JP5137590B2 - 弾球遊技機用樹脂基盤 - Google Patents
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Description
[1]アクリル系ゴムからなる多層構造粒子を含有する透明メタクリル樹脂組成物100重量部に対し、平均粒子径が0.1〜0.5μmの酸化チタンからなる光散乱性微粒子を0.00025〜0.0005重量部配合してなるメタクリル樹脂シートからなる弾球遊技機用樹脂基盤。
[2]アクリル系ゴムからなる多層構造粒子の平均粒径が、0.05〜0.25μmであることを特徴とする[1]に記載の弾球遊技機用樹脂基盤。
[3]メタクリル樹脂シートの引張弾性率が、1200〜2500MPaであることを特徴とする[1]又は[2]に記載の弾球遊技機用樹脂基盤。
[4]メタクリル樹脂シートの厚さが5〜19mmであることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1項に記載の弾球遊技機用樹脂基盤。
[5]前記メタクリル樹脂シートの面発光シートと光源を有する発光システムとの組合せからなることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか1項に記載の弾球遊技機用樹脂基盤。
本発明の弾球遊技機用樹脂基盤は、アクリル系ゴムからなる多層構造粒子と光散乱剤を含有する透明メタクリル樹脂からなる。
(1)透明メタクリル樹脂
透明メタクリル樹脂としては、メタクリル酸メチル70〜100重量%と、これと共重合する単量体30〜0重量%とを(共)重合したものが好ましい。
その重量平均分子量は80,000〜220,000が好ましく、さらに好ましくは90,000〜200,000である。
共重合できる単量体としては、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸2−エチルヘキシルなどのメタクリル酸エステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸、アクリル酸、スチレン、無水マレイン等が挙げられる。
上記重合方法については何ら限定されるものではなく、従来公知の方法が採用できる。
本発明に用いられるアクリル系ゴムからなる多層構造粒子(以下、単にアクリル系ゴム粒子、又はゴム粒子ということもある。)とは、中心硬質層、軟質層、最外硬質層からなる3層構造、更に軟質層と最外硬質層との間に中間硬質層を有する4層構造等の多層構造を有するゴム粒子で、公知のアクリル系ゴム粒子を用いることができる。
具体的には以下のアクリル系ゴム粒子が例示できる。
「(A)メチルメタクリレート単独又はメチルメタクリレートとこれと共重合可能な単量体との混合物を乳化重合させて、25℃以上のガラス転移点をもつ、メチルメタクリレートを主体とした重合体の分散液を形成させる第一層形成工程、
(B)この生成物に、単独で重合させたときにガラス転移点が25℃以下の共重合体を形成する、アルキルアクリレートを主体とし、さらにこれと共重合可能な単量体及び多官能性架橋剤の少なくとも一方と、混合物全重量に基づき0.1〜5重量%の多官能グラフト剤を含有する混合物を加えて乳化重合させる第二層工程、及び
(C)この生成物に、単独で重合させたときに25℃以上のガラス転移点をもつ重合体を形成する、メチルメタクリレート又はこれを主体とする単量体混合物に連鎖移動剤を段階的に増加させ、多段階で乳化重合させる第三層形成工程から成る、第三層の分子量が内側から外側に向かって次第に小さくなっている多層構造アクリル系樹脂成形材料の製造法。」によって得られるアクリル系ゴムからなる多層構造粒子。
「ポリマーの溶融開始温度が235℃以上であり、かつ、内層に単独で重合した場合のガラス転移温度Tgが25℃以下あるポリマーを含む少なくとも1層の軟質重合体層と、および最外層に単独で重合した場合にTgが50℃以上であるポリマーを含む硬質重合体層とを有するアクリル系多層構造ポリマーの乳化ラテックスを凝固して得られる凝固粉を含むアクリル系多層構造ポリマー粉体であって、乾燥後の凝固粉の粒径212μm以下の微粉の割合が40重量%であり且つ、乾燥後の凝固粉の水銀圧入法で測定した孔径5μm以下の空隙体積が単位面積当たり0.7cc以下であるアクリル系多層構造体ポリマー粉体。」
「(a)メチルメタクリレート90〜99重量%、アルキル基の炭素数が1〜8のアルキルアクリレート1〜10重量%及び、これらと共重合可能なα,β−不飽和カルボン酸のアリル、メタリル、またはクロチルエステルから選ばれる少なくとも1種からなるグラフト結合性単量体0.01から0.3重量%からなる単量体混合物を重合して得られる最内硬質層重合体25〜45重量%、
(b)上記最内硬質層重合体存在下に、n−ブチルアクリレート70〜90重量%、スチレン10〜30重量%及びこれらと共重合可能なα,β−不飽和カルボン酸のアリル、メタリル、またはクロチルエステルから選ばれる少なくとも1種からなるグラフト結合性単量体1.5から3.0重量%からなる単量体混合物を重合して得られる軟質層重合体35〜45重量%、
(c)上記最内硬質層および軟質層からなる重合体の存在下に、メチルメタクリレート90〜99重量%、アルキル基の炭素数が1〜8である単量体混合物を重合して得られる最外硬質層重合体20〜30重量%とからなり、
(d)軟質層重合体/(最内硬質層重合体+軟質層重合体)の重量比が0.45〜0.57であり、
(e)平均粒子径が0.2〜0.3μmである、多層構造アクリル系重合体であって、さらに当該多層構造アクリル系重合体をアセトンにより分別した場合に、
(f)グラフト率が20〜40重量%であり、
(g)当該アセトン不溶部の引っ張り弾性率が1000〜4000kg/cm2、であることを特徴とする「多層構造アクリル系重合体。」
3−27516号公報、特開昭51−129449号公報及び特開昭52−56150号公報出願S50−124647号公報等に記載のアクリル系ゴム粒子等も使用できる。
メタクリル樹脂シートの一部を精秤後の重量(W1)、遠沈管に入れた後、アセトンを加えて溶解し、アセトン可溶部を除去する。真空乾燥機にて溶媒を飛ばし冷却後、秤量した残留物をアセトン不溶部とする(W2)。
アクリル系ゴム粒子の配合量とアセトン不溶部とは一致せず、同一サイズでもゴム粒子構造(最外硬質層:アセトンに溶解)が異なると、得られる物性も異なるため、耐衝撃性に寄与するゴム分をアセトン不溶部として定義した。
次式により、アセトン不溶部(重量%)(X)を算出する。
アセトン不溶部(X)=(W2/W1)×100
本発明のメタクリル樹脂中のアセトン不溶部は、光学特性〔(全光線透過率、ヘーズ(曇価)〕、引張弾性率及び、釘打ち後(白化発生の有無、クラック発生の有無)等の観点から15〜50重量%であり、好ましくは20〜45重量%である。
メタクリル樹脂シートの一部を切出し、RuO4(ルテニウム酸)染色超薄切片法にて、アクリル系ゴム粒子の染色された該ゴム粒子断面の平均直径をゴム粒子の平均粒子径とする。
本発明に用いるアクリル系ゴム粒子の平均粒径は、0.05〜0.30μmが好ましく、より好ましくは0.05〜0.25μmであり、さらに好ましくは0.18〜0.25μmである。
該粒子径が0.05μm未満であると、基盤が割れやすくなり、0.30μm超であると、ある一定以上(アセトン不溶部が65重量%以上となる量)の量を配合した場合はゴム弾性体として発現せず、衝撃値と引張弾性率が低下する。
本発明における光拡散性微粒子は、アルミナ、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化珪素、ガラスビーズ等の無機微粒子、スチレン架橋ビーズ、MS架橋ビーズ、シロキサン系架橋ビーズ等の有機微粒子等が挙げられる。また、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、MS樹脂、環状オレフィン樹脂等の透明性の高い樹脂材料からなる中空架橋微粒子及びガラスからなる中空微粒子等も挙げられる。中でも好ましくは無機微粒子で更に最も好ましくは、アルミナ及び酸化チタン等があげられる。また、上記光拡散性微粒子を単独または複数併用して使用することも可能であり何ら限定されるものではない。ここで、微粒子の屈折率は1.7〜3.0、好ましくは1.7〜2.5、更に好ましくは1.7〜2.0である。屈折率が1.7未満であると散乱性が弱くなりすぎ、逆に3.0を超えるとランプ近傍での散乱が強くなりすぎ、その結果輝度ムラ及び出射光色調にムラが生じ易くなり好ましくない。本発明における屈折率とは、D線(589nm)に基づく温度20℃での値である。微粒子の屈折率の測定方法としては、例えば、微粒子を屈折率を少しずつ変化させることのできる液体に浸し、液体の屈折率を変化させながら微粒子界面を観察し、微粒子界面が不明確になった時の液体の屈折率を測定するという方法が挙げられる。なお、液体の屈折率の測定には、アッベの屈折計等を用いることができる。また、透明メタクリル樹脂中に分散される光拡散性微粒子の平均粒子径は、0.1〜20μm、好ましくは0.2〜15μm、より好ましくは0.3〜10μm、更に好ましくは0.4〜5μmである。平均粒子径が20μm以下であると後方反射等による光損失が抑えられ、入光した光を効率的に発光面側に拡散させることができ、光る弾球遊技機用樹脂基盤として目標の輝度を得ることが可能となるため好ましい。また、平均粒子径が0.1μm以上であると出射光を拡散させることが可能となるとり、光る弾球遊技機用樹脂基盤として目標の面発光輝度、拡散性を得ることができるため好ましい。また、透明メタク
リル樹脂中に分散される光拡散性微粒子の含有量は、該透明メタクリル樹脂100重量部に対して0.0001〜0.03重量部、好ましくは0.0001〜0.01重量部である。含有量が0.03重量部以下であると光る弾球遊技機用樹脂基盤として均一な面発光を得ることが容易となり好ましい。また、含有量が0.0001重量部以上であると、光拡散性微粒子の光拡散効果が発現され、光る弾球遊技機用樹脂基盤として好ましい。
本発明の透明メタクリル樹脂シートの製法としては、押出シート法及びキャストシート法、射出成形法のいずれについても採用でき、アクリル系ゴムからなる多層構造粒子の均一分散等を図る上で、押出シート法が好ましい。また、カット加工などの後工程を削減する製法としては射出成形による方法としてメリットがあるが、何ら限定されるものでは無い。
本発明の透明メタクリル樹脂シートは耐衝撃性を有し、シート表面にNC加工機(多軸穴あけ機)にて穴加工する際、厚み5〜15mmのシートの場合に、特に良好にパチンコ釘(特に、真鍮製パチンコ釘)を打ち込むことができ、厚み19mmまでパチンコ釘の打ち込みが可能である。
このことから、本発明の透明メタクリル樹脂シートは、ベニア合板以上の釘打ち加工性を有すると言える。
尚、パチンコ釘の材質としては、真鍮製、鉄製及びステンレス製等があるが、真鍮製が最も好ましく、また真鍮製釘も捻子無し、捻子有りがあるが、捻子無しのものが目的によって使い分けられ、釘の保持力からは捻子有りが好ましくその保持力はベニア合板に用いた以上である。
本発明のメタクリル樹脂シート厚は、5〜19mmが好ましく、より好ましくは8〜12mmである。シート厚みが5mm以上であれば、シート表面に釘打った釘抜き時の保持力が向上し、19mm以下であれば、全光線透過率が高くヘーズ(曇価)が低くなり、液晶表示が明るく、光拡散性微粒子の光拡散効果が発現され好ましい。
特性試験項目としては、メタクリル樹脂シートのアクリル系ゴム成分を把握するためのアセトン不溶部、アクリル系ゴム粒子の平均粒子径、これに加えて、光学特性〔全光線透過率、ヘーズ(曇価)〕、引張弾性率、シート表面発光の輝度、状態及び、釘打ち後の状態(白化発生の有無、クラック発生の有無)について比較評価を実施した。
メタクリル樹脂シートを一昼夜(約80℃、約12時間以上)乾燥後、シートの一部を切出し約1.0g精秤後(W1)、遠沈管(金属製チューブ)に試料を入れた後にアセトン20mlを加え室温で約1日静置後、振とう機にて2時間振とうする。次に日立工機(株)製 真空式高速冷却遠心機 機種:CR26Hを使用し、5℃、24000rpmに条件設定し、1時間遠心分離する。
振とう後、上澄み液をデカンテーションして除いた後、新たにアセトン20mlを加え室温で1時間振とうする。振とう後、5℃、24000rpmの条件にて1時間遠心分離する。再度、同一方法及び条件で繰り返し合計3回行った。上澄み液をデカンテーションして除き、一晩風乾する。
真空乾燥機を100℃に設定し、一昼夜(約12時間以上)真空乾燥後に取出し、デシケーター内で室温まで冷却後、残留物の重量を秤量した(W2)。
次式により、アセトン不溶部(重量%)を算出する(X)。
アセトン不溶部(X)=(W2/W1)×100
メタクリル樹脂シートの一部を丸鋸にて切り出した後、RuO4(ルテニウム酸)
染色超薄切片法による観察用の試料を作製した。(株)日立製作所製 透過型電子顕微鏡機種:H−600型を使用し、染色されたゴム粒子断面を観察後、撮影した。高倍率にプリントした代表的な粒子20個の直径をスケールにて測定し、ゴム粒子の平均粒子径を求めた。
1)全光線透過率:
JIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」の規定方法に準じ、樹脂シートを50×50mmの試料サイズに切り出し後、日本電色工業(株)製 濁度計型式:1001DPを使用して測定した。
2)ヘーズ値(曇価):
JIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」の規定方法に準じ、全光線透過率を用いた試料にて、日本電色工業(株)製濁度計型式:1001DPを使用し、測定した。
3)シート表面発光の輝度及び状態の評価方法:
4面を研磨した樹脂シート(厚さ:10mm×幅:200mm×長さ:300mm)の1端面(200mm)を光源としての2.6mmφの冷陰極管(ハリソン電気製)に配設した。冷陰極管には直流電圧安定装置により13Vの電圧をかけ、20分点灯後に該シートの上部表面の光源からの距離10mmと150mmの輝度を測定した。輝度測定装置として株式会社トプコン製BM−7を用いて、視野角2度における輝度と該シート表面の面発光状態を目視観察を行った。
30mmφ二軸押出機(ナカタニ機械株式会社製)でペレタイズ(造粒機)したアクリル系ゴム配合50重量部としたマスターペレットとメタクリル樹脂パウダと、光散乱剤の3試料をタンブラー(混合機)にて均一分散後、東芝機械製IS100ENにプラスチックの引張弾性率用の1号形試験片金型を取り付けて試験片を作製した。試験片を状態調整(温度23±2℃、相対湿度50±5%において48時間以上)後にISO試験法527−2/1A/1に用い、引張弾性率を測定した。
尚、[比較例7]は、メタクリル樹脂(旭化成ケミカルズ(株)製品名(商品名)デルペット70H)をそのまま使用し、[比較例8]については、アクリル系ゴム粒子50重量%配合のデルペット70Hを使用し、更に該デルペット70Hで25重量%になるように希釈した。
シートサイズ50×150mmを準備し、ストレートシャンクドリルφ1.73mmを使用しボール盤で貫通させた穴を10箇所以上あけ、真鍮製釘φ1.83mm全長33.3mm、頭部分引いた長さ31.2mm、テーパー部分3mm、φ1.83mmの真鍮製パチンコ釘(捻子無し)を穴の中央に釘をセット後、インストロンジャパン社製型式5582(床置きモデル)の試験機を用い、毎分50mmの速度で釘を打ち、シート厚みに対し釘の平行部分を貫通後(シート厚み10mmの場合は13mm)、釘周辺の白化発生の有無、及びクラック発生の有無を評価した。ベニア合板については合板の板厚19mmを使用し表面に直接、16.5mmを釘打ちした。
内容積10Lの還流冷却器付反応器に、イオン交換水6860ml、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム13.7gを投入し、250rpmの回転数で攪拌しながら、窒素雰囲気下75℃に昇温し、酸素の影響が事実上無い状態にした。
MMA907g、BA33g、HMBT0.28g及びALMA0.93gからなる混合物(I−1)のうち222gを一括添し、5分後に過硫酸アンモニウム0.22gを添加した。その40分後から(I−1)の残りの719gを20分間かけて連続的に添加し、添加終了後さらに60分間保持した次に、過硫酸アンモニウム1.01gを添加した後BA1067g、St219g、HMBT0.39g、ALMA27.3gからなる混合物(I−2)を140分間かけて連続的に添加し、添加終了後さらに180分間保持した。
次に、過硫酸アンモニウム0.30gを添加した後MMA730g、BA26.5g、HMBT0.22g、n−OM0.76gからなる混合物(I−3)を40分間かけて連続的に添加し、添加終了後95℃に昇温し30分間保持した。残りのラテックスを3重量%硫酸ナトリウム温水溶液中へ投入して、塩拆・凝固させ、次いで、脱水・洗浄を繰り返したのち乾燥し、多層構造アクリル系重合体(アクリル系ゴム粒子)(I)を得た。
かきまぜ機、コンデンサーを備えた10Lビーカーに蒸留水5.7L、乳化剤としてジオクチルスルホコハク酸ソーダ20g、還元剤としてロンガリットl.2gを加え均一に溶解する。第一層としてMMA220g、BA30g、ALMA0.8g、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキシド(以下PBPと略す)0.2gの均一溶液を加え80℃で重合した。約15分で反応は完了した。
得られた重合体はTgは108℃であった。次いで第二層としてBA1270g、スチレン(以下stと略す)320g、ジエチレングリコールジアクリレート(以下DEGAと略す)20g、ALMA13.0g、PBP1.6gの均一溶液を一定温度で1時間にわたって滴下した。滴下終了後40分で反応は完了した。このものを単独で重合して得られた重合体のTgは−38℃であった。
次に、第三層2段としてOMの量を1.0gにした他は第三層1段と同じ組成の溶液を加えた。このものを単独で重合させて得た重合体の分子量は、117,000、Tgは108℃であった。この段階は約15分で反応が完了した。
次いで温度を95℃に上げ、1時間保持した、得られた乳化剤を0.5%塩化アルミニウム水溶液中に投入して重合体を凝集させ、温水で5回洗浄後、乾燥して白色フロック状の成形材料を得た。
MMA;メチルメタクリレート、BA;n−ブチルアクリレート、St; スチレン、MA; メチルアクリレート、ALMA; アリルメタクリレート、PEGDA;ポリエチレングリコールジアクリレート(分子量200又は600)、n−OM;n−オクチルメルカプタン、HMBT;2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
メタクリル樹脂〔旭化成ケミカルズ(株)製 商品名「デルパウダ:80Nビーズ」〕80重量部と上記製造例1のアクリル系ゴム粒子20重量部、光散乱剤として平均粒径0.5μmのアルミナ0.003重量部を、タンブラー(混合機)(30回転/分)中で約15分間回転させ均一になるように混合した。
次に、この樹脂混合物を30φ二軸押出機(ナカタニ機械株式会社製)に供給しペレタイズ(造粒機)した。続いて、得られたペレットをシート押出機(株式会社プラ技研製 50mmφ、L/D=32)に供給し、厚み10mm、幅250mmのシートに押出した。
得られたシートから丸鋸を用い上記特性試験項目用サンプル(引張弾性率を除く)を切り出し、各評価項目に従って測定した。切断面を研磨した後、輝度は上記(3)−3)を用いて測定した。引張弾性率は、上記(4)引張弾性率を用いて測定した。
メタクリル樹脂70重量部に対し製造例1のアクリル系ゴム粒子30重量部を配合し、平均粒径0.5μmのアルミナを0.002重量部配合した以外は、参考実施例1と同一方法にて評価用サンプルを得、各評価項目に従って測定した。
[参考実施例3]
メタクリル樹脂50重量部に対し製造例1のアクリル系ゴム粒子50重量部を配合し、平均粒径0.5μmのアルミナを0.001重量部配合した以外は、参考実施例1と同一方法にて評価用サンプルを得、各評価項目に従って測定した。
[参考実施例4]
メタクリル樹脂70重量部に対し製造例2のアクリル系ゴム粒子30重量部を配合し、平均粒径0.5μmのアルミナを0.002重量部配合した以外は、参考実施例1と同一方法にて評価用サンプルを得、各評価項目に従って測定した。
メタクリル樹脂〔旭化成ケミカルズ(株)製 商品名「デルパウダ:70H」〕50重量部と上記製造例1のアクリル系ゴム粒子50重量部を、ヘンシェルミキサー(混合機)中で約15分間回転させ均一になるように混合した。
次に、この樹脂混合物を30mmφL/D=35 二軸押出機(ナカタニ機械株式会社製)に供給しペレタイズ(造粒機)にてゴム粒子50重量%配合のマスターペレットを作製した。続いて、得られたペレット50重量部、メタクリル樹脂〔旭化成ケミカルズ(株)製 「デルパウダ:70H」〕50重量部及び日本軽金属(株)製 光散乱剤 LS−235 平均子粒径 0.5μm 0.003重量部の3試料をタンブラー(混合機 30回転/分)中で約15分間回転させ均一になるように混合した。
この混合物をシート押出機(株式会社プラ技研製50mmφ、L/D=32)に供給し、厚み10mm、幅250mmのシートに押出した。
得られたシートから丸鋸を用い上記特性試験項目用サンプル(引張弾性率を除く)を切り出し、各評価項目に従って測定した。シート切断面をメガロテクニカ(株)製 プラビューティーにて4面を研磨した後、輝度を上記(3)−3)を用いて測定した。引張弾性率は、上記(4)引張弾性率を用いて測定した。
日本軽金属(株)製 LS−235 平均粒子径0.5μmのアルミナを0.007重量部配合した以外は、参考実施例5と同一方法にて評価用サンプルを得、各評価項目に従って測定した。
[参考実施例7]
日本軽金属(株)製 LS−235 平均粒子径0.5μm 平均粒子径0.5μmのアルミナを0.015重量部配合した以外は、参考実施例5と同一方法にて評価用サンプルを得、各評価項目に従って測定した。
[実施例1]
堺化学工業(株)製 R−42 平均粒子径0.29μmの酸化チタンを0.0002
5重量部配合した以外は、参考実施例5と同一方法にて評価用サンプルを得、各評価項目に従って測定した。
堺化学工業(株)製 R−42 平均粒子径0.29μmの酸化チタンを0.0005重量部配合した以外は、参考実施例5と同一方法にて評価用サンプルを得、各評価項目に従って測定した。
[参考実施例10]
堺化学工業(株)製 R−42 平均粒子径0.29μmの酸化チタンを0.001重量部配合した以外は、参考実施例5と同一方法にて評価用サンプルを得、各評価項目に従って測定した。
[参考実施例11]
上記製造例2のアクリル系ゴム粒子を用いた以外は、参考実施例5と同一方法にて評価用サンプルを得、各評価項目に従って測定した。
アクリル系ゴム粒子として、三菱レイヨン(株)製 製品名(商品名) IR441(フレーク状アクリル系ゴムの多層構造粒子)を用いる以外は、参考実施例5と同一配合及び方法にて評価用サンプルを得、各評価項目に従って測定した。
[参考実施例13]
実施例5で作製した、ゴム粒子50重量%配合のペレットを希釈せずそのまま使用し、参考実施例5と同一配合及び方法にて評価用サンプルを得、各評価項目に従って測定した。
[参考実施例14]
日本軽金属(株)製 A34 平均粒子径4μmのアルミナを使用した以外は、参考実施例5と同一方法にて評価用サンプルを得、各評価項目に従って測定した。
メタクリル樹脂80重量部に対し製造例1のアクリル系ゴム粒子20重量部を配合し、平均粒径0.5μmのアルミナを0.05重量部配合した以外は、参考実施例1と同一方法にて評価用サンプルを得、各評価項目に従って測定した。
[比較例2]
メタクリル樹脂80重量部に対し製造例1のアクリル系ゴム粒子20重量部を配合し、平均粒径0.5μmのアルミナを0.00005重量部配合した以外は、参考実施例1と同一方法にて評価用サンプルを得、各評価項目に従って測定した。
メタクリル樹脂70重量部に対し製造例1のアクリル系ゴム粒子30重量部を配合し、平均粒径0.5μmのアルミナを0.05重量部配合した以外は、参考実施例1と同一方法にて評価用サンプルを得、各評価項目に従って測定した。
[比較例4]
メタクリル樹脂70重量部に対し製造例1のアクリル系ゴム粒子30重量部を配合し、平均粒径0.5μmのアルミナを0.00005重量部配合した以外は、参考実施例1と同一方法にて評価用サンプルを得、各評価項目に従って測定した。
メタクリル樹脂80重量部に対し製造例1のアクリル系ゴム粒子20重量部を配合し、平均粒径0.05μmのアルミナを0.003重量部配合した以外は、参考実施例1と同一方法にて評価用サンプルを得、各評価項目に従って測定した。
[比較例6]
メタクリル樹脂80重量部に対し製造例1のアクリル系ゴム粒子20重量部を配合し、平均粒径30μmの硫酸バリウムを0.003重量部配合した以外は、参考実施例1と同一方法にて評価用サンプルを得、各評価項目に従って測定した。
旭化成ケミカルズ(株)製 製品名(商品名) デラグラスA999(透明)板厚:10mmを購入し評価用のサンプルを得、各評価項目に従って測定した。
[比較例8]
旭化成ケミカルズ(株) 製品名(商品名) デラグラスSR999(透明)耐衝撃板を購入評価用のサンプルを得、各評価項目に従って測定した。
日本タルク(株)製 タルク 製品名(商品名)MS−KY(低吸油量タルク) 平均粒子径23μmを使用した以外は、参考実施例5と同一方法にて評価用サンプルを得、各評価項目に従って測定した。
[比較例10]
現行使用の板厚19mmベニア合板(ラワン材)のみ用いて、各評価項目に従って測定した。
ベニア合板(ラワン材)の場合は、ボール盤で穴あけ加工せず合板表面に直接、16.5mmを釘打ちした。
実施例1〜2、参考実施例1〜7、10〜14及び比較例1〜10の結果を表1及び表2に示す。
Claims (5)
- アクリル系ゴムからなる多層構造粒子を含有する透明メタクリル樹脂組成物100重量部に対し、平均粒子径が0.1〜0.5μmの酸化チタンからなる光散乱性微粒子を0.00025〜0.0005重量部配合してなるメタクリル樹脂シートからなる弾球遊技機用樹脂基盤。
- アクリル系ゴムからなる多層構造粒子の平均粒径が、0.05〜0.25μmであることを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機用樹脂基盤。
- メタクリル樹脂シートの引張弾性率が、1200〜2500MPaであることを特徴とする請求項1又は2に記載の弾球遊技機用樹脂基盤。
- メタクリル樹脂シートの厚さが5〜19mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の弾球遊技機用樹脂基盤。
- 前記メタクリル樹脂シートの面発光シートと光源を有する発光システムとの組合せからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の弾球遊技機用樹脂基盤。
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