JP5317437B2 - 弾球遊技機用樹脂基盤 - Google Patents
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Description
そこで、これらの問題や要求を解決するために遊技盤の素材を、ベニア合板に代え、透明メタクリル樹脂シートとし、更にこの遊技盤に液晶表示装置やLED照明装置(発光ダイオード)等を組み込んで、より面白く、魅力的なものにすることが提案されている(例えば、特許文献1〜2参照)。
しかしながら、このメタクリル樹脂シート遊技盤にNC加工機で穴あけ後、パチンコ釘を打ち込むと、釘周辺にミクロクラックに伴う割れが発生するという重大問題が発生する。
これを解消するために、メタクリル樹脂にアクリル系ゴムからなる多層構造粒子を配合し耐衝撃性を改善する方法が考えられる。ところが、この遊技盤のメタクリル樹脂シートに液晶表示を取り付け(全面液晶或いは部分液晶表示)点灯させた場合、遊技盤内部の温度が上昇し、遊技盤の構造、液晶表示装置の取り付けによっても変わるが、その液晶側のメタクリル樹脂シート表面温度は約40℃に上昇する。
そして、メタクリル樹脂にアクリル系ゴムからなる多層構造粒子を配合した場合の最大の問題として、温度上昇に伴いメタクリル樹脂とアクリル系ゴムの屈折率の相違(ズレ)によって、該樹脂シートが白濁する高温ヘーズの問題が発生する。この問題は、樹脂シート厚依存性が大きく樹脂シート厚が厚くなる程ヘーズ値(曇価)が大きくなり、液晶画面が不鮮明となりかつ照度が低下する。
そこで、打った釘周辺に白化やクラックを発生させることなく、且つ樹脂シート表面の白濁を低減させ、ベニア合板以上の釘の保持力及び耐久性を有することになれば、パチンコを始めとして、その他スロットマシーン等を含めての弾球遊技機一般用の樹脂基盤(以下、弾球遊技機用樹脂基盤という。)として、産業上貢献すること大である。
即ち、本発明は、
[1]平均粒径が0.05〜0.30μmであるアクリル系ゴムからなる多層構造粒子を含有する透明メタクリル樹脂からなり、該樹脂のアセトン不溶部が19〜29重量%であるメタクリル樹脂シートからなり、該メタクリル樹脂シートの厚さが8〜19mmである弾球遊技機用樹脂基盤、
[2]該メタクリル樹脂シートの厚さが8〜15mmであることを特徴とする[1]に記載の弾球遊技機用樹脂基盤。
[3]該メタクリル樹脂シートの厚さが8〜12mmであることを特徴とする[1]に記載の弾球遊技機用樹脂基盤。
[4]該樹脂のアセトン不溶部が24〜29重量%であることを特徴とする[1]〜[3]に記載の弾球遊技機用樹脂基盤、
[5]該メタクリル樹脂シートの引張弾性率が、1500〜2500MPaであることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の弾球遊技機用樹脂基盤である。
(1)メタクリル樹脂
本発明の弾球遊技機用樹脂基盤は、アクリル系ゴムからなる多層構造粒子を含有する透明メタクリル樹脂からなる。
透明メタクリル樹脂としては、メタクリル酸メチル70〜100重量%と、これと共重合する単量体30〜0重量%とを(共)重合したものが好ましい。
重量平均分子量は80,000〜220,000が好ましく、さらに好ましくは90,000〜200,000である。
上記重合方法については何ら限定されるものではなく、従来公知の方法が採用できる。
本発明に用いられるアクリル系ゴムからなる多層構造粒子(以下、単にアクリル系ゴム粒子ということもある。)とは、中心硬質層、軟質層、最外硬質層からなる3層構造、更に軟質層と最外硬質層との間に中間硬質層を有する4層構造等の多層構造を有するゴム粒
子で、公知のアクリル系ゴム粒子を用いることができる。
具体的には以下のアクリル系ゴム粒子が例示できる。
「(A)メチルメタクリレート単独又はメチルメタクリレートとこれと共重合可能な単量体との混合物を乳化重合させて、25℃以上のガラス転移点をもつ、メチルメタクリレートを主体とした重合体の分散液を形成させる第一層形成工程、
(B)この生成物に、単独で重合させたときにガラス転移点が25℃以下の共重合体を形成する、アルキルアクリレートを主体とし、さらにこれと共重合可能な単量体及び多官能性架橋剤の少なくとも一方と、混合物全重量に基づき0.1〜5重量%の多官能グラフト剤を含有する混合物を加えて乳化重合させる第二層工程、及び
(C)この生成物に、単独で重合させたときに25℃以上のガラス転移点をもつ重合体を形成する、メチルメタクリレート又はこれを主体とする単量体混合物に連鎖移動剤を段階的に増加させ、多段階で乳化重合させる第三層形成工程から成る、第三層の分子量が内側から外側に向かって次第に小さくなっている多層構造アクリル系樹脂成形材料の製造法。」によって得られるアクリル系ゴムからなる多層構造粒子。
「ポリマーの溶融開始温度が235℃以上であり、かつ、内層に単独で重合した場合のガラス転移温度Tgが25℃以下あるポリマーを含む少なくとも1層の軟質重合体層と、および最外層に単独で重合した場合にTgが50℃以上であるポリマーを含む硬質重合体層とを有するアクリル系多層構造ポリマーの乳化ラテックスを凝固して得られる凝固粉を含むアクリル系多層構造ポリマー粉体であって、乾燥後の凝固粉の粒径212μm以下の微粉の割合が40重量%であり、かつ、乾燥後の凝固粉の水銀圧入法で測定した孔径5μm以下の空隙体積が単位面積当たり0.7cc以下であるアクリル系多層構造体ポリマー粉体。」
「(a)メチルメタクリレート90〜99重量%、アルキル基の炭素数が1〜8のアルキルアクリレート1〜10重量%及び、これらと共重合可能なα,β−不飽和カルボン酸のアリル、メタリル、またはクロチルエステルから選ばれる少なくとも1種からなるグラフト結合性単量体0.01から0.3重量%からなる単量体混合物を重合して得られる最内硬質層重合体25〜45重量%、
(b)上記最内硬質層重合体存在下に、n−ブチルアクリレート70〜90重量%、スチレン10〜30重量%及びこれらと共重合可能なα,β−不飽和カルボン酸のアリル、メタリル、またはクロチルエステルから選ばれる少なくとも1種からなるグラフト結合性単量体1.5から3.0重量%からなる単量体混合物を重合して得られる軟質層重合体35〜45重量%、
(d)軟質層重合体/(最内硬質層重合体+軟質層重合体)の重量比が0.45〜0.57であり、
(e)平均粒子径が0.2〜0.3μmである、多層構造アクリル系重合体であって、さらに当該多層構造アクリル系重合体をアセトンにより分別した場合に、
(f)グラフト率が20〜40重量%であり、
(g)当該アセトン不溶部の引っ張り弾性率が1000〜4000kg/cm2 、であることを特徴とする多層構造アクリル系重合体。」
本発明に用いるアクリル系ゴム粒子としては、三菱レイヨン株式会社製「IR377(商品名)」、「ゴムIR441(商品名)」等が挙げられる。
透明メタクリル樹脂シートの一部を精秤後の重量(W1)、遠沈管に入れた後、アセトンを加えて溶解し、アセトン可溶部を除去する。真空乾燥機にて溶媒を飛ばし冷却後、秤量した残留物をアセトン不溶部とする(W2)。
ゴム配合量とアセトン不溶部とは一致せず、同一サイズでもゴム粒子構造(最外硬質層:アセトンに溶解)が異なると、得られる物性も異なるため、耐衝撃性に寄与するゴム分をアセトン不溶部として定義した。
次式により、アセトン不溶部(重量%)(X)を算出する。
アセトン不溶部(X)=(W2/W1)×100
本発明のメタクリル樹脂中のアセトン不溶部は、光学特性(全光線透過率、高温ヘーズ)、引張弾性率、鉛筆硬度、釘打ち後(白化発生の有無、クラック発生の有無)、釘抜き時の保持力及び切削加工性の観点から15〜50重量%であり、好ましくは20〜45重量%である。
透明メタクリル樹脂シートの一部を切出し、RuO4(ルテニウム酸)染色超薄切片法にて、染色されたゴム粒子断面の平均直径をゴム粒子の平均粒径とする。
本発明に用いるアクリル系ゴム粒子の平均粒径は、0.05〜0.30μmが好ましく、より好ましくは0.05〜0.25μmであり、さらに好ましくは0.18〜0.25μmである。
粒径が0.05μm未満であると、基盤が割れやすくなり、0.30μm超であると、ある一定以上(アセトン不溶部が65重量%以上となる量)の量を添加した場合はゴム弾性体として発現せず、衝撃値と引張弾性率が低下する。また、シートの温度上昇に伴う高温ヘーズ等の観点から、アクリル系ゴム粒子の平均粒径は、0.18〜0.25μmが最も望ましい。
本発明の透明メタクリル樹脂シートの製法としては、押出シート法及びキャストシート法のいずれについても採用でき、アクリル系ゴムからなる多層構造粒子の均一分散等を図る上で、押出シート法が好ましい。
本発明の透明メタクリル樹脂シートは耐衝撃性を有し、シート表面にNC加工機(多軸穴あけ機)にて穴加工する際、厚み5〜15mmのシートの場合に、特に良好にパチンコ釘(特に、真鍮製パチンコ釘)を打ち込むことができ、厚み19mmまでパチンコ釘の打ち込みが可能である。
このことから、本発明の透明メタクリル樹脂シートは、ベニア合板以上の釘打ち加工性を有すると言える。
尚、パチンコ釘の材質としては、真鍮製、鉄製及びステンレス製等があるが、真鍮製が最も好ましく、また真鍮製釘も捻子無し、捻子有りがあるが目的によって使い分けられ、釘の保持力からは捻子有りが好ましく、その保持力はベニア合板に用いた場合以上である。
、より好ましくは1500〜2400MPaである。引張弾性率が2500MPa以下の場合、シート表面に釘打ち後に白化やクラック発生は認められず、1200MPa以上の場合はシートの剛性及び硬度(硬さ)が向上し、表面に傷が付きにくくなる。
本発明のメタクリル樹脂シートの板厚10mm厚での、シート表面温度が40℃における高温ヘーズ値(曇価)は、5%以下が好ましい。5%以下であれば、目視にてシートの白濁が認められず、全光線透過率が向上すると同時に液晶表示が明るくなり、見えやすくなる。
本発明のメタクリル樹脂シート厚は、5〜19mmが好ましく、より好ましくは8〜12mmである。シート厚みが5mm以上であれば、シート表面に釘抜き時の保持力が向上し、19mm以下であれば全光線透過率及び高温ヘーズ値が低くなり、液晶表示が明るく見えやすくなる。
特性試験項目としては、透明メタクリル樹脂シートのゴム成分を把握するためのアセトン不溶部、アクリル系ゴム粒子の平均粒径、これに加えて、光学特性〔全光線透過率、高温ヘーズ(曇価)〕、引張弾性率、釘打ち時(白化発生の有無、クラック発生の有無)、釘抜き時(保持力)及び、切削加工性について比較評価を実施した。
透明メタクリル樹脂シートを一昼夜(約80℃、約12時間以上)乾燥後、シートの一部を切出し約1.0g精秤後(W1)、遠沈管(金属製チューブ)に試料を入れた後にアセトン20mlを加え室温で約1日静置後、振とう機にて2時間振とうする。次に日立工機(株)製 真空式高速冷却遠心機 機種:CR26Hを使用し、5℃、24000rpmに条件設定し、1時間遠心分離する。
真空乾燥機を100℃に設定し、一昼夜(約12時間以上)真空乾燥後に取出し、デシケーター内で室温まで冷却後、残留物の重量を秤量した(W2)。
次式により、アセトン不溶部(重量%)を算出する(X)。
アセトン不溶部(X)=(W2/W1)×100
透明メタクリル樹脂シートの一部を丸鋸にて切り出した後、RuO4(ルテニウム酸)染色超薄切片法による観察用の試料を作製した。(株)日立製作所製 透過型電子顕微鏡
機種:H−600型を使用し、染色されたゴム粒子断面を観察後、撮影した。高倍率にプリントした代表的な粒子20個の直径をスケールにて測定し、平均粒径を求めた。
(1)全光線透過率:JIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」の規定方法に準じ、樹脂シートを50×50mmの試料サイズに切り出し後、日本電色工業(株)製 濁度計型式:1001DPを使用して測定した。
(2)高温ヘーズ値(曇価):JIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」の規定方法に準じ、樹脂シートを50×100mmの試料サイズに切り出し後、該シート表面の片面端部(装置本体の光源側)より約40mmに熱電対の先端を耐熱テープを使用し貼り付け後、該シートを容器の中に入れ約80℃に設定した乾燥機の中に約2時間以上静置後、容器の蓋を閉め素早く取出し濁度計を設置した恒温恒湿室(23℃X50
%RH)内に移動し、温度低下を抑えて、日本電色工業(株)製 濁度計型式:1001DPに該シートをセット後、自然冷却させながらシート表面温度が40℃における高温ヘーズ値(曇価)を測定し、求めた。各々2回の試験結果の平均値を求めた。
透明メタクリル樹脂とアクリル系ゴム粒子を、タンブラー(混合機)(30回転/分)中で約15分間均一になるように混合した。
次に、この樹脂混合物を30φ二軸押出機(ナカタニ機械株式会社製)に供給しペレタイズ(造粒機)したペレットを使用し、東芝機械製IS100ENにプラスチックの引張弾性率用の1号形試験片金型を取り付けて試験片を作製した。試験片を状態調整(温度23±2℃、相対湿度50±5%において48時間以上)後にISO試験法527−2/1A/1に用い、引張弾性率を測定した。
透明ポリカーボネート樹脂シートについては旭ガラス株式会社製、商品名「レキサン」の技術資料より抜粋し、記載した。
(6)釘打ち後(白化発生の有無、クラック発生の有無)
シートサイズ50×150mmを準備し、ストレートシャンクドリルφ1.73mmを使用しボール盤で貫通させた穴を10箇所以上あけ、真鍮製釘φ1.83mm全長33.3mm、頭部分引いた長さ31.2mm、テーパー部分3mm、φ1.83mmの真鍮製パチンコ釘(捻子無し)を穴の中央に釘をセット後、インストロンジャパン社製型式5582(床置きモデル)の試験機を用い、毎分50mmの速度で釘を打ち、シート厚みに対し釘の平行部分を貫通後(シート厚み10mmの場合は13mm)、釘周辺の白化発生の有無、及びクラック発生の有無を評価した。ベニア合板については合板の板厚19mmを使用し表面に直接、16.5mmを釘打ちした。
(6)で得られた釘打ち後の試料を用い、インストロン社製型式5582(床置きモデル) 試験機を用い、釘の頭部をチャックに固定し毎分50mmの速度で釘を引き抜いた時の最大荷重(kg)を求めた。
(8)切削加工性
NC加工機及びドリル刃を使用し木工用(ベニア合板)の条件に設定後、切削加工を行い問題が無くほぼ良好に加工が出来た場合を○、僅かに刃に切屑が付着した場合は△とし、明らかに付着した場合を×とした。
次に、アクリル系ゴム粒子の製造例1〜3を示すと共に、本発明を実施例、比較例に基づいて説明する。
内容積10Lの還流冷却器付反応器に、イオン交換水6860ml、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム13.7gを投入し、250rpmの回転数で攪拌しながら、窒素雰囲気下75℃に昇温し、酸素の影響が事実上無い状態にした。
MMA907g 、BA33g 、HMBT0.28g及びALMA0.93gからなる混合物(I−1)のうち222gを一括添し、5分後に過硫酸アンモニウム0.22gを添加した。その40分後から(I−1)の残りの719gを20分間かけて連続的に添加し、添加終了後さらに60分間保持した次に、過硫酸アンモニウム1.01gを添加した後BA1067g、St219g、HMBT0.39g、ALMA27.3gからなる
混合物(I−2)を140分間かけて連続的に添加し、添加終了後さらに180分間保持した。
残りのラテックスを3重量%硫酸ナトリウム温水溶液中へ投入して、塩拆・凝固させ、次いで、脱水・洗浄を繰り返したのち乾燥し、多層構造アクリル系重合体(I)を得た。
尚、上記略号は以下の化合物を示す。
MMA;メチルメタクリレート、BA;n−ブチルアクリレート、St;スチレン、MA;メチルアクリレート、ALMA;アリルメタクリレート、PEGDA;ポリエチレングリコールジアクリレート(分子量200又は600)、n−OM;n−オクチルメルカプタン、HMBT;2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
かきまぜ機、コンデンサーを備えた10Lビーカーに蒸留水5.7L、乳化剤としてジオクチルスルホコハク酸ソーダ20g、還元剤としてロンガリットl.2gを加え均一に溶解する。第一層としてメチルメタクリレート(以下MMAと略す)220g、n−ブチルアクリレート(以下BAと略す)30g、アリルメタクリレート(以下ALMAと略す)0.8g、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキシド(以下PBPと略す)0.2gの均一溶液を加え80℃で重合した。約15分で反応は完了した。
得られた重合体はTgは108℃であった。次いで第二層としてBA1270g、スチレン(以下stと略す)320g、ジエチレングリコールジアクリレート(以下DEGAと略す)20g、ALMA13.0g、PBP1.6gの均一温度を1時間にわたって滴煩下した。滴下終了後40分で反応は完了した。このものを単独で重合して得られた重合体のTgは−38℃であった。
次に、第三層2段としてOMの量を1.0gにした他は第三層1段と同じ組成の溶液を加えた。このものを単独で重合させて得た重合体の分子量は、117,000、Tgは108℃であった。この段階は約15分で反応が完了した。次いで温度を95℃に上げ、1時間保持した、得られた乳化剤を0.5%塩化アルミニウム水溶液中に投入して重合体を凝集させ、温水で5回洗浄後、乾燥して白色フロック状の成形材料を得た。
製造例1の(I−1)、(I−2)及び(I−3)を構成する混合物を同一にし、MMA907g、BA33g、HMBT0.28g及びALMA0.93gからなる混合物(I−1)のうち222gを一括添し、1.5分後に過硫酸アンモニウム0.22gを添加し、重合開始反応を促進させ粒径を大きくした以外は、製造例1と全く同様に実施した。
メタクリル樹脂(旭化成ケミカルズ(株)製 商品名「デルパウダ:70Hビーズ」)80重量%と上記製造例1のアクリル系ゴム粒子20重量%を、タンブラー(混合機)(30回転/分)中で約15分間回転させ均一になるように混合した。
次に、この樹脂混合物を30φ二軸押出機(ナカタニ機械株式会社製)に供給しペレタ
イズ(造粒機)した。
続いて、得られたペレットをシート押出機(株式会社プラ技研製 50mmφ、L/D=32)に供給し、厚み10mm、幅250mmのシートに押出した。
得られたシートから丸鋸を用い上記特性試験項目用サンプル(引張弾性率を除く)を切り出し、各評価項目に従って測定した。
引張弾性率は、上記(4)引張弾性率を用い測定した。
メタクリル樹脂70重量%に対しアクリル系ゴム粒子30重量%を配合した以外は、実施例1と同一方法にて評価用サンプルを得、各評価項目に従って測定した。
[参考実施例3]
メタクリル樹脂50重量%に対しアクリル系ゴム粒子50重量%を配合した以外は、実施例1と同一方法にて評価用サンプルを得、各評価項目に従って測定した。
[実施例4]
上記製造例2のアクリル系ゴム粒子を用いた以外は、実施例2と同一方法にて評価用
サンプルを得、各評価項目に従って測定した。
[実施例5]
上記製造例3のアクリル系ゴム粒子を用いた以外は、実施例2と同一方法にて評価用サンプルを得、各評価項目に従って測定した。
アクリル系ゴム粒子として、三菱レイヨン株式会社製 製品名(商品名)IR377(フレーク状アクリルゴムの多層構造粒子)を用いる以外は、実施例2と同一方法にて評価用サンプルを得、各評価項目に従って測定した。
[実施例7]
アクリル系ゴム粒子として、三菱レイヨン株式会社製 製品名(商品名)IR441(フレーク状アクリルゴムの多層構造粒子)を用いる以外は、実施例2と同一方法にて評価用サンプルを得、各評価項目に従って測定した。
[参考実施例8]
実施例2の配合処方を用いシート押出機にて、厚み5mm、幅250mmのシートに押出した以外は、実施例1と同一方法にて評価用サンプルを得、各評価項目に従って測定した。但し、シート板厚6mmの為、釘打ち込み量は9mmとした。
実施例2の配合処方を用いシート押出機にて、厚み3mm、幅250mmのシートに押出した以外は、実施例1と同一方法にて評価用サンプルを得、各評価項目に従って測定した。但し、シート板厚3mmの為、釘打ち込み量は6mmとした。
[比較例1]
アクリル系ゴム粒子を配合しない以外は、実施例1と同一方法にて評価用サンプルを得、各評価項目に従って測定した。
メタクリル樹脂90重量%に対しアクリル系ゴム粒子10重量%を配合した以外は、実施例1と同一方法にて評価用サンプルを得、各評価項目に従って測定した。
[比較例3]
メタクリル樹脂30重量%に対しアクリル系ゴム粒子70重量%を配合した以外は、実施例1と同一方法にて評価用サンプルを得、各評価項目に従って測定した。
メタクリル樹脂シートに代えて、市販品の透明ポリカーボネート樹脂シート(旭ガラス株式会社製 商品名:レキサン、板厚10mm)を入手し、各評価項目に従って測定した。
[比較例5]
現行使用の板厚19mmベニア合板(ラワン材)のみを用いて各評価項目に従って測定した。但し、ベニア合板の場合は、ボール盤で穴あけ加工せず合板表面に直接、16.5mmを釘打ちした。
実施例1,2、4〜7、参考実施例3,8,9及び比較例1〜5の結果を表1に示す。
を打つパチンコ遊技機を含む弾性遊技機分野一般に適用可能である。そして、本発明の透明メタクリル系樹脂シートに液晶装置を設置することにより、遊技機盤面を部分液晶化、又は全面液晶化できる。また、導光板方式にて該シート端面によりLED照明或いは、冷陰極管を取り付けることより該シート表面に発光させることが可能で産業上極めて有効である。更にはシート表面に釘を打つ必要のある樹脂の素材を活かした建材用途等の分野に適用可能である。
Claims (5)
- 平均粒径が0.05〜0.30μmであるアクリル系ゴムからなる多層構造粒子を含有する透明メタクリル樹脂からなり、該樹脂のアセトン不溶部が19〜29重量%であるメタクリル樹脂シートからなり、該メタクリル樹脂シートの厚さが8〜19mmである弾球遊技機用樹脂基盤。
- 該メタクリル樹脂シートの厚さが8〜15mmであることを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機用樹脂基盤。
- 該メタクリル樹脂シートの厚さが8〜12mmであることを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機用樹脂基盤。
- 該樹脂のアセトン不溶部が24〜29重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の弾球遊技機用樹脂基盤。
- 該メタクリル樹脂シートの引張弾性率が、1500〜2500MPaであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の弾球遊技機用樹脂基盤。
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