転軸線に対してほぼ回転対称な形状を有している。
傘状部材90は、ウエハWの回転軸線を中心軸線とする円筒状の円筒部94と、円筒部94の上端から延びてウエハWの回転軸線に近づくほど高くなるように傾斜する傾斜部95と、傾斜部95の途中部から下方に延びる排気液案内部96とを備えている。排気液案内部96の下端は、排気液溝42上に位置している。円筒部94の下端は、第2回収溝44上に位置している。また、排気液案内部96および円筒部94は、スプラッシュガード41が最下方の退避位置に下降したときに、それぞれの下端がカップ8の底面に接触しないような長さを有している。
傘状部材91は、傘状部材90を取り囲むように設けられ、ウエハWの回転軸線を中心軸線とする同軸円筒状の円筒部97,98と、これら円筒部97,98の上端を連結し、ウエハWの回転軸線に近づくほど高くなるように傾斜する傾斜部99とを一体的に備えている。内側(中心側)の円筒部97の下端は、第2回収溝44上に位置し、外側の円筒部98の下端は、第1回収溝43上に位置している。また、円筒部97,98は、スプラッシュガード41が最下方の退避位置に下降したときに、それぞれの下端がカップ8の底面に接触しないような長さを有している。
傘状部材92は、傘状部材91を取り囲むように設けられ、ウエハWの回転軸線を中心軸線とする円筒状の円筒部100と、この円筒部100の上端からウエハWの回転軸線に近づくほど高くなるように傾斜する傾斜部101とを備えている。円筒部100は、第2回収溝44上に位置しており、スプラッシュガード41が最下方の退避位置に下降したときに、その下端がカップ8の底面に接触しないような長さを有している。
傾斜部95,99,101の上端縁は、ウエハWの回転軸線を中心軸線とする円筒面上において、そのウエハWの回転軸線に沿う方向(鉛直方向)に間隔を空けて位置している。これにより、傾斜部101の上端縁と傾斜部99の上端縁との間には、ウエハWから飛散するSC1を進入させるための円環状の第1開口部102が形成されている。また、傾斜部99の上端縁と傾斜部95の上端縁との間には、ウエハWから飛散するふっ酸を進入させるための円環状の第2開口部103が形成されている。さらに、傾斜部95の上端縁の下方には、ウエハWから飛散する純水を進入させるための円環状の第3開口部104が形成されている。
第1開口部102に進入したSC1は、傘状部材92の内壁と傘状部材91の外壁との間を通して、第1回収溝43に集められる。第1回収溝43に集められたSC1は、SC1回収管47を通して、SC1回収処理設備(図示しない)に回収される。第2開口部103に進入したふっ酸は、傘状部材91の内壁と傘状部材90の外壁との間を通して、第2回収溝44に集められる。第2回収溝44に集められたふっ酸は、ふっ酸回収管48を通して、ふっ酸回収処理設備(図示しない)に回収される。
また、第3開口部104に進入した純水は、傘状部材90の排気液案内部96の内壁を伝って、排気液溝42に導かれる。排気液溝42に導かれた純水は、集合排気管45および廃液管53を通して廃液される。
図2は、図1に示す排気切換器50の構成を示す断面図である。排気切換器50は、集合排気管45から排気が導入される排気導入室54と、排気導入室54の内部に回転可能に設けられた回転部材としての回転板55とを備えている。排気導入室54の本体は、一方側の側面(図2で示す左側面)が開放した四角箱状の箱体56と、箱体56の開放面を覆う四角板状の蓋体57とを備えている。
蓋体57の中央部には、1つの導入接続孔58が形成されている。この導入接続孔58には、集合排気管45の下流端が接続されている。箱体56における蓋体57と対向する側壁(図2で示す右側の壁)59には、3つの導出接続孔(連通孔)62,72,82(第1導出接続孔62、第2導出接続孔72および第3導出接続孔82(図3(a)〜図3(d)参照)が貫通して形成されている。これらの導出接続孔62,72,82は、側壁59と直交する回転軸線C(後述する)を中心とする円周上に、その円周方向に等角度間隔に(120°ずつ間隔を空けて)形成されている(図3参照)。3つの導出接続孔62,72,82は、ほぼ同じ大きさを有する円形孔である。第1導出接続孔62には、第1個別排気管60の上流端が接続されている。第2導出接続孔72には、第2個別排気管70の上流端が接続されている。第3導出接続孔82には、第3個別排気管80の上流端が接続されている。
側壁59には、蓋体57側に向けて延びる3つの円筒部63,73,83(第1円筒部63、第2円筒部73および第3円筒部83)が形成されている。第1円筒部63は、側壁59における第1導出接続孔62の全周縁から、側壁59と直交する方向に延びている。第2円筒部73は、側壁59における第2導出接続孔72の全周縁から、側壁59と直交する方向に延びている。第3円筒部83は、側壁59における第3導出接続孔82の全周縁から、側壁59と直交する方向に延びている。これらの円筒部63,73,83は同じ高さを有しているが、その高さは比較的小さく設定されている(例えば、5mm程度)。
回転板55は、円板形状をなしており、側壁59に接近して配置されている。回転板55は、側壁59に、回転軸線Cまわりに回転可能に支持されている。具体的には、回転板55には、側壁59と直交する方向に延びる回転シャフト110が接合板109を介して固定されている。回転シャフト110は、排気導入室54外に延びており、側壁59の中央部に固定された軸受111により回転可能に支持されている。回転板55が支持されている回転シャフト110の反対側には、サーボモータなどを含む回転板駆動モータ112の駆動軸が駆動連結されている。側壁59の外側にはブラケット113が固定されている。ブラケット113の内側の位置において、回転シャフト110にはカップリング114が設けられている。ブラケット113の外側でブラケット113と回転板駆動モータ112との間の位置において、回転シャフト110には遮断板115とカップリング116とが設けられている。回転板55及び遮断板115は、回転板駆動モータ112により回転駆動される。
第1個別排気管60の途中には、第1分岐管64の一旦側が接続されている。この第1分岐管64の他端側には第1開放口65が形成されている。第2個別排気管70の途中には、第2分岐管74の一旦側が接続されている。この第2分岐管74の他端側には第2開放口75が形成されている。第3個別排気管80の途中には、第3分岐管(図示しない)の一旦側が接続されている。この第3分岐管(図示しない)の他端側には第3開放口(図示しない)が形成されている。第1開放口65、第2開放口75、及び第3開放口(図示しない)は、遮断板115により遮断可能な位置に配置されている。
回転板55は、第1〜第3円筒部63,73,83の先端面に接するように配置されている。そして、回転板55は、その内面が第1〜第3円筒部63,73,83の先端面に接したまま回転する。回転板55には、1つの選択孔49が貫通して形成されている。この選択孔49と回転軸線Cとの間隔は、回転軸線Cと導出接続孔62,72,82との間の間隔とほぼ同じ大きさに設定されている。このため、回転板55の回転軸線Cまわりの回転に伴って、3つの導出接続孔62,72,82と順に対向する。
図3は、図2の切断面線III−IIIから見た断面図である。
回転板55には、選択孔49は回転軸線Cを中心とする円弧状の長孔に形成されている。選択孔49における回転方向の幅(より詳しくは、各導出接続孔62,72,82の中心を通過する部分における回転方向の幅)W1は、第1導出接続孔62および第2導出接続孔72の間の回転方向の間隔N1(図3(a)参照)、第2導出接続孔72および第3導出接続孔82の間の回転方向の間隔N2(図3(a)参照)、第3導出接続孔82および第1導出接続孔62の回転方向の間隔N3よりも大きい。なお、この実施形態では、第1〜第3導出接続孔62,72,82は、等角度間隔に配置されているので、間隔N1、間隔N2および間隔N3はともに同じ長さである。
回転板55が、選択孔49が第1導出接続孔62と対向する状態(以下、「第1対向状態」という。図3(a)参照)にあるときは、第1導出接続孔62が開放し、回転板55によって第2導出接続孔72および第3導出接続孔82が閉塞する。そのとき、第1分岐管64の第1開放口65を遮蔽板115によって遮断され、第2分岐管74の第2開放口75および第3分岐管の第3開放口は開放されている。これにより、排気導入室54の内部を第1個別排気管60とのみ連通させることができるとともに、第2開放口75及び第3開放口(図示しない)を介して、第2個別排気管70及び第3個別排気管80へのエアの導入が可能となる。
回転板55が、選択孔49が第1導出接続孔72と対向する状態(以下、「第2対向状態」という。図3(b)参照)にあるときは、第2導出接続孔72が開放し、回転板55によって第1導出接続孔62および第3導出接続孔が閉塞する。そのとき、第2分岐管74の第2開放口75を遮蔽板115によって遮断され、第1分岐管64の第1開放口64および第3分岐管の第3開放口は開放されている。これにより、排気導入室54の内部を第2個別排気管70とのみ連通させることができるとともに、第1開放口65及び第3開放口(図示しない)を介して、第1個別排気管60及び第3個別排気管80へのエアの導入が可能となる。
回転板55が、選択孔49が第3導出接続孔82と対向する状態(以下、「第3対向状態」という。図3(c)参照)にあるときは、第3導出接続孔82が開放し、回転板55によって第1導出接続孔62および第2導出接続孔72が閉塞する。そのとき、第3分岐管の第3開放口を遮蔽板115によって遮断され、第1分岐管64の第1開放口65および第2分岐管74の第2開放口75は開放されている。これにより、排気導入室54の内部を第2個別排気管80とのみ連通させることができるとともに、第1開放口65及び第2開放口75を介して、第1個別排気管60及び第2個別排気管70へのエアの導入が可能となる。
選択孔49における回転方向の幅W1が、第1導出接続孔62および第2導出接続孔72の間の回転方向の間隔N1よりも大きいので、回転板55が第1対向状態から第2対向状態まで回転移動する際には、選択孔49と第1導出接続孔62との重複が解かれる前に、図3(d)のように選択孔49が第2導出接続孔72と重複する。また、選択孔49における回転方向の幅W1が、第2導出接続孔72および第3導出接続孔82の間の回転方向の間隔N2よりも大きいので、回転板55が第2対向状態から第3対向状態まで回転移動する際には、選択孔49と第2導出接続孔72との重複が解かれる前に選択孔49が第3導出接続孔82と重複する。
さらに、選択孔49における回転方向の幅W1が、第3導出接続孔82および第1導出接続孔62の間の回転方向の間隔N3よりも大きいので、回転板55が第2対向状態から第3対向状態まで回転移動する際には、選択孔49と第3導出接続孔82との重複が解かれる前に選択孔49が第1導出接続孔62と重複する。このため、回転板55がいずれの回転位置にあっても、選択孔49が1つまたは2つの導出接続孔62,72,82に重複し、3つの導出接続孔62,72,82の全てが閉塞することはない。したがって、回転板駆動モータ112に故障や誤作動が生じた場合であっても、第1〜第3導出接続孔62,72,82の全ての閉塞を防止することができる。
この排気切換器50では、選択孔49が1つの導出接続孔62,72,82に対向する状態では、排気導入室54の内部が、その導出接続孔62,72,82に対応する1つの個別排気管60,70,80に連通する。そして、回転軸線Cを中心として回転板55を回転させることにより、選択孔49が3つの導出接続孔62,72,82と順に対向する。したがって、回転板55の選択孔49を3つの導出接続孔62,72,82のうち所望の連通孔に対向させておけば、排気導入室54に導入された排気を、3つの個別排気管60,70,80のうち所望の個別排気管に流通させることができる。このため、大型化することなく、処理室3内からの処理流体を含む排気を、所望の個別排気管60,70,80に良好に導くことができる。
さらに、この排気切換器50では、選択孔49が1つの導出接続孔62,72,82に対向する状態では、対向していない2つの導出接続孔62,72,82に対応する第1〜第3の開放口65,75からは、エアが導入されることになる。
図4は、基板処理装置1の電気的構成を示すブロック図である。
基板処理装置1は、たとえば、マイクロコンピュータで構成される制御装置120を備えている。制御装置120には、スピンモータ12、第1ノズル駆動機構15、第2ノズル駆動機構20、遮断板昇降駆動機構35、ガード昇降駆動機構93、ふっ酸バルブ22、SC1バルブ17、純水下バルブ24、純水上バルブ32、窒素ガスバルブ33、IPAバルブ34および回転板駆動モータ112が制御対象として接続されている。
図5は、図1に示す基板処理装置1において行われる処理動作を説明するための工程図である。装置運転中は、排気源としての排気処理設備61,71,81が常に負圧に維持されており、排気液溝42内が強制的に排気されている。また、回転板55は第1対向状態に設定されている。
処理対象のウエハWは、図示しない搬送ロボットによって基板処理装置1内に搬入されて、その表面を上方に向けた状態でスピンチャック4に保持される(ステップS1)。なお、このウエハWの搬入時においては、その搬入の妨げにならないように、スプラッシュガード41が最下方の退避位置に下げられている。この退避位置にあるスプラッシュガード41は、傘状部材92の上端がウエハWの下方に位置している。また、遮断板25は、退避位置(図1に示す位置)に配置されている。
ウエハWがスピンチャック4に保持されると、スピンモータ12が制御されて、スピンチャック4によるウエハWの回転(スピンベース10の回転)が開始され(ステップS2)、ウエハWの回転速度が所定の液処理速度(たとえば1500rpm)まで上昇される。また、ガード昇降駆動機構93が制御されて、スプラッシュガード41が、第1開口部102がウエハWの端面に対向する位置まで上昇される。さらに、第1ノズル駆動機構15が制御されて第1アーム13が回動し、第1ノズル5は、スピンチャック4の側方の退避位置からウエハWの上方位置へと移動される。
ウエハWの回転速度が所定の液処理速度に達すると、SC1バルブ17が開かれて、第1ノズル5からSC1が吐出される(ステップS3:SC1処理)。このSC1処理では、第1ノズル駆動機構15が駆動されて、第1アーム13が所定の角度範囲内で揺動される。これによって、第1ノズル5からのSC1が導かれるウエハWの表面上の供給位置は、ウエハWの回転中心からウエハWの周縁部に至る範囲内を、ウエハWの回転方向と交差する円弧状の軌跡を描きつつ往復移動する。また、ウエハWの表面に供給されたSC1は、ウエハWの表面の全域に拡がる。これにより、ウエハWの表面の全域に、SC1がむらなく供給される。第1ノズル5からウエハWの表面にSC1が供給されることにより、そのSC1の化学的能力により、ウエハWの表面に付着しているパーティクルなどの異物を除去することができる。ウエハWの表面に供給されたSC1は、ウエハWの周縁から側方へ飛散し、ウエハWの端面に対向している第1開口部102に飛入する。そして、傘状部材92の内または傘状部材91の外壁を伝って第1回収溝43に集められ、SC1回収管47に送られ、SC1回収処理設備(図示しない)へ導かれる。
回転中のウエハWの表面にSC1が供給されると、ウエハWの周縁から飛散したSC1が傘状部材91,92の壁面等に衝突することにより、カップ8の内部でSC1のミストが発生し、カップ8の内部の雰囲気は、SC1のミストを含む雰囲気となる。このため、排気液溝42から集合排気管45に導入される排気はSC1のミストを含んでおり、この排気が排気切換器50の排気導入室54へと導入される。このとき、回転板55が第1対向状態(図3(a)参照)に位置しているので、排気導入室54に導入された排気雰囲気は、第1個別排気管60へと導入され、第1個別排気管60を流通してSC1排気処理設備61へと導かれる。
また、このとき、遮蔽板115は第1個別排気管60に対応する第1の開放口65を遮蔽しているが、第2個別排気管70に対応する第2開放口75及び第3個別排気管80に対応する第3開放口(図示しない)は開放されているので、負圧のため第2開放口75及び第3開放口からはエアが導入される。
ウエハWへのSC1の供給開始からSC1処理時間(たとえば30秒間)が経過すると、SC1バルブ17が閉じられて、第1ノズル5からのSC1の供給が停止されるとともに、第1ノズル駆動機構15が制御されて第1アーム13が回動し、第1ノズル5は、ウエハWの上方位置からスピンチャック4の側方の退避位置に退避される。また、ガード昇降駆動機構93が駆動されて、ウエハWの端面に第3開口部104が対向する位置までスプラッシュガード41が上げられる。
スプラッシュガード41の上昇後、純水下バルブ24が開かれて、純水ノズル7の吐出口から、回転状態にあるウエハWの表面の回転中心に向けて純水が吐出される。ウエハWの表面に供給された純水は、ウエハWの回転による遠心力によって、ウエハWの周縁に向けて流れる。これにより、ウエハWの表面に付着しているSC1が純水によって洗い流される(ステップS4:リンス処理)。ウエハWの周縁に向けて流れる純水は、ウエハWの周縁から側方へ飛散する。ウエハWの周縁から飛散する純水(ウエハWから洗い流されたSC1を含む)は、ウエハWの端面に対向している第3開口部104に捕獲され、傘状部材90の内壁を伝って排気液溝42に集められ、その排気液溝42から集合排気管45および廃液管53を通して廃液処理設備(図示しない)へ導かれる。
ウエハWへの純水の供給開始から所定のリンス時間(たとえば30秒間)が経過すると、純水下バルブ24が閉じられて、純水ノズル7からの純水の供給が停止される。また、ガード昇降駆動機構93が制御されて、スプラッシュガード41が、第2開口部103がウエハWの端面に対向する位置まで上昇される。さらに、第2ノズル駆動機構20が制御されて第2アーム18が回動し、第2ノズル6は、スピンチャック4の側方の退避位置からウエハWの上方位置へと移動される。純水の供給開始から所定のリンス時間(たとえば30秒間)が経過すると、純水上バルブ32が閉じられて、中心吐出口28からの純水の吐出が停止される。さらにまた、回転板駆動モータ112が駆動されて、回転板55が第2対向状態まで回転移動される。
第2ノズル6がウエハWの上方位置へ達すると、ふっ酸バルブ22が開かれて、第2ノズル6からふっ酸が吐出される(ステップS5:ふっ酸処理)。このふっ酸処理では、第2ノズル駆動機構20が駆動されて、第2アーム18が所定の角度範囲内で揺動される。これによって、第2ノズル6からのふっ酸が導かれるウエハWの表面上の供給位置は、ウエハWの回転中心からウエハWの周縁部に至る範囲内を、ウエハWの回転方向と交差する円弧状の軌跡を描きつつ往復移動する。また、ウエハWの表面に供給されたふっ酸は、ウエハWの表面の全域に拡がる。これにより、ウエハWの表面の全域に、ふっ酸が供給される。第2ノズル6からウエハWの表面にふっ酸が供給されることにより、そのふっ酸の化学的能力により、ウエハWの表面に形成される酸化膜を除去することができる。ウエハWの表面に供給されたふっ酸は、ウエハWの周縁から側方へ飛散し、ウエハWの端面に対向している第2開口部103に飛入する。そして、傘状部材91の内壁または傘状部材90の外壁を伝って第2回収溝44に集められ、ふっ酸回収管48と送られ、ふっ酸回収設処理設備(図示しない)へ導かれる。
回転中のウエハWの表面にふっ酸が供給されると、ウエハWの周縁から飛散したふっ酸が傘状部材90,91の壁面等に衝突することにより、カップ8の内部でふっ酸のミストが発生し、カップ8の内部の雰囲気は、ふっ酸のミストを含む雰囲気となる。このため、排気液溝42から集合排気管45に導入される排気はふっ酸のミストを含んでおり、この排気が排気切換器50の排気導入室54へと導入される。このとき、回転板55が第2対向状態(図3(b)参照)に位置しているので、排気導入室54に導入された排気雰囲気は、第2個別排気管70へと導入され、第2個別排気管70を流通してふっ酸排気処理設備71へと導かれる。
また、このとき、遮蔽板115は第2個別排気管70に対応する第2開放口75を遮蔽しているが、第1個別排気管60に対応する第1開放口65及び第3個別排気管80に対応する第3開放口(図示しない)は開放されているので、負圧のため第1開放口65及び第3開放口からはエアが導入される。
ウエハWへのふっ酸の供給開始から所定のふっ酸処理時間(たとえば30秒間)が経過すると、ふっ酸バルブ22が閉じられて、第2ノズル6からのふっ酸の供給が停止されるとともに、第2ノズル駆動機構20が制御されて第2アーム18が回動し、第2ノズル6は、ウエハWの上方位置からスピンチャック4の側方の退避位置に退避される。また、ガード昇降駆動機構93が駆動されて、ウエハWの端面に第3開口部104が対向する位置までスプラッシュガード41が上げられる。
さらに、遮断板昇降駆動機構35が制御されて、遮断板25が近接位置まで下げられる。遮断板25が近接位置まで下降すると、純水上バルブ32が開かれて、上供給路27の中心吐出口28から回転状態にあるウエハWの表面の回転中心に向けて純水が吐出される。ウエハWの表面に供給された純水は、ウエハWの回転による遠心力によって、ウエハWの周縁に向けて流れる。これにより、ウエハWの表面に付着しているふっ酸が純水によって洗い流される(ステップS6:リンス処理)。ウエハWの周縁に向けて流れる純水は、ウエハWの周縁から側方へ飛散する。ウエハWの周縁から飛散する純水(ウエハWから洗い流されたふっ酸を含む)は、ウエハWの端面に対向している第3開口部104に捕獲され、傘状部材90の内壁を伝って排気液溝42に集められ、その排気液溝42から集合排気管45および廃液管53を通して廃液処理設備(図示しない)へ導かれる。
純水の供給開始から所定のリンス時間(たとえば30秒間)が経過すると、純水上バルブ32が閉じられて、中心吐出口28からの純水の吐出が停止される。また、回転板駆動モータ112が駆動されて、回転板55が第3対向状態まで回転移動される。その後、IPAバルブ34が開かれて、中心吐出口28からIPA蒸気が吐出される。このIPA蒸気によって、ウエハWの表面に付着している純水がIPAに置換され、IPAの揮発性によってウエハWの表面が乾燥されていく(ステップS7:置換処理)。
中心吐出口28からIPA蒸気が吐出されると、カップ8の内部の雰囲気は、IPA蒸気を含む雰囲気となる。このため、排気液溝42から集合排気管45に導入される排気はIPA蒸気を含んでおり、この排気が排気切換器50の排気導入室54へと導入される。このとき、回転板55が第3対向状態(図3(c)参照)に位置しているので、排気導入室54に導入された排気雰囲気は、第3個別排気管80へと導入され、第3個別排気管80を流通してIPA排気処理設備81へと導かれる。
また、このとき、遮蔽板115は第3個別排気管80に対応する第3の開放口(図示しない)を遮蔽しているが、第1個別排気管60に対応する第1開放口65及び第2個別排気管70に対応する第2開放口75は開放されているので、負圧のため第1開放口65及び第2開放口75からはエアが導入される。
IPA蒸気の供給開始から所定の置換時間(たとえば30秒間)が経過すると、IPAバルブ34が閉じられて、ウエハWへのIPA蒸気の供給が停止される。その後、ガード昇降駆動機構93が駆動されて、スプラッシュガード41が最下方の退避位置まで下げられる。さらに、回転板駆動モータ112が駆動されて、回転板55が第1対向状態まで回転移動される。さらにまた、窒素ガスバルブ33が開かれて、中心吐出口28から、ウエハWの表面と遮断板25の下面との間に窒素ガスが供給される。これにより、ウエハWの表面と遮断板25の下面との間が窒素ガスで充満される。
また、ウエハWの回転速度がスピンドライ回転速度(たとえば3000rpm)に上げられる。これにより、リンス処理後のウエハWの表面に付着している純水を遠心力で振り切って乾燥させるスピンドライ処理が実施される(ステップS8)。スピンドライ処理が所定のスピンドライ時間にわたって行われると、スピンチャック4の回転が停止され(ステップS9)、窒素ガスバルブ33が閉じられる。また、遮断板昇降駆動機構35が制御されて、遮断板25が離間位置まで上昇される。その後、基板搬送ロボットによって処理済のウエハWが搬出される(ステップS10)。
以上により、この実施形態によれば、処理室3の内部で使用されている処理流体(SC1、ふっ酸およびIPA蒸気)の種別に応じて、集合排気管45を流通する排気の流通先を、3つの個別排気管60,70,80の間で切り換えることができる。これにより、3種類の処理流体(SC1、ふっ酸およびIPA蒸気)を含む排気を、互いに異なる排気処理設備61,71,81に導くことができる。
また、ステップS3のSC1処理、ステップS5のふっ酸処理、及びステップS7のIPA蒸気による置換処理の場合、個別排気管60,70,80のいずれか開放されているとき、遮蔽板115は開放されている個別排気管60,70,80に対応する開放口65,75を閉塞するとともに、閉塞されている個別排気管60,70,80に対応する開放口65,75を開放しているので、この開放口65,75からはエアが導入されている。これにより、1つの処理室3における酸系の処理時、アルカリ系の処理時等とでは排気圧が大きく変動することはなく、この排気圧の変動にともなうウエハへのパーティクルの付着を抑制できる。
また、回転板55と遮蔽板115が、回転板駆動モータ112の駆動軸に回転シャフト110を介して連結されているので、1つの駆動系という簡易な構成で、個別排気管60,70,80に対応する開放口65,75を開放・閉塞できるとともに、個別排気管60,70,80に対応する開放口65,75を開放・閉塞できる。
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は、他の形態で実施することもできる。前述の実施形態では、第1処理流体としてのSC1をし、第2処理流体としてふっ酸(HF)を、第3処理流体としてIPA(isopropanol)蒸気をそれぞれ例示した。しかし、第1処理流体として、SC1以外のアルカリ性薬液(たとえば、SC2(塩酸過酸化水素水混合液)を用いることもでき、また、第2処理流体として、ふっ酸以外の酸性薬液(たとえば、バファードフッ酸(Buffered HF:フッ酸とフッ化アンモニウムとの混合液))を用いることもできる。また、第3処理流体として、IPA以外の有機溶剤(たとえば、HFE(ハイドロフルオロエーテル)など)を用いることもできる。
また、この実施形態において、排気導入室54の箱体56の上壁に洗浄用開口が形成されるとともに、底壁にドレン孔が貫通して形成されていてもよい。この場合、洗浄用開口を介して排気導入室54内に挿入されたハンドシャワーにより、排気導入室54の壁の内面に向けて洗浄液が噴出されることにより、壁の内面に付着した付着物が除去される。洗浄後の洗浄液は、ドレン孔から排出される。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能で
ある。