JP2010047967A - 複層ガラス - Google Patents

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直也 森
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Abstract

【課題】高い遮音性能を有する複層ガラスを提供する。特に、一般住宅で使用される厚さ100mmの標準サッシ用枠に適用でき、JIS A4706:2000に規定されるT−4等級の遮音性能を有する複層ガラスを提供する。
【解決手段】単板ガラスGと2枚のガラス板G1,G2でなる合わせガラスG’とで構成される複層ガラスにおいて、合わせガラスG’が、ゴム弾性を示す樹脂でなる層を熱接着性樹脂の層で狭持した3層構成の中間膜6により接着されてなり、単板ガラスGの厚さと合わせガラスG’の厚さとの合計が10mm以上、25mm以下であり、複層ガラスの厚さが15mm以上40mm以下である。
【選択図】図2

Description

本発明は、遮音性能を高めた遮音性複層ガラスに関し、特に、一般住宅で使用される厚さ100mmの標準サッシ用枠、即ち、見掛け100mm標準サッシ用枠に適用可能な薄型の高遮音性能の遮音性複層ガラスに関する。
通常、複層ガラスは、一対のガラス板の周縁部にアルミニウム製スペーサーをブチルゴム接着材で貼着して挟み込み、ブチルゴム接着材で一対のガラス板とアルミニウム製スペーサーを接着一体化させ、ガラス板とアルミニウム製スペーサーからなるコの字型凹部に、ポリサルファイド、またはシリコーンからなる封止材を充填し封止している。よって、複層ガラスにはガラス板とアルミニウム製スペーサーで囲まれた密閉された中空層が存在する。
複層ガラスは、中空層があることで、断熱性能が高まり、結露防止、室内の冷暖房負荷を軽減するなどの利点があり、ガラスサッシとして一般住宅用を主として広く使われるようになった。
尚、本発明において、ガラスサッシとは、複層ガラス、合わせガラスまたは合わせ複層ガラス等を含むガラス板に予め枠が制作・調整されていて、固定窓、可動窓、開閉ドア等への取り付けに際して1個の構成材として扱うことができるものを言う。
近年、一般住宅、特に集合住宅、道路の近く、鉄道沿線および空港の周辺の住宅等、ビル、オーディオルーム、ピアノ室、図書館、美術館等においては、好まれざる音、または音楽や会話の伝達を阻害する音である騒音に対する関心が高まり、建物の床、壁、天井等には吸音材が埋め込まれ、ドアにも防音または遮音ドアが使用されるようになってきている。加えて、音が通過しやすい窓においても、断熱性能とともに防音性能を有することが求められる。よって、窓は、空気等の媒体の粗密波として伝わる縦波である音を減衰させることが要求されるようになってきた。
複層ガラスは断熱性能には優れるが、中空層を含めた同厚のガラス板に比較すると遮音性能は低い。このことは、密度の大きい物ほど音を吸収減衰しやすく、また、固体抵抗により振動し難いので、ガラスの方が、気体であり分子が動き易い空気より、音の吸収減衰が大きいことによる。
複層ガラスは、ガラス板、中空層、ガラス板の構成であるために、音の反射面は多いが、コインシデンス効果、中空層における共鳴透過等の問題があり、複層ガラスは、中空層を除いた同厚のガラス板と比較し遮音に優れた波長域もあるが劣る波長域もある。尚、共鳴透過とは、複層ガラスのように中空層が6ミリ、12ミリというように狭い場合は、2枚の板ガラスが中空層を通して共鳴し、ある周波数付近では遮音性能が低下することをいう。
コインシデンス効果とは、板状の材料において特有の周波数で透過損失が小さくなる、言い換えれば、遮音性能が低下する現象である。具体的には板面に音が、斜めに入射すると板面上の位置によって音圧に位相差ができるため、板面にそって固有の屈曲強制振動を生じ、ある周波数で音の透過が大きくなり遮音性能が低下する現象である。サッシの遮音においては、このコインシデンス効果の発生を抑制しなければならない。
合わせガラスは、ガラス板と中間膜の界面による反射、ガラスと直に接着した中間膜によるコインシデンス効果の抑制、中間膜の粘性抵抗による粗密波である音の吸収減衰があり、遮音性能を向上させるための設計が可能である。
遮音性能を高めた合わせガラスとして、水添スチレン・イソプロレン・ブタジエンブロック共重合物を含有する膜をエチレン−ビニルアセテート膜の間に積層させた中間膜をガラス板の間に挟みこみ、加熱融着してガラス板を接着一体化させて合わせガラスとしたものが、特許文献1に開示されている。
尚、サッシの遮音性能の規格は、JIS A4706:2000「サッシ」に記載されている。即ち、JIS A4706:2000において、サッシの遮音性は、遮音等級T−1等級、T−2等級、T−3等級、T−4等級に分けられる。サッシの片側から音を出し、反対側でサッシによる音の反射、吸収減衰による音圧レベルの減少を測ることで、サッシの音響透過損失を前記JIS規格に定める各周波数で測定し、遮音等級T−1等級線、T−2等級線、T−3等級線、T−4等級線に準拠し、前記JISに記載された条件に適合したサッシを、各々遮音等級T−1等級、T−2等級、T−3等級、T−4等級と評価される。
図1にJIS A4706:2000に記載される遮音等級線のグラフを示す。
図1に示すように、音響透過損失による遮音等級線において、500Hz以上の遮音性能が、遮音等級T−3等級は35dB以上であり、遮音等級T−4等級は40dB以上である。遮音等級T−3等級、T−4等級に合格するには、音響透過損失が前述の等級線を実質的に上回る必要がある。
遮音等級T−4等級を達成するには、遮音等級T−3等級に比較して、500Hz以上の音響透過損失35dB以上を、40dB以上に、即ち、5dB以上遮音性能を向上させなければならない。また、125Hz以上、500Hz以下においても、図1に示すようにJIS A4706:2000に示された遮音等級線に沿って5dB以上遮音性能を向上させなければならない。遮音等級T−4等級に合格するガラスサッシの遮音性能は、例えば、同厚のコンクリート壁に匹敵する。
尚、デシベル(dB)は音圧レベルの単位であり、音圧レベルは音による大気圧から圧力変動を対数で表した無次元量としデシベル(dB)を単位として表される。圧力変動は音圧レベル10dBで3.2倍変動する。音圧レベルはある音の音圧P(単位:Pa)と人間の最小可聴音である基準音圧P0(2×10−5Pa)との比の常用対数を20倍したものとして定義され、dBで表される。
このような遮音等級T−3等級に合格する防音複層ガラス(商品名、ペアレックスソネス、セントラル硝子株式会社製)が、市販されている。
前記防音複層ガラスは、ガラス板を異厚構成とすることで前述の音の共振を防止し特定の波長を増幅させないこと、および音を原子・分子の運動エネルギーとしての熱エネルギーに変換することで音波を吸収する特殊ガスを封入することにより、遮音等級T−3等級に合格する遮音性能を実現している。
また、遮音等級T−3等級に合格する合わせガラス(商品名、ラミネックスソネス、セントラル硝子株式会社製、商品名、ラミシャット、旭硝子株式会社製)が、市販されている。前記合わせガラスは、2枚のガラス板の間に透明樹脂を積層させてなる遮音性中間膜を挟み、加熱接着し、前述のガラス板特有のコインシデンス効果により遮音性能の低下を、該遮音性中間膜からなる中間膜である遮音性中間層で抑制し、遮音等級T−3等級に合格する遮音性能を実現した。
現在、T−4等級に合格するガラスサッシとして、旭硝子株式会社製、商品名、「まどまど」がある。「まどまど」は、二重窓であり、ガラス構成は、従来から設置されている窓ガラスの室内側に、厚さ3mmのガラス板(FL3)/厚さ0.8mm以上、2.3mm以下の特殊フィルム/厚さ3mmのガラス板(FL3)の構成の合わせガラスを、既存のサッシにサッシごと新たに加え施工し、防犯性能を高めたタイプと、厚さ3mmのガラス板(FL3)/中間層(厚さ、6〜12mm)/厚さ3mmの低放射膜付きガラス板(FL3)の構成の複層ガラスをサッシごと新たに施工し断熱性能を高めたタイプがある。低放射膜は、日射エネルギーを減少させるための赤外線を反射する金属酸化物薄膜である。
尚、略号FLはフロートガラスの意であり、略号後の数値は厚さであり、単位はmmである。
しかし、どちらのタイプも二重窓であるためガラスの設置幅が大きくなり、施工する際には2体のサッシの取り付けスペースが必要となる。また、二重サッシになることによる視認性の悪化、および窓を開け閉めする際、二度開閉しなければならいので便利が悪い。また、サッシが二重になるので、高価となる。
外側のガラスよりも寸法の小さいガラスを空気層に設けた、空気層が2層の複層ガラスが、500Hz以上の中高音域でT−4等級を満たすものとして、特許文献2に開示されている。
特開2007−91491号公報 特開平11−229723号公報
本発明は、高い遮音性能を有する複層ガラスを提供すること、特に、一般住宅で使用される厚さ100mmの標準サッシ用枠に適用できる、JIS A4706:2000に規定されるT−4等級の遮音性能を有する複層ガラスを提供することを課題とする。
本発明の複層ガラスは、少なくとも単板ガラスと2枚のガラス板でなる合わせガラスとで構成される複層ガラスにおいて、合わせガラスが、ゴム弾性を示す樹脂Aでなる層を熱接着性樹脂Bの層で狭持した3層構成の中間膜により接着されてなることを特徴とする複層ガラスである。
また、本発明の複層ガラスは、前記複層ガラスにおいて、樹脂Aがスチレンとゴム系樹脂モノマーとの共重合体でなることを特徴とする複層ガラスである。
また、本発明の複層ガラスは、前記複層ガラスにおいて、単板ガラスの厚さと合わせガラスの厚さとの合計が13mm以上、25mm以下であり、複層ガラスの厚さが18mm以上40mm以下であることを特徴とする複層ガラスである。
また、本発明の複層ガラスは、前記複層ガラスにおいて、中空層にヘリウムが封入され、JIS A4716:2000に規定される遮音等級T−4等級の遮音性能を有することを特徴とする複層ガラスである。
また、本発明の複層ガラスは、前記複層ガラスにおいて、複層ガラスの厚さが18mm以上、28mm以下であり、見掛け100mm標準サッシに適用可能であることを特徴とする複層ガラスである。
本発明の複層ガラスは、JIS A4706:2000「サッシ」に規定されるT−4等級の遮音性能を有する複層ガラスの提供を可能にし、特に、一般住宅で使用される厚さ100mmの標準サッシ用枠に適用できる、JIS A4706:2000「サッシ」に規定される、T−4等級の遮音性能を有する複層ガラスの提供を可能にした。
本発明の複層ガラスは、図2に示すように、単板ガラスGと合わせガラスG´を対向配置し、単板ガラスGと合わせガラスG´の間に中空層4が密閉された空間として形成されてなる複層ガラスである。
合わせガラスG´は、ゴム弾性を示す樹脂Aでなる層を熱接着性樹脂Bの層で狭持した3層構成の中間膜により接着されてなることが好ましい。
樹脂Aとして、スチレンとゴム系樹脂モノマーとを共重合させたもの、または当該共重合体を水素添加したものを用いるのが好ましい。
ゴム系樹脂モノマーとしては、イソプレン、ブタジエン、スチレン−ブタジエン(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン、クロロプレン、ブチル、ウレタン、アクリル等を用いることができる。
特に、樹脂Aに、スチレンを5〜40重量%とゴム系樹脂モノマーを60〜95重量%で共重合させて水素添加したものが好ましく、より好ましくは、スチレンとイソプレン・ブタジエンをブロック共重合させて水素添加したものである。
熱接着性樹脂Bとして、合わせガラス用中間膜樹脂のPVB系(例えば積水化学工業株式会社製(商品名)S−LEC film)、EVA系(例えば積水化学工業株式会社製(商品名)S−LEC EN filmや東ソー株式会社製(商品名)メルセンG)、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル系、ウレタン系、塩化ビニル系から選ばれる1種以上の樹脂が好適に用いられる。
樹脂Aの膜を熱接着性樹脂Bの膜で挟持した樹脂性多層中間膜において、熱接着性樹脂Bの膜の厚さは、樹脂Aの膜の厚さを1として、0.1〜1.0の範囲にすることが望ましく、また、樹脂Aの膜を熱接着性樹脂Bの膜で挟持して積層した多層中間膜の厚さは0.2〜以上とすることが望ましい。これは、この多層中間膜をガラス板2枚で挟持して作製される合わせガラスの遮音性能が有効とするためである。また、合わせガラスを作製するときの中間膜の取り扱いからも、厚さは0.2mm以上ある方が好ましい。
単板ガラスGと合わせガラスG´の間に、乾燥剤3を充填した中空部を有するスペーサー4を挟み込み、スペーサー4の両側には接着剤5が貼着され、スペーサー4と単板ガラスGと合わせガラスG´は接着一体化されている。
単板ガラスGと合わせガラスG´はスペーサー2で隔置され、密閉された中空層4が形成される。中空層には空気あるいはヘリウムガスが充填されている。
本発明の遮音性複層ガラスに用いる単板ガラスG、合わせガラスGに用いるガラス板G1、G2には、フロート法等で製造されたフロートガラス、フロートガラスに風冷強化または化学強化等の強化処理がなされた強化ガラス等が使用できる。
スペーサー2には、中空層に乾燥剤1が充填されていて、アルミニウム製あるいはステンレス鋼製のものが好適に用いられ、乾燥剤1にはゼオライト等を用いる。接着剤5には、ブチルゴム系接着剤が好適である。
また、単板ガラスGと合わせガラスG´とスペーサー2で形成されるに囲まれたガラス周辺部の凹部には、水密性を向上させるために、シーリング剤5が充填されていることが好ましい。
シーリング剤5には、シリコーンシーラントまたはポリサルファイドシーラントを用いることができ、本発明の複層ガラスにおいて、中空層4にヘリウムガスが充填されている場合は、封入したヘリウムガスが抜けないようにするために、ヘリウムが透過し難く、ヘリウムに対してより封止性能が高いポリサルファイドシーラントを充填することが好ましい。
また、シーリング剤5を、ポリサルファイドシーラントとシリコーンシーラントの二層としてもよい。
複層ガラス端部からヘリウムガスガ漏れるのを防ぐため、シーリング剤を充填する凹部の深さ(複層ガラス端面からスペーサー2までの寸法)を5mm以上とすることが好ましく、さらに、スペーサー2の中空層4側の面から複層ガラスの端面までの寸法は、10mm以上とすることが好ましい。
合わせガラスの中間膜6が失透しないように、合わせガラス端部にはシーラント7を塗布されていることが好ましく、あるいは、樹脂製または金属製の板を貼り付けても良い。
中空層4にヘリウムガスを封入し、音の振動エネルギーをヘリウムの原子運動エネルギーに替えて熱エネルギーとして放散させることで、音を減衰吸収させ、遮音性能を高めることができる。
常温(20℃)でガラスの弾性率は60〜80×10Paであり、密度は約2200〜2600kg/mであり、ガラス中の音速は4000〜5500m/sである。空気の弾性率は14×10Paであり、密度は約1.2kg/mであり、空気中の音速は341m/sである。ヘリウムの弾性率は17×10Paであり、密度は約0.18kg/mであり、ヘリウム中の音速は970m/sである。ヘリウムは空気より密度が小さいが、弾性率は同程度であり、ガラスとの密度差によりガラス面で音はより反射され、反射された音はヘリウム分子(単原子分子)が軽いことにより、ヘリウム分子の熱エネルギーとして吸収される。尚、音は媒質が硬く、言い換えれば、硬さの尺度である弾性率が大きく、軽いほど、言い換えれば、密度が小さいほど、速く伝わる。音速は数2の式で表される。
このように、ヘリウムは音のエネルギーにより動きやすく、音のエネルギーを熱のエネルギーに変換させる効果が大きいことより、ヘリウムを本発明の遮音性複層ガラスの中空層4に封入すると、サッシとした際に、音響透過損失が大きくなり、遮音性能を向上させる効果がある。
本願発明の複層ガラスにおいて、中空層をヘリウムガスで充填することにより、図3に示すように、JIS A 4716:2000に定める遮音等級がT−4となるので、好ましい。
合わせガラスG´の中間膜6に、ゴム弾性を示す樹脂Aでなる層を熱接着性樹脂Bの層で狭持した3層構成の中間膜を用いる本発明の複層ガラスは、中空層4を満たす気体を空気とした場合でも、図4、図5の実施例の結果から、単板ガラスの厚さと合わせガラスの厚さとの合計が13mm以上、複層ガラスの厚さが18mm以上で、ポリビニルブチラール膜を中間膜に用いて作製された合わせガラスを用い、中空層がヘリウムガスで充填された複層ガラスと同等の遮音性能を有するようになり、好ましい。
さらに、複層ガラスとしての実用性から、単板ガラスの厚さと合わせガラスの厚さとの合計は25mm以下、複層ガラスの厚さは40mm以下とすることが望ましい。
また、本願発明の、中空層をヘリウムガスで充填されたる複層ガラスにおいて、図4、図5の実施例の結果に見るように、複層ガラスの厚さを、18mm以上、28mm以下のものは、JIS A 4716:2000に定める遮音等級がT−4の複層ガラスを、一般の住宅に使用されている複層ガラス用サッシ(見掛け100mm標準サッシ)に適用に用いることが可能となるので、好ましい。
以下に本発明の好適な実施例を記載するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例1
図2に示す複層ガラスを作製した。単板ガラスGと合わせガラスG´の間に、乾燥剤1としてのゼオライトを充填した中空部を有するアルミニウム製のスペーサー2を挟み込み、スペーサー2の両側にブチルゴム接着材3を貼着し、単板ガラスGと合わせガラスG´を、スペーサー2を介してブチルゴム接着材3で接着一体化し、単板ガラスGと合わせガラスG´を隔置した。中空層4の厚さは9mmとした。中空層4には空気を充填した。
単板ガラスGと合わせガラスG´とスペーサー2に囲まれた凹部のシーリング剤5としてポリサルファイドシーラントを用いた。
単板ガラスGには厚さ8mmのフロートガラス(FL8)を用い、合わせガラスのG1、G2には、共に厚さ3mmのフロートガラス(FL3)を用いた。
本実施例の、複層ガラスを構成するガラス板の厚さの合計(ガラス板G1、ガラス板G2およびガラス板Gの厚さの合計)は14mmであり、複層ガラスの厚さは23mmである。
熱接着性樹脂Bの膜の間に、樹脂Aの膜を成形して、3層構成の中間膜を作製し、合わせガラスG´の中間膜6に用いた。熱接着性樹脂Bの膜の厚さを0.05mmとし、3層構成の中間膜の厚さを0.30mmで3層構成の中間膜を作製した。
樹脂Aに、ASTM D1238に準拠するメルトフローレートが2g/10minの、モノマーとしてのスチレンが12重量%、イソプレン・ブタジエンが88重量%でなる、スチレン・イソプレン・ブタジエンブロック共重合体を水素添加してなるものを用い、また、熱接着性樹脂Bに、ケン化EVA系の樹脂(東ソー株式会社製、商品名メルセンG7055)を用いた。
実施例2
単板ガラスGには厚さ8mmのフロートガラス(FL8)を用い、合わせガラスのG1には厚さ8mmのフロートガラス(FL8)を用い、G2には厚さ6mmのフロートガラス(FL6)を用い、さらに、中空層4の厚さを16mmとした他は、すべて実施例1と同様にして複層ガラスを作製した。
本実施例の、複層ガラスを構成するガラス板の厚さの合計(ガラス板G1、ガラス板G2およびガラス板Gの厚さの合計)は22mmであり、複層ガラスの厚さは38mmである。
実施例3
中空層4の厚さを6mmとし、ヘリウムガスを中空層4に充填した他は、すべて実施例1と同様にして複層ガラスを作製した。
本実施例の、複層ガラスを構成するガラス板の厚さの合計(ガラス板G1、ガラス板G2およびガラス板Gの厚さの合計)は14mmであり、複層ガラスの厚さは20mmである。
実施例4
単板ガラスGには厚さ6mmのフロートガラス(FL6)を用い、合わせガラスのG1には厚さ5mmのフロートガラス(FL5)を用い、G2には厚さ3mmのフロートガラス(FL3)を用い、さらに、中空層4の厚さを11mmとした他は、すべて実施例3と同様にして複層ガラスを作製した。
本実施例の、複層ガラスを構成するガラス板の厚さの合計(ガラス板G1、ガラス板G2およびガラス板Gの厚さの合計)は14mmであり、複層ガラスの厚さは25mmである。
実施例5
単板ガラスGには厚さ10mmのフロートガラス(FL10)を用い、合わせガラスのG1には厚さ5mmのフロートガラス(FL5)を用い、G2には厚さ3mmのフロートガラス(FL3)を用い、さらに、中空層4の厚さを6mmとした他は、すべて実施例3と同様にして複層ガラスを作製した。
本実施例の、複層ガラスを構成するガラス板の厚さの合計(ガラス板G1、ガラス板G2およびガラス板Gの厚さの合計)は18mmであり、複層ガラスの厚さは24mmである。
比較例1
単板ガラスGには厚さ5mmのフロートガラス(FL5)を用い、合わせガラスのG1、G2には、ともに厚さ5mmのフロートガラス(FL5)を用い、中間膜にポリビニルブチラール膜(PVB膜)用い、中空層4の厚さを6mmとした他は、すべて実施例1と同様にして複層ガラスを作製した。
本比較例の、複層ガラスを構成するガラス板の厚さの合計(ガラス板G1、ガラス板G2およびガラス板Gの厚さの合計)は15mmであり、複層ガラスの厚さは21mmである。
比較例2
単板ガラスG、および、合わせガラスのG1、G2の、全てのガラスに厚さ8mmのフロートガラス(FL8)を用いた他は、すべて比較例1と同様にして複層ガラスを作製した。
本比較例の、複層ガラスを構成するガラス板の厚さの合計(ガラス板G1、ガラス板G2およびガラス板Gの厚さの合計)は24mmであり、複層ガラスの厚さは30mmである。
比較例3
単板ガラスGには厚さ4mmのフロートガラス(FL4)を用い、合わせガラスのG1、G2には、ともに厚さ3mmのフロートガラス(FL3)を用い、中間膜にポリビニルブチラール膜(PVB膜)用い、中空層4の厚さを6mmとした他は、すべて実施例3と同様にして、中空層4がHeガスで充填されてなる複層ガラスを作製した。
本比較例の、複層ガラスを構成するガラス板の厚さの合計(ガラス板G1、ガラス板G2およびガラス板Gの厚さの合計)は10mmであり、複層ガラスの厚さは16mmである。
比較例4
単板ガラスGには厚さ5mmのフロートガラス(FL5)を用い、合わせガラスのG1、G2には、ともに厚さ5mmのフロートガラス(FL5)を用い、中空層4の厚さを10mmとした他は、すべて比較例3と同様にして複層ガラスを作製した。
本比較例の、複層ガラスを構成するガラス板の厚さの合計(ガラス板G1、ガラス板G2およびガラス板Gの厚さの合計)は15mmであり、複層ガラスの厚さは25mmである。
比較例5
単板ガラスGには厚さ8mmのフロートガラス(FL8)を用い、合わせガラスのG1、G2には、ともに厚さ6mmのフロートガラス(FL6)を用い、中空層4の厚さを12mmとした他は、すべて比較例3と同様にして複層ガラスを作製した。
本比較例の、複層ガラスを構成するガラス板の厚さの合計(ガラス板G1、ガラス板G2およびガラス板Gの厚さの合計)は20mmであり、複層ガラスの厚さは32mmである。
遮音性能の評価
JIS A 1416:2000「実験室における建築部材の空気音遮断性能の測定方法」に準拠して、実施例及び比較例の音響透過損失の測定を行った。
さらに、測定された音響透過損失の値を用いて、JIS A 1419:2000「建築物及び建築部材の遮音性能の評価方法−第1部:空気音遮断性能」に記載されている平均値を算出し、また、JIS A 4706:2000「サッシ」に記載の等級を求め、実施例1〜8及び比較例1〜8の遮音性能を評価した。評価結果を表1に示す。なお、表1には、比較のため、単板ガラスの遮音性能も参考例として示した。
中空層が空気で充填されてなる本発明の複層ガラス(実施例1、2)はPVBによる合わせガラスを用い、中空層をヘリウムガスで充填してなる複層ガラス(比較例1、2)と同等の遮音性を有しするものであった。
中空層がヘリウムガスで充填されてなる実施例3、4、5は、T−4等級の遮音性能を有し、さらに、複層ガラスの厚さは、一般家庭で用いられている複層ガラス用のサッシ、すなわち、見掛け100mm標準サッシに適用できるものであり、T−4等級という高い遮音性能を有する複層ガラスの提供を可能にした。
JIS A4706:2000に記載される遮音等級線のグラフである。 単板ガラスと合わせガラスを用いた複層ガラスの、主要部断面図である。 本発明による実施例3の遮音性能曲線を示すグラフである。 実施例および比較例の遮音性能を、ガラスの厚さに対して示すグラフである。 実施例および比較例の遮音性能を、複層ガラスの厚さに対して示すグラフである。
符号の説明
G 単板ガラス
G´ 合わせガラス
G1、G2 ガラス板
1 乾燥剤
2 スペーサー
3 ブチルゴム接着材
4 中空層
5 シーリング剤
6 中間膜
7 シーラント

Claims (5)

  1. 単板ガラスと2枚のガラス板でなる合わせガラスとで構成される複層ガラスにおいて、合わせガラスが、ゴム弾性を示す樹脂Aでなる層を熱接着性樹脂Bの層で狭持した3層構成の中間膜により接着されてなることを特徴とする複層ガラス。
  2. 樹脂Aがスチレンとゴム系樹脂モノマーとの共重合体でなることを特徴とする請求項1に記載の複層ガラス。
  3. 単板ガラスの厚さと合わせガラスの厚さとの合計が13mm以上、25mm以下であり、複層ガラスの厚さが18mm、以上40mm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の複層ガラス。
  4. 中空層にヘリウムが封入され、JIS A4716:2000に規定される遮音等級T−4等級の遮音性能を有することを特徴とする請求項1または請求項3のいずれかに記載の複層ガラス。
  5. 複層ガラスの厚さが18mm以上、28mm以下であり、見掛け100mm標準サッシに適用可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の複層ガラス。
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