JP2004271905A - 定着装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】各種サイズのシートに対して、適切な定着処理を可能にしつつ、定着手段の昇温の問題にも対応しながら、シートの搬送性の向上を図った定着装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】定着ローラ81の表面温度が190℃未満の場合には、メインヒータ82もサブヒータ83も常時点灯させる。そして、定着ローラ81の表面温度が190℃以上195℃未満の場合には、サブヒータ83は常時点灯させるのに対して、メインヒータ82は5秒のうち2秒だけ点灯させる。そして、定着ローラ81の表面温度が195℃以上の場合には、サブヒータ83もメインヒータ82も消灯させる。
【選択図】 図5
【解決手段】定着ローラ81の表面温度が190℃未満の場合には、メインヒータ82もサブヒータ83も常時点灯させる。そして、定着ローラ81の表面温度が190℃以上195℃未満の場合には、サブヒータ83は常時点灯させるのに対して、メインヒータ82は5秒のうち2秒だけ点灯させる。そして、定着ローラ81の表面温度が195℃以上の場合には、サブヒータ83もメインヒータ82も消灯させる。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、未定着画像を記録材上に定着する定着装置及びこれを備える画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式及び静電記録方式の画像形成装置、例えば、複写機,レーザービームプリンタ等には、接触加熱方式(熱定着方式)の定着装置を備えたものが知られている。
【0003】
従来技術に係る定着装置の一例として、アルミニウムや鉄の芯金の表面に耐熱離型層を被覆した定着体たる定着ローラと、ステンレス等の芯金の周囲に耐熱弾性層を形成した加圧体たる加圧ローラとを備え、定着ローラの芯金内に配設した加熱手段たるハロゲンヒータにより定着ローラを加熱する構成が知られている。
【0004】
このような定着装置にあっては、加圧ローラが、バネ等により定着ローラに圧接されてニップを形成しており、未定着のトナー像を担持する記録媒体(記録材)となるシートがこのニップで挟持搬送されると、加熱かつ加圧して、未定着のトナー像をシートに定着する。
【0005】
しかしながら、かかる定着装置においては、定着ローラの回転軸の軸線方向における配光分布が単一のハロゲンヒータによって、定着ローラ表面の温度分布を調整する場合、小サイズのシートをニップに連続搬送した際の非通紙部昇温を抑えることは困難である。その理由は、シートは熱を奪うため、定着ローラ表面のうち通紙部の熱は奪われるが、非通紙部の熱は奪われないからである。より詳しく説明すると、装置に搬送され得る最大シートに対応するために、定着ローラ表面上の長手方向温度分布を均一にするには、ローラ長手方向全体に熱を与える必要がある。一方、小サイズのシートをニップに連続搬送した際の非通紙部昇温を抑えるには、非通紙部に熱を与えないことが必要である。しかし、配向分布が単一のハロゲンヒータによって、これらを同時に満たすのは事実上不可能である。
【0006】
そこで、定着ローラの回転軸の軸線方向における配光分布が異なる二つのハロゲンヒータを用いて、各々のヒータを時分割制御にて点灯する構成が提案されている。この構成では、上記軸線方向中央部をメインに加熱するハロゲンヒータと、上記軸線方向両端部をメインに加熱するハロゲンヒータが定着ローラ内に設置されている。そして、各ヒータはCPUにより駆動制御が行われ、通紙されるシートサイズに応じて、上記軸線方向における最適な温度分布が得られるよう各ヒータの独立制御が行われる。
【0007】
また、定着ローラの長手方向の温度分布は、紙しわなどのシート搬送性にも大きな影響を与える。そこで、シートの搬送性の問題も考慮したヒータの制御も、合わせて考えられている。特に、近年において、複写機やプリンタ等の画像形成装置に対して、薄紙から厚紙まで、従来以上にさまざまな種類のシートに対して、好適に未定着画像を定着させることへの要求が高まってきている。
【0008】
薄紙は一般に紙のこしが弱いため、ニップ部を通過する際に、紙しわが発生したり、ニップ部に導入される直前で定着ローラに未定着画像がこすれて、「ちりめん」とよばれる画像不良が発生したりすることがある。又、厚紙はこしが強いため、ニップ部を通過する際に、紙の後端が反り上がってしまい、通紙安定性が損なわれたり、未定着画像が飛び散って、画像不良が発生したりすることがある。
【0009】
このような、シートの搬送性の問題に対しては、定着ローラの熱に関する制御だけではなく、例えば、定着ローラ又は加圧ローラの長手方向(回転軸線方向)に対して、中央部よりも両端部の外径を大きくする、所謂逆クラウン形状を設けるなど、ローラの形状を工夫することも考えられている。
【0010】
しかし、例えば、逆クラウン形状の場合には、「紙しわ」は改善されるが、むしろ「後端はね」や「ちりめん」は悪化してしまい、ローラの形状により、「紙しわ」と「後端はね」と「ちりめん」のいずれにも対応するのは非常に困難である。また、これらに対して、それぞれ対応するためにローラの形状を色々と工夫すると、定着装置構成の設計の自由度を狭くする結果を招き、薄紙から厚紙まで広い転囲の種類のシート搬送を満足することは益々困難となる。そして、定着ローラ及び加圧ローラの外径管理も難しくなり、コストアップを招くことにもなる。更に、実際には、紙のこしに対して、紙が吸収している水分量も大きな影響を与えるため、更に設計の自由度は狭くなってしまう。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記の通り、搬送される各種サイズのシートに対して、適切な加熱を行うために、加熱分布(加熱手段がハロゲンヒータの場合には配向分布に相当する)の異なる複数の加熱手段を設けたとしても、シートの搬送性の課題が残されている。
【0012】
ここで、例えば中央に加熱のピークをもった加熱手段と、端部に加熱のピークをもった加熱手段を設けた画像形成装置が、複数の加熱手段を設けたものとして一般的である。また、定着ローラは筒状の形をしている場合が多いので、端部からの放熱が、中央に比べて大きく、加熱手段がオンされていないと、中央に比べて端部の温度が下がりやすくなりなる場合が多い。ここで、定着ローラの検知温度が、目標温度に達している場合に、どちらの加熱手段も共に、通電せず、目標温度以下の場合に、どちらの加熱手段も略同等の通電時間比で通電すると、加熱手段が通電されていない間に、定着ローラ端部の温度が中央に比べて、低くなってしまう場合がある。
【0013】
この課題をローラ形状の工夫によって解決しようとする場合には、設計自由度を低下させるなどの他の問題が生じてしまう。
【0014】
そこで、本発明の定着装置及びこれを備える画像形成装置の目的は、目標温度を維持しつつ、各種サイズのシートに対して、適切な定着処理を可能にしつつ、定着回転体の昇温の問題にも対応しながら、定着ローラの温度分布を適正に保ちしわ、後端はねが出ない様にシートの搬送性の向上を図ることにある。
【0015】
また、本発明の目的は、ローラの形状を工夫しなくても(勿論、工夫しても構わないが)、シートの搬送性の向上を実現できることにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
【0017】
すなわち、本発明においては、加熱ピークの位置が異なる複数の加熱手段に対してオン・オフ制御することによって、定着回転体における回転軸方向の温度分布を適正にすることで、シートの搬送性の向上を図った。
【0018】
本発明の定着装置は、
記録材上に形成された像を熱により定着する定着回転体と、
該定着回転体に圧接し、記録材を挟持搬送するニップを形成する加圧体と、を備える定着装置において、
前記定着回転体の中央部に加熱ピークを有し、該定着回転体を加熱する第1加熱体と、
前記定着回転体の端部に加熱ピークを有し、該定着回転体を加熱する第2加熱体と、
前記定着回転体の温度を検知する温度検知体と、
温度検知体の出力に基づいて加熱体への通電を制御する通電制御手段と、を有する定着装置において、
前記定着回転体の温度に応じて、前記第1加熱体及び第2加熱体への通電比率を変更することを特徴とする。
【0019】
ここで、前記制御手段は、前記定着回転体の温度が高いほど、第1加熱体に比べて第2加熱体へ通電する比率を大きくするとよい。
【0020】
また、記録材上に形成される画像に応じて、連続定着動作中の搬送される記録材の搬送間隔が異なり、この搬送間隔が基準間隔よりも広くなると、
前記制御手段は、前記定着回転体の温度が高いほど、第1加熱体に比べて第2加熱体へ通電する比率をより大きくすることも好適である。
【0021】
前記制御手段は、前記定着回転体の温度が基準温度を越えている場合には、第1加熱体及び第2加熱体への通電を停止するとよい。
【0022】
前記定着回転体は、筒状の金属基材で構成された芯金と、その外周に設けられる0.2mm以上4mm以下の弾性層を有する定着ローラであるとよい。
【0023】
前記弾性層の熱伝導率が0.210W/mK以上0.838W/mK以下であるとよい。
【0024】
前記制御手段が前記第1加熱体及び第2加熱体へ通電する割合を変更するパラメータに、搬送される記録材の間隔が含まれるとよい。
【0025】
前記制御手段が前記第1加熱体及び第2加熱体へ通電する割合を変更するパラメータに、搬送される記録材の坪量が含まれることも好適である。
【0026】
前記ニップ部を通過する際の記録材の移動方向が、重力方向に対して略平行であるとよい。
【0027】
前記加圧体を加熱する第3加熱手段を備えるとよい。
【0028】
また、本発明の画像形成装置は、静電潜像を担持する像担持体と、
該像担持体上に担持された静電潜像を現像化する現像手段と、
該現像手段によって現像化された現像を直接あるいは間接に記録材上に転写する転写手段と、
該転写手段によって記録材上に転写された未定着画像を記録材上に定着させる上記定着装置と、を備えることを特徴とする。
【0029】
前記像担持体は一つだけ設けられ、かつ、単色画像及び複数色画像を形成可能に構成されているとよい。
【0030】
また、本発明の画像形成装置は、
記録材上に形成された像を熱により定着する定着回転体と、該定着回転体に圧接し、記録材を挟持搬送するニップを形成する加圧体と、を有する定着装置を備え、
単色画像と複数色画像を選択的に形成する画像形成装置において、
前記定着回転体を加熱する加熱体と、
前記定着回転体の表面温度に応じて、該加熱手段のオン・オフ制御を行う制御手段と、を設けると共に、
該制御手段により行われる制御では、
単色画像を形成する場合には、前記定着回転体の温度が目標温度を超えると判断されている間には、前記加熱体がオンとされている状態は含まれず、
複数色画像を形成する場合には、前記目標温度を超えると判断されている間には、前記加熱体がオンとされている状態を含むことを特徴とする。
【0031】
前記加熱体には、
前記定着回転体の中央部に加熱ピークを有する第1加熱体と、
前記定着回転体の端部に加熱ピークを有する第2加熱体と、が含まれ、
前記定着回転体の温度が、前記目標温度から該目標温度よりも高い温度に設定された設定温度までの間にある場合には、前記制御手段は、前記第2加熱体を常にオンとし、かつ、第1加熱体は間欠的にオンとする制御を行うとよい。
【0032】
また、前記加熱手段には、
前記定着回転体の中央部に加熱ピークを有する第1加熱体と、
前記定着回転体の端部に加熱ピークを有する第2加熱体と、が含まれ、
前記定着回転体の温度が、前記目標温度から該目標温度よりも高い温度に設定された設定温度までの間にある場合には、前記制御手段は、前記第2加熱体を常にオンとし、かつ、第1加熱体はオフとする制御を行うことも好適である。
【0033】
また、本発明の画像形成装置は、記録材上に形成された像を熱により定着する定着回転体と、該定着回転体に圧接し、記録材を挟持搬送するニップを形成する加圧体と、を有する定着装置を備える画像形成装置において、
前記定着回転体の中央部に加熱ピークを有し、該定着回転体を加熱する第1加熱体と、
前記定着回転体の端部に加熱ピークを有し、該定着回転体を加熱する第2加熱体と、
装置の稼動中は常時前記加圧体を加熱する第3加熱体と、
前記定着回転体の表面温度に応じて、前記第1加熱体及び第2加熱体のオン・オフ制御を行う制御手段と、を設けると共に、
該制御手段は、基準サイズよりも大きな記録材が搬送される場合に、
前記定着回転体の表面温度が目標温度を超えている場合には、前記第1加熱体及び第2加熱体のいずれもオフとし、
前記定着回転体の表面温度が該目標温度よりも低く設定された設定温度から該目標温度までの間にある場合には、前記第1加熱体を常にオンとして、前記第2加熱体を間欠的にオンとし、
前記定着回転体の表面温度が前記設定温度よりも低い間は、前記第1加熱体及び第2加熱体のいずれも常時オンとすることを特徴とする。
【0034】
ここで、上記定着回転体としては、例えば、定着ローラ,定着ベルト,定着フィルムを採用できる。また、上記加圧体としては、加圧ローラや加圧ベルトを採用できる。また、加熱体としては、電熱式ヒータを採用できる。
【0035】
なお、上記各構成は、可能な限り組み合わせて採用し得る。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0037】
(第1の実施の形態)
図1〜図6を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る定着装置及びこれを備える画像形成装置について説明する。
【0038】
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置について説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の主要構成を示す模式図である。本実施の形態では、画像形成装置の一例として、ネガプロセスを用いたフルカラーレーザービームプリンターを例にして説明する。図1では、中間転写体を使用したフルカラーレーザービームプリンター(複写機などについても同様の構成である)の主要構成を模式的に示している。
【0039】
本実施の形態に係るフルカラーレーザービームプリンターは、静電潜像及び現像を担持する像担持体として感光体1を備えている。感光体1は図中矢印方向に回転するように構成されている。そして、その周囲には、上流から順に、感光体1の表面をマイナス極性に一様に帯電する一次帯電器2と、画像信号に基づいて感光体1を露光して静電潜像を形成するレーザー露光装置3と、静電潜像にトナーを付着させて現像する現像器4,5が配置されている。
【0040】
そして、感光体1の現像位置下流には、現像を担持する中間転写体6が配置されている。また、中間転写体6の下流には二次転写ベルト7が配置されている。更に、二次転写ベルト7のシート搬送方向の下流には定着装置8が配置されている。
【0041】
このように構成されたフルカラーレーザービームプリンターにおける画像形成プロセスを順に説明する。
【0042】
感光体1の表面は、一次帯電器2によって、例えば−550Vに均一に帯電される。次いで、その表面上に、レーザー露光装置3によって画像パターンが露光されて静電潜像が形成される。露光後の感光体表面は未露光部分電位(VD)が−550V、露光部分電位(VL)は−150Vとなる。現像器4,5の現像スリーブに−350Vの現像バイアスが印加されると、感光体表面電位の低いVL部は負帯電性のネガトナーで現像されて、静電潜像は顕像化する。
【0043】
中間転写体6は、円筒状で導電性支持体として金属の芯金に、少なくともゴム,エラストマー,樹脂からなる弾性層を有するローラ形状、さらにはその弾性層の上層に一層以上の被覆層を有するドラム形状のものである。中間転写体6は感光体1上の現像を転写する機能を備えており、感光体1とほぼ等速で図中矢印方向に回転している。中間転写体6の芯金に一次転写バイアス(T1)として+300V印加すると、感光体1上のトナー像(トナーのよって顕像化された現像)は、一次転写ニップ部において感光体1のVL部と中間転写体6との450Vの電位差によって中間転写体6に転写される。
【0044】
白黒画像などの単色画像の場合は、この後、直ちに後述の2次転写工程に移る。またフルカラーの画像形成の場合には、上記工程を、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の四色のトナーについてタイミングを合わせて繰り返すことで中間転写体6上に四色の色が重なったフルカラー画像が形成される。
【0045】
次に、2次転写ベルト7を中間転写体6に加圧して2次転写ニップを形成し、中間転写体6上の画像先端と同期させて紙などの記録媒体(記録材)となるシートを2次転写ニップに送り込む。そして二次転写ベルト7に+20μAの2次転写バイアスを印加すると、トナー画像はシートに転写される。
【0046】
トナー像が転写されたシートは定着装置8に送り込まれる。定着装置8は一対のローラ、すなわち、定着回転体となる定着ローラ81と加圧体となる加圧ローラ84とを備えている。定着ローラ81にはメインヒータ82とサブヒータ83が内蔵されている。そして、定着ローラ81と加圧ローラ84は一定の圧力で互いに加圧されている。また、定着ローラ81の表面温度を検出する温度検知体としての定着温度センサ9が設けられている。そして、定着温度センサ9の出力値に基づいてメインヒータ82とサブヒータ83のON/OFF制御を行って定着ローラ81の表面温度を制御している。
【0047】
定着ローラ81の表面温度は、プリンタが待機状態のときにはスタンバイ温度として180℃になるように制御され、プリント時にはプリント温度として190℃になるように制御されている。シートが定着装置8を通過する際に、シートに熱と圧力が付与されて、シート上の未定着のトナー像は、混色と同時にシート上に定着される。このようにして、フルカラー画像が得られる。
【0048】
一般的に、本実施の形態の場合の様に、像担持体としての感光体が、一つだけ備えられたカラーの画像形成装置においては、感光体に対する画像形成動作の回数の違いにより、単色画像とフルカラー画像でシートの搬送間隔が異なる。すなわち、単色画像の場合における搬送間隔の方が、フルカラー画像の場合における搬送間隔よりも短くなるのが一般的である。実際に、本実施の形態に係る画像形成装置を採用すると、シートの搬送間隔が異なるために、シートが機外に排出される速度は、単色画像の方が、フルカラー画像の場合に比べて約4倍速くなる。より具体的な例を挙げると、シートの排出速度は、A3サイズの場合で単色画像が16枚/分に対して、フルカラー画像の場合には4枚/分となる。
【0049】
シートの搬送間隔でいうと、A3サイズの場合で、シートの先端と先端の間隔でいうと、単色画像が3.75秒毎、フルカラー画像の場合、15秒毎にシートが搬送されることになる。
【0050】
次に、図2を参照して、本実施の形態に係る定着装置8について、更に詳しく説明する。図2は本発明の第1の実施の形態に係る定着装置の主要構成を示す模式図である。
【0051】
定着装置8は、上述のように、定着ローラ81と加圧ローラ84とを備えている。そして、定着ローラ81は、中空で肉厚1.6mmの鉄製の芯金81aと、その表面上に設けられる厚さ2.3mmのシリコーンゴム層81bと、更にその表面上に設けられる厚さ50μmのPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)チューブ層81cとを有する。この定着ローラ81の外径は50mmである。また、シリコーンゴム層81bにおけるローラの軸線方向の寸法は330mmである。また、このシリコーンゴム層81bで用いられたシリコーンゴムの熱伝導率は0.503W/mKである。
【0052】
一方、加圧ローラ84は、中空で肉厚2.5mmの鉄製の芯金82aと、その表面上に設けられる厚さ2.1mmのシリコーンゴム層82bと、更にその表面上に設けられる70μm厚のPFAチューブ層82cとを有する。この加圧ローラ84の外径は40mmである。また、シリコーンゴム層82bにおけるローラの軸線方向の寸法は333mmある。
【0053】
ここで、定着ローラ81は、第1加熱体としてのメインヒータ82と第2加熱体としてのサブヒータ83が、芯金81a内に配設されている。そして、定着ローラ81の軸線方向ほぼ中央に当接配設されたサーミスタ9によって定着ローラ81の表面温度が検出され、この検出温度に基づいて制御装置(CPU)10によりメインヒータ82及びサブヒータ83のオン・オフが制御される。このようにして、定着ローラ81の表面温度が一定に維持されるように制御される。尚、定着ローラ81と加圧ローラ84とは、加圧機構(図示せず)によって総圧約588Nで加圧されている。又、定着ローラ81と加圧ローラ84はプロセススピード140mm/secで回転している。更に、定着ローラ81の表面温度の設定値(目標温度)は、本実施の形態では190℃とする。
【0054】
上述の定着装置8では、未定着トナー像を表面に担持したシートが該トナー像の面を定着ローラ81側にして、この定着ローラ81と加圧ローラ84との間の定着ニップに挟持搬送され、その際に加熱かつ加圧されてトナーの定着が行われることとなる。
【0055】
次に、図3及び図4を参照して、本実施の形態に係るメインヒータ82及びサブヒータ83について、更に詳しく説明する。図3は定着動作を行っている際におけるオン・オフ制御の一例を示すタイムチャート図である。図4はヒータの配光分布を示す図であり、(A)はサブヒータの配光分布を示し、(B)はメインヒータの配光分布を示している。
【0056】
メインヒータ82の消費電力は500Wである。また、このメインヒータ82は、長手方向における配光分布が中央をメインとするように構成されている。具体的には、長手方向中央部の160mmの範囲よりも、長手方向両端部側における光強度を100%とすると、この160mmの範囲内の光強度が120%になるよう構成されている(図4(B)参照)。
【0057】
一方、サブヒータ83の消費電力は320Wである。また、このサブヒータ83は、長手方向における配光分布が両端をメインとするように構成されている。具体的には、長手方向中央部の160mmの範囲内の光強度を100%とすると、この160mmの範囲外の長手方向両端部側の光強度が230%になるよう構成されている(図4(A)参照)。
【0058】
これらのヒータの消費電力及び配光分布は、主に次の2点で決定される。
【0059】
第一に、単色モードにおいて、連続して定着処理を行う場合に、坪量の大きなシートであっても、定着ローラ81の表面温度が目標の設定温度(190℃)に保たれるように、温調を良好に行える点である。ここで、単色モードは、フルカラーモードの場合よりも単位時間当りのシート排出枚数が多く、より多くの電力を必要とする。
【0060】
第二に、単色モードにおいて、搬送され得る最大シート幅(装置で設定した最大シート幅)よりも小サイズのシートを連続して搬送する際に、メインヒータ82とサブヒータ83の点灯時間を変化させる制御を行うことによって、定着ローラ81におけるシートの通らない部分の昇温が、部品の熱劣化等を起こさない範囲に制御できる点である。
【0061】
実際の単色モードにおけるシートサイズに応じたヒータ点灯制御については、図11の表に示している。なお、図11に示す、定着ローラ温度差の結果は、シートとして、坪量64g/m2の用紙を採用した場合の結果である。図11の表を参照して、このヒータ点灯制御について更に詳しく説明する。図11は単色モードにおけるヒータの点灯制御について示した表である。
【0062】
ヒータの点灯制御は、定着ローラ検知温度が目標温度の190℃よりも低い場合には、メインヒータ82は常に点灯させる。一方、サブヒータ83は、5秒を一つの単位とするオン・オフ(点灯・消灯)を繰り返す動作を行わせている。すなわち、メインヒータ82が5秒間常に点灯しているのに対して、サブヒータ83は、シートの幅に応じて、表中の欄内の時間(1〜5秒)だけ点灯させて、5秒の内、残りの時間は消灯することを繰り返している。そして、定着ローラ検知温度が目標温度の190℃以上になったら、二つのヒータを消灯させている。具体例として、図3には、A5サイズのシートを縦向きに搬送する場合における、定着ローラ検知温度の推移と、それに応じた各ヒータ制御の様子を示している。
【0063】
ここで、シートの幅とは、シートの搬送方向に垂直な方向の長さを意味する。このシート幅は、シートサイズとシートの搬送向きによって決まる。本実施の形態では、定型のシートサイズ(A4,A5,B5)について、これらに対応した制御が行われる。
【0064】
図11に示す表における向きについて、シートサイズ欄に「縦」とあるものは、シートの短辺側を定着ローラの軸線と平行になるように搬送した場合を、「横」とあるものは、シートの長辺側を定着ローラの軸線と平行になるように、搬送した場合を示す。
【0065】
また、「定着ローラ温度差(中央)−(端部)」の欄は、単色モードにおいて、シートを連続搬送した場合における、ローラ中央の温度と、各シート幅の端部に相当する部分(例えば、「A4(横)」の場合には、中央から145mmの部分)の温度を測定し、これらの温度差{(中央の温度)−(端部の温度)}を計算した結果(以下「ローラ端部中央温度差」と呼ぶ)である。
【0066】
この表から、シート幅の大きいA4(横)の場合には、中央の方が端部よりも温度が高くなっている。一方、シート幅が、A4(横)よりも小さい、それ以外のものは、逆にローラ端部はシートが通らないために、端部の方が中央部よりも温度が高くなっている。しかし、表に示すようにサブヒータの点灯時間をメインヒータのそれに比べて短く間引いているために、部品の熱劣化を起こす程の端部温度の上昇は、避けることが出来ている。
【0067】
ところが、フルカラーモードの場合には、ローラ端部中央温度差が20℃以上になり、「紙しわ」が生じることがある。このような現象は紙の坪量が64g/m2程度の比較的薄い紙で起こりやすい。その理由は以下の通りである。
【0068】
上記のように、像担持体(感光体)が一つのみ備えられたフルカラーの画像形成装置においては、単色モードの場合に比べてフルカラーモードの場合におけるシートの排出速度は遅くなっている。例えば、単色モードでは32枚/分に対して、フルカラーモードでは8枚/分である。これにより、連続的に画像形成処理を行う場合には、単色モードの場合に比べて、フルカラーモードの場合における連続して搬送するシートの間隔は広くなっている。
【0069】
そして、シートが搬送されていない間は、シートに熱が奪われないため、単色モードとフルカラーモードでヒータの点灯の仕方を同じにした場合には、定着ローラ中央部付近(通常、サーミスタによって温度が測定されている部分に相当する)の温度を、目標温度である190℃にするために、ヒータが点灯する時間はフルカラーモードの方が短くて済む。逆に言うと、フルカラーモードの場合、ヒータの消灯している時間が、単色モードに比べると長くなることになる。
【0070】
定着ローラは、一般的に、本実施の形態の場合と同様に、中空の芯金が基材となっていることが多く、ローラ中央部に比べるとローラ端部からの放熱量が大きい。そのため、ローラ中央部を190℃に温調したとしても、ヒータが消灯している時間が長い分、フルカラーモードの方が、単色モードの場合に比べて、ローラ端部の温度が低くなり、ローラ端部中央温度差が大きくなってしまう。
【0071】
また、ローラ端部中央温度差が大きくなり、ローラ中央部の温度が端部に比べて高くなると、シリコーンゴムの温度による膨張率の違いから、ローラ端部に比べてローラ中央の直径が実質大きくなる。従って、定着装置の中でシートが搬送される際に、中央と端部とでシートの搬送速度の違いが生じ、「紙しわ」などの問題が発生してしまう。
【0072】
なお、逆にローラ端部の温度が中央部に比べて高くなると、シリコーンゴムの温度による膨張率の違いからローラ中央部に比べてローラ端部の直径が実質大きくなる。従って、定着装置の中でシートが搬送される際に、中央部に比べて端部の搬送速度が早くなってしまい、「後端はね」などの問題が発生してしまう。
【0073】
従来、この様な問題への対策として、上述のように、定着ローラや加圧ローラに予め逆クラウン形状を設け、ローラ端部と中央の紙の搬送速度を調節することが行われてきた。しかし、単色・フルカラーモードなどの各画像形成モードを有する装置、さらには坪量などが異なる複数種類のシートの適切に対応可能な逆クラウン形状の最適化は困難である。
【0074】
そこで、本実施の形態においては、フルカラーモードにおける加熱制御を工夫することによって、上記問題の解決を図るようにした。より具体的には、本実施の形態においては、フルカラーモードにおいて制御する定着ローラ81の表面温度に関して、単色モードにおける目標温度と同じ定着目標温度190℃と、これよりも高い温度195℃を、基準となる温度(制御において判定基準(閾値)となる温度)として設定した。そして、それぞれの温度域において、メインヒータとサブヒータの点灯比(点灯時間の比)を異なる値に設定した。
【0075】
図12に、A4(横)の場合(最大シート幅)の制御における、各温度域での各ヒータの点灯時間の詳細を示す。なお、図12では、本実施の形態における制御と比較するために従来技術の場合についても示した。
【0076】
本制御では、定着ローラ81の表面温度が190℃未満の場合には、メインヒータ82もサブヒータ83も常時点灯させる。そして、定着ローラ81の表面温度が190℃以上195℃未満の場合には、サブヒータ83は常時点灯させるのに対して、メインヒータ82は5秒のうち2秒だけ点灯させる。そして、定着ローラ81の表面温度が195℃以上の場合には、サブヒータ83もメインヒータ82も消灯させる。なお、従来の制御では、目標の定着温度190℃以上の場合には、メインヒータ及びサブヒータのいずれをも消灯していた。
【0077】
図5には、定着ローラ表面の検知温度の推移と、それに応じた本実施の形態における各ヒータ制御の様子を示している。また、図6には、定着ローラ表面の検知温度と、それに応じた従来技術における各ヒータ制御の様子を示している。
【0078】
以上のように、従来技術におけるヒータ制御の場合には、フルカラーモードの場合にも、単色モードの場合と同様に、定着ローラの表面温度が目標温度を超えると、いずれのヒータも消灯していた。そのため、ローラの端部から熱が逃げることから、ローラ端部中央温度差が20℃と高くなり、紙しわが発生していた。これに対して、本実施の形態におけるヒータ制御では、ヒータの消灯時間が比較的長くなるフルカラーモードの場合には、定着ローラの表面温度が目標温度を超えても、これよりも高い温度に設定された設定温度になるまでは、各ヒータを点灯するようにした。そして、この場合に、特に熱が逃げやすい端部をより温めるために、端部の配光が高いサブヒータをメインヒータよりも時間比で長くなるように点灯させるようにした。なお、本実施の形態の場合には、従来技術と比べて、サブヒータは、斜線部の長さ分だけ長く点灯することになる。以上のことから、本実施の形態の場合には、定着ローラ端部の温度が上がり、ローラ端部中央温度差(ローラ表面温度が190℃付近での平均値)は8℃程度となり、紙しわの発生はなかった。
【0079】
このように、定着ローラの温度が高い領域ほど、メインヒータに比べてサブヒータがより長時間点灯するように設定することで、ローラ中央端部温度差を小さくすることが可能となり、紙しわ等の紙搬送上の問題を解決することが可能となる。
【0080】
以上のようなシート搬送性に対する対策は、定着ローラの弾性層が0.2mm以上の場合、好ましくは1.0mm以上の場合に、ローラ長手の温度分布により、弾性層の膨張がローラ端部と中央で異なることを利用して、紙の軸線方向の速度分布を変えることが容易となり効果的である。一方、弾性層が5.0mmを越えてしまうと、芯金内部の入ったハロゲンランプからの熱が、ローラ表面まで伝わる熱伝導が悪くなり、ヒータの点灯比を変えても、ローラ表面の温度を調整することは困難になってしまう。
【0081】
また、定着ローラの弾性層の熱伝導率についても、0.210W/mK以上の場合、ヒータの点灯比を変えることで、ローラ表面の温度を調整することが容易になり、本実施の形態の効果も大きくなる。一方、弾性層の熱伝導率を上げるためには、一般的に弾性層に金属フィラーを混ぜることが行われるが、0.838W/mKを越えて大きくすると、ゴムの強度が落ちてしまい芯金からの弾性層の剥がれが生じたりして、定着ローラ用の弾性層としては、不適切となる。
【0082】
(第2の実施の形態)
図7,図8及び図13には、本発明の第2の実施の形態が示されている。本実施の形態では、定着装置の配置構成が上記第1の実施の形態に係る画像形成装置とは異なる場合を示す。本実施の形態では配置構成が上記第1の実施の形態と異なるのみであり、各構成の機能等については同一であるので、その説明は適宜省略する。
【0083】
図8は本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置の主要構成を示す模式図である。本実施の形態においては、シートの排出方向が矢印11の様になり、機械の側面から横方向(水平方向)にシートが排出される場合に比べて、一般的に、設置場所が小さくて済むなどの利点がある。
【0084】
しかし、シートは重力に逆らって搬送されるために、定着装置に入るシートの姿勢が安定しづらく、しわなどが発生しやすくなる。
【0085】
そこで、本実施の形態においては、フルカラーモードにおいて制御する定着ローラ81の表面温度に関して、単色モードにおける目標温度と同じ定着目標温度190℃と、これよりも高い温度193℃を、基準となる温度(制御において判定基準(閾値)となる温度)として設定した。そして、それぞれの温度域において、メインヒータとサブヒータの点灯比(点灯時間の比)を異なる値に設定した。
【0086】
図13に、A4(横)の場合(最大シート幅)の制御における、各温度域での各ヒータの点灯時間の詳細を示す。なお、図13では、本実施の形態における制御と比較するために従来技術の場合についても示した。
【0087】
本制御では、定着ローラ81の表面温度が190℃未満の場合には、メインヒータ82もサブヒータ83も常時点灯させる。そして、定着ローラ81の表面温度が190℃以上193℃未満の場合には、サブヒータ83は常時点灯させて、メインヒータ82は常時消灯させる。そして、定着ローラ81の表面温度が193℃以上の場合には、サブヒータ83もメインヒータ82も消灯させる。なお、従来の制御では、目標の定着温度190℃以上の場合には、メインヒータ及びサブヒータのいずれをも消灯していた。なお、ローラ端部中央温度差については、坪量64g/m2の紙を通した結果である。
【0088】
本実施の形態においては、定着ローラ81の表面温度が190℃以上193℃未満の場合においては、サブヒータ83のみが点灯するようにしたので、上記第1の実施の形態の場合に比べて、よりローラ端部中央温度差を小さくするようにしている。
【0089】
ここで、本実施の形態では、定着ローラ81の表面温度が190℃以上193℃未満の場合には、サブヒータ83のみしか点灯しておらず、定着ローラ81に与えられる熱量は、両方のヒータが点灯した場合に比べて小さい。
【0090】
従って、紙の坪量が105g/m2などの厚い紙を通紙した場合には、電力が足りないので、定着ローラ81の表面温度の低下が早く、直ぐに190℃未満になってしまう。この表面温度が190℃未満になると、二つのヒータが点灯するので、表面温度は190℃以上193度未満の範囲まで、再び温度が上昇するということを繰り返す。そして、この温度域にある時間は短く、一般的な従来技術の場合と同様に、トータル時間としては、190℃未満にある場合の方が多く、サブヒータ83の点灯時間は、それほど多くならない。しかし、もともと厚い紙の場合には、紙しわなども起こりづらいので、特に問題とならない。
【0091】
ここで、厚い紙では、定着ローラの温度低下による、定着性の悪化が懸念される。しかし、本実施の形態では、上記の通り、サブヒータ83のみしか点灯しない状態から直ぐに、二つのヒータが点灯する状態に移行するので、定着ローラ81に与えられる熱量が不足して、必要以上に定着ローラ81の表面温度が下がってしまうこともない。
【0092】
一方、紙しわが発生しやすい64g/m2などの薄紙の場合、ローラに与えられる熱量が小さくなる、定着ローラ81の表面温度が190℃以上193℃未満となる温度域を比較的長く保つことが可能となる。その結果、従来技術における制御の場合と比べて、サブヒータ83が点灯する時間が長くなり、ローラ端部中央温度差が小さくなり、紙しわ防止効果は大きいものとなる。
【0093】
図7には、定着ローラ表面の検知温度の推移と、それに応じた本実施の形態における各ヒータ制御の様子を示している。従来技術の場合は、上述した第1の実施の形態で説明した図6に示される。
【0094】
以上のように、従来技術におけるヒータ制御の場合には、フルカラーモードの場合にも、単色モードの場合と同様に、定着ローラの表面温度が目標温度を超えると、いずれのヒータも消灯していた。そのため、ローラの端部から熱が逃げることから、ローラ端部中央温度差が20℃と高くなり、紙しわが発生していた。これに対して、本実施の形態におけるヒータ制御では、ヒータの消灯時間が比較的長くなるフルカラーモードの場合には、定着ローラの表面温度が目標温度を超えても、これよりも高い温度に設定された設定温度になるまでは、サブヒータを点灯するようにした。なお、本実施の形態の場合には、従来技術と比べて、サブヒータは、斜線部の長さ分だけ長く点灯することになる。以上のことから、本実施の形態の場合には、定着ローラ端部の温度が上がり、ローラ端部中央温度差(ローラ表面温度が190℃付近での平均値)は4℃程度となり、紙しわの発生はなかった。
【0095】
なお、これまで説明した第1の実施の形態及び第2の実施の形態におけるヒータ制御においては、各ヒータの点灯時間を変更するパラメータは、温度域と、画像形成モード(単色モードであるかフルカラーモードであるか)の場合を説明した。しかし、これに限らず、更に他のパラメータを含ませることもできる。
【0096】
例えば、シートの坪量をパラメータに含めることもできる。すなわち、坪量の異なる数種類の紙を通紙する場合は、坪量検知装置などを付設し、設定温度を2つあるいは、それ以上設けて、ヒータ点灯比を適宜設定することも可能である。
【0097】
更には、単色,2色,フルカラーの3つのモードを持つ画像形成装置においては、設定温度を2つあるいは、あるいはそれ以上設けて、ヒータ点灯比を適宜設定することも可能である。
【0098】
(第3の実施の形態)
図9,図10及び図14には、本発明の第3の実施の形態が示されている。本実施の形態では、加圧ローラ側にも加熱手段(第3加熱手段)が設けられる場合の構成について説明する。その他の構成については、上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同様であるので、画像形成装置の構成に関しては、特に、新たな図は追加せずに説明する。また、基本的構成についても、第3加熱手段が増えた点を除けば、上記各実施の形態と同一であるので、その説明は適宜省略する。
【0099】
本実施の形態における定着装置の加圧ローラ内部には、第3加熱手段として、70Wのニクロム線ヒータが付設されている。本実施の形態におけるニクロム線ヒータは、加圧ローラ表面に温度検知素子をつけてOFF/ON制御をすることはせず、基本的には、画像形成装置の電源が入っているときには、ニクロム線ヒータにも通電されている。
【0100】
それでも、ニクロム線ヒータの電力が70Wと小さいので、画像形成を行わず、定着ローラが回転していない場合にも、加圧ローラ表面温度は、170℃程度にしかならず、ニクロム線ヒータ用の安全装置も特に必要は無い。
【0101】
本実施の形態の構成を採用した場合には、加圧ローラにヒータを設けて、温めることで、定着後のコピー画像に適度な光沢を与えることが可能となる利点がある。
【0102】
しかし、このような構成の定着装置では、ヒータの入っていないものに比べて、加圧ローラの温度が高い分、定着ローラから加圧ローラへの熱の移動が小さい。特にBk単色モード時に、ローラ端部の温度が上がりすぎて、紙しわとは逆に、後端はねが起こりやすくなってしまう問題が発生する。
【0103】
そこで、本実施の形態においては、Bk単色モードにおいて制御する定着ローラの表面温度に関して、定着目標温度190℃と、これよりも低い温度187℃を、基準となる温度(制御において判定基準(閾値)となる温度)として設定した。そして、それぞれの温度域において、メインヒータとサブヒータの点灯比(点灯時間の比)を異なる値に設定した。
【0104】
図14に、A4(横)の場合(最大シート幅)の制御における、各温度域での各ヒータの点灯時間の詳細を示す。なお、図14では、本実施の形態における制御と比較するために従来技術の場合についても示した。
【0105】
本制御では、定着ローラ81の表面温度が187℃未満の場合には、メインヒータ82もサブヒータ83も常時点灯させる。そして、定着ローラ81の表面温度が187℃以上190℃未満の場合には、メインヒータ82は常時点灯させて、サブヒータ83は5秒のうち4秒だけ点灯させる。そして、定着ローラ81の表面温度が190℃以上の場合には、メインヒータ82もサブヒータ83も消灯させる。なお、従来の制御では、目標の定着温度190℃未満の場合には、メインヒータ及びサブヒータのいずれをも常時点灯していた。
【0106】
図9には、定着ローラ表面の検知温度の推移と、それに応じた本実施の形態における各ヒータ制御の様子を示している。また、図10には、定着ローラ表面の検知温度と、それに応じた従来技術における各ヒータ制御の様子を示している。
【0107】
以上のように、従来技術におけるヒータ制御の場合には、Bk単色モードにおいて、最大幅のシートが搬送される場合には、定着ローラの表面温度が目標温度に達していない状態では、いずれのヒータについても常時点灯させていた。そのため、ローラ中央端部温度差が0℃となり、後端はねが発生していた。
【0108】
これに対して、本実施の形態におけるヒータ制御の場合には、Bk単色モードにおいて、最大幅のシートが搬送される場合には、中央の配光が高いメインヒータが、従来と比べて斜線部の長さだけ短く点灯することになるので、定着ローラの中央付近の温度が下がり、ローラ中央端部温度差は、10℃程度となり、後端はねの発生を防止できる。
【0109】
以上の様に本実施の形態においては、
また、前記制御手段は、前記定着回転体の温度が高いほど、第1加熱体に比べて第2加熱体をオンにする割合を小さくするとよい。
【0110】
また、記録材上に形成される画像に応じて、搬送される記録材の間隔が異なり、この記録材の間隔が基準間隔よりも狭い場合に、
前記制御手段は、前記定着回転体の温度が高いほど、第1加熱体に比べて第2加熱体をオンにする割合を小さくすることも好適である。
【0111】
また、本発明の実施の形態には、次の実施態様も含まれる。
【0112】
(実施態様1)
記録材上に形成された像を熱により定着する定着回転体(例えば、上記実施の形態では定着ローラ81に相当)と、
該定着回転体に圧接し、記録材を挟持搬送するニップを形成する加圧体(例えば、上記実施の形態では加圧ローラ84に相当)と、を備える定着装置において、
前記定着回転体中央部に加熱ピーク(例えば、上記実施の形態では配光ピークに相当(配光ピークと加熱ピークはおおよそ一致する))を有し、該定着回転体を加熱する第1加熱体(例えば、上記実施の形態ではメインヒータ82に相当)と、
前記定着回転体端部に加熱ピークを有し、該定着回転体を加熱する第2加熱体(例えば、上記実施の形態ではサブヒータ83に相当)と、
定着回転体の温度を検知する温度検知体(例えば、上記実施の形態ではサーミスタ9に相当)と、
該温度検知体の出力に基づいて加熱体への通電を制御する通電制御手段(具体的には、上記実施の形態では点灯制御(点灯時間(点灯比)の制御)にも相当する))と、を設けると共に、
前記定着回転体の温度に応じて、前記第1加熱体及び第2加熱体への通電比率(例えば、上記実施の形態では、メインヒータとサブヒータの点灯時間の比率(点灯比)にも相当)を変更することを特徴とする定着装置。
【0113】
(実施態様2)
前記制御手段は、前記定着回転体の表面温度が高いほど、第1加熱体に比べて第2加熱体へ通電する比率を大きくする(例えば、上記第1の実施の形態では、190℃未満では、メインヒータとサブヒータは常時オンでありオンの比率は等しくするのに対して、190℃以上195℃未満ではメインヒータを間欠的にオンとして、サブヒータを常時オンとすることで、後者をオンにする比率を大きくすることに相当し、上記第2の実施の形態では、190℃未満では、メインヒータとサブヒータは常時オンでありオンの比率は等しくするのに対して、190℃以上193℃未満ではメインヒータをオフとして、サブヒータを常時オンとすることで、後者をオンにする比率を大きくすることに相当する)ことを特徴とする実施態様1に記載の定着装置。
【0114】
(実施態様3)
記録材上に形成される画像に応じて、連続定着動作中の搬送される記録材の搬送間隔が異なり(例えば、上記実施の形態では単色モードの場合とフルカラーモードの場合に記録材の間隔が異なることに相当)、この搬送間隔が基準間隔よりも広くなると(例えば、上記実施の形態ではフルカラーモードの場合に相当)に、
前記制御手段は、前記定着回転体の温度が高いほど、第1加熱体に比べて第2加熱体へ通電する比率をより大きくする(例えば、上記第1の実施の形態では、190℃未満では、メインヒータとサブヒータは常時オンでありオンの割合は等しくするのに対して、190℃以上195℃未満ではメインヒータを間欠的にオンとして、サブヒータを常時オンとすることで、後者をオンにする割合を大きくすることに相当し、上記第2の実施の形態では、190℃未満では、メインヒータとサブヒータは常時オンでありオンの割合は等しくするのに対して、190℃以上193℃未満ではメインヒータをオフとして、サブヒータを常時オンとすることで、後者をオンにする割合を大きくすることに相当する)ことを特徴とする実施態様1に記載の定着装置。
【0115】
(実施態様4)
前記制御手段は、前記定着回転体の温度が基準温度(例えば、上記第1の実施の形態におけるフルカラーモードでは195℃に相当し、上記第2の実施の形態におけるフルカラーモードでは193℃に相当し、各実施の形態において単色モードでは、190℃に相当する)を越えている場合には、第1加熱体及び第2加熱体への通電を停止することを特徴とする実施態様1〜3のいずれか一つに記載の定着装置。
【0116】
(実施態様5)
前記定着回転体は、筒状の金属基材で構成された芯金と、その外周に設けられる0.2mm以上4mm以下の弾性層を有する定着ローラであることを特徴とする実施態様1〜4のいずれか一つに記載の定着装置。
【0117】
(実施態様6)
前記弾性層の熱伝導率が0.210W/mK以上0.838W/mK以下であることを特徴とする実施態様5に記載の定着装置。
【0118】
(実施態様7)
前記制御手段が前記第1加熱体及び第2加熱体へ通電する割合を変更するパラメータに、搬送される記録材の間隔が含まれることを特徴とする実施態様1〜6のいずれか一つに記載の定着装置。
【0119】
(実施態様8)
前記制御手段が前記第1加熱体及び第2加熱体へ通電する割合を変更するパラメータに、搬送される記録材の坪量が含まれることを特徴とする実施態様1〜7のいずれか一つに記載の定着装置。
【0120】
(実施態様9)
前記ニップ部を通過する際の記録材の移動方向が、重力方向に対して略平行であること(例えば、上記第2の実施の形態で示した構成)を特徴とする実施態様1〜8のいずれか一つに記載の定着装置。
【0121】
(実施態様10)
前記加圧体を加熱する第3加熱手段(例えば、上記第3の実施の形態におけるニクロム線ヒータに相当)を備えることを特徴とする実施態様1〜9のいずれか一つに記載の定着装置。
【0122】
(実施態様11)
静電潜像を担持する像担持体(例えば、上記実施の形態における感光体1に相当)と、
該像担持体上に担持された静電潜像を現像化する現像手段(例えば、上記実施の形態における現像器4,5に相当)と、
該現像手段によって現像化された現像を直接あるいは間接(例えば、上記実施の形態のように中間転写体を介する場合には間接に相当する)に記録材上に転写する転写手段(例えば、上記実施の形態における二次転写ベルト7に相当)と、
該転写手段によって記録材上に転写された未定着画像を記録材上に定着させる実施態様1〜10のいずれか一つに記載された定着装置と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【0123】
(実施態様12)
前記像担持体は一つだけ設けられ、かつ、単色画像及び複数色画像を形成可能に構成されていることを特徴とする実施態様11に記載の画像形成装置。
【0124】
(実施態様13)
記録材上に形成された像を熱により定着する定着回転体(例えば、上記実施の形態では定着ローラ81に相当)と、該定着回転体に圧接し、記録材を挟持搬送するニップを形成する加圧体(例えば、上記実施の形態では加圧ローラ84に相当)と、を有する定着装置を備え、
単色画像と複数色画像を選択的に形成する画像形成装置において、
前記定着回転体を加熱する加熱体(例えば、上記実施の形態ではメインヒータ82及びサブヒータ83に相当)と、
前記定着回転体の表面温度に応じて、該加熱手段のオン・オフ制御(具体的には、加熱手段が電熱式であれば通電制御に相当し、また、上記実施の形態では点灯制御(点灯時間(点灯比)の制御)にも相当する)を行う制御手段(例えば、上記実施の形態では制御装置10に相当)と、を設けると共に、
該制御手段により行われる制御では、
単色画像を形成する場合には、前記定着回転体の温度が目標温度(例えば、上記各実施の形態では190℃に相当)を超えると判断されている間には、前記加熱体がオンとされている状態は含まれず、
複数色画像を形成する場合には、前記目標温度を超えると判断されている間には、前記加熱体がオンとされている状態を含む(例えば、上記第1の実施の形態では190℃以上195℃未満で、メインヒータは間欠的にオンとされて、サブヒータは常時オンとされ、いずれのヒータもオン状態を含み、上記第2の実施の形態では190℃以上193℃未満で、サブヒータは常時オンとされ、ヒータがオンとなる状態を含むことに相当)ことを特徴とする画像形成装置。
【0125】
(実施態様14)
前記加熱体には、
前記定着回転体の中央部に加熱ピークを有する第1加熱体(例えば、上記実施の形態ではメインヒータ82に相当)と、
前記定着回転体の端部に加熱ピークを有する第2加熱体(例えば、上記実施の形態ではサブヒータ83に相当)と、が含まれ、
前記定着回転体の温度が、前記目標温度(例えば、上記第1の実施の形態では190℃)から該目標温度よりも高い温度に設定された設定温度(例えば、上記第1の実施の形態では195℃)までの間にある場合には、前記制御手段は、前記第2加熱体を常にオンとし、かつ、第1加熱体は間欠的にオンとする制御を行うことを特徴とする実施態様13に記載の画像形成装置。
【0126】
(実施態様15)
前記加熱手段には、
前記定着回転体の中央部に加熱ピークを有する第1加熱体(例えば、上記実施の形態ではメインヒータ82に相当)と、
前記定着回転体の端部に加熱ピークを有する第2加熱体(例えば、上記実施の形態ではサブヒータ83に相当)と、が含まれ、
前記定着回転体の温度が、前記目標温度(例えば、上記第2の実施の形態では190℃)から該目標温度よりも高い温度に設定された設定温度(例えば、上記第2の実施の形態では193℃)までの間にある場合には、前記制御手段は、前記第2加熱体を常にオンとし、かつ、第1加熱体はオフとする制御を行うことを特徴とする実施態様13に記載の画像形成装置。
【0127】
(実施態様16)
記録材上に形成された像を熱により定着する定着回転体(例えば、上記実施の形態では定着ローラ81に相当)と、該定着回転体に圧接し、記録材を挟持搬送するニップを形成する加圧体(例えば、上記実施の形態では加圧ローラ84に相当)と、を有する定着装置を備える画像形成装置において、
前記定着回転体の中央部に加熱ピークを有し、該定着回転体を加熱する第1加熱体(例えば、上記実施の形態ではメインヒータ82に相当)と、
前記定着回転体の端部に加熱ピークを有し、該定着回転体を加熱する第2加熱体(例えば、上記実施の形態ではサブヒータ83に相当)と、
装置の稼動中は常時前記加圧体を加熱する第3加熱体(例えば、上記第3の実施の形態におけるニクロム線ヒータに相当)と、
前記定着回転体の表面温度に応じて、前記第1加熱体及び第2加熱体のオン・オフ制御(具体的には、加熱手段が電熱式であれば通電制御に相当し、また、上記実施の形態では点灯制御(点灯時間(点灯比)の制御)にも相当する)を行う制御手段(例えば、上記実施の形態では制御装置10に相当)と、を設けると共に、
該制御手段は、基準サイズよりも大きな記録材(例えば、A4定型紙)が搬送される場合に、
前記定着回転体の表面温度が目標温度(例えば、上記第3の実施の形態では190℃に相当)を超えている場合には、前記第1加熱体及び第2加熱体のいずれもオフとし、
前記定着回転体の表面温度が該目標温度よりも低く設定された設定温度(例えば、上記第3の実施の形態では187℃に相当)から該目標温度までの間にある場合には、前記第1加熱体を常にオンとして、前記第2加熱体を間欠的にオンとし、
前記定着回転体の表面温度が前記設定温度よりも低い間は、前記第1加熱体及び第2加熱体のいずれも常時オンとすることを特徴とする画像形成装置。
【0128】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明により、目標温度を維持すると共に各種サイズのシートに対して、適切な定着処理を可能にしつつ、定着回転体の昇温の問題にも対応しながら、定着ローラの温度分布を適切に保ち、しわ、後端はねが出ない様に、シートの搬送性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の主要構成を示す模式図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る定着装置の主要構成を示す模式図である。
【図3】定着動作を行っている際におけるオン・オフ制御の一例を示すタイムチャート図である。
【図4】ヒータの配光分布を示す図である。
【図5】定着ローラ表面の検知温度の推移と、それに応じた本発明の第1の実施の形態における各ヒータ制御の様子を示したタイムチャート図である。
【図6】定着ローラ表面の検知温度と、それに応じた従来技術における各ヒータ制御の様子を示したタイムチャート図である。
【図7】定着ローラ表面の検知温度の推移と、それに応じた本発明の第2の実施の形態における各ヒータ制御の様子を示したタイムチャート図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置の主要構成を示す模式図である。
【図9】定着ローラ表面の検知温度の推移と、それに応じた本発明の第3の実施の形態における各ヒータ制御の様子を示したタイムチャート図である。
【図10】定着ローラ表面の検知温度と、それに応じた従来技術における各ヒータ制御の様子を示したタイムチャート図である。
【図11】単色モードにおけるヒータの点灯制御について示した表である。
【図12】本発明の第1の実施の形態に係るヒータの点灯制御について示した表である。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係るヒータの点灯制御について示した表である。
【図14】本発明の第3の実施の形態に係るヒータの点灯制御について示した表である。
【符号の説明】
1 感光体
2 一次帯電器
3 レーザー露光装置
4,5 現像器
6 中間転写体
7 二次転写ベルト
8 定着装置
81 定着ローラ
81a 芯金
81b シリコーンゴム層
81c チューブ層
82 メインヒータ
82a 芯金
82b シリコーンゴム層
82c チューブ層
83 サブヒータ
84 加圧ローラ
9 サーミスタ
10 制御装置(CPU)
【発明の属する技術分野】
本発明は、未定着画像を記録材上に定着する定着装置及びこれを備える画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式及び静電記録方式の画像形成装置、例えば、複写機,レーザービームプリンタ等には、接触加熱方式(熱定着方式)の定着装置を備えたものが知られている。
【0003】
従来技術に係る定着装置の一例として、アルミニウムや鉄の芯金の表面に耐熱離型層を被覆した定着体たる定着ローラと、ステンレス等の芯金の周囲に耐熱弾性層を形成した加圧体たる加圧ローラとを備え、定着ローラの芯金内に配設した加熱手段たるハロゲンヒータにより定着ローラを加熱する構成が知られている。
【0004】
このような定着装置にあっては、加圧ローラが、バネ等により定着ローラに圧接されてニップを形成しており、未定着のトナー像を担持する記録媒体(記録材)となるシートがこのニップで挟持搬送されると、加熱かつ加圧して、未定着のトナー像をシートに定着する。
【0005】
しかしながら、かかる定着装置においては、定着ローラの回転軸の軸線方向における配光分布が単一のハロゲンヒータによって、定着ローラ表面の温度分布を調整する場合、小サイズのシートをニップに連続搬送した際の非通紙部昇温を抑えることは困難である。その理由は、シートは熱を奪うため、定着ローラ表面のうち通紙部の熱は奪われるが、非通紙部の熱は奪われないからである。より詳しく説明すると、装置に搬送され得る最大シートに対応するために、定着ローラ表面上の長手方向温度分布を均一にするには、ローラ長手方向全体に熱を与える必要がある。一方、小サイズのシートをニップに連続搬送した際の非通紙部昇温を抑えるには、非通紙部に熱を与えないことが必要である。しかし、配向分布が単一のハロゲンヒータによって、これらを同時に満たすのは事実上不可能である。
【0006】
そこで、定着ローラの回転軸の軸線方向における配光分布が異なる二つのハロゲンヒータを用いて、各々のヒータを時分割制御にて点灯する構成が提案されている。この構成では、上記軸線方向中央部をメインに加熱するハロゲンヒータと、上記軸線方向両端部をメインに加熱するハロゲンヒータが定着ローラ内に設置されている。そして、各ヒータはCPUにより駆動制御が行われ、通紙されるシートサイズに応じて、上記軸線方向における最適な温度分布が得られるよう各ヒータの独立制御が行われる。
【0007】
また、定着ローラの長手方向の温度分布は、紙しわなどのシート搬送性にも大きな影響を与える。そこで、シートの搬送性の問題も考慮したヒータの制御も、合わせて考えられている。特に、近年において、複写機やプリンタ等の画像形成装置に対して、薄紙から厚紙まで、従来以上にさまざまな種類のシートに対して、好適に未定着画像を定着させることへの要求が高まってきている。
【0008】
薄紙は一般に紙のこしが弱いため、ニップ部を通過する際に、紙しわが発生したり、ニップ部に導入される直前で定着ローラに未定着画像がこすれて、「ちりめん」とよばれる画像不良が発生したりすることがある。又、厚紙はこしが強いため、ニップ部を通過する際に、紙の後端が反り上がってしまい、通紙安定性が損なわれたり、未定着画像が飛び散って、画像不良が発生したりすることがある。
【0009】
このような、シートの搬送性の問題に対しては、定着ローラの熱に関する制御だけではなく、例えば、定着ローラ又は加圧ローラの長手方向(回転軸線方向)に対して、中央部よりも両端部の外径を大きくする、所謂逆クラウン形状を設けるなど、ローラの形状を工夫することも考えられている。
【0010】
しかし、例えば、逆クラウン形状の場合には、「紙しわ」は改善されるが、むしろ「後端はね」や「ちりめん」は悪化してしまい、ローラの形状により、「紙しわ」と「後端はね」と「ちりめん」のいずれにも対応するのは非常に困難である。また、これらに対して、それぞれ対応するためにローラの形状を色々と工夫すると、定着装置構成の設計の自由度を狭くする結果を招き、薄紙から厚紙まで広い転囲の種類のシート搬送を満足することは益々困難となる。そして、定着ローラ及び加圧ローラの外径管理も難しくなり、コストアップを招くことにもなる。更に、実際には、紙のこしに対して、紙が吸収している水分量も大きな影響を与えるため、更に設計の自由度は狭くなってしまう。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記の通り、搬送される各種サイズのシートに対して、適切な加熱を行うために、加熱分布(加熱手段がハロゲンヒータの場合には配向分布に相当する)の異なる複数の加熱手段を設けたとしても、シートの搬送性の課題が残されている。
【0012】
ここで、例えば中央に加熱のピークをもった加熱手段と、端部に加熱のピークをもった加熱手段を設けた画像形成装置が、複数の加熱手段を設けたものとして一般的である。また、定着ローラは筒状の形をしている場合が多いので、端部からの放熱が、中央に比べて大きく、加熱手段がオンされていないと、中央に比べて端部の温度が下がりやすくなりなる場合が多い。ここで、定着ローラの検知温度が、目標温度に達している場合に、どちらの加熱手段も共に、通電せず、目標温度以下の場合に、どちらの加熱手段も略同等の通電時間比で通電すると、加熱手段が通電されていない間に、定着ローラ端部の温度が中央に比べて、低くなってしまう場合がある。
【0013】
この課題をローラ形状の工夫によって解決しようとする場合には、設計自由度を低下させるなどの他の問題が生じてしまう。
【0014】
そこで、本発明の定着装置及びこれを備える画像形成装置の目的は、目標温度を維持しつつ、各種サイズのシートに対して、適切な定着処理を可能にしつつ、定着回転体の昇温の問題にも対応しながら、定着ローラの温度分布を適正に保ちしわ、後端はねが出ない様にシートの搬送性の向上を図ることにある。
【0015】
また、本発明の目的は、ローラの形状を工夫しなくても(勿論、工夫しても構わないが)、シートの搬送性の向上を実現できることにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
【0017】
すなわち、本発明においては、加熱ピークの位置が異なる複数の加熱手段に対してオン・オフ制御することによって、定着回転体における回転軸方向の温度分布を適正にすることで、シートの搬送性の向上を図った。
【0018】
本発明の定着装置は、
記録材上に形成された像を熱により定着する定着回転体と、
該定着回転体に圧接し、記録材を挟持搬送するニップを形成する加圧体と、を備える定着装置において、
前記定着回転体の中央部に加熱ピークを有し、該定着回転体を加熱する第1加熱体と、
前記定着回転体の端部に加熱ピークを有し、該定着回転体を加熱する第2加熱体と、
前記定着回転体の温度を検知する温度検知体と、
温度検知体の出力に基づいて加熱体への通電を制御する通電制御手段と、を有する定着装置において、
前記定着回転体の温度に応じて、前記第1加熱体及び第2加熱体への通電比率を変更することを特徴とする。
【0019】
ここで、前記制御手段は、前記定着回転体の温度が高いほど、第1加熱体に比べて第2加熱体へ通電する比率を大きくするとよい。
【0020】
また、記録材上に形成される画像に応じて、連続定着動作中の搬送される記録材の搬送間隔が異なり、この搬送間隔が基準間隔よりも広くなると、
前記制御手段は、前記定着回転体の温度が高いほど、第1加熱体に比べて第2加熱体へ通電する比率をより大きくすることも好適である。
【0021】
前記制御手段は、前記定着回転体の温度が基準温度を越えている場合には、第1加熱体及び第2加熱体への通電を停止するとよい。
【0022】
前記定着回転体は、筒状の金属基材で構成された芯金と、その外周に設けられる0.2mm以上4mm以下の弾性層を有する定着ローラであるとよい。
【0023】
前記弾性層の熱伝導率が0.210W/mK以上0.838W/mK以下であるとよい。
【0024】
前記制御手段が前記第1加熱体及び第2加熱体へ通電する割合を変更するパラメータに、搬送される記録材の間隔が含まれるとよい。
【0025】
前記制御手段が前記第1加熱体及び第2加熱体へ通電する割合を変更するパラメータに、搬送される記録材の坪量が含まれることも好適である。
【0026】
前記ニップ部を通過する際の記録材の移動方向が、重力方向に対して略平行であるとよい。
【0027】
前記加圧体を加熱する第3加熱手段を備えるとよい。
【0028】
また、本発明の画像形成装置は、静電潜像を担持する像担持体と、
該像担持体上に担持された静電潜像を現像化する現像手段と、
該現像手段によって現像化された現像を直接あるいは間接に記録材上に転写する転写手段と、
該転写手段によって記録材上に転写された未定着画像を記録材上に定着させる上記定着装置と、を備えることを特徴とする。
【0029】
前記像担持体は一つだけ設けられ、かつ、単色画像及び複数色画像を形成可能に構成されているとよい。
【0030】
また、本発明の画像形成装置は、
記録材上に形成された像を熱により定着する定着回転体と、該定着回転体に圧接し、記録材を挟持搬送するニップを形成する加圧体と、を有する定着装置を備え、
単色画像と複数色画像を選択的に形成する画像形成装置において、
前記定着回転体を加熱する加熱体と、
前記定着回転体の表面温度に応じて、該加熱手段のオン・オフ制御を行う制御手段と、を設けると共に、
該制御手段により行われる制御では、
単色画像を形成する場合には、前記定着回転体の温度が目標温度を超えると判断されている間には、前記加熱体がオンとされている状態は含まれず、
複数色画像を形成する場合には、前記目標温度を超えると判断されている間には、前記加熱体がオンとされている状態を含むことを特徴とする。
【0031】
前記加熱体には、
前記定着回転体の中央部に加熱ピークを有する第1加熱体と、
前記定着回転体の端部に加熱ピークを有する第2加熱体と、が含まれ、
前記定着回転体の温度が、前記目標温度から該目標温度よりも高い温度に設定された設定温度までの間にある場合には、前記制御手段は、前記第2加熱体を常にオンとし、かつ、第1加熱体は間欠的にオンとする制御を行うとよい。
【0032】
また、前記加熱手段には、
前記定着回転体の中央部に加熱ピークを有する第1加熱体と、
前記定着回転体の端部に加熱ピークを有する第2加熱体と、が含まれ、
前記定着回転体の温度が、前記目標温度から該目標温度よりも高い温度に設定された設定温度までの間にある場合には、前記制御手段は、前記第2加熱体を常にオンとし、かつ、第1加熱体はオフとする制御を行うことも好適である。
【0033】
また、本発明の画像形成装置は、記録材上に形成された像を熱により定着する定着回転体と、該定着回転体に圧接し、記録材を挟持搬送するニップを形成する加圧体と、を有する定着装置を備える画像形成装置において、
前記定着回転体の中央部に加熱ピークを有し、該定着回転体を加熱する第1加熱体と、
前記定着回転体の端部に加熱ピークを有し、該定着回転体を加熱する第2加熱体と、
装置の稼動中は常時前記加圧体を加熱する第3加熱体と、
前記定着回転体の表面温度に応じて、前記第1加熱体及び第2加熱体のオン・オフ制御を行う制御手段と、を設けると共に、
該制御手段は、基準サイズよりも大きな記録材が搬送される場合に、
前記定着回転体の表面温度が目標温度を超えている場合には、前記第1加熱体及び第2加熱体のいずれもオフとし、
前記定着回転体の表面温度が該目標温度よりも低く設定された設定温度から該目標温度までの間にある場合には、前記第1加熱体を常にオンとして、前記第2加熱体を間欠的にオンとし、
前記定着回転体の表面温度が前記設定温度よりも低い間は、前記第1加熱体及び第2加熱体のいずれも常時オンとすることを特徴とする。
【0034】
ここで、上記定着回転体としては、例えば、定着ローラ,定着ベルト,定着フィルムを採用できる。また、上記加圧体としては、加圧ローラや加圧ベルトを採用できる。また、加熱体としては、電熱式ヒータを採用できる。
【0035】
なお、上記各構成は、可能な限り組み合わせて採用し得る。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0037】
(第1の実施の形態)
図1〜図6を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る定着装置及びこれを備える画像形成装置について説明する。
【0038】
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置について説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の主要構成を示す模式図である。本実施の形態では、画像形成装置の一例として、ネガプロセスを用いたフルカラーレーザービームプリンターを例にして説明する。図1では、中間転写体を使用したフルカラーレーザービームプリンター(複写機などについても同様の構成である)の主要構成を模式的に示している。
【0039】
本実施の形態に係るフルカラーレーザービームプリンターは、静電潜像及び現像を担持する像担持体として感光体1を備えている。感光体1は図中矢印方向に回転するように構成されている。そして、その周囲には、上流から順に、感光体1の表面をマイナス極性に一様に帯電する一次帯電器2と、画像信号に基づいて感光体1を露光して静電潜像を形成するレーザー露光装置3と、静電潜像にトナーを付着させて現像する現像器4,5が配置されている。
【0040】
そして、感光体1の現像位置下流には、現像を担持する中間転写体6が配置されている。また、中間転写体6の下流には二次転写ベルト7が配置されている。更に、二次転写ベルト7のシート搬送方向の下流には定着装置8が配置されている。
【0041】
このように構成されたフルカラーレーザービームプリンターにおける画像形成プロセスを順に説明する。
【0042】
感光体1の表面は、一次帯電器2によって、例えば−550Vに均一に帯電される。次いで、その表面上に、レーザー露光装置3によって画像パターンが露光されて静電潜像が形成される。露光後の感光体表面は未露光部分電位(VD)が−550V、露光部分電位(VL)は−150Vとなる。現像器4,5の現像スリーブに−350Vの現像バイアスが印加されると、感光体表面電位の低いVL部は負帯電性のネガトナーで現像されて、静電潜像は顕像化する。
【0043】
中間転写体6は、円筒状で導電性支持体として金属の芯金に、少なくともゴム,エラストマー,樹脂からなる弾性層を有するローラ形状、さらにはその弾性層の上層に一層以上の被覆層を有するドラム形状のものである。中間転写体6は感光体1上の現像を転写する機能を備えており、感光体1とほぼ等速で図中矢印方向に回転している。中間転写体6の芯金に一次転写バイアス(T1)として+300V印加すると、感光体1上のトナー像(トナーのよって顕像化された現像)は、一次転写ニップ部において感光体1のVL部と中間転写体6との450Vの電位差によって中間転写体6に転写される。
【0044】
白黒画像などの単色画像の場合は、この後、直ちに後述の2次転写工程に移る。またフルカラーの画像形成の場合には、上記工程を、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の四色のトナーについてタイミングを合わせて繰り返すことで中間転写体6上に四色の色が重なったフルカラー画像が形成される。
【0045】
次に、2次転写ベルト7を中間転写体6に加圧して2次転写ニップを形成し、中間転写体6上の画像先端と同期させて紙などの記録媒体(記録材)となるシートを2次転写ニップに送り込む。そして二次転写ベルト7に+20μAの2次転写バイアスを印加すると、トナー画像はシートに転写される。
【0046】
トナー像が転写されたシートは定着装置8に送り込まれる。定着装置8は一対のローラ、すなわち、定着回転体となる定着ローラ81と加圧体となる加圧ローラ84とを備えている。定着ローラ81にはメインヒータ82とサブヒータ83が内蔵されている。そして、定着ローラ81と加圧ローラ84は一定の圧力で互いに加圧されている。また、定着ローラ81の表面温度を検出する温度検知体としての定着温度センサ9が設けられている。そして、定着温度センサ9の出力値に基づいてメインヒータ82とサブヒータ83のON/OFF制御を行って定着ローラ81の表面温度を制御している。
【0047】
定着ローラ81の表面温度は、プリンタが待機状態のときにはスタンバイ温度として180℃になるように制御され、プリント時にはプリント温度として190℃になるように制御されている。シートが定着装置8を通過する際に、シートに熱と圧力が付与されて、シート上の未定着のトナー像は、混色と同時にシート上に定着される。このようにして、フルカラー画像が得られる。
【0048】
一般的に、本実施の形態の場合の様に、像担持体としての感光体が、一つだけ備えられたカラーの画像形成装置においては、感光体に対する画像形成動作の回数の違いにより、単色画像とフルカラー画像でシートの搬送間隔が異なる。すなわち、単色画像の場合における搬送間隔の方が、フルカラー画像の場合における搬送間隔よりも短くなるのが一般的である。実際に、本実施の形態に係る画像形成装置を採用すると、シートの搬送間隔が異なるために、シートが機外に排出される速度は、単色画像の方が、フルカラー画像の場合に比べて約4倍速くなる。より具体的な例を挙げると、シートの排出速度は、A3サイズの場合で単色画像が16枚/分に対して、フルカラー画像の場合には4枚/分となる。
【0049】
シートの搬送間隔でいうと、A3サイズの場合で、シートの先端と先端の間隔でいうと、単色画像が3.75秒毎、フルカラー画像の場合、15秒毎にシートが搬送されることになる。
【0050】
次に、図2を参照して、本実施の形態に係る定着装置8について、更に詳しく説明する。図2は本発明の第1の実施の形態に係る定着装置の主要構成を示す模式図である。
【0051】
定着装置8は、上述のように、定着ローラ81と加圧ローラ84とを備えている。そして、定着ローラ81は、中空で肉厚1.6mmの鉄製の芯金81aと、その表面上に設けられる厚さ2.3mmのシリコーンゴム層81bと、更にその表面上に設けられる厚さ50μmのPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)チューブ層81cとを有する。この定着ローラ81の外径は50mmである。また、シリコーンゴム層81bにおけるローラの軸線方向の寸法は330mmである。また、このシリコーンゴム層81bで用いられたシリコーンゴムの熱伝導率は0.503W/mKである。
【0052】
一方、加圧ローラ84は、中空で肉厚2.5mmの鉄製の芯金82aと、その表面上に設けられる厚さ2.1mmのシリコーンゴム層82bと、更にその表面上に設けられる70μm厚のPFAチューブ層82cとを有する。この加圧ローラ84の外径は40mmである。また、シリコーンゴム層82bにおけるローラの軸線方向の寸法は333mmある。
【0053】
ここで、定着ローラ81は、第1加熱体としてのメインヒータ82と第2加熱体としてのサブヒータ83が、芯金81a内に配設されている。そして、定着ローラ81の軸線方向ほぼ中央に当接配設されたサーミスタ9によって定着ローラ81の表面温度が検出され、この検出温度に基づいて制御装置(CPU)10によりメインヒータ82及びサブヒータ83のオン・オフが制御される。このようにして、定着ローラ81の表面温度が一定に維持されるように制御される。尚、定着ローラ81と加圧ローラ84とは、加圧機構(図示せず)によって総圧約588Nで加圧されている。又、定着ローラ81と加圧ローラ84はプロセススピード140mm/secで回転している。更に、定着ローラ81の表面温度の設定値(目標温度)は、本実施の形態では190℃とする。
【0054】
上述の定着装置8では、未定着トナー像を表面に担持したシートが該トナー像の面を定着ローラ81側にして、この定着ローラ81と加圧ローラ84との間の定着ニップに挟持搬送され、その際に加熱かつ加圧されてトナーの定着が行われることとなる。
【0055】
次に、図3及び図4を参照して、本実施の形態に係るメインヒータ82及びサブヒータ83について、更に詳しく説明する。図3は定着動作を行っている際におけるオン・オフ制御の一例を示すタイムチャート図である。図4はヒータの配光分布を示す図であり、(A)はサブヒータの配光分布を示し、(B)はメインヒータの配光分布を示している。
【0056】
メインヒータ82の消費電力は500Wである。また、このメインヒータ82は、長手方向における配光分布が中央をメインとするように構成されている。具体的には、長手方向中央部の160mmの範囲よりも、長手方向両端部側における光強度を100%とすると、この160mmの範囲内の光強度が120%になるよう構成されている(図4(B)参照)。
【0057】
一方、サブヒータ83の消費電力は320Wである。また、このサブヒータ83は、長手方向における配光分布が両端をメインとするように構成されている。具体的には、長手方向中央部の160mmの範囲内の光強度を100%とすると、この160mmの範囲外の長手方向両端部側の光強度が230%になるよう構成されている(図4(A)参照)。
【0058】
これらのヒータの消費電力及び配光分布は、主に次の2点で決定される。
【0059】
第一に、単色モードにおいて、連続して定着処理を行う場合に、坪量の大きなシートであっても、定着ローラ81の表面温度が目標の設定温度(190℃)に保たれるように、温調を良好に行える点である。ここで、単色モードは、フルカラーモードの場合よりも単位時間当りのシート排出枚数が多く、より多くの電力を必要とする。
【0060】
第二に、単色モードにおいて、搬送され得る最大シート幅(装置で設定した最大シート幅)よりも小サイズのシートを連続して搬送する際に、メインヒータ82とサブヒータ83の点灯時間を変化させる制御を行うことによって、定着ローラ81におけるシートの通らない部分の昇温が、部品の熱劣化等を起こさない範囲に制御できる点である。
【0061】
実際の単色モードにおけるシートサイズに応じたヒータ点灯制御については、図11の表に示している。なお、図11に示す、定着ローラ温度差の結果は、シートとして、坪量64g/m2の用紙を採用した場合の結果である。図11の表を参照して、このヒータ点灯制御について更に詳しく説明する。図11は単色モードにおけるヒータの点灯制御について示した表である。
【0062】
ヒータの点灯制御は、定着ローラ検知温度が目標温度の190℃よりも低い場合には、メインヒータ82は常に点灯させる。一方、サブヒータ83は、5秒を一つの単位とするオン・オフ(点灯・消灯)を繰り返す動作を行わせている。すなわち、メインヒータ82が5秒間常に点灯しているのに対して、サブヒータ83は、シートの幅に応じて、表中の欄内の時間(1〜5秒)だけ点灯させて、5秒の内、残りの時間は消灯することを繰り返している。そして、定着ローラ検知温度が目標温度の190℃以上になったら、二つのヒータを消灯させている。具体例として、図3には、A5サイズのシートを縦向きに搬送する場合における、定着ローラ検知温度の推移と、それに応じた各ヒータ制御の様子を示している。
【0063】
ここで、シートの幅とは、シートの搬送方向に垂直な方向の長さを意味する。このシート幅は、シートサイズとシートの搬送向きによって決まる。本実施の形態では、定型のシートサイズ(A4,A5,B5)について、これらに対応した制御が行われる。
【0064】
図11に示す表における向きについて、シートサイズ欄に「縦」とあるものは、シートの短辺側を定着ローラの軸線と平行になるように搬送した場合を、「横」とあるものは、シートの長辺側を定着ローラの軸線と平行になるように、搬送した場合を示す。
【0065】
また、「定着ローラ温度差(中央)−(端部)」の欄は、単色モードにおいて、シートを連続搬送した場合における、ローラ中央の温度と、各シート幅の端部に相当する部分(例えば、「A4(横)」の場合には、中央から145mmの部分)の温度を測定し、これらの温度差{(中央の温度)−(端部の温度)}を計算した結果(以下「ローラ端部中央温度差」と呼ぶ)である。
【0066】
この表から、シート幅の大きいA4(横)の場合には、中央の方が端部よりも温度が高くなっている。一方、シート幅が、A4(横)よりも小さい、それ以外のものは、逆にローラ端部はシートが通らないために、端部の方が中央部よりも温度が高くなっている。しかし、表に示すようにサブヒータの点灯時間をメインヒータのそれに比べて短く間引いているために、部品の熱劣化を起こす程の端部温度の上昇は、避けることが出来ている。
【0067】
ところが、フルカラーモードの場合には、ローラ端部中央温度差が20℃以上になり、「紙しわ」が生じることがある。このような現象は紙の坪量が64g/m2程度の比較的薄い紙で起こりやすい。その理由は以下の通りである。
【0068】
上記のように、像担持体(感光体)が一つのみ備えられたフルカラーの画像形成装置においては、単色モードの場合に比べてフルカラーモードの場合におけるシートの排出速度は遅くなっている。例えば、単色モードでは32枚/分に対して、フルカラーモードでは8枚/分である。これにより、連続的に画像形成処理を行う場合には、単色モードの場合に比べて、フルカラーモードの場合における連続して搬送するシートの間隔は広くなっている。
【0069】
そして、シートが搬送されていない間は、シートに熱が奪われないため、単色モードとフルカラーモードでヒータの点灯の仕方を同じにした場合には、定着ローラ中央部付近(通常、サーミスタによって温度が測定されている部分に相当する)の温度を、目標温度である190℃にするために、ヒータが点灯する時間はフルカラーモードの方が短くて済む。逆に言うと、フルカラーモードの場合、ヒータの消灯している時間が、単色モードに比べると長くなることになる。
【0070】
定着ローラは、一般的に、本実施の形態の場合と同様に、中空の芯金が基材となっていることが多く、ローラ中央部に比べるとローラ端部からの放熱量が大きい。そのため、ローラ中央部を190℃に温調したとしても、ヒータが消灯している時間が長い分、フルカラーモードの方が、単色モードの場合に比べて、ローラ端部の温度が低くなり、ローラ端部中央温度差が大きくなってしまう。
【0071】
また、ローラ端部中央温度差が大きくなり、ローラ中央部の温度が端部に比べて高くなると、シリコーンゴムの温度による膨張率の違いから、ローラ端部に比べてローラ中央の直径が実質大きくなる。従って、定着装置の中でシートが搬送される際に、中央と端部とでシートの搬送速度の違いが生じ、「紙しわ」などの問題が発生してしまう。
【0072】
なお、逆にローラ端部の温度が中央部に比べて高くなると、シリコーンゴムの温度による膨張率の違いからローラ中央部に比べてローラ端部の直径が実質大きくなる。従って、定着装置の中でシートが搬送される際に、中央部に比べて端部の搬送速度が早くなってしまい、「後端はね」などの問題が発生してしまう。
【0073】
従来、この様な問題への対策として、上述のように、定着ローラや加圧ローラに予め逆クラウン形状を設け、ローラ端部と中央の紙の搬送速度を調節することが行われてきた。しかし、単色・フルカラーモードなどの各画像形成モードを有する装置、さらには坪量などが異なる複数種類のシートの適切に対応可能な逆クラウン形状の最適化は困難である。
【0074】
そこで、本実施の形態においては、フルカラーモードにおける加熱制御を工夫することによって、上記問題の解決を図るようにした。より具体的には、本実施の形態においては、フルカラーモードにおいて制御する定着ローラ81の表面温度に関して、単色モードにおける目標温度と同じ定着目標温度190℃と、これよりも高い温度195℃を、基準となる温度(制御において判定基準(閾値)となる温度)として設定した。そして、それぞれの温度域において、メインヒータとサブヒータの点灯比(点灯時間の比)を異なる値に設定した。
【0075】
図12に、A4(横)の場合(最大シート幅)の制御における、各温度域での各ヒータの点灯時間の詳細を示す。なお、図12では、本実施の形態における制御と比較するために従来技術の場合についても示した。
【0076】
本制御では、定着ローラ81の表面温度が190℃未満の場合には、メインヒータ82もサブヒータ83も常時点灯させる。そして、定着ローラ81の表面温度が190℃以上195℃未満の場合には、サブヒータ83は常時点灯させるのに対して、メインヒータ82は5秒のうち2秒だけ点灯させる。そして、定着ローラ81の表面温度が195℃以上の場合には、サブヒータ83もメインヒータ82も消灯させる。なお、従来の制御では、目標の定着温度190℃以上の場合には、メインヒータ及びサブヒータのいずれをも消灯していた。
【0077】
図5には、定着ローラ表面の検知温度の推移と、それに応じた本実施の形態における各ヒータ制御の様子を示している。また、図6には、定着ローラ表面の検知温度と、それに応じた従来技術における各ヒータ制御の様子を示している。
【0078】
以上のように、従来技術におけるヒータ制御の場合には、フルカラーモードの場合にも、単色モードの場合と同様に、定着ローラの表面温度が目標温度を超えると、いずれのヒータも消灯していた。そのため、ローラの端部から熱が逃げることから、ローラ端部中央温度差が20℃と高くなり、紙しわが発生していた。これに対して、本実施の形態におけるヒータ制御では、ヒータの消灯時間が比較的長くなるフルカラーモードの場合には、定着ローラの表面温度が目標温度を超えても、これよりも高い温度に設定された設定温度になるまでは、各ヒータを点灯するようにした。そして、この場合に、特に熱が逃げやすい端部をより温めるために、端部の配光が高いサブヒータをメインヒータよりも時間比で長くなるように点灯させるようにした。なお、本実施の形態の場合には、従来技術と比べて、サブヒータは、斜線部の長さ分だけ長く点灯することになる。以上のことから、本実施の形態の場合には、定着ローラ端部の温度が上がり、ローラ端部中央温度差(ローラ表面温度が190℃付近での平均値)は8℃程度となり、紙しわの発生はなかった。
【0079】
このように、定着ローラの温度が高い領域ほど、メインヒータに比べてサブヒータがより長時間点灯するように設定することで、ローラ中央端部温度差を小さくすることが可能となり、紙しわ等の紙搬送上の問題を解決することが可能となる。
【0080】
以上のようなシート搬送性に対する対策は、定着ローラの弾性層が0.2mm以上の場合、好ましくは1.0mm以上の場合に、ローラ長手の温度分布により、弾性層の膨張がローラ端部と中央で異なることを利用して、紙の軸線方向の速度分布を変えることが容易となり効果的である。一方、弾性層が5.0mmを越えてしまうと、芯金内部の入ったハロゲンランプからの熱が、ローラ表面まで伝わる熱伝導が悪くなり、ヒータの点灯比を変えても、ローラ表面の温度を調整することは困難になってしまう。
【0081】
また、定着ローラの弾性層の熱伝導率についても、0.210W/mK以上の場合、ヒータの点灯比を変えることで、ローラ表面の温度を調整することが容易になり、本実施の形態の効果も大きくなる。一方、弾性層の熱伝導率を上げるためには、一般的に弾性層に金属フィラーを混ぜることが行われるが、0.838W/mKを越えて大きくすると、ゴムの強度が落ちてしまい芯金からの弾性層の剥がれが生じたりして、定着ローラ用の弾性層としては、不適切となる。
【0082】
(第2の実施の形態)
図7,図8及び図13には、本発明の第2の実施の形態が示されている。本実施の形態では、定着装置の配置構成が上記第1の実施の形態に係る画像形成装置とは異なる場合を示す。本実施の形態では配置構成が上記第1の実施の形態と異なるのみであり、各構成の機能等については同一であるので、その説明は適宜省略する。
【0083】
図8は本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置の主要構成を示す模式図である。本実施の形態においては、シートの排出方向が矢印11の様になり、機械の側面から横方向(水平方向)にシートが排出される場合に比べて、一般的に、設置場所が小さくて済むなどの利点がある。
【0084】
しかし、シートは重力に逆らって搬送されるために、定着装置に入るシートの姿勢が安定しづらく、しわなどが発生しやすくなる。
【0085】
そこで、本実施の形態においては、フルカラーモードにおいて制御する定着ローラ81の表面温度に関して、単色モードにおける目標温度と同じ定着目標温度190℃と、これよりも高い温度193℃を、基準となる温度(制御において判定基準(閾値)となる温度)として設定した。そして、それぞれの温度域において、メインヒータとサブヒータの点灯比(点灯時間の比)を異なる値に設定した。
【0086】
図13に、A4(横)の場合(最大シート幅)の制御における、各温度域での各ヒータの点灯時間の詳細を示す。なお、図13では、本実施の形態における制御と比較するために従来技術の場合についても示した。
【0087】
本制御では、定着ローラ81の表面温度が190℃未満の場合には、メインヒータ82もサブヒータ83も常時点灯させる。そして、定着ローラ81の表面温度が190℃以上193℃未満の場合には、サブヒータ83は常時点灯させて、メインヒータ82は常時消灯させる。そして、定着ローラ81の表面温度が193℃以上の場合には、サブヒータ83もメインヒータ82も消灯させる。なお、従来の制御では、目標の定着温度190℃以上の場合には、メインヒータ及びサブヒータのいずれをも消灯していた。なお、ローラ端部中央温度差については、坪量64g/m2の紙を通した結果である。
【0088】
本実施の形態においては、定着ローラ81の表面温度が190℃以上193℃未満の場合においては、サブヒータ83のみが点灯するようにしたので、上記第1の実施の形態の場合に比べて、よりローラ端部中央温度差を小さくするようにしている。
【0089】
ここで、本実施の形態では、定着ローラ81の表面温度が190℃以上193℃未満の場合には、サブヒータ83のみしか点灯しておらず、定着ローラ81に与えられる熱量は、両方のヒータが点灯した場合に比べて小さい。
【0090】
従って、紙の坪量が105g/m2などの厚い紙を通紙した場合には、電力が足りないので、定着ローラ81の表面温度の低下が早く、直ぐに190℃未満になってしまう。この表面温度が190℃未満になると、二つのヒータが点灯するので、表面温度は190℃以上193度未満の範囲まで、再び温度が上昇するということを繰り返す。そして、この温度域にある時間は短く、一般的な従来技術の場合と同様に、トータル時間としては、190℃未満にある場合の方が多く、サブヒータ83の点灯時間は、それほど多くならない。しかし、もともと厚い紙の場合には、紙しわなども起こりづらいので、特に問題とならない。
【0091】
ここで、厚い紙では、定着ローラの温度低下による、定着性の悪化が懸念される。しかし、本実施の形態では、上記の通り、サブヒータ83のみしか点灯しない状態から直ぐに、二つのヒータが点灯する状態に移行するので、定着ローラ81に与えられる熱量が不足して、必要以上に定着ローラ81の表面温度が下がってしまうこともない。
【0092】
一方、紙しわが発生しやすい64g/m2などの薄紙の場合、ローラに与えられる熱量が小さくなる、定着ローラ81の表面温度が190℃以上193℃未満となる温度域を比較的長く保つことが可能となる。その結果、従来技術における制御の場合と比べて、サブヒータ83が点灯する時間が長くなり、ローラ端部中央温度差が小さくなり、紙しわ防止効果は大きいものとなる。
【0093】
図7には、定着ローラ表面の検知温度の推移と、それに応じた本実施の形態における各ヒータ制御の様子を示している。従来技術の場合は、上述した第1の実施の形態で説明した図6に示される。
【0094】
以上のように、従来技術におけるヒータ制御の場合には、フルカラーモードの場合にも、単色モードの場合と同様に、定着ローラの表面温度が目標温度を超えると、いずれのヒータも消灯していた。そのため、ローラの端部から熱が逃げることから、ローラ端部中央温度差が20℃と高くなり、紙しわが発生していた。これに対して、本実施の形態におけるヒータ制御では、ヒータの消灯時間が比較的長くなるフルカラーモードの場合には、定着ローラの表面温度が目標温度を超えても、これよりも高い温度に設定された設定温度になるまでは、サブヒータを点灯するようにした。なお、本実施の形態の場合には、従来技術と比べて、サブヒータは、斜線部の長さ分だけ長く点灯することになる。以上のことから、本実施の形態の場合には、定着ローラ端部の温度が上がり、ローラ端部中央温度差(ローラ表面温度が190℃付近での平均値)は4℃程度となり、紙しわの発生はなかった。
【0095】
なお、これまで説明した第1の実施の形態及び第2の実施の形態におけるヒータ制御においては、各ヒータの点灯時間を変更するパラメータは、温度域と、画像形成モード(単色モードであるかフルカラーモードであるか)の場合を説明した。しかし、これに限らず、更に他のパラメータを含ませることもできる。
【0096】
例えば、シートの坪量をパラメータに含めることもできる。すなわち、坪量の異なる数種類の紙を通紙する場合は、坪量検知装置などを付設し、設定温度を2つあるいは、それ以上設けて、ヒータ点灯比を適宜設定することも可能である。
【0097】
更には、単色,2色,フルカラーの3つのモードを持つ画像形成装置においては、設定温度を2つあるいは、あるいはそれ以上設けて、ヒータ点灯比を適宜設定することも可能である。
【0098】
(第3の実施の形態)
図9,図10及び図14には、本発明の第3の実施の形態が示されている。本実施の形態では、加圧ローラ側にも加熱手段(第3加熱手段)が設けられる場合の構成について説明する。その他の構成については、上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同様であるので、画像形成装置の構成に関しては、特に、新たな図は追加せずに説明する。また、基本的構成についても、第3加熱手段が増えた点を除けば、上記各実施の形態と同一であるので、その説明は適宜省略する。
【0099】
本実施の形態における定着装置の加圧ローラ内部には、第3加熱手段として、70Wのニクロム線ヒータが付設されている。本実施の形態におけるニクロム線ヒータは、加圧ローラ表面に温度検知素子をつけてOFF/ON制御をすることはせず、基本的には、画像形成装置の電源が入っているときには、ニクロム線ヒータにも通電されている。
【0100】
それでも、ニクロム線ヒータの電力が70Wと小さいので、画像形成を行わず、定着ローラが回転していない場合にも、加圧ローラ表面温度は、170℃程度にしかならず、ニクロム線ヒータ用の安全装置も特に必要は無い。
【0101】
本実施の形態の構成を採用した場合には、加圧ローラにヒータを設けて、温めることで、定着後のコピー画像に適度な光沢を与えることが可能となる利点がある。
【0102】
しかし、このような構成の定着装置では、ヒータの入っていないものに比べて、加圧ローラの温度が高い分、定着ローラから加圧ローラへの熱の移動が小さい。特にBk単色モード時に、ローラ端部の温度が上がりすぎて、紙しわとは逆に、後端はねが起こりやすくなってしまう問題が発生する。
【0103】
そこで、本実施の形態においては、Bk単色モードにおいて制御する定着ローラの表面温度に関して、定着目標温度190℃と、これよりも低い温度187℃を、基準となる温度(制御において判定基準(閾値)となる温度)として設定した。そして、それぞれの温度域において、メインヒータとサブヒータの点灯比(点灯時間の比)を異なる値に設定した。
【0104】
図14に、A4(横)の場合(最大シート幅)の制御における、各温度域での各ヒータの点灯時間の詳細を示す。なお、図14では、本実施の形態における制御と比較するために従来技術の場合についても示した。
【0105】
本制御では、定着ローラ81の表面温度が187℃未満の場合には、メインヒータ82もサブヒータ83も常時点灯させる。そして、定着ローラ81の表面温度が187℃以上190℃未満の場合には、メインヒータ82は常時点灯させて、サブヒータ83は5秒のうち4秒だけ点灯させる。そして、定着ローラ81の表面温度が190℃以上の場合には、メインヒータ82もサブヒータ83も消灯させる。なお、従来の制御では、目標の定着温度190℃未満の場合には、メインヒータ及びサブヒータのいずれをも常時点灯していた。
【0106】
図9には、定着ローラ表面の検知温度の推移と、それに応じた本実施の形態における各ヒータ制御の様子を示している。また、図10には、定着ローラ表面の検知温度と、それに応じた従来技術における各ヒータ制御の様子を示している。
【0107】
以上のように、従来技術におけるヒータ制御の場合には、Bk単色モードにおいて、最大幅のシートが搬送される場合には、定着ローラの表面温度が目標温度に達していない状態では、いずれのヒータについても常時点灯させていた。そのため、ローラ中央端部温度差が0℃となり、後端はねが発生していた。
【0108】
これに対して、本実施の形態におけるヒータ制御の場合には、Bk単色モードにおいて、最大幅のシートが搬送される場合には、中央の配光が高いメインヒータが、従来と比べて斜線部の長さだけ短く点灯することになるので、定着ローラの中央付近の温度が下がり、ローラ中央端部温度差は、10℃程度となり、後端はねの発生を防止できる。
【0109】
以上の様に本実施の形態においては、
また、前記制御手段は、前記定着回転体の温度が高いほど、第1加熱体に比べて第2加熱体をオンにする割合を小さくするとよい。
【0110】
また、記録材上に形成される画像に応じて、搬送される記録材の間隔が異なり、この記録材の間隔が基準間隔よりも狭い場合に、
前記制御手段は、前記定着回転体の温度が高いほど、第1加熱体に比べて第2加熱体をオンにする割合を小さくすることも好適である。
【0111】
また、本発明の実施の形態には、次の実施態様も含まれる。
【0112】
(実施態様1)
記録材上に形成された像を熱により定着する定着回転体(例えば、上記実施の形態では定着ローラ81に相当)と、
該定着回転体に圧接し、記録材を挟持搬送するニップを形成する加圧体(例えば、上記実施の形態では加圧ローラ84に相当)と、を備える定着装置において、
前記定着回転体中央部に加熱ピーク(例えば、上記実施の形態では配光ピークに相当(配光ピークと加熱ピークはおおよそ一致する))を有し、該定着回転体を加熱する第1加熱体(例えば、上記実施の形態ではメインヒータ82に相当)と、
前記定着回転体端部に加熱ピークを有し、該定着回転体を加熱する第2加熱体(例えば、上記実施の形態ではサブヒータ83に相当)と、
定着回転体の温度を検知する温度検知体(例えば、上記実施の形態ではサーミスタ9に相当)と、
該温度検知体の出力に基づいて加熱体への通電を制御する通電制御手段(具体的には、上記実施の形態では点灯制御(点灯時間(点灯比)の制御)にも相当する))と、を設けると共に、
前記定着回転体の温度に応じて、前記第1加熱体及び第2加熱体への通電比率(例えば、上記実施の形態では、メインヒータとサブヒータの点灯時間の比率(点灯比)にも相当)を変更することを特徴とする定着装置。
【0113】
(実施態様2)
前記制御手段は、前記定着回転体の表面温度が高いほど、第1加熱体に比べて第2加熱体へ通電する比率を大きくする(例えば、上記第1の実施の形態では、190℃未満では、メインヒータとサブヒータは常時オンでありオンの比率は等しくするのに対して、190℃以上195℃未満ではメインヒータを間欠的にオンとして、サブヒータを常時オンとすることで、後者をオンにする比率を大きくすることに相当し、上記第2の実施の形態では、190℃未満では、メインヒータとサブヒータは常時オンでありオンの比率は等しくするのに対して、190℃以上193℃未満ではメインヒータをオフとして、サブヒータを常時オンとすることで、後者をオンにする比率を大きくすることに相当する)ことを特徴とする実施態様1に記載の定着装置。
【0114】
(実施態様3)
記録材上に形成される画像に応じて、連続定着動作中の搬送される記録材の搬送間隔が異なり(例えば、上記実施の形態では単色モードの場合とフルカラーモードの場合に記録材の間隔が異なることに相当)、この搬送間隔が基準間隔よりも広くなると(例えば、上記実施の形態ではフルカラーモードの場合に相当)に、
前記制御手段は、前記定着回転体の温度が高いほど、第1加熱体に比べて第2加熱体へ通電する比率をより大きくする(例えば、上記第1の実施の形態では、190℃未満では、メインヒータとサブヒータは常時オンでありオンの割合は等しくするのに対して、190℃以上195℃未満ではメインヒータを間欠的にオンとして、サブヒータを常時オンとすることで、後者をオンにする割合を大きくすることに相当し、上記第2の実施の形態では、190℃未満では、メインヒータとサブヒータは常時オンでありオンの割合は等しくするのに対して、190℃以上193℃未満ではメインヒータをオフとして、サブヒータを常時オンとすることで、後者をオンにする割合を大きくすることに相当する)ことを特徴とする実施態様1に記載の定着装置。
【0115】
(実施態様4)
前記制御手段は、前記定着回転体の温度が基準温度(例えば、上記第1の実施の形態におけるフルカラーモードでは195℃に相当し、上記第2の実施の形態におけるフルカラーモードでは193℃に相当し、各実施の形態において単色モードでは、190℃に相当する)を越えている場合には、第1加熱体及び第2加熱体への通電を停止することを特徴とする実施態様1〜3のいずれか一つに記載の定着装置。
【0116】
(実施態様5)
前記定着回転体は、筒状の金属基材で構成された芯金と、その外周に設けられる0.2mm以上4mm以下の弾性層を有する定着ローラであることを特徴とする実施態様1〜4のいずれか一つに記載の定着装置。
【0117】
(実施態様6)
前記弾性層の熱伝導率が0.210W/mK以上0.838W/mK以下であることを特徴とする実施態様5に記載の定着装置。
【0118】
(実施態様7)
前記制御手段が前記第1加熱体及び第2加熱体へ通電する割合を変更するパラメータに、搬送される記録材の間隔が含まれることを特徴とする実施態様1〜6のいずれか一つに記載の定着装置。
【0119】
(実施態様8)
前記制御手段が前記第1加熱体及び第2加熱体へ通電する割合を変更するパラメータに、搬送される記録材の坪量が含まれることを特徴とする実施態様1〜7のいずれか一つに記載の定着装置。
【0120】
(実施態様9)
前記ニップ部を通過する際の記録材の移動方向が、重力方向に対して略平行であること(例えば、上記第2の実施の形態で示した構成)を特徴とする実施態様1〜8のいずれか一つに記載の定着装置。
【0121】
(実施態様10)
前記加圧体を加熱する第3加熱手段(例えば、上記第3の実施の形態におけるニクロム線ヒータに相当)を備えることを特徴とする実施態様1〜9のいずれか一つに記載の定着装置。
【0122】
(実施態様11)
静電潜像を担持する像担持体(例えば、上記実施の形態における感光体1に相当)と、
該像担持体上に担持された静電潜像を現像化する現像手段(例えば、上記実施の形態における現像器4,5に相当)と、
該現像手段によって現像化された現像を直接あるいは間接(例えば、上記実施の形態のように中間転写体を介する場合には間接に相当する)に記録材上に転写する転写手段(例えば、上記実施の形態における二次転写ベルト7に相当)と、
該転写手段によって記録材上に転写された未定着画像を記録材上に定着させる実施態様1〜10のいずれか一つに記載された定着装置と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【0123】
(実施態様12)
前記像担持体は一つだけ設けられ、かつ、単色画像及び複数色画像を形成可能に構成されていることを特徴とする実施態様11に記載の画像形成装置。
【0124】
(実施態様13)
記録材上に形成された像を熱により定着する定着回転体(例えば、上記実施の形態では定着ローラ81に相当)と、該定着回転体に圧接し、記録材を挟持搬送するニップを形成する加圧体(例えば、上記実施の形態では加圧ローラ84に相当)と、を有する定着装置を備え、
単色画像と複数色画像を選択的に形成する画像形成装置において、
前記定着回転体を加熱する加熱体(例えば、上記実施の形態ではメインヒータ82及びサブヒータ83に相当)と、
前記定着回転体の表面温度に応じて、該加熱手段のオン・オフ制御(具体的には、加熱手段が電熱式であれば通電制御に相当し、また、上記実施の形態では点灯制御(点灯時間(点灯比)の制御)にも相当する)を行う制御手段(例えば、上記実施の形態では制御装置10に相当)と、を設けると共に、
該制御手段により行われる制御では、
単色画像を形成する場合には、前記定着回転体の温度が目標温度(例えば、上記各実施の形態では190℃に相当)を超えると判断されている間には、前記加熱体がオンとされている状態は含まれず、
複数色画像を形成する場合には、前記目標温度を超えると判断されている間には、前記加熱体がオンとされている状態を含む(例えば、上記第1の実施の形態では190℃以上195℃未満で、メインヒータは間欠的にオンとされて、サブヒータは常時オンとされ、いずれのヒータもオン状態を含み、上記第2の実施の形態では190℃以上193℃未満で、サブヒータは常時オンとされ、ヒータがオンとなる状態を含むことに相当)ことを特徴とする画像形成装置。
【0125】
(実施態様14)
前記加熱体には、
前記定着回転体の中央部に加熱ピークを有する第1加熱体(例えば、上記実施の形態ではメインヒータ82に相当)と、
前記定着回転体の端部に加熱ピークを有する第2加熱体(例えば、上記実施の形態ではサブヒータ83に相当)と、が含まれ、
前記定着回転体の温度が、前記目標温度(例えば、上記第1の実施の形態では190℃)から該目標温度よりも高い温度に設定された設定温度(例えば、上記第1の実施の形態では195℃)までの間にある場合には、前記制御手段は、前記第2加熱体を常にオンとし、かつ、第1加熱体は間欠的にオンとする制御を行うことを特徴とする実施態様13に記載の画像形成装置。
【0126】
(実施態様15)
前記加熱手段には、
前記定着回転体の中央部に加熱ピークを有する第1加熱体(例えば、上記実施の形態ではメインヒータ82に相当)と、
前記定着回転体の端部に加熱ピークを有する第2加熱体(例えば、上記実施の形態ではサブヒータ83に相当)と、が含まれ、
前記定着回転体の温度が、前記目標温度(例えば、上記第2の実施の形態では190℃)から該目標温度よりも高い温度に設定された設定温度(例えば、上記第2の実施の形態では193℃)までの間にある場合には、前記制御手段は、前記第2加熱体を常にオンとし、かつ、第1加熱体はオフとする制御を行うことを特徴とする実施態様13に記載の画像形成装置。
【0127】
(実施態様16)
記録材上に形成された像を熱により定着する定着回転体(例えば、上記実施の形態では定着ローラ81に相当)と、該定着回転体に圧接し、記録材を挟持搬送するニップを形成する加圧体(例えば、上記実施の形態では加圧ローラ84に相当)と、を有する定着装置を備える画像形成装置において、
前記定着回転体の中央部に加熱ピークを有し、該定着回転体を加熱する第1加熱体(例えば、上記実施の形態ではメインヒータ82に相当)と、
前記定着回転体の端部に加熱ピークを有し、該定着回転体を加熱する第2加熱体(例えば、上記実施の形態ではサブヒータ83に相当)と、
装置の稼動中は常時前記加圧体を加熱する第3加熱体(例えば、上記第3の実施の形態におけるニクロム線ヒータに相当)と、
前記定着回転体の表面温度に応じて、前記第1加熱体及び第2加熱体のオン・オフ制御(具体的には、加熱手段が電熱式であれば通電制御に相当し、また、上記実施の形態では点灯制御(点灯時間(点灯比)の制御)にも相当する)を行う制御手段(例えば、上記実施の形態では制御装置10に相当)と、を設けると共に、
該制御手段は、基準サイズよりも大きな記録材(例えば、A4定型紙)が搬送される場合に、
前記定着回転体の表面温度が目標温度(例えば、上記第3の実施の形態では190℃に相当)を超えている場合には、前記第1加熱体及び第2加熱体のいずれもオフとし、
前記定着回転体の表面温度が該目標温度よりも低く設定された設定温度(例えば、上記第3の実施の形態では187℃に相当)から該目標温度までの間にある場合には、前記第1加熱体を常にオンとして、前記第2加熱体を間欠的にオンとし、
前記定着回転体の表面温度が前記設定温度よりも低い間は、前記第1加熱体及び第2加熱体のいずれも常時オンとすることを特徴とする画像形成装置。
【0128】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明により、目標温度を維持すると共に各種サイズのシートに対して、適切な定着処理を可能にしつつ、定着回転体の昇温の問題にも対応しながら、定着ローラの温度分布を適切に保ち、しわ、後端はねが出ない様に、シートの搬送性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の主要構成を示す模式図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る定着装置の主要構成を示す模式図である。
【図3】定着動作を行っている際におけるオン・オフ制御の一例を示すタイムチャート図である。
【図4】ヒータの配光分布を示す図である。
【図5】定着ローラ表面の検知温度の推移と、それに応じた本発明の第1の実施の形態における各ヒータ制御の様子を示したタイムチャート図である。
【図6】定着ローラ表面の検知温度と、それに応じた従来技術における各ヒータ制御の様子を示したタイムチャート図である。
【図7】定着ローラ表面の検知温度の推移と、それに応じた本発明の第2の実施の形態における各ヒータ制御の様子を示したタイムチャート図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置の主要構成を示す模式図である。
【図9】定着ローラ表面の検知温度の推移と、それに応じた本発明の第3の実施の形態における各ヒータ制御の様子を示したタイムチャート図である。
【図10】定着ローラ表面の検知温度と、それに応じた従来技術における各ヒータ制御の様子を示したタイムチャート図である。
【図11】単色モードにおけるヒータの点灯制御について示した表である。
【図12】本発明の第1の実施の形態に係るヒータの点灯制御について示した表である。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係るヒータの点灯制御について示した表である。
【図14】本発明の第3の実施の形態に係るヒータの点灯制御について示した表である。
【符号の説明】
1 感光体
2 一次帯電器
3 レーザー露光装置
4,5 現像器
6 中間転写体
7 二次転写ベルト
8 定着装置
81 定着ローラ
81a 芯金
81b シリコーンゴム層
81c チューブ層
82 メインヒータ
82a 芯金
82b シリコーンゴム層
82c チューブ層
83 サブヒータ
84 加圧ローラ
9 サーミスタ
10 制御装置(CPU)
Claims (1)
- 記録材上に形成された像を熱により定着する定着回転体と、
該定着回転体に圧接し、記録材を挟持搬送するニップを形成する加圧体と、を備える定着装置において、
前記定着回転体の中央部に加熱ピークを有し、該定着回転体を加熱する第1加熱体と、
前記定着回転体の端部に加熱ピークを有し、該定着回転体を加熱する第2加熱体と、
前記定着回転体の温度を検知する温度検知体と、
温度検知体の出力に基づいて加熱体への通電を制御する通電制御手段と、を有する定着装置において、
前記定着回転体の温度に応じて、前記第1加熱体及び第2加熱体への通電比率を変更することを特徴とする定着装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003062435A JP2004271905A (ja) | 2003-03-07 | 2003-03-07 | 定着装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003062435A JP2004271905A (ja) | 2003-03-07 | 2003-03-07 | 定着装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004271905A true JP2004271905A (ja) | 2004-09-30 |
Family
ID=33124359
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003062435A Withdrawn JP2004271905A (ja) | 2003-03-07 | 2003-03-07 | 定着装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004271905A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007003998A (ja) * | 2005-06-27 | 2007-01-11 | Ricoh Co Ltd | 定着装置およびこれを用いた画像形成装置 |
JP2014098744A (ja) * | 2012-11-13 | 2014-05-29 | Konica Minolta Inc | 定着装置および画像形成装置 |
US9122218B2 (en) | 2013-01-29 | 2015-09-01 | Brother Kogyo Kabushiki Kaisha | Image forming device capable of detecting abnormality in temperature sensing member |
JP2016151638A (ja) * | 2015-02-17 | 2016-08-22 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 画像形成装置 |
-
2003
- 2003-03-07 JP JP2003062435A patent/JP2004271905A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007003998A (ja) * | 2005-06-27 | 2007-01-11 | Ricoh Co Ltd | 定着装置およびこれを用いた画像形成装置 |
JP2014098744A (ja) * | 2012-11-13 | 2014-05-29 | Konica Minolta Inc | 定着装置および画像形成装置 |
US9122218B2 (en) | 2013-01-29 | 2015-09-01 | Brother Kogyo Kabushiki Kaisha | Image forming device capable of detecting abnormality in temperature sensing member |
JP2016151638A (ja) * | 2015-02-17 | 2016-08-22 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 画像形成装置 |
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