JP5747717B2 - 遮音断熱複層ガラス - Google Patents

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Description

本発明は、総厚が薄く、断熱性能と遮音性能を両立した複層ガラスに関する。
複層ガラスは、一般に、複数枚のガラス板を、スペーサーを用いて隔置し、ガラス板とスペーサーとで密閉空間である中空層を形成せしめた構成であり、複層ガラスは中空層があることで断熱性能が高まり、結露防止、室内側冷暖房の負荷軽減などの利点があり、ガラスサッシとして一般住宅用を主として広く使われることが知られている。
このように、複層ガラスは中空層を有するため断熱性能には優れるが、この中空層が存在することによって、中空層を含めた同厚のガラス板に比較すると遮音性能は低い。このことは、密度の大きい物体ほど音を吸収減衰しやすく、また、固体抵抗により振動し難いので、ガラスの方が、気体であり分子が動き易い空気より、音の吸収減衰が大きいためである。特に、複層ガラスは、ドアや窓材として使用されるようになってきており、断熱性能とともに遮音性能を十分に両立するものが求められている。
これまで種々の複層ガラスが開発されており、例えば、特許文献1〜4には、複層ガラスに形成された中空層に、アルゴン、クリプトン、ヘリウム、ネオンなどの不活性ガスを封入することによって、断熱性や遮音性を向上させた複層ガラスが開示されている。
特開2005−289994号公報 特開2010−6683号公報 特開2001−163639号公報 特開2002−32870号公報
特許文献1に記載の原子量の重いガスであるアルゴンやクリプトンを封入した複層ガラスにおいては、複層ガラスの断熱性を高めることができるが、十分な遮音性能を得ることが難しい。
一方、特許文献2に記載の原子量の軽い分子であるヘリウムを封入した複層ガラスにおいては、複層ガラスの遮音性能を高めることができるが、十分な断熱性能を得ることが難しい。
そのため、特許文献1及び特許文献2に記載の複層ガラスでは、総厚が薄く、かつ、十分な断熱性能と遮音性能を両立させた複層ガラスを得ることが難しい。複層ガラスを構成するガラス板を厚くして、断熱性能と遮音性能を向上させることもできるが、そうすると、複層ガラスのトータルの厚さ(総厚)が厚くなってしまい、従来の複層サッシ枠を適用することができず、別途、特注の複層サッシ枠を製作する必要があり、コスト高につながる。
また、特許文献3及び特許文献4には、原子量の重いアルゴンやクリプトンと原子量の軽いヘリウムの中間的な原子量を有するネオンを、複層ガラスに形成された中空層に封入することについて記載されているが、ネオンを封入した際の複層ガラスの具体的な構成については記載されていない。
このように、中空層にガスを封入した従来の複層ガラスでは、断熱性能もしくは遮音性能のどちらかの性能に特化したものであり、実用面において、総厚が薄く、十分な断熱性能と遮音性能を両立した複層ガラスは得られていないのが現状であった。
平成18年に国土交通省告示第378号「住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する設計、施工及び維持保全の指針」が告示された。この指針によると、JIS R3107:1998に準拠する熱貫流率が4.0W/m2・K以下であり、JIS A4706:2000に準拠する遮音等級T−3等級に合格する遮音特性を両立する断熱性能及び遮音性能であれば、「次世代省エネルギー基準」として、実用面において十分な性能とされており、中空層にガスを封入した複層ガラスにおいて、このような性能を両立するものは類を見ない。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、総厚が薄く、限られた厚みにおいて、十分な断熱性能と遮音性能を両立させた複層ガラス、具体的には、総厚が24mm以下、18mm以上であり、JIS R3107:1998に準拠する熱貫流率が4.0W/m2・K以下であり、JIS A4706:2000に準拠する遮音等級T−3等級に合格する遮音特性を有する複層ガラスを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討した結果、中空層にネオンガスが封入された複層ガラスにおいて、複層ガラスを構成する2枚のガラス板の厚さを異厚にすることによって、コインシデンス効果に由来する遮音性能の低下を防ぎ、さらに、複層ガラスの総厚に対する2枚のガラス板の合計の厚みの比に着目し、十分な断熱性を損なうことなく、各ガラス板の厚みとネオンガス封入による遮音効果を十分に利用することによって、遮音性能を向上させ、限られた総厚において、優れた断熱性能と遮音性能を両立させることができることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、第1のガラス板と、該第1のガラス板とスペーサーを介して略平行に位置する第2のガラス板からなり、前記第1のガラス板と前記第2のガラス板間に中空層を形成し、該中空層にネオンガスが封入されている複層ガラスであって、前記複層ガラスの総厚が18mm以上、24mm以下であり、前記第1のガラス板の厚さに対する前記第2のガラス板の厚さの比が、0.4以上、0.8以下であり、かつ、前記複層ガラスの総厚に対する前記第1のガラス板と前記第2のガラス板の厚さの合計の比が、0.5以上、0.7以下であることを特徴とする複層ガラスである。
また、本発明は、前記第1のガラス板と第2のガラス板が、それぞれ単板ガラスからなり、該単板ガラスの厚さがそれぞれ4.7mm以上、10.6mm以下であり、中空層の厚さが6.0mm以上、12.0mm以下、とすることが好ましい。
本発明の上記構成によれば、JIS R3107:1998に準拠する熱貫流率が4.0W/m2・K以下であり、サッシとした際にJIS A4706:2000に準拠する遮音等級T−3等級に合格する、優れた断熱性能と遮音性能を両立させた複層ガラスを得ることができる。
また、上述の複層ガラスは、サッシに取り付けて窓として使用してもよい。
また、上述の複層ガラスは、サッシに取り付けてドアとして使用してもよい。
本発明の複層ガラスの構成によれば、ガラス板を異厚構成とすることで、特定の周波数の音の共振を防止し特定の波長を増幅することを防ぎ、さらに、複層ガラスを構成する各ガラス板の厚みとネオンガス封入による遮音効果を十分生かし、断熱性能を損なうことなく、遮音性能を向上させることができる。したがって、限られた総厚において、優れた断熱性能と遮音性能を両立させた複層ガラスを提供することが可能となる。
本発明の複層ガラスの一例の部分拡大断面図を示す。 本発明に係る複層ガラスの遮音性能曲線グラフ(実施例1〜3)である。 本発明に係る複層ガラスの遮音性能曲線グラフ(実施例4、5)である。 比較例となる複層ガラスの遮音性能曲線グラフ(比較例1〜3)である。
図1の(a)に示すように、本発明の複層ガラス100は、第1のガラス板G1(ガラス板の厚さX[mm])と第2のガラス板G2(ガラス板の厚さY[mm])からなる2枚のガラス板G1、G2がスペーサー4を介して隔置される。2枚のガラスG1、G2とスペーサー4で密閉された空間として中空層1が形成され、この中空層1にはネオンガスが封入される。複層ガラス100の総厚(Z[mm])は、この中空層1の厚さ、第1のガラス板G1の厚さ(X[mm])、第2のガラス板G2の厚さ(Y[mm])の合計として表される。なお、ガラス板G1とガラス板G2は厚さがそれぞれ異なり、ガラス板G1の厚さは、ガラス板G2の厚さより大きい構成となっている。
また、スペーサー4の両側にはブチルゴム接着剤などの一次シール材5が貼着され、2枚のガラスG1、G2を一次シール材5で接着一体化し、2枚のガラスG1、G2を隔置して密閉された中空層1を形成する。中空層1にはゼオライトなどの乾燥剤3が充填される。尚、スペーサー4の外側において、2枚のガラスG1、G2とスペーサー4に囲まれた凹部の形状を有する二次シール部6には、水分などが浸入しないように、シリコーンシーラントやポリサルファイドシーラントなどが充填される。二次シール部6は、極力ガスを透過させにくく、密な内部構造の材料を用いることが好ましく、例えば、安価なポリサルファイド系シーラントを用いるのが好適である。
また、図1の(b)に示すように、本発明の複層ガラス100は、X、YおよびZの関係を、0.4≦Y/X≦0.8、かつ、0.5≦(X+Y)/Z≦0.7の両方の条件を満たすように各ガラス板G1、G2の厚さと総厚を調整することを特徴としている。これらの関係を満たすことによって、限られた厚さ(総厚24mm以下、18mm以上)の複層ガラスにおいて、熱貫流率が4.0W/m2・K以下であり、JIS A4706:2000に準拠する遮音等級T−3等級に合格する遮音特性を持つ、優れた断熱特性と遮音特性を両立した複層ガラスを提供することが可能となる。
遮音性能に関して、複層ガラスの遮音性能を低下させる要因についてはいくつかの現象が知られており、複層ガラスにおける遮音性能を向上させるには、主にコインシデンス効果と共鳴透過現象の二つの現象を抑制することが重要となることが知られている。
コインシデンス効果とは、板状の材料において特有の周波数で透過損失が小さくなる、言い換えれば、遮音性能が低下する現象である。具体的には、音が板面に対し斜めに入射すると、板面上の位置によって音圧に位相差ができるため、板面にそって固有の屈曲強制振動を生じ、ある周波数で音の透過が大きくなり遮音性能が低下する現象である。
ガラス板においては、ガラス面に対し、縦弾性波である音波が、垂直でなく斜めに入射した場合、コインシデンス効果によりガラス面に水面を走る波のような横波の振動波が発生し、共鳴により遮音性能を低下させ、コインシデンス限界周波数以上の周波数域で遮音性能の低下が起こる。尚、コインシデンスの現象の起きる最も低い周波数をコインシデンス限界周波数と言い、コインシデンス限界周波数とガラス板の厚さの間には相関があり、ガラス板が厚くなり曲げ剛性が大きくなると、コインシデンス限界周波数は低くなることが知られている。サッシの遮音において、このコインシデンス効果の発生を抑制しなければならない。なお、コインシデンス限界周波数は、数1の式で表される。
Figure 0005747717
また、共鳴透過現象とは、複層ガラスにおいて、1対のガラス板が中空層をバネとして共振し、中空層のある部分(力学的平衡点)を境にして右側の系と左側の系が同じ振動数で振動する現象である。この2つの系はエネルギー的に等価であることになり互いに共鳴し、複層ガラスはこの振動数の元では遮音性能が低下する。
以下、図1の(b)に示す関係式の範囲に規定する理由について説明する。まず、第1のガラス板G1(X[mm])と第2のガラス板G2(Y[mm])の関係については、ガラス板G1とガラス板G2の厚さを異なる厚さ(ガラス板G1の厚さは、ガラス板G2より大きい)にして、0.4≦Y/X≦0.8とすることが好ましい。
Y/Xの値が0.4より小さくなると、ガラス板G1とガラス板G2のコインシデンス限界周波数が顕著に異なり、音響透過損失が広い周波数帯域において低下する。また、ガラス板G1とガラス板G2の質量差が顕著に大きくなることから、ガラス板G1の遮音性能が支配的となり、ガラス板G2は遮音材としての作用を失う。この結果、遮音等級T−3等級に影響を及ぼしやすい周波数帯(250〜500Hz)での遮音性能低下を効果的に避けることができなくなり好ましくない。また、施工の観点から、Y/Xの値が、0.4より小さくなると、風圧が片方のガラス板に集中し強度の問題が懸念されるため好ましくない。
一方、Y/Xの値が0.8より大きく、特に、Y/Xの値が1に近くなる場合、ガラス板G1とガラス板G2のコインシデンス限界周波数が重なり、当該周波数において遮音性能が極端に悪化する。また、平行に配置されたガラス板G1とガラス板G2の間で生じる共鳴透過現象が強調され、共鳴透過周波数での音響透過損失の低下が増大するため好ましくない。
次に、複層ガラスの総厚(Z[mm])に対する第1のガラス板G1(X[mm])と第2のガラス板G2(Y[mm])の合計の厚さの関係については、0.5≦(X+Y)/Z≦0.7とすることが好ましい。
(X+Y)/Zの値が0.5より小さくなると、複層ガラスの総厚に対して、ガラス板G1とガラス板G2の合計の厚みの比が小さくなり、共鳴透過周波数がネオンガスによる主たる遮音効果範囲(250〜500Hz)から逸脱し、封入するネオンガスの遮音効果を十分に発揮することができないため、十分な遮音性能を得ることができなくなり、優れた遮音性能と断熱性能を両立することができなくなるため好ましくない。
一方、(X+Y)/Zの値の値が0.7より大きくなると、複層ガラスの総厚に対して、十分な中空層1の厚さを得られなくなり、封入するネオンガスの効果を十分に発揮することができないため、十分な断熱性能を得ることができなくなり、優れた遮音性能と断熱性能を両立することができなくなるため好ましくない。
上記関係の範囲を満たすものであれば、第1のガラス板G1、第2のガラス板G2および中空層1の厚さは、施工する条件等において適宜設計すればよい。具体的な構成としては、例えば、第1のガラス板G1と第2のガラス板G2が、それぞれ単板ガラスからなり、これらの単板ガラスの厚さがそれぞれ4.7mm以上、10.6mm以下であり、中空層の厚さが6.0mm以上、12.0mm以下の範囲内にて、複層ガラス100の構成を決定するとよい。第1のガラス板G1と第2のガラス板G2を、それぞれ単板ガラスとする場合、安価で極めてシンプルな構成にて、優れた断熱特性と遮音特性を両立した複層ガラスを提供できる利点がある。
本発明の複層ガラスに適用されるガラス板G1、G2は、フロート法等で製造された後、何ら後処理がなされていない生板ガラス(単板ガラス)、製造後、風冷強化または化学強化等の強化処理がなされた強化ガラス、ポリビニルブチラール膜などの樹脂中間膜を介して接合した合わせガラス、網入りガラス等を使用することができる。また、本発明の複層ガラスを構成する2枚のガラス板の内の少なくとも1枚に熱伝達を抑制する低放射膜をコーティングしたLow−Eガラスを用いることももちろん可能である。
また、ガラス板としては、施工条件に応じて、樹脂中間層を有する合わせガラスを使用する場合、第1のガラス板G1を単板ガラス、第2のガラス板G2を合わせガラスとする構成にするとよい。その場合、例えば、複層ガラスの総厚が18mm以上、24mm以下であり、熱貫流率が4.0W/m2・K以下であり、サッシとした際にJIS A4706:2000に準拠する遮音等級T−3等級に合格する複層ガラスを得るには、単板ガラスの厚さが5.7mm以上、10.6mm以下、合わせガラスの中のガラス部の厚さが5.4mm以上、8.6mm以下であり、樹脂中間層の厚さが0.38mm以上、2.28mm以下であり、中空層の厚さが6.0mm以上、12.0mm以下の範囲にて適宜設定されることが好ましい。
また、合わせガラスに用いる前記樹脂中間層は、ポリビニルブチラール、エチレン−酢酸ビニル共重合体または透明樹脂を積層させてなる遮音性中間膜から選ばれた樹脂中間膜に由来することものを用いることが好ましい。
本発明に係る複層ガラスにおいて、上記説明における図1(b)の関係式の数値範囲の有効性を検証するために、遮音性能および断熱性能に関する性能試験を行った。
性能試験においては、図1に示すような構造の複層ガラスを使用した。具体的には、ガラス板G1、G2の間に乾燥剤3としてゼオライトを充填した中空部を有するアルミニウム製のスペーサー4を挟み込み、スペーサー4の両側にブチルゴム接着剤(一次シール材5)を貼着し、ガラス板G1、G2を、スペーサー4を介してブチルゴム接着剤で接着一体化し、それぞれのガラス板G1、G2を隔置した複層ガラスを使用した。なお、ガラス板G1、G2とスペーサーに囲まれた凹部には、二次シール部6としてポリサルファイドシーラント使用し、複層ガラスの密閉を行った。なお、ガラス板G1、G2はそれぞれ単板のフロートガラス板(ソーダライムガラス)を使用した。
(遮音性能の評価)
遮音性能試験は、「サッシ」JIS A4706:2000に準拠し、「実験室における音響透過損失の測定方法」JIS A 1416に基づき行った。その際、前記JISに基づいて、規程の1/3オクターブ中心周波数における音響透過損失を測定した。尚、測定において音源はガラス板G1側におき、測定器はガラス板G2側に設置した。
詳しくは、JIS A1416:2000に記載されるタイプI試験室(残響室)を使用し、2本の木製押縁(25mm×25mm)を用いて、試験体を固定し設置を行い、JIS A1416:2000に記載の方法で音響透過損失の測定を行った。音響透過損失の測定値が、JISA4706:2000に記載の判断基準、「a)125Hz〜4000Hzの16点における音響透過損失が、全て該当する遮音等級線を上回ることとする。尚、各周波数帯域で該当する遮音等級線を下回る値の合計が3dB以下の場合は、その遮音等級とする。b)全周波数帯域において、下記の数2の式によって、音響透過損失を換算し、その換算値(6点)が該当する遮音等級線を上回ることとする。」に対し、遮音等級T−3等級について、a)、b)いずれかに基準を満たした場合、遮音等級T−3等級に合格するとした。
Figure 0005747717
(光学・熱的性能の測定)
次いで、「板ガラス類の透過率・反射率・放射率・日射取得率の試験方法」JIS R3106:1998に基づき、本発明の複層ガラスの光学性能、熱的性能を計算し、「板ガラス類の熱抵抗及び建築における熱貫流率の算定方法」JIS R3107:1998に準拠する、熱貫流率の計算を行った。
本発明の範疇となる実施例1〜実施例5および本発明の範疇外となる比較例1〜3について、複層ガラスの構成と遮音性能および断熱性能の評価結果をまとめたものを表1に示す。また、図2〜4にて、遮音性能試験を行った結果を示す。図2および図3は、実施例1〜実施例5の複層ガラスの遮音性能曲線のグラフである。図4は、比較例1〜比較例3の複層ガラスの遮音性能曲線のグラフである。なお、図2〜図4中の「T−3」は、JIS A4706:2000に準拠する遮音等級T−3等級を表す。
Figure 0005747717
以下に、実施例1〜5、比較例1〜3に関して、複層ガラスの構成、遮音性能および断熱特性について詳細に説明する。
[実施例1]
図1に示されるような複層ガラスにおいて、総厚は19.4mmであって、ガラス板G1、G2の板厚が、7.7mmのフロート単板ガラス(FL8)、5.7mmのフロート単板ガラス(FL6)であり、封入ガスとしてネオンを用い、厚みを6.0mmとした中空層1(Ne6)からなる構成の複層ガラス(FL8+Ne6+FL6)を用いて遮音性能の測定および熱貫流率の算出を行った。その結果、図2より、実施例1の複層ガラスにおいては、遮音等級T−3等級に合格する遮音特性を得ることができた。また、熱貫流率は、3.81W/m2・Kであった。
[実施例2]
同様に、総厚は21.4mmであって、ガラス板G1、G2の板厚がそれぞれ7.7、5.7mmのフロート単板ガラスを用い、中空層1の厚みを8.0mm、とする以外は実施例1と同じ構成の複層ガラス(FL8+Ne8+FL6)を用いて、遮音性能の測定および熱貫流率の算出を行った。その結果、図2より、実施例2の複層ガラスにおいては、遮音等級T−3等級に合格する遮音特性を得ることができた。また、熱貫流率は、3.58W/m2・Kであった。
[実施例3]
同様に、総厚は21.4mmであって、ガラス板G1、G2の板厚がそれぞれ7.7、4.7mmのフロート単板ガラスを用い、中空層1の厚みを9.0mm、とする以外は実施例1と同じ構成の複層ガラス(FL8+Ne9+FL5)を用いて、遮音性能の測定および熱貫流率の算出を行った。その結果、図2より、実施例3の複層ガラスにおいては、遮音等級T−3等級に合格する遮音特性を得ることができた。また、熱貫流率は、3.49W/m2・Kであった。
[実施例4]
同様に、総厚は22.4mmであって、ガラス板G1、G2の板厚がそれぞれ9.7、4.7mmのフロート単板ガラスを用い、中空層1の厚みを8.0mm、とする以外は実施例1と同じ構成の複層ガラス(FL10+Ne8+FL5)を用いて、遮音性能の測定および熱貫流率の算出を行った。その結果、図3より、実施例4の複層ガラスにおいては、遮音等級T−3等級に合格する遮音特性を得ることができた。また、熱貫流率は、3.56W/m2・Kであった。
[実施例5]
同様に、総厚は22.4mmであって、ガラス板G1、G2の板厚がそれぞれ7.7、5.7mmのフロート単板ガラスを用い、中空層1の厚みを9.0mm、とする以外は実施例1と同じ構成の複層ガラス(FL8+Ne9+FL6)を用いて、遮音性能の測定および熱貫流率の算出を行った。その結果、図3より、実施例5の複層ガラスにおいては、遮音等級T−3等級に合格する遮音特性を得ることができた。また、熱貫流率は、3.48W/m2・Kであった。
表1における実施例1〜5の結果より、本発明の範疇となる関係式(0.4≦Y/X≦0.8、かつ、0.5≦(X+Y)/Z≦0.7)を満たす複層ガラスは、総厚が24mm以下において、熱貫流率が4.0W/m2・K以下、JIS A4706:2000に準拠する遮音等級T−3等級に合格する遮音特性を有する、優れた遮音特性と断熱性能を両立した複層ガラスであることが分かる。
[比較例1]
総厚は17.4mmであって、ガラス板G1、G2の板厚がそれぞれ9.7mm、3.7mmのフロート単板ガラスを用い、中空層の厚さを6.0mmとする以外は、実施例1と同じ条件の複層ガラス(FL10+Ne4+FL4)を用いて遮音特性の測定および熱貫流率の算出を行った。その結果、図3より、比較例1の複層ガラスにおいては、遮音等級T−3等級に合格する遮音特性を得ることができた。しかしながら、熱貫流率は、4.15W/m2・Kであった。
[比較例2]
総厚は20.4mmであって、ガラス板G1、G2の板厚がそれぞれ9.7mm、2.7mmのフロート単板ガラスを用い、中空層の厚さを8.0mmとする以外は、実施例1と同じ条件の複層ガラス(FL10+Ne8+FL3)を用いて遮音特性の測定および熱貫流率の算出を行った。その結果、図3より、比較例2の複層ガラスにおいては、遮音等級T−3等級に合格する遮音特性を得ることができなかった。また、熱貫流率は、3.59W/m2・Kであった。
[比較例3]
総厚は21.4mmであって、ガラス板G1、G2の板厚がそれぞれ5.7mm、3.7mmのフロート単板ガラスを用い、中空層の厚さを12.0mmとする以外は、実施例1と同じ条件の複層ガラス(FL6+Ne12+FL4)を用いて遮音特性の測定および熱貫流率の算出を行った。その結果、図3より、比較例3の複層ガラスにおいては、遮音等級T−3等級に合格する遮音特性を得ることができなかった。また、熱貫流率は、3.31W/m2・Kであった。
表1における比較例1〜3の結果より、比較例1の場合は、遮音等級T−3等級に合格する遮音特性を得られたが、0.5≦(X+Y)/Z≦0.7の範囲を満たしていないため、複層ガラスの総厚に対して、中空層の厚さが十分でないため、熱貫流率が4.0W/m2・Kを得ることができず、十分な遮音性能と断熱性能を両立することができなかった。
また、本発明の関係式において、0.4≦Y/X≦0.8を満たさないが、0.5≦(X+Y)/Z≦0.7の範囲を満たす比較例2の場合は、熱貫流率が4.0W/m2・K以下となり、断熱性は十分であったが、図4より、250〜500Hzの周波数の領域において、遮音性能の落ち込みが大きく、遮音等級T−3等級に合格する遮音特性を得ることができなかった。
また、比較例3の場合は、本発明の関係式において、0.4≦Y/X≦0.8を満たすが、0.5≦(X+Y)/Z≦0.7の範囲を満たさない比較例3の場合は、熱貫流率が4.0W/m2・K以下となり、断熱性は十分であったが、図4より、250〜500Hzの周波数の領域において、遮音性能の落ち込みが大きく、遮音等級T−3等級に合格する遮音特性を得ることができなかった。
比較例2より、第1のガラス板G1と第2のガラス板の比(Y/X)が0.4より小さくなると、ガラス板G1、G2の異厚構造によるコインシデンス効果に由来する遮音性能の落ち込みを十分に抑えられなくなり、遮音等級T−3等級に合格する遮音特性を得ることができないことが分かる。
また、比較例3より、総厚に対するガラス板G1、G2の厚さの合計の比((X+Y)/Z)が、0.5より小さい場合、共鳴透過周波数がネオンガスによる主たる遮音効果範囲(250〜500Hz)から逸脱し、封入するネオンガスの遮音効果を十分に発揮することができないため、遮音等級T−3等級に合格する遮音特性を得ることができないことが分かる。
したがって、本発明の範疇である図1(b)に示す関係式を満たす複層ガラスは、限られた厚み(総厚が24mm以下、18mm以上)において、熱貫流率が4.0W/m2・K以下であり、JIS A4706:2000に準拠する遮音等級T−3等級に合格する遮音特性を有する複層ガラスを提供することが可能であることが分かる。
G1 第1のガラス板
G2 第2のガラス板
1 中空層
3 乾燥剤
4 スペーサー
5 1次シール材
6 2次シール材

Claims (3)

  1. 第1のガラス板と、該第1のガラス板とスペーサーを介して略平行に位置する第2のガラス板からなり、前記第1のガラス板と前記第2のガラス板間に中空層を形成し、該中空層にネオンガスが封入されている複層ガラスであって、
    前記複層ガラスの総厚が18mm以上、24mm以下であり、前記第1のガラス板と第2のガラス板が、それぞれ単板ガラスからなり、該単板ガラスの厚さがそれぞれ4.7mm以上、10.6mm以下であり、中空層の厚さが6.0mm以上、12.0mm以下であり、前記第1のガラス板の厚さに対する前記第2のガラス板の厚さの比が、0.4以上、0.80以下であり、かつ、前記複層ガラスの総厚に対する前記第1のガラス板と前記第2のガラス板の厚さの合計の比が、0.5以上、0.7以下であり、
    JIS R3107:1998に準拠する熱貫流率が4.0W/m 2 ・K以下であり、サッシとした際にJIS A4706:2000に準拠する遮音等級T−3等級に合格することを特徴とする複層ガラス。
  2. 請求項1に記載の複層ガラスを取り付けてなることを特徴とする窓。
  3. 請求項1に記載の複層ガラスを取り付けてなることを特徴とするドア。
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