JP5310019B2 - 複層ガラス - Google Patents

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Description

本発明は、断熱性能および遮音性能を有する複層ガラスに関する。特に、サッシに搭載可能な軽量且つ薄型の複層ガラスに関する。
通常、複層ガラスは、一対のガラス板の周縁部にアルミニウム製スペーサーをブチルゴム接着材で貼着して挟み込み、ブチルゴム接着材で一対のガラス板とアルミニウム製スペーサーを接着一体化させ、ガラス板とアルミニウム製スペーサーからなるコの字型凹部に、ポリサルファイド、またはシリコーンからなる封止材を充填し封止している。よって、複層ガラスにはガラス板とアルミニウム製スペーサーで囲まれた密閉された中空層が存在する。
複層ガラスは中空層があることで断熱性能が高まり、結露防止、室内側冷暖房の負荷軽減などの利点があり、ガラスサッシとして一般住宅用を主として広く使われるようになった。尚、ガラスサッシとは複層ガラス、合わせガラスまたは合わせ複層ガラス等を含むガラス板に予め枠が制作・調整されていて、固定窓、可動窓等の窓、開閉ドア等のドアへの取り付けに際して1個の構成材として扱うことができるものを言う。
また、一般住宅、特に集合住宅等、事務所ビル等においては、暑い夏や寒い冬に快適に過ごせるように、室内の温度調節が積極的に行われ、一方では温度調節の省エネルギー化、効率化が求められるようになってきた。窓は、断熱性を高めることにより外気の気温変動を遮断することが要求されるようになってきた。省エネルギー上、必要となるガラスの断熱性能は「住宅に関わるエネルギー使用の合理化に関する設計および施工の指針 H11.3.30改正 建設省告示第998号」において、日本国内の各地域の窓ガラスの好適な熱貫流率が記述されている。即ち、北海道(1・2地区)を中心とする寒冷地で建具としての窓ガラスの熱貫流率は2.08W/m・K以下、即ち、2.08W・m−2・K−1以下、東北、長野等、本州を中心とする寒冷地(3地区)で求められる窓ガラスの熱貫流率は3.01W/m・K以下、東京、名古屋、大阪、福岡等、本州の中部から南部に掛けての地区(4・5地区)で求められる窓ガラスの熱貫流率は4.00W/m・K以下となっている。尚、ガラスの断熱性能の算定方法については「板ガラス類の熱抵抗及び建築における熱貫流率の算定方法」JIS R 3107:1998に記述されている。
また、近年、一般住宅、特に集合住宅、道路の近く、鉄道沿線および空港の周辺の住宅、ビル、オーディオルーム、ピアノ室、図書館および美術館等においては、好まれざる音、または音楽や会話の伝達を阻害する音である騒音に対する関心が高まり、建物の床、壁、天井等には吸音材が埋め込まれ、ドアにも防音または遮音ドアが使用されるようになってきている。加えて、音が通過しやすい窓においても、断熱性能とともに防音性能を有することが求められる。よって、窓は、空気等の媒体の粗密波として伝わる縦波である音を減衰させることが要求されるようになってきた。
複層ガラスは断熱性能には優れるが、中空層を含めた同厚のガラス板に比較すると遮音性能は低い。このことは、密度の大きい物体ほど音を吸収減衰しやすく、また、固体抵抗により振動し難いので、ガラスの方が、気体であり分子が動き易い空気より、音の吸収減衰が大きいことによる。
また、コインシデンス効果とは、板状の材料において特有の周波数で透過損失が小さくなる、言い換えれば、遮音性能が低下する現象である。具体的には、音が板面に対し斜めに入射すると、板面上の位置によって音圧に位相差ができるため、板面にそって固有の屈曲強制振動を生じ、ある周波数で音の透過が大きくなり遮音性能が低下する現象である。
ガラス板においては、ガラス面に対し、縦弾性波である音波が斜めに入射した場合、コインシデンス効果によりガラス面に横波の振動波が発生し、共鳴により遮音性能を低下させ、コインシデンス限界周波数以上の周波数域で遮音性能の低下が起こる。尚、コインシデンスの現象の起きる最も低い周波数をコインシデンス限界周波数と言い、コインシデンス限界周波数とガラスの厚さの間には相関があり、ガラスが厚くなり曲げ剛性が大きくなると、コインシデンス限界周波数は低くなることが知られている。サッシの遮音において、このコインシデンス効果の発生を抑制しなければならない。
尚、コインシデンス限界周波数は、数1の式で表される。
また、サッシの遮音性能の規格は、「サッシ」JIS A4706:2000に記載されている。即ち、JIS A4706:2000において、サッシの遮音性は、遮音等級T−1等級、T−2等級、T−3等級、T−4等級に分けられる。サッシの片側から音を出し、反対側でサッシによる音の反射、吸収減衰による音圧レベルの減少を測ることで、サッシの音響透過損失を前記JIS規格に定める各周波数で測定し、遮音等級T−1等級線、T−2等級線、T−3等級線、T−4等級線に準拠し、前記JISに記載された条件に適合、即ち、合格したサッシを、各々遮音等級T−1等級、T−2等級、T−3等級、T−4等級とする。
通常、遮音性複層ガラスは、ガラス板を異厚構成とすることで前述の音の共振を防止し特定の波長を増幅させないこと、および音を原子・分子の運動エネルギーとしての熱エネルギーに変換することで音波を吸収する特殊ガスを封入することにより、遮音等級T−3等級に合格する遮音性能を実現している。
断熱性能、遮音性能を有する複層ガラスとして、特許文献1には、スペーサーを介して所定間隔を隔てて重ね合わされた3枚のガラス板からなり、該ガラス板間に中空層を有する複層ガラス1において、前記ガラス板の少なくとも1枚は表面に熱伝達を抑制する低放射膜をコーティングしたLow−E(Low-emissivity)ガラスであり、前記各中空層のそれぞれに不活性ガスが封入されており、前記各板ガラスの各々の厚さはそれぞれ異なり、その少なくとも1枚は合わせガラスとした、幅広い音域での遮音性能がJIS A4706:2000のT−3(35等級)をクリアできるとともに、一般住宅用外壁として好適な、断熱性にも優れる複層ガラスが開示されている。
特開2005−60141号公報
特許文献1に記載の複層ガラスは、ガラス板の少なくとも1枚は表面に熱伝達を抑制する低放射膜をコーティングしたLow−Eガラスを使用し、前記各中空層のそれぞれに不活性ガス、実施例においてはアルゴンとクリプトンが封入されており、その効果として遮音等級T-3等級に合格し、熱貫流率が0.65W/m・K以上、1.11W/m・K以下となっている。しかしながら、Low−Eガラスを用い、さらに各中空層のそれぞれにアルゴン、クリプトンを封入することは手間がかかり費用がかかる。また、アルゴン、クリプトン、キセノンは重いガスであるため、中空層に封入した際、断熱性能は高めるが遮音性能は高めない。
ヘリウムが封入された複層ガラスにおいては、ガラス板2枚と中空層を合わせた総厚18mm以上、24mm以下で、T−3等級に合格することは可能である。しかしながら熱伝達しやすいヘリウムのみを中空層に封入すると、窓ガラスの熱貫流率は4.60W/m・K程度に大きくなり、市場の中心となる東京、名古屋、大阪、福岡等、本州の中部から南部に掛けての地区(4・5地区)で求められる窓ガラスの熱貫流率は4.00W/m・K以下に及ばない。
また、通常市販されているサッシ枠に適用されるガラス板の最大の厚さは、少なくとも25.0mmで、それより厚いと一般用複層ガラスサッシ枠では対応できずに特注となり、価格が上昇する。
本発明は、ガラス板部位と中空層部位を合わせた総厚が、25.0mm以下であって、熱貫流率3.50W/m・K以下、サッシとした際に遮音等級T−3等級を満たす構造が簡便で作製が容易な断熱性能および遮音性能に優れた複層ガラスを提供することを目的とする。
3枚のガラス板を各々隔置して2つの中空層を有する複層ガラスにおいて、中空層に封入する一方のガスをヘリウムとし、もう一方のガスを空気とすると断熱性能および遮音性能がともに向上した。このことは、同温同圧で単位体積当りの質量が小さく遮音性能に優れたヘリウムを中空層に封入したことで、全可聴帯域における遮音性能が向上したことと、もう一方の中空層に断熱性能に優れた空気を封入したことにより、複層ガラスの熱貫流率が低くなったことによる。また、3層構成の複層ガラスは、各層間の界面の数が多いため、界面における反射により、屋外らの放射等による熱の伝達を抑制する効果がある。
即ち、本発明は、3枚のガラス板を各々隔置して2つの中空層を有する複層ガラスにおいて、2つの中空層の一方に空気、もう一方にヘリウムを封入したことを特徴とする複層ガラスである。
また、3枚のガラス板を各々隔置して2つの中空層を有する複層ガラスにおいて、より簡便な構造とするために、複層ガラスを構成する両側2枚のガラス板の厚さおよび2つの中空層の厚さが、内部のガラス板からみて各々等しく対称となる構造とし、両側2枚のガラス板と内部のガラス板の厚さが異なる構造とした。複層ガラスを構成する両側2枚のガラス板の厚さおよび2つの中空層の厚さが内部のガラス板からみて等しく対称となる構造としながら、両側2枚のガラス板の厚さと内部のガラス板の厚さを異ならせたことによって、コインシデンス効果が抑制され、また同温同圧で単位体積当りの質量が異なる種類のガスである空気とヘリウムを、2つの中空層に各々封入して用いたことによって、内部のガラス板からみて構造的に対称であるが音響的には非対称となり、共振が抑制された。
また、本発明は、複層ガラスを構成する両側2枚のガラス板の厚さおよび2つの中空層の厚さが、内部のガラス板からみて対称であり、両側2枚のガラス板と内部のガラス板の厚さが異なることを特徴とする上記の複層ガラスである。
本発明の複層ガラスにおいて、3枚のガラス板を各々隔置して2つの中空層を有する複層ガラスを用い、通常市販されているサッシ枠に搭載可能な25.0mm以下となるように、中空層の厚さを4.0mm以下、両側2枚のガラス板と内部のガラス板の厚さの計を17.0mm以下とした。
以上、上限を踏まえコインシデンス効果の発生により遮音性能が低下することを防止するために、内部のガラス板と両側のガラス板の厚さを異厚構造とし、その厚さが2.0mm以上異なるようにした。内部のガラス板と両側のガラス板の厚さの計を12.0mm以上、17.0mm以下とした。
このようにして、中空層に封入する一方のガスをヘリウムとし、もう一方のガスを空気とし、前述の複層ガラスの構成で、各々の中空層の厚さを3.0mm以上、4.0mm以下、好ましくは3.5mm以上、4.0mm以下とすることで、「板ガラス類の熱抵抗及び建築における熱貫流率の算定方法」JIS R 3107:1998に準拠して算定した熱貫流率が3.50W/m・K以下であり、且つ「サッシ」JIS A4706:2000に準拠する遮音等級T−3等級に合格し、断熱性能および遮音性能ともに優れ、ガラス板部位と中空層部位を合わせた総厚が25.0mm以下の複層ガラスが得られた。
さらに、本発明は、3枚のガラス板を各々隔置して2つの中空層を有する複層ガラスにおいて、2つの中空層の一方に空気、もう一方にヘリウムを封入し、複層ガラスを構成する両側2枚のガラス板の厚さおよび2つの中空層の厚さが内部のガラス板からみて対称であり、内部のガラス板と両側2枚のガラス板の厚さが異なり、複層ガラスの総厚が18.0mm以上、25.0mm以下であり、熱貫流率が3.50W/m・K以下であり、サッシとした際に、JIS A4706:2000に準拠する遮音等級T−3等級に合格することを特徴とする上記の複層ガラスである。
さらに、本発明は、3枚のガラス板を各々隔置して2つの中空層を有する複層ガラスにおいて、2つの中空層の一方に空気、もう一方にヘリウムを封入し、複層ガラスを構成する両側2枚のガラス板の厚さおよび2つの中空層の厚さが内部のガラス板からみて対称であり、両側2枚のガラス板と内部のガラス板の厚さが2.0mm以上異なり、内部のガラス板と両側2枚のガラス板の厚さの計が12.0mm以上、17.0mm以下であり、中空層の厚さが3.0mm以上、4.0mm以下、ガラス板と中空層を合わせた複層ガラスの総厚が18.0mm以上、25.0mm以下であり、熱貫流率が3.50W/m・K以下であり、サッシとした際に、JIS A4706:2000に準拠する遮音等級T−3等級に合格することを特徴とする上記の複層ガラスである。
また、本発明の複層ガラスにおいて、両側2枚のガラス板が各々内部のガラス板より薄い場合に比較して、両側2枚のガラス板が内部のガラス板より厚い方が、1000Hz以下の低周波域において、音響透過損失が大きく、遮音性に優れる。
さらに、本発明は、両側2枚のガラス板が内部のガラス板より厚いことを特徴とする上記の複層ガラスである。
また、表面に熱伝達を抑制する低放射膜をコーティングしたLow−Eガラスを用いることで、本発明の複層ガラスの熱貫流率はさらに低下し、3.00W/m・K以下とすることが可能となる。低放射膜は、銀、酸化スズ等の金属酸化物薄膜を含む金属薄膜、またはこれらの多層膜であり、スパッタリング装置等でガラス表面に低放射膜を成膜することでLow−Eガラスが得られる。Low−Eガラスは熱伝達を抑制する。通常、複層ガラスにLow−Eガラスを用いる際は、低放射膜のキズ付き防止および腐食等の変質防止のために中空層側に低放射膜を配設する。
また、本発明は、少なくとも1枚のガラス板に表面に低放射膜を設けてなるLow−Eガラスを用い、中空層側に低放射膜を配設したことを特徴とする上記の複層ガラスである。
さらに、本発明は、上記の複層ガラスを取り付けてなることを特徴とする窓である。
さらに、本発明は、上記の複層ガラスを取り付けてなることを特徴とするドアである。
本発明の複層ガラスによって、ガラス板部位と中空層部位を合わせた総厚が25.0mm以下であって、熱貫流率3.50W/m・K以下、且つサッシとした際に、遮音等級T−3等級を満たす、構造が簡便で作製が容易な断熱性能および遮音性能に優れた複層ガラスが提供された。
また、本発明の複層ガラスにおいて、Low−Eガラスを用いることで、さらに断熱性能に優れた複層ガラスが提供された。
図1に、本発明の複層ガラスの一例の部分拡大断面図を示す。
図1に示すように、本発明の複層ガラスは、3枚のガラス板G1、G2、G3を各々隔置し、2つの中空層1、2を有する3枚のガラス板からなる複層ガラスであり、2つの中空層1、2に封入されたガスの一方が空気であり、他方がヘリウムである。
また、本発明の複層ガラスは、複層ガラスを構成する両側2枚のガラス板G1、G3の厚さおよび2つの中空層1、2の厚さが、内部のガラス板G2からみて等しく対称な構造である。尚、内部のガラスG2より両側2枚のガラスG1、G3が厚い方が遮音性能に優れる。
また、中空層1、2における吸音、反射を考慮しなければ、複層ガラスにおいて、コインシデンス効果の影響を受けないコインシデンス限界周波数より低周波数側の遮音性能は、質量則に従い、複層ガラスを構成するガラス板G1、G2、G3の総厚で決まる。即ち、図1に示す複層ガラスにおいて、複層ガラスを構成するガラス板G1、G2、G3の総厚で、コインシデンス域の影響を受けないコインシデンス限界周波数より低周波数側の遮音性能は決まる。
また、図1に示す複層ガラスにおいて、複層ガラスを構成するガラス板G1、G2、G3の厚さを変えて、コインシデンス限界周波数を異なった周波数とすれば、コインシデンス効果による遮音性能の低下を互いに解消することが可能となる。即ち、本発明の複層ガラスにおいて、両側2枚のガラスG1、G3の個々の厚さと内部のガラス板G2の厚さが異なる異厚構造とすることで、複層ガラスを構成するガラス板G1、G3とガラス板G2のコインシデンス限界周波数を異なる周波数とすれば、コインシデンス効果による遮音性能曲線の落ち込みを解消することができ、遮音性能が向上する。
本発明において、このことを考慮し、コインシデンス効果の発生により遮音性能が低下することを防止するために、3枚のガラス板G1、G2、G3を用いた複層ガラスにおいて、両側のガラス板G1、G3と内部のガラス板G2の厚さが異なる異厚構造とした。
本発明において、熱貫流率が3.50W/m・K以下であり、サッシとした際にJIS A4706:2000に準拠する遮音等級T−3等級に合格するために、コインシデンス効果の発生により遮音性能が低下することを防止するために、3枚のガラス板G1、G2、G3用いた複層ガラスにおいて、詳しくは、3枚のガラス板G1、G2、G3を各々隔置して、2つの中空層1、2を有する本発明の複層ガラスにおいて、2つの中空層1、2に異なる種類のガスとして空気およびヘリウムを封入し、両側のガラス板G1、G3と内部のガラス板G2との厚さの計を12.0mm以上、17.0mm以下とし、両側のガラス板G1、G3と内部のガラス板G2の厚さが2.0mm以上異なる異厚構造とし、空層1、2の厚さが各々3.0mm以上、4.0mm以下とし、3枚のガラス板G1、G2、G3と中空層1、2を合わせた複層ガラスの総厚を18.0mm以上、25.0mm以下とした。
両側のガラス板G1、G3と内部のガラス板G2の厚さの計が12.0mm未満、両側のガラス板G1、G3と内部のガラス板G2の厚さの差異が2.0mm未満、空層1、2の厚さが各々3.0mm未満、3枚のガラス板G1、G2、G3と中空層1、2を合わせた複層ガラスの総厚が18.0mm未満であると、サッシとした際に、熱貫流率が3.50W/m・K以下、且つ、JIS A4706:2000に準拠する遮音等級T−3等級に合格することを両立させることは難しい。
また、内部のガラス板G2と両側のガラス板G1、G3の厚さの計が17.0mmより大きく、且つ空層1、2の厚さが4.0mmより大きいと、3枚のガラス板G1、G2、G3と中空層1、2を合わせた複層ガラスの総厚が25.0mmより大きくなる。
この際、両側のガラス板G1、G3が内部のガラス板G2より薄い場合に比較して、両側のガラス板G1、G3が内部のガラス板G2より厚い方が、1000Hz以下の低周波数帯域において、音響透過損失が大きく、遮音性に優れる。
また、3層構成の複層ガラスは、界面3の数が多く、界面3における熱線反射および入射面4における熱線反射より、屋外からの太陽光の放射等による熱の伝達を抑制する効果がある。
また、本発明の複層ガラスの端部は、図1に示すように、3枚のガラス板G1、G2、G3の間に、乾燥剤5としてのゼオライト等を充填した中空部を有するアルミニウム製またはステンレス鋼製等のスペーサー6を挟み込み、スペーサー6の両側にブチルゴム接着材7を貼着し、スペーサー6を介して、3枚のガラスG1、G2、G3をブチルゴム接着材7で接着一体化し、3枚のガラスG1、G2、G3を隔置して密閉された中空層1、2を有する。尚、3枚のガラスG1、G2、G3とスペーサー6に囲まれた凹部8には、シリコーンシーラントまたはポリサルファイドシーラントを充填し、水分が浸入しないように水密性を向上させる。
本発明の遮音性複層ガラスにおいて、中空層1、2に封入した空気またヘリウムが抜けないためには、特に、中空層1、2のいずれかにに封入したヘリウムが抜けないためには、ヘリウムが透過し難く、ヘリウムに対してより封止性能が高いポリサルファイドシーラントを充填することが好ましい。最もヘリウムが透過しにくいのは凹部8にホットメルトブチルを充填した場合である。また、ポリサルファイドシーラントとシリコーンシーラントの二重構造としてもよい。この際、複層ガラス端部からのヘリウムの漏れを防ぐために凹部8の深さを5mm以上とし、スペーサーとシーラント層の厚みを合わせて10mm以上とすることが好ましい。
また、3枚のガラス板を各々隔置して2つの中空層1、2を有する本発明の複層ガラスにおいて、複層ガラスを構成する3枚のガラス板G1、G2、G3の厚さを各々全て異なるものし、太さの異なるスペーサー6を使用し、中空層1、2の厚さを異なるものとすることは、材料の調達が煩雑であり、作製が難しい。
よって、本発明の複層ガラスにおいて、より簡便な構造とするために、両側2枚のガラス板G1、G3の厚さおよび2つの中空層1、2の厚さが、内部のガラス板G2からみて等しく対称となる構造とすることが好ましい。対称構造とすることによって、複層ガラスの材料の調達、作製が容易となる。
また、本発明の複層ガラスにおいて、複層ガラスを構成する両側2枚のガラス板G1、G3の厚さおよび2つの中空層1、2の厚さが、内部のガラス板G2からみて等しく対称となる構造としながら、同温同圧で単位体積当りの質量の異なる空気、ヘリウムを、各々2つの中空層1、2に各々封入して用いることによって、音響的には非対称となり、共鳴透過が抑制された。
本発明の複層ガラスの熱貫流率を低く抑えるには、中空層1、2のいずれかに熱を透過しにくい重いガスであるアルゴン(原子量、約40amu)、クリプトン(原子量、約84amu)、キセノン(原子量、約131amu)を封入ことも考えられるが、これら希ガスは高価である。本発明の複層ガラスの中空層1、2のいずれかに封入するには、空気(平均分子量、29g/mol)が手に入り易く、本発明の複層ガラスに用いることが好ましい。
また、本発明の複層ガラスを用いたサッシに優れた遮音性能を得るには、空気、ガラス等を媒介とし振動させることで得られる粗密波である音を吸収減衰し、且つコインシデンス効果、共振、共鳴を抑制なければならない。そのために、例えば、複層ガラスの中空層1、2のいずれかにヘリウムを封入し、音の振動エネルギーをヘリウムの原子運動エネルギーに替えて熱エネルギーとして放散させることで、音を減衰吸収させる。
常温(20℃)でガラスの弾性率は60〜80×10Paであり、密度は約2200〜2600kg/mであり、ガラス中の音速は4000〜5500m/sである。空気の弾性率は14×10Paであり、密度は約1.2kg/mであり、空気中の音速は341m/sである。ヘリウムの弾性率は17×10Paであり、密度は約0.18kg/mであり、ヘリウム中の音速は970m/sである。ヘリウムは空気より密度が小さいが、弾性率は同程度であり、ガラスとの密度差によりガラス面で音はより反射され、反射された音はヘリウム分子(単原子分子)が軽いことにより、ヘリウム分子の熱エネルギーとして吸収される。尚、音は媒質が硬く、言い換えれば、硬さの尺度である弾性率が大きく、軽いほど、言い換えれば、密度が小さいほど、速く伝わる。音速は数2の式で表される。
このように、ヘリウムは音のエネルギーにより動きやすく、音のエネルギーを熱のエネルギーに変換させる効果が大きいことより、ヘリウムを本発明の複層ガラスの中空層1、2のいずれか一方に封入すると、サッシとした際に、音響透過損失が大きくなり、遮音性能を向上させる効果がある。
即ち、本発明の複層ガラスの前記構成において、中空層1、2のいずれか一方に空気を封入し、もう一方にヘリウムを封入し、中空層1、2の厚さを3.0mm以上、4.0mm以下とすることで、「板ガラス類の熱抵抗及び建築における熱貫流率の算定方法」JIS R 3107:1998に準拠して複層ガラスの熱貫流率が3.50W/m・K以下であり、サッシとした際に「サッシ」JIS A4706:2000に準拠する遮音等級T−3等級に合格する複層ガラスが得られた。
中空層1、2の厚さが3.0mmより薄いと、熱貫流率を3.50W/m・K以下、且つ遮音等級T−3等級を実現することが難しい。好ましくは、3.5mm以上である。複層ガラスの厚さを、通常市販されているサッシ枠に搭載可能な25.0mm以下に抑えることを考慮すると、中空層1、2の厚さは好ましくは4.0mm以下である。
また、前述のように、本発明の複層ガラスを構成する3枚のガラス板の内の少なくても1枚に熱伝達を抑制する低放射膜をコーティングしたLow−Eガラスを用いることで、具体的には、図1に示す界面3の少なくとも一つに熱伝達を抑制する低放射膜をコーティングすることで、本発明の複層ガラスの熱貫流率はさらに低下し2.50W/m・K以上、3.00W/m・K以下とすることが可能となる。
尚、通常、複層ガラスは、ドアおよび窓のサッシに直付けまたは嵌め込み用に予め製作および調整されたサッシ枠に、直にまたはグレージングチャンネル等の取り付け部材である枠を介して取り付けられ、固定窓、可動窓等の窓、開閉ドア等のドアへの取り付けに際して1個の構成材として扱う。
本発明の複層ガラスに用いるガラス板G1、G2、G3には、フロート法等で製造された後、何ら後処理がなされていない生板ガラス、製造後、風冷強化または化学強化等の強化処理がなされた強化ガラス等が使用され、着色ガラスでもよい。
(光学・熱的性能の評価)
「板ガラス類の透過率・反射率・放射率・日射取得率の試験方法」JIS R 3106:1998に基づき、本発明の複層ガラスの光学特性、熱的性能を測定し、「板ガラス類の熱抵抗及び建築における熱貫流率の算定方法」JIS R 3107:1998に基づき、熱貫流率の算定を行った。
また、複層ガラスの端面は、図1に示すように、ガラス板G1、G2、G3の間に、乾燥剤5としてのゼオライトを充填した中空部を有するアルミニウム製のスペーサー6を挟み込み、スペーサー6の両側にブチルゴム接着材7を貼着し、ガラス板G1、G2、G3を、スペーサー6を介してブチルゴム接着材7で接着一体化し、ガラス板G1、G2、G3を隔置した。尚、単板ガラスG1、G2、G3とスペーサー6に囲まれた深さ7mmの凹部8には、ポリサルファイドシーラントを充填した。尚、空気は大気圧にて中空層1に封入し、ヘリウムは大気圧にて中空層2に封入した。
初めに、厚さの実測値が5.7mmのガラス板G1(FL6)+厚さ4.0mmの空気封入中空層1(A4)+厚さの実測値が3.7mmのガラス板G2(FL4)+厚さ4.0mmのヘリウム封入中空層2(He4)+厚さの実測値が5.7mmガラス板G3(FL6)の構成の総厚23.1mmの複層ガラス、即ち、FL6+A4+FL4+He4+FL6(総厚、23.1mm)の構成の本発明の複層ガラスの光学特性および熱的性能を測定した。
次いで、同様の構造で、内部のガラス板G2をLow−Eガラスに替えた本発明の複層ガラスについても、光学特性および熱的性能を測定した。
厚さ4mmのLow−Eガラスには、セントラル硝子株式会社製の商品名ツインガードE(LEP FL4)または商品名ツインガードS(SLEP FL4)を用いた。即ち、FL6(厚さの実測値5.7mm)+A4(厚さ4.0mmの空気封入中空層)+LEP FL4(厚さの実測値3.7mm)+He4(厚さ4.0mmのヘリウム封入中空層)+FL6(厚さの実測値5.7mm)の構成からなるFL6+A4+LEP FL4+He4+FL6の総厚23.1mmの複層ガラス、またはFL6(厚さの実測値5.7mm)+A4(厚さ4.0mmの空気封入中空層)+SLEP FL4(厚さの実測値3.7mm)+He4(厚さ4.0mmのヘリウム封入中空層)+FL6(厚さの実測値5.7mm)の構成からなるFL6+A4+SLEP FL4+He4+FL6の総厚23.1mmの複層ガラスである。
尚、略号FLはガラス原料をスズ浴上に熔融展開して連続製造したフロートガラスの意であり、略号後の数値は呼び厚さであり、単位はmmである。呼び厚さはJIS R 3202−1996により、表1に示す許容差となる。実施例に付いては、許容差において、下限側の厚さのガラス板を使用した。例えば、FL6の板ガラスは実測値5.7mmの板ガラス、FL5の板ガラスは実測値4.7mmの板ガラス、FL4の板ガラスは実測値3.7mmの板ガラスおよびFL3の板ガラスは実測値2.7mmの板ガラスを使用した。
光学特性および熱的性能の測定結果を表2に示す。
品種・構成における略号Aは空気、略号Heはヘリウムを意味し、その後の数値は中空層の厚さを表し、単位はmmである。
表2に示すように、FL6(厚さの実測値5.7mm)+A4(厚さ4.0mmの空気封入中空層)+FL4(厚さの実測値3.7mm)+He4(厚さ4.0mmのヘリウム封入中空層)+FL6(厚さの実測値5.7mm)の構成のからなる、FL6+A4+FL4+He4+FL6の総厚23.1mm複層ガラスについて算定した熱貫流率は、3.18W/m・Kであり低い値であった。
内部のガラス板G2をLow−EガラスであるツインガードEに替えたFL6+A4+LEP FL4+He4+FL6の構成の複層ガラスについて算定した熱貫流率は、2.76W/mであり低い値であった。内部のガラス板G2をLow−EガラスであるツインガードSに替えたFL6+A4+SLEP FL4+He4+FL6(総厚23.1mm)の複層ガラスの熱貫流率は、さらに低い値であり、2.73W/m・Kであった。
表2に示すように、可視光透過率は、Low−Eガラスを用いない場合の72.6%から、ツインガードE(LEPFL4)の使用により61.8%、ツインガードS(SLEPFL4)の使用により61.1%に低下する。しかしながら、日射透過率は、Low−Eガラスを用いない場合の56.6%から、ツインガードE(LEP FL4)の使用により38.5%、ツインガードS(SLEP FL4)の使用により30.2%に減少し、Low−Eガラスを用いたことで良好な遮熱性能となる。
次いで、FL5(厚さの実測値4.7mm)+A4(厚さ4.0mmの空気封入中空層)+FL3(厚さの実測値2.7mm)+He4(厚さ4.0mmのヘリウム封入中空層)+FL5(厚さの実測値4.7mm)の構成のからなる、FL5+A4+FL3+He4+FL5の総厚20.1mmの複層ガラス、およびFL4(厚さの実測値3.7mm)+A4(厚さ4.0mmの空気封入中空層)+FL6(厚さの実測値5.7mm)+He4(厚さ4.0mmのヘリウム封入中空層)+FL4(厚さの実測値3.7mm)の構成のからなる、FL4+A4+FL6+He4+FL4の総厚21.1mmの複層ガラスについて、熱貫流率の算定を行った。
FL5(厚さの実測値4.7mm)+A4(厚さ4.0mmの空気封入中空層)+FL3(厚さの実測値2.7mm)+He4(厚さ4.0mmのヘリウム封入中空層)+FL5(厚さの実測値4.7mm)の構成のからなる、FL5+A4+FL3+He4+FL5の総厚20.1mmの複層ガラスについて算定した熱貫流率は、3.21W/m・Kであり低い値であった。
FL4(厚さの実測値3.7mm)+A4(厚さ4.0mmの空気封入中空層)+FL6(厚さの実測値5.7mm)+He4(厚さ4.0mmのヘリウム封入中空層)+FL4(厚さの実測値3.7mm)の構成のからなる、FL4+A4+FL6+He4+FL4の総厚21.1mmの複層ガラスについて算定した熱貫流率は、3.20W/m・Kであり低い値であった。
次いで、表3に、複層ガラスの中空層1、2の一方に空気を封入し、もう一方にヘリウムを封入した複層ガラスと、中空層1、2ともに空気を入れた複層ガラスと、中空層1、2ともにヘリウムを入れた複層ガラスの熱的性能の測定値を示す。
表3に示すように、図1に示す複層ガラスの中空層1、2の一方に空気を封入し、もう一方にヘリウムを封入した複層ガラスに比較して、中空層1、2ともに空気を入れた場合の方が熱貫流率は低い値となり、熱的性能は向上し、中空層1、2ともにヘリウムを入れた場合の方が熱貫流率は高い値となり、熱的性能は低下した。
(遮音性能の測定)
次いで、「サッシ」JIS A4706:2000に準拠し、「実験室における音響透過損失の測定方法」JIS A 1416による遮音性能試験を行った。その際、前記JISに基づいて、規程の1/3オクターブ中心周波数における音響透過損失を測定した。尚、測定において音源はガラス板G1側におき、測定器はガラス板G3側に設置した。
「サッシ」JIS A4706:2000に記載される遮音等級、「実験室における音響透過損失の測定方法」JIS A1416:2000測定方法を説明する。
図2に、JIS A4706:2000に記載される遮音等級線のグラフを示す。
尚、JIS A4706:2000において、次のa)またはb)のいずれかに適合する場合、図2に示す等級線で表される等級としている。
a)125Hz〜4000Hzの16点における音響透過損失が、全て該当する遮音等級線を上回ることとする。尚、各周波数帯域で該当する遮音等級線を下回る値の合計が3dB以下の場合は、その遮音等級とする。
b)全周波数帯域において、数3の式によって、音響透過損失を換算し、その換算値(6点)が該当する遮音等級線を上回ることとする。
但し、125Hzは160Hzと、4000Hzは3150Hzと、各々二つの音響透過損失によって換算する。尚、換算値は整数で丸めることとし、換算値の各周波数帯域で該当する遮音等級線を下回る値の合計が3dB以下の場合は、その遮音等級とする。
図2に示すように、音響透過損失による遮音等級線において、500Hz以上の遮音性能が、遮音等級T−3等級は35dB以上であり、遮音等級T−4等級は40dB以上である。遮音等級T−3等級に合格するには。音響透過損失が前述の等級線を実質的に上回る必要がある。尚、デシベル(dB)は音圧レベルの単位であり、音圧レベルは音による大気圧から圧力変動を対数で表した無次元量としデシベル(dB)を単位として表される。圧力変動は音圧レベル10dBで3.2倍変動する。音圧レベルはある音の音圧P(単位:Pa)と人間の最小可聴音である基準音圧P0(2×10−5Pa)との比の常用対数を20倍したものとして定義され、dBで表される。
「サッシ」JIS A4706:2000に準拠し、「実験室における音響透過損失の測定方法」JIS A 1416:2000による遮音性試験を行い、複層ガラスの中空層へのヘリウム封入による遮音性能の向上効果を評価した。尚、遮音性試験はJIS A 1416:2000に準拠して行った。詳しくは、JIS A 1416:2000に記載されるタイプI試験室(残響室)を使用し、2本の木製押縁(25mm×25mm)を用いて、複層ガラスの試験片を固定し、複層ガラスの設置を行い、JIS A 1416:2000に記載の方法で音響透過損失の測定を行った。音響透過損失の測定値が、前述のJIS A4706:2000に記載の判断基準、「a)125Hz〜4000Hzの16点における音響透過損失が、全て該当する遮音等級線を上回ることとする。尚、各周波数帯域で該当する遮音等級線を下回る値の合計が3dB以下の場合は、その遮音等級とする。」「b)全周波数帯域において、数1の式によって、音響透過損失を換算し、その換算値(6点)が該当する遮音等級線を上回ることとする。」に対し、遮音等級T−3等級について、a)、b)いずれかの基準を満たした場合、遮音等級T−3等級に合格するとした。
このようにして、最初にFL6+A4+FL4+He4+FL6の構成の総厚23.1mmの本発明の前記複層ガラスの遮音性能の測定を行った。次いで、FL5+A4+FL3+He4+FL5(総厚、20.1mm)の本発明の前記複層ガラス、FL4+A4+FL6+He4+FL4(総厚、21.1mm)の本発明の前記複層ガラスの遮音性能を測定した。遮音性能の測定値を表4に示す。各々測定した複層ガラスの大きさは、1230mm×1480mmで同様の大きさである。
尚、表4には示していないが、内部のガラス板G2にLow−Eガラスを用いたFL6+A4+LEP FL4+He4+FL6(総厚、23.1mm)およびFL6+A4+SLEP FL4+He4+FL6(総厚、23.1mm)についてはフロートガラスの表面に低放射膜である金属薄膜を成膜したのみなので、音響的減衰効果はなく、FL6+A4+FL4+He4+FL6と同様の遮音性能の測定値であった。
次いで、表4に示した各々の複層ガラスの遮音性能の測定結果を遮音性能曲線のグラフとした。
図3は、FL6+A4+FL4+He4+FL6(総厚、23.1mm)の構成の複層ガラスの遮音性能曲線のグラフである。
図3のグラフに示すように、FL6+A4+FL4+He4+FL6(総厚、23.1mm)の構成の本発明の複層ガラスの遮音性能曲線はT−3等級線を上回り、FL6+A4+FL4+He4+FL6(総厚、23.1mm)の本発明の複層ガラスが、遮音等級T−3等級に合格することを示した。中空層2にヘリウムを封入したことによる効果である。
図4は、FL5+A4+FL3+He4+FL5(総厚、20.1mm)の構成の複層ガラスの遮音性能曲線のグラフである。
図4のグラフに示すように、FL5+A4+FL3+He4+FL5(総厚、20.1mm)の構成の本発明の複層ガラスの遮音性能曲線はT−3等級線を上回り、FL5+A4+FL3+He4+FL5(総厚、20.1mm)の本発明の複層ガラスが遮音T−3等級に合格することを示した。中空層2にヘリウムを封入したことによる効果である。
図5は、FL4+A4+FL6+He4+FL4(総厚、21.1mm)の構成の複層ガラスの遮音性能曲線のグラフである。
図5のグラフに示すように、FL4+A4+FL6+He4+FL4(総厚、21.1mm)の構成の複層ガラスの遮音性能曲線はT−3等級線を下回り、遮音等級T−3等級に合格しないことを示した。
このことは、この際、両側のガラス板G1、G3が内部のガラス板G2より薄い場合、即ち、FL4+A4+FL6+He4+FL4(総厚、21.1mm)に比較して、両側のガラス板G1、G3が内部のガラス板G2より厚い場合、即ち、FL5+A4+FL3+He4+FL5(総厚、20.1mm)の方が、1000Hz以下の低周波域において、音響透過損失が大きく、遮音性に優れることによる。
本発明の複層ガラスの一例の部分拡大断面図を示す。 JIS A4706:2000に記載される遮音等級線のグラフである。 FL6+A4+FL4+He4+FL6(総厚、23.1mm)の構成の複層ガラスの遮音性能曲線のグラフである。 FL5+A4+FL3+He4+FL5(総厚、20.1mm)の構成の複層ガラスの遮音性能曲線のグラフである。 FL4+A4+FL6+He4+FL4(総厚、21.1mm)の構成の複層ガラスの遮音性能曲線のグラフである。
G1、G2、G3 ガラス板
1、2 中空層
3 界面
4 入射面
5 乾燥剤
6 スペーサー
7 ブチルゴム接着材
8 凹部

Claims (7)

  1. 3枚のガラス板を各々隔置して2つの中空層を有する複層ガラスにおいて、2つの中空層の一方に空気、もう一方にヘリウムを封入し、両側2枚のガラス板が内部のガラス板より厚いことを特徴とする複層ガラス。
  2. 複層ガラスを構成する両側2枚のガラス板の厚さおよび2つの中空層の厚さが内部のガラス板からみて対称であり、両側2枚のガラス板と内部のガラス板の厚さが異なることを特徴とする請求項1に記載の複層ガラス。
  3. 3枚のガラス板を各々隔置して2つの中空層を有する複層ガラスにおいて、2つの中空層の一方に空気、もう一方にヘリウムを封入し、複層ガラスを構成する両側2枚のガラス板の厚さおよび2つの中空層の厚さが内部のガラス板からみて対称であり、両側2枚のガラス板と内部のガラス板の厚さが異なり、複層ガラスの総厚が18.0mm以上、25.0mm以下であり、熱貫流率が3.50W/m・K以下であり、サッシとした際に、JIS A4706:2000に準拠する遮音等級T−3等級に合格することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の複層ガラス。
  4. 3枚のガラス板を各々隔置して2つの中空層を有する複層ガラスにおいて、2つの中空層の一方に空気、もう一方にヘリウムを封入し、複層ガラスを構成する両側2枚のガラス板の厚さおよび2つの中空層の厚さが内部のガラス板からみて対称であり、両側2枚のガラス板と内部のガラス板の厚さが2.0mm以上異なり、内部のガラス板と両側2枚のガラス板の厚さの計が12.0mm以上、17.0mm以下であり、中空層の厚さが3.0mm以上、4.0mm以下、ガラス板と中空層を合わせた複層ガラスの総厚が18.0mm以上、25.0mm以下であり、熱貫流率が3.50W/m・K以下であり、サッシとした際に、JIS A4706:2000に準拠する遮音等級T−3等級に合格することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の複層ガラス。
  5. 少なくとも1枚のガラス板に表面に低放射膜を設けてなるLow−Eガラスを用い、中空層側に低放射膜を配設したことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の複層ガラス。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の複層ガラスを取り付けてなることを特徴とする窓。
  7. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の複層ガラスを取り付けてなることを特徴とするドア。
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