以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
〔実施例1〕
[トナー画像形成装置]
図1は本実施例1におけるトナー画像形成装置の概略構成図である
このトナー画像形成装置は、それぞれ色の異なる4色のトナー像を形成する4個の画像形成ユニットY(イエロー)・M(マゼンタ)・C(シアン)・Bk(ブラック)が配置される。そして、これら画像形成ユニットを縦貫するようにして、中間転写体としてのエンドレスの中間転写ベルト19が配置されている。
これら4個の画像形成ユニットY・M・C・Bkは、同様の構成であり、以下では、代表してイエローの画像形成ユニットYの構成を説明する。他の画像形成ユニットについては、画像形成ユニットYと同一の構成及び作用の部材には同じ番号を付し、各ユニットを示す添え字を変更する。
像担持体として、例えば表層がOPC(有機光半導体)からなる円筒型の電子写真感光体(以下「感光ドラム」と称する。)11Yは、矢印A方向へ回転駆動される。15Yは感光ドラム11Yの表面を一様均一に帯電する帯電ローラである。所定のバイアスが印加された帯電ローラ15Yは感光ドラム11Yと接触従動回転して、感光ドラム11Yの表面を所定の電位に帯電する。帯電された感光ドラム11Yは露光装置16Yによる露光光(レーザー光等)による露光が行われて、入力原稿の色分解画像と対応した静電潜像が形成される。現像装置12Yは現像ローラで帯電したトナーを用いて静電潜像の現像を行い、静電潜像に対応したトナー像を感光ドラム11Yの表面に形成する。感光ドラム11Y上のトナー像は、1次転写ニップ部(1次転写部)T1Yにおいて、感光ドラム11Yとほぼ同速度で回転している中間転写ベルト19上に、所定のバイアスが印加された1次転写ローラ13Yによって1次転写される。
中間転写ベルト19に対するトナー像の1次転写後の感光ドラム11Y上の1次転写残トナーは、ブレード又はブラシ等が配置された感光ドラムクリーニング装置14Yにより回収される。そして、1次転写残トナーが除去された感光ドラム11Yは、再び帯電ローラ15Yにより一様均一に帯電されて繰り返して作像に供される。17Yはトナー補給装置であり、現像装置12Yに対して補給路18Yを介してトナーを逐次補給する。
中間転写ベルト19は、駆動ローラ20、支持ローラ21、バックアップローラ22に張架される。そして、4個の画像形成ユニットY・M・C・Bkの感光ドラム11Y・11M・11C・11Bkに接触しながら、駆動ローラ20の矢印B方向の回転により回転駆動される。
中間転写ベルト19は1次転写ローラ13Y・13M・13C・13Bkと感光ドラム11Y・11M・11C・11Bkとの間に挟み込まれる。これにより、感光ドラム11Y・11M・11C・11Bkと中間転写ベルト19との間に1次転写ニップ部T1Y・T1M・T1C・T1Bkが形成される。
フルカラーモード(フルカラー画像形成)が選択されている場合は、以上のような作像動作が4個の各画像形成ユニットY・M・C・Bkにて実行される。そして、感光ドラム11Y・11M・11C・11Bk上にそれぞれ形成されたイエロートナー像・マゼンタトナー像・シアントナー像・ブラックトナー像が中間転写ベルト19上に順次多重転写される。なお、色順は上記に限られず画像形成装置により任意である。
そして、中間転写ベルト19上に多重転写されたトナー像は、バックアップローラ22でバックアップされた中間転写ベルト19と2次転写ローラ23との間に形成された2次転写ニップT2において、記録材(転写材)Pへ一括して2次転写される。2次転写は2次転写ローラ23に所定のバイアスが印加されることによって行われる。また、記録材Pは、給紙カセット25内から一枚分離給送され、レジストローラ対24によって2次転写ニップT2に対して所定の制御タイミングで供給される。
トナー像が2次転写された記録材Pは搬送経路Dを搬送されて定着装置100に導入され、記録材P上のトナー像が加圧・加熱されて記録材P上にフルカラートナー像が定着される。
また、2次転写ニップT2において記録材Pに対するトナー像の2次転写後の中間転写ベルト19上の2次転写残トナーは、ブレード又はブラシ等が配置された中間転写ベルトクリーニング装置30により回収される。そして、2次転写残トナーが除去された中間転写ベルト19は繰り返して画像形成の1次転写に供される。
また、たとえば黒単色のモノカラーモード(モノカラー画像形成)や2〜3色モードの場合は、必要な色の画像形成ユニットにおいて感光ドラムに対する画像形成が実行され(不必要な画像形成ユニットにおける感光ドラムは空回転)る。そして、そのトナー像が1次転写ニップ部T1にて中間転写ベルト19上に1次転写され、さらに2次転写ニップ部T2にて記録材Pに2次転写されて加熱装置としての定着装置100へ導入される動作が実行される。
〔定着装置構成〕
図2で示すように、画像加熱装置としての定着装置100は、加熱回転体としての定着ローラ101、加圧回転体としての加圧ローラ102、第1の外部加熱ローラとしての外部加熱ローラ103(以下、第1外部加熱ローラ)、第2の外部加熱ローラとしての外部加熱ローラ104(以下、第2外部加熱ローラ)で構成されている。
定着ローラ101は、不図示の駆動源によって、矢印A方向に所定の速度、例えば500mm/secの周速で回転駆動されるようになっている。図4に示す定着ローラ101は、外径74mm、厚み6mm、長さ350mmの円筒状金属製(本実施例では、アルミニウム製)の芯金101aを備える。芯金101a上には、耐熱性の弾性層101bとして、シリコーンゴム(本実施例では、JIS−A硬度20度)が3mmの厚さで被覆されている。弾性層101b上には、トナーとの離型性向上のために、耐熱性の離型層101cとしてフッ素系樹脂(本実施例では、PFAチューブ)が100μmの厚さで被覆されている。
図2に戻り、定着ローラ101の芯金101aの内部には、発熱体として、例えば定格電力1200Wのハロゲンヒータ111が配置されて、定着ローラ101表面温度が所定の温度となるように内部から加熱されている。
定着ローラ101の表面温度は、定着ローラ101に接触する温度検知手段としてのサーミスタ121によって検出される。そして、この検出温度に基づいて、温度制御(調整)手段としてのヒータ制御器130がハロゲンヒータ111をON/OFFすることで、所定の目標温度、例えば200℃にて制御される。
図3は本実施例における定着ローラ101の表面温度の制御方法を示す図である。サーミスタ121で検出された温度が時刻t31で下限設定温度まで低下すると、ヒータ制御器(ヒータ制御手段)130はハロゲンヒータ113へ通電を開始する。ハロゲンヒータ113のONによって時刻t32で定着ローラ101の表面温度が上限設定温度に達すると、通電が停止され、ハロゲンヒータ113はOFFされる。更に、時刻t33で表面温度が再び下限設定温度まで低下すると、ハロゲンヒータ113への通電が再開される。以降、このシーケンスを繰り返し、表面温度は制御される。なお、上限設定温度は目標温度よりも1℃高く、下限設定温度は目標温度よりも1℃低く設定される。即ち、上限設定温度と下限設定温度の平均値が目標温度になっている。図18本実施形態における温度制御のブロック図を示す。
図2に戻り、加圧ローラ102は、定着ローラ101に不図示の加圧手段により、所定の圧力で加圧されて、定着ローラ101とニップ部Nを形成しており、矢印B方向に所定の速度、例えば500mm/secの周速で、定着ローラ101と従動回転される。図4に示すように、加圧ローラ102は、外径54mm、厚み5mm、長さ350mmの円筒状金属製(本実施例では、アルミニウム製)の芯金102aを備える。芯金102a上には、耐熱性の弾性層102bとして、シリコーンゴム(本実施例では、JIS−A硬度15度)が3mmの厚さで被覆されている。弾性層102b上には、トナーとの離型性向上のために、耐熱性の離型層102cとしてのフッ素系樹脂(本実施例では、PFAチューブ)が100μmの厚さで被覆されている。
又、加圧ローラ102の芯金102aの内部には、発熱体として、例えば定格電力300Wのハロゲンヒータ112が配置されて、加圧ローラ102表面温度が所定の温度となるように内部から加熱されている。
加圧ローラ102の表面温度は、加圧ローラ102に接触する温度検知手段としてのサーミスタ122によって検出され、ヒータ制御手段130によってハロゲンヒータ112がON/OFFされ、所定の目標温度、例えば130℃にて制御される。この制御は上述の定着ローラ101表面温度の制御と同じ方法で行われ、上限設設定温度は目標温度よりも1℃高く、下限設定温度は目標温度よりも1℃低く設定される。
なお、このニップ部Nに、記録材P上に担持した未定着トナーKを挿通して、記録材P上にトナーKを定着させる。つまり、未定着トナーKを担持した記録材Pをニップ部Nで狭持して加熱することで定着する。
第1外部加熱ローラ103は、定着ローラ101に不図示の加圧手段により、所定の圧力で加圧されて、定着ローラ101とニップ部N1を形成しており、矢印C方向に所定の速度、例えば500mm/secの周速で、定着ローラ101と従動回転される。つまり、第1外部加熱ローラ103は定着ローラ101の外面に接触し、定着ローラ101を加熱する。
なお、第1外部加熱ローラ103は、定着ローラ回転方向上流側に配置される外部加熱ローラである。図5で示すように、第1外部加熱ローラ103は、外径30mm、厚み3mm、長さ350mmの円筒状金属製(本実施例では、アルミニウム製)の芯金103aを備える。芯金103a上には、トナーとの離型性向上のために、耐熱性の離型層103bとしてのフッ素系樹脂(本実施例では、PFAチューブ)が20μmの厚さで被覆されている。
又、第1外部加熱ローラ103の芯金103aの内部には、第1発熱体として、例えば定格電力1000Wのハロゲンヒータ113が配置されて、第1外部加熱ローラ103表面温度が所定の温度となるように内部から加熱されている。第1外部加熱ローラ103及びハロゲンヒータ113によって、第1外部加熱器が構成される。
第1外部加熱ローラ103の表面温度は、第1外部加熱ローラ103に接触する温度検知手段としてのサーミスタ123によって検出される。そして、検出された温度に基づいて、ヒータ制御手段130はハロゲンヒータ113をON/OFFし、所定の目標温度、例えば220℃によって制御(温度調節)する。
この制御も上述の定着ローラ101表面温度の制御と同じ方法で行われ、上限設設定温度は目標温度よりも1℃高く、下限設定温度は目標温度よりも1℃低く設定される。
第2外部加熱ローラ104は、第1外部加熱ローラ103とほぼ同様の構成である。第2外部加熱ローラ104は、定着ローラ101に不図示の加圧手段により、所定の圧力で加圧されて、定着ローラ101とニップ部N2を形成しており、矢印D方向に所定の速度、例えば500mm/secの周速で、定着ローラ101と従動回転される。なお、第2外部加熱ローラ104は、定着ローラ回転方向下流側に配置される外部加熱ローラである。第2外部加熱ローラ104も定着ローラ101の外面に接触して、定着ローラ101を加熱する。第2外部加熱ローラ104は定着ローラ101の回転方向に対して第1外部加熱ローラ103の下流に位置する。したがって、第2外部加熱ローラ104は第1外部加熱ローラ103によって加熱された定着ローラ101の領域を加熱する。
図5で示すように、第2外部加熱ローラ104は、外径30mm、厚み3mm、長さ350mmの円筒状金属製(本実施例では、アルミニウム製)の芯金104aを備える。芯金104a上には、トナーとの離型性向上のために、耐熱性の離型層104bとしてのフッ素系樹脂(本実施例では、PFAチューブ)が20μmの厚さで被覆されている。
図2に戻り、第2外部加熱ローラ104の芯金104aの内部には、第2発熱体として、例えば定格電力600Wのハロゲンヒータ114が配置されて、第2外部加熱ローラ104表面温度が所定の温度となるように内部から加熱されている。
第2外部加熱ローラ104及びハロゲンヒータ114によって、第2外部加熱器が構成される。
第2外部加熱ローラ104の表面温度は、第2外部加熱ローラ104に接触する温度検知手段としてのサーミスタ124によって検出され、ヒータ制御手段130によってハロゲンヒータ114がON/OFFされ、所定の目標温度、例えば220℃にて制御される。この制御も上述の定着ローラ101表面温度の制御と同じ方法で行われ、上限設設定温度は目標温度よりも1℃高く、下限設定温度は目標温度よりも1℃低く設定される。
ここで、本実施例では、第1外部加熱ローラ103、及び第2外部加熱ローラ104の定着ローラ101への加圧力は同一であり、ニップ部N1とニップ部N2のニップ幅も同一である。
第1外部加熱ローラ103、及び第2外部加熱ローラ104の表面温度は同じ目標温度にて制御される。なお、本明細書中において、同じ目標温度とは、±5℃の範囲を示すものとする。
本実施例での各ローラの圧着・離間制御に関して説明する。
スタンバイ時では、定着ローラ101の弾性層101b、及び加圧ローラ102の弾性層102bの変形又は歪防止のため、加圧ローラ102、第1外部加熱ローラ103、第2外部加熱ローラ104は、不図示の離間手段により、定着ローラ101から離間される。
プリント中、即ち記録材上の画像の定着(加熱)動作中では、加圧ローラ102、第1外部加熱ローラ103、第2外部加熱ローラ104は、不図示の加圧手段により、定着ローラ101に圧着される。
スタンバイ中に各ローラが離間せずに圧着したままの構成の場合、ニップ部N、N1、N2での弾性層の変形又は歪がプリント中にも残存して、画像上に、横スジや光沢スジ(ムラ)等が発生して画像品質が低下してしまう。そのため、本実施例のように、スタンバイ中に各ローラを離間するのが好適である。
[外部加熱ローラの発熱体に供給する電力]
外部加熱ローラの加熱源(ハロゲンヒータ113と114)に供給される電力について説明する。以下の説明では、本実施例の形態に対してハロゲンヒータ113及び114の定格電力が異なる比較例1〜3を示して説明を行う。なお、本実施例及び比較例1〜3では、ハロゲンヒータ113及び114の定格電力に等しい電力が各ハロゲンヒータへ供給される。
図6は、本実施例及び比較例1に係る厚紙連続通紙時にサーミスタ121で検知された定着ローラ101の表面温度の変化を示す模式図である。
図7は、比較例1及び本実施例に係るニップ部N1前後及びニップ部N2前後の定着ローラ101の表面温度を、不図示の温度測定器(例えばサーモビュアー)で測定した結果を示す模式図である。
図8は、本実施例および比較例1に係る外部加熱ローラ103、104による定着ローラへの熱量供給を説明する模式図である。
図9は、比較例1の第2加熱部材104のハロゲンヒータ114への通電のON/OFFの様子を示す図である。
図10は、比較例2及び比較例3に係る厚紙連続通紙時にサーミスタ121で検知された定着ローラ101の表面温度変化を示す模式図である。
図11は、比較例2及び比較例3に係るニップ部N1前後及びニップN2前後の定着ローラ表面温度を、不図示の温度測定器(例えばサーモビュアー)で測定した模式図である。
図12は、比較例2及び比較例3に係る外部加熱ローラによる定着ローラ101への熱量供給を説明する模式図である。
図13は、本実施例の第2外部加熱ローラ104のハロゲンヒータ114への通電のON/OFFを示す図である。
ここで、厚紙連続通紙は、記録材として秤量300g/m2のA4サイズ紙を横方向に、100ppm(ppm=page per minute)で連続通紙した。
(1)比較例1の供給電力
まず、比較例1として、第1外部加熱ローラ103のハロゲンヒータ113定格電力=1000W、第2外部加熱ローラ104のハロゲンヒータ114定格電力=1000Wの場合を説明する。この時、定着ローラ101のハロゲンヒータ111定格電力=1200W、加圧ローラ102のハロゲンヒータ112定格電力=300Wから、定着装置全定格電力=3500Wである。
図6は比較例1において、プリント開始後の定着ローラ101の温度変化を表す図である。スタンバイ中に温度T1に調整されていた定着ローラは、プリントが開始されて記録材がニップNに達すると温度が下降し、通紙枚数C61では温度は最下点温度T2に到達する。本実施例では、T1=200℃、T2=180℃である。これは、定着ローラ101表面温度をT1に維持しようと、ハロゲンヒータ111が点灯しても、芯金や熱伝導率の低い弾性層101bに熱が遮られて、定着ローラ101表面温度が上昇するのが遅延するためである。そして、通紙枚数C62を過ぎると、定着ローラ101の温度は最下点温度T2から上昇し、通紙枚数C63で温度T1に達して安定状態(平衡状態)となる。ここで、最下点温度T2は定着性を満足できる許容範囲の下限であり、この温度でも定着性は許容範囲内であった。
この最下点温度である定着ローラ101の温度=T2時の各サーミスタ122、123、124検知温度は、第1外部加熱ローラ103の温度=220℃、第2外部加熱ローラ104の温度=220℃、加圧ローラ102の温度=100℃であった。又、このT2時のニップN1前後及びニップN2前後の定着ローラ101表面温度を、不図示のサーモビュアーで測定すると、図7で示すようになる。即ち、ニップN1でT3からT4に上昇し、ニップN2でT4からT2に上昇し、△T1=T4−T3、△T2=T2−T4とすると、△T1>△T2であることが判明した。
又、このT2時の外部加熱ローラで消費される電力量(Wh)を測定すると、第1外部加熱ローラ103電力量=W1、第2外部加熱ローラ104電力量=W2であり、W1>W2であることが判明した。各ローラの加熱源電力量(Wh)は、一般に市販されている積算電力測定器を各ローラの各加熱源に設置し、記録材通紙時の積算電力を測定することにより、電力量(単位時間当たりの消費電力)をすることにより測定できる。
これは、図8に示すように、外部加熱ローラの消費熱量は、温度上昇分△T1及び△T2の積分で表され、第1外部加熱ローラ103での消費熱量=Q1、第2外部加熱ローラ104での消費熱量=Q2で表され、Q1>Q2となる。
第1外部加熱ローラ103と第2外部加熱ローラ104は、同一のニップ幅(N1=N2)、及び同一のローラ温度(220℃)であるにもかかわらず、定着ローラ101に付与する熱量が異なるのは以下のように説明できる。即ち、定着ローラ101表面温度が低い時に接触する方が熱量を付与し易く、つまり熱量が移動し易いため、第1外部加熱ローラ103から定着ローラ101への付与熱量が大きいためである。
そして、第1外部加熱ローラ103のニップ部N1で昇温した後、定着ローラ101表面温度が高い時に接触する方が熱量を付与しにくいため、即ち熱量が移動しにくいため、第2外部加熱ローラ104からの付与熱量が小さいためである。
よって、外部加熱ローラと定着ローラ101との温度差が大きい方が、外部加熱ローラから定着ローラ101への熱の付与、即ち定着ローラ101の表面温度上昇△Tは大きくなることから、消費熱量がQ1>Q2となり、消費電力量がW1>W2となる。
このことから、定着ローラ101回転方向上流側の第1外部加熱ローラ103での消費電力量が大きく、第2外部加熱ローラ104での消費電力が小さいことが判明した。よって、第2外部加熱ローラ104のハロゲンヒータ114の定格電力=1000Wは、電力が余剰しており、定格電力をより小さくしても良い。
図9は比較例1の第2外部加熱ローラ104のハロゲンヒータ114への通電のON/OFFと、その際の第2外部加熱ローラ104の表面温度変化を示す図である。
時間t91において第2加熱ローラ104の表面温度が下限設定温度に低下し、ハロゲンヒータ114の通電がONされる。ハロゲンヒータ114へ供給される電力は1000Wと多いため、t91からt92までの短時間に、外部加熱ローラ104の表面温度は上限設定温度に到達する。この場合、温度上昇中の第2外部加熱ローラ114に接触する定着ローラ101の領域は狭くなるので、定着ローラ101の表面温度のムラが目立ってしまう。
(2)比較例2の供給電力
次に、比較例2として、第1外部加熱ローラ103のハロゲンヒータ113定格電力=600W、第2外部加熱ローラ104のハロゲンヒータ114定格電力=600Wの場合を説明する。この時、定着ローラ101のハロゲンヒータ111定格電力=1200W、加圧ローラ102のハロゲンヒータ112定格電力=300Wから、定着装置全定格電力=2700Wである。
図10は比較例2において、プリント開始後の定着ローラ101の温度変化を表す図である。スタンバイ中に温度T1に調整されていた定着ローラは、プリントが開始されて記録材がニップNに達すると温度が下降し、通紙枚数C101では温度は最下点温度T5に到達する。本実施例では、T1=200℃である。
そして、通紙枚数C102を過ぎると、定着ローラ101の温度は最下点温度T5から上昇し、通紙枚数C103で温度T1に達して安定状態(平衡状態)となる。
ここで、最下点温度T5は、比較例1の最下点温度T2よりも低く、定着を満足できる許容範囲の下限をオーバーしており、定着性は許容範囲外であった。
この最下点温度である定着ローラ101温度=T5時の各サーミスタ122、123、124検知温度は、以下のようであった。即ち、第1外部加熱ローラ103温度=210℃、第2外部加熱ローラ104温度=220℃、加圧ローラ102温度=100℃であり、第1外部加熱ローラ103温度が設定温度の220℃よりも低下していた。
なお、ほぼ安定状態であるT1時の各サーミスタ122、123、124検知温度は、第1外部加熱ローラ103温度=220℃、第2外部加熱ローラ104温度=220℃、加圧ローラ102温度=100℃であった。
又、この定着ローラ101の温度がT5である時のニップN1前後及びニップN2前後の定着ローラ101表面温度を、不図示のサーモビュアーで測定した結果を図11で示す。図11にしめすように、ニップN1でT6からT7に上昇し、ニップN2でT7からT5に上昇する。ここで、△T3=T7−T6、△T4=T5−T7とすると、△T3>△T4、かつ△T1>△T3、△T2≒△T4であることが判明した。
又、このT5時の外部加熱ローラで消費される電力量(Wh)を測定すると、第1外部加熱ローラ103電力量=W3、第2外部加熱ローラ104電力量=W4であり、W3>W4、かつW1>W3、W2≒W4であることが判明した。
これは、以下のように説明できる。つまり、図12に示すように、外部加熱ローラの消費熱量は、温度上昇分△T3及び△T4の積分で表される。そして、第1外部加熱ローラ103での消費熱量=Q3、第2外部加熱ローラ104での消費熱量=Q4で表され、Q3>Q4、かつQ1>Q3、Q2≒Q4のためである。
最下点温度T5時において、第1外部加熱ローラ103は、ハロゲンヒータ113の定格電力が小さいために、定着ローラ101に奪われる熱量の方がハロゲンヒータ113から供給される熱量よりも大きくなる。その結果、電力不足となって設定温度を維持できずに温度低下が発生する。
そして、比較例1と比較して、第1外部加熱ローラ103温度が低下することにより、第1外部加熱ローラ103から定着ローラ101への付与熱量が減少する。そして、ニップN1での定着ローラ101表面温度上昇が減少し、第2外部加熱ローラ104から定着ローラ101への付与熱量は比較例1の構成とほぼ同等のため、最下点温度がT2からT5へと低下して定着性が悪化した。
従って、定着ローラ101の最下点温度は、定着ローラ101の回転方向上流側の第1外部加熱ローラ103の定格電力が大きく寄与し、第1外部加熱ローラ103が設定温度を維持できる十分な定格電力が必要であることが判明した。よって、第1外部加熱ローラ103定格電力=600Wは、電力が不足しており、定格電力をより大きくする必要がある。
(3)比較例3の供給電力
次に、比較例3として、第1外部加熱ローラ103のハロゲンヒータ113定格電力=600W、第2外部加熱ローラ104のハロゲンヒータ114定格電力=1000Wの場合を説明する。この時、定着ローラ101のハロゲンヒータ111定格電力=1200W、加圧ローラ102のハロゲンヒータ112定格電力=300Wから、定着装置全定格電力=3100Wである。
この比較例3での温度推移は、比較例2と同様であった。
図10を再び用い、比較例3における定着ローラ101の温変化を説明する。
スタンバイ中に温度T1に調整されていた定着ローラ101は、プリントが開始されて記録材がニップNに達すると温度が下降し、通紙枚数C101では温度は最下点温度T5に到達する。本実施例でも、T1=200℃である。
そして、通紙枚数C102を過ぎると、定着ローラ101の温度は最下点温度T5から上昇し、通紙枚数C103で温度T1に達して安定状態(平衡状態)となる
この最下点温度である定着ローラ101温度=T5時の各サーミスタ122、123、124検知温度は、以下の通りであった。即ち、第1外部加熱ローラ103温度=210℃、第2外部加熱ローラ104温度=220℃、加圧ローラ102温度=100℃であり、第1外部加熱ローラ103温度が設定温度の220℃よりも低下していた。
なお、ほぼ安定状態であるT1時の各サーミスタ122、123、124検知温度は、第1外部加熱ローラ103の温度=220℃、第2外部加熱ローラ104の温度=220℃、加圧ローラ102の温度=100℃であった。
又、定着ローラ101の温度が最下点温度T5である時のニップN1前後及びニップN2前後の定着ローラ101の表面温度を、不図示のサーモビュアーで測定し、その結果を図11に示す。即ち、ニップN1でT6からT7に上昇し、ニップN2でT7からT5に上昇し、△T3=T7−T6、△T4=T5−T7とすると、△T3>△T4、かつ△T1>△T3、△T2≒△T4であることが判明した。
又、このT5時の外部加熱ローラで消費される電力量(Wh)を測定すると、第1外部加熱ローラ103電力量=W3、第2外部加熱ローラ104電力量=W4であり、W3>W4、かつW1>W3、W2≒W4であることが判明した。
これは、以下のように説明できる。つまり、図12に示すように、外部加熱ローラの消費熱量は、温度上昇分△T3及び△T4の積分で表される。そして、第1外部加熱ローラ103での消費熱量=Q3、第2外部加熱ローラ104での消費熱量=Q4と表され、Q3>Q4、かつQ1>Q3、Q2≒Q4となるためである。
定着ローラ101の温度が最下点温度T5の時、第1外部加熱ローラ103は、ハロゲンヒータ113の定格電力が小さいために、定着ローラ101に奪われる熱量の方がハロゲンヒータ113から供給される熱量よりも大きくなる。その結果、電力不足となって設定温度を維持できずに温度低下が発生する。
そして、比較例1の構成と比較して、第1外部加熱ローラ103の温度が低下することにより、第1外部加熱ローラ103から定着ローラ101への付与熱量が減少するため、ニップN1での定着ローラ101の表面温度上昇が減少する。そして、第2外部加熱ローラ104から定着ローラ101への付与熱量は、比較例1の構成とほぼ同等のために、最下点温度がT2からT5へと低下してしまい、定着性が悪化した。比較例3の構成では、第2外部加熱ローラ104のハロゲンヒータ114の定格電力を1000Wと大きくしたが、定着ローラ101との温度差が小さいために第2外部加熱ローラ104から定着ローラ104へ移動する熱量は小さい。従って、比較例2と同様に、定着ローラ101の最下点温度は、定着ローラ101回転方向上流側の第1外部加熱ローラ103の電力が大きく寄与し、第1外部加熱ローラ103が設定温度を維持できる十分な電力が必要であることが判明した。また、第2外部加熱ローラ104の電力は、第2外部加熱ローラが設定温度を維持できる電力であれば良く、必要以上に大きな電力を有しても定着ローラ温度低下防止に効果が無いことも判明した。よって、第1外部加熱ローラ103定格電力=600Wは、電力が不足しており、定格電力をより大きくする必要があり、第2外部加熱ローラ104定格電力=1000Wは、電力が余剰しており、定格電力をより小さくしても良い。
(4)本実施例の供給電力
次に、本実施例の構成を説明する。本実施例では、第1外部加熱ローラ103のハロゲンヒータ113定格電力=1000W、第2外部加熱ローラ104のハロゲンヒータ114定格電力=600Wである。この時、定着ローラ101のハロゲンヒータ111定格電力=1200W、加圧ローラ102のハロゲンヒータ112定格電力=300Wから、定着装置全定格電力=3100Wである。
この本実施例での温度推移は、比較例1と同様であった。
図6を再び用い、本実施例における定着ローラ101の温変化を説明する。
スタンバイ中に温度T1に調整されていた定着ローラ101は、プリントが開始されて記録材がニップNに達すると温度が下降し、通紙枚数C61では温度は最下点温度T2に到達する。本実施例でも、T1=200℃、T2=180℃である。
そして、通紙枚数C62を過ぎると、定着ローラ101の温度は最下点温度T2から上昇し、通紙枚数C63で温度T1に達して安定状態(平衡状態)となる。
本実施例でも比較例1と同じように、最下点温度T2は定着性を満足できる許容範囲の下限の温度であり、最下点温度T2でも定着性は満足される。この最下点温度である定着ローラ101温度=T2時の各サーミスタ122、123、124検知温度は、比較例1と同様に、第1外部加熱ローラ103の温度=220℃、第2外部加熱ローラ104の温度=220℃、加圧ローラ102の温度=100℃であった。
又、このT2時のニップN1前後及びニップN2前後の定着ローラ101表面温度を、不図示のサーモビュアーで測定すると、図5で示すようになる。即ち、比較例1と同様に、ニップN1でT3からT4に上昇し、ニップN2でT4からT2に上昇し、△T1=T4−T3、△T2=T2−T4とすると、△T1>△T2である。
又、このT2時の外部加熱ローラで消費される電力量(Wh)を測定すると、比較例1と同様に、第1外部加熱ローラ103電力量=W1、第2外部加熱ローラ104電力量=W2であり、W1>W2で比較例1と同等であった。
これは、比較例1と同様に、図8に示すように、外部加熱ローラの消費熱量は、温度上昇分△T1及び△T2の積分で表され、第1外部加熱ローラ103での消費熱量=Q1、第2外部加熱ローラ104での消費熱量=Q2で表され、Q1>Q2のためである。
図13は本実施例の第2外部加熱ローラ104のハロゲンヒータ114への通電のON/OFFと、その際の第2外部加熱ローラ104の表面温度変化を示す図である。
時間t131において第2加熱ローラ104の表面温度は下限設定温度に低下し、ハロゲンヒータ114の通電がONされる。ハロゲンヒータ114へ供給される電力は600Wと少ないため、t131からt132までの長い時間に緩やかに、外部加熱ローラ104の表面温度は上限設定温度に到達する。この場合、温度上昇中の第2外部加熱ローラ114に接触する定着ローラ101の領域は広くなるので、定着ローラ101の表面温度のムラは緩和される。
比較例1と比較して本実施例においては、定着装置の全定格電力は3500Wから3100Wに、400W定格電力を減少させることが可能であり、厚紙の定着性能を同等に維持したまま、低電力化も可能となった。
上述のように本実施例では、定着ローラ101回転方向上流側の第1外部加熱ローラ103のハロゲンヒータ113定格電力を大きく、定着ローラ101回転方向下流側の第2外部加熱ローラ104のハロゲンヒータ114定格電力を小さくする。これによって、定着性能維持(最下点温度維持)、低電力化、温度ムラ緩和を行うことが可能な定着装置を提供することができる。
従って、「定着部材回転方向上流側の外部加熱部材の加熱源定格電力>定着部材回転方向下流側の外部加熱部材の加熱源定格電力」とすることにより、定着性能維持、低電力化、温度ムラ緩和を達成可能な定着装置を提供することができる。
定着ローラ101回転方向上流側の第1外部加熱ローラ103の加熱源定格電力は、定着ローラ101回転方向下流側の第2外部加熱ローラ104の加熱源定格電力に対して、20%増以上とする。この結果、低電力化、温度ムラ緩和の効果を得ることができる。
従って、「定着部材回転方向上流側の外部加熱部材の加熱源定格電力≧定着部材回転方向下流側の外部加熱部材の加熱源定格電力×1.2」とするとより好適である。
本実施例では、第1外部加熱ローラ103温度と第2外部加熱ローラ104目標温度を、定着装置部材(サーミスタやPFAチューブ等)の耐熱性の上限から220℃で同一とした。外部加熱ローラ温度が低いと定着ローラを昇温させる加熱能力が低下するので、外部加熱ローラ温度は、耐熱性ぎりぎりの高温に設定するのが好適である。
本実施例では、定着部材として内部に加熱源を具備した定着ローラを採用したが、定着ローラに発熱体を具備せず、外部加熱部材のみで定着ローラを加熱する構成でも本発明の効果は同様である。又、弾性層を具備した定着部材であれば定着ベルト等の他の形態でも本発明の効果は同様である。
又、本実施例では、加圧部材として、内部に加熱源を具備した加圧ローラを採用したが、加圧ローラに発熱体を具備しない構成でも本発明の効果は同様である。
又、本実施例では、加圧部材として、芯金上に弾性層を具備した加圧ローラを採用したが、加圧ベルトや、又は弾性層の無い加圧ローラ及び加圧ベルト等の他の形態でも本発明の効果は同様である。
更に、本実施例では、外部加熱部材として外部加熱ローラを採用した。しかし、外部加熱ベルトや外部加熱フィルム等の他の形態や、発熱体としてハロゲンヒータ以外の電磁誘導加熱方式や面状発熱体等の他の発熱体でも、複数の外部加熱部材を具備する構成であれば本発明の効果は同様である。
又、本実施例では、1つの外部加熱ローラ内に、1つのハロゲンヒータを具備する構成を採用した。しかし、第1及び第2の外部加熱ローラ(103、104)が複数のハロゲンヒータを具備する装置では以下のようにすることで、本発明の効果を得ることができる。即ち、第2の外部加熱ローラ104具備されるハロゲンヒータの定格電力の合計を、第1の外部加熱ローラ103に具備されるハロゲンヒータの定格電力の合計よりも小さくればよい。
なお、本実施例では、各ハロゲンヒータへは各々の定格電力と同じ電力が供給された。しかし、定格電力未満の電力を供給する場合であっても、第2外部加熱部材104のハロゲンヒータ114に供給する最大電力を、第1外部加熱部材103のハロゲンヒータ113に供給する最大電力よりも小さくすることで本発明の効果を得ることができる。
また、第1及び第2の外部加熱ローラ(103、104)が複数のハロゲンヒータを具備する場合であって、定格電力未満の電力を供給する場合にも本発明の効果を得ることはできる。つまり、第2の外部加熱ローラ104具備されるハロゲンヒータへ供給される電力の合計の最大値を、第1の外部加熱ローラ103に具備されるハロゲンヒータのへ供給される電力の合計の最大値よりも小さくすればよい。
(実施例2)
図14〜図17、図19、表1により本発明に係る実施例2について説明する。
本実施例は、実施例1での外部加熱部材に設けられた発熱体の定格電力の関係において、小サイズ紙を通紙した時に発生する非通紙部昇温の低減と、定着部材の最下点温度低下防止とを効率的に達成する構成に関するものである。
なお、本実施例においても、各ハロゲンヒータには各々の定格電力と等しい電力が供給される。
定着装置は、小サイズ紙を通紙した場合、非通紙部昇温が発生する。これは、通紙領域においては、定着部材又は加圧部材の熱を記録材が奪い、定着性を確保するために、熱が供給されて前記定着部材又は加圧部材は所定の温度に維持される。一方、非通紙領域においては、定着部材又は加圧部材の熱が奪われずに、熱が供給され続けるため、前記部材の温度が上昇してしまう。この非通紙部昇温によって、定着装置部材の耐熱性を超えてしまう場合には、例えば弾性層や離型層、及びサーミスタ等が熱劣化によって破損するという問題が発生してしまう。
この非通紙部昇温対策としては、各定着装置部材の加熱源において、長手方向で発熱分布の異なる加熱源を複数具備する構成が用いられる。この構成では、記録材のサイズに応じて、又は各定着装置部材の非通紙領域に配置した温度検知手段の検知温度に応じて、非通紙領域における加熱源の発熱を減少させる。このようにして、通紙領域の定着装置部材の温度を維持したまま、非通紙領域の定着装置部材の昇温が抑えられる。
本実施例の定着装置200を以下に説明するが、定着装置100と同様の構成及び作用の部材は共通の番号を付して説明を省略する。また、実施例2の定着装置200も図1で示した画像形成装置に設置される。
図14の定着装置200は、図2の定着装置100とほぼ同様であるが、各ローラの加熱源(発熱体)として、2本のハロゲンヒータを具備しているのと、各ローラの温度検知手段としてのサーミスタが長手方向に2個具備しているのが異なる点である。なお、本実施例は、ローラ中央が通紙基準となる構成である。図14に示すように、定着ローラ101の発熱体は、例えば定格電力600Wのハロゲンヒータ111aと、定格電力600Wのハロゲンヒータ111bとを有す。そして、ハロゲンヒータ111aとハロゲンヒータ111bの定格電力の合計は1200Wになっている。
ただし、ハロゲンヒータ111aと111bは発熱分布が異なっている。
ハロゲンヒータ111aは、図15に示すように、定格電力が入力された時のローラ中央部の発熱量に対して、ローラ端部の発熱量が30%になるように調整されている。即ち、ハロゲンヒータ111aに定格電力を入力した時の端部の発熱量は、中央部の発熱量に比べて少ない。
以後、ハロゲンヒータ111aは、メインヒータ111aと称する。
ハロゲンヒータ111bは、図16に示すように、定格電力が入力された時のローラ端部の発熱量に対して、ローラ中央部の発熱量が30%になるように調整されている。即ち、ハロゲンヒータ111bに定格電力を入力した時の中央部の発熱量は、端部の発熱量に比べて少ない。
以後、ハロゲンヒータ111bは、サブヒータ111bと称する。
定着ローラ101の表面温度は、定着ローラ101の通紙領域に接触する温度検知手段としてのサーミスタ121aによって検出される。そして、この検出温度に基づいて、温度制御(調整)手段としてのヒータ制御手段230によってメインヒータ111a及びサブヒータ111bがON/OFFされ、所定の目標温度、例えば200℃にて制御される。
この制御も実施例1で示したの定着ローラ101表面温度の制御と同じ方法で行われ、上限設設定温度は目標温度よりも1℃高く、下限設定温度は目標温度よりも1℃低く設定される。
又、定着ローラ101の非通紙領域に接触する温度検知手段としてのサーミスタ121bによって、非通紙領域の定着ローラ101表面温度を監視する。
従って、サーミスタ121aは、通紙領域の定着ローラ101表面温度を所定温度に維持するように、メインヒータ111a及びサブヒータ111bを制御する温度制御用サーミスタであり、以後、メインサーミスタ121aと称する。又、サーミスタ121bは、非通紙領域の定着ローラ101表面温度を監視するサーミスタであり、以後、サブサーミスタ121bと称する。
図14に示すように、加圧ローラ102の発熱体は、例えば定格電力150Wのハロゲンヒータ112aと、定格電力150Wのハロゲンヒータ112bとを有し、合算して定格電力300Wのハロゲンヒータを具備している。ただし、ハロゲンヒータ112aと112bは発熱分布が異なっている。ハロゲンヒータ112aは、図15に示すように、ローラ中央部の発熱比率を100%とすると、ローラ端部において発熱比率が30%となるように発熱分布を調整してあり、ローラ中央部で発熱量が大きく、ローラ端部で発熱量が小さい。以後、ハロゲンヒータ112aは、メインヒータ112aと称する。ハロゲンヒータ112bは、図16に示すように、ローラ端部の発熱比率を100%とすると、ローラ中央部において発熱比率が30%となるように発熱分布を調整してあり、ローラ中央部で発熱量が小さく、ローラ端部で発熱量が大きい。以後、ハロゲンヒータ112bは、サブヒータ112bと称する。
加圧ローラ102の表面温度は、加圧ローラ102の通紙領域に接触する温度検知手段としてのサーミスタ122aによって検出される。そして、ヒータ制御器(ヒータ制御手段)230がメインヒータ112a及びサブヒータ112bをON/OFFすることで、加圧ローラ102の表面温度は、所定の目標温度、例えば130℃にて制御される。この制御も実施例1で示したの定着ローラ101表面温度の制御と同じ方法で行われ、上限設設定温度は目標温度よりも1℃高く、下限設定温度は目標温度よりも1℃低く設定される。図19に本実施例の定着ローラ101の温度制御に関するブロック図を示す。
又、加圧ローラ102の非通紙領域に接触する温度検知手段としてのサーミスタ122bによって、非通紙領域の加圧ローラ102表面温度を監視する。
従って、サーミスタ122aは、通紙領域の加圧ローラ102表面温度を所定温度に維持するように、メインヒータ112a及びサブヒータ112bを制御する温度制御用サーミスタであり、以後、メインサーミスタ122aと称する。又、サーミスタ122bは、非通紙領域の加圧ローラ102表面温度を監視するサーミスタであり、以後、サブサーミスタ122bと称する。
図14に示すように、第1外部加熱ローラ103の加熱源は、例えば定格電力500Wのハロゲンヒータ113aと、定格電力500Wのハロゲンヒータ113bとを有する。そして、ハロゲンヒータ113aとハロゲンヒータ113bの定格電力の合計は1000Wになっている。ただし、ハロゲンヒータ113aと113bは発熱分布が異なっている。ハロゲンヒータ113aは、図15に示すように、ローラ中央部の発熱比率を100%とすると、ローラ端部において発熱比率が30%となるように発熱分布を調整してあり、ローラ中央部で発熱量が大きく、ローラ端部で発熱量が小さい。以後、ハロゲンヒータ113aは、メインヒータ113a(第1メインヒータ)と称する。ハロゲンヒータ113bは、図16に示すように、ローラ端部の発熱比率を100%とすると、ローラ中央部において発熱比率が30%となるように発熱分布を調整してあり、ローラ中央部で発熱量が小さく、ローラ端部で発熱量が大きい。以後、ハロゲンヒータ113bは、サブヒータ113b(第1サブヒータ)と称する。
第1外部加熱ローラ103の表面温度は、第1外部加熱ローラ103の通紙領域に接触する温度検知手段としてのサーミスタ123aによって検出される。そして、第1外部加熱ローラ103の表面温度は、ヒータ制御手段230によってメインヒータ113a及びサブヒータ113bがON/OFFされることで、所定の目標温度、例えば220℃にて制御される。この制御も実施例1で示したの定着ローラ101表面温度の制御と同じ方法で行われ、上限設設定温度は目標温度よりも1℃高く、下限設定温度は目標温度よりも1℃低く設定される。
又、第1外部加熱ローラ103の非通紙領域に接触する温度検知手段としてのサーミスタ123bによって、非通紙領域の第1外部加熱ローラ103表面温度を監視する。
従って、サーミスタ123aは、通紙領域の第1外部加熱ローラ103表面温度を所定温度に維持するように、メインヒータ113a及びサブヒータ113bを制御する温度制御用サーミスタであり、以後、メインサーミスタ123aと称する。又、サーミスタ123bは、非通紙領域の第1外部加熱ローラ103表面温度を監視するサーミスタであり、以後、サブサーミスタ123bと称する。
第2外部加熱ローラ104は、第1外部加熱ローラ103とほぼ同様の構成である。
図14で示すように、第2外部加熱ローラ104の発熱体は、例えば定格電力300Wのハロゲンヒータ114aと、定格電力300Wのハロゲンヒータ114bとを有し、合算して定格電力600Wのハロゲンヒータを具備している。ただし、ハロゲンヒータ114aと114bは発熱分布が異なっている。
ハロゲンヒータ114aは、図15に示すように、ローラ中央部の発熱比率を100%とすると、ローラ端部において発熱比率が30%となるように発熱分布を調整してあり、ローラ中央部で発熱量が大きく、ローラ端部で発熱量が小さい。
以後、ハロゲンヒータ114aは、メインヒータ114a(第2メインヒータ)と称する。
ハロゲンヒータ114bは、図16に示すように、ローラ端部の発熱比率を100%とすると、ローラ中央部において発熱比率が30%となるように発熱分布を調整してある。つまり、ローラ中央部で発熱量が小さく、ローラ端部で発熱量が大きい。以後、ハロゲンヒータ114bは、サブヒータ114b(第2サブヒータ)と称する。
第2外部加熱ローラ104の表面温度は、第2外部加熱ローラ104の通紙領域に接触する温度検知手段としてのサーミスタ124aによって検出される。そして、検出された温度に基づいて、ヒータ制御手段230はメインヒータ114a及びサブヒータ114bON/OFFし、所定の目標温度、例えば220℃によって制御(温度調節)する。
又、第2外部加熱ローラ104の非通紙領域に接触する温度検知手段としてのサーミスタ124bによって、非通紙領域の第2外部加熱ローラ104表面温度を監視する。
従って、サーミスタ124aは、通紙領域の第2外部加熱ローラ104表面温度を所定温度に維持するように、メインヒータ114a及びサブヒータ114bを制御する温度制御用サーミスタであり、以後、メインサーミスタ124aと称する。又、サーミスタ124bは、非通紙領域の第2外部加熱ローラ104表面温度を監視するサーミスタであり、以後、サブサーミスタ124bと称する。
前記した各ローラにおいて、各メインヒータ(111a、112a、113a、114a)と、各サブヒータ(111b、112b、113b、114b)の2本を同時にON(点灯)した場合には、長手方向で発熱量が略均一となるように設計されている。
非通紙部昇温対策に関して説明する。非通紙部昇温対策は、小サイズ紙の通紙により各ローラの非通紙領域が昇温した際、各ローラのサブヒータ(111b、112b、113b、114b)の点灯比率を低下させるものである。この点灯比率は、各ローラの非通紙領域のサブサーミスタ(121b、122b、123b、124b)の検知温度に応じて、又は記録材のサイズに応じて、変更される。
点灯比率の変更は、ハロゲンヒータの場合、例えば時間分割制御が用いられる。時間分割制御は、例えば表1の点灯比率と時間分割制御の関係から決定される。
点灯比率=50%の場合を一例として説明する。
各ローラの温度制御用の各メインサーミスタ(121a、122a、123a、124a)で検知された温度が下限設定温度より低下すると、各メインヒータ(111a、112a、113a、114a)がON(点灯)される。このとき、各サブヒータ(111b、112b、113b、114b)もON(点灯)される。このとき、メインヒータを全ON(点灯)させ、サブヒータは、2秒ON(点灯)と2秒OFF(消灯)が繰り返される。
よって、ローラ端部の発熱量が多いサブヒータの点灯比率を低下させることによって、ローラ端部の発熱量が減少し、非通紙部昇温を低減することができる。
中央部は、ローラ中央部の発熱量が多いメインヒータを全ON(点灯)することによって、通紙部の温度は所定温度に維持され、定着性が確保される。なお、メインサーミスタが設定温度より上昇した場合には、メインヒータとサブヒータはOFF(消灯)である。
よって、サブヒータ点灯比率とは、メインヒータの点灯時における、メインヒータに対してサブヒータを点灯する割合を示すものである。つまり、メインヒータへの通電時間に対するサブヒータへの通電時間の割合を示すものである。
又、点灯比率は、記録材の秤量、紙種、サイズ等の条件に応じて、任意に選択できる。
ここで、外部加熱部材の非通紙部昇温に関して説明する。
小サイズ紙を通紙することにより、定着ローラ101の非通紙領域は熱が蓄積して非通紙部昇温が発生する。同様に、外部加熱ローラの非通紙領域対応部においても、熱が蓄積して非通紙部昇温が発生する。
外部加熱ローラの通紙領域に対応する領域は、定着ローラ101の温度低下した通紙領域に熱が奪われるために、熱を供給して所定温度に維持する。そして、外部加熱ローラの非通紙領域対応部は、定着ローラ101が非通紙部昇温により高温となるために、熱が奪われずに蓄積して、非通紙部昇温が発生する。従って、記録材と接触しない外部加熱部材においても、記録材と接触する定着部材や加圧部材と同様に、非通紙部昇温のレベルは定着部材や加圧部材に比較すると小さいレベルではあるが、非通紙部昇温が発生する。
この外部加熱ローラの非通紙部昇温を効率的に減少させ、かつ通紙時の最下点温度低下を防止する方法として、以下の方法が好適あることが本発明者の検討によって明らかになった。即ち、第1外部加熱ローラ103のサブヒータ113bの点灯比率(以下、第1点灯比率と称する)を、第2外部加熱ローラ104のサブヒータ114bの点灯比率(以下、第2点灯比率と称する)よりも小さくする方法である。
具体的には、例えば、第1点灯比率=33%、第2点灯比率=75%である。
又、外部加熱ローラの非通紙部昇温を防止することにより、定着ローラの非通紙部昇温も低減することができる。
最大通紙可能幅(定着ローラ101の回転軸方向):297mm(A4横の幅)の定着装置200に対して、小サイズ紙として、秤量300g/m2のLGL紙(リーガル紙、幅215.9mm、長さ:355.6mm)を縦置き約67ppmで連続通紙した。非通紙部昇温は、幅が小さく、長さが長いリーガル紙等が厳しい条件である。
本実施例では、紙サイズに応じて、サブヒータ(111b、112b、113b、114b)の点灯比率を変更する構成を採用した。
定着ローラ101及び加圧ローラ102は、サブヒータ111b及びサブヒータ112bの点灯比率=50%とした。
非通紙部温度はサブサーミスタ(121b、122b、123b、124b)で検知しされる。非通紙部の上限温度は、弾性層や離型層等の定着装置部材の耐熱性から、サブサーミスタによる検知値で、定着ローラ表面温度=220℃、第1及び第2外部加熱ローラ表面温度=230℃である。
(1)比較例4の点灯比率設定
まず、比較例4として、第1外部加熱ローラ103のサブヒータ113bの第1点灯比率=75%、第2外部加熱ローラ104のサブヒータ114bの第2点灯比率=75%とした。この場合には、定着ローラ101の非通紙部温度=224℃、及び第1外部加熱ローラ103の非通紙部温度=234℃となり、上限温度を超えてしまう問題が発生した。第2外部加熱ローラ104の非通紙部温度=228℃であり、上限温度以下でOKであった。この時の定着ローラ101最下点温度=T2で、記録材の定着性は問題無く、OKであった。又、T2時において、第1外部加熱ローラ103のメインサーミスタ123a検知温度=220℃、第2外部加熱ローラ104のメインサーミスタ124a検知温度=220℃で、どちらも設定温度を維持していた。従って、第1点灯比率を、さらに低下させる必要がある。
(2)比較例5の点灯比率設定
次に、比較例5として、第1点灯比率=50%、第2点灯比率=50%とした。この場合には、定着ローラ101の非通紙部温度=221℃、第1外部加熱ローラ103の非通紙部温度=231℃となり、比較例4と比較すると、非通紙部昇温は低減して良化したが、まだ上限温度を超えてしまう問題が発生した。第2外部加熱ローラ104の非通紙部温度=225℃であり、上限温度以下でOKであった。しかし、この時、図17 に示すように、定着ローラ101の最下点温度=T8であり、T2よりも低下して記録材の定着性は悪化してNGとなってしまった。本実施例ではT8=175℃であった。
定着ローラ101の最下点温度がT8時の第1外部加熱ローラ103のメインサーミスタ123a検知温度=220℃、第2外部加熱ローラ104のメインサーミスタ124a検知温度=210℃であった。即ち、第2外部加熱ローラ104が目標温度よりも低下したことによる外部加熱性能の低下により、定着ローラ101の最下点温度が低下してしまった。
よって最下点温度低下による定着性悪化は、サブヒータ114bの点灯比率を小さくしたことにより、第2外部加熱ローラ104の電力が不足して、第2外部加熱ローラの温度低下が発生したことによるものである。従って、第1点灯比率を小さくして、第2点灯比率を大きくする必要がある。
(3)本実施例の点灯比率設定
次に、本実施例として、第1点灯比率=33%、第2点灯比率=75%とした。温度制御手段230は、定着ローラ101の回転軸方向の長さが212.9mm以下の紙を使用する場合に、第1点灯比率=33%、第2点灯比率=75%とする。一方、定着ローラ101の回転軸方向の長さが212.9mmよりも長い紙を使用する場合には、第1点灯比率=100%、第2点灯比率=100%とする。また、温度制御手段230は、図1の操作部2531に入力された紙(記録材)の回転軸方向の長さに関する情報、または、図1の記録材幅検知器26によって検知された回転軸方向の長さに関する情報に基づいて、上記点灯比率を変更する。ここで、記録材幅検知器26としては、搬送経路Dを挟むように設けられた、一対の発光素子及び受光素子を用いることができる。
この場合には、定着ローラ101の非通紙部温度=218℃、第1外部加熱ローラ103の非通紙部温度=228℃、第2外部加熱ローラ104の非通紙部温度=228℃となり、上限温度以下でOKであった。
この時の定着ローラ101最下点温度=T2で、記録材の定着性は問題無く、OKであった。
又、T2時の第1外部加熱ローラ103のメインサーミスタ123a検知温度=220℃、第2外部加熱ローラ104温度のメインサーミスタ124a検知温度=220℃で、どちらも設定温度を維持していた。
従って、「第1点灯比率<第2点灯比率」とすることにより、非通紙部昇温低減と最下点温度低下防止を両立できた。
よって、本実施例のように、小サイズ通紙時において、「第1点灯比率<第2点灯比率」とすることにより、効率的に非通紙部昇温を低減して、かつ定着ローラ101の最下点温度低下を防止して、良好な定着性を確保することができる。
「第1外部加熱ローラ103の定格電力>第2外部加熱ローラ104の定格電力」の場合、小サイズ通紙時の非通紙部昇温対策として「第1点灯比率<第2点灯比率」とすることが必要であることが判明した。
これは、非通紙部昇温を低減させるためには、定格電力が大きい方の外部加熱ローラのサブヒータ点灯比率を、定格電力が小さい方の外部加熱ローラのサブヒータ点灯比率より小さくすることが必要なためである。
ただし、最下点温度低下を防止するためには、外部加熱ローラ温度が設定温度より低下しない範囲内で、外部加熱ローラのサブヒータ点灯比率を小さくすることが必要である。
更に、「第1点灯比率<第2点灯比率」とした場合でも、点灯比率を加味したメインヒータとサブヒータを合算した実効電力において、「外部加熱1ローラの加熱源電力>外部加熱2ローラの加熱源電力」の関係を維持することも必要である。
又、本実施例のように、外部加熱ローラのサブヒータ点灯比率を小さくしても、実施例1と比較して最下点温度が低下しない理由は以下のように考えられる。つまり、小サイズ紙の場合には、紙幅が小さいために、紙幅が大きい記録材と比較して、定着ローラ103から単位時間当たりに奪う熱量が小さい。また、非通紙領域で蓄積及び昇温した熱量が通紙領域に芯金を通して移動する。したがって、サブヒータ点灯比率を小さくして電力が小さくなっても、外部加熱ローラ温度を維持することができる。
また、本実施例では、記録材のサイズに応じて、サブヒータの点灯比率を変更する構成としたが、非通紙部領域の温度を検知して、段階的に点灯比率を変更すると、さらに非通紙部昇温低減と最下点温度低下防止が可能である。
例えば、前記条件のリーガル紙通紙時において、第1点灯比率=100%、第2点灯比率=100%でスタートして、サブサーミスタ123b又は124bのどちらかが224℃を検知した時点に、例えば第1点灯比率=33%、第2点灯比率=75%に変更する。
さらにサブサーミスタ123b又は124bのどちらかが226℃を検知した時に、例えば第1点灯比率=25%、第2点灯比率=60%に変更する。
この場合には、非通紙部領域が十分高温になってからサブヒータの点灯比率を小さくするので、通紙領域に非通紙領域の熱が回り込む量が大きく、最下点温度低下を防止する効果が大きくなる。更にサブヒータの点灯比率を、より小さくすることが可能となり、非通紙部昇温防止効果も大きくなる。
又、外部加熱ローラ103及び104よりも定着ローラ101において非通紙部昇温が大きい。したがって、定着ローラ101の非通紙部温度(サブサーミスタ121b検知温度)に応じて、外部加熱ローラ103及び104のサブヒータ113b及び114bの点灯比率を変更する構成としてもよい。この場合も、定着ローラ101と外部加熱ローラ103及び104の非通紙部昇温を低減する効果は同様である。
実施例1において、省電力の観点から「定着部材回転方向上流側の外部加熱部材の加熱源電力≧定着部材回転方向下流側の外部加熱部材の加熱源電力×1.2」が好適であると説明したが、この場合に対応して、電力比分をサブヒータ点灯比率に反映させると良い。
よって、「前記定着部材回転方向上流側の外部加熱部材の少なくとも1つの加熱源の点灯比率×1.2≦前記定着部材回転方向下流側の外部加熱部材の少なくとも1つの加熱源の点灯比率」とすると好適である。
本実施例では、加熱源としてハロゲンヒータを採用したために点灯比率という言葉を使用したが、加熱源として例えば、面状基材上に抵抗発熱体を塗布した面状発熱体の場合には、通電比率という言葉を使用しても良い。
又、本実施例では、メインヒータとサブヒータを同時ON(点灯)した場合、長手方向で発熱量が略均一となるように設計されたヒータを採用した。しかし、必ずしも略均一でなくても良く、例えばローラ端部からの放熱が大きい場合には、ローラ端部での発熱量が大きくなるようなメインヒータ及びサブヒータを採用しても効果は同様である。