JP5309108B2 - 耐指紋性ハードコート転写面を形成する転写シート - Google Patents

耐指紋性ハードコート転写面を形成する転写シート Download PDF

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Description

本発明は、被装飾物品に転写面を形成する転写シートに関し、特に、被装飾物品にハードコート転写面を形成する転写シートに関する。
転写シートを用いてプラスチック部品や外装品のような物品の表面を保護又は装飾する方法は従来から知られている。転写シートは、支持体である基体シートを含む剥離シート上に転写層が設けられた構成であり、この転写層が剥離シートから物品の表面に転写される。物品の表面に転写された転写層は樹脂や図柄が層状に積層された積層体であり、物品表面に保護被覆や装飾被覆を形成する。
特許文献1には、支持体シート上に、転写層として少なくとも保護層及び絵柄層をこの順に設けてなる転写シートにおいて、該保護層の樹脂成分が、アクリルポリオールを、架橋剤にシランカップリング剤を用いて架橋してなる2液硬化型樹脂である、転写シートが記載されている。この転写シートは支持体シートの転写層からの剥離力が安定しており、耐摩耗性に優れた転写面を形成することができる。
しかし、特許文献1の転写シートを用いて被装飾物品に形成された転写面は、人が触ると指紋が付着し易く、一旦指紋が付着すると除去が困難である。尚、本明細書では、人が触っても指紋が付着し難く、付着した指紋が除去し易い特性を耐指紋性という。
また、上記2液硬化型樹脂に含まれるシランカップリング剤は比較的低分子量である。それゆえ、支持体シートに塗布し、乾燥させた場合、形成される保護層は支持体シートに密着し易い。その結果、支持体シートが保護層から剥離しなくなり易く、剥離安定性は未だ不十分である。
特開2000−103196
本発明は上記従来の問題を解決するものであり、その目的とするところは、耐指紋性に優れたハードコート転写面を形成することができ、ハードコート層の厚みが均一であり、更に、剥離シートの転写層からの剥離力(剥離に要する力)が低く安定している転写シートを提供することにある。
本発明は、剥離シート、及び該剥離シートの面上に設けられた転写層を有する転写シートであって、
該転写層が、分子量300〜500のシランカップリング剤を含有するハードコート層を有する転写シートを提供する。
ある一形態においては、前記シランカップリング剤が、式
Figure 0005309108
[式中、Rは炭素数8〜25個のアルキル基であり、D、DはOCH、OC、OCOCH、Clからなる群より選ばれた脱離基であり、Yは、式−(CH−R{式中、Rはフェニル基、プロピル基、シクロヘキシル基からなる群より選ばれた基であり、nは0以上2以下の整数である。}で表される有機基である。]
で表される構造を有する。
ある一形態においては、前記Rは炭素数8〜25個の直鎖アルキル基であり、D、DはOCH、OC、OCOCH、Clからなる群より選ばれた脱離基であり、Yはシクロヘキシル基である。
ある一形態においては、ハードコート層中の前記シランカップリング剤の濃度が5〜30重量%である。
ある一形態においては、前記ハードコート層がポリエステル(メタ)アクリレートを含有する。
ある一形態においては、前記ハードコート層が剥離シートの面に接して設けられたものである。
ある一形態においては、前記ハードコート層が、ハードコート層を構成する成分を含むインキ又は塗料を剥離シートの面上に被覆し、乾燥させる工程を包含する方法により形成されたものである。
また、本発明は、上記いずれかに記載の転写シートの転写層を被装飾物品の面上に固定する工程;及び
転写シートから剥離シートを剥離する工程;
を包含する、耐指紋性ハードコート転写面の形成方法を提供する。
また、本発明は、上記いずれかに記載の転写シートを用いて形成された耐指紋性ハードコート転写面を有する装飾物品を提供する。
本発明の転写シートは、耐指紋性に優れたハードコート転写面を形成することができ、ハードコート層の厚みが均一であり、更に、基体シートの転写層からの剥離力が低く安定している。
本発明の一実施形態である転写シートの構造を示す断面図である。 本発明の一実施形態であるハードコート転写面を有する装飾物品の構造を示す断面図である。
転写シート
図1は本発明の一実施形態である転写シート6の構造を模式的に示す断面図である。剥離シート7の片面に接して転写層8が設けられている。剥離シート7は、基体シート1及び該基体シートの面上に形成された離型層2を有している。
転写層8は、剥離シートの側から順に積層されたハードコート層3、着色層4及び接着層5を有している。表示はしていないが、転写シートは、必要に応じて、図柄層、アンカー層及び金属薄膜などを有してよい。
剥離シート
剥離シート7は転写層8が被装飾物品の表面に固定された後に剥離される部材をいう。
剥離シート7を構成する基体シート1は、着色層やハードコート層をシート上に支持する用途に従来から使用されるシート材料又はフィルム材料である。フィルム材料は合成樹脂からなるシート材料をいう。合成樹脂としては、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、及び、アクリロニトリルブタジエンスチレン系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の合成樹脂が好ましく挙げられる。
また基体シートとしては、上記の合成樹脂から形成された単層シート、単層シートを2以上積層した積層シート(各単層シートの材料組成は上記群から選択された合成樹脂を使用していれば同一であっても異なっていてもよい)、上記の合成樹脂を用いた共重合シートなどが挙げられる。
基体シートの厚みは、5〜500μmであることが好ましい。基体シートの厚みが5μm以上であると、被装飾物品に転写シートを固定する場合に、転写シートを金型に配置する時のハンドリング性をより十分に確保できる。また、基体シートの厚みが500μm以下であると、適度な剛性を得ることができハンドリング性をより十分に確保できるようになる。
離型層2は、剥離シートの転写層からの剥離性を向上させるために、必要に応じて設けられる層である。この離型層は剥離シートを剥離時に、剥離シートの一部として転写層から剥離除去される。離型層としては、例えば、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ワックス等の単体又はこれらを含む混合物が用いられる。これらの中でも好ましいものはメラミン樹脂である。剥離シートの剥離性を調整するために、基体シートの転写層側の面にコロナ放電処理、オゾン処理等を行っても良い。
装飾物品に艶消しの外観が要求される場合は、離型層にマット剤を含有させることにより、離型層の表面に微細な凹凸を形成させてよい。この場合、転写層の最外側になる層の表面には、離型層の表面の反転形状である微細な凹凸が形成され、装飾物品には艶消しの外観が提供される。
マット剤の例には、粒子、例えば、シリカ粒子及びカーボンブラック粒子等の無機粒子が挙げられる。シリカ粒子は、例えば石英や無水ケイ酸などによって得られるものを用いればよい。カーボンブラック粒子は、例えば、天然ガスや石油、クレオソート油などの炭化水素の熱分解と不完全燃焼の組み合わせによって得られるものを用いればよい。溶剤による膨潤性、形状安定性および成形時の耐熱性などという観点から、粒子としてシリカ粒子が特に好ましい。
離型層2は、例えば、離型層を構成する成分及び有機溶媒を含む組成物を用いて形成される。例えば、この組成物を基体シートの面上に被覆し、乾燥させて、層状に成形する。被覆された離型層は、必要に応じて、架橋させるために更に加熱してもよい。離型層を形成するための組成物はグラビア印刷が可能なインキ組成物であることが好ましい。
基体シート1の面上に離型層2を形成するには、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法など通常の印刷法を用いるとよい。効率的に形成するためには、これらの中でもグラビア印刷法を用いることが好ましい。
転写層
転写層8は剥離シート7の片面に設けられて剥離シート7から被装飾物品の表面に転写される層をいう。
転写層8を構成するハードコート層3は、転写後に剥離シート7を剥離した際に、転写層8の最外側になる層である。ハードコート層3は、転写後、剥離シートを被装飾物品から剥離したときに、装飾物の表面に配置され、転写層を保護するために一定以上の硬度を有している。
ハードコート層としては、熱、紫外線又は電子線等のエネルギーを印加すると架橋又は硬化するエネルギー架橋性樹脂を用いる。ハードコート層の材質としては、シアノアクリレート系やウレタンアクリレートなどの電離放射線硬化性樹脂や、アクリル系やウレタン系などの熱硬化性樹脂が挙げられる。好ましくは、エネルギー架橋性樹脂は紫外線又は電子線を印加して架橋する活性エネルギー線架橋性樹脂である。活性エネルギー線樹脂は、印加するエネルギーの量を増減することにより架橋の程度を容易に調整することができるからである。
より好ましくは、ハードコート層に使用される樹脂は光硬化性樹脂である。
光硬化性樹脂としては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン系アクリレート、エポキシ変性(メタ)アクリレート、ウレタン変性(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート変性ポリエステルなどの不飽和エチレン系オリゴマーや不飽和エチレン系モノマーとを適宜混合したものに重合開始剤や増感剤を添加した組成物等が挙げられる。
光硬化性樹脂の中でも、ハードコート層に使用される樹脂としてはポリエステル(メタ)アクリレートがさらに好ましい。ポリエステル(メタ)アクリレートは、それ自体高い硬度を有し、また、上記シランカップリング剤を添加したときのハードコート層の硬化性と被転写物に対する追従性のバランスが良好となるためである。
ハードコート層にはシランカップリング剤を含有させる。ハードコート転写面の耐指紋性及び耐磨耗性が向上するからである。ここで使用するシランカップリング剤は比較的高分子量のものである。シランカップリング剤が高分子量であれば、ハードコート層を塗布後乾燥する際に表面に向かって移動し難く、ハードコート転写面の付近に効率的に存在させることができるからである。また、高分子量のシランカップリング剤を用いるとハードコート層を形成する組成物のポットライフが延長され、該組成物の印刷適性が向上する。
シランカップリング剤の分子量は、300〜500、好ましくは300〜450である。シランカップリング剤の分子量が300未満であると、ハードコート層を構成する上記エネルギー架橋性樹脂の中にシランカップリング剤を添加したとき、エネルギー架橋性樹脂とシランカップリング剤とが即座に架橋反応してしまい、ハードコート層を形成する組成物の印刷適性が低下する。またこの組成物を基体シートの上に形成すると、基体シートの一部が当該組成物と反応してしまい、基体シートがハードコート層から剥離するのが困難となる。シランカップリング剤の分子量が500を超えるとハードコート層を構成するポリエステル(メタ)アクリレートとの相溶性が悪くなり、当該ポリエステル(メタ)アクリレートとシランカップリング剤とが均一に反応しなくなる。その結果、ハードコート層が耐指紋性の効果を有しなくなるためである。
好ましいシランカップリング剤は高分子量の有機基を有するものであり、例えば、上記式(1)で表される構造を有するものである。より好ましいシランカップリング剤は、式(1)中、Rは炭素数8〜25個の直鎖アルキル基であり、D、DはOCH、OC、OCOCH、Clからなる群より選ばれた脱離基であり、Yはシクロヘキシル基である。
シランカップリング剤が高分子量のアルキル基を有していると、ハードコート層を形成する組成物の剥離シートの表面、特に離型層の表面に対する印刷性が改善され、被覆時にハジキ又はムラが発生し難くなる。それゆえ、形成されるハードコート層は、厚みが均一になる。その結果、基体シートの転写層からの剥離力が低く安定する。
シランカップリング剤は、ハードコート層中の濃度が5〜30重量%、好ましくは7〜25重量%、より好ましくは10〜20重量%となるような量で含有させる。ハードコート層中のシランカップリング剤の濃度が5重量%未満であると耐指紋性の効果が発揮されず、30重量%を超えると層間密着力が悪くなるためである。
ハードコート層には、必要に応じて、各種添加剤を含有させてよい。例えば、添加剤として、金属酸化物粒子の充填剤を添加すると、耐摩耗性を大幅に向上させる事が出来る。充填剤としての金属酸化物粒子は、例えば、アルミニウム、チタニウム、珪素、ジルコニウム、マグネシウム等の金属の酸化物が挙げられる。具体的には、例えばα−アルミナ等のアルミナ等である。この様な、金属酸化物粒子は、例えば、平均粒径2〜3μmで、粒径分布の最小値が0.01μm、最大値が6μmの範囲に入るものが、良好な耐摩耗性が得られる点で好ましい。
また、金属酸化物粒子の形状は、球形又は球形に近い形状、例えば回転楕円体等が塗工適性が良く(筋などが発生しない)、また転写シートが成形される場合に、成形時に保護層に亀裂や破断も生じ難く、好ましい。なお、形状としては、その他、鱗片状、多角形状等の形状のものも使用し得る。また、金属酸化物粒子の添加量は、要求物性により異なるが、上記光硬化性樹脂100重量部に対して0.1〜30重量部程度である。本発明ではハードコート層にシランカップリング剤を使用している為、上記金属酸化物からなる充填剤とマトリックス樹脂とを強固に結合させ、強靭な皮膜が形成される。
上記金属酸化物粒子以外の添加剤としては、体質顔料等の充填剤、ワックス等の滑剤、紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤等の公知の添加剤を適宜用いてよい。
ハードコート層3は、例えば、ハードコート層を構成する成分及び有機溶媒を含む組成物を用いて形成される。例えば、この組成物を基体シートの面上に被覆し、乾燥させて、層状に成形する。被覆されたハードコート層は、必要に応じて、架橋させるために更に加熱等してもよい。ハードコート層を形成するための組成物はグラビア印刷が可能なインキ組成物であることが好ましい。
剥離シート7の面上にハードコート層3を形成するには、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法など通常の印刷法を用いるとよい。効率的に形成するためには、これらの中でもグラビア印刷法を用いることが好ましい。
ハードコート層の厚みは0.3μm〜50μmとする。0.3μm未満であれば、充分な表面硬度が得られず。物品表面の保護機能が維持できない。一方、50μmを越えると、ハードコート層の充分な透明度が得られず着色層からの装飾機能を損なうこととなる。より好ましいハードコート層の厚みは2〜10μmである。
ハードコート層は形成した後に架橋させることが好ましい。剥離シートのマット層からの剥離性が良好になるからである。架橋の程度は完全に架橋させてもよいし、また、マット層からの良好な剥離性が得られる最低限度の部分的な架橋に留めてもよい。架橋を部分的に留める場合は、ハードコート層は転写後に完全に架橋させることが好ましい。
ハードコート層の架橋は、架橋した後に一旦中間積層体を巻き取り、着色層又は絵柄層は改めて印刷するオフライン的な工程で行ってよく、又は、その後着色層又は絵柄層まで形成する一連の過程の一工程としてインライン的な工程で行ってもよい。
着色層4は被装飾物品の地色を隠蔽して被装飾物品を着色するための層である。着色層は、基体シートの側の隣接している層、例えば、ハードコート層3の表面に、インキ又は塗料を展着させて形成する。
着色層のバインダーとなる合成樹脂としては、ポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキド樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂、熱可塑ウレタン系樹脂、メタアクリル系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、塩化ゴム系樹脂、塩化ポリエチレン系樹脂、及び、塩素化ポリプロピレン系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の合成樹脂であることが好ましい。
着色層の着色剤としては、顔料又は染料が挙げられる。着色層の着色剤は加飾シートを着色する用途に従来から使用される種類のものが用いられる。好ましい着色剤の具体例は、(1)インジゴ、アリザリン、カーサミン、アントシアニン、フラボノイド、シコニンなどの植物色素、(2)アゾ、キサンテン、トリフェニルメタンなどの食用色素、(3)黄土、緑土などの天然無機顔料、(4)アクリル系、ウレタン系などの無機顔料、(5)炭酸カルシウム、酸化チタン、アルミニウムレーキ、マダーレーキ、コチニールレーキなどが挙げられる。
着色層を形成するために、金属薄膜細片をバインダー樹脂中に分散した、鏡面状金属光沢を有するインキ(以下、高輝性インキと言う。)からなる高輝性インキ層を用いてもよい。金属薄膜細片のインキ中の不揮発分に対する含有量は、3〜60質量%の範囲であることが好ましい。顔料として金属薄膜細片を使用した高輝性インキは、該インキを印刷又は塗布した際に金属薄膜細片が被塗物表面に対して平行方向に配向する結果、高輝度の鏡面状金属光沢が得られる。
また、図柄層(非表示)は文字又は絵柄を示す層である。図柄層の成分及び形成方法は、図柄に応じたパターン状に形成すること以外は着色層と同様である。
また、接着層5は、転写シートの内側表面のうち被装飾物品に接着させたい部分に形成する。すなわち、内側表面全体を被装飾物品に接着させたい場合に、その表面全体に接着層を形成する。また、内側表面のうちの一部分を被装飾物品に接着させたい場合には、そのうちの一部分に接着層を形成する。
接着層の構成材料としては、被装飾物品に対する十分な接着性を得ることができれば特に限定されない。接着層を被装飾物品に加熱圧着する場合には、接着層の構成材料としては、感熱性、感圧性を有する合成樹脂を適宜選択すればよい。
例えば、被装飾物品の表面部分の構成材料がポリアクリル系樹脂の場合には、接着層の構成材料としては、ポリアクリル系樹脂を用いることが好ましい。また、例えば、被装飾物品の表面部分の構成材料がポリフェニレンオキシド共重合体、ポリスチレン系共重合体樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂、ポリスチレン系ブレンド樹脂の場合には、接着層の構成材料としては、これらの樹脂と親和性のあるポリアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂などを適宜選択して採用すればよい。
更に、例えば、被装飾物品の表面部分の構成材料がポリプロピレン樹脂の場合は、接着層の構成材料としては、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、環化ゴム、クマロンインデン樹脂が使用可能である。
接着層の厚みは、0.5μm〜50μmであることが好ましい。接着層の厚みが0.5μm以上であると、十分な接着性をより容易かつ確実に得ることができるようになる。接着層の厚みが50μm以下であると、被装飾物品に転写シートを固定した後に乾燥し易く好ましい。
転写層を構成する層のうち各樹脂層の形成は、特に断らない限り、従来と同様の方法によって行うことができる。従来の層形成方法の例には、層を構成する成分を含むインキ又は塗料を用いたグラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。
ハードコート転写面の形成方法
本発明の転写シートを使用して、熱ロール転写又はインモールド成形などの方法により、被装飾物品の表面にハードコート転写面を形成することができる。例えば、熱ロール転写においては、転写シートの接着層側(基体シートの反対側)の面を被装飾物品の表面に重ね、ロール転写機、アップダウン転写機などの転写機を用いて、転写シートの基体シート側から熱及び圧力をかける。こうすることにより、転写シートが被装飾物品の表面に接着する。次いで、剥離シートが剥離されて、物品の表面にハードコート転写面が形成される。
また、インモールド射出成形においては、まず、成形用金型内に、転写シートを送り込む。その際、転写シートの向きは、転写層のハードコート層側が金型キャビティ面を向くように合わせる。
次いで、金型を閉じ、溶融樹脂が転写シートの接着層側の面に接するように、即ち、転写シートが溶融樹脂と金型キャビティ面に挟まれるように、溶融樹脂を金型のキャビティ内に充填させる。その結果、溶融樹脂は成形され、同時に転写シートは射出成形体の表面に接着される。樹脂を冷却し、金型を開いて射出成形体を取り出すと、転写層が射出成形体の表面に接着されている。次いで、剥離シートが剥離されて、物品の表面にハードコート転写面が形成される。
ハードコート転写面を有する装飾物品
上記ハードコート転写面の形成方法によって、被装飾物品に固定された本発明の転写層を有してなる装飾された物品が得られる。図2は本発明の一実施形態である装飾された物品の構造を示す断面図である。装飾された物品は被装飾物品9に転写層8が固定されている。
被装飾物品は、転写シートを用いて装飾可能な表面を有する物品であれば、特に限定されない。ハードコート転写面の耐指紋性を発揮させる観点からは、通常の使用形態において、表面が人の手が触れる製品又は部品が好ましい。例えば、携帯電話の本体カバー、ノート型パソコンの本体カバー、メディアプレーヤーの本体カバー等が挙げられる。
以下の実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。尚、実施例中「部」又は「%」で表される量は特に断りなき限り重量基準である。
実施例1〜7
幅650mm、厚み38×10−3mm(38μm)の2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを基体シートとして用いた。この基体シートの一方の面に、グラビア印刷法を用いて、メラミン樹脂11%を含有するインキを印刷して、離型層を形成した。離型層の乾燥厚さは2.5μmとした。
次いで、表1に示す樹脂、シランカップリング剤及びアルミナ粉末1.3重量%を含むインキを離型層の表面に塗布して、ハードコート層を形成した。形成したハードコート層は、引き続きラインの中で200度に加熱し、次いで波長600〜700nmの紫外線を照射することにより樹脂を架橋し、得られた中間積層体をロールに巻き取った。
得られたロールを印刷ラインにセットし、中間積層体を繰り出して、着色層を3層重ねて印刷した。各層を形成する印刷インキとしては、酸化チタンを3.0重量%添加したアクリル系樹脂を使用した。印刷はグラビア印刷法を用いて行った。
全ての着色層を乾燥させた後、最内側着色層を含め積層シートの面全体を被覆するように、アクリル樹脂、厚み1×10−3mm(1μm)となるようにグラビア印刷法でコーティングし、接着層を形成した。
得られた転写シートを用いて、透明アクリル板に転写を行ったところ、転写品の表面にはハードコート転写面が形成された。得られたハードコート転写面の性能を次のようにして評価した。結果を表1に示す。
耐指紋性
(1)指紋除去容易性:
JIS K2246に記載されている指紋除去性試験方法に準拠して実施した。なお、指紋が除去されたかどうかの判断は、試験片の人工指紋液を付着させた部分の外観を三波長光源下にて20cm離して目視で観察することにより行った。
評価基準
Figure 0005309108
(2)指紋付着困難性:
転写品の表面に指を複数回接触させ、何回目で転写品の表面に指紋が付着するか試験した。指紋が付着したかどうかの判断は、試験片の指が接触した部分の外観を三波長光源下にて20cm離して目視で観察することにより行った。
評価基準
Figure 0005309108
印刷適性
印刷後のフイルムについて、ムラ、地汚れ、ドクタースジなどの不良現象の有無によって評価した。幅650mm、長さ1000mmの面積を、印刷面から20cm離し三波長光源下にて外観を目視確認した。
評価基準
Figure 0005309108
剥離性
転写シートを透明アクリル板に接着したのち、基体シートが転写シートから剥離するか否かによって評価した。なお上記剥離は、丸型バン式テンションゲージ0.3N(株式会社 大場計器製作所社製)を用いて30Nの力で基体シートを引張ることにより行った。
評価基準
Figure 0005309108
層間密着性
転写シートを透明アクリル板に接着したのち、基体シートを転写シートから剥離する際、ハードコート層と着色層との間で剥離が生じるか否かによって評価した。なお上記剥離は、丸型バン式テンションゲージ0.3N(株式会社 大場計器製作所社製)を用いて30Nの力で基体シートを引張ることにより行った。
評価基準
Figure 0005309108
ハードコート層の硬さ
転写シートを透明アクリル板に接着し、次に基体シートを転写シートから剥離することにより装飾品を得た。この装飾品をガラス板上にセロハンテープで固定し、JIS K5400−1990に準拠して鉛筆で、上記装飾品についてハードコート層面の引掻き試験を行った。判定はハードコート層の破れで評価した。
比較例1
アクリルポリオール10重量部、シランカップリング剤12重量部、平均粒径2.5μmのα−アルミナ30重量部を含有するインキを用いてハードコート層を形成すること以外は実施例1と同様にして、転写シートを製造し、これを用いて透明アクリル板にハードコート転写面を形成した。次いで、実施例1と同様にして、得られたハードコート転写面の性能を評価した。結果を表1に示す。
Figure 0005309108
1…基体シート、
2…離型層、
3…ハードコート層、
4…着色層、
5…接着層、
6…転写シート、
7…剥離シート、
8…転写層、
9…被装飾物品。

Claims (8)

  1. 剥離シート、及び該剥離シートの面上に設けられた転写層を有する転写シートであって、該転写層が、分子量300〜500のシランカップリング剤を含有するハードコート層を有する転写シートであって、
    前記シランカップリング剤が、式
    Figure 0005309108
    [式中、R は炭素数8〜25個のアルキル基であり、D 、D はOCH 、OC 、OCOCH 、Clからなる群より選ばれた脱離基であり、Yは、式−(CH −R {式中、R はフェニル基、プロピル基、シクロヘキシル基からなる群より選ばれた基であり、nは0以上2以下の整数である。}で表される有機基である。]
    で表される構造を有する転写シート。
  2. 前記Rは炭素数8〜25個の直鎖アルキル基であり、D、DはOCH、OC、OCOCH、Clからなる群より選ばれた脱離基であり、Yはシクロヘキシル基である請求項1に記載の転写シート。
  3. ハードコート層中の前記シランカップリング剤の濃度が5〜30重量%である請求項1又は2に記載の転写シート。
  4. 前記ハードコート層がポリエステル(メタ)アクリレートを含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の転写シート。
  5. 前記ハードコート層が剥離シートの面に接して設けられたものである請求項1〜4のいずれか一項に記載の転写シート。
  6. 前記ハードコート層が、ハードコート層を構成する成分を含むインキ又は塗料を剥離シートの面上に被覆し、乾燥させる工程を包含する方法により形成されたものである請求項1〜5のいずれか一項に記載の転写シート。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の転写シートの転写層を被装飾物品の面上に固定する工程;及び
    転写シートから剥離シートを剥離する工程;
    を包含する、耐指紋性ハードコート転写面の形成方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の転写シートを用いて形成された耐指紋性ハードコート転写面を有する装飾物品。
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